JP3250808B2 - ポリスルホン製多孔質膜及びその製法 - Google Patents
ポリスルホン製多孔質膜及びその製法Info
- Publication number
- JP3250808B2 JP3250808B2 JP50066696A JP50066696A JP3250808B2 JP 3250808 B2 JP3250808 B2 JP 3250808B2 JP 50066696 A JP50066696 A JP 50066696A JP 50066696 A JP50066696 A JP 50066696A JP 3250808 B2 JP3250808 B2 JP 3250808B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- polysulfone
- membrane
- porous membrane
- weight
- water
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)
Description
来る多孔質膜にして、分離層として機能する緻密層と、
その緻密層と一体を為し、その中に存在する孔の孔径が
緻密層側からその反対表面に向けて順次大きくなってい
る傾斜型孔径分布を有する支持層とからなる非対称ポリ
スルホン製多孔質膜及びその製法に関するものである。
本発明は、特に、親水化処理をせずに乾燥膜状態から使
用することができ、透水速度が大きく、耐湿熱性に優
れ、再通水性(一度水を通した後、膜を乾燥し、再度通
水した時の透水性)に優れた、特に熱水の再通水性に優
れた、非対称ポリスルホン製多孔質膜及びその製法に関
する。
分離膜の開発が進められており、特にポリスルホン製多
孔質膜が注目を集めている。耐熱性樹脂として、式
(1)で示されるポリスルホンや、式(2)で示される
ポリエーテルスルホンを用いた耐熱性ポリスルホン多孔
質膜の発明が日本特開昭63−99325号公報、特開平5−1
37982号公報に示されている。
リスルホン製多孔質膜は透水性はかなり良好であるが、
高温高圧下での湿熱処理により破断したり、形態変化が
起こり、分離膜として使用できなくなるという難点があ
る。
エーテルスルホン製多孔質膜は再通水性や耐湿熱特性は
比較的良好であるという特徴を有しているものの、その
透水速度は2L/m2・hr・mmHg以下と極めて低く限外濾過
膜や精密濾過膜としての性能は充分なものではない。
発明が、日本特開平1−184001号公報に示されている。
このポリアリルスルホン製多孔質膜は極めて高い耐湿熱
特性を有しているが、透水速度が2L/m2・hr・mmHg以下
と小さく、親水性に乏しいという難点がある。
物より構成された多孔質膜の発明が日本特開昭54−1444
56号公報、特開昭62−221402号公報に示されている。こ
の型のポリスルホン製多孔質膜は比較的高い透水速度を
有しているが、耐湿熱性が十分ではなく、80℃以上の熱
水を長時間通水すると透水速度が急激に低下するという
難点があり、また、機械的強度も十分でなく、その取扱
性は満足できるものではない。
する多孔質膜は、その材質自体が疎水性であるため、湿
式賦形法により膜の製造を行う際、原液に多量のポリエ
チレングリコール、ポリビニルピロリドン等の親水性添
加剤を添加して、凝固による多孔化を行ったり、また後
にこれら親水性添加剤を架橋したり、あるいは多孔化を
行った後に親水性の高分子を膜表面に被覆し、その膜表
面に保持させることにより、膜の親水化を行っていた。
ような処理を行うことにより、膜の平衡水分率を2重量
%を越えるものとすることが必要である。
は膜表面に多量の親水性添加剤、あるいは親水性の高分
子等が保持されているため、膜の使用時に、これらの親
水性添加剤、あるいは親水性の高分子が溶出してくると
いう問題があった。
水速度を向上させるために、膜の厚みを薄くしたり、空
孔率を向上させる必要があるが、かかる操作を行うと膜
の機械的特性(破断強度及び破断伸度)が低下するた
め、膜の取扱い性が悪くなり、工程通過性が悪くなると
いう不都合があった。
優れ、親水処理を行う必要がなく、再通水性が良好で、
機械的強度にも優れたポリスルホン製多孔質膜を得るべ
