JP3257003B2 - 機能性有機化合物含有二酸化珪素粒子の製造方法 - Google Patents

機能性有機化合物含有二酸化珪素粒子の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、色素、紫外線吸収剤、
フォトクロ材料等の機能性有機化合物を含有する二酸化
珪素粒子の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、機能性有機化合物の耐久性その他
を向上させるために、これを無機物の微小カプセル中に
閉じこめることが知られており、その手法としては、ゾ
ルゲル法による有機色素含有二酸化珪素被膜の形成や、
有機顔料封入無機質微小カプセルの製造技術等が知られ
ている。しかし、上記ゾルゲル法においては、最終的に
は加熱処理が必要であるため耐熱性の高くない有機色素
への適用には問題がある。また、無機質微小カプセルに
おいても、無機材料による保護層は、厳密には多孔質で
あり、水分、溶剤などから有機顔料を保護するには必ず
しも充分ではない。
【0003】近年、二酸化珪素の過飽和状態にある珪弗
化水素酸水溶液に、有機物を添加することによって、有
機物含有二酸化珪素を析出させる方法が注目されてい
る。この方法によって、有機物含有二酸化珪素被膜(特
開平3−50111)や、有機物含有二酸化珪素粒子
(特願平2−199764)を得ることができる。この
方法によれば、析出した時点で完全な二酸化珪素となっ
ているため、加熱処理の必要がなく、前記ゾルゲル法に
比較してはるかに耐久性良好な有機物含有二酸化珪素被
膜や粒子が得られる。
【0004】しかし、特願平2−199764に記載さ
れた顔料(有機物含有二酸化珪素粒子)の製造方法は、
珪弗化水素酸水溶液から有機物含有二酸化珪素粒子を析
出沈澱させるがこの析出速度が小さく、従って、粒子の
収率が低いという実用上の問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記の従来
技術の問題点に鑑みなされたものであって、有機化合物
の機能性を失うことなく、その耐久性、耐薬品性を付与
する手段として、有機化合物を含有する二酸化珪素粒子
を高い収率で得ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明の製造方
法は、二酸化珪素が過飽和状態にあり、機能性有機化合
物、界面活性剤、および珪弗化水素酸水溶液を含む溶液
から前記有機化合物を含む二酸化珪素粒子を析出させる
ことを特徴とする。
【0007】以下、本発明の有機化合物含有二酸化珪素
粒子の製造方法について説明する。
【0008】まず、二酸化珪素が過飽和状態にあり、機
能性有機化合物、界面活性剤、および珪弗化水素酸水溶
液を含む溶液を調製する。この溶液は、 a) 珪弗化水素酸水溶液に機能性有機化合物を添加
し、 b) 次いで界面活性剤を添加し、 c) 次いで二酸化珪素を過飽和状態にする ことにより調製することが好ましい。
【0009】ここで用いる珪弗化水素酸水溶液は、1リ
ットルあたり0.1〜4.0モルの珪素濃度を有するこ
とが好ましい。
【0010】まず、a)工程では、機能性有機化合物は
上記珪弗化水素酸水溶液に添加される。この有機化合物
は、分子内に電子吸引基および電子供与基を有し、かつ
この二つの置換基が二重結合を介して共役している構造
を有するものであり、例えば染料、顔料、蛍光色素、紫
外線吸収剤、フォトクロミック材料などを挙げることが
できる。この機能性有機化合物は通常は水またはメタノ
ール、エタノールなどの水溶性溶剤に溶かしたり、分散
させた形で珪弗化水素酸水溶液に添加するが、機能性有
機化合物自体が水溶性のものにあっては、直接添加する
こともできる。
【0011】前記溶液は、機能性有機化合物を0.01
〜5重量%含有することが好ましい。
【0012】b)工程の、界面活性剤の添加は、珪弗化
水素酸水溶液中で有機化合物含有二酸化珪素粒子の析出
を促進する効果を有している。更に、もし析出した粒子
を後で述べる溶媒抽出法によって析出粒子を取り出す場
合には、析出した粒子の表面に界面活性剤が吸着して粒
子表面を親油性にし、該有機化合物含有二酸化珪素粒子
の有機溶媒中への移行を可能にする効果を有する。した
がって、二酸化珪素粒子に吸着し易い界面活性剤の使
用、すなわち次ぎに述べる陽イオン性界面活性剤の使用
が望まれる。
【0013】界面活性剤としては、陽イオン性、両性、
非イオン性の水に可溶なものならば、ほとんどのものが
使用可能であるが、二酸化珪素粒子が、水溶液中で陰イ
オン性を示すので陽イオン性界面活性剤の使用が最も好
ましい。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を
混合して使用してもよい。
【0014】陽イオン性界面活性剤としては、ドデシル
トリメチルアンモニウムブロマイドのようなドデシルト
リメチルアンモニウムハライド、オクタデシルトリメチ
ルアンモニウムクロライドのようなオクタデシルトリメ
チルアンモニウムハライド、ヘキサデシルトリメチルア
ンモニウムクロライドのようなヘキサデシルトリメチル
アンモニウムハライド、オクタデシルアミン酢酸塩、ド
デシルジメチルベンジルアンモニウムクロライドのよう
なドデシルジメチルベンジルアンモニウムハライド、ポ
リオキシエチレンドデシルモノメチルアンモニウムクロ
ライドのようなポリオキシエチレンドデシルモノメチル
アンモニウムハライド、またはオクタデシルジメチル
[3−(トリメトキシシリル)プロピル]アンモニウム
クロライドのようなオクタデシルジメチル[3−(トリ
メトキシシリル)プロピル]アンモニウムハライド等が
その代表例として挙げられる。
【0015】界面活性剤は、そのまま添加しても、水に
溶かして水溶液として添加してもよい。その添加量は、
有機化合物含有二酸化珪素粒子の有機溶媒への移動率に
影響するが、珪弗化水素酸水溶液のPH、濃度、温度、
界面活性剤の種類、有機溶媒の種類によって最適値が異
なるため、それぞれ条件によってその値を決定する必要
があるが、通常は前記溶液中に0.1〜20重量%含有
させる。a)工程とb)工程の順序を入れ替えても、ま
たは同時に行なってもよい。
【0016】次ぎに、c)工程は、珪弗化水素酸水溶液
を二酸化珪素の過飽和状態にする工程である。この工程
により水溶液中に有機化合物含有二酸化珪素粒子が析出
される。c)工程は、従来知られているように、二酸化
珪素を飽和した珪弗化水素酸水溶液にほう酸や水酸化ア
ルミニウム、金属ハライド等の水溶液を添加する方法、
アンモニア、アミンを気体または水溶液として添加する
方法、テトラアルコキシシラン誘導体を添加する方法、
金属アルミニウムを浸漬溶解する方法、水溶液を加温す
る方法等いずれも採用可能である。また、高濃度水溶液
を水で希釈して、二酸化珪素の過飽和状態としてもよ
い。a)工程またはb)工程において、有機化合物、ま
たは界面活性剤をそれぞれ水溶液として添加することに
よって、一気に二酸化珪素が過飽和な状態にすることが
可能である。このようにc)工程は、(1) a)工
程、またはb)工程と同時におこなってもよく、(2)
a)工程とb)工程の間で行なってもよく、また
(3) a)工程に先だって行なってもよい。しかし上
記(3)の場合には、c)工程により二酸化珪素粒子の
析出が始まるので、なるべく早く次のa)工程をおこな
わないと有機化合物を含有しない二酸化珪素粒子のみが
析出することになる。
【0017】しかし、粒子径の小さな二酸化珪素粒子を
析出させるためには、b)工程の後に、c)工程を行な
う方が好ましい。これは、もともと二酸化珪素は、疎水
性表面には、析出しにくい傾向にあり、b)、c)の順
に行なった場合には、析出して間もない微小の粒子の表
面に界面活性剤が吸着して粒子表面を疎水性にするた
め、その後の析出および粒子の生長を抑制し従って微小
な粒子が多数生成する傾向があるからである。析出する
二酸化珪素粒子の粒径は、界面活性剤の添加量が多いほ
ど小さくなるが、実際は、過剰に添加すると、界面活性
剤の多重吸着が起こり粒子表面の疎水化が阻害されて、
特開昭63−112632に記載されているように、再
び二酸化珪素が析出する。また、析出粒子の粒径に関し
ては、上述の他に、水溶液中の珪素濃度による影響も強
く、珪素濃度を小さくするにしたがって、径の小さな二
酸化珪素粒子が多数析出する傾向にある。
【0018】二酸化珪素の過飽和状態にする手段は上記
の通り種々あるが、水に不溶または難溶の珪弗化物、弗
化物を直ちに生成する添加物の使用は不純物粒子が混入
することになり好ましくない。
【0019】前記溶液のPHは界面活性剤の粒子への吸
着に重要な因子であることが判明した。この溶液のPH
が6を越える場合、特に中性もしくはアルカリ性の場
合、界面活性剤の粒子への吸着が起こりにくくなり、二
酸化珪素の析出の促進の効果が生じない。また溶液が中
性もしくはアルカリ性であり、かつ溶媒抽出法を用いる
場合には、c)工程の後にこれらを攪拌する際に、発泡
が激しく油層と水層が分離しにくくなって不都合であ
る。従ってこのPHは、多くとも6であることが好まし
い。また溶液のPHは、得られる粒子径に影響する。1
00nm以下の小さな直径を有する粒子を得るために
は、最終的な溶液のPH、即ちa)、b),c)工程を
完了した時点の溶液のPHは少なくとも1であることが
好ましい。珪弗化水素酸水溶液を二酸化珪素の過飽和状
態にするための添加物として、上記水溶液のPHを調節
する観点からアンモニア水または、アンモニア水とほう
酸水溶液との併用が好ましい。
【0020】析出した有機化合物含有二酸化珪素粒子を
溶媒抽出により取り出す場合には、d)工程すなわち、
前記溶液中に水と混じりあわない有機溶媒を加えてよく
攪拌し、水溶液中で析出した有機化合物含有二酸化珪素
粒子を有機溶媒中に移動させる工程を経る。
【0021】有機溶媒としては、水に不溶のトルエン、
キシレン、シクロヘキサン、ベンゼン、n−ペンタン等
多くのものが使用可能であるが、b)工程で使用する界
面活性剤の種類によっては、粒子が水溶液から有機溶媒
へ移行しないことがあるので、界面活性剤と有機溶媒の
組合せを考慮する必要がある。
【0022】有機溶媒を添加して攪拌後静置しても、水
層と油層の分離に長時間要する場合には、アセトン、メ
タノール、エタノール等の水溶性有機溶媒を加えるとよ
い。
【0023】e)工程は、d)工程後、水溶液を分離除
去する工程である。水溶液除去後、油層を飽和食塩水で
脱水、洗浄することが好ましい。
【0024】また、トルエン等の沸点の高い溶媒を使用
して粒子を抽出した場合は、粒子に吸着した水を除去す
るため、そのまま還流脱水してもよい。
【0025】上記のd)工程およびe)工程の代わり
に、フィルターを用いて濾過することにより有機化合物
含有二酸化珪素粒子を取り出してもよい。しかしd)工
程およびe)工程を用いることにより優れた作業性が得
られる。
【0026】最後に、以上a)〜e)の5工程を経て得
られる有機化合物含有二酸化珪素粒子分散有機溶剤から
有機溶媒を分離除去後乾燥する。
【0027】有機溶媒の除去は、常圧で蒸留して除去し
ても、減圧下で蒸留して除去してもよい。また、しばら
く放置して粒子が沈降した後、上澄み液を除去して、残
りの有機溶媒を蒸発させてもよい。
【0028】得られた粒子の乾燥は、有機化合物、界面
活性剤の分解しない温度で乾燥しても、電子レンジなど
による高周波処理を施してもよい。
【0029】以上のようにして得られた有機化合物含有
二酸化珪素粒子は、無機物の安定性および有機化合物の
機能性を兼ね備え、しかも特願平2−199764に記
載された粒子に比較して、粒子径が小さく、溶剤への分
散性に優れており、各種塗料に混合して塗布することが
可能である。
【0030】
【実施例】以下、実施例および比較例を挙げて本発明を
詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、
以下の実施例に限定されるものではない。
【0031】実施例1 シリカゲルを飽和した珪素濃度4.3mol/lの珪弗
化水素酸水溶液1リットルに蛍光色素ローダミン 6G
0.1gを添加攪拌した。 10mlをビーカーにと
り、10mlの水、0.1mol/lのドデシルトリメ
チルアンモニウムブロマイド水溶液20ml、5.6%
のアンモニア水25ml、および0.5mol/lのほ
う酸水溶液25mlをこの順に加え、25℃で16時間
攪拌した。水溶液は酸性を呈した。
【0032】この溶液を分液ロートに移し、その分液ロ
ートにトルエン100mlを添加し、激しく振動させ
た。その後、しばらく静置することによって、溶液は油
層と水層に分離した。水層の着色は、油層に移行してい
た。水層を除去し、得られた油層をビーカーに移した。
油層をしばらく放置したところ、粒子が沈降した。そこ
で上澄み液を除去し、得られた粒子を30mlのエチル
アルコールで2回洗浄した。溶液の静置によって粒子を
沈降させ、トルエン、エチルアルコールからなる上澄み
液を除去した。なお、この上澄み液は着色されていなか
った。そして得られた粒子を100℃で2時間乾燥させ
た。
【0033】以上のようにしてローダミン6Gを含有す
る二酸化珪素粒子約1.3gが得られた。この粒子は赤
色の色調をもっていた。得られた粒子が全量二酸化珪素
であるとして計算すると、珪弗化水素酸溶液からの二酸
化珪素の収率は、約50%である。また、二酸化珪素粒
子中のローダミン色素濃度は、約1.7g/lである。
【0034】各々の、レーザー色素(蛍光色素)を含む
二酸化珪素粒子をペレット状にし、蛍光スペクトルを観
察した結果、蛍光顔料として機能を発現できることが確
認された。
【0035】また上記色素含有二酸化珪素粒子を、エタ
ノール中に24時間浸漬したが、色素の溶出はみられな
かった。また、塩酸、硫酸等の酸性溶液中に24時間浸
漬したが、色素の溶出、粒子の溶解などの変化はみられ
なかった。さらに、各粒子を100℃の乾燥炉中に20
0時間放置したが、色調の変化はなかった。またこの粒
子を構成する酸素および珪素のモル比を、(株)島津製
表面分析装置ESCA−750で測定したところO/S
i=2.04であった。またこの二酸化珪素粒子を微量
採取し、これを、走査型電子顕微鏡で観察したところ、
直径0.02〜0.05μmの粒子が凝集していること
が判明した。
【0036】実施例2、3 上記実施例1で用いた色素ローダミン6Gの代わりに、
それぞれ蛍光色素アクリジン レッドおよび蛍光色素フ
ロオレセインを用いる他は実施例1と同様に処理したと
ころ、実施例1と同様にアクリジン レッドを含有する
赤色の二酸化珪素粒子、およびフロオレセイン含を含有
する黄色の二酸化珪素粒子それぞれ約1.3gが得られ
た。そして二酸化珪素の収率は、それぞれ約50%であ
り、二酸化珪素粒子中の各色素濃度は、それぞれ約1.
7g/lであり、ともに蛍光顔料として機能を発現でき
ることが確認された。また、エタノール浸漬による色素
の溶出はそれぞれみられず、、塩酸、硫酸等の酸性溶液
中に24時間浸漬したが、色素の溶出、粒子の溶解など
の変化もそれぞれみられなかった。さらに、粒子を10
0℃の乾燥炉中に200時間放置したが、それぞれ色調
の変化はなかった。
【0037】比較例1 ドデシルトリメチルアンモニウムブロマイド水溶液20
mlの代わりに水20mlを添加したこと以外は、実施
例1と同様にして、ローダミン6Gを含む二酸化珪素粒
子のトルエン抽出を試みた。
【0038】しかし、粒子は、トルエン層に移行せず、
溶媒抽出はできなかった。そこで、テフロン製メンブレ
ンフィルターを用いて粒子を減圧濾過し、乾燥してロー
ダミン6Gを含有する二酸化珪素粒子約0.2gが得ら
れ、珪弗化水素酸溶液からの二酸化珪素の収率は約8%
に過ぎなかった。
【0039】実施例4、5、6 シリカゲルを飽和した珪素濃度4.3mol/lの珪弗
化水素酸水溶液を1リットルづつ3試料を準備し、これ
らに表1に示す染料各0.1gづつを添加攪拌した。
各々10mlをビーカーにとり、各々、10mlの水、
0.1mol/lのオクタデシルトリメチルアンモニウ
ムクロライド水溶液20ml、および5.6%のアンモ
ニア水25ml、0.5mol/lのほう酸水溶液25
mlの液をこの順に加え、25℃で16時間攪拌した。
水溶液はすべて酸性を呈した。
【0040】上記、各水溶液に、トルエン100mlを
添加し、激しく攪拌した。しばらく放置したところ溶液
は水層と油層に分離した。水層の着色は、油層に移行し
ていた。各々、水層を除去して得られた油層中のトルエ
ンを減圧蒸留によって完全に除去し、さらに、100℃
で2時間乾燥した。
【0041】以上のようにして各々の色彩を呈する約1
gの有色二酸化珪素粒子が得られた。珪弗化水素酸から
の収率はいずれも約40%であった。
【0042】得られた粒子の色調を表1に示す。これら
の粒子をエタノール中に24時間浸漬したが、有色染料
の溶出はみられなかった。
【0043】
【表1】 表1 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 添加染料 色調 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 実施例4 カヤシル イエロー GG 淡黄色 実施例5 マラカイト グリーン 緑 色 実施例6 アリザリン アストロール 淡紫色 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 実施例7 シリカゲルを飽和した珪素濃度4.3mol/lの珪弗
化水素酸水溶液100mlに金属アルミニウムを0.4
g溶解させた処理液に、5重量%のローダミン6Gのエ
タノール溶液、および0.1mol/lのドデシルトリ
メチルアンモニウムブロマイド水溶液20mlを添加
後、35℃の水浴上にセットし、16時間保持した。溶
液中の沈澱をろ過、水洗後、オーブンにて乾燥して、ロ
ーダミン6Gを含有する二酸化珪素粒子3grを得た。
出発原料として珪弗化水素酸水溶液を100ml使用し
ているので、収率は約10%であった。
【0044】比較例2 上記ドデシルトリメチルアンモニウムブロマイド水溶液
20mlを添加しないこと以外は実施例7と同じ操作を
行いローダミン6Gを含有する二酸化珪素粒子0.3g
rを得た。収率は約1%と低かった。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の製造方法
によれば、有機化合物の機能性を失うことなく、その耐
久性、耐薬品性を付与された機能性有機化合物含有粒子
を収率よく得ることができ、しかも溶媒抽出する場合に
は粒子から弗化珪素等の弗化物を洗い落とす操作が簡単
である。
【0046】

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 二酸化珪素が過飽和状態にあり、機能性
    有機化合物、界面活性剤、および珪弗化水素酸水溶液を
    含む溶液から前記有機化合物を含む二酸化珪素粒子を析
    出させることを特徴とする機能性有機化合物含有二酸化
    珪素粒子の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記析出の後に、析出二酸化珪素粒子を
    含む前記溶液に、水に不溶の有機溶媒を加えて溶液中の
    二酸化珪素粒子を前記有機溶媒の中に移行させ、その後
    に前記水溶液および前記有機溶媒を分離除去する請求項
    1記載の機能性有機化合物含有二酸化珪素粒子の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 前記溶液は、機能性有機化合物および界
    面活性剤をそれぞれ0.01〜5重量%および0.1〜
    20重量%含有し、かつ1リットルあたり0.1〜4.
    0モルの珪素濃度を有するものである請求項1記載の機
    能性有機化合物含有二酸化珪素粒子の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記溶液は珪弗化水素酸水溶液に機能性
    有機化合物を添加し、次いで界面活性剤を添加し、次い
    で二酸化珪素を過飽和状態にすることにより調製する請
    求項1記載の機能性有機化合物含有二酸化珪素粒子の製
    造方法。
  5. 【請求項5】 アンモニア水、またはアンモニア水とほ
    う酸水溶液の混合溶液を添加することにより前記溶液中
    の二酸化珪素を過飽和状態にする請求項4記載の機能性
    有機化合物含有二酸化珪素粒子の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記機能性有機化合物は分子内に電子吸
    引基および電子供与基を有し、かつこの二つの置換基が
    二重結合を介して共役している構造を有するものである
    請求項1記載の機能性有機化合物含有二酸化珪素粒子の
    製造方法。
  7. 【請求項7】 前記界面活性剤は陽イオン性界面活性剤
    である請求項1記載の機能性有機化合物含有二酸化珪素
    粒子の製造方法。
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