JP3251977B2 - ホスファチジルイノシトールホスフォリパーゼc−ak、その製造方法およびその用途 - Google Patents

ホスファチジルイノシトールホスフォリパーゼc−ak、その製造方法およびその用途

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ホスファチジルイノシ
トールに極めて高い特異性を有するホスファチジルイノ
シトールホスフォリパーゼC(Phosphatidy
linositol−Specific Phosph
olipase C)−AK、その製造方法およびその
用途に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ホスファチジルイノシトールホスフォリ
パーゼCは少なくとも、ホスファチジルイノシトール
(以下,PIと省略する。)を1、2ージグリセリドと
ホスフォイノシトールに加水分解する酵素であり、酵素
番号E.C.3.1.4.3として知られ(酵素ハンド
ブック450−451頁,1982年、朝倉書店発
行)、リン脂質研究用試薬として使用されている。また
ホスファチジルイノシトールの測定は羊水中の胎児の肺
の成熟度のマーカーとして有効であり、このホスファチ
ジルイノシトールの測定にあたってホスファチジルイノ
シトールホスフォリパーゼCが有効な測定用酵素として
使用でき、さらに食品における添加物として使用されて
いる大豆レシチンとしてのリン脂質中に含有されている
ホスファチジルイノシトールの測定に有用である。
【0003】
【発明の解決しようとする課題】従来よりホスフォリパ
ーゼCはバチルス(Bacillus)属やスタフィロ
コカッス(Staphylococcus)属に属する
細菌にその存在が知られている(Meth.in En
zymol.,71,731−741(1981))。
このホスフォリパーゼCはホスファチジルイノシトール
ホスフォリパーゼCを含む酵素粗製物として報告され
(Meth.in Enzymol.,71,731−
741(1981))、ホスフォリパーゼCとホスファ
チジルイノシトールホスフォリパーゼCとの明確な区別
がなされていなかった。これら両者を厳密に分離しなけ
ればホスファチジルイノシトールの特異的な測定に用い
たとき誤差を生じやすかった。
【0004】また、バチルス属由来のホスファチジルイ
ノシトールホスフォリパーゼCはカルシムやマグネシウ
ム等の2価のイオンにより阻害されることが報告され
(J.Biol.Chem.253,4175−417
9(1978))、スタフィロコカッス属由来の酵素は
トリトンX−100(ポリオキシエチレンアルキルフェ
ニルエーテル系界面活性剤:シグマ社製)やナトリウム
・デオキシコレトなどの界面活性剤によって活性阻害を
受けるものであった(Meth.in Enzymo
l.,71,731−741(1981))。
【0005】従って、このホスファチジルイノシトール
ホスフォリパーゼCを用いてホスファチジルイノシトー
ルを定量する場合、まずホスファチジルイノシトールか
らの生成物である1、2−ジグリセリドを測定する際の
指示酵素のうち例えばグリセロキナーゼはマグネシウム
等の2価の陽イオンを要求するために反応液にマグネシ
ウム等の2価の陽イオンを添加する必要があるが、この
ような2価の陽イオンがホスファチジルイノシトールホ
スフォリパーゼC反応を阻害することから、これらの一
連の反応を同時に行えない欠点を有していた。また同様
に、定量分析においては、トリトンX−100などの界
面活性を通常併用することからも、上記の公知の酵素は
使用し難いものであった。
【0006】このような状況下、ホスファチジルイノシ
トールの測定において良好な酵素を提供するとともに、
該酵素の製造方法ならびに該酵素を用いてなるホスファ
チジルイノシトールの簡便かつ正確な測定方法を提供す
るものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は鋭意研究を
行った結果、意外にも大阪府池田市の畑土壌から採取し
た微生物が上記欠点を克服する新規な酵素ホスファチジ
ルイノシトールホスフォリパーゼC−AK(以下、PI
−PLC−AKと省略する)を生産することを見出し、
本発明を完成した。
【0008】本発明に使用する菌株はストレプトマイセ
ス(Streptomyces)属に属し、PI−PL
C−AK産生能を有する微生物であればいずれの微生物
でもよく、ストレプトマイセス属に属する微生物、具体
的には大阪府池田市の畑土壌から採取したストレプトマ
イセス・エスピー(Streptomyces sp.
