JP3258261B2 - マルチウィンドウ表示制御装置 - Google Patents

マルチウィンドウ表示制御装置

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JP3258261B2
JP3258261B2 JP22767997A JP22767997A JP3258261B2 JP 3258261 B2 JP3258261 B2 JP 3258261B2 JP 22767997 A JP22767997 A JP 22767997A JP 22767997 A JP22767997 A JP 22767997A JP 3258261 B2 JP3258261 B2 JP 3258261B2
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  • User Interface Of Digital Computer (AREA)
  • Digital Computer Display Output (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数のウィンドウ
を表示画面に表示するマルチウィンドウ表示制御装置に
関し、特にマルチウィンドウを用いた作業環境を提供す
るシステムのユーザインタフェースの向上に関する。
【0002】
【従来の技術】マルチウィンドウシステムでは、ディス
プレイ画面上に複数のウィンドウ画面を表示させること
ができる。それら個々のウィンドウの位置を変えたい場
合は、ウィンドウの例えばタイトル部分といった所定の
部分にマウスポインタを合わせ、マウスボタンを押下し
ながら所望の位置まで移動させて、マウスボタンを離
す。このような簡単な操作で各ウィンドウをディスプレ
イ上の任意の位置に配置することが可能である。
【0003】しかし、マルチウィンドウ環境下では、複
数のウィンドウが同一のディスプレイ上にて相互に重な
って表示されることが可能である。そのため、上述のウ
ィンドウ移動方法では、移動対象のウィンドウのタイト
ル部分が他のウィンドウの下敷きとなってマウスポイン
タを合わせられない場合には、直ちには、ウィンドウを
移動させることができない。
【0004】ただし、この場合であっても、ウィンドウ
の一部が可視状態にある、つまり画面上に表示されてい
る部分があれば、その部分にマウスポインタを合わせて
マウスボタンを押下することによって、ウィンドウをア
クティブ状態とすることができる。アクティブ状態とな
ったウィンドウはその全体の領域が可視状態となり、タ
イトル部分にマウスポインタを合わせることができるよ
うになる。したがって、ウィンドウ同士が重なりあって
いるような状態であっても、ウィンドウの一部が可視状
態にあれば、当該ウィンドウをアクティブとした後に、
マウス等によって所望の位置に移動させることができ
る。
【0005】しかし、ウィンドウのすべての領域が他の
ウィンドウの下敷きとなった状態、すなわち不可視状態
にある場合には、当該不可視ウィンドウをマウス等のポ
インティングデバイスでアクティブにすることはできな
い。よって、そのような状態にあるウィンドウをマウス
等のポインティングデバイスで移動することはできな
い。
【0006】これを解決する手段として、特開平5−3
24239号公報、特開昭62−189584号公報に
開示されたものが知られている。
【0007】特開平5−324239号公報に開示され
たマルチウィンドウ表示制御装置は、ウィンドウのすべ
ての領域が他のウィンドウの下敷きとなり不可視状態に
ある場合、タイトルのみをウィンドウとは独立したディ
スプレイ上の所定の位置に表示させ、そのタイトルにマ
ウスポインタを合わせることにより所望のウィンドウを
アクティブ状態にすることを可能にしている。
【0008】特開昭62−189584号公報に開示さ
れたマルチウィンドウ表示制御装置は、ウィンドウを移
動させて表示させる整理表示処理メニューをユーザの操
作によって表示し、表示されたメニュー中の所定の整理
表示項目を選択することにより、互いに重なり合って表
示された複数のウィンドウの再配置を行う。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
5−324239号公報に開示された装置では、あるウ
ィンドウを不可視状態にしているおもてのウィンドウを
移動させたことによって、裏に隠され不可視状態だった
ウィンドウが可視状態となった時点でも、以前不可視状
態になったときに表示された、ウィンドウとは独立した
ディスプレイ上の所定の位置に表示されたタイトルが依
然として残ってしまい、未だにそのウィンドウが不可視
状態であるような誤解を与える可能性があった。
【0010】また、この装置では、隠されたウィンドウ
すなわち裏ウィンドウのタイトルは、そのウィンドウの
位置と全く無関係の位置に移動されて表示される。その
ため、裏ウィンドウが複数あってタイトルも複数表示さ
れる場合、ユーザはその独立表示されたタイトルに表さ
れたタイトル名等の情報のみに基づいて複数の裏ウィン
ドウを識別しなければならない。このことは、ユーザに
マルチウィンドウ環境下で作業をする際、各ウィンドウ
のタイトルを読んだり記憶する負荷を強いたり、独立表
示タイトルの表示情報のみから元のウィンドウを推理す
る負担を要求することになり、ユーザインターフェース
の観点で問題があった。
【0011】また、特開昭62−189584号公報に
開示された装置は、ユーザによる整理表示項目の選択操
作が行われた後、重なり合った複数のウィンドウについ
て、それらのタイトルが全て表示されるように再配置を
行って、不可視状態を解消する。しかる後、ユーザは、
所望のウィンドウのタイトルをマウス等で操作して、そ
のウィンドウをアクティブ表示させることができる。つ
まり、この装置では、あるウィンドウを他のウィンドウ
の上に移動させるといったウィンドウ移動操作によっ
て、ウィンドウ全体が隠された不可視状態が生じた場
合、その移動操作のタイミングに続いて直ちに裏ウィン
ドウを可視状態にすることはできないという問題、すな
わちウィンドウを可視状態とする操作が面倒であるとい
う問題があった。
【0012】本発明は、これらの問題を解決するために
なされたものであり、あるウィンドウを不可視状態とす
るようなウィンドウの移動操作を行った場合でも、容易
な操作で直ちに、裏側に隠されたウィンドウを最前面に
表示させることができるとともに、裏側に隠された複数
のウィンドウの区別を容易とし、操作上の効率及びユー
ザインターフェースが向上したマルチウィンドウ表示制
御装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明に係るマルチウィ
ンドウ表示制御装置は、他のウィンドウによって全体を
覆われた裏ウィンドウを検知する不可視状態検知手段
と、前記裏ウィンドウの所定周縁部分のみが当該裏ウィ
ンドウを覆う表ウィンドウの端部から露出するように、
前記ウィンドウの再配置を行うウィンドウ再配置手段と
有し、前記ウィンドウ再配置手段は、前記表ウィンド
ウの端部と前記裏ウィンドウの端部とが最 小距離となる
部分を探索する最小距離探索手段と、前記裏ウィンドウ
を前記最小距離の方向に前記最小距離に応じた距離だけ
移動するウィンドウ移動手段とを有するものである。
【0014】本発明に係るマルチウィンドウ表示制御装
置は、前記再配置により移動される前の前記裏ウィンド
ウの移動前位置を記憶する位置記憶手段と、前記裏ウィ
ンドウをアクティブ表示に切り替える指示を受けると前
記移動前位置に当該裏ウィンドウを戻して表示する表示
切替手段とを有するものである。
【0015】本発明に係るマルチウィンドウ表示制御装
置は、前記ウィンドウ再配置手段が、操作者の指示によ
り前記再配置を行うというものである。
【0016】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施形態について
図面を参照して説明する。実施形態を説明する前に、実
施形態と基本的な構成に共通点を有する構成を説明し、
その後、その基本的構成例の説明を踏まえて、実施形態
を説明する。
【0017】[基本的構成例1] 図1は、本発明の基礎となる第1の基本的構成例である
マルチウィンドウシステムの計算機の模式的なブロック
図である。この計算機本体2には、マウス等のポインテ
ィングデバイスといった入力装置4と、ウィンドウ等の
画像を表示するディスプレイ6とが接続されている。
【0018】ルチウィンドウ表示制御装置10は計算
機本体2内に構成される。マルチウィンドウ表示制御装
置10は、ウィンドウ制御部20を中心として、操作情
報入力部22、不可視状態探知部24、ウィンドウ再配
置部26、ウィンドウ表示部28を含んで構成されてい
る。
【0019】ウィンドウ制御部20は、ウィンドウが生
成されると、当該ウィンドウに対応してウィンドウテー
ブルを生成し、このテーブルでそのウィンドウの情報を
管理する。例えば、ウィンドウテーブルには、ウィンド
ウ位置(ウィンドウの左上のポイント座標)と縦、横の
サイズなどが含まれる。
【0020】ウィンドウ制御部20は、ウィンドウ相互
の重なり状態及びその変化を検知するために、ディスプ
レイの画面領域内に所定間隔でセンシングポイント(セ
ンサ)を定義し、その状態を管理する。例えばセンサ
は、ディスプレイの縦、横に配列された画素ドットごと
に定義される。センサの状態は、当該センサの位置での
ウィンドウの重なり数で定義される。つまり、あるセン
サ位置にウィンドウが一つも存在していない場合は、そ
のセンサ状態は0、一つ存在する場合には1、二つ存在
する場合には2といった具合である。
【0021】ウィンドウ制御部20は、ディスプレイ上
にウィンドウを新たに生成・表示する際には、ディスプ
レイ画面領域上の当該ウィンドウ内のセンサ状態を全て
1だけ増加させる。また、ウィンドウテーブルは、上記
情報のほか、当該ウィンドウの4辺でのセンサ状態(以
下、四辺センサ状態と称する。)も保持している。
【0022】さて、マウス等のポインティングデバイス
でウィンドウの一部をクリックし、ウィンドウをアクテ
ィブ表示状態としたり、ウィンドウ上でマウスボタンを
押下しながらドラッグしてウィンドウを移動させると、
その操作情報が操作情報入力部22にて検知され、ウィ
ンドウ制御部20に通知される。
【0023】ウィンドウ制御部20はその操作情報にし
たがってウィンドウを表示するようにウィンドウ表示部
28に通知する。マウスのボタンが離されるとその旨の
情報が操作情報入力部22から装置に取り込まれ、ウィ
ンドウ制御部20が当該情報を不可視状態探知部24に
通知する。ここで「不可視状態」とはあるウィンドウが
他のウィンドウの下敷きとなり、そのウィンドウのすべ
ての領域が見えなくなった状態をいい、そのような不可
視状態にあるウィンドウを「不可視状態のウィンドウ」
または「裏ウィンドウ」と呼ぶこととする。一方、裏ウ
ィンドウを覆い隠すウィンドウを「可視状態のウィンド
ウ」または「表ウィンドウ」と呼ぶこととする。
【0024】不可視状態探知部24は、ウィンドウテー
ブルによってその存在が定義されているウィンドウの中
に、不可視状態のウィンドウが存在するか否かを探知す
る。
【0025】ウィンドウ再配置部26は、ウィンドウ制
御部20を介して、不可視状態のウィンドウが探知され
たことを通知され、ウィンドウの再配置処理を行なう。
再配置された旨の通知及び再配置処理結果は、ウィンド
ウ制御部20に通知される。ウィンドウ制御部20は通
知された再配置処理結果に基づいてウィンドウテーブル
の情報を更新するとともに、ウィンドウ表示部28に再
配置が行われたことを通知する。そして、ウィンドウ表
示部28は、ウィンドウ制御部20に保持されている更
新されたウィンドウテーブルの情報を用いてウィンドウ
を表示する。
【0026】ここで、上記センサを用いた上述の各部の
処理の例を説明する。ウィンドウをマウス等で移動させ
る場合には、ウィンドウのタイトルをマウス等で押下し
てウィンドウを移動し始めたタイミングで、ウィンドウ
制御部20は、対象ウィンドウのウィンドウテーブルの
情報に基づいて、当該ウィンドウが存在していた画面領
域内のセンサ状態をすべて1だけ減少させる。そして、
移動操作終了を表すマウス操作が行われると、ウィンド
ウ制御部20は、ウィンドウの移動先位置とサイズと
で、対応するウィンドウテーブルの情報を更新するとと
もに、その移動先のウィンドウが占める画面領域内のセ
ンサ状態をすべて1だけ増加させる。また、これに応じ
て、ウィンドウ制御部20は、当該ウィンドウのウィン
ドウテーブルに保持される四辺センサ状態も更新する。
なお、この段階では、他のウィンドウの四辺センサ状態
は更新されない。
【0027】不可視状態探知部24は、あるウィンドウ
に対する移動操作等が行われると、当該ウィンドウを除
く他のウィンドウを検査対象として不可視状態か否かの
検査処理を行う。具体的には、不可視状態探知部24
は、検査対象ウィンドウのウィンドウテーブルに保持さ
れたウィンドウ位置、サイズの情報に基づいて、そのウ
ィンドウの4辺の位置を把握し、その位置での画面領域
のセンサ状態から、検査対象ウィンドウの4辺上での現
在のセンサ状態を認識する。そして、そのセンサ状態と
ウィンドウテーブルに保持された四辺センサ状態とを比
較する。もし、それら両者に差異がなければ、検査対象
ウィンドウは、あるウィンドウの移動操作等によって覆
われなかったことになる。一方、4辺全部の現在のセン
サ状態が、ウィンドウテーブルの四辺センサ状態より1
増加していたら、当該検査対象ウィンドウは、移動操作
等されたウィンドウによって完全に覆われたことにな
る。よって、この場合、不可視状態探知部24は、当該
検査対象ウィンドウが不可視状態になったと判定する。
検査は、移動操作等されたウィンドウを除くすべてのウ
ィンドウについて行われ、その移動操作等によって不可
視状態となったウィンドウがすべて探知される。
【0028】次に図2、図3を用いてウィンドウ操作に
ついて説明する。図2はウィンドウ操作前のディスプレ
イ画面201上の表示例を示す模式図であり、図3はウ
ィンドウ操作後のディスプレイ画面201上の表示例を
示す模式図である。ここで示すウィンドウ操作は、ウィ
ンドウ202をウィンドウ203へ移動させる操作であ
る。なお、ウィンドウ204は操作対象でないウィンド
ウである。この移動操作をマウス等のポインティングデ
バイスで行ない、移動対象ウィンドウの位置をウィンド
ウ202の位置からウィンドウ203の位置に移動させ
る。このとき、その操作により、操作対象でないウィン
ドウ204は操作対象のウィンドウ203の下敷きとな
り不可視状態となるとする。
【0029】不可視状態探知部24は例えば上述のよう
なセンサを用いた処理によって、ウィンドウ204が不
可視状態となったことを探知する。これを通知されたウ
ィンドウ再配置部26は、ウィンドウ204を可視状態
となるような位置に移動する。ウィンドウ301は、そ
の一部がウィンドウ203からはみ出すような位置に再
配置されたウィンドウ204を表している。
【0030】次に動作について説明する。図4は、本装
置を用いた処理を示す概略のフロー図である。操作情報
入力部22は、常時、入力装置4からの操作情報を待ち
受ける状態にある。つまり、ウィンドウ操作がなされた
ことを示す操作情報を入力装置4から得ない場合は処理
ステップ401の条件判断にて「No」となり、ループ
を繰り返す。もし、操作情報入力部22が、ウィンドウ
操作が行なわれたことを検知すると、処理ステップ40
1で「Yes」に分岐し、処理ステップ402へ移行す
る。具体的には、操作情報入力部22は、ウィンドウ操
作検知をウィンドウ制御部20へ通知し、ウィンドウ制
御部20は不可視状態探知部24に不可視状態ウィンド
ウの探知を指示する。
【0031】処理ステップ402は、不可視状態探知部
24により実行される。不可視状態探知部24は、この
ステップ402にて、不可視状態のウィンドウが存在す
るかどうかを調べる。もし不可視状態のウィンドウが存
在しなければ、ステップ402の条件判断にて「No」
となり、今回検知されたウィンドウ操作に対する処理を
終了する。一方、不可視状態のウィンドウが存在した場
合はステップ402の条件判断にて「Yes」となり、
処理はステップ403へ進む。
【0032】処理ステップ403は、ウィンドウ再配置
部26により実行される。ウィンドウ再配置部26は、
探知された不可視状態にある裏ウィンドウを、あらかじ
め指定された方向にあらかじめ指定しておいた微小単位
だけ移動させる(ウィンドウ移動手段)。ここで、「あ
らかじめ指定しておいた方向」とは例えば、画面上での
上下左右のうちのいずれかの方向であり、事前にシステ
ム設定として設定しておく。また、「あらかじめ指定し
ておいた微小単位」とは、事前にシステム設定として設
定しておいた移動単位である。不可視状態にある裏ウィ
ンドウを微小単位、移動したら、ウィンドウ再配置部2
6は、当該裏ウィンドウの所定の周縁部分が表ウィンド
ウの端部から露出し、可視状態となったかどうかを処理
ステップ404にて調べる(可視状態検知手段)。周縁
部分が所定量だけ露出していない場合には、処理ステッ
プ403を反復する。一方、ステップ404で可視状態
となったことが判定されると、当該裏ウィンドウの再配
置処理は終了して、処理ステップ402に戻り、他の裏
ウィンドウについて同様の再配置処理を繰り返す。
【0033】なお、可視状態検知手段としての機能を、
ウィンドウ再配置部26に設けず、不可視状態探知部2
4で実現する構成も可能である。この場合には、ステッ
プ404の処理は、ステップ402に含められる。つま
り、ステップ403にて、ある裏ウィンドウの微小単位
移動が行われると、ステップ402に処理が戻る。この
場合、不可視状態探知部24はステップ402で、まず
移動された裏ウィンドウが未だ不可視状態であるかどう
かを調べ、不可視状態であれば再びステップ403に処
理を進める。一方、移動された裏ウィンドウの不可視状
態が解消されている場合には、不可視状態探知部24は
ステップ402にて、他のウィンドウを対象として不可
視状態のウィンドウの探知処理を行う。この場合、裏ウ
ィンドウが可視状態とされたときに表ウィンドウからは
み出す周縁部分の量は、ステップ403の微小移動量程
度である。
【0034】以上の処理動作により、ウィンドウ移動操
作によってあるウィンドウが他のウィンドウの下敷きに
なり、不可視状態となるような場合においても、すべて
のウィンドウの少なくとも周縁部分の一部が可視状態と
される。このように、裏ウィンドウの端部のごく一部の
みが表に現れるようにすることによって、とりあえず作
業に使用されない裏ウィンドウが、アクティブ表示にさ
れ現時点での作業に使用されている表ウィンドウの表示
範囲を不必要に狭めるといった不都合は生じない。そし
て、裏ウィンドウを用いて作業をしたい場合などは、そ
の表ウィンドウ端部から覗いている周縁部分をマウス等
のポインティングデバイスで操作して簡単にアクティブ
状態にさせることができ、そしてマウス等のポインティ
ングデバイスによって簡単に移動させることも可能とな
る。
【0035】本装置によれば、各裏ウィンドウは、それ
ぞれを覆い隠す各表ウィンドウの端部まで移動され、そ
の存在を操作者に明らかにする。複数の裏ウィンドウが
存在する場合を考えると、移動された裏ウィンドウの位
置と、元の裏ウィンドウの位置とは相関がある。つま
り、移動された裏ウィンドウの位置は大体、元の裏ウィ
ンドウの位置であることが期待される。また、表ウィン
ドウとそれに隠される裏ウィンドウとの画面上での位置
関係も基本的には保たれている。よって、操作者は、ウ
ィンドウ相互の位置関係に基づいて裏ウィンドウ相互を
区別することができる。すなわち、操作者は、複数の裏
ウィンドウのタイトルを記憶するといったことを行わな
くても、ウィンドウの空間的配置情報、視覚的情報に基
づいて、どの裏ウィンドウでどのような作業をしていた
かを容易に想起でき、半ば直感的に所望の裏ウィンドウ
を選択することができる。もちろん、裏ウィンドウの可
視状態とする周縁部分にウィンドウのタイトルを表示す
れば、そのタイトル情報と上記ウィンドウの空間情報と
の相乗効果によって、一層、裏ウィンドウの識別を容易
とすることができる。
【0036】[基本的構成例2] 本発明の第2の基本的構成例であるマルチウィンドウシ
ステムの計算機の模式的なブロック図は図1と同様であ
るので、これを援用して説明を行う。本構成は、上記
本的構成例とは逆に、移動操作等のウィンドウ操作によ
って他のウィンドウを不可視状態とすることとなる表ウ
ィンドウを微小単位ずつずらして、裏ウィンドウを可視
状態とするものである。
【0037】まず、ディスプレイ上にて見られる本構成
の処理の概略を説明する。図5は、ウィンドウ操作後の
ディスプレイ画面201上の表示例を示す模式図であ
る。これは、図2に示したウィンドウ操作前のディスプ
レイ画面201上での表示例に対応したものである。こ
こでのウィンドウ操作は図2に示すごとく、ウィンドウ
202をウィンドウ203へ移動させる操作である。こ
の移動操作は、マウス等のポインティングデバイスで行
なわれる。そして、この操作により、第1の基本的構成
例と同様、移動操作対象でないウィンドウ204は操作
対象のウィンドウ203の下敷きとなり不可視状態とな
る。
【0038】本装置は、ウィンドウ204の不可視状態
を探知すると、操作対象のウィンドウを不可視状態のウ
ィンドウの一部が可視状態となるような位置501まで
移動させる。こうすることで下敷きとなっていたウィン
ドウの一部が可視状態となる。
【0039】次に動作について説明する。図6は、本装
置を用いた処理を示す概略のフロー図である。操作情報
入力部22は、ウィンドウ操作がなされたことを示す操
作情報を入力装置4から得ない場合は処理ステップ60
1の条件判断にて「No」となり、ループを繰り返す。
もし、操作情報入力部22が、ウィンドウ操作が行なわ
れたことを検知すると、処理ステップ601で「Ye
s」に分岐し、処理ステップ602へ移行する。具体的
には、ウィンドウ制御部20が不可視状態探知部24に
不可視状態ウィンドウの探知を指示する。
【0040】処理ステップ602は、上述した処理ステ
ップ402と同様の処理であり、不可視状態探知部24
により実行される。このステップ602にて、もし不可
視状態のウィンドウが存在しないと判定されれば「N
o」へ分岐し、今回検知されたウィンドウ操作に対する
処理は終了される。一方、不可視状態のウィンドウが存
在した場合はステップ602の条件判断にて「Yes」
となり、処理はステップ603へ進む。
【0041】この処理ステップ603の処理内容が上記
第1の基本的構成例の処理ステップ403と異なる点で
ある。処理ステップ603は、ウィンドウ再配置部26
により実行される。ウィンドウ再配置部26は、探知さ
れた裏ウィンドウを覆って不可視状態にした移動操作対
象の表ウィンドウを、あらかじめ指定された方向にあら
かじめ指定しておいた微小単位だけ移動させる(ウィン
ドウ移動手段)。ここで、「あらかじめ指定しておいた
方向」、及び「あらかじめ指定しておいた微小単位」
は、上記第1の基本的構成例と同様、事前にシステム設
定として設定される。表ウィンドウを微小単位、移動し
たら、ウィンドウ再配置部26は、当該表ウィンドウに
隠された裏ウィンドウの所定の周縁部分が当該表ウィン
ドウの端部から露出し、可視状態となったかどうかを処
理ステップ604にて調べる(可視状態検知手段)。周
縁部分が所定量だけ露出していない場合には、処理ステ
ップ603を反復する。一方、ステップ604で可視状
態となったことが判定されると、当該裏ウィンドウの再
配置処理は終了されて、処理ステップ402に戻り、他
の裏ウィンドウについて同様の再配置処理が繰り返され
る。
【0042】なお、上記第1の基本的構成例と同様、可
視状態検知手段としての機能を、ウィンドウ再配置部2
6に設けず、不可視状態探知部24で実現する構成も可
能である。
【0043】以上の処理動作により、上記第1の基本的
構成例と同様の作用、効果が実現される。
【0044】[実施の形態本発明の第1の実施の形態であるマルチウィンドウシス
テムを説明する。第1の実施の形態の構成、動作は、上
述した第1、第2の基本的構成例と共通する部分が多
く、ここではもっぱらそれら基本的構成例との相違する
部分を説明する。一方、特に説明しない部分について
は、上記基本的構成例と同様であるとする。 本発明の第
の実施の形態であるマルチウィンドウシステムの計算
機の模式的なブロック図は図1と同様であるので、これ
を援用して説明を行う。本実施の形態では、ウィンドウ
再配置部26が行うウィンドウの微小単位移動の方向
は、あらかじめ設定された一定の方向ではなく、裏ウィ
ンドウを可視状態とするまでの移動距離を最小とする方
向を選択される。これにより、ディスプレイ上での全体
のウィンドウ配置イメージの維持が一層、図られるよう
になる。
【0045】まず、ディスプレイ上にて見られる本実施
の形態の処理の概略を説明する。図7は、ウィンドウ操
作後のディスプレイ画面201上の表示例を示す模式図
である。これは、図2に示したウィンドウ操作前のディ
スプレイ画面201上での表示例に対応したものであ
る。ここでのウィンドウ操作は図2に示すごとく、ウィ
ンドウ202をウィンドウ203へ移動させる操作であ
る。この操作により、第1の基本的構成例と同様、移動
操作対象でないウィンドウ204は操作対象のウィンド
ウ203の下敷きとなり不可視状態の裏ウィンドウとな
る。
【0046】本装置は、ウィンドウ204の不可視状態
を探知すると、例えば当該裏ウィンドウを移動して可視
状態にするまでに必要な移動距離を、上下左右それぞれ
の移動方向について計算し、その最小となる方向を選択
する。ウィンドウ再配置部26は、この選択された移動
方向へ裏ウィンドウを移動させる。例えば、図に示す例
では、表ウィンドウ203の端部と裏ウィンドウ204
の端部との距離は、それぞれの下辺間にて最小となるの
で、裏ウィンドウの移動方向として下向きが選択され、
ウィンドウ再配置部26は裏ウィンドウ204をウィン
ドウ701の位置に再配置する。
【0047】次に動作について説明する。図8は、本装
置を用いた処理を示す概略のフロー図である。操作情報
入力部22は、ウィンドウ操作がなされたことを示す操
作情報を入力装置4から得ない場合は処理ステップ80
1の条件判断にて「No」となり、ループを繰り返す。
もし、操作情報入力部22がウィンドウ操作が行なわれ
たことを検知すると、処理ステップ801で「Yes」
に分岐し、処理ステップ802へ移行する。具体的に
は、ウィンドウ制御部20が不可視状態探知部24に不
可視状態ウィンドウの探知を指示する。
【0048】処理ステップ802は、上述した処理ステ
ップ402と同様の処理であり、不可視状態探知部24
により実行される。
【0049】不可視状態探知部24が不可視状態のウィ
ンドウを探知すると、ウィンドウ再配置部26は、その
不可視状態にある裏ウィンドウを移動して可視状態にし
ようとした場合に必要となる移動距離を、上下左右それ
ぞれの方向について計算する(ステップ803、最小距
離探索手段)。そしてウィンドウ再配置部26は、ステ
ップ803で求められた方向へ裏ウィンドウを移動させ
る(ステップ804、ウィンドウ移動手段)。その移動
距離は、裏ウィンドウを表ウィンドウから所定量はみ出
させるため、ステップ803にて求められた最小距離よ
りも当該所定量だけ大きく設定される。なお、この所定
量は、裏ウィンドウの存在を示し、その部分によってマ
