JP3402884B2 - 液化炭酸ガスの深海投入装置 - Google Patents

液化炭酸ガスの深海投入装置

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  • Physical Or Chemical Processes And Apparatus (AREA)
  • Carbon And Carbon Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、低温流体を深海に
投入するための低温流体深海投入装置に関し、特に地球
温暖化対策として液化された炭酸ガス(以下「液化CO
2」という)を深海に投入する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】地球温暖化に対する対策のひとつとし
て、燃焼排ガスからCO2を回収し、これを深海に投入
することが検討されており、例えば特開開3−1287
92号公報に示されているように、液化CO2を投入管
を通して深海へ投入するようにしたCO2の深海投入方
法および装置が提案されている。すなわち図6に示すよ
うに、陸上のCO2処理プラントで液化された炭酸ガス
(液化CO2)が輸送船05によって洋上基地06へ運ばれ
る。洋上基地06から液化CO2は投入管07によって深海
に投入される。しかしながら、液化CO2を極低温のま
ま投入すると海水が氷結し、投入管07の出口を閉塞する
恐れがあるばかりでなく、投入された液化CO2により
周囲の海水が氷となり、液化CO2とともに浮上してし
まう恐れもある。
【0003】このような不具合に対し、特願平6−33
481号,特願平6−60962号,特願平6−104
581号により、次のような昇温対策が提案されてい
る。 (1) 投入前の液化CO2の温度を、洋上基地上の熱交換
器(海水利用)を用いてあらかじめ上げてから投入す
る。 (2) 洋上基地に推進装置を設けて投入管を曳航するよう
に前進させ、投入管と周辺海水の相対速度を上げて周辺
からの伝熱量を増やす。 (3) 深度100m〜500m程度の箇所で投入管を二重管に
し、外側の管内に、比較的温度の高い海表面付近の海水
を通すことにより内側の管内を降下する液化CO2を昇
温する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】液化CO2は、液相を
保つよう貯蔵タンク内では例えば−55℃,0.6MPaの
状態で貯蔵される。この状態のまま投入管により深海へ
送り出される場合、周囲の海水との熱伝達が不十分だ
と、投入管出口でも液化CO2の温度が海水の氷点以下
の低温で放出され、投入管先端部が結氷により閉塞する
恐れがあるばかりでなく、送り込もうとしている液化C
2とともに氷化した海水が海面に浮上する恐れがあ
る。特に、投入管の上部は低温なので投入管の外面に海
水が氷結し、海水から投入管内への伝熱をさらに阻害す
ることになる。
【0005】このような不具合に対して前述したような
昇温対策は一応有効であるが、これらはいずれも大量の
海水を取扱うために大型の設備や動力が必要になるとい
う問題点がある。本発明は、このような問題点の解決を
はかろうとするもので、深海に達する投入管を通して深
海に液化CO2を投入する装置において、投入管出口に
おける氷結と投入された液化CO2の浮上とを、大型の
設備や動力を用いずに防止することを可能とした、液化
CO2の深海投入装置を提供することを目的としてい
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、海面から深海
に達する投入管を通して深海に液化炭酸ガスを投入する
装置において、上記投入管に、上記液化炭酸ガスが比較
的海水温度の高い海表面付近を通過する所要時間を、他
の部分における通過所要時間よりも長くする緩速手段を
設けて課題解決の手段としている。
【0007】また、上記緩速手段を、上記投入管の上部
に形成された上記液化炭酸ガスの通過断面積拡大部によ
り構成して課題解決の手段としている。
【0008】さらに、上記緩速手段を、上記投入管の上
部を螺旋形状に形成して管路長を長くすることにより構
成して課題解決の手段としている。
【0009】さらにまた、上記緩速手段を、上記投入管
の海面から少なくとも100mの深さまでにわたって設け
て課題解決の手段としている。
【0010】本発明によると、投入管の上部に形成され
た通過断面積が大きい箇所では投入管内の液化CO2
流速が断面積の大きさに反比例して遅くなり、また螺旋
形状の箇所では管長が長くなって、表層近くの水温の高
い所での液化CO2の通過時間が延び、このことにより
液化CO2の昇温化がはかられる。
【0011】液化CO2の通過断面積の大きい箇所や螺
旋形状の箇所の長さ(水深)は、昇温の観点からだけな
らば長い方がよく、極端には全長にわたって直径を大き
くすることも一応考えられるが、そうすると投入管の全
体重量が重くなって投入管の揚降装置や揚降作業が現実
的でなくなったり、洋上から深海まで液化CO2が到達
する時間が長くなり過ぎて投入作業開始や停止の時間が
大幅にかかる分、稼働性が悪くなったりする。したがっ
て、緩速手段を設ける部分は、海水の温度が比較的高い
表層の部分、すなわち海面下100mから500m程度の深さ
までに限定することにより、効率良く液化CO2の昇温
をはかることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図面により本発明の一実施
形態としての液化炭酸ガスの深海投入装置について説明
すると、図1はその投入管の側断面図、図2は同海水温
の鉛直分布モデル図、図3は同海流速の鉛直分布モデル
図、図4は同投入管管内の液化CO2の温度分布図であ
る。
【0013】この実施形態の液化炭酸ガスの深海投入装
置も、図6に示した場合と同様に、洋上基地を利用し、
投入管1を通じて液化CO2を深海に投入するもので、
投入管1は洋上基地(図示せず)から深度Lの深海まで
液化CO2を送り込むのに用いられている。投入管1
