JP3251376B2 - 抗菌、防カビ剤及びその製法 - Google Patents
抗菌、防カビ剤及びその製法Info
- Publication number
- JP3251376B2 JP3251376B2 JP09140793A JP9140793A JP3251376B2 JP 3251376 B2 JP3251376 B2 JP 3251376B2 JP 09140793 A JP09140793 A JP 09140793A JP 9140793 A JP9140793 A JP 9140793A JP 3251376 B2 JP3251376 B2 JP 3251376B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- silver
- calcium phosphate
- antibacterial
- weight
- content
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)
Description
の製法に関する。更に詳しくは、本発明は、プラスチッ
ク、繊維、セメント、コンクリート、陶磁器等の工業製
品に、抗菌、防カビ処理を行なうに当って使用する抗
菌、防カビ剤及びその製法に関する。
が多く用いられてきた。然し乍ら、近年、銀、銅、亜鉛
等のオリゴジナミー効果を利用した無機系のものが、安
全性及び耐久性の点ですぐれているため、適用する機会
が増大してきた。
類に分類される。その1つは、無機物イオン交換体に水
溶液中でオリゴジナミー金属イオンを、イオン交換反応
で担持したものである。もう1つは、水溶性ガラス中に
オリゴジナミー金属イオンを溶解させたものである。前
者のイオン交換担持のものは、イオン交換体に担持され
たオリゴジナミー金属イオンが、抗菌,防カビ性を発揮
し,そして,後者の水溶性ガラス中に溶解させたもの
は、ガラスの溶解に伴って放出されたオリゴジナミー金
属イオンが、抗菌、防カビ性を発揮すると考えられる。
問題点は、銀イオンを含有した場合、これの溶出に伴
い、色が変化することにある。無機物イオン交換体に水
溶液反応で担持された銀イオンは、担持の結合力が弱い
ため、溶出し、変色する。この改善のために、イオン交
換体を高温で処理すれば、結合力が強くなり、変色はや
や小さくなるが、未だ十分なものではない。更に、水溶
性ガラスに銀イオンを溶解させたものは、ガラスの溶解
に伴い銀イオンを溶出するため、変色を避け得ないもの
である。
記のような種々の問題を解決するために発明されたもの
であり、ここで、銀等の金属イオンを無機物イオン交換
体に、従来よりも強固に結合させることができれば、変
色はほとんど認められなくなると考えられることに基づ
いて、無機物イオン交換体に、強固に、銀を始めとする
オリゴジナミー効果を有する金属イオンを固定できる抗
菌、防カビ剤の組成物、並びに、その製造方法を提供す
ることを目的とする。
な課題を解決するために、銀を担持させたCaとPのモ
ル比がCa/P=1.5〜1.7であるリン酸カルシウ
ムとガラス相から構成され、銀の含有量が、0.01〜
10重量%であり、リン酸カルシウムの含有量が、1〜
50重量%であることを特徴とする抗菌、抗カビ剤を提
供する。そして、リン酸カルシウムにフッ素を含有させ
たものが好適である。更に、本発明は、CaとPのモル
比がCa/P=1.5〜1.7であるリン酸カルシウム
に、銀を水溶液中で担持させ、銀の含有量が、0.01
〜10重量%になり、リン酸カルシウムの含有量が、1
〜50重量%であり、残りがガラス粉となるように、銀
を担持させたリン酸カルシウムとガラス粉とを混合し、
この混合物を700℃以上の高温に加熱して、ガラス成
分が流動化するようになった後、この混合物を急冷して
得ることを特徴とする抗菌、抗カビ剤の製造方法であ
り、また、CaとPのモル比がCa/P=1.5〜1.
7であるリン酸カルシウム、銀化合物、ガラス粉を、銀
含有量が、0.01〜10重量%、リン酸カルシウムの
含有量が、1〜50重量%であり、残りがガラス粉とな
るように混合し、この混合物を700℃以上の高温に加
熱して、リン酸カルシウムに銀を担持させ、ガラス成分
が流動化するようになった後、この混合物を急冷して得
ることを特徴とする抗菌、抗カビ剤の製造方法である。
そして、リン酸カルシウムに、3〜4重量%のフッ素を
含有させた抗菌、抗カビ剤の製造方法が好適である。
通りある。その1つは、リン酸カルシウムに先ず銀等の
金属を担持させるものである。即ち、リン酸カルシウム
と水溶性銀化合物、例えば、AgNO3又はAgFを水
溶液中で混合する。次に、これとガラス粉を混合する。
ガラス粉の組成に特に限定はないが、ホウケイ酸塩ガラ
スのフリットが、溶融時の流動性が良いために、好適で
ある。これらの混合物を、700℃以上の高温に、好適
には、1000〜1200℃の温度に加熱して、ガラス
成分を充分に溶解し、流動化せしめる。この後、これを
急冷し、好適には水中に急冷すると、抗菌、防カビ剤が
得られる。この抗菌、防カビ剤は、必要に応じて微粉砕
して使用する。
くとも1つの金属の含有量が、0.01〜10重量%の
範囲である。0.01重量%未満では、充分な効果が得
られず、10重量%を超えると、変色性が生じることと
なる。リン酸カルシウムの含有量は、1〜50重量%が
好適である。1重量%未満では、抗菌、防カビ効果が充
分でなく、50重量%を超えると、変色するためであ
る。また、リン酸カルシウムの組成は、CaとPのモル
比が、Ca/P=1.5〜1.7が好適である。これ
に、更に、3〜4重量%のフッ素を含有させると、好適
である。
ム、銀等の化合物(例えば、リン酸銀、塩化銀)、ガラ
ス粉(好適には、ホウケイ酸ガラスのフリットで、10
00〜1200℃で流動化するもの)を混合し、700
℃以上の高温に加熱して、ガラス粉を溶融、流動化せし
め、これを急冷し、好適には水冷するものである。
鉛の金属成分の役割は、抗菌、防カビ性の発現であり、
リン酸カルシウムの役割は、銀等の金属の担持体になる
ことである。また、ガラス相の役割は、銀等の金属が、
リン酸カルシウムに担持されるのを助ける溶媒になるこ
とである。
も、銀等の金属を担持することができるが、これでの結
合力が小さいため、銀等の金属が遊離しやすく、変色し
易くなる。然し乍ら、本発明の抗菌、防カビ剤のよう
に、溶融したガラス中で担持させると、結合力が大きく
なり、銀等の金属が、遊離し難くなるために、変色し難
くなる。
は、本質的に異なり、ガラス溶融液中で、イオン交換反
応を起こし、強固な結合力を得るためのものである。こ
のように、本発明の抗菌、防カビ剤の特徴は、ガラス溶
融液中で、銀等の金属イオンを無機物イオン交換体に担
持させることにより、変色しない抗菌、防カビ剤を得る
ことができる。
ー効果は、これの溶出に伴って発現するものではない。
即ち、担持された状態の銀イオン等の金属イオンを、触
媒として活性酸素が生成され,その活性酸素が存在する
と、オリゴジナミー効果が発現するものである。従っ
て、本発明の抗菌,防カビ剤のように、溶出しない銀イ
オン等の金属イオンを担持している無機物イオン交換体
であっても、抗菌、防カビ効果を発揮することが可能で
ある。
するが、本発明はそれらによって限定されるものではな
い。
酸カルシウムを合成した。Ca/Pモル比は、1.5と
1.67とした2種類のものを作成した。また、1.6
7のものには、フッ素を4重量%(NaF添加による)
添加したものも作成した。
を担持させた。担持法は、リン酸カルシウム水懸濁液中
に、硝酸銀を添加し、24時間撹拌処理して行なった。
銀の担持量は、固形分に対して1重量%とした。
カルシウムに、各々、リン酸銀を、リン酸カルシウムに
対して銀が1重量%になる配合で、そして、ホウケイ酸
ガラスのフリットを、リン酸カルシウムの4倍量添加
し、ボールミルで混合した(直接混合法)。更に、水溶
液中銀担持法で作成した3種の銀担持のリン酸カルシウ
ムに、各々、ホウケイ酸ガラスのフリットを、リン酸カ
ルシウムの4倍量添加し、ボールミルで混合した。
加熱して、ガラス成分混合物を溶融した。この溶融物を
水中に投下して冷却した。得られた固化物は、ボールミ
ルで平均粒子径10μmに粉砕した。
験法は、粉体試料1gを、100gのアクリル エマル
ジョン樹脂に練り込み、太陽光を24時間照射し、目視
で変色を観察した。この試験法では、銀が溶出し易い抗
菌、防カビ剤では、試験すると変色するものである。試
験の結果は、表1に示す。
であって、本発明の目的にかなうものであれば、使用す
る原料、作成法、作成過程など種々を組合わせたり、異
なるものを用いても良い。
カビ剤及びその製法及びそれを用いた構造により、次の
ような顕著な技術的効果が得られた。無機物イオン交換
体に強固に、銀を始めとするオリゴジナミー効果を有す
る金属イオンを固定できる抗菌、防カビ剤の組成物並び
に、その製造方法を提供した。即ち、銀等の金属イオン
を無機物イオン交換体に、従来よりも強固に結合させる
ことができ、変色はほとんど認められなくなる、抗菌、
防カビ剤及びその製法を提供する。
Claims (6)
- 【請求項1】 銀を担持させたCaとPのモル比がC
a/P=1.5〜1.7であるリン酸カルシウムとガラ
ス相から構成され、銀の含有量が、0.01〜10重量
%であり、リン酸カルシウムの含有量が、1〜50重量
%であることを特徴とする抗菌、抗カビ剤。 - 【請求項2】 前記リン酸カルシウムにフッ素を含有
させたことを特徴とする請求項1に記載の抗菌、抗カビ
剤。 - 【請求項3】 CaとPのモル比がCa/P=1.5
〜1.7であるリン酸カルシウムに、銀を水溶液中で担
持させ、銀の含有量が、0.01〜10重量%になり、
リン酸カルシウムの含有量が、1〜50重量%であり、
残りがガラス粉となるように、銀を担持させたリン酸カ
ルシウムとガラス粉とを混合し、この混合物を700℃
以上の高温に加熱して、ガラス成分が流動化するように
なった後、この混合物を急冷して得ることを特徴とする
抗菌、抗カビ剤の製造方法。 - 【請求項4】 CaとPのモル比がCa/P=1.5
〜1.7であるリン酸カルシウム、銀化合物、ガラス粉
を、銀含有量が、0.01〜10重量%、リン酸カルシ
ウムの含有量が、1〜50重量%であり、残りがガラス
粉となるように混合し、この混合物を700℃以上の高
温に加熱して、リン酸カルシウムに銀を担持させ、ガラ
ス成分が流動化するようになった後、この混合物を急冷
して得ることを特徴とする抗菌、抗カビ剤の製造方法。 - 【請求項5】 前記のリン酸カルシウムに、3〜4重
量%のフッ素を含有させたことを特徴とする請求項3に
記載の抗菌、抗カビ剤の製造方法。 - 【請求項6】 前記のリン酸カルシウムに、3〜4重
量%のフッ素を含有させたことを特徴とする請求項4に
記載の抗菌、抗カビ剤の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP09140793A JP3251376B2 (ja) | 1993-04-19 | 1993-04-19 | 抗菌、防カビ剤及びその製法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP09140793A JP3251376B2 (ja) | 1993-04-19 | 1993-04-19 | 抗菌、防カビ剤及びその製法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06298616A JPH06298616A (ja) | 1994-10-25 |
JP3251376B2 true JP3251376B2 (ja) | 2002-01-28 |
Family
ID=14025532
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP09140793A Expired - Fee Related JP3251376B2 (ja) | 1993-04-19 | 1993-04-19 | 抗菌、防カビ剤及びその製法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3251376B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4387097B2 (ja) * | 2002-11-29 | 2009-12-16 | 株式会社シナネンゼオミック | コンクリート用抗菌剤、コンクリート組成物及びコンクリート製品 |
CN116143417B (zh) * | 2023-04-18 | 2023-09-01 | 山东孟友新材料科技有限责任公司 | 一种能与玻璃一同钢化制得钢化玻璃用纳米无机抗菌剂及其制备方法 |
CN116143418B (zh) * | 2023-04-21 | 2023-08-18 | 山东孟友新材料科技有限责任公司 | 一种抗菌钢化玻璃及其制备方法 |
-
1993
- 1993-04-19 JP JP09140793A patent/JP3251376B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06298616A (ja) | 1994-10-25 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JPH05124919A (ja) | 抗菌性セラミツクス | |
DE4232494A1 (de) | Granulatfoermige bleich-aktivator-zusammensetzung und verfahren zu ihrer herstellung | |
JPWO2005087675A1 (ja) | 抗菌性ガラスおよび抗菌性ガラスの製造方法 | |
EP0035353B2 (en) | Highly filled crosslinkable emulsion polymer compositions | |
US3682668A (en) | Organic-inorganic silicate binder for refractory processes | |
JP3251376B2 (ja) | 抗菌、防カビ剤及びその製法 | |
WO2018012352A1 (ja) | 歯科用ガラス、歯科用組成物 | |
JPH08133918A (ja) | 無機系抗菌剤 | |
JPS61120829A (ja) | 殺生物性ペースト配合物 | |
CA1164250A (en) | Process for the production of aluminium alloys | |
CN100389220C (zh) | 一种铝、硅、磷中间合金的制备方法 | |
JP3271888B2 (ja) | 抗菌性を有するポリカーボネート樹脂製品 | |
JP2762423B2 (ja) | 抗菌性セラミックス材料 | |
EP0032532B1 (de) | Phosphatzement | |
DE2239102C3 (de) | Granulierte Formmasse | |
JP3174642B2 (ja) | ケイ酸亜鉛系抗菌剤 | |
JPH06256052A (ja) | 防藻・防カビ・防菌効果を有する水硬性セメント組成物 | |
JP2000256102A (ja) | 抗菌材及びその製造方法 | |
JPH0464440B2 (ja) | ||
JP4059326B2 (ja) | 無機系抗菌剤 | |
US4415468A (en) | Deodorization of N-vinyl monomers | |
JP2009023959A (ja) | 銀担持難溶性オルトリン酸複塩微粒子の水系懸濁液、及び、その製造方法、並びに、抗菌性水性塗料組成物、及び、抗菌性機能を有する塗装品 | |
CA1222401A (en) | Admix dental alloy and amalgam | |
JPH05154A (ja) | 抗菌性セラミツクス材料 | |
JPH08165213A (ja) | 抗菌剤 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071116 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081116 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081116 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091116 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091116 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101116 Year of fee payment: 9 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101116 Year of fee payment: 9 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111116 Year of fee payment: 10 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111116 Year of fee payment: 10 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121116 Year of fee payment: 11 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |