JP3252250B2 - 加熱機能付き容器 - Google Patents

加熱機能付き容器

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JP3252250B2
JP3252250B2 JP10834695A JP10834695A JP3252250B2 JP 3252250 B2 JP3252250 B2 JP 3252250B2 JP 10834695 A JP10834695 A JP 10834695A JP 10834695 A JP10834695 A JP 10834695A JP 3252250 B2 JP3252250 B2 JP 3252250B2
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container
lid
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arc
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和夫 鈴木
英二 畑中
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Daiwa Can Co Ltd
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    • B65CONVEYING; PACKING; STORING; HANDLING THIN OR FILAMENTARY MATERIAL
    • B65DCONTAINERS FOR STORAGE OR TRANSPORT OF ARTICLES OR MATERIALS, e.g. BAGS, BARRELS, BOTTLES, BOXES, CANS, CARTONS, CRATES, DRUMS, JARS, TANKS, HOPPERS, FORWARDING CONTAINERS; ACCESSORIES, CLOSURES, OR FITTINGS THEREFOR; PACKAGING ELEMENTS; PACKAGES
    • B65D81/00Containers, packaging elements, or packages, for contents presenting particular transport or storage problems, or adapted to be used for non-packaging purposes after removal of contents
    • B65D81/34Containers, packaging elements, or packages, for contents presenting particular transport or storage problems, or adapted to be used for non-packaging purposes after removal of contents for packaging foodstuffs or other articles intended to be cooked or heated within the package
    • B65D81/3484Packages having self-contained heating means, e.g. heating generated by the reaction of two chemicals

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  • Mechanical Engineering (AREA)
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  • Cookers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、発熱化学反応により、
飲用物等の各種内容物を加熱することができる加熱機能
付き容器、より詳細には、発熱化学反応によって発生す
る水蒸気を容易に容器外へ逃がすことができる蓋構造を
持った加熱機能付き容器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、発熱化学反応によって発生する水
蒸気を容易に容器外へ逃がすことができる蓋構造を持っ
た加熱機能付き容器として、例えば、実開平5−401
82号公報に記載されているものが知られている。
【0003】この加熱機能付き容器は、反応室3内に収
容されている液体容器7に通気孔7aを形成し、反応室
3と液体容器7とを容器本体2の一端に巻締め固着して
いる金属製の蓋12の中央部に十字形の薄肉部(スコ
ア)12bを刻設すると共に同じく蓋12の周縁部に円
弧状の薄肉部(スコア)12cを刻設し、金属製の蓋1
2の上から容器本体2の巻締め固着部に冠着される合成
樹脂製の保護キャップ15の中央部下面側には先端が尖
った突起15cを形成し、その周囲に円弧状のスリット
15bを同心円状に形成し、更に液体容器7上壁の中央
部下面側には、先端が液体容器7の底壁付近まで延びて
いる押し棒11が固着されており、一方、液体容器7上
壁の中央部上面側には、保護キャップの突起15cを収
容し得る間隔をあけた凸部8bが形成されている。
【0004】この容器の内容物を加熱するには、まず、
保護キャップ15が上方になる様に容器をテーブル等の
上に置き、保護キャップ15の中央部を指で強く押し下
げ、その下面側に形成されている突起15cと液体容器
7上壁の凸部8bとの間で蓋12を挟圧すると、十字形
薄肉部12bが破断すると共に押し棒11が押し下げら
れて液体容器7の底壁が破断され、液体容器7内の水が
反応室3内の生石灰上に流下して、水と生石灰とが発熱
反応を起こして水蒸気が発生し始めるので、容器を逆転
させ(保護キャップ12を下方側にする)てしばらくす
ると、発生する水蒸気の熱により反応室3の外周壁が加
熱され、その熱が内容物に伝導するので、内容物が加熱
されることになる。
【0005】その際、反応室3内で発生する水蒸気の一
部は、液体容器7の通気孔7a→蓋中央部の薄肉部12
bの破断した部分→保護キャップ15のスリット15b
を通って容器外へ逃げるので、反応室3内が異常に高圧
になり、その圧力により容器と蓋との巻締め係合が解け
ることはない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前記加熱機能付き容器
の保護キャップ15には、内容物を加熱するための操作
手順の説明が記載されているが、メーカーによって加熱
機能付き容器の構造及び操作方法がそれぞれ少しずつ異
なるので、消費者の中には、保護キャップ15を容器本
体2から取り外してから、蓋12の中央部を指で下方に
強く押し下げる人がいる。
【0007】この操作では、蓋12の中央部の十字形薄
肉部12bが破断しないので、押し棒11により底壁を
破断された液体容器7から流下した水と生石灰との発熱
反応により発生した水蒸気の量が増加するに伴って反応
室3内の圧力が非常に高まる。反応室3内の圧力が非常
に高くなると、蓋12が外方に向かって膨出(バックリ
ング)し、その際に円弧状薄肉部12cの一部が破断す
るので、蓋12及び/又は容器本体2が吹き飛ぶことは
ないが、狭い開口面積による破断部分から高温の水蒸気
が勢いよく吹き出すことがある。高温の水蒸気が勢いよ
く吹き出すと、近くにいる人が火傷をするおそれがあ
る。
【0008】また、店頭の缶詰陳列棚の高い位置から誤
って前記加熱機能付き容器を落下させた場合に、その落
下衝撃によって液体容器7の底壁の一部が破断してしま
うことがある。
【0009】このような場合にも、液体容器7から流下
した水と生石灰により発熱反応を起こすので、前記した
消費者の誤操作と同様に、狭い開口面積による破断部分
から高温の水蒸気が勢いよく吹き出すことがある。この
場合にも、容器の近くを通りかかった人が火傷をするお
それがある。
【0010】更に、上記のような場合において、蓋12
に円弧状薄肉部12cを刻設する金型の摩耗等により薄
肉部の残厚が厚過ぎた場合には、反応室3の圧力上昇に
より蓋12が外方へ向かって膨出しても、円弧状薄肉部
12cの破断が起こらないので、更に内圧が上昇し、遂
には容器本体2と蓋12との巻締めが解けてしまい、蓋
12及び/又は容器本体2が吹き飛ぶことがある。この
場合には、近くにいた人が怪我をするおそれがある。
【0011】本発明は、上記の課題に着目してなされた
もので、その目的とするところは、発熱化学反応によっ
て発生する水蒸気を容易に容器外へ逃がすことができる
蓋構造を持った加熱機能付き容器において、正規操作時
は勿論のこと、正規操作以外の消費者誤操作や落下衝撃
等により発熱反応を起こし、反応室の内圧が上昇するよ
うな場合、高温水蒸気が勢いよく吹き出すのを確実に防
止し、高レベルの容器安全性を確保することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の加熱機能付き容器では、内容物が充填され
ている容器本体と、この容器本体の一方の端部を封鎖し
て容器本体内部に収容され、前記容器本体の一端部に固
定されている開口端部を有し、内部に粒状の発熱物質を
収容した有底筒状の反応室と、この反応室の開口端部側
に設けられ、外周に、前記反応室の内周との間に隙間を
有して配設された筒状縦壁を有し、この筒状縦壁の底部
に、前記反応室と画成するシートを有し、筒状縦壁の中
間部には、容器本体の軸方向に変位可能に形成されてシ
ートとの間に反応誘発液を収容する室を形成する上壁を
有している液体容器と、前記上壁の内側からシートに近
接するまで延設された押し棒と、前記上壁との間に空間
を形成して反応室の開口端部を封鎖し、中央部が容器本
体の軸方向に移動可能に形成された蓋と、前記蓋の外側
に設けられ、中央部が容器本体の軸方向に移動可能に形
成された保護キャップと、前記筒状縦壁に形成され、前
記反応室内周と筒状縦壁外周との間の空間と、前記上壁
と蓋との間の空間とを連通する内側通気孔と、前記保護
キャップに形成され、内外を連通する外側通気孔と、を
備えている加熱機能付き容器において、前記蓋には、そ
の中央部周辺を円弧状に一旦切断し、その後、切断部の
両側のうち少なくとも一方を押圧加工して、蓋の中央部
側を上側に、蓋の周辺部側を下側にして重ね合わせ、該
重ね合わせ部を密封材で封鎖した円弧状密封連結部を形
成し、且つ、前記保護キャップには、軸方向移動により
前記円弧状密封連結部より若干外側を押す剥離用突起を
下面側に形成したことを特徴とする。
【0013】
【作用】正規操作による容器の内容物加熱時の作用につ
いて説明する。
【0014】まず、保護キャップが上方になる様に容器
をテーブル等の上に置き、次に、保護キャップの中央部
を指で強く押し下げる。
【0015】この操作により、まず、保護キャップの下
面側に形成されている剥離用突起により、蓋の円弧状密
封連結部の若干外側が押され、重ね合わせ部を封鎖して
いる密封材が剥離または破断し、円弧状密封連結部を境
として、上側である蓋の中央部側はそのままで蓋の周辺
部側が押し下げられた剥離開口状態となる。
【0016】そして、さらに保護キャップの中央部を押
し下げると押し棒により液体容器の底壁に設けられてい
るシートが破断され、容器内の反応誘発液が反応室内の
発熱物質上に落下して水蒸気を出しながら発熱反応を開
始する。
【0017】その後、容器を逆転させ(保護キャップを
下方側にする)てしばらくすると、発熱反応による水蒸
気の熱で反応室の外周壁が加熱され、その熱が内容物に
伝導するので、内容物が加熱されることになる。
【0018】その際、円弧状密封連結部は押し下げ加圧
により既に剥離開口状態であるので、反応室内で発生す
る水蒸気の一部は、液体容器の内側通気孔→蓋中央部の
円弧状密封連結部の剥離開口部→保護キャップの外側通
気孔を通って容器外へ逃げ、反応室内が高圧になること
はない。
【0019】誤操作等による容器の内容物加熱時の作用
について説明する。
【0020】消費者の中には、保護キャップを容器本体
から取り外してから、蓋の中央部を指で下方に強く押し
下げる人がいる。
【0021】この操作が行なわれた場合、円弧状密封連
結部は蓋の中央部側を上側に、蓋の周辺部側を下側にし
て重ね合わせられているため、余程大きな押し下げ力や
斜め方向の力が加わらない限り、密封材の剥離や破断は
生じない。
【0022】ところが、もっと強い力で蓋の中央部を押
し下げると押し棒により液体容器の底壁に設けられてい
るシートが破断され、容器内の反応誘発液が反応室内の
発熱物質上に落下して水蒸気を出しながら発熱反応を開
始し、発熱反応による水蒸気の量が増加するに伴って反
応室内の圧力が高まる。
【0023】しかしながら、反応室内の圧力があるレベ
ルまで高くなると、内圧による力で密封材が剥離または
破断し、円弧状密封連結部を境として蓋の中央部側が押
し上げられた剥離開口状態となり、内圧の力が大きいほ
ど開口面積も広くなる。
【0024】よって、反応室内の圧力が異常に高圧とは
ならない時点で、正規操作時と同様に、反応室内で発生
する水蒸気の一部は、液体容器の内側通気孔→蓋中央部
の円弧状密封連結部の剥離開口部を通って容器外へ逃
げ、従来のように、狭い開口面積による破断部分から高
温高圧の水蒸気が勢いよく吹き出すことが確実に防止さ
れる。
【0025】落下衝撃により発熱反応を起こす時の作用
について説明する。
【0026】店頭の缶詰陳列棚の高い位置から誤って加
熱機能付き容器を落下させたり、輸送中に落下させた場
合等においては、その落下衝撃によって液体容器のシー
トの一部が破断してしまうことがある。
【0027】このような場合にも、液体容器から流出し
た反応誘発液と反応室内の発熱物質との混合により発熱
反応を起こすので、前記した消費者の誤操作と同様に、
蓋中央部の円弧状密封連結部において剥離開口作用を示
す。
【0028】更に、上記のような正規の操作以外で加熱
される場合において、水蒸気を逃がす円弧状密封連結部
は、円弧状に一旦切断し、その後、重ね合わせ部を密封
材で封鎖して形成されているため、従来の薄肉部のよう
に、蓋製造のバラツキで薄肉部の残厚が厚過ぎた場合に
は反応室の圧力上昇により蓋が外方へ向かって膨出して
も薄肉部の破断が起こらない、ということがなく、反応
室の内圧上昇により確実に円弧状密封連結部の剥離開口
作用が達成される。
【0029】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。
【0030】まず、構成を説明する。
【0031】図1は本発明実施例の加熱機能付き容器を
示す断面図であり、図1において、2は容器本体、3は
反応室、3bは底壁、3cは側壁、4は発泡シュリンク
フィルム、7は液体容器、7aは通気孔(内側通気
孔)、7bは環状壁(円筒状縦壁)、7cは側壁(円筒
状縦壁)、8は外凸形状壁(上壁)、10はシート、1
1は押し棒、12は蓋、15は保護キャップ、15aは
剥離用突起、15bはスリット(外側通気孔)、Aは内
容物、Bは発熱物質、Cは反応誘発液である。
【0032】前記容器本体2は、飲用のための内容物A
を収納するもので、アルミニウム合金板を深絞り成形し
た後、さらに、逆絞り成形してその内方に反応室3を一
体成形しており、図中下側の開口端部に開缶機構付の蓋
16を二重巻締めし、有底筒状の反応室3の開口端部に
蓋を二重巻締めすることにより密閉されている。
【0033】前記反応室3は、容器本体2の内部に深く
没入され、底壁3bおよび側壁3cの外面が内容物Aに
接して設けられている。そして、この反応室3の内部に
は、下方に小さく砕いた生石灰から成る発熱物質Bが収
納され、図中上端の開口部側には、液体容器7がこの反
応室3の側壁3cと間隙を保った状態で収納されてい
る。
【0034】前記液体容器7は、その詳細を図2及び図
3の断面図及び平面図にて示しているとおり、上壁を構
成する外凸形状壁8と、円筒形の側壁7cと、側壁7c
上端から上方へ伸びる環状壁7bと、環状壁7bの上端
から外方に伸びるフランジ部9とがポリプロピレン樹脂
等で一体に成形されている。そして、この液体容器7の
内部には、水等の反応誘発液Cが入れられ、側壁7c図
中下端の開口部が、厚さ30μmの薄いアルミ箔で形成
したシート10を接着剤で貼り付けることで塞がれてい
る。
【0035】また、この液体容器7は、内部に反応誘発
液Cを充填した後、開口部を前記シート10で封鎖し、
その後、反応室3内に挿入するものであるが、この際
に、図1に示しているように、シート10の外径を側壁
7cの下端の外径および反応室3の側壁3cの内径より
も大径に形成しているため、反応室3内に挿入した時に
シート10のはみ出し部分にシワが寄り、反応室3の側
壁3cと接する部分と接しない部分とができて、蒸気や
空気は通過できるが、発熱物質Bのかけらは通過しにく
くなるという利点がある。
【0036】前記外凸形状壁8は、外方に凸形状である
が(図1,2)、該箇所にV字溝の凹み8aが複数形成
され、しかも、肉薄であるため、指で押すことにより容
易に凸凹反転する(図2,3)。また、外凸形状壁8の
中央には、上下に突起8b,8cが形成されると共に、
突起8cに凹部8eが形成され、この下側の凹部8eに
は押し棒11が嵌合されている。
【0037】また、外凸形状壁8の外側には、液体容器
7の環状壁7bとフランジ部9との角に、通気孔(内側
通気孔)7aが2箇所に形成されている(図3参照)。
【0038】前記押し棒11は、その詳細を図4,図5
及び図6の平面図,断面図及び底面図にて示していると
おり、その上端の根本から外方にY字形状に横腕11a
が形成され、この腕11aの先端から下方に3本の縦腕
11bが垂下され、これらの縦腕11bの先端には、前
記シート10に近接して、直径10mm程度の円形の切刃
11cが設けられている。
【0039】前記蓋12は、アルミニウム合金製であ
り、図1に示すように、容器本体2と反応室3との連結
部分に巻締めることにより反応室3の開口部3aを封鎖
している。
【0040】そして、その詳細を図7及び図8の断面図
及び平面図にて示しているとおり、上方凸に湾曲し、か
つ、上方からの押圧力によって下方向に変形して元の上
方凸形状に戻らない性質の湾曲部12aが形成されてい
る。
【0041】また、この湾曲部12aの中心部には、一
部を残して周辺を円弧状に一旦切断し、その後、切断部
の両側のうち少なくとも一方を押圧加工(バンピング加
工)して、蓋12の中央部側を上側に、蓋12の周辺部
側を下側にして重ね合わせ、該重ね合わせ部を補修ラバ
ー12e(密封材)で封鎖した円弧状密封連結部12f
が形成されている。
【0042】また、この湾曲部12aの外周部には、図
8に示すように、円弧状の薄肉部12c(スコア)が複
数形成されている。
【0043】この円弧状の薄肉部12cは、容器が強い
振動や落下衝撃を受けた際等において、生石灰の鋭い角
部がシート10に孔をあけて発熱反応が起こり、水蒸気
等により反応室3内の圧力が異常に高くなったのに、蓋
12の中央部位置に物が挟まっていて内圧が加わっても
円弧状密封連結部12fの剥離開口作用が例外的に達成
されないような場合、二重の安全性を確保するために設
けられている。
【0044】前記保護キャップ15は、ポリプロピレン
を素材とし、図1に示すように、前記蓋12の外側に設
けられている。
【0045】この保護キャップ15は、その詳細を図9
及び図10の断面図及び平面図にて示しているとおり、
3つの円周上にスリット15bが形成され、中央平板部
15dが上下方向に移動可能となっている。また、この
中央平板部15dの中央部分の図中下側には、剥離用突
起15aが3箇所形成されている。
【0046】この剥離用突起15aは、図1に示すよう
に、前記蓋12の円弧状密封連結部12fより若干外側
を押す位置に配置されている。
【0047】次に、作用を説明する。
【0048】[正規操作による内容物加熱時]正規操作
により容器の内容物Aを加熱する時には、まず、図1に
示すように、保護キャップ15が上方になる様に容器を
テーブル等の上に置き、次に、保護キャップ15の中央
平板部15dを指で強く押し下げる。
【0049】すると、スリット15bによるパンタグラ
フ状の変形により中央平板部15dが下方に移動し、中
央平板部15dの下面側に形成されている剥離用突起1
5aにより、蓋12の円弧状密封連結部12fの若干外
側が押され、重ね合わせ部を封鎖している補修ラバー1
2eが剥離または破断し、円弧状密封連結部12fを境
として、上側である蓋12の中央部側はそのままで蓋1
2の周辺部側が押し下げられた剥離開口状態となる(図
11(ロ) 参照)。
【0050】そして、さらに保護キャップ15の中央平
板部15dを押し下げると押し棒11により液体容器7
の底壁に設けられているシート10が破断され(図11
(イ) 参照)、容器内の反応誘発液(水)が反応室3内の
発熱物質B(生石灰)上に落下して水蒸気を出しながら
発熱反応を開始する。
【0051】その後、容器を逆転させ(保護キャップ1
5を下方側にする)てしばらくすると、発熱反応による
水蒸気の熱で反応室3の外周壁が加熱され、その熱が内
容物Aに伝導するので、内容物Aが加熱されることにな
る。
【0052】その際、円弧状密封連結部12fは押し下
げ加圧により既に剥離開口状態であるので、反応室3内
で発生する水蒸気の一部は、液体容器7の通気孔7a→
蓋中央部の円弧状密封連結部12fの剥離開口部→保護
キャップ15のスリット15bを通って容器外へ逃げ、
反応室3内が高圧になることはない。
【0053】[誤操作による内容物加熱時]消費者の中
には、保護キャップ15を容器本体2から取り外してか
ら、蓋12の中央部を指で下方に強く押し下げる人がい
る。
【0054】この操作が行なわれた場合、円弧状密封連
結部12fは蓋12の中央部側を上側に、蓋12の周辺
部側を下側にして重ね合わせられているため、余程大き
な押し下げ力や斜め方向の力が加わらない限り、補修ラ
バー12eの剥離や破断は生じない。
【0055】しかし、さらに蓋12の中央部を押し下げ
ると押し棒11により液体容器7の底壁に設けられてい
るシート10が破断され、容器7内の反応誘発液Cが反
応室3内の発熱物質B上に落下して水蒸気を出しながら
発熱反応を開始し、発熱反応による水蒸気の量が増加す
るに伴って反応室3内の圧力が高まる。
【0056】そして、反応室3内の圧力があるレベルま
で高くなると、内圧による力で補修ラバー12eが剥離
または破断し、円弧状密封連結部12fを境として蓋1
2の中央部側が押し上げられた剥離開口状態となり、内
圧の力が大きいほど開口面積も広くなる(図12(イ),
(ロ) 参照)。尚、補修ラバー12eの剥離または破断
は、反応室3の熱により補修ラバー12eが脆弱化した
場合、反応室3の内圧が低いレベルでも補修ラバー12
eの剥離または破断が生じる。
【0057】よって、反応室3内の圧力がそれほど高圧
とはならない時点で、正規操作時と同様に、反応室3内
で発生する水蒸気の一部は、液体容器7の通気孔7a→
蓋中央部の円弧状密封連結部12fの剥離開口部を通っ
て容器外へ逃げ、従来のように、狭い開口面積による破
断部分から高温の水蒸気が勢いよく吹き出すことが確実
に防止される。
【0058】[落下衝撃により発熱反応を起こす時]店
頭の缶詰陳列棚の高い位置から誤って加熱機能付き容器
を落下させたり、輸送中に落下させた場合等において
は、その落下衝撃によって液体容器7のシート10の一
部が破断してしまうことがある。
【0059】このような場合にも、液体容器7から流出
した反応誘発液Cと反応室3内の発熱物質Bとの混合に
より発熱反応を起こすが、この場合にも、前記した消費
者の誤操作と同様に、内圧(熱)による作用で蓋中央部
の円弧状密封連結部12fにおいて剥離開口作用を示
す。
【0060】更に、上記のような正規の操作以外で加熱
される場合において、水蒸気を逃がす円弧状密封連結部
12fは、円弧状に一旦切断し、その後、重ね合わせ部
を補修ラバー12eで封鎖して形成されているため、従
来の容器では発生した、蓋製造のバラツキで薄肉部の残
厚が厚過ぎた場合には、反応室の圧力上昇により蓋が外
方へ向かって膨出しても薄肉部の破断が起こらない、と
いうことがなく、反応室3の内圧上昇により確実に円弧
状密封連結部12fの剥離開口作用が達成される。
【0061】次に、効果を説明する。
【0062】(1)発熱化学反応によって発生する水蒸
気を容易に容器外へ逃がすことができる蓋構造を持った
加熱機能付き容器において、蓋12には、その中央部周
辺を円弧状に一旦切断し、その後、切断部の両側のうち
少なくとも一方を押圧加工して、蓋12の中央部側を上
側に、蓋12の周辺部側を下側にして重ね合わせ、該重
ね合わせ部を補修ラバー12eで封鎖した円弧状密封連
結部12fを形成し、且つ、保護キャップ15には、軸
方向移動により前記円弧状密封連結部12fより若干外
側を押す剥離用突起15aを下面側に形成したため、正
規操作時は勿論のこと、正規操作以外の消費者誤操作や
落下衝撃等により発熱反応を起こし、反応室3の内圧が
上昇するような場合、高温水蒸気が勢いよく吹き出すの
を確実に防止し、高レベルの容器安全性を確保すること
ができる。
【0063】(2)重ね合わせ部の密封材として熱によ
り軟化する性質を持つ補修ラバー12eを用い、且つ、
補修ラバー12eを蓋12の内側に接着したため、反応
室3が高温となった場合には内圧が所定レベルまで上昇
するのを待つことなく、円弧状密封連結部12fの剥離
開口作用を促すことができる。
【0064】(3)蓋12には、円弧状密封連結部12
fに加え、湾曲部12aの外周部には円弧状の薄肉部1
2c(スコア)を形成しているため、正規操作以外の消
費者誤操作や落下衝撃等により発熱反応を起こした場合
で、円弧状密封連結部12fの剥離開口作用が何らかの
原因で円滑に行なわれないような場合、二重の安全性を
確保することができる。
【0065】以上、実施例を図面に基づいて説明してき
たが、具体的な構成はこの実施例に限られるものではな
い。
【0066】例えば、保護キャップの中央板部の軸方向
移動は、実施例では、スリットを形成してパンタグラフ
状にして移動するようにしたが、弾性を高める他の手段
により軸方向に移動するようにしてもよい。したがっ
て、外側通気孔は、スリットではなく単なる孔としても
よい。
【0067】実施例では、二重の安全性を確保するべく
円弧状の薄肉部12cを残したが、この円弧状の薄肉部
12cはなくとも円弧状密封連結部12fのみにより十
分に安全性を確保することができる。
【0068】
【発明の効果】以上説明したように、本発明にあって
は、発熱化学反応によって発生する水蒸気を容易に容器
外へ逃がすことができる蓋構造を持った加熱機能付き容
器において、蓋には、その中央部周辺を円弧状に一旦切
断し、その後、切断部の両側のうち少なくとも一方を押
圧加工して、蓋の中央部側を上側に、蓋の周辺部側を下
側にして重ね合わせ、該重ね合わせ部を密封材で封鎖し
た円弧状密封連結部を形成し、且つ、保護キャップに
は、軸方向移動により前記円弧状密封連結部より若干外
側を押す剥離用突起を下面側に形成したため、正規操作
時は勿論のこと、正規操作以外の消費者誤操作や落下衝
撃等により発熱反応を起こし、反応室の内圧が上昇する
ような場合、高温水蒸気が勢いよく吹き出すのを確実に
防止し、高レベルの容器安全性を確保することができる
という効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の加熱機能付容器の全体を示す断面図で
ある。
【図2】実施例容器の液体容器を示す断面図である。
【図3】実施例容器の液体容器を示す平面図である。
【図4】実施例容器の押し棒を示す平面図である。
【図5】実施例容器の押し棒を示す断面図である。
【図6】実施例容器の押し棒を示す底面図である。
【図7】実施例容器の蓋を示す断面図及びD部拡大図で
ある。
【図8】実施例容器の蓋を示す平面図である。
【図9】実施例容器の保護キャップを示す断面図であ
る。
【図10】実施例容器の保護キャップを示す平面図であ
る。
【図11】実施例容器での正規操作時の作用説明図であ
る。
【図12】実施例容器での誤操作時の作用説明図であ
る。
【符号の説明】
2 容器本体 3 反応室 7 液体容器 7a 通気孔(内側通気孔) 7b 環状壁(筒状縦壁) 7c 側壁(筒状縦壁) 8 外凸形状壁(上壁) 10 シート 11 押し棒 12 蓋 12f 円弧状密封連結部 15 保護キャップ 15b スリット(外側通気孔) 15a 剥離用突起 A 内容物 B 発熱物質 C 反応誘発液
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実開 平5−40182(JP,U) 実開 昭60−43532(JP,U) 実開 平3−105880(JP,U) 実開 平6−71462(JP,U) 実開 平3−105430(JP,U) 実開 平1−88883(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B65D 81/34 A47J 36/28

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内容物が充填されている容器本体と、 この容器本体の一方の端部を封鎖して容器本体内部に収
    容され、前記容器本体の一端部に固定されている開口端
    部を有し、内部に粒状の発熱物質を収容した有底筒状の
    反応室と、 この反応室の開口端部側に設けられ、外周に、前記反応
    室の内周との間に隙間を有して配設された筒状縦壁を有
    し、この筒状縦壁の底部に、前記反応室と画成するシー
    トを有し、筒状縦壁の中間部には、容器本体の軸方向に
    変位可能に形成されてシートとの間に反応誘発液を収容
    する室を形成する上壁を有している液体容器と、 前記上壁の内側からシートに近接するまで延設された押
    し棒と、 前記上壁との間に空間を形成して反応室の開口端部を封
    鎖し、中央部が容器本体の軸方向に移動可能に形成され
    た蓋と、 前記蓋の外側に設けられ、中央部が容器本体の軸方向に
    移動可能に形成された保護キャップと、 前記筒状縦壁に形成され、前記反応室内周と筒状縦壁外
    周との間の空間と、前記上壁と蓋との間の空間とを連通
    する内側通気孔と、 前記保護キャップに形成され、内外を連通する外側通気
    孔と、 を備えている加熱機能付き容器において、 前記蓋には、その中央部周辺を円弧状に一旦切断し、そ
    の後、切断部の両側のうち少なくとも一方を押圧加工し
    て、蓋の中央部側を上側に、蓋の周辺部側を下側にして
    重ね合わせ、該重ね合わせ部を密封材で封鎖した円弧状
    密封連結部を形成し、且つ、前記保護キャップには、軸
    方向移動により前記円弧状密封連結部より若干外側を押
    す剥離用突起を下面側に形成したことを特徴とする加熱
    機能付き容器。
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