く種々検討した結果、式(3)で表されるポリアリルス
ルホンと式(2)で表されるポリエーテルスルホンとを
特定の重量比で配合した樹脂混合物より所望のポリスル
ホン製多孔質膜が製造できることを見出し、本発明を完
成した。
スルホンとが9/1〜1/9(重量比)なる混合ポリマーにて
構成され、多数の微細孔が膜の一表面から他表面に向け
て連通して網目状ポリマーネットワーク構造を形成して
いる傾斜型多孔質膜であり、孔径0.01〜1μmの孔を多
数有し分離機能を有する緻密層と、該緻密層を支持し、
その中に存在する1〜100μmの径を有する孔が緻密層
側から他面側に向けて連続して孔径が大きくなる孔径分
布を有する傾斜型支持層の2層から構成され、膜の分画
粒子径が0.5μm以下であることを特徴とするポリスル
ホン製多孔質膜及びその製法にある。
ホン(以下、PASと略する)とポリエーテルスルホン
(以下、PESと略する)の組成比を重量比でPAS/PES=9/
1〜1/9、好ましくは7/3〜3/7とすることにより、その透
水速度を特に7L/m2・hr・mmHg以上と高いものとするこ
とができ、また、耐湿熱特性が良好であり、80℃以上の
熱水を長時間通水した場合においてもその透水性は良好
に保たれたものとすることができる。乾燥状態の膜に通
水する時の透水圧も0.5kg/cm2以下と極めて低いものと
することができるという大きな特徴を有している。
合物より作られたポリスルホン製多孔質膜は、耐湿熱特
性が悪く、かつ、80℃以上の熱水を長時間通水するとそ
の透水性能が急激に低下するので好ましくない。
ホン混合物にて作られたポリスルホン膜は透水性が十分
ではなく、特に乾燥状態の膜に通水する時の透水圧が高
くなる傾向がある。
過膜としての諸性能を損うものでない限り如何なるもの
でも良く、例としては、グリセリンなどのアルコール
類、塩化リチウムなどの無機塩類、ポリビニルピロリド
ン、ポリエチレングリコールなどの親水性高分子類等が
挙げられる。
どにおいてはこれらに対する注意を要する。
量が多い方が良く、80重量%以上であることが望まし
い。
〜1μmの孔を多数有する網目状ポリマーネットワーク
構造を形成している緻密層にて構成される。この緻密層
は多孔質膜の分離特性を支配しており、本発明の膜にお
いては分画特性が0.5μm以下、特に0.2μm以下なる特
性を有している。緻密層中に存在する微孔の孔径が0.01
μm未満なるものは、その透水性が十分ではなく、一方
緻密層中の微孔の孔径が1μmを越えて大きくなると、
その分画特性が急激に低下するようになるので好ましく
ない。この分離層の厚さは本発明の多孔質膜の分画特性
を良好に保ち、かつ、透水速度が大きなものとする為に
は、1〜50μの厚さとするのがよい。あまり薄い緻密層
はピンホールの発生原因ともなり、好ましくない。
いる。この支持層では、孔径1〜100μmの孔が分離層
に接する側から他面に向かってその孔径が連続して増大
する網目状ポリマーネットワーク構造を形成している。
緻密層と支持層をこのような膜構造とすることにより膜
の機械的強度を十分高いものとなし得ている。この支持
層の厚さは耐圧強度を付与させるために30〜1000μであ
ることが好ましい。
求めた透水性指標は、70%以上、好ましくは80%以上と
極めて高いので、従来のポリスルホン製多孔質膜の如く
親水化剤で処理をした膜(湿潤膜)として取り扱う必要
もないので、その取扱性が極めて良い。
り、膜をエタノールやエチレングリコール、グリセリン
等の親水化剤で処理しない膜(乾燥膜)でも差圧2kg/cm
2で透水したときの透水速度が7L/m2・hr・mmHg以上と極
めて高く優れた透水性を備えたものとなっている。従っ
て、従来のポリスルホン製多孔質膜の如く、親水化処理
をする必要もなく、使用中に親水性添加剤の溶出という
問題が生じないという大きな利点を有している。
の中に定義する膜の湿熱処理後の破断伸度維持率が70%
以上、好ましくは80%以上と極めて高く、従来開発され
てきたポリスルホン製多孔質膜の耐湿熱特性をしのぐも
のとなっている。
を採用しても良いが、空孔率が高くかつ膜断面方向に非
対称な多孔質構造を形成させる点において、ポリマー原
液からの湿式賦形が好ましい。
は、平膜状にする場合も中空糸膜状にする場合もそれぞ