A9442株)(FERM P−13110)が例示さ
れる。
【0009】次に本菌株の菌学的性質について記述す
る。 <形態的性状>スターチ・無機塩寒天培地で30℃、1
4日間培養し、光学顕微鏡及び電子顕微鏡で観察した所
見は以下の通りである。基生菌糸は曲線状ないし直線状
に分岐を伴って伸長し、その直径は0.4−0.5μm
である。通常、菌糸の断裂は認められない。基生菌糸よ
り生じた気菌糸は、曲線状ないし直線状の長い主軸と互
生または対生に分岐した短い側糸とで形成され、その直
径は0.5−0.6μmである。通常、側糸の先端は密
に3ー6回転巻いた螺旋状を呈しており、約10−20
個の連鎖胞子を形成する。気菌糸は培養の経過に伴い、
湿潤化(ハイグロスコピック)する。
【0010】胞子は短円筒型、大きさは0.7−0.9
x0.9−1.3μmで表面はしわ状である。胞子の
う、運動性胞子、輪生糸および菌核は認められない。オ
ートミール寒天培地およびベネット氏寒天培地などにお
いても同様の形態が観察されたが、これらは前述と比較
し湿潤化が著しい。
【0011】<ジアミノピメリン酸組成>Stanec
k等の方法〔Appl.Microbiol.28,2
26−231(1974)〕に従って分析したところ、
LL−型のジアミノピメリン酸が検出され、meso−
型は検出されなかった。 <培養性状>各種培地上で30℃、20日間培養し観察
した所見は表1に示した通りである。(色の表示はCo
lor harmony manual、第4版、19
58年、Container Corporation
of Americaに従った。
【0012】
【表1】
【0013】<生理的性状> 1)生育温度範囲:15−40℃(最適20−35℃) 2)ゼラチンの液化:陽性 3)澱粉の加水分解:陽性 4)脱脂牛乳のペプトン化:陽性 脱脂牛乳の固化:陽性 5)メラニン様色素の生成:チロシン寒天培地上;陽性 :ペプトン・イーストエキス・鉄寒天培地上;陰性 6)炭素源の利用性:D−フルクトース、D−グルコー
ス、D−マンニトール、ラフィノース、ラムノース、お
よびD−キシロースを利用する。L−アラビノース、イ
ノシトール、およびシュクロースは利用しない。
【0014】以上のようにA9442株は、真性の基生
菌糸より、よく分岐した気菌糸を生じ、その先端が螺旋
化して連鎖胞子を形成すること、鞭毛胞子や胞子のうを
形成しないこと、ジアミノピメリン酸がLL−型である
こと等の特徴を有していることから、ストレプトマイセ
ス(Streptomyces)属に属するものと同定
し、本菌株をストレプトマイセス・エスピー A944
2株と命名した。本菌株は、工業技術院微生物工業技術
研究所に寄託されており、その寄託番号はFERM P
−13110である。
【0015】本発明のPI−PLC−AKを製造するに
はストレプトマイセス属に属するPI−PLC−AK生
産菌、例えば上記ストレプトマイセス属A9442株が
用いられ、またPI−PLC−AKを工業的に採取しう
る量で該酵素を生産し得る能力を有する変異株または変
種であってもよく、その培養は放線菌一般の培養に通常
使用される方法に従って行うことができる。
【0016】すなわち、培地には炭素源として、例えば
グルコース、フルクトース、澱粉、糖蜜、シュクロー
ス、グリセリン等を単独で、または組み合わせて適宜用
いることができる。また窒素源として、例えば硫酸アン
モニウム、塩化アンモニウム、尿素、ペプトン、肉エキ
ス、酵母エキス、コーンスチープリカー、脱脂大豆粉、
脱脂綿実粉等を用いることができる。培地には、他に必
要に応じてリン酸、マグネシウム、カルシウム、カリウ
ム、鉄、アルミニウム等の塩類や、各種ビタミン類、消
泡剤等、菌の生育やPI−PLC−AKの生産に有効な
物質を適宜添加することができる。
【0017】好ましい培地のpHは5−8.5で特に好
ましくは6−7.5である。培養法としては通常液体培
地で行うが、工業的には深部撹拌通気培養で行うのが有
利である。培養温度は、菌が生育し、PI−PLC−A
Kを生産する温度範囲で適宜選択できるが、特に好まし
いのは25−35℃である。培養時間は条件により異な
るが、PI−PLC−AK活性が最大になるまで培養す
ればよい。液体培養では通常2−5日程度である。
【0018】培養物中に生成したPI−PLC−AK
は、液体培養では主として培養液中に存在するので培養
物から菌体、固型物を遠心分離もしくは濾過により除去
したPI−PLC−AK溶液を採取する。培養上清もし
くは濾液からPI−PLC−AKを濃縮するにあたって
は、各種酵素の分離精製に通常使用される方法を適宜組
み合わせることができる。例えば塩析、有機溶媒沈澱、
透析、限外濾過、イオン交換クロマトグラフィー、ゲル
濾過クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラ
フィー等の方法を適宜選択組み合わせればよい。
【0019】次ぎにストレプトマイセス・エスピーA9
442株の生産する本発明のPI−PLC−AKの理化
学的性質について説明する。これに関し、PI−PLC
−AKの酵素活性は以下のようにして行った。 (1)酵素活性測定方法 終濃度が40mMトリス−塩酸緩衝液pH7.5、0.
132mMPI、0.13%トリトンX−100から成
る反応液0.5mlにPI−PLC−AKを含む酵素液
0.05mlを加え37℃で10分間反応後1N塩酸
0.1mlを加え反応を止め5分間放置する。この液に
0.1mlの1N苛性ソーダ、次いで1Mトリスー塩酸
緩衝液(pH8.0)0.1mlを加え中和した。更に
0.5mlの1、2−ジグリセリド発色反応液(終濃度
20mMトリス−塩酸緩衝液pH8.0、0.06%4
−アミノアンチピリン、0.06%フェノール、2mM
ATP、2mM塩化マグネシウム、1U/mlグリセロ
キナーゼ、10U/mlペルオキシダーゼ、10U/m
lグリセロリン酸オキシダーゼ)を加え37℃で10分
間反応後0.5mlの0.5%で反応液の澄明化を図り
500nmの吸光度を測定した。酵素活性は上記条件
下、1分間に1マイクロモルの1、2−ジグリセリドを
生成する活性を1単位として定義した。 (2)作用 1モルのホスファチジルイノシトールと1モルの水から
1モルの1、2ージグリセリドと1モルのホスフォイノ
シトールを生成する反応を触媒する。 (3)基質特異性 各種リン脂質を基質にしてPI−PLC−AK活性を測
定した。表2に示した結果から本酵素は、コリン含有リ
ン脂質、エタノールアミン含有リン脂質、グリセリン含
有リン脂質、アミノ酸含有リン脂質には作用せず、PI
に対してのみ特異性を有することが明かである。
【0020】
【表2】
【0021】(4)至適pH 前記酵素活性測定方法に従って至適pHを求めたもの
で、その結果を図1に示した。pH4ー5.5(○−
○)はジメチルグルタル酸緩衝液、pH6−8.5(△
−△)はリン酸緩衝液、pH7−8(●−●)はトリス
−塩酸緩衝液、pH9−10(▲−▲)はグリシン−苛
性ソーダ緩衝液を使用した場合の活性値を示すもので、
本酵素の至適pHは6−7.5付近であることが認めら
れた。 (5)最適反応温度 前記酵素活性測定方法に従い、反応温度を変え、酵素活
性を測定した。その結果、図2に示すように55−60
℃付近が最適反応温度であった。 (6)pH安定性 0.1M各種緩衝液に溶解した酵素液(10U/ml)
を37℃で1時間処理し、残存活性を測定した。その結
果を図3に示した。pH4−7(○−○)はジメチルグ
ルタル酸緩衝液、pH7−9(●−●)はトリス−塩酸
緩衝液、pH9−10(▲−▲)はグリシン苛性ソーダ
緩衝液を使用した。少なくともpH6−8付近の範囲で
ほぼ90%以上の残存活性を維持した良好な安定性を示
した。 (7)熱安定性 10mMトリス−塩酸緩衝液(pH7.5)に溶解した
PI−PLC−AK溶液(10U/ml)を各温度で1
0分間加温し、残存活性を求めた。その結果、図4に示
したように45℃まで95%以上の残存活性を示した安
定なものであった。 (8)金属イオン等の影響 種々の金属イオン等の酵素活性に及ぼす影響について調
べた結果、表3に示したように、カルシウム、マグネシ
ウムによっては阻害されなかったが、亜鉛、銅、バリウ
ムイオン、EDTAにより強く阻害された。
【0022】
【表3】
【0023】(9)界面活性剤の影響 非イオン性界面活性剤のトリトンX−100(シグマ社
製)の影響は表4に示すように強く活性化され、その最
適濃度は0.07%付近であった。
【0024】
【表4】
【0025】(10)等電点 pH4.47±0.15(キャリアアンフォライトを用
いる焦点電気泳動法による。) (11)分子量 38000±3000(スーパーローズ12(ファルマ
シア社製)を用いるゲル濾過法による。)以上のPI−
PLC−AKにおいて、少なくとも、その作用および基
質特異性からホスファチジルイノシトールに高い基質特
異性を有し、ホスフォリパーゼCに属する酵素と認めら
れ、さらにカルシウムイオン、マグネシウムイオンによ
り阻害されず、トリトンX−100によって活性化され
るとの特有の性質を有し、至適pHがpH6−7.5付
近、pH安定性がpH6−8付近、分子量が38000
±3000である新規な酵素と認められ、PI−PLC
−AKと命名したものである。
【0026】次にPI−PLC−AKを用いるPIの測
定法について述べる。前述の基質特異性の項で述べたよ
うに本酵素はPIに対して極めて高い特異性を示すの
で、PI以外のレシチン、ホスファチジルエタノールア
ミン、ホスファチジルグリセロール等の各種リン脂質を
含有する被検液を用いた場合でもPIからのみ1、2−
ジグリセリドを遊離させることができる。この1、2−
ジグリセリドは、下記の種々の方法によって簡便に定量
できる。 (1)1、2−ジグリセリドにリパーゼを作用せしめて
グリセリンと脂肪酸となす。 (2−1)生成したグリセリンに、少なくともマグネシ
ウムイオン、ATPの存在下にグリセロキナーゼを作用
せしめて、ADPおよびグリセロ−3−リン酸を形成す
る。 (2−3)このグリセロ−3−リン酸に、グリセロ−3
−リン酸オキシダーゼを作用せしめて、酸素を消費して
過酸化水素およびジヒドロキシアセトンリン酸を生成せ
しめる。
【0027】(2−4)消費した酸素を酸素電極で定量
するか、生成した過酸化水素を過酸化水素電極にて定量
するか、または過酸化水素と反応して検出できる生成物
に変化する指示薬組成物、例えば西洋ワサビやその組織
培養物、さらに微生物由来のペルオキシダーゼなどのペ
ルオキシダーゼ作用を有する物質と染料前駆体、簡便に
は4−アミノアンチピリン、4−アミノ−3−ヒドラジ
ノ−5−メルカプト−1、2、4−トリアゾール、2−
ヒドラジノベンゾチアゾール、3−メチル−2−ベンゾ
チアゾロンヒドラチン、2−アミノベンゾチアゾルなど
の電子受容体とフェノール、p−ヒドロキシ安息香酸ナ
トリウム、p−クロロフェノール、2、4−ジクロロフ
ェノール、2、4−ジブロモフェノール、3−メチル−
N−エチル−N−(β−ヒドロキシエチル)アニリン、
3−アセトアミノ−N,N−ジエチルアニリン、N,N
−ジメチルアニリン、N,N−ジメチルアニリンなどの
フェノール系またはアニリン系化合物との組成を有する
通常色調の変化を可視にて生じる呈色薬組成物を組み合
わせて分光光学的手段にて定量する。また、紫外線照射
により蛍光を発する蛍光薬組成物や発色する発光薬組成
物を用いて分光光学的手段にて定量できるもので、公知
の適宜の定量手段を使用すればよい。
【0028】(3−1)また、生成したグリセロ−3−
リン酸に、NADの存在下にグリセロ−3−リン酸デヒ
ドロデナーゼを作用せしめて、還元型NADおよびジヒ
ドロキシアセトンリン酸を生成せしめる。 (3−2)この生成した還元型NADを、その特異的吸
収波長域である340nm付近の波長にて吸光度測定す
るか、ジアホラーゼとニトロテトラゾリウムブルー(N
TB)や3−(p−インドフェノール)−2−(p−ニ
トロフェニル)−5−フェニル−2H・テトラゾリウム
・クロライドなどのテトラゾリウム塩類にてホルマザン
色素を形成してこのホルマザン色素を分光光学的手段に
て定量する。 (4−1)さらに生成したグリセリンに、グリセリンオ
キシダーゼを作用せしめて、過酸化水素およびジヒドロ
キシアセトンを形成し、この過酸化水素を上記方法にて
定量するか、公知方法にてジヒドロキシアセトンを定量
してもよい。 (5−1)さらにまた、生成したグリセリンに、NAD
の存在下にグリセリンデヒドロデナーゼを作用せしめ
て、還元型NADおよびジヒドロキシアセトンを生成せ
しめ、この過酸化水素を上記方法にて定量するか、公知
方法にてジヒドロキシアセトンを定量してもよい。 (6−1)さらに、1、2−ジグリセリドからはリパー
ゼで遊離した脂肪酸を、CoA−SHおよびATPの存
在下、アシル−CoA合成酵素にてアシル−CoAとな
す。
【0029】(6−2)このアシル−CoAに、アシル
−CoAオキシダーゼを作用せしめて、過酸化水素と
2、3−デヒドロアシル−CoAとを形成せしめ、簡便
には、この過酸化水素を上記方法にて定量する。 (7−1)または、遊離した脂肪酸を、CoA−SHお
よびATPの存在下のアシル−CoA合成酵素、アシル
−CoAオキシダーゼまたはアシル−CoAデヒドロデ
ナーゼにて形成された2、3−デヒドロアシル−CoA
に、エノイル−CoAヒドロターゼ、NADの存在下で
の3−ヒドロキシアシルCoA−デヒドロデナーゼ、ア
セチルCoAの存在下での3−ケトアシルCoA−チオ
ラーゼを作用せしめて、反応において形成された還元型
NADを上記した方法にて定量すればよい。 (8−1)さらに、PIにPI−PLC−AKが作用し
て遊離したもう一方の生成物であるホスフォイノシトー
ルの定量測定については、アルカリホスファターゼ、N
AD、ジアフォラーゼ、NTB存在下にイノシトールデ
ヒドロゲナーゼを作用させホルマザン発色で容易に比色
定量ができる。
【0030】以上の本発明における種々のPI測定用組
成について、簡便なPI測定用組成を例示すれば、PI
を1、2−ジグリセリドとホスフォイノシトールとに分
解する工程用としてトリス−塩酸緩衝液0.01ー0.
5M(pH7.2−8.5)、0.05%−0.2%の
トリトンX−100、PI−PLC−AK0.01−
0.2U/mlから成る反応液組成が挙げられる。ま
た、1、2−ジグリセリドを発色に導く工程用組成とし
てはリパーゼ50−400U/ml、ATP0.1−2
mM、塩化マグネシウム0.2−2mM、グリセロキナ
ーゼ0.1−1U/ml、グリセロ−3−リン酸オキシ
ダーゼ、ペルオキシダーゼ1−10U/ml、4−アミ
ノアンチピリン0.02%−0.2%、フェノールまた
はアニリン誘導体0.02%−0.2%を含有する。ま
たはトリス−塩酸緩衝液0.01−0.5M(pH7.
2−8.5)、ATP0.1−2mM、塩化マグネシウ
ム0.2−2mM、0.05%−0.2%のトリトンX
−100、PI−PLC−AK0.01−0.2U/m
l、リパーゼ50−400U/ml、グリセロキナーゼ
0.1−1U/ml、グリセロ−3−リン酸デヒドロゲ
ナーゼ1−10U/ml、NAD0.2−2mM、ジア
フォラーゼ1−10U/ml、NTB0.01%−0.
1%、牛血清アルブミン0.05%−0.2%を含有す
る。
【0031】1、2−ジグリセリドを遊離脂肪酸として
測定する反応組成としてはPIPES−NaOH緩衝液
0.01−0.5M(pH7.2−8.5)、塩化マグ
ネシウム0.2−2mM、リパーゼ50−400U/m
l、ATP0.1−2mM、CoA−SH0.1−2m
M、アシル−CoA合成酵素0.1−2U/ml、アシ
ル−CoAオキシダーゼ2−20U/ml、ペルオキシ
ダーゼ1−10U/ml、4−アミノアンチピリン0.
02%−0.2%、フェノールまたはアニリン誘導体
0.02%−0.2%を含有する。
【0032】他方、PIの構成成分のホスフォイノシト
ールを測定する試薬の組成を例示すればトリス−塩酸緩
衝液0.01−0.5M(pH7.2−8.5)、アル
カリホスファターゼ0.5−10U/ml,イノシトー
ルデヒドロゲナーゼ0.2−3U/ml、NAD0.2
−2mM、ジアフォラーゼ1−10U/ml、NTB
0.01%−0.1%、牛血清アルブミン0.05%−
0.2%を含有する。
【0033】測定方法は極めて簡便で、上記組成の反応
液0.5−2mlにPIを含有する被検液(PI濃度と
して0.5−2mM)0.01−0.05mlを加え、
37℃で反応が終了するまで通常、5−20分間加温
し、適宜な分光光学的手段、例えば過酸化水素の呈色で
は500−600nmの波長で比色分析を行うことがで
きる。
【0034】
【実施例】以下に、実施例を挙げて、本発明を更に詳細
に説明するが、本発明はこれにより何ら限定されるもの
ではない。
【0035】
【実施例1】脱脂大豆粉2%、グルコース2%、酵母エ
キス0.5%、ペプトン2%、塩化ナトリウム0.3
%、リン酸二ナトリウム0.1%、硫酸マグネシウム
0.05%からなる培地100mlにストレプトマイセ
ス・エスピーA9442株を一白金耳移植し、28℃で
3日間振盪培養を行い種菌を得た。
【0036】ついで種菌を上記と同一培地よりなる培地
(但し、消泡剤ディスフォームBC−51Yを0.2%
添加)4リットルを含有する5リットル容ジャーファメ
ンターに移植し、本培養を行った。96時間後にPI−
PLC−AK活性は最大(0.92U/ml)に達し
た。
【0037】
【実施例2】実施例1で得られた培養物をで遠心分離を
行い、上清2.5リットルを得、ついで限外濾過により
300mlまで濃縮を行った後、180mlのアセトン
を添加し、酵素を沈澱させた。10%硫安を含む10m
Mトリスー塩酸緩衝液200mlに酵素を溶解後、50
00回転、10分間の遠心分離により不溶物を除去し、
上清192mlを得た。これを3x15cmのオクチル
ーセファロースCL−4Bを充填したカラムにかけ、1
0%硫安から徐々に硫安濃度を下げて目的とする酵素蛋
白を溶出させた。PI−PLC−AKは2%硫安を含む
10mMトリス−塩酸緩衝液の画分に溶出された。この
画分150mlを透析により脱塩し、10mMトリス−
塩酸緩衝液(pH7.5)で平衡化したQ−セファロー
スカラム(3x10cm)に通し、酵素を吸着させ0.
5M塩化カリウムまでの直線濃度勾配法により酵素を溶
出させた。活性画分60mlを透析により脱塩し、凍結
乾燥により精製PI−PLC−AK酵素を得た(比活性
210U/mg蛋白)。
【0038】
【実施例3】最終濃度でトリス−塩酸緩衝液(pH7.
5)0.1M、1mM塩化マグネシウム、1mMAT
P、0.1%トリトンX−100、PI−PLC−AK
0.1U/ml、リパーゼ(旭化成工業製)250U/
ml、グリセロキナーゼ(旭化成工業製)0.5U/m
l、グリセロ−3−リン酸オキシダーゼ(旭化成工業
製)4U/ml、ペルオキシダーゼ(シグマ社製)5U
/ml、4−アミノアンチピリン0.05%、フェノー
ル0.05%からなる反応液1mlに1mMPI(フナ
コシ社製)溶液0.02mlを加え37℃で10分間反
応させた後分光光度計(500nm)で比色した結果、
吸光度0.118が得られた。
【0039】
【実施例4】最終濃度でPIPES−NaOH緩衝液
(pH7.3)0.1M、1mM塩化マグネシウム、1
mMATP、1mMCoA−SH、0.1%トリトンX
−100、PI−PLC−AK0.1U/ml、リパー
ゼ(旭化成工業製)250U/ml、アシルーCoA合
成酵素(旭化成工業製)0.5U/mlから成る反応液
0.5mlに1mMPI0.02mlを加え37℃で5
分間反応後、20mMNーエチルマレイミド0.5ml
加え未反応のCoAと反応させ、次いで最終濃度でアシ
ルCoAオキシダーゼ5U/ml、ペルオキシダーゼ
(シグマ社製)10U/ml、4−アミノアンチピリン
0.1%、ADOS(アスコルベートオキシダーゼ;ド
ータイト社製)0.1%からなる反応液0.5mlを加
え37℃で5分間反応させ、550nmで比色定量し
た。その結果、吸光度0.176が得られた。
【0040】
【実施例5】最終濃度でトリスー塩酸緩衝液(pH8.
0)0.1M、1mM塩化マグネシウム、1mMAT
P、0.1%トリトンX−100、PI−PLC−AK
0.1U/ml、リパーゼ(旭化成工業製)250U/
ml、グリセロキナーゼ(旭化成工業株式会社製)0.
5U/ml、グリセロ−3−リン酸デヒドロゲナーゼ
(ベーリンガー社製)4U/ml、NAD1mM、ジア
フォラーゼ5U/ml、NTB0.05%、牛血清アル
ブミン0.05%で構成される反応液2mlに1mMP
I溶液を0−0.05mlまで変えて添加し、37℃で
10分間反応を行い、550nmで比色した。その結果
を図5に示した。良好な直線性が認められた。
【0041】
【実施例6】最終濃度でトリス−塩酸緩衝液(pH8.
0)0.1M、0.5mM塩化カルシウム、1mMAT
P、0.1%トリトンX−100、PI−PLC−AK
0.1U/ml、アルカリホスファターゼ(旭化成工業
製)5U/ml、イノシトールデヒドロゲナーゼ(シグ
マ社製)4U/ml、NAD1mM、ジアフォラーゼ5
U/ml、NTB0.05%、牛血清アルブミン0.0
5%で構成される反応液2mlに1mMPI溶液を0−
0.05mlまで変えて添加し、37℃で10分間反応
を行い、550nmで比色した。その結果を図6に示し
た。良好な直線性が認められた。
【0042】
【発明の効果】本発明におけるPI−PLC−AKは、
少なくともその作用および基質特異性からホスファチジ
ルイノシトールに高い基質特異性を有し、ホスフォリパ
ーゼCに属する酵素と認められ、さらにカルシウムイオ
ン、マグネシウムイオンにより阻害されず、トリトンX
−100によって活性化されるとの特有の性質を有し、
至適pHがpH6−7.5付近、pH安定性がpH6−
8付近、分子量が38000±3000である新規な酵
素を得たもので、ストレプトマイセス属に属する生産菌
による製造方法を提供するとともに、カルシウムイオ
ン、マグネシウムイオンにより阻害されない特有の理化
学的性質によるPIの簡便かつ正確な測定方法を提供す
るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】PI−PLC−AKの作用の最適pHを示す曲
線である。
【図2】PI−PLC−AKの作用の最適温度を示す曲
線である。
【図3】PI−PLC−AKのpH安定性を示す曲線で
ある。
【図4】PI−PLC−AK熱安定性を示す曲線であ
る。
【図5】実施例5における試薬組成を用いたときのPI
(ホスファチジルイノシトール)の測定結果である。
【図6】実施例6における試薬を用いたときのPIの測
定結果である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12N 9/00 - 9/99 BIOSIS(DIALOG) WPI(DIALOG)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも下記の理学的性質を有するホ
    スファチジルイノシトールホスフォリパーゼC: (a)作用:1モルのホスファチジルイノシトールと1
    モルの水から1モルの1,2−ジグリセリドと1モルの
    ホスフォイノシトールを生成する反応を触媒する。 (b)基質特異性:ホスファチジルイノシトールに作用
    する。 (c)至適pH:pH6−7.5付近。 (d)pH安定性:pH6−8付近で安定。 (e)種々の物質の影響:カルシウムイオン、マグネシ
    ウムイオンにより阻害されない。 (f)界面活性剤の影響:トリトンX−100(ポリオ
    キシエチレンアルキルフェニルエーテル系界面活性剤)
    によって活性化される。 (g)分子量:38000±3000(スーパーローズ
    12を用いるゲル濾過法による。)(h)最適反応温度:55−60℃付近。 (i)等電点:pH4.47±0.15。
  2. 【請求項2】 ストレプトマイセス属に属するホスファ
    チジルイノシトールホスファリパーゼC−AK生産菌を
    培養し、その培養物から請求項1記載の酵素を採取する
    ことを特徴とする該酵素の製造方法。
  3. 【請求項3】 ストレプトマイセス属に属するホスファ
    チジルイノシトールホスファリパーゼC−AK生産菌が
    ストレプトマイセス・エスピーA9442株(FERM
    P−13110)である請求項2記載の該酵素の製造
    方法。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の酵素を含む反応液に少な
    くともホスファチジルイノシトールを含有する被検液を
    添加し、1、2−ジグリセリドとホスフォイノシトール
    とを生成せしめ、これらのいずれか一方または両方を定
    量することを特徴とするホスファチジルイノシトールの
    測定方法。
  5. 【請求項5】 少なくとも下記の理学的性質を有するホ
    スファチジルイノシトールホスフォリパーゼCを使用す
    ることを特徴とするホスファチジルイノシトー ルの測定
    法。 (a)作用:1モルのホスファチジルイノシトールと1
    モルの水から1モルの1,2−ジグリセリドと1モルの
    ホスフォイノシトールを生成する反応を触媒する。 (b)基質特異性:ホスファチジルイノシトールに作用
    する。 (c)至適pH:pH6−7.5付近。 (d)pH安定性:pH6−8付近で安定。 (e)種々の物質の影響:カルシウムイオン、マグネシ
    ウムイオンにより阻害されない。 (f)界面活性剤の影響:トリトンX−100(ポリオ
    キシエチレンアルキルフェニルエーテル系界面活性剤)
    によって活性化される。 (g)分子量:38000±3000(スーパーローズ
    12を用いるゲル濾過法による。) (h)最適反応温度:55−60℃付近。 (i)等電点:pH4.47±0.15。
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