は、直径がdの主体部1aがその長さのうちのほとんど
を占めるが、上端部に、dよりも大きな直径Dを有し、
かつ、海面から下方への長さm(深さ)までの大径部2
が形成されている。符号3は海面を示す。ここで上記の
d,D,mの具体的な値は、液化CO2の処理量や現地
海域の海水温度および海流速の鉛直分布などを考慮して
決定されることになる。
【0014】次にその一例を示す。液化CO2の投入深
度Lが4000m,液化CO2の処理量が0.13m3/秒の場
合、(なおこの液化CO2の処理量は80万KW級の石炭
火力発電所から回収されるCO2を連続投入することに
おおよそ相当する。)投入管1として主体部1aの外径
が300mm,肉厚が10mm(内径dは280mm)のものを用いる
と、液化CO2の流下速度は約2.1m/秒なので、投入管
1の全長4000mを上から下まで通過するのに約32分間か
かることになる。
【0015】現地海域の水温,流速の鉛直分布が、図
2,図3に示したように、海面において水温20℃,流速
1m/秒,深度200m以深において水温2℃,流速0.05
m/秒、海面と深度200mとの間は、水温,流速とも直
線的変化をするものとする。図5は、上記の条件のもと
に、投入管1が全長にわたって直径が一様である場合、
投入管1の管内液化CO2の温度分布を推定したグラフ
である。なおこの推定は、管外着水による入熱遮蔽効果
を考慮するものであるが、詳しくは文献(尾崎ほか;日
本造船学会論文集第175号,平成6年)に述べられて
いる。図5のグラフより洋上で−55℃にて投入された液
化CO2の管出口での温度は−7℃であり、海水の氷点
よりもまだ低い。
【0016】一方図4は、投入管の上端部に、海面下20
0mの深さまで大径部2〔大径部2の直径は外径・内径
ともに主体部1の2倍(内径D=560mm)〕を形成した
場合の実験結果を示すグラフである。図4のグラフよ
り、深度200m以深での昇温の勾配は図5の場合とほぼ
同じであるが、大径部で昇温のしかたが大きい。したが
って、結果として、投入管の出口での液化CO2の温度
は、周辺海水温度とほぼ同じになっており、海水が投入
管下端で氷結しないことがわかる。なお全長にわたって
直径を2倍にした場合には、管内の液化CO2の流下速
度は1/4となって、上から下まで通過するのに128分
間もかかることになるが、上端部200mのみの直径を2
倍にしたこの例では36分間であり、上述の32分間に比べ
てさほどの増加ではない。
【0017】なおこの例では、上端部の直径の大きくな
る部分が、一様な外径および内径を有する構成であるも
のとして示したが、何段階かに分けることも可能であ
り、また直径が急変しないように漸減させることも可能
である。また、本発明は、液化CO2の比較的海水温度
の高い海表面付近の通過時間を、主体部1aを通過する
時間に比べて長くなるように設定したことが本質である
ので、投入管1の上端部のみ複数本にして液化CO2
通過断面積を大きくしたり、上層部のみ螺旋管にして管
路を長くしたりしてもよいが、このような緩速手段を設
ける部分は、海水の温度が比較的高い表層の部分、すな
わち海面下100mから500m程度の深さまでに限定するこ
とにより、効率良く液化CO2の昇温をはかることがで
きる。上述した液化CO2の投入時の温度や深海の深
度、あるいは海水温度や流速の鉛直分布,液化CO2
処理量などの数値は一例として示したものであり、本発
明の適用はこれらの値に一切限定されないことは当然で
ある。
【0018】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の液化炭酸
ガスの深海投入装置によれば、深海に低温の液化CO2
を投入するに際し、液化CO2の出口温度を周辺海水の
凝固温度またはそれ以上にまで昇温でき、深海の投入位
置における海水が凝固して投入管の先端を閉塞させるな
どの不具合発生を防止でき、しかもそのために特に大型
の設備や余分の動力が不要である、という利点が得られ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態としての液化炭酸ガスの深
海投入装置の投入管の側断面図。
【図2】同海水温の鉛直分布モデル図。
【図3】同海流速の鉛直分布モデル図。
【図4】同投入管管内の液化CO2の温度分布図。
【図5】従来の一様な直径の投入管を用いた場合の投入
管管内の液化CO2の温度分布図。
【図6】従来の洋上基地を利用した液化炭酸ガスの深海
投入装置の模式図。
【符号の説明】
06 洋上基地 07,1 投入管 1a (投入管1の)主体部 2 大径部 3 海面 D 大径部2の直径 d 主体部1aの直径 L 投入管の長さ(深度) m 大径部の長さ(深度)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 海面から深海に達する投入管を通して深
    海に液化炭酸ガスを投入する装置において、 上記投入管に、上記液化炭酸ガスが比較的海水温度の高
    い海表面付近を通過する所要時間を、他の部分における
    通過所要時間よりも長くする緩速手段が設けられている
    ことを特徴とする、液化炭酸ガスの深海投入装置。
  2. 【請求項2】 上記緩速手段が、上記投入管の上部に形
    成された上記液化炭酸ガスの通過断面積拡大部により構
    成されていることを特徴とする、請求項1に記載の液化
    炭酸ガスの深海投入装置。
  3. 【請求項3】 上記緩速手段が、上記投入管の上部を螺
    旋形状に形成して管路長を長くすることにより構成され
    たことを特徴とする、請求項1に記載の液化炭酸ガスの
    深海投入装置。
  4. 【請求項4】 上記緩速手段が、上記投入管の海面から
    少なくとも100mの深さまでにわたって設けられている
    ことを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の液
    化炭酸ガスの深海投入装置。
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