れ公知の方法を用いることができる。前者の場合は、例
えば平板上に原液を吐出してキャストし、次いで外部凝
固液中に浸漬して製膜する。また後者の場合は、例えば
二重環状鞘・芯型ノズルの鞘側より原液を、芯側より内
部凝固液をそれぞれ吐出し、エア・ギャップを設け(乾
湿式紡糸)または設けないで(湿式紡糸)外部凝固液中
に導き多孔質の中空糸膜構造を形成させる。
きに平板に接触する表面と他方の空気に触れる表面で原
液中の溶媒の揮発挙動が異なり、外部凝固液中で凝固さ
れたときに、非対称の膜構造を形成する。中空糸膜の場
合は、内部凝固液と外部凝固液の中にそれぞれ存在する
ポリスルホンの良溶媒の比を変えることにより、非対称
の膜構造を形成する。
重量%以下、好ましくは30〜60重量%であるポリスルホ
ンの良溶媒と水との混合溶液を用いる。ポリスルホンの
良溶媒としてはジメチルアセトアミド、N−メチルピロ
リドン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド
等を用いることができる。
ps以上の原液を用いると、安定して原液の吐出を行うこ
とができ、紡糸時の糸切れの発生を防止することができ
る。更に好ましくは、吐出時の粘度を1000〜30000cpsの
原液を用いると、より安定した原液の吐出が可能とな
り、得られるポリスルホン膜の膜厚を均一なものとし、
更に、膜断面の傾斜構造を所定の構造のものとすること
ができる。原液の粘度を30000cpsより高くするために
は、過剰のPVPを添加する必要があり、そのため膜を構
成するポリスルホンの含有量が低下し、凝固された膜が
紡糸張力に耐えられず糸切れが多発するため、好ましく
ない。原液の粘度を200cps以上に調整するには、ポリビ
ニルピロリドン(以下、PVPと略する)を原液中に1〜1
0重量%、より好ましくは3〜7重量%なる割合で加え
るのが良い。更に好ましくは次式(4)により測定した
異なるK値を有する2種以上のPVPを原液中に加えるの
がよい。
る紡糸性の安定化をはかれ、他方、低分子量のPVPを用
いると膜性能の向上、特に高透水速度が実現される。そ
こで、K値が50以上の比較的高い分子量のPVPと高分子
量PVPのK値よりも30以上低いK値を有する低分子量PVP
を併用して用いたところ、得られた原液の製膜安定性が
向上し、製膜工程での糸切れや膜厚斑の発生を防止する
ことができた。また、該原液より作った本発明のポリス
ルホン製多孔質膜は、特に膜が中空糸膜の場合、その形
態が安定しており、膜断面構造も均一なものが得られ
る。またかかるPVP混合物を用いた原液より得られる膜
は、透水速度を良好なものとすることができる。K値の
高いPVPとK値の低いPVPとの混合比は重量比で1/30〜1/
1なる割合で用いるのがよい。
ポリスルホン膜はその使用時に該ポリマーが濾液中に溶
出する場合があり好ましくないので、本発明においては
ポリスルホン膜中へのPVPの含有量は2重量%以下とす
ることが好ましい。
スルホン膜を150℃以上で2時間以上熱処理して架橋す
る方法、ポリスルホン膜に放射線、特にγ線を照射し架
橋する方法によりPVPを架橋処理するのがよい。特に、
ポリスルホン膜内に抗酸化剤、例えばピロ亜硫酸ナトリ
ウム含有水を含浸させた状態で放射線照射処理すること
により、ポリスルホン膜にダメージを与えることなくPV
Pを架橋させることができる。
リメタクリル酸等のポリカルボン酸溶液に浸漬し熱処理
することにより、水溶性のPVP複合体に変性する方法も
用い得る。
ルホン製多孔質膜において必要とされていた如く、膜の
平衡水分率を2重量%を越えるものとする必要がない。
よって、水溶性高分子を多量に膜に残存させる必要がな
く、よって水溶性高分子が膜使用時に溶出してくるとい
った不都合がない。
ホンの良溶媒含量70重量%以下の、より好ましくは30〜
60重量%の水溶液を用いることにより、本発明の傾斜膜
構造のポリスルホン膜を効率よく作ることができる。
には、内部凝固液(芯凝固液)としてポリスルホンの良
溶媒含量90重量%以下の、より好ましくは40〜70重量%
の水溶液を用いるのがよい。好ましくは、外部凝固液に
おけるポリスルホンの良溶媒の含量が、内部凝固液にお
けるポリスルホンの良溶媒の含量よりも低くなるような
