JP3257721B2 - 射出成形用金型 - Google Patents

射出成形用金型

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JP3257721B2
JP3257721B2 JP13844193A JP13844193A JP3257721B2 JP 3257721 B2 JP3257721 B2 JP 3257721B2 JP 13844193 A JP13844193 A JP 13844193A JP 13844193 A JP13844193 A JP 13844193A JP 3257721 B2 JP3257721 B2 JP 3257721B2
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cooling
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は射出成形、特に、射出圧
縮成形用の金型に係り、自動車のドアパネルやダッシュ
ボード等の内外装品、または、家電製品のケーシング等
の大型面状製品の成形に利用できる。
【0002】
【背景技術】従来より、表面に表皮面材を一体化させた
積層構造の成形品が知られている。成形品を積層構造に
すれば、表面の表皮面材により良好な外観や優れたクッ
ション性が得られるうえ、表皮面材のみを変更すること
で、製品の表面の質感などを容易に変更できるという利
点がある。このような成形品は、予め金型のキャビティ
内に装着しておいたシートやフィルム等の表皮面材の上
に溶融樹脂を充填することにより成形される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
射出成形金型には、充填される溶融樹脂が高温・高圧で
あるため、金型を完全に閉鎖した状態、あるいは、この
完全閉鎖状態から金型を若干開いた状態(以下、「寸開
状態」という)で、金型に溶融樹脂を充填すると、図9
に示されるように、金型60のキャビティ61に流入した溶
融樹脂62が高温・高圧のままキャビティ61内に装着した
表皮面材63に衝突するので、当該表皮面材63を損傷させ
て成形品の外観を悪化させたり、クッション性を喪失さ
せたりするとういう問題がある。
【0004】一方、表皮面材の損傷を防止するために、
射出圧縮成形を用いて溶融樹脂を金型内に充填するにあ
たり、金型を大きく開いた状態で溶融樹脂の充填を行
い、表皮面材に到達するまでに溶融樹脂が充分減圧・冷
却されるようにすることが考えられる。しかし、金型を
大きく開くことにより、溶融樹脂を冷却してしまうと、
溶融樹脂の流動性が悪化して成形性が損なわれるうえ、
流動性が悪化した溶融樹脂を強制的に流動させることに
より、溶融樹脂の表面が波うち、表皮面材の表面にしわ
等が発生して成形品の外観が損なわれるという問題が生
じる。また、横型射出成形機では、以上の問題の他に、
金型のキャビティを立てて射出成形を行うので、金型を
大きく開くと、重力により充填した溶融樹脂が偏り、成
形品の肉厚が不均一となるという問題も生じる。
【0005】本発明の目的は、開き量が小さい状態で溶
融樹脂の充填を行っても、予め装着しておいた表皮面材
を損傷させない射出成形用金型を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の第1発明は、キ
ャビティの表面に装着した表皮面材の上に溶融樹脂が充
填される射出成形用金型であって、前記キャビティのゲ
ートから流出する溶融樹脂の流れ方向を前記表皮面材の
表面に沿った方向に変える方向転向手段と、前記表皮面
材の前記ゲートと対向する部分を冷却する冷却手段と
設けられ、前記方向転向手段は前記ゲートから突没自在
にされたロッドの先端に設けられて前記溶融樹脂の流れ
方向を変える略円錐状の方向転向体と、前記ロッドを前
記金型の内部に向かって付勢する付勢手段とを有し、か
つ、前記付勢手段は付勢力が前記溶融樹脂の射出圧力よ
りも弱く設定され、さらに、前記方向転向体は長方形の
上側角部を円弧状に切り欠いた山形状断面を回転させた
回転体であり、前記断面の切り欠いた円弧状の半径Rお
よび前記切り欠きの下側の直線部分の長さ寸法Lのそれ
