JP3252668B2 - 廃エアーコンディショナーの室内機の解体方法および解体装置 - Google Patents

廃エアーコンディショナーの室内機の解体方法および解体装置

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JP3252668B2
JP3252668B2 JP22392295A JP22392295A JP3252668B2 JP 3252668 B2 JP3252668 B2 JP 3252668B2 JP 22392295 A JP22392295 A JP 22392295A JP 22392295 A JP22392295 A JP 22392295A JP 3252668 B2 JP3252668 B2 JP 3252668B2
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泰成 池田
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、廃棄されたエアー
コンディショナーの室内機から有価資源を回収するため
に当該室内機を解体する自動解体方法および解体装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】エアーコンディショナーの室内機は、主
として筺体、凝縮器、ファンおよびファンモータ、電子
部品が実装された基板から構成されており、廃棄された
室内機は、そのまま埋立処分されるか、あるいは破砕し
た後鉄のみを回収し、鉄以外は埋立処分されるのが一般
的であった。しかしながら、室内機のファンモータ等は
特に破砕し難く、また埋立処分されるダスト中に有害物
が含まれるという問題もあった。また、鉄のみを回収す
るため、非鉄金属や非金属の回収率を高める必要もあっ
た。
【0003】そこで、一様な破砕によらず室内機を解体
することにより再資源化率の向上を図ることも試みられ
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、廃棄される
エアーコンディショナーの室内機等の家庭用電気製品
は、年式や機種が著しく多様であるため、解体するにあ
たってはドライバーやスパナなどの各種汎用工具を用い
て手作業で行わざるを得なかった。したがって、年式や
機種毎にネジ止め位置やサイズの確認作業が必要とな
り、解体作業に時間がかかるという問題があった。なか
でも、室内機に設けられた凝縮器は、その固定方式が多
種多様であるため、各製品毎に固定箇所を認識して取り
外しを行う作業はきわめて煩雑であった。
【0005】本発明は、このような従来技術の問題点に
鑑みてなされたものであり、廃棄されたエアーコンディ
ショナーの室内機を解体するにあたり、凝縮器の取り外
しを省力化することができる解体方法および解体装置を
提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の廃エアーコンディショナーの室内機の解体
方法は、筺体内の前面に配設された凝縮器と、前記筺体
内の前記凝縮器の背面側に配設されたファンと、主軸が
前記ファンに連結され前記筺体内の一側に配設されたフ
ァンモータと、前記筺体内の前記ファンモータの前面側
に設けられた基板とを有するエアーコンディショナーの
室内機を解体するにあたり、 前記ファンモータの主軸
を固定しながら、前記筺体の前面または背面から前記凝
縮器の両側端を切断し、前記凝縮器を回収することを特
徴とする。
【0007】筺体内の前面に配設された凝縮器は、中央
部分が冷媒配管および放熱フィンにより構成された熱交
換部であることから、一般的にその両側端で筺体に固定
されている。したがって、本発明の廃エアーコンディシ
ョナーの室内機の解体方法では、凝縮器とファンとが筺
体の前面および背面に重なって配設されていることに鑑
み、まずファンがカッターにより回転しないようにファ
ンモータの主軸を固定した状態で、筺体の前面または背
面から凝縮器の両側端を切断する。これにより、凝縮器
の中央部分は筺体から分別されるので、容易にこれを回
収することができる。エアーコンディショナーの室内機
においては、特に凝縮器の固定方式が多種多様であるた
め、各製品毎に固定箇所を認識してドライバー等の工具
で取り外しを行うときわめて煩雑であるが、本発明のよ
うに固定箇所である両側端を切断してしまえば、凝縮器
の主要部を容易に回収することができるので、結果的に
エアーコンディショナーの室内機の解体作業を短縮化す
ることができる。なお、取り出された凝縮器の主要部か
らは、銅とアルミニウムとが回収されて再資源化に供さ
れる。
【0008】また、上記目的を達成するために、本発明
の廃エアーコンディショナーの室内機の解体装置は、筺
体内の前面に配設された凝縮器と、前記筺体内の前記凝
縮器の背面側に配設されたファンと、主軸が前記ファン
に連結され前記筺体内の一側に配設されたファンモータ
と、前記筺体内の前記ファンモータの前面側に設けられ
た基板とを有するエアーコンディショナーの室内機を解
体する廃エアーコンディショナーの室内機の解体装置に
おいて、 前記筺体の前面を上向きにして所定の基準点
に固定する位置決め手段と、前記位置決め手段により固
定された状態で前記凝縮器を含む前記筺体の前面を撮像
するカメラと、前記位置決め手段により固定された状態
で前記ファンモータの主軸を固定する固定手段と、前記
筺体の前面から前記室内機を略垂直に切断するカッター
と、前記カメラにより検出された撮像データに基づいて
前記カッターの切断位置を制御する制御手段と、を備え
たことを特徴とする。
【0009】このように構成された本発明の解体装置に
よれば、カメラを用いて凝縮器を含む筺体の前面を撮像
し、この撮像データに基づいて凝縮器の両側端の位置を
求めた後、固定手段によりファンモータの主軸を固定し
ながらカッターで凝縮器の両側端を切断することができ
る。
【0010】なお、廃エアーコンディショナーの室内機
から凝縮器の主要部を回収した残りの被解体物は、筺
体、ファンモータ、基板等に容易に分別することがで
き、このうちファンモータからは鉄と銅とが回収されて
再資源化に供され、筺体および基板からの樹脂類は熱分
解等により油、ガス、炭化物が回収されて燃料化に供さ
れるとともに金属類は再資源化に供される。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1(A)は本発明の実施の形態
である廃エアーコンディショナーの室内機の解体装置を
示す側面図、図1(B)は同じく平面図、図2は本発明
の実施の形態である廃エアーコンディショナーの室内機
の解体方法の主要部を示すフローチャート、図3は本発
明の実施の形態である廃エアーコンディショナーの室内
機の解体方法の全体を示すフローチャートである。
【0012】本実施の形態で用いられるエアーコンディ
ショナーの室内機10は、冷凍サイクルの一部を構成し
空気との間で熱交換を行って当該空気を冷却する凝縮器
1(熱交換器ともいう)と、この凝縮器1に空気を送風
するファン2と、ファン2を回転させるためのファンモ
ータ3と、エアコン制御を行うための基板4とから構成
されている。一般的な室内機10では、直方体状の筺体
5内に上述した各種の部品1〜4が収納されているが、
通常、図1(A)に示すように、凝縮器1は筺体5の前
面に設けられているとともに、この凝縮器1の背面にフ
ァン2が設けられている。ファン2は凝縮器1の長手方
向に延在するよう形成されているので、ファンモータ3
は凝縮器1の背面側であってファン2の側部に設けられ
ている。なお、電子回路等が実装された基板4は筺体5
内の空スペースである凝縮器1の側部に配設されてい
る。また、筺体5は、日常的なメインテナンスを容易に
するために、前面パネル5aが容易に取り外しができる
ように構成されている。
【0013】図1(A)および(B)は、本実施の形態
である廃エアーコンディショナーの室内機の解体装置1
00を示す側面図および平面図であり、廃棄されたエア
ーコンディショナーの室内機10を搬送するコンベア1
01と、搬入された室内機10を所定の基準位置Lに位
置決めするための位置決め装置102と、コンベア10
1で搬入された室内機10の上部に設けられたCCDカ
メラ103と、バンドソーなどの切断機104とを有し
ている。
【0014】コンベア101は、図示しないストッカー
に保管された廃エアーコンディショナーの室内機10を
その前面を上向きにして処理工程まで搬送するととも
に、この処理工程に設けられた位置決め装置102によ
って室内機10をクランプすることで処理の基準位置L
に室内機10を固定する。CCDカメラ103は、位置
決め装置102が設けられたコンベア101の上部に設
けられているので、クランプされて固定された室内機1
0をその前面から撮像することができる。特に、本実施
の形態では凝縮器1を回収するのが主目的であることか
ら、CCDカメラ103にて撮像する対象は主に凝縮器
1であり、凝縮器1を含む画像を制御手段105に取り
込んでモニタ106等に表示させ、凝縮器1の両側端の
切断位置Pを決定する。バンドソーなどの切断機104
は、処理工程にて位置決めされた室内機10の所望の位
置を略垂直に切断できるよう構成されており、CCDカ
メラ103の画像から決定された切断位置情報を制御手
段105から切断機104に送出すると、この位置で切
断処理を行うようになっている。なお、「107」はフ
ァンモータ3の主軸の回転を阻止するための固定手段で
あり、処理工程に位置決めされた室内機10に対して接
近離反移動が可能に設けられている。
【0015】次に、このような解体装置100を用いて
既述したエアーコンディショナーの室内機10を解体す
る手順を図2を参照しながら説明する。まず、図1
(A)に示すように筺体5の前面を上向きにしてコンベ
ア101に搭載し、所定の基準位置Lまで搬送した後、
筺体5の前面パネル5aを取り外す。
【0016】次に、位置決め装置102によって室内機
10を基準位置Lに固定した後、CCDカメラ103か
ら室内機10の前面の画像を制御手段105に取り込
み、モニタ106に表示させる。この画像を基に、凝縮
器1およびファンモータ2の配設位置から最も適切な切
断位置を決定し、制御手段105から切断機104へ切
断情報を送出する。この場合、室内機10の年式や機種
等を格納したデータベース108を用いて最適切断位置
を決定しても良い。
【0017】制御手段105からの信号によって切断機
104は指示された位置までカッターを移動させ、室内
機10の前面から略垂直に筺体ごと切断するが、この前
にファン2の回転を阻止するために固定手段107をフ
ァンモータ3の主軸に押し当てておく。
【0018】本実施の形態において、最も適切な切断位
置Pは凝縮器1の両側端である。凝縮器1の中央部分は
冷媒配管および放熱フィンにより構成された熱交換部で
あり、その両側端で筺体5に固定するのが一般的だから
である。このようにして凝縮器1の両側端を切断する
と、凝縮器1の固定は解除されるので、手作業あるいは
ロボットなどを用いて凝縮器1を取り出しストッカーに
搬送する。
【0019】なお、凝縮器1を取り出した後は、手作業
により基板4、ファンモータ3を取り出しそれぞれ分別
する。そして、図3に示すように、分別された凝縮器1
は処理装置を用いて銅とアルミニウムとを回収し再資源
化に供する。また、ファンモータ3からは鉄と銅とを回
収して再資源化するとともに、筺体5および基板4から
の樹脂類は熱分解等により油、ガス、炭化物として回収
して燃料化するとともに金属類は再資源化する。
【0020】
【実施例】次に、本発明をさらに具体的な実施例に基づ
き説明する。カッター104として、バンドソー方式の
切断ロボットであって、0.9mm厚×13mm幅×420
0mm長の切断刃が14ピッチ(25.4mm当りの刃先
数)で設けられたものを用いた。切断条件は、周速30
0mm/分であった。
【0021】また、CCDカメラ103としては、有効
画素数38万画素(768(H)×498(V))で水
平解像度570TV本のものを用いた。制御手段105
としては、画像データ処理装置を含むものを用い、その
画像処理方式は、濃淡画像処理/2値画像処理方式であ
った。また、その分解能は、512×480画素であっ
た。
【0022】このような装置を用い、廃エアーコンデシ
ョナー室内機について、前記実施の形態で述べた方法に
より実際に解体を行ったところ、熱交換器1、モーター
3、ファン2、基板4、筺体5に容易に分離することが
できた。なお、本発明は、上述した実施の形態および実
施例に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々
に改変することができる。
【0023】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、ファ
ンモータの主軸を固定しながら筺体の前面または背面か
ら凝縮器の両側端を切断するので、エアーコンディショ
ナーの室内機を解体するにあたり最も煩雑な作業をとも
なう凝縮器を容易に回収することができる。その結果、
エアーコンディショナーの室内機の解体作業の短縮化を
達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は本発明の実施の形態である廃エアーコ
ンディショナーの室内機の解体装置を示す側面図、
(B)は平面図である。
【図2】本発明の実施の形態である廃エアーコンディシ
ョナーの室内機の解体方法を示すフローチャートであ
る。
【図3】本発明の実施の形態である廃エアーコンディシ
ョナーの室内機の解体方法の全体を示すフローチャート
である。
【符号の説明】
1…凝縮器(熱交換器) 2…ファン 3…ファンモータ 4…基板 5…筺体 10…エアーコンディショナーの室内機 100…解体装置 101…コンベア 102…位置決め装置 103…CCDカメラ 104…切断機 105…制御手段 107…固定手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F24F 1/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】筺体内の前面に配設された凝縮器と、前記
    筺体内の前記凝縮器の背面側に配設されたファンと、主
    軸が前記ファンに連結され前記筺体内の一側に配設され
    たファンモータと、前記筺体内の前記ファンモータの前
    面側に設けられた基板とを有するエアーコンディショナ
    ーの室内機を解体するにあたり、 前記ファンモータの主軸を固定しながら、前記筺体の前
    面または背面から前記凝縮器の両側端を切断し、前記凝
    縮器を回収することを特徴とする廃エアーコンディショ
    ナーの室内機の解体方法。
  2. 【請求項2】筺体内の前面に配設された凝縮器と、 前記筺体内の前記凝縮器の背面側に配設されたファン
    と、 主軸が前記ファンに連結され前記筺体内の一側に配設さ
    れたファンモータと、 前記筺体内の前記ファンモータの前面側に設けられた基
    板とを有するエアーコンディショナーの室内機を解体す
    る廃エアーコンディショナーの室内機の解体装置におい
    て、 前記筺体の前面を上向きにして所定の基準点に固定する
    位置決め手段と、 前記位置決め手段により固定された状態で前記凝縮器を
    含む前記筺体の前面を撮像するカメラと、 前記位置決め手段により固定された状態で前記ファンモ
    ータの主軸を固定する固定手段と、 前記筺体の前面から前記室内機を略垂直に切断するカッ
    ターと、 前記カメラにより検出された撮像データに基づいて前記
    カッターの切断位置を制御する制御手段と、を備えたこ
    とを特徴とする廃エアーコンディショナーの室内機の解
    体装置。
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