ウス操作等が可能な量であれば十分であり、そのような
条件を満たし、かつできるだけ小さな量に設定するのが
よい。
【0050】本装置では、可視状態とするための移動量
が求められ、それに応じて裏ウィンドウの移動が行われ
るので、微小距離の移動を繰り返す必要はなく、一度の
移動で可視状態が実現される。よって、ステップ804
での移動処理が終わると、ステップ802に戻って他の
裏ウィンドウについての再配置処理が行われる。
【0051】以上の処理により、ウィンドウ表示に関し
て上記実施の形態同様の良好なユーザインターフェース
が実現されるが、本実施の形態では、特に、不可視状態
のウィンドウの移動距離が最小になる。よって、移動前
後でのディスプレイ上のウィンドウ配置イメージの変化
が最小限に抑制される結果、ウィンドウ配置イメージと
いう空間的情報によって裏ウィンドウの区別が容易にな
る効果が一層顕著に得られる。
【0052】[実施の形態] 本発明の第の実施の形態であるマルチウィンドウシス
テムの計算機の模式的なブロック図は図1と同様である
ので、これを援用して説明を行う。本実施の形態では、
可視状態に再配置された裏ウィンドウをマウス等のポイ
ンティングデバイスでクリックしてアクティブ状態とす
ることが指示された場合に、再配置前の裏ウィンドウの
位置にウィンドウをアクティブ状態にて表示する。
【0053】まず、ディスプレイ上にて見られる本実施
の形態の処理の概略を説明する。図9は、ウィンドウ操
作後のディスプレイ画面201上の表示例を示す模式図
である。これは、図2に示したウィンドウ操作前のディ
スプレイ画面201上での表示例に対応したものであ
る。ここでのウィンドウ操作は図2に示すごとく、ウィ
ンドウ202をウィンドウ203へ移動させる操作であ
る。この操作により、第1の基本的構成例や実施の形態
同様、移動操作対象でないウィンドウ204は操作
対象のウィンドウ203の下敷きとなり不可視状態の裏
ウィンドウとなる。すると、不可視状態探知部24がそ
れを探知し、ウィンドウ再配置部26が裏ウィンドウを
可視状態にする移動距離が最小となる方向を選択して再
配置を行う。この再配置により得られるのが、ウィンド
ウ901である。ここまでの処理は、実施の形態と同
様であるので、ウィンドウ901は、ウィンドウ701
と同じとなる。
【0054】ただし、この再配置の際、本装置は移動前
の裏ウィンドウの位置を記憶する。そして、ウィンドウ
901の可視部分をマウス等のポインティングデバイス
によりクリックしてアクティブ状態とすることが指示さ
れると、この記憶された裏ウィンドウの再配置前の位置
にアクティブ状態のウィンドウ902が表示される。
【0055】次に動作について説明する。図10は、本
装置を用いた処理を示す概略のフロー図である。操作情
報入力部22は、ウィンドウ操作がなされたことを示す
操作情報を入力装置4から得ない場合は処理ステップ1
001の条件判断にて「No」となり、ループを繰り返
す。もし、操作情報入力部22がウィンドウ操作が行な
われたことを検知すると、処理ステップ1001で「Y
es」に分岐し、処理ステップ1002へ移行する。具
体的には、ウィンドウ制御部20が不可視状態探知部2
4に不可視状態ウィンドウの探知を指示する。
【0056】処理ステップ1002は、上述した処理ス
テップ402と同様の処理であり、不可視状態探知部2
4により実行される。
【0057】不可視状態探知部24が不可視状態の裏ウ
ィンドウを探知すると、まず、ウィンドウ制御部20
が、ウィンドウ再配置部26が再配置処理を行う前の当
該裏ウィンドウの位置(元配置情報)を保存する(ステ
ップ1003、位置記憶手段)。
【0058】続いて、ウィンドウ再配置部26が、実施
の形態のステップ803、804と同様の処理によ
り、裏ウィンドウの最小移動距離による再配置を行う
(ステップ1004、1005)。一つの裏ウィンドウ
について、再配置を終えると、ステップ1002に戻
り、他に裏ウィンドウがあれば、ステップ1003〜1
005の処理を繰り返す。
【0059】不可視状態のウィンドウのすべてを可視状
態とした時点でステップ1002の分岐で「No」とな
り、ステップ1006に進む。ステップ1006で非ア
クティブウィンドウの一つをマウス等でクリックしない
場合は分岐で「No」となり、終了する。一方、非アク
ティブウィンドウの一つをマウス等でクリックした場合
は、ウィンドウ制御部20はそのクリックされたウィン
ドウに関して元配置情報が保存されているがどうかをチ
ェックする(ステップ1007)。もし元配置情報が存
在しない場合は、可視状態にされている現在の裏ウィン
ドウの位置で当該裏ウィンドウをアクティブ状態に切り
替えて表示する(ステップ1010)。これは、上述し
基本的構成例や実施の形態と同様の処理である。
【0060】本装置の特徴は、元配置情報を保存するこ
とと、その保存された元配置情報を元に裏ウィンドウの
アクティブ表示を行う点にある。つまり、ステップ10
07が存在する場合、ウィンドウ再配置部26は、ウィ
ンドウ制御部20に保存されているその元配置情報を読
み込み、その再配置前の位置に裏ウィンドウを移動させ
る(ステップ1008)。なお、それとともに元配置情
報はクリアされる(ステップ1009)。しかる後、ウ
ィンドウ制御部20は当該裏ウィンドウをアクティブ表
示状態にする。つまり、本装置では、裏ウィンドウは、
基本的には、可視状態に再配置された位置ではなく、再
配置前の位置にアクティブ表示される。
【0061】以上の処理により、ウィンドウ表示に関し
第1の実施の形態と同様の良好なユーザインターフェ
ースが実現される。加えて本実施の形態では、特に、裏
ウィンドウをアクティブ状態にさせるときに、元の不可
視状態の配置位置に表示されるので、操作者は以前にそ
のウィンドウにて作業を行っていたときの画面上でのウ
ィンドウのレイアウトの記憶を媒介として、容易にその
ウィンドウを認識でき、またそこで行っていた作業内容
を思い出すことができ、作業効率が向上するという利点
がある。
【0062】[実施の形態] 本発明の第の実施の形態であるマルチウィンドウシス
テムの計算機の模式的なブロック図は図1と同様である
ので、これを援用して説明を行う。上述の実施の形態で
は、裏ウィンドウの再配置はウィンドウ操作に連動して
自動的に行われたのに対し、本実施の形態は、裏ウィン
ドウの再配置処理が操作者からの指示を受けて実施され
る点で相違する。このような構成によって、不可視状態
のウィンドウがあっても構わない場合には再配置を抑制
することができる。なお、以降の説明において、「ウィ
ンドウ可視化指示」とは、不可視状態のウィンドウを可
視状態にする旨の指示のことを意味する。
【0063】次に図11、図12を用いてウィンドウ操
作について説明する。図11はウィンドウ操作後のディ
スプレイ画面201上の表示例を示す模式図である。図
11において、図2と同様の要素には同図と同じ符号を
付している。図11に示す状態では、ウィンドウ204
はウィンドウ203の下敷きとなっている。つまりウィ
ンドウ204は不可視状態であり、上記実施の形態で述
べたウィンドウを可視状態とする再配置処理は行われて
いない状態である。
【0064】本装置は、この状態で「ウィンドウ可視化
指示」を行なったときにはじめて、不可視状態のウィン
ドウを可視状態にするための再配置処理を実行する。図
12は、その「ウィンドウ可視化指示」を受けて本装置
がウィンドウの再配置を行った後のディスプレイ画面2
01上の表示例を示す模式図である。再配置が行われる
ことによって、裏ウィンドウ204は、可視状態のウィ
ンドウ1201へ移動される。
【0065】ウィンドウ可視化指示は、操作者が例え
ば、ディスプレイ上に特定のアイコンを表示させておき
そのアイコンをクリックする、または、ディスプレイ上
のウィンドウでない領域をマウスでクリックするといっ
た操作を行うことによってなされる。
【0066】次に動作について説明する。図13は、本
装置を用いた処理を示す概略のフロー図である。操作情
報入力部22は、入力装置4におけるウィンドウ可視化
指示を行う操作を検知して、ウィンドウ制御部20へ通
知する。ここで、ウィンドウ可視化指示がない場合は、
ウィンドウ制御部20は何も行わずに、つまりウィンド
ウの再配置処理を行わずに、処理を終了する(ステップ
1301)。一方、ウィンドウ制御部20は、ウィンド
ウ可視化指示を通知されると(ステップ1301)、裏
ウィンドウの再配置処理を開始する。具体的には、ま
ず、不可視状態探知部24が裏ウィンドウの探知を行う
(ステップ1302)。不可視状態の裏ウィンドウが存
在すれば、ウィンドウ再配置部26が第1の実施の形態
のステップ403、404と同様の処理を行って、当該
裏ウィンドウを表ウィンドウから覗く位置へ移動して、
可視状態とする(ステップ1303、1304)。
【0067】一つの裏ウィンドウについて、再配置を終
えると、ステップ1302に戻り、他に裏ウィンドウが
あれば、ステップ1303、1304の処理を繰り返
す。不可視状態の裏ウィンドウがなくなったら処理を終
了する。
【0068】以上の処理により、ウィンドウ表示に関し
て第1、第2の実施の形態と同様の良好なユーザインタ
ーフェースが実現される。加えて本実施の形態では、ウ
ィンドウ移動操作によってあるウィンドウが他のウィン
ドウの下敷きになり、不可視状態となるような場合に、
各ウィンドウの少なくとも一部は可視状態とさせる処理
を「ウィンドウ可視化指示」があるまで留保することが
できる。これにより、操作者がすべてのウィンドウを可
視状態にしたいタイミングで、可視化処理を実行させる
ことができる。このことはユーザが不要と感じるウィン
ドウの再配置を抑制し、操作性の向上を図ることができ
るということを意味する。
【0069】
【発明の効果】本発明のマルチウィンドウ表示制御装置
によれば、裏ウィンドウを検知して、当該裏ウィンドウ
を表ウィンドウの端部から露出するようにウィンドウの
再配置が行われる。ここで、複数の裏ウィンドウが存在
する場合を考えると、移動された裏ウィンドウの位置
と、元の裏ウィンドウの位置とは相関がある。つまり、
移動された裏ウィンドウの位置は大体、元の裏ウィンド
ウの位置であることが期待される。また、表ウィンドウ
とそれに隠される裏ウィンドウとの画面上での位置関係
も基本的には保たれている。よって、本発明によれば、
ユーザがウィンドウ相互の位置関係に基づいて裏ウィン
ドウ相互を区別することができるという効果が実現され
る。すなわち、ユーザは、複数の裏ウィンドウのタイト
ルを記憶するといったことを行わなくても、ウィンドウ
の空間的配置情報、視覚的情報に基づいて、どの裏ウィ
ンドウでどのような作業をしていたかを容易に想起で
き、半ば直感的に所望の裏ウィンドウを選択することが
できるという効果がある。
【0070】例えば、本発明のマルチウィンドウ表示制
御装置によれば、不可視状態探知手段によって裏ウィン
ドウが検知されると、それに連動してウィンドウ再配置
手段が裏ウィンドウを表ウィンドウの端部へ向けて、ま
たは表ウィンドウを裏ウィンドウの端部へ向けて移動さ
せ始める。すなわち、ユーザのウィンドウ操作によって
不可視状態のウィンドウが生じると自動的にそのウィン
ドウを可視状態とするので、ユーザの操作負担を軽減す
ることができ、優れたユーザインターフェースが提供さ
れるという効果が得られる。
【0071】本発明のマルチウィンドウ表示制御装置に
よれば、表ウィンドウの端部と裏ウィンドウの端部とが
最小距離となる部分を探索する最小距離探索手段を有
し、それによって求めた最小距離の方向へ最小距離に応
じた距離だけ裏ウィンドウは移動される。つまり、不可
視状態のウィンドウの移動距離が最小になる。よって、
移動前後でのディスプレイ上のウィンドウ配置イメージ
の変化が最小限に抑制される結果、ウィンドウ配置イメ
ージというユーザの持つ空間的情報によって半ば直感的
裏ウィンドウの区別が容易になる効果が一層顕著に得
られる。
【0072】本発明のマルチウィンドウ表示制御装置に
よれば、再配置される前の裏ウィンドウの位置が記憶さ
れ、可視状態に再配置された裏ウィンドウをアクティブ
表示する際には、記憶された再配置前の位置に表示され
る。つまり、ユーザは以前にそのウィンドウにて作業を
行っていたときの画面上でのウィンドウのレイアウトの
記憶を媒介として、容易にそのウィンドウを認識でき、
またそこで行っていた作業内容を思い出すことができ、
作業効率が向上するというユーザインターフェース向上
効果が得られる。
【0073】本発明のマルチウィンドウ表示制御装置に
よれば、ウィンドウ再配置手段はユーザの指示により再
配置を行う。つまり、ユーザ所望の任意のタイミング
で、裏ウィンドウを可視状態にでき、ユーザが望まない
ウィンドウの再配置が抑制されて操作性の向上が図られ
るという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の基本的構成例及び実施の形態に係る
マルチウィンドウシステムの計算機の模式的なブロック
図である。
【図2】 ウィンドウ操作前のディスプレイ画面上の表
示例を示す模式図である。
【図3】 第1の基本的構成例におけるウィンドウ操作
後のディスプレイ画面上の表示例を示す模式図である。
【図4】 第1の基本的構成例における装置の処理を示
す概略のフロー図である。
【図5】 第2の基本的構成例におけるウィンドウ操作
後のディスプレイ画面上の表示例を示す模式図である。
【図6】 第2の基本的構成例における装置の処理を示
す概略のフロー図である。
【図7】 第の実施の形態におけるウィンドウ操作後
のディスプレイ画面上の表示例を示す模式図である。
【図8】 第の実施の形態における装置の処理を示す
概略のフロー図である。
【図9】 第の実施の形態におけるウィンドウ操作後
のディスプレイ画面上の表示例を示す模式図である。
【図10】 第の実施の形態における装置の処理を示
す概略のフロー図である。
【図11】 第の実施の形態を説明するためのウィン
ドウ操作後のディスプレイ画面上の表示例を示す模式図
である。
【図12】 ウィンドウ可視化指示を受けて本装置がウ
ィンドウの再配置を行った後のディスプレイ画面上の表
示例を示す模式図である。
【図13】 第の実施の形態における装置の処理を示
す概略のフロー図である。
【符号の説明】
2 計算機本体、4 入力装置、6 ディスプレイ、1
0 マルチウィンドウ表示制御装置、20 ウィンドウ
制御部、22 操作情報入力部、24 不可視状態探知
部、26 ウィンドウ再配置部、28 ウィンドウ表示
部。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G06F 3/14 - 3/153 G06F 3/00 G09G 5/14 G09G 5/38

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のウィンドウを表示画面上に表示す
    るマルチウィンドウ表示制御装置において、 他の前記ウィンドウによって全体を覆われた裏ウィンド
    ウを検知する不可視状態検知手段と、 前記裏ウィンドウの所定周縁部分のみが、当該裏ウィン
    ドウを覆う表ウィンドウの端部から露出するように、前
    記ウィンドウの再配置を行うウィンドウ再配置手段と、
    を有し、 前記ウィンドウ再配置手段は、 前記表ウィンドウの端部と前記裏ウィンドウの端部とが
    最小距離となる部分を探索する最小距離探索手段と、 前記裏ウィンドウを前記最小距離の方向に前記最小距離
    に応じた距離だけ移動するウィンドウ移動手段と、 を有することを特徴とするマルチウィンドウ表示制御装
    置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のマルチウィンドウ表示制
    御装置において、 前記再配置により移動される前の前記裏ウィンドウの移
    動前位置を記憶する位置記憶手段と、 前記裏ウィンドウをアクティブ表示に切り替える指示を
    受けると、前記移動前位置に当該裏ウィンドウを戻して
    表示する表示切替手段と、 を有することを特徴とするマルチウィンドウ表示制御装
    置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のマルチウィンドウ表示制
    御装置において、 前記ウィンドウ再配置手段は、操作者の指示により前記
    再配置を行うことを特徴とするマルチウィンドウ表示制
    御装置。
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