ぞれが、 5mm<R<30mm、0mm<L<5mm の範囲内に有る ことを特徴とするものである
【0007】
【0008】以上において、前記方向転向手段および前
記冷却手段としては、前記ゲートから突出して前記表皮
面材に接触可能とされた略円錐状の方向転向体と、この
方向転向体の前記表皮面材に接触する面を冷却する流路
とを組合せたものが採用できる。
【0009】本発明の第2発明は、キャビティの表面に
装着した表皮面材の上に溶融樹脂が充填される射出成形
用金型であって、前記キャビティのゲートから流出する
溶融樹脂の流れ方向を前記表皮面材の表面に沿った方向
に変える方向転向手段と、前記表皮面材の前記ゲートと
対向する部分を冷却する冷却手段とが設けられ、前記方
向転向手段は前記ゲートから突没自在にされたロッドの
先端に設けられて前記溶融樹脂の流れ方向を変える略円
錐状の方向転向体と、前記ロッドを前記金型の内部に向
かって付勢する付勢手段とを有し、かつ、前記付勢手段
は付勢力が前記溶融樹脂の射出圧力よりも弱く設定さ
れ、さらに、前記方向転向体は長方形の上側角部を斜め
に切り欠いた山形状断面を回転させた回転体であり、前
記断面の斜めに切り欠かれた斜辺が回転軸の直交面とな
す角度θおよび前記切り欠きの下側の直線部分の長さ寸
法Lのそれぞれが、 10°<θ<60°、0mm<L<5mm の範囲内に有ることを特徴とするものである。
【0010】このような第2発明においても、前記第1
発明と同様に、前記方向転向手段および前記冷却手段と
して、前記ゲートから突出して前記表皮面材に接触可能
とされた略円錐状の方向転向体と、この方向転向体の前
記表皮面材に接触する面を冷却する流路とを組合せたも
のが採用できる。
【0011】なお、表皮面材としては、塩化ビニルおよ
び発泡ポリプロピレンの積層面材、TPOおよび発泡ポ
リプロピレンの積層面材、塩化ビニルおよび不織布の積
層面材、植毛された不織布、および、箔膜転写用インク
が印刷されたフィルム等が採用できる。樹脂の基材とし
ては、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエチレン、
ポリカーボネート等の熱可塑性材料、これらの熱可塑性
材料にタルクまたはガラス繊維を混入した複合材料、お
よび、ポリエステル、エポキシ等の熱硬化性材料等が採
用できる。
【0012】
【作用】前述のような第1発明および第2発明では、完
全閉鎖状態あるいは寸開状態の金型に溶融樹脂を充填し
ても、方向転向手段により表皮面材の表面に沿った方向
に溶融樹脂の流れの方向が変えられるので、溶融樹脂が
表皮面材に衝突することがなくなる。また、表皮面材
は、前記ゲートと対向する部分が冷却手段により冷却さ
れるので、当該ゲートの近傍の熱損傷が防止されるよう
になり、これらにより前記目的が達成される。
【0013】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図1には、本発明の第1実施例の金型10がゲート
11の近傍を拡大して示されている。金型10は、内部に大
型面状品を成形する厚さの均一なキャビティ12を有する
ものであり、キャビティ12を挟んで二つの金型部10A, 1
0Bに分割されている。キャビティ12の内部には、その表
面に予め表皮面材13が装着され、この表皮面材13の上に
溶融樹脂14が充填されるようになっている。ゲート11
は、金型10のキャビティ12の内部に溶融樹脂14を射出す
る射出口であり、図示しない射出装置から圧送される溶
融樹脂14の通路である供給路15に接続されている。供給
路15は、キャビティ12側の端部がL字形状に曲げられ、
L字形状の一辺である直線部15A がキャビティ12の表面
に直交するように配置されている。直線部15A の周囲に
は、電熱帯16が巻回されており、直線部15A 内の溶融樹
脂14が射出成形の途中で冷えて固化しないようになって
いる。直線部15A の内部には、棒状のロッド20が設けら
れている。
【0014】ロッド20は、図中上方の一端に半径方向に
突き出た係合部としての鍔部21を備え、かつ、図中下方
となるキャビティ12側の他端に方向転向手段としての略
円錐状の方向転向体22を備えたものである。なお、ロッ
ド20の長手方向の中間部分には、直線部15A の内側面と
