JP3250164B2 - 画像形成装置の製造方法 - Google Patents

画像形成装置の製造方法

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JP3250164B2
JP3250164B2 JP15265393A JP15265393A JP3250164B2 JP 3250164 B2 JP3250164 B2 JP 3250164B2 JP 15265393 A JP15265393 A JP 15265393A JP 15265393 A JP15265393 A JP 15265393A JP 3250164 B2 JP3250164 B2 JP 3250164B2
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俊彦 宮崎
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友和 安藤
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  • Manufacture Of Electron Tubes, Discharge Lamp Vessels, Lead-In Wires, And The Like (AREA)
  • Vessels, Lead-In Wires, Accessory Apparatuses For Cathode-Ray Tubes (AREA)
  • Cathode-Ray Tubes And Fluorescent Screens For Display (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子源及びその応用で
ある表示装置、記録装置にかかわり、特には内部にスペ
ーサを有する薄型の画像形成装置製造方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来、電子放出素子として熱電子源と冷
陰極電子源の2種類が知られている。冷陰極電子源には
電界放出型(以下、FE型と略す)、金属/絶縁層/金
属型(以下、MIM型と略す)や表面伝導型電子放出素
子(以下、SCEと略す)等がある。
【0003】FE型の例としては、W. P. Dyk
e & W. W. Dolan,”Field em
ission”, Advance in Elect
ron Physics, 8,89(1956)や
C. A. Spindt,”Physical pr
operties of thin−film fie
ld emission cathodes with
molybdenum cones”, J. Ap
pl. Phys., 47,5248(1976)等
が知られている。
【0004】MIM型の例としては、C. A. Me
ad, ”The tunnel−emission
amplifier”, J. Appl. Phy
s.,32,646(1961)等が知られている。
【0005】SCEの例としては、M. I. Eli
nson, Radio Eng.Electron
Phys., 10,(1965)等がある。
【0006】SCEは基板上に形成された小面積の薄膜
に、膜面に平行に電流を流すことにより、電子放出が生
じる現象を利用するこものである。この表面伝導型電子
放出素子としては、前記エリンソン等によるSnO2
膜を用いたもの、Au薄膜によるもの[G. Ditt
mer: ”Thin Solid Films”,
9,317(1972)、In23/SnO2薄膜によ
るもの[M. Hartwell and C. G.
Fonstad: ”IEEE Trans. ED
conf.”, 519,(1975)]、カーボン
薄膜によるもの[荒木 久:真空、第26巻、第1号、
22頁(1983)]等が報告されている。
【0007】これらの電子放出素子を画像形成装置に用
いる場合、対向位置にある画像形成部材との間隔を精度
良く保たなければならない。そのため図14に示される
ように、画像形成部材を搭載した前面板2と電子放出素
子を搭載した背面板3及びそれらの外周を包囲する支持
枠4により構成された気密容器の内部に、間隔を保持す
るためのスペーサ1が挿入されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】図14に示される従来
例では、前面板2又は背面板3に外周を包囲する支持枠
4、更にスペーサ1を接着(以後、封着と記す)する際
に、同じ軟化温度を持つ気密接合用低融点ガラス(以
後、フリットガラスと記す)をスペーサ及び支持枠、又
は前面板、背面板に塗布し、加熱することにより行って
いる。
【0009】加熱時には、前面板又は背面板がスペーサ
及び支持枠に同時に接触するのが望ましいが、前面板又
は背面板が大きくなるにつれ封着時の加熱温度分布のム
ラが生じ、前面板又は背面板がスペーサに接触するタイ
ミイングにばらつきが生じてしまう。その結果、各々の
スペーサに不均一な応力が掛かってしまい(残留応
力)、前面板又は背面板の強度が低下し、しいては前面
板又は背面板、更にスペーサに割れが生じてしまう。
【0010】また冷却時には温度分布のムラは少ない
が、 ○フリットガラスの塗布時に生じる塗布ムラ ○スペーサの高さ方向のばらつき ○前面板又は背面板のうねり により生じるフリットガラスの接着層の厚さ方向のバラ
ツキにより、局所的に各フリットガラスの冷却温度に差
が出てしまう。そのために各々のスペーサに不均一な応
力が掛かってしまい(残留応力)、前面板又は背面板の
強度が低下し、しいては前面板又は背面板、更にスペー
サに割れが生じてしまう。
【0011】しかし、前面板又は背面板の大型化に伴
い、封着時の前面板又は背面板の温度分布を均一に制御
すること、及び接着層として残るフリットガラスの厚さ
を、精度良く制御することが困難であった。
【0012】従って本発明の目的は、上記前面板や背面
板に掛かる不均一な応力分布の発生を防ぎ、封着による
前面板や背面板の強度低下、割れ等を防止し得る画像形
成装置の製造方法提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段及び作用】上記目的を達成
すべく成された本発明は、電子放出素子を搭載した背面
板と、該背面板に対向するように配置され該電子放出素
子から放出される電子線の照射により画像が形成される
画像形成部材を搭載した前面板と、該背面板と該前面板
の間にあって外周を包囲する支持枠と、該背面板と該前
面板の間に配置されたスペーサを有し、これらを気密接
合した画像形成装置の製造方法において、上記気密接合
は、少なくとも上記スペーサを予め上記背面板と前面板
のうちの一方に固定した後該支持枠及びスペーサが当
接する、上記背面板と前面板のうちの他方の部位に、
化温度の異なる複数の気密接合用低融点ガラスを、上記
支持枠が最後に接着されるように、当該他方である前面
板又は背面板の面内方向に軟化温度の分布をもたせて塗
布した後、上記背面板と前面板を上記支持枠とスペーサ
を介して重ねた状態で加熱することで行われることを特
徴とする画像形成装置の製造方法であ
【0014】本発明によれば、軟化温度の異なる複数の
気密接合用低融点ガラス(フリットガラス)を、前記前
面板又は背面板の面内方向に軟化温度の分布を持たせて
塗布することにより、封着時の前面板又は背面板の温度
分布を均一に制御することなく、さらに接着層として残
るフリットガラスの厚さを精度良く制御することなく前
面板又は背面板に掛かる不均一な応力分布(残留応力)
をなくすことができ、封着時の前面板又は背面板の強度
低下、割れ等を防止することができるものである。
【0015】以下、実施態様例を示し本発明を詳細に説
明する。
【0016】図1は本発明の特徴を最も良く表す画像表
示装置の断面図であり、同図において1は前面板2と背
面板3の間隔を保つスペーサであり、4は前面板2と背
面板3の外周を包囲する支持枠である。背面板3の内面
には電子放出素子群6が形成されている。また前面板2
の内面には電子放出素子群から放出される電子線の照射
により画像が形成される画像形成部材5が形成されてい
る。
【0017】スペーサ1と支持枠4の前面板2に接する
部分には、軟化温度の異なるフリットガラス7a〜cが
塗布されている。これらのフリットガラスの軟化温度は
フリットガラスAが一番高く、フリットガラスB、フリ
ットガラスCの順となっている。
【0018】本発明においては、これらのフリットガラ
スは例えば図2に示されるように、前面板2の面内方向
に軟化温度の分布をもたせて塗布される。図2は軟化温
度の分布を