JP3253661B2 - 原稿搬送装置 - Google Patents

原稿搬送装置

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JP3253661B2
JP3253661B2 JP34893991A JP34893991A JP3253661B2 JP 3253661 B2 JP3253661 B2 JP 3253661B2 JP 34893991 A JP34893991 A JP 34893991A JP 34893991 A JP34893991 A JP 34893991A JP 3253661 B2 JP3253661 B2 JP 3253661B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、複写機などの画像形
成装置に用いられる原稿搬送装置に関し、特に搬送ベル
トの近傍に設けた検出手段が原稿の端部を検出した時点
より該搬送ベルトの駆動モータの回転に同期したパルス
発生手段からの出力パルスをカウントし、所定のカウン
ト値に達したとき該駆動モータに停止信号を出力し、そ
れによって露光位置に原稿を停止する原稿搬送装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、画像形成装置のプラテンを覆う搬
送ベルトを設け、該搬送ベルトの駆動によって原稿をプ
ラテン上に搬送セットする原稿搬送装置が公知である。
【0003】そしてこの種の装置では、原稿を正確に所
定の露光位置で停止されることが重要である。原稿を露
光位置に正確に停止させる為に、例えば特公平3ー56615
号に記載される搬送装置は、原稿が搬送ベルト単独で搬
送される距離と、予め記憶された搬送ベルトと原稿との
間の単位搬送距離当りのスリップ量とから、原稿が露光
位置に達するまでの誤差を求め、その誤差に対応するパ
ルス数だけ規定のパルスを増加させることにより、搬送
ベルト停止信号の発生タイミングを補正するものであ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の装置の
様に単位搬送距離当りのスリップ量と原稿の搬送距離と
から、搬送ベルト停止信号の発生タイミングを補正する
ものであっても、実際に搬送ベルトを駆動している駆動
モータを停止信号と同時的に停止して、原稿の搬送を即
座に停止させることが出来なければ不十分な補正方法に
終わってしまう。即ち、従来の補正方法では、搬送ベル
トの駆動モータのオーバーラン量(搬送ベルト停止信号
の出力より、実際に原稿が停止するまでの距離)に対す
る補正が不足している為に、露光停止位置のバラ付きを
十分に吸収することが不可能であった。
【0005】更に、原稿サイズ、原稿搬送モード等が異
なる為に露光位置手前での原稿搬送速度を一定に保つこ
とが難しく、原稿搬送速度の相違から、上記オーバーラ
ン量がまちまちとなり露光位置への停止精度を上げるこ
とができなかった。
【0006】そこで、この発明は原稿のスリップに対す
る補正の他に、駆動モータのオーバーラン量の変化に対
する補正も合わせて考慮することで、よりバラ付きの少
ない原稿停止制御が可能な原稿搬送装置を提供すること
を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本願発明は、プラテンに沿って原稿を搬送する搬送手
段と、このプラテンの原稿搬送方向上流側に設けられた
検出手段と、搬送手段の駆動に同期したパルスを発生す
るパルス発生手段と、検出手段が原稿の端部を検出した
時点からのパルス発生手段の出力パルス数が所定パルス
値に達したことにより搬送手段の駆動を停止するように
搬送手段の駆動を制御する制御手段と、を備える原稿搬
送装置において、搬送手段の駆動を停止した時点から原
稿が停止するまでの原稿移動量に相当するオーバーラン
パルス値を原稿の搬送速度によって設定する設定手段
と、設定された前記オーバーランパスル値に基いて前記
所定のパルス値を補正する補正手段を備えたものであ
る。
【0008】
【実施例】本発明は複写機、各種プリンタ、ファクシミ
リなどの画像形成装置に適用できるが、一例として複写
機に適用する原稿搬送装置について添付の図面に従って
説明する。
【0009】図1に示す複写機Mの上方には原稿搬送装
置Fが載置・装着されている。原稿搬送装置Fの外観形
状は略正方形をしており、複写機Mの正面から見て左右
両側に原稿搬送装置Fが大きく突出しないようになって
いる。
【0010】複写機Mの上方部にはプラテンPが設けら
れており、このプラテンPを覆うように載置されている
原稿搬送装置Fは、プラテンPの略半分に相当する一定
の領域を覆う搬送部10と、同じくプラテンPの残りの
領域を覆うプラテンカバー部20と、このプラテンカバ
ー部20の上方に設けられ、原稿トレイ部30にセット
された原稿をプラテンPに向けて分離給送する分離給送
部40と、搬送部10によって搬送される露光済み原稿
を受取ってプラテンPから排出する排紙部50と、この
排紙部50によって排出される原稿を収納する収納部6
0と、原稿搬送装置Fを複写機MのプラテンPの上方に
対して開閉可能に支持するヒンジ部70、および駆動・
制御部80とを備えている。
【0011】図12は、図1における原稿搬送装置Fを
プラテンPの上方に解放した状態を示し、透明プラテン
Pの上面に読取有効範囲(読取部T:長さX−Z間)が
定められており、読取部の一端を露光位置としての読取
規準点Xと決めている。複写に際して、この規準点Xに
原稿Dの一端を合わせて配置することで、原稿に対応す
るコピーが得られる。
【0012】読取部Tは、複写可能な最大サイズであ
り、図中、一点鎖線でしめしている。例えば、A3サイ
ズ(297mm×420mm)を複写可能な最大サイズとし、ここ
ではA3サイズを大サイズとし、A4サイズ(210mm×29
7mm)を小サイズと想定している。従って読取部Tの全長
(X−Z間)が大サイズ原稿用であり、その半分(X−
Y間)が小サイズ原稿用となる。図12では前記規準点
に合わせて小サイズの原稿Dを読取部Tに位置付けてい
る。
【0013】図2には、原稿搬送装置Fに設けられた二
つの駆動モータM1,M2と、原稿搬送装置Fの動作を
制御するために必要な情報を収集するセンサS1〜S
5、および制御基板89が示されている。
【0014】駆動モータM1は、分離給送部40に駆動
連結されていると共に、主にセンサS1、S5からの出
力信号に基づいて駆動制御される。
【0015】駆動モータM2は、搬送部10に駆動連結
されていると共に、主にセンサS2,S3,S4からの
出力信号に基づいて駆動制御される。
【0016】センサS1は、原稿トレイ部30にセット
される原稿の有無を検出するためのエンプティセンサで
ある。
【0017】センサS2は、分離給送部40で一枚に分
離された原稿をプラテンPに搬送する搬送路の途上に設
けられて、搬送路を通過する原稿の先端乃至後端を検出
する第1の検出手段としてのレジストセンサである。
【0018】センサS3は、排紙部50を搬送される原
稿の先端乃至後端を検出する第2の検出手段としてのス
イッチバックセンサである。
【0019】センサS4は、駆動モータM2の出力軸8
6に設けられたインタラプタ871(後述)の回転量を検
出するフォトセンサである。センサS4はインタラプタ
871と共にパルス発生手段87を構成しており、駆動モ
ータM2の回転に同期した出力信号(パルス)を生成し
ている。
【0020】センサS5は、ヒンジ部70に設けられて
おり、原稿搬送装置Fが複写機Mに対して、プラテンP
上方を開放した開状態にあるのか、あるいは図1に示す
ようにプラテンPの上方を閉塞した閉状態にあるのかを
検出する。
【0021】さらに、複写済みの原稿を収容する収納部
60には原稿搬送方向に対して略平行な方向に延設され
た突起部材62が設けられている。この突起部材62
は、収納部60に収納される原稿に腰をつけるためのも
ので、収納される原稿が収納部60より長い場合にその
先端が収納部60からはみ出し、このはみ出した原稿の
先端が原稿トレイ部30の上に垂れ下がるのを防止する
ためのものである。
【0022】次に、図3〜図7を参照して原稿搬送装置
Fの詳細な説明を行う。
【0023】図3,4に示されるように原稿搬送装置F
は、原稿搬送方向の上流(図3において右側)から下流
(同左側)に向かって、原稿を積載する原稿トレイ部3
0と、このトレイ上の原稿を一枚に分離して搬送する分
離手段としての分離給送部40と、この分離給送部40
によって搬送される原稿を受け取って、さらに下流に搬
送する搬送手段としての原稿搬送部10が設けられてい
る。
【0024】また、前記分離給送部40のプラテンP側
下方には、プラテンカバー部20が設けられ、前記原稿
搬送部10の下流側上方には、この原稿搬送部10から
受け取った原稿を表裏反転させながら搬送する排紙部5
0が設けられている。前記分離給送部40と原稿搬送部
10の上方には、排紙部50によって搬送された原稿を
収納する第2の支持手段としての収納部60が設けられ
ている。
【0025】原稿搬送装置Fにおいて原稿トレイ部30
は、原稿を載せる載置トレイ31と、載置トレイ31上
にセットされた原稿の側端部を規制する一対の側端ガイ
ド32L,32Rと、補助トレイ33よりなる。
【0026】側端ガイド32L,32Rは、案内ガイド
321に沿って原稿の幅方向(図4において上下方向)
に移動する。また側端ガイド32L,32Rにはラック
・ピニオン機構(図示せず)が連結されており、載置ト
レイ31上にセットされた原稿の中央部を図4に示す基
準線Kに位置させる。
【0027】補助トレイ33は、回転軸331によって
回動可能な状態で載置トレイ31に取り付けられてお
り、載置トレイ31に載置する大サイズの原稿後端側を
安定支持する。
【0028】分離給送部40には、分離された原稿をプ
ラテンPの所定位置(読取部Tの中央Y点)からプラテ
ンPに案内する原稿搬送路R1が形成されており、この原
稿搬送路R1はガイド板410,411によって区画されてい
る。そして原稿搬送路R1に沿って分離給送手段が配置さ
れている。
【0029】すなわち、搬送路R1の入口側にピックアッ
プローラ42が載置トレイ31に進退可能に設けられ、
また各ガイド板410,411から給紙ローラ43と分離ベル
ト44が搬送路R1に進入して互いに非接触の状態で、且
つ、互いがオーバーラップするように配置されている。
また、搬送路R1の出口側にレジストローラ451とピンチ
ローラ452が対向して設けられている。
【0030】搬送路R1の出口部分が前記プラテンPの上
面に定められた読取部Tの略々中央(Y点)に位置す
る。
【0031】搬送路R1の入口部分には、ガイド板411に
対して進退可能に設けられた原稿ストッパー46と、セ
ンサS1(図2参照)と協動して載置トレイ31上の原
稿の有無を検出するレバー47が設けられており、ま
た、搬送路R1の給紙ローラ43とレジストローラ451と
の間にはセンサS2が設けられている。
【0032】搬送路R1に沿って設けられた原稿ストッパ
ー46、ピックアップローラ42、給紙ローラ43,分
離ベルト44は、図5,10に示すように、モータM1
からの動力をベルト駆動伝達手段810,811、複数のギアG
を介して所定方向に回動・回転するように構成されてい
る。
【0033】ここで原稿を載置トレイ31から一枚引き
出して搬送路R1に送り込む場合を想定すると、モータM
1の回転(正転)をギアG2,G3,G4を介して軸831に伝達
し、軸831の回転で駆動伝達部材832を駆動して軸833を
所定方向に回転させる。
【0034】この時、原稿ストッパー46は図3の鎖線
で示される位置に移動するので、載置トレイ31上の原
稿が分離給送可能な状態となる。原稿ストッパー46が
回動(下降)して図示しないストッパーに突当るとバネ
クラッチ834によって原稿ストッパー46の軸833を一定
以上の駆動力で駆動しないようにしている。
【0035】また、ピックアップローラ42が、揺動ア
ーム部材821によって給紙ローラ43を保持する軸82
に揺動可能に軸支されているので、軸831に固定される
と共に揺動アーム部材821に接触するレバー836の回転に
よって揺動アーム部材821が原稿に向かって下方に回動
して原稿の表面に接触する。ピックアップローラ42が
原稿に接触すると、バネクラッチ834によってピックア
ップローラ42の原稿に対する接触圧が一定に維持され
る。
【0036】さらに、モータM1の正転はギアG1,G5,G
6,G7を介して軸82,84に伝達され、給紙ローラ43
と分離ベルト44とを互いに異なる方向に回転させる。
【0037】なお、ギアG7には一方向クラッチ822が組
み込まれており、ギアG7の回転が停止しても、原稿が強
制的に前方に搬送されると、給紙ローラ43は原稿の前
進に従動して回転するようになっている。
【0038】また、ギアG6にも一方向クラッチ823が組
み込まれておりギアG5の回転が停止しても、原稿が強制
的に前方に搬送されると、分離ベルト44は原稿の前進
に従動して回転するようになっている。
【0039】ギアG1に一方向クラッチ824が内蔵されて
おり、モータM1が逆転する時は、ギアG1が空転し、ロ
ーラ42,43と分離ベルト44へ駆動を伝達しない
が、原稿ストッパー46とレバー836とには駆動が伝達
され、モータM1が正転した際とは、逆の方向に回転駆
動される。
【0040】また、軸838にはバネクラッチ837が設けら
れており、モータM1が逆転した際に原稿ストッパー4
6とレバー836とが所定以上の力で上方に駆動されない
ようになっている。
【0041】上記した分離給紙部40の構成によって、
モータM1が正転した時はピックアップローラ42と給
紙ローラ43のみが順方向(原稿搬送方向)に回転し、
分離ベルト44が逆送方向に回転する。これによって載
置トレイ31に置かれた原稿を一枚ずつ搬送路R1の入口
から出口へと搬送する。
【0042】またモータM1が逆転した時はレバー836
の回転によってピックアップローラ42を原稿の表面か
ら離間させる。
【0043】原稿搬送部10は、エンドレスの帯状搬送
ベルト13と、搬送ベルト13を正逆転可能に駆動する
一対のプーリ11,12と、搬送ベルト13をプラテン
Pへ押し付ける複数のプレスローラ14とからなる。ま
た、原稿搬送部10は、プラテンPの上面の複写最大原
稿サイズ(読取部T)の読取基準点X側の略々半分(X
−Y間)を十分に覆う大きさを有している。
【0044】搬送路R1の出口に搬送ベルト13が設けら
れている。搬送ベルト13は、プラテンPとの間に原稿
路R2を形成し、原稿路R2の入口が読取部Tの中央(Y
点)に略々位置し、出口が読取部Tの前端に定めた読取
基準点Xに略々位置する。
【0045】この原稿搬送部10によって、搬送路R1の
出口から排出された原稿を読取部Tの基準点Xに搬送し
たり、あるいは、基準点Xより前方に搬送して排紙した
り、更には、逆方向に搬送することができる。
【0046】図3,7に示されるように原稿搬送部10
の出口(基準点X)の後方には、この原稿搬送部10に
連なって排紙部50が設けられている。排紙部50は、
エンドレスの帯状排紙ベルト51と、排紙ベルト51を
正逆転可能に駆動する一対のプーリ52,53と、プー
リ53に搬送ベルト13の駆動を伝達する転接ローラ5
4と、原稿路R2の出口から排出された原稿を収納部60
に案内するガイド部材55,56を有し、ガイド部材5
5,56の間に原稿搬送部10から送り出された原稿を
案内する排出路R3を形成している。
【0047】排紙ベルト51の対向部を逃れた位置に
は、一端をガイド部材55に固定され、他端部側で原稿
を排紙ベルト51に押し当てる板バネ部材57が設けら
れている。 転接ローラ54は、従動側プーリ12に対
向する位置で搬送ベルト13の表面に直接、バネ部材
(図示せず)によって付勢されていると共に、第4,7
図に示すように搬送ベルト13の略々中央部で接触して
いる。
【0048】また排紙ベルト51と、一対のプーリ5
2,53と、転接ローラ54とは左右一対の側板58で
一体的に支持され、搬送装置Fの外カバーにユニットと
して固定できるので、組み込みが容易となる。
【0049】この実施例では、搬送ベルト13とプラテ
ンPとの間の原稿路R2から排出された原稿を排紙路R3に
導入して収納部60に搬送する。
【0050】収納部60は、収納トレイ61と、原稿搬
送方向に対して略平行な方向に延設された突起部材62
とからなっている。収納トレイ61が載置トレイ31の
上方に配置されているため、図16(D)に示すように
分離・給送される原稿Dと、複写済み原稿D1とがオー
バーラップした状態で複写機Fのプラテン上方に載置・
収納される。つまり、小型軽量で、且つ、搬送処理する
原稿のサイズを特に制約されることのなく、また処理済
み原稿の取扱いが容易な原稿搬送装置を構成することが
できる。
【0051】図3を参照して説明するとプラテンカバー
部20は、分離給送部40のプラテンP側下方に設けら
れ、また、、プラテンPの上面の前記原稿搬送部10が
覆う以外の領域、つまり、読取部Tの読み取り基準点X
と反対側の略々半分(Y−Z間)を覆う大きさを有して
いる。
【0052】図5,6を参照して原稿搬送部10、プラ
テンカバー部20の駆動系及び分離給送部40の一部の
駆動系を説明する。
【0053】モータM2の出力軸86に、円盤にスリッ
トを等間隔に形成してなるインタラプタ871が設けられ
ており、回転するインタラプタ871のスリットを通過す
る光に応答してパルスを発生させるフォトセンサS4よ
りなるパルス発生手段87を設けている。
【0054】原稿路R2を形成する搬送ベルト13は、モ
ータM2からの動力をベルト駆動伝達手段850,851、軸8
52、ギアG8,G9,G10を介して駆動側プーリ11を回転する
ことで、順方向(原稿搬送方向)及び逆送方向に駆動さ
れるように構成されている。また、搬送ベルト13の従
動側プーリ12の上方に設けられた転接ローラ54は、
搬送ベルト13の表面から直接駆動を伝達され、排紙ベ
ルト51は搬送ベルト13と同一の周速度で、同一の原
稿搬送方向に駆動される。
【0055】軸852には、レジストローラ451が固定され
ており、搬送ベルト13と同一の周速度で、同一の原稿
搬送方向に駆動される。
【0056】つまり、レジストローラ451、駆動側プー
リ11、排紙ベルト51は一つの駆動源(モータM2)
で協動回転し、レジストローラ451で搬送路R1を送られ
る原稿と同じ速度で原稿路R2と排紙路R3を搬送できるよ
うに略等しい周面速度を維持して回転する。すなわち、
通路R1,R2,R3を搬送される原稿は順逆方向に拘わらず、
一定の速度で移動するようになっている。上記した回転
駆動系はパルス発生手段87のクロック信号に基づいて
制御が可能である。
【0057】一方、軸852の駆動は、ギアG11,G12,G13を
介して駆動軸242に伝達される。駆動軸242は、搬送ベル
ト13を駆動するプーリ11と同一の方向に回転するよ
うにギア連結され、プラテンカバー21を搬送ベルト1
3の順逆の搬送方向と同一の方向にスライドさせる。搬
送ベルト13が順方向(原稿搬送方向)に駆動される
と、駆動軸242の順回転によってプラテンカバー21を
プラテンPに近接した位置に保持する。軸852に組み込
まれたトルクリミッター853によって、プラテンカバー
21は前記近接位置に一定の力で保持される。
【0058】搬送ベルト13が逆送方向に駆動される
と、駆動軸242の逆回転によってプラテンカバー21を
プラテンPから離間した位置に保持する。軸242に組み
込まれたトルクリミッター854によって、プラテンカバ
ー21は離間位置に一定の力で保持される。
【0059】図1,4,12に示すヒンジ部70は、原
稿搬送装置Fを複写機Mの上面に開閉可能に支持するバ
ネ付ヒンジ71と、バネ無ヒンジ72とから構成されて
いる。 バネ付ヒンジ71は、複写機M側に固定される
本体固定部711と、搬送装置F側に固定される付属固定
部712と、両部711,712を連結するピン713と、両部711,7
12をピン713を中心に開き方向に付勢するバネ手段714と
から構成されている。
【0060】また、原稿搬送装置Fの原稿搬送方向(図
4左右方向)に関して装置Fの中央部からやや搬送方向
上流(同図右側)の位置に設けられている。このヒンジ
位置は、モータM1,M2の位置及び各モータM1,M
2に連結される回転駆動系等の位置から、装置Fの搬送
方向上流側にシフトした重心位置に略々対応させてい
る。
【0061】バネ無ヒンジ72は、複写機M側に固定さ
れる支持部材721と、原稿搬送装置Fに設けられる凹支
持部722と、両部材721,722を連結するピン723からなる。
ヒンジ72は、原稿搬送装置Fの原稿搬送方向下流(図
4左側)の位置に設けられ、複写機Mに固定された支持
部材721と原稿搬送装置Fの枠体カバーの凹支持部722と
がピン723で回動可能に連結されている。
【0062】上記構成の原稿搬送装置Fの作用について
以下に説明する。
【0063】図8,9(A)〜(C)は、A4乃至レタ
ーサイズの横のように比較的小サイズの原稿を扱う場合
を示している。
【0064】複写に先立って原稿Dを載置トレイ31に
セットした状態が図8(A)であり、複写命令を複写機
Mに与えると、エンプティセンサS1で原稿Dの存在を
確認したうえで、原稿ストッパー46がガイド板411
の下方に退避し、またピックアップローラ42が回転し
ながら下降して載置トレイ31原稿Dに接触する。
【0065】これによって原稿Dが前方に送り出され、
給紙ローラ43と分離ベルト44との間に入り込み、搬
送方向に回転する給紙ローラ43によって原稿Dは前進
する。この時、載置トレイ31に図8(B)のように複
数の原稿Dが載置されていて、ピックアップローラ42
によって複数の原稿が同時に送り出された場合、逆送方
向に回転する分離ベルト44によって分離ベルト44に
接触する下側の原稿が前進を妨げられる。したがって原
稿一枚のみ給紙ローラ43によって前方に通過を許され
る。
【0066】こうして、送り出された原稿Dは、レジス
トセンサS2によって先端検知された後、停止状態のレ
ジストローラ451,ピンチローラ452に当接する。原稿D
の先端検知から所定時間経過後にローラ42,43、ベ
ルト44を停止させることで、原稿Dは、いくらか撓
み、先端を一様にレジストローラ451,ピンチローラ452
の接線部分に押し付けられる。
【0067】結果として原稿Dが当接した後に回転を始
めるレジストローラ451,ピンチローラ452に先端が平行
な状態で引き込まれ、前方に送り出される(スキュー修
正作用)。
【0068】上記のようにして搬送路R1を搬送される原
稿DはプラテンPの読取部Tの略々中央(Y点)の原稿
路R2の入口に導かれる。こうして搬送ベルト13とプラ
テンPとの間で形成される原稿路R2の入口に入り込んだ
原稿Dは、レジストローラ451に同期して駆動される搬
送ベルト13によって原稿路R2を前方に送られる。
【0069】この時、モータM2が起動されてから搬送
原稿の後端がレジストセンサS2を通過するまでのパル
ス発生手段87による出力パルス信号をカウントするこ
とによって原稿Dの搬送方向の長さが判断できる。
【0070】すなわち、少なくとも原稿Dの搬送に携わ
るレジストローラ451及びに搬送ベルト13がパルス発
生手段87のパルスに同調して等しい搬送速度を維持す
るので、モータM2の起動から読取基準点Xに到達する
までのパルス数を予め認識することができ、原稿Dの先
端が点Yから点Xに至る途上にある段階でレジストセン
サS2が原稿Dの後端を検出すると、搬送原稿が少なく
とも点X−Y間の長さ以下であることが分かる。つま
り、この場合は原稿が小サイズであると判断する。 原
稿が小サイズである場合は、モータM2の回転を開始し
てからパルス発生手段87が所定パルス(Aパルス)を
カウントした後に、搬送ベルト13を停止させる。これ
によって、原稿Dは、図8(C)に示すように、原稿先
端を基準点Xに正確に合わせた読取位置に停止させるこ
とができる。
【0071】上記Aパルスについて図13,14を参照
しながら以下に詳述する。今仮にインタラプタ871の1
パルス当たりの搬送ベルト13による搬送量を0.1mmと
し、さらに搬送原稿Dと搬送ベルト13との滑り量を1
0mm当たりの搬送で0.1mm生ずるものとする。
【0072】レジストローラ451から基準位置(露光位
置)Xまでの距離が300mmとすると、小サイズ原稿の
B5Y(横),A4Y(横)がレジストローラ451を抜
けてからの搬送量、露光位置までの搬送で生じるスリッ
プ量及びスリップ量補正の為に必要となる追加の補正パ
ルス数は下記の表1のようになる。
【0073】
【表1】
【0074】以上より、例えばA4Yの原稿は、900
パルス(図14のP1に相当)+9パルス(図14のP
4に相当)=909パルスが駆動モータM2の停止信号
を出力するための所定カウント値となる。なおインタラ
プタ871から出力されるパルスのカウントは図示しない
マイクロコンピュータが行う。前述したように、駆動モ
ータM2は停止信号の出力に応じて即座に停止すること
が無く、停止信号出力後にオーバーランして過剰の原稿
搬送を生起してしまう。オーバーラン量に相当するオー
バーランパルスは種々の条件によって異なるが、仮に3
7.5rpmの回転速度に対して1パルス(搬送ベルト13
の移動速度10mm/secに対して1パルス)変動すると仮
定すると、ある一定範囲の速度帯では、オーバーランパ
ルス数が下記の表2の様になる。尚、表1,表2の内容
は図示しない不揮発性メモリ(ROM)に記憶され、以
下に述べる各ステップに応じて参照されることとなる。
【0075】
【表2】
【0076】上記のオーバーランパルス数を考慮しない
で、原稿停止までの出力パルスのカウント値を算出する
と、停止パルス数Puは、 Pu=P1+P4 …(1)式 となる。この停止パルスPuは搬送中の原稿サイズが判
明した時点で確定されることになるが、さらに搬送され
原稿先端が露光位置直前の速度検出位置に達すると(ス
テップ1)、パルス発生手段87からの出力パルスある
いは駆動モータM2に入力される電圧値及び/又は電流
値に基づいて駆動モータM2の回転速度を算出する。駆
動モータの回転速度からオーバーランパルス数が図14
に示す点Sで判明すると(ステップ2)、点Sから基準
位置(露光位置)Xまでの停止パルスPu´は、 Pu´=P3+P4―P5 …(2)式 となる。つまり点Sまで原稿停止パルスPuのカウント
を続けて、点Sで(2)式による補正を加えて(ステッ
プ3)、カウントされたパルス数が所定のカウント値と
なったとき、駆動モータM2の停止信号を出力する。こ
れによって、原稿を正確に基準位置Xに搬送して停止さ
せることが可能となる。この様に、原稿サイズ、原稿搬
送モード等が異なる為に露光位置手前での原稿搬送速度
を一定に保つことが難しく、この原稿搬送速度の相違か
ら、上記オーバーラン量がまちまちとなる搬送装置にお
いても、露光位置への停止精度を上げることができる。
【0077】次に、エンプティセンサS1が原稿を検出
しているか否かを判断して、原稿Dの存在を検出しない
場合には、複写機Mを稼働させて複写を実行する。複写
が完了すると、搬送ベルト13、排紙ベルト51を作動
させて原稿Dを排紙路R3に導いて収納トレイ61に排出
する。
【0078】エンプティセンサS1が原稿を検出してい
る場合には、モータM1を起動して載置トレイ31から
次原稿Dをレジストローラ451に向けて送り出すととも
に、複写機Mを稼働させて複写を実行する。(図9
(A)参照) 複写が完了すると、モータM2を起動からパルス発生手
段87が所定パルス(Aパルス)をカウントした後に搬
送ベルト13を停止する。この時、最初(一枚目)の原
稿は後端が排紙部50に拘束された状態で収納トレイ6
1にその先端側を排出している。(図9(B)参照) エンプティセンサS1で載置トレイ31に複写すべき原
稿Dが検出されると、上記した動作が適宜繰り返され、
図9(C)に示すように、収納トレイ61に順次複写済
み原稿Dが集積されていく。
【0079】図10,11の各(A)〜(D)は比較的
小サイズの領域を規定したプラテンP上のX−Y間より
長い大サイズの原稿を扱う場合を示している。前記した
原稿の搬送開始(図8(A))に引き続いて、原稿Dを
搬送手段13とプラテンPとの間の原稿路R2を前進させ
る。
【0080】原稿路R2を前進する原稿Dが読取基準点X
を通過する直前になっても原稿後端がレジストセンサS
2を通過しない場合は、原稿Dを大サイズと判断する。
この場合、原稿後端がレジストセンサS2を通過してか
らパルス発生手段87が所定パルス(Bパルス)をカウ
ントするまで原稿Dの搬送を継続する。
【0081】原稿後端が原稿路R2の入口(Y点)に達す
ると、図10(C)に示すように原稿Dの先端は排紙部
50を通過して収納トレイ61上面まで搬送されてい
る。次に、搬送ベルト13を逆回転させ原稿Dをプラテ
ンPの上面に沿って逆送させる。これにより、原稿Dが
読取部Tの点Y−Z間のプラテンPとプラテンカバー2
1との間に進入する。
【0082】原稿先端が読取部Tの基準点Aを所定量通
過するまで搬送ベルト13によって原稿Dは逆送され
る。原稿Dの逆送は、スイッチバックセンサS3の原稿
の後端(順送り時の先端;図において左側)検出信号に
基づいて制御される。つまり、逆送される原稿後端がス
イッチバックセンサS3を通過してから、パルス発生手
段87が所定パルス(Cパルス)をカウントするまで搬
送ベルト13を逆送し、原稿後端が読取部Tの点Wに位
置したところで、搬送ベルト13を停止させる。(図1
0(D)参照) 原稿後端(順送り時の後端;図において右側)がレジス
トセンサS2を通過してからパルス発生手段87が所定
パルス(Bパルス)をカウントするまで、搬送ベルト1
3が原稿Dを搬送した際に、必ず原稿先端がスイッチバ
ックセンサS3で検出されるように、使用される原稿サ
イズを考慮して、プラテンPの順送り方向下流側近傍
に、スイッチバックセンサS3が配置されている。
【0083】なお、搬送ベルト13で原稿が逆送される
際に、前述したプラテンカバー21の駆動系が同時に駆
動されて、プラテンカバー21がプラテンPから離間す
る方向に移動する。これによって、原稿Dが読取部Tの
点Y−Z間のプラテンPとプラテンカバー21との間に
進入しやすくなっている。
【0084】その後、搬送ベルト13で原稿Dを順方向
に再度搬送して、順送りされる原稿Dの後端が読取部T
の基準点Xに位置したところで、搬送ベルト13を停止
させる。すなわち、基準点Xから逆送でオーバーランし
た所定パルス(Dパルス)をパルス発生手段87でカウ
ントした後に、搬送ベルト13の順送り方向への搬送を
停止する。(図11(A)参照) 上記通り搬送ベルト13の順回転で原稿DをDパルス搬
送する際に、プラテンカバー21がプラテンPに近接す
る方向に移動する。これによって、読取部Tの点Y−Z
間のプラテンPとプラテンカバー21との間に進入した
原稿DをプラテンP側に押さえ込む。そこで複写を実行
する。
【0085】複写完了後は、エンプティセンサS1によ
って載置トレイ31に原稿が検出されない場合は、搬送
ベルト13、排紙ベルト51を順送り方向に駆動して原
稿Dを排紙路R3を介して収納トレイ61に送り出す。
【0086】エンプティセンサS1によって後続の複写
原稿Dが検出されたときは、図11(B)に示すよう
に、モータM2を複写される原稿サイズに応じて所定パ
ルス(Eパルス)駆動して、排紙ベルト13の順送りに
よって原稿後端(順送り時の後端)を読取部Tの略々中
央部(点Y)まで搬送する。
【0087】次いで、上述した原稿の分離給送動作によ
って次原稿がレジストローラ451の位置まで搬送する。
(図11(C)) ここで、モータM2を起動してレジストローラ451、搬
送ベルト13、排紙ベルト51を同時に回転駆動する。
それによって、複写済みの原稿D1が収納トレイ61に
送り出されると共に、後続の原稿D2が読取部Tの点Y
に向けて搬送路R1を前進し,前述したように、原稿後端
が読取部Tの点Yに位置するまで搬送ベルト13により
原稿Dは順送りされる。(図11(D)) 以上の構成の原稿搬送装置Fによれば、プラテンP上の
読取部Tのおよそ半分(X−Y間サイズ)以下の比較的
小サイズの小型原稿搬送システムで大サイズの原稿(X
−Z間サイズ)をも搬送処理を効果的に行うことがで
き、システムの合理化と、装置のローコスト化、小型軽
量化を達成できる。
【0088】上記実施例では、小サイズのおよそ2倍を
大サイズとして設定したが、言うまでもなく大サイズ
(X−Z間)を小サイズ(X−Y間)の2倍より大きく
しても、あるいは小さくしても実質的に可能である。
【0089】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による原稿搬送装置を複写機に適用した
実施例を示す斜視図
【図2】同上原稿搬送装置の一部内部構造を示した実施
例を示す斜視図
【図3】同上原稿搬送装置の側面断面図
【図4】同上原稿搬送装置の平面図
【図5】分離供給部の一部の駆動系を示す平面図
【図6】分離供給部、原稿搬送部、プラテンカバー部の
一部又は全部の駆動系を示す平面図
【図7】排紙部の主要構成を説明する斜視図。
【図8】小サイズ原稿の送り状態を示す説明図。
【図9】小サイズ原稿の送り状態を示す説明図。
【図10】大サイズ原稿の送り状態を示す説明図。
【図11】大サイズ原稿の送り状態を示す説明図。
【図12】本発明による原稿搬送装置を、プラテンを解
放した状態で複写機に適用した実施例を示す斜視図。
【図13】オーバーランパルス数の検出・補正動作を説
明するフローチャート。
【図14】基準位置までの原稿送り距離およびパルス数
を示す説明図。
【符号の説明】
M 複写機(画像形成装置) F 原稿搬送装置 P プラテン D 原稿 10 原稿搬送部(搬送手段) 20 プラテンカバー部 30 原稿トレイ部 40 分離給送部 50 排紙部 51 排紙ベルト 60 収納部 70 ヒンジ部 X 基準点

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラテンに沿って原稿を搬送する搬送
    手段と、このプラテンの原稿搬送方向上流側に設けられ
    た検出手段と、前記搬送手段の駆動に同期したパルスを
    発生するパルス発生手段と、前記検出手段が原稿の端部
    を検出した時点からの前記パルス発生手段の出力パルス
    数が所定パルス値に達したことにより前記搬送手段の駆
    動を停止するように前記搬送手段の駆動を制御する制御
    手段と、を備える原稿搬送装置において、 前記搬送手段の駆動を停止した時点から原稿が停止する
    までの原稿移動量に相当するオーバーランパルス値を原
    稿の搬送速度によって設定する設定手段と、設定された
    前記オーバーランパスル値に基いて前記所定のパルス値
    を補正する補正手段を備えたことを特徴とする原稿搬送
    装置。
  2. 【請求項2】 前記補正手段は、前記所定のパルス値か
    ら前記オーバーランパルス値を差し引くことにより前記
    所定のパルス値を補正することを特徴とする請求項1に
    記載の原稿搬送装置。
  3. 【請求項3】 前記搬送手段を駆動する駆動モータの回
    転速度から原稿の搬送速度を算出することを特徴とする
    請求項1に記載の原稿搬送装置。
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