係合してロッド20を直線部15A の長手方向に沿って案内
する突起部23が設けられている。鍔部21は、供給路15の
直線部15A の図中上方に設けられた空間であるコイルば
ね室17に収納されたコイルばね24と係合している。コイ
ルばね24は、鍔部21と係合してロッド20を図中上方に付
勢する付勢手段であり、方向転向体22にゲート11を閉鎖
させるものである。コイルばね24の付勢力は溶融樹脂14
の射出圧よりも弱く設定されている。これにより、溶融
樹脂14をキャビティ12に射出させる圧力は、方向転向体
22に加わってコイルばね24の付勢力に抗して方向転向体
22をゲート11から突出させ、ゲート11を開放するように
なっている。なお、方向転向体22のゲート11からの突出
寸法Sは、鍔部21から図中上方に突出するねじ軸25に螺
合するナット26の螺合位置を変更することにより任意の
量に調整可能となっている。
【0015】ロッド20の内部は、図2に示されるよう
に、長手方向のほぼ全体に渡って中空部30が設けられて
いる。中空部30の中には、方向転向体22を冷却する冷却
手段として冷却水を通すための流路であるパイプ31が設
けられている。パイプ31は、それぞれ大小二種類の直径
を有するインナパイプ31A およびアウタパイプ31B がロ
ッド20の長手方向に沿って同軸に配置した二重構造の通
路であり、両方のパイプ31A, 31Bとも方向転向体22の内
部に到達している。インナパイプ31A は、図中上方に接
続されたサプライパイプ32から供給される冷却水を方向
転向体22に供給するためのパイプである。アウタパイプ
31B は、方向転向体22を冷却しおえた冷却水を図中上方
に接続されたレタンパイプ33に戻すためのパイプであ
る。アウタパイプ31B の外周面およびロッド20の内周面
の間には、シート状の断熱材34が介装され、ロッド20内
を流れる冷却水がロッド20の周囲の溶融樹脂14を冷却し
ないようになっている。これにより、溶融樹脂14の流動
性が維持可能となっている。
【0016】方向転向体22は、ゲート11から流出する溶
融樹脂14の流れ方向を変えるために、長方形の上側角部
を円弧状に切り欠いた山形状断面を回転させた回転体と
なっている。ここで、方向転向体22の断面は、切り欠い
た円弧状の半径Rおよび前記切り欠きの下側の直線部分
の長さ寸法Lのそれぞれが、 5mm<R<30mm、0mm<L<5mm の範囲内に設定されている。なお、方向転向体22の平面
形状は、円形となっており、その直径Dは前記半径Rや
長さ寸法Lとは関係なく任意な寸法に設定することがで
きる。
【0017】このような本実施例では、以下のような手
順で射出圧縮成形を行う。まず、予め金型10のキャビテ
ィ12の表面に表皮面材13を装着してから、金型部10A, 1
0Bの型締めを行い、図3(A)に示されるように、金型
10を完全に閉鎖した状態から所定の寸法Cだけ開いた寸
開状態にする。なお、寸法Cは、0.1 〜 100 mm の範囲
内に適宜設定できる。次いで、図示しない射出装置を駆
動して溶融樹脂14を供給路15からキャビティ12に向かっ
て押し出すとともに、図3(B)に示されるように、ロ
ッド20の先端にある方向転向体22をコイルばね24の付勢
力に抗して寸法Sだけゲート11から突出させ、方向転向
体22の底面を表皮面材13に押し付けた状態にする。ここ
で、溶融樹脂14は、その流れの方向が方向転向体22によ
り表皮面材13の表面に沿った方向に転向されるととも
に、方向転向体22の内部を流れる冷却水により冷却され
る。これにより、ゲート11から高温・高圧の溶融樹脂14
を供給しても、ゲート11の近傍にある表皮面材13は高温
・高圧から保護される。続いて、図3(C)に示される
ように、金型部10A, 10Bの型締めを再開し、型締めによ
りキャビティ12内の溶融樹脂14をキャビティ12の隅々ま
で展延して所望の製品形状に成形し、冷却後に離型して
成形を完了する。
【0018】前述のような本実施例によれば、次のよう
な効果が得られる。すなわち、金型10のゲート11に方向
転向体22を設け、この方向転向体22により溶融樹脂14の
流れの方向を表皮面材13の表面に沿った方向に変えるよ
うにしたので、完全閉鎖状態あるいは寸開状態で金型10
に溶融樹脂14を充填しても、高温・高圧の溶融樹脂14が
表皮面材13に衝突することがなくなり、表皮面材13を損
傷させることなく射出成形できる。
【0019】また、ロッド20の内部に冷却水の通路とし
てパイプ31を設け、パイプ31内を流通する冷却水で方向
転向体22を冷却するようにしたので、ゲート11から高温
・高圧の溶融樹脂14を充填しても、ゲート11近傍の表皮
面材13が熱損傷することがなく、この点からも表皮面材
13を損傷させることなく射出成形できる。
【0020】さらに、コイルばね24で付勢力に抗して溶
融樹脂14を充填させる圧力で方向転向体22を押し出しす
ことにより、ゲート11を開くようにしたので、溶融樹脂
14が充填完了すると、コイルばね24等が方向転向体22を
ゲート11内に自動的に収納するようになることから、特
に、方向転向体22を制御する必要がなくなり、金型10を
型締め駆動する油圧装置を制御する制御装置を簡単なも
のとできる。
【0021】また、高温・高圧の溶融樹脂14が表皮面材
13に衝突しないようにするとともに、表皮面材13に押し
当てる方向転向体22を冷却するようにしたので、表皮面
材13が熱に弱い発泡ポリプロピレン等の発泡樹脂層を有
するもののときには、発泡樹脂層の溶融が最小限に抑え
られ、表皮面材13が有する良好なクッション性を成形の
完了後にも維持することができる。
【0022】さらに、溶融樹脂14が衝突しないようにし
たので、表皮面材13を不織布としても、表皮面材13の内
部に溶融樹脂14が含浸しないので、不織布のもつ柔らか
さを成形の完了後にも維持することができる。
【0023】また、溶融樹脂14の衝突防止により、表皮
面材13を箔膜転写用インクで印刷されたフィルムとして
も、箔膜転写用インクの飛散や印刷したインクのずれ等
が発生せず、表面に図形や文字を印刷した成形品を得る
ことができる。
【0024】図4には、本発明の第2実施例が示されて
いる。本実施例は、前記第1実施例におけるコイルばね
24を、油圧シリンダ装置44としたものである。すなわ
ち、ロッド40の図中上端には、鍔部がなく、金型部10A
側に固定された油圧シリンダ装置44のプランジャ45が連
結されている。油圧シリンダ装置44は、内部に二つの与
圧室46, 47を有する複動式のものである。与圧室46に作
動油を供給することにより、ロッド40が図中上方へ移動
して開放状態にあるゲート11を方向転向体42で閉鎖する
ようになっている。与圧室47に作動油を供給すると、ロ
ッド40が図中下方へ移動して閉鎖状態にあるゲート11が
開放され、かつ、方向転向体42がゲート11から突出する
ようになっている。ロッド40の図中下端の方向転向体42
は、図5に示されるように、長方形の上側角部を斜めに
切り欠いた山形状断面を回転させた回転体となってい
る。ここで、方向転向体42の断面は、斜めに切り欠かれ
た斜辺と回転軸の直交面とのなす角度θおよび切り欠き
の下側に残された直線部分の長さ寸法Lのそれぞれが、 10°<θ<60°、0mm<L<5mm の範囲内に設定されている。
【0025】このような本実施例においても、前記第1
実施例と同様な作用、効果を得ることができる他、ゲー
ト11を方向転向体42で強制的に閉鎖可能となるため、閉
鎖するタイミングを任意に選択でき、成形に用いる合成
樹脂等の基材に応じた最適なタイミングを採用して、射
出成形により常に高品質の製品を得ることができるとい
う効果を付加できる。
【0026】次に、本発明の具体的な効果を以下の実験
1,2に基づいて説明する。 〔実験1〕本実験1では、本発明の第1実施例において
半径Rが10mm、長さ寸法Lが2mmに設定(図2参照)
された金型で射出圧縮成形を行う実験例1と、前記第1
実施例の範囲外となるように半径Rが35mm、長さ寸法
Lが0mmに設定された金型で射出圧縮成形を行う比較例
1とを行う。そして、実験例1および比較例1により得
られた成形品を相互に比較することで、本発明の効果を
確認する。 〔実験1の射出条件〕以上の実験例1および比較例1で
は、射出成形機として汎用機を改造した専用の横型射出
成形機(スクリュー径 160mm、圧縮力 最大 850t)、
および、四箇所にゲートを設けた金型により、肉厚が2.
5mm にされた自動車のドア用の内装品を成形する。ま
た、実験例1および比較例1では、基材としてタルク入
りポリプロピレン(出光石油化学(株)製 出光ポリプ
ロTR163)を、表皮面材として不織布を用い、以下
のような条件で射出圧縮成形を行う。 イ. 成形温度 :180 ℃ ロ. 金型温度 : 40 ℃ ハ. 射出時間 : 4 秒 ニ. 射出圧力 :120 kg/cm2
(ゲージ圧) ホ. 冷却時間 : 50 秒 ヘ. 寸開状態の金型の開放寸法C : 15 mm ト. 再型締め開始タイミング :溶融樹脂の充填開
始から2.8秒後 チ. 型締め速度 : 10 mm/ 秒 リ. 型締め時の圧縮荷重 :150 t ヌ. 方向転向体の直径D : 40 mm ル. 方向転向体の突出寸法S : 12 mm
【0027】〔実験1の結果〕実験例1で得られた成形
品は、目視で判断した結果、成形品全体にわたり表皮面
材である不織布の内部に溶融樹脂が含浸しておらず、全
体的に不織布の感触が良好な製品となった。一方、比較
例1により得られた成形品は、実験例1と同様に目視で
判断した結果、ゲート近傍の部分において表皮面材の表
面に樹脂が滲み出ており、当該部分については、感触が
損なわれる不良品となった。
【0028】〔実験2〕本実験2では、本発明の第2実
施例において角度θが20°、長さ寸法Lが2mmに設定
(図5参照)された金型で射出圧縮成形を行う実験例2
と、第2実施例の範囲外となるように角度θが70°、
長さ寸法Lが6mmに設定された金型で射出圧縮成形を行
う比較例2とを行う。そして、実験例2および比較例2
により得られた成形品を相互に比較することで、本発明
の効果を確認する。 〔実験2の射出条件〕以上の実験例2および比較例2で
は、射出成形機として実験1と同じ横型射出成形機(ス
クリュー径 160mm、圧縮力 最大 850t)、および、ゲ
ートをキャビティの中心に一箇所設けた金型を用いて、
肉厚が2.0mm 、直径 800mmの円盤状の成形品を成形す
る。また、実験例2および比較例2では、基材としてポ
リプロピレン(出光石油化学(株)製 出光ポリプロJ
−5066H)を用いるとともに、表皮面材として塩化
ビニル層0.6mm と、発泡ポリプロピレン層3.0mm とを有
する積層面材(共和レザー(株)製)を用い、以下のよ
うな条件で射出成形を行う。 イ. 成形温度 :180 ℃ ロ. 金型温度 : 40 ℃ ハ. 射出時間 : 2 秒 ニ. 射出圧力 :120 kg/cm2
(ゲージ圧) ホ. 冷却時間 : 40 秒 ヘ. 寸開状態の金型の開放寸法C : 10 mm ト. 再型締め開始タイミング :溶融樹脂の充填開
始から1.9秒後 チ. 型締め速度 : 10 mm/ 秒 リ. 型締め時の圧縮荷重 :100 t ヌ. 方向転向体の直径D : 40 mm ル. 方向転向体の突出量S : 7 mm
【0029】〔実験2の結果〕実験例2で得られた成形
品は、図6に示されるように、表皮面材13の塩化ビニル
の表皮層13A 、表皮面材13の発泡ポリプロピレンのクッ
ション層13B 、および、基材のポリプロピレンの基材層
14A の三層構造となる。その断面を万能投影機((株)
ニコン製)で観察した結果、表1にも示されるように、
表皮面材13の厚さ寸法Aおよび基材層14A の厚さ寸法B
が成形品全体にわたりほぼ均一であり、かつ、表皮面材
13に破れなどのない良好な製品であることがわかった。
【0030】
【表1】
【0031】一方、比較例2により得られた成形品は、
実験例2と同じ万能投影機でその断面を観察した結果、
表2にも示されるように、ゲートの周縁にあたる部分に
おいて表皮面材13のクッション層13B が溶融して表皮面
材13の当該部分に破れが生じ、これにより外観の損なわ
れた不良品であることがわかった。
【0032】
【表2】
【0033】なお、本発明は前述の各実施例に限定され
るものではなく、次に示すような変形などをも含むもの
である。すなわち、方向転向体の断面形状は、山形状と
その底面を嵩上げする長方形とを組み合わせた形状に限
らず、図7に示されるように、山形部分42A とその底面
を嵩上げする台形部分42B とを組み合わせたものでもよ
い。
【0034】
【0035】さらに、方向転向手段としては、棒状のロ
ッドに方向転向体を設けたものに限らず、図8に示され
るように、円筒50の底部に円錐状の方向転向体52を設け
た方向転向手段5でもよく、要するに、ゲートから流出
する溶融樹脂の流れ方向を表皮面材の表面に沿った方向
に変えることが可能である構造を有するものであれば、
その具体的な構造は限定されない。なお、円筒状の方向
転向手段5を採用する場合には、冷却水の注入ポート53
および排出ポート54を、供給路15の直線部15A に対抗配
置し、方向転向手段5をゲート11から突出させると、方
向転向手段5の内部に設けた冷却水用の流路55が注入ポ
ート53および排出ポート54に連通するようにしてもよ
い。
【0036】
【発明の効果】前述のように本発明によれば、開き量が
小さい状態で溶融樹脂の充填を行っても、予め装着して
おいた表皮面材を損傷させずに射出成形できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の金型の要部を示す断面図
である。
【図2】前記実施例の方向転向手段を示す拡大した断面
図である。
【図3】前記実施例の射出成形の手順を説明する図であ
る。
【図4】本発明の第2実施例を示す図1に相当する図で
ある。
【図5】前記実施例の方向転向体を示す拡大した断面図
である。
【図6】実験例1の成形品を示す断面図である。
【図7】本発明の変形例を示す図5に相当する図であ
る。
【図8】本発明の別の変形例を示す図2に相当する図で
ある。
【図9】従来例を示す図1に相当する図である。
【符号の説明】
5 方向転向手段 10 金型 11 ゲート 12 キャビティ 13 表皮面材 14 溶融樹脂 22,42,52 方向転向体 24 付勢手段としてのコイルばね 31 冷却手段としてのパイプ 55 冷却手段としての流路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI B29L 31:34 B29L 31:34

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】キャビティの表面に装着した表皮面材の上
    に溶融樹脂が充填される射出成形用金型であって、 記キャビティのゲートから流出する溶融樹脂の流れ方
    向を前記表皮面材の表面に沿った方向に変える方向転向
    手段と、前記表皮面材の前記ゲートと対向する部分を冷
    却する冷却手段とが設けられ、 前記方向転向手段は前記ゲートから突没自在にされたロ
    ッドの先端に設けられて前記溶融樹脂の流れ方向を変え
    る略円錐状の方向転向体と、前記ロッドを前記金型の内
    部に向かって付勢する付勢手段とを有し、かつ、前記付
    勢手段は付勢力が前記溶融樹脂の射出圧力よりも弱く設
    定され、 さらに、前記方向転向体は長方形の上側角部を円弧状に
    切り欠いた山形状断面を回転させた回転体であり、前記
    断面の切り欠いた円弧状の半径Rおよび前記切り欠きの
    下側の直線部分の長さ寸法Lのそれぞれが、 5mm<R<30mm、0mm<L<5mm の範囲内に有る ことを特徴とする射出成形用金型。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の射出成形金型において、
    前記方向転向手段は前記ゲートから突出して前記表皮面
    材に底面が接触可能とされた略円錐状の方向転向体であ
    り、かつ前記冷却手段は前記方向転向手段の前記表皮面
    材に接触する面を冷却する流路であることを特徴とする
    射出成形用金型。
  3. 【請求項3】キャビティの表面に装着した表皮面材の上
    に溶融樹脂が充填される射出成形用金型であって、 記キャビティのゲートから流出する溶融樹脂の流れ方
    向を前記表皮面材の表面に沿った方向に変える方向転向
    手段と、前記表皮面材の前記ゲートと対向する部分を冷
    却する冷却手段とが設けられ、 前記方向転向手段は前記ゲートから突没自在にされたロ
    ッドの先端に設けられて前記溶融樹脂の流れ方向を変え
    る略円錐状の方向転向体と、前記ロッドを前記金型の内
    部に向かって付勢する付勢手段とを有し、かつ、前記付
    勢手段は付勢力が前記溶融樹脂の射出圧力よりも弱く設
    定され、 さらに、前記方向転向体は長方形の上側角部を斜めに切
    り欠いた山形状断面を 回転させた回転体であり、前記断
    面の斜めに切り欠かれた斜辺が回転軸の直交面となす角
    度θおよび前記切り欠きの下側の直線部分の長さ寸法L
    のそれぞれが、 10°<θ<60°、0mm<L<5mm の範囲内に有る ことを特徴とする射出成形用金型。
  4. 【請求項4】請求項に記載の射出成形金型において、
    前記方向転向手段は前記ゲートから突出して前記表皮面
    材に底面が接触可能とされた略円錐状の方向転向体であ
    り、かつ前記冷却手段は前記方向転向手段の前記表皮面
    材に接触する面を冷却する流路であることを特徴とする
    射出成形用金型。
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