凝固条件を用いると、外表面に緻密層が形成され、その
内側に、緻密層から内表面に向かって連続して孔径が大
きくなる孔径分布を有する傾斜型支持層とからなる多孔
質中空膜を、より安定して製造することができる。
透水性の高い多孔質膜を得ることができる。紡糸法とし
て乾湿式紡糸法を用いることにより、より所望する膜断
面構造を有する本発明のポリスルホン製多孔質膜を作る
ことができる。乾湿式紡糸法を実施する際に用いるエア
ギャップは1〜50mmとするのがよい。乾湿式紡糸法を用
いる場合、雰囲気の湿度及び温度をコントロールするこ
とにより得られる膜の断面構造を更に効率よくコントロ
ールすることができる。
る。主原料ポリマー以外の成分を原液や凝固液に添加し
た場合、これらの残留を最小限に抑えるため洗浄を強化
することが望ましい。
000) PES:ポリエーテルスルホン(帝人アモコ社製RADEL A
−100) PVP:ポリビニルピロリドン(ICI社製K−15(K値1
5)、K−30(K値30)、K−60(K値60)、K−90
(K値90)、K−120(K値120) 評価方法は以下のように行った。
日間浸漬した。膜試料の熱水処理前後の引張り試験を行
い、破断伸度の維持率を次式により求めた。なお、破断
伸度の測定は下記7)方法で測定した。
ホルダー(UHP−43、アドバンテック社製)にセットし
たものを、試料が中空糸膜の場合は有効長約70mmのミニ
モジュールを用意し、膜をエタノールに十分浸漬した
後、このエタノールを水に置換する膜の親水化処理を行
った。このものに差圧2kg/cm2(中空糸は外側から加
圧)にて通水し、加圧開始後1分から2分の間の透水量
を測定し、透水速度(L/m2・hr・mmHg)を求めた。
以外は全て2)と同様にして求めた親水化膜(湿潤膜)
の透水速度と、親水化処理をしない膜(乾燥膜)の差圧
0.5kg/cm2にて測定した透水速度より、次式に従って透
水性指標を求めた。
膜表面及び断面を観察し、表面孔径及び内部構造(空孔
径等)を調べた。
ダーまたはモジュールを用意し、0.1重量%のポリスチ
レンユニフォームラテックス分散液(ダウケミカル製)
を、差圧0.7kg/cm2にて有効膜面積100cm2あたり10mと
なるように濾過し、濾液の吸光度測定値から特定粒子径
のポリスチレンラテックスの透過量を求め、これから膜
のラテックス粒子阻止率を算出し、阻止率が95%以上と
なる粒子径を、膜の分画粒子径とした。
膜に通水して透水速度を測定し、また、未使用乾燥膜の
透水速度を測定し、その値を比較して判断した。測定結
果は、◎は良好、○はほぼ良好、×は低下である。
定した。
速度20mm/分の条件で引張試験を行い、膜を破断した時
の強度及び伸度を5回測定し、その平均値を各々破断強
度、破断伸度とした。
ン系ポリマーを溶媒ジメチルアセトアミド(以下、DMAc
と略する)に、総ポリマー濃度12重量%となるように溶
解した原液を用い、これらをそれぞれ平板上に175μm
の厚さにキャスト後、直ちにDMAc/水=50重量%/50重量
%、温度は30℃なる外部凝固液中に浸漬し凝固膜を得
た。この凝固膜は引き続き温水にて洗浄して脱溶剤処理
を施した後、熱風乾燥した。
(バブルポイント法)した。これらの膜の透水速度及び
透水性指標を測定し表1−2に示した。いずれも高い透
水速度を示し、かつ、親水処理を施していない乾燥膜で
も低い差圧で通水可能であった。また、膜の透水処理に
よって得られた濾液中には膜素材に由来する溶出成分は
検出されなかった。
面に無数の孔径約0.1〜0.2μmの細孔が確認された。膜
の断面を観察したところ、緻密な表面から内部にかけて
徐々に粗いネットワークとなる網目状の孔径0.1〜1μ
mの孔を有する緻密層が見られた。
ては緻密層より粗い網目状構造で直径約1〜70μmの空
孔を含む支持層となっている非対称構造が観察された。
系ポリマーをDMAcにポリマー濃度12重量%となるように
溶解した原液を用いて、実施例1と同様な方法にて製膜
し、得られた膜のポリマー組成、透水速度及び透水性指
標を表2−2に示した。
1L/m2・hr・mmHg以下と極めて低く、親水処理を施さな
い膜はほとんど通水が不可能であり、かつ、透水性指標
が15%以下と極めて不良なものであった。
Acにポリマー濃度13重量%となるように溶解した原液を
二重環状鞘・芯型ノズルの鞘側から、内部凝固液(重量
比でDMAc/水=70/30)を芯側からそれぞれ吐出し、空中
を10mm通過せしめた後に50℃に保温した外部凝固液(重
量比でDMAc/水=60/40)中に導き、湿式凝固を行った。
このものを80℃の熱水にて24時間洗浄し溶剤を除いた後
に、熱風乾燥を行い、PAS/PES=54/46(重量比)からな
る中空糸膜を得た。
細な網目層有する非対称構造であった。外表付近の緻密
層には直径約0.1〜1μmの細孔が無数に存在し、外表
から内部に向かって徐々に孔径が粗くなる網目状の層で
あった。
ネットワークからなる孔径が内表面にいくに従って大き
くなる網目構造の支持層であって、直径約1〜20μ程度
の比較的大きな空孔が見られた。またこの膜中にはバブ
ルポイント法で測定した5μ以上のピンホールは見られ
なかった。
親水処理をすることなく乾燥状態から通水可能であり、
乾燥膜/親水化膜の透水性指標も78%と高いものであっ
た。更に、再通水性試験を行ったが通水特性に変化は見
られなかった。
後の破断伸度維持率は90%と高く、優れた耐湿熱特性を
示した。
Acに加熱溶解した。この溶液を紡糸原液として二重環状
鞘・芯型ノズルの鞘側から、また60重量%のDMAc水溶液
を内部凝固剤として芯側から吐出し一旦空中を20mm通過
した後に、70℃に保温した40重量%のDMAc水溶液である
外部凝固液に導いて引き取る乾湿式紡糸法によって中空
糸膜を得た。これを80℃の熱水で24時間洗浄し溶剤を除
いた後に熱風乾燥を行い、PAS/PES=50/50(重量比)か
らなる中空糸膜を得た。
Hgであった。また、この時の耐湿熱性試験による破断伸
度維持率は85%であり、透水性指標は95%であった。
量%、4.0重量%のPVP(K90)、PVP(K30)を80.7重量
%のDMAcに加熱溶解した。この溶液を紡糸原液とし、内
部凝固液を70重量%のDMAc水溶液とした他は、実施例3
と同様の紡糸、洗浄、乾燥方法によって中空糸膜を得
た。得られた中空糸膜の組成はおよそPAS/PES/PVP=59/
40/1(重量比)であった。
た。またこのときの耐湿熱性試験による破断伸度維持率
は82%であり、透水性指標は90%であった。
原液組成を変えた他は、実施例5と同様の紡糸、洗浄、
乾燥方法によって中空糸膜を得た。
たものであった。
(K90)及びPVP(K30)をそれぞれ0.5重量%、3.0重量
%溶解した原液を用い、実施例3と同様の方法で中空糸
膜を製造した。なお、内部凝固液はDMAc/水=70重量%/
30重量%、外部凝固液はDMAc/水=40重量%/60重量%、
温度70℃とした。
回数は3回であり、安定した製膜が可能であった。得ら
れた中空糸膜の断面における膜厚班は小さく形態の整っ
たものであった。
水性、並びに耐湿熱性を示した。
にPVP(K90)4.8重量%を溶解した原液を用い、実施例
3と同様の方法で中空糸膜を製造した。なお、内部凝固
液はDMAc/水=65重量%/35重量%、外部凝固液はDMAc/
水=40重量%/60重量%、温度70℃とした。
回数は1回であり、安定した製膜が可能であった。得ら
れた中空糸膜の断面における膜厚班は小さく形態の整っ
たものであった。
水性、並びに耐湿熱性を示した。
原液組成を変え、また、内部凝固液及び外部凝固液組成
・温度を適切な条件に変えた他は、実施例2と同様の紡
糸、洗浄、乾燥方法によって中空糸膜を得た。
あっても、全ての性能を満足することはできなかった。
性、透水性を発揮する多孔質膜を用いることにより、高
い透水性能を要求する熱水濾過、高圧蒸気滅菌処理など
に連続して使用することが可能となる。
Claims (17)
- 【請求項1】ポリアリルスルホンとポリエーテルスルホ
ン9/1〜1/9(重量比)なる混合ポリマーにて構成され、
多数の微細孔が膜の一表面から他表面に向けて連通して
網目状ポリマーネットワーク構造を形成している傾斜型
多孔質膜であり、孔径0.01〜1μmの孔を多数有し分離
機能を有する緻密層と、該緻密層を支持し、その中に存
在する1〜100μmの径を有する孔が緻密層側から他面
側に向けて連続して孔径が大きくなる孔径分布を有する
傾斜型支持層の2層から構成され、膜の分画粒子径が0.
