JP3256158B2 - オゾン発生器 - Google Patents

オゾン発生器

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JP3256158B2
JP3256158B2 JP02041097A JP2041097A JP3256158B2 JP 3256158 B2 JP3256158 B2 JP 3256158B2 JP 02041097 A JP02041097 A JP 02041097A JP 2041097 A JP2041097 A JP 2041097A JP 3256158 B2 JP3256158 B2 JP 3256158B2
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  • Oxygen, Ozone, And Oxides In General (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、平板型のオゾン発
生器に関するものである。
【0002】
【従来技術及びその課題】平板型のオゾン発生器の基本
原理は、板状金属電極を対向させ、対向面に誘電体層を
設けておき、対向する誘電体層間に構成された放電空間
に酸素を流すとともに放電空間にて無声放電を起こさ
せ、それによって酸素をオゾンに変化させるものであ
る。このようなオゾン発生器では、放電空間の上下寸法
が狭いほどオゾンの発生効率が向上する。
【0003】ところで、従来では、放電空間は、対向す
る誘電体層間に絶縁体からなるスペーサを介設すること
によって形成され維持されており、スペーサとして、テ
フロンやセラミックからなる枠を用いていたため、スペ
ーサを薄くすることに限界があり、放電空間の上下寸法
を狭く設定してオゾン発生効率の向上を図るのに限界が
あった。
【0004】また、別体であるスペーサを組み付ける作
業を必要とするため、組み立て作業が面倒であった。
【0005】本発明は、放電空間の上下寸法を狭く設定
してオゾン発生効率のより一層の向上を図ることがで
き、更には組み立て作業の簡易化も図ることができる、
オゾン発生器を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
複数の平板状金属電極を相互に対向させて配置するとと
もに、金属電極の対向面に誘電体層を設け、対向する誘
電体層間に放電空間を構成し、放電空間に酸素又は酸素
含有気体を流すとともに放電空間にて無声放電を起こさ
せて、オゾンを発生させる、オゾン発生器において、金
属電極が鉄又はアルミニウムからなり、相互に対向した
金属電極の少なくとも一方の対向面がプレス成形された
連続した凸部を有しており、この凸部及び凸部表面に設
けられた誘電体層により放電空間の側壁が構成されてお
り、誘電体層が、ホウロウからなり、転写シートのホウ
ロウ釉薬層を転写して焼き付けて形成されたものである
ことを特徴としている。
【0007】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明において、凸部が、放電空間内のある一点から他の一
点に向けて、放電空間内の最も離れた2点間の直線距離
より長い通路空間を構成するよう設けられている。
【0008】請求項3記載の発明は、請求項1記載の発
明において、凸部が、縦断面台形状に形成されている。
【0009】
【0010】
【発明の実施の形態】
(実施形態1)図1は本実施形態の平板型のオゾン発生
器の縦断面図である。このオゾン発生器は、両面に誘電
体層が設けられた平板状の金属電極が4層に積層されて
構成されている。11a,11b,12a,12b,1
3a,13b,14a,14bはホウロウからなる誘電
体層、21,22,23,24はアルミニウムからなる
電極である。なお、誘電体層としては他の絶縁物からな
るものを、また、電極としては鉄からなるものを、用い
てもよい。電極22,24は接地されており、電極2
1,23は交流電源4に接続されている。対向する誘電
体層間には放電空間51,52,53が形成され維持さ
れている。
【0011】図2は電極24の斜視図である。電極24
の上面24aの周縁には連続した凸部241がプレス成
形により形成されている。電極23,22,21の上面
にも、同様に凸部231,221,211が形成されて
いる。図3は誘電体層14a,14bを備えた電極24
の斜視図である。誘電体層14aは凸部241表面及び
他の上面24aの部分に密接して且つ均一に設けられて
おり、誘電体層14aの上面には、凸部241及び凸部
241表面に設けられた誘電体層14aにより囲まれた
空間が存在しており、この空間が図1における放電空間
53となっている。電極23,22についてもその上面
に空間が存在しており、同様に放電空間52,51とな
っている。
【0012】電極21及び誘電体層11bには放電空間
51と外部空間とを連通させる貫通孔61が形成されて
おり、電極22及び誘電体層12a,12bには放電空
間51,52を連通させる貫通孔62が形成されてお
り、電極23及び誘電体層13a,13bには放電空間
52,53を連通させる貫通孔63が形成されており、
電極24及び誘電体層14aには放電空間53と外部空
間とを連通させる貫通孔64が形成されている。貫通孔
61の両端は酸素又は酸素含有気体の流入口61aと放
電空間51への入口61bとなっている。貫通孔62の
両端は放電空間51の出口62aと放電空間52への入
口62bとなっている。貫通孔63の両端は放電空間5
2の出口63aと放電空間53への入口63bとなって
いる。貫通孔64の両端は放電空間53の出口64aと
外部空間への流出口64bとなっている。なお、各放電
空間における入口と出口とは直線距離で最も離れる位置
に設けられている。
【0013】上記構成のオゾン発生器は、次のように製
造する。まず、図2に示すように、電極24の上面24
aの周縁に凸部241をプレス成形して形成する。電極
23,22,21についても同様に凸部231,22
1,211を形成する。次に、電極24の上面24a及
び下面24bにホウロウ釉薬をスプレー塗装し、焼成す
る。これにより、図3に示すような、両面に誘電体層1
4a,14bが形成された電極24が得られる。電極2
3,22,21についても同様にして、両面に誘電体層
13a,13bが形成された電極23、両面に誘電体層
12a,12bが形成された電極22、及び両面に誘電
体層11a,11bが形成された電極21を製造する。
そして、これらの電極24,23,22,21を凸部側
を上として積層していき、最後に、電源4や接地等の配
線を設ける。こうして、図1に示すオゾン発生器が得ら
れる。
【0014】上記構成のオゾン発生器においては、流入
口61aから流入した酸素又は酸素含有気体は、貫通孔
61、放電空間51、貫通孔62、放電空間52、貫通
孔63、放電空間53、及び貫通孔64を経て流出口6
4bから放出されるよう流れるようになっている。一
方、電源4を作動させることにより、放電空間51,5
2,53では無声放電が起こる。これにより、各放電空
間を流れる酸素等はオゾンに変化し、流出口64bから
は、オゾンと未反応の酸素等が放出される。即ち、オゾ
ンが発生することとなる。
【0015】ところで、上記構成のオゾン発生器におい
ては、凸部241等がプレス成形により形成されるの
で、その突出高さを極めて小さくすることが可能であ
る。一方、放電空間53等の上下寸法は凸部241等の
突出高さによって定まる。従って、上記構成のオゾン発
生器によれば、凸部241等の突出高さをできる限り小
さくすることにより、放電空間53等の上下寸法を小さ
くして、オゾン発生効率の向上を図ることができる。ま
た、放電空間を構成するためのスペーサが不要であるの
で、別体のスペーサを組み付ける手間が省略され、組み
立て作業が容易となる。
【0016】(実施形態2)本実施形態は、図4に示す
ように、電極24に、凸部241の代わりに、枠部24
2aと仕切り部242bとからなる凸部242を形成し
たものである。仕切り部242bは枠部242a内をジ
グザグに仕切っている。電極23,22,21について
も同様の凸部を形成している。その他は実施形態1と同
じである。図5は誘電体層14aが形成された電極24
の平面図である。なお、図5において、入口63bは位
置を示している。
【0017】本実施形態においては、図5に示すよう
に、放電空間53内に、仕切り部242bにより、入口
63bから出口64aまでのジグザグ状の流路81が構
成されている。即ち、入口63bから出口64aまでが
両者の直線距離よりかなり長くなっている。そのため、
入口63bから放電空間53に入って来た酸素等は、流
路81を矢印のように流れて行くため、仕切り部242
bがない場合に比して、放電空間53内に長時間滞留す
ることとなり、無声放電に長く晒されることとなる。従
って、オゾン発生効率は向上し、高濃度のオゾンが発生
することとなる。
【0018】なお、図6に示すように入口63bから出
口64aまでの渦巻き状の流路82を構成するように凸
部243を形成してもよく、更に、図7に示すように入
口63bから出口64aまでのコ字状の流路83を構成
するように凸部244を形成してもよい。なお、凸部2
43は枠部243aと仕切り部243bとからなり、凸
部244は枠部244aと仕切り部244bとからなっ
ている。これらにおいても、図5の場合と同様に、酸素
等は図中の矢印のように流れて行くため、仕切り部のな
い凸部を形成した場合に比して、放電空間における酸素
等の滞留時間は長くなり、高濃度のオゾンが発生する。
【0019】(実施形態3)本実施形態は、電極上面の
凸部を縦断面台形状に形成したものである。その他は実
施形態1と同じである。なお、実施形態2に適用しても
よい。これによれば、凸部241の側面241aがテー
パ状となっているので、電極24の、凸部241表面を
含めた上面24a全面に誘電体層14aを密接して設け
やすくなり、それ故、誘電体層が剥離しにくくなる。
【0020】(実施形態4)本実施形態は、誘電体層
を、スプレー塗装ではなく、転写シートのホウロウ釉薬
層を転写して焼き付けて形成したものである。なお、凸
部の縦断面形状は実施形態3と同じであり、その他は実
施形態1と同じである。なお、実施形態2に適用しても
よい。
【0021】図9及び図10はホウロウ釉薬層の転写の
工程を示している。転写シート7は、台紙7aとホウロ
ウ釉薬層7bとが貼り合わされて構成されている。ま
ず、転写シート7の釉薬層7bを、図9の矢印に示すよ
うにして、電極24の上面24aに当接させるように
し、図10に示すように、台紙7aを剥がして釉薬層7
bを残す。下面24bにも同様に釉薬層7bを貼着す
る。そして、焼成を施す。こうして、図3に示すよう
な、両面にホウロウからなる誘電体層14a,14bが
形成された電極24が得られる。電極23,22,21
についても同様である。
【0022】ところで、転写シート7の釉薬層7bは表
面が平滑な薄層として形成されるものであるので、釉薬
層7bから形成される誘電体層は、表面が平滑な薄層と
して形成される。従って、上記構成のオゾン発生器で
は、各誘電体層の表面が平滑であるので、凸部241等
の突出高さをできる限り小さくして、放電空間の上下寸
法を小さくすることが可能となる。従って、上記構成の
オゾン発生器によれば、放電空間の上下寸法を小さくし
てオゾン発生効率の向上を図ることができる。
【0023】しかも、転写シート7において、釉薬層7
bは不純物が混入しないように形成されるものであるの
で、釉薬層7bから形成される誘電体層にも不純物は混
入せず、誘電体層は所望の誘電率を示す。従って、上記
構成のオゾン発生器では、所望の無声放電が起こり、期
待されるだけのオゾンが確実に得られる。
【0024】また、スプレー塗装により誘電体層を形成
する方法では、誘電体層の原料が飛散し、原料の無駄遣
いや環境汚染等が生じる恐れがあったが、本発明の上記
製造方法によれば、転写シート7の釉薬層7bを転写し
て焼き付けるだけで誘電体層を形成することができるの
で、そのような恐れはない。
【0025】(実施形態5)本実施形態は、電極に冷却
構造を設けたものである。その他は実施形態1と同じで
ある。なお、実施形態2ないし4に適用してもよい。こ
の冷却構造は、平面図である図11に示すように電極2
4内を蛇行して貫通した冷却水通路8からなっており、
冷却水通路8の内面は図11のXII−XII断面部分図で
ある図12に示すようにギザギザ状に加工されている。
電極23,22,21についても同じである。なお、ギ
ザギザ状に加工するのは、冷却水通路8内面の全面又は
一面でもよい。また、冷却水通路の縦断面形状は円形で
もよい。
【0026】上記構成のオゾン発生器によれば、冷却水
通路8内面の表面積が増大しているので、冷却水通路8
における熱交換効率が向上し、冷却効果が向上する。
【0027】
【発明の効果】(1)請求項1記載の発明によれば、凸
部がプレス成形で形成されているので、凸部の突出高さ
を容易に小さく設定でき、それ故、放電空間の上下寸法
を容易に小さく設定でき、従って、オゾン発生効率を顕
著に向上させることができる。また、別体のスペーサを
組みつける手間を省くことができるので、組み立て作業
を簡単化できる。更に、誘電体層が、ホウロウからな
り、転写シートのホウロウ釉薬層を転写して焼き付けて
形成されたものであるので、次の効果を奏する。誘電
体層の表面が平滑であるため、凸部の突出高さを小さく
することにより、放電空間の上下寸法を小さくすること
ができる。従って、オゾン発生効率の向上を図ることが
できる。誘電体層に不純物が混入していないので、誘
電体層は所望の誘電率を発揮でき、従って、当初から期
待していただけの濃度のオゾンを得ることができる。
誘電体層を薄くできるので、発生器全体の小型化を図る
ことができる。
【0028】(2)請求項2記載の発明によれば、次の
効果を奏する。 放電空間における酸素等の滞留時間を長くできるの
で、オゾンの発生濃度を高めることができる。 スペースの小さい放電空間であっても、オゾンの発生
濃度を高めることができるので、発生器の小型化を図る
ことができる。 流路の長さを仕切りにより調節できるので、オゾンの
発生濃度を調節することができる。
【0029】(3)請求項3記載の発明によれば、誘電
体層を電極の凸部を形成した面に密接して設けることが
できるので、誘電体層の剥離を防止できる。
【0030】
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施形態1の平板型のオゾン発生器の縦断面
図である。
【図2】 実施形態1における電極の斜視図である。
【図3】 両面に誘電体層が形成された図2の電極の斜
視図である。
【図4】 実施形態2における一例の電極の斜視図であ
る。
【図5】 誘電体層が形成された図4の電極の平面図で
ある。
【図6】 実施形態2における別の例の電極であって誘
電体層が形成された電極の平面図である。
【図7】 実施形態2における更に別の例の電極であっ
て誘電体層が形成された電極の平面図である。
【図8】 実施形態3における電極の縦断面拡大部分図
である。
【図9】 実施形態4のオゾン発生器の一製造工程を示
す斜視図である。
【図10】 図9に続く製造工程を示す縦断面図であ
る。
【図11】 実施形態5における電極の平面図である。
【図12】 図11のXII−XII断面部分図である。
【符号の説明】
11a,11b,12a,12b,13a,13b,1
4a,14b 誘電体層 21,22,23,24 電極 51,52,53 放電空間 7 (誘電体層用の)転写シート 7b ホウロウ釉薬層 211,221,231,241,242,243,2
44 凸部
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C01B 13/11 H01T 19/00 H01T 23/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の平板状金属電極を相互に対向させ
    て配置するとともに、金属電極の対向面に誘電体層を設
    け、対向する誘電体層間に放電空間を構成し、放電空間
    に酸素又は酸素含有気体を流すとともに放電空間にて無
    声放電を起こさせて、オゾンを発生させる、オゾン発生
    器において、 金属電極が鉄又はアルミニウムからなり、相互に対向し
    た金属電極の少なくとも一方の対向面がプレス成形され
    た連続した凸部を有しており、この凸部及び凸部表面に
    設けられた誘電体層により放電空間の側壁が構成されて
    おり、 誘電体層が、ホウロウからなり、転写シートのホウロウ
    釉薬層を転写して焼き付けて形成されたものであること
    を特徴とするオゾン発生器。
  2. 【請求項2】 凸部が、放電空間内のある一点から他の
    一点に向けて、放電空間内の最も離れた2点間の直線距
    離より長い通路空間を構成するよう設けられている請求
    項1記載のオゾン発生器。
  3. 【請求項3】 凸部が、縦断面台形状に形成されている
    請求項1記載のオゾン発生器。
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