5μm以下であることを特徴とするポリスルホン製多孔
質膜。 - 【請求項2】エタノールにより親水化処理をした湿潤膜
について差圧0.5kg/cm2なる条件下で測定した場合の膜
の透水速度と、親水化処理をしない乾燥膜について同じ
条件下で測定した場合の透水速度とを測定し、次式によ
り求めた透水性指標が70%以上であることを特徴とする
請求項1記載のポリスルホン製多孔質膜。 - 【請求項3】次式により算出した膜の伸度維持率が70%
以上なる請求項1又は2記載のポリスルホン製多孔質
膜。 (湿熱処理条件はポリスルホン製膜をオートクレーブで
21日間150℃で加圧熱水処理) - 【請求項4】膜の分画粒子径が0.2μm以下であること
を特徴とする請求項1記載のポリスルホン製多孔質膜。 - 【請求項5】差圧2kg/cm2なる条件下で測定した場合の
膜の透水速度が7L/m2.hr.mmHg以上であることを特徴と
する請求項1記載のポリスルホン製多孔質膜。 - 【請求項6】膜中のポリビニルピロリドン含有量が2重
量%以下であることを特徴とする請求項1記載のポリス
ルホン製多孔質膜。 - 【請求項7】膜の平衡水分率が2重量%以下であること
を特徴とする請求項1又は6記載のポリスルホン製多孔
質膜。 - 【請求項8】膜の破断強度が40kg/cm2以上であり,か
つ、膜の破断伸度が20%以上であることを特徴とする請
求項1記載のポリスルホン製多孔質膜。 - 【請求項9】ポリアリルスルホンとポリエーテルスルホ
ンとの9/1〜1/9(重量比)の混合物を樹脂量10〜30重量
%なるように混合したドープを、ポリスルホンの良溶媒
の比が70重量%以下であるポリスルホンの良溶媒と水と
の混合溶液から成る外部凝固液中で湿式賦形することを
特徴とするポリスルホン製多孔質膜の製法。 - 【請求項10】前記ドープを平板上にキャストし、つい
で、外部凝固液中で凝固させ平膜を製造することを特徴
とする請求項9記載のポリスルホン製多孔質膜の製法。 - 【請求項11】二重環状鞘・芯型ノズルを使用し、該ノ
ズルの鞘側から前記ドープを、芯側からポリスルホンの
良溶媒の比が90重量%以下であるポリスルホンの良溶媒
と水との混合溶液から成る内部凝固液をそれぞれ吐出し
前記外部凝固液中で凝固して中空糸膜を製造することを
特徴とする請求項9記載のポリスルホン製多孔質膜の製
法。 - 【請求項12】外部凝固液中のポリスルホンの良溶媒の
比が、内部凝固液中のポリスルホンの良溶媒の比より小
さいことを特徴とする請求項11記載のポリスルホン製多
孔質膜の製法。 - 【請求項13】前記原液の粘度が200cps以上であること
を特徴とする請求項11または12に記載のポリスルホン製
多孔質膜の製法。 - 【請求項14】前記ドープの粘度が1000〜30000cpsであ
ることを特徴とする請求項11または12に記載のポリスル
ホン製多孔質膜の製法。 - 【請求項15】ポリアリルスルホンとポリエーテルスル
ホンとのポリスルホン混合物にポリビニルピロリドンを
ポリスルホン混合物/ポリビニルピロリドン=90/10〜6
0/40(重量比)なる範囲で加えることを特徴とする請求
項9ないし12項のいずれか1項に記載のポリスルホン製
多孔質膜の製法。 - 【請求項16】製膜後に、膜の洗浄を行うことにより、
膜中のポリビニルピロリドンの含有率を2重量%以下と
することを特徴とする請求項15に記載のポリスルホン製
多孔質膜の製法。 - 【請求項17】膜の平衡水分率が2重量%以下であるポ
リスルホン多孔質膜とすることを特徴とする請求項9な
いし12項のいずれか1項に記載のポリスルホン製多孔質
膜の製法。
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6-125559 | 1994-06-07 | ||
JP06125559 | 1994-06-07 | ||
PCT/JP1995/001097 WO1995033549A1 (fr) | 1994-06-07 | 1995-06-05 | Membrane poreuse a base de polysulfone et procede de production de cette membrane |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP3250808B2 true JP3250808B2 (ja) | 2002-01-28 |
Family
ID=26436270
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP50066696A Expired - Fee Related JP3250808B2 (ja) | 1994-06-07 | 1995-06-05 | ポリスルホン製多孔質膜及びその製法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3250808B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2021504522A (ja) * | 2017-11-27 | 2021-02-15 | エボニック オペレーションズ ゲーエムベーハー | フォーム用のベースとしてのpes−ppsuブレンド |
-
1995
- 1995-06-05 JP JP50066696A patent/JP3250808B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2021504522A (ja) * | 2017-11-27 | 2021-02-15 | エボニック オペレーションズ ゲーエムベーハー | フォーム用のベースとしてのpes−ppsuブレンド |
JP7055205B2 (ja) | 2017-11-27 | 2022-04-15 | エボニック オペレーションズ ゲーエムベーハー | フォーム用のベースとしてのpes-ppsuブレンド |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
WO1995033549A1 (fr) | Membrane poreuse a base de polysulfone et procede de production de cette membrane | |
JP3232117B2 (ja) | ポリスルホン多孔質中空糸 | |
US4269713A (en) | Ethylene-vinyl alcohol copolymer membrane and a method for producing the same | |
EP0513390B1 (en) | Porous hollow fiber membrane of polyethylene and production thereof | |
JPH06165926A (ja) | ポリスルホン系中空繊維膜とその製造方法 | |
KR20150064059A (ko) | 미다공막 및 그 제조 방법 | |
JP6447623B2 (ja) | 複合微多孔質膜及びこれを用いたフィルター | |
TW200938239A (en) | Microporous hollow fiber membrane for blood treatment | |
GB2050935A (en) | Hollow fibre membranes of ethylene-vinylalcohol copolymer | |
WO1995019219A1 (fr) | Film de polyolefine microporeux composite et procede de production de ce film | |
CN115041024A (zh) | 非对称再生纤维素除病毒平板过滤膜的制备方法及产品 | |
JP2899352B2 (ja) | 多孔性の中空糸膜 | |
JPH03258330A (ja) | 多孔性中空糸膜 | |
JPH0549878A (ja) | 大孔径多孔質ポリエチレン中空糸膜、その製造方法及び親水化多孔質ポリエチレン中空糸膜 | |
JP3250808B2 (ja) | ポリスルホン製多孔質膜及びその製法 | |
JPH11262764A (ja) | 浄水器 | |
JP2882658B2 (ja) | ポリスルホン系半透膜の製造方法 | |
JPH119977A (ja) | ポリエチレン製複合微多孔質中空糸膜 | |
JPS62102801A (ja) | 選択透過性複合中空繊維 | |
JP3524637B2 (ja) | 高分子多孔質膜の製造方法 | |
JP2675197B2 (ja) | 高強度・多孔質ポリスルホン中空糸膜の製法 | |
JPS59228016A (ja) | 芳香族ポリスルホン中空糸状膜及びその製造方法 | |
JP4075236B2 (ja) | ポリフェニルスルホン中空糸膜の製造法 | |
JP2868558B2 (ja) | 高強度・高流束ポリスルホン中空糸膜の製法 | |
JP2899348B2 (ja) | 多孔性中空糸 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081116 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081116 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091116 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091116 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101116 Year of fee payment: 9 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111116 Year of fee payment: 10 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111116 Year of fee payment: 10 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111116 Year of fee payment: 10 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121116 Year of fee payment: 11 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121116 Year of fee payment: 11 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121116 Year of fee payment: 11 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121116 Year of fee payment: 11 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131116 Year of fee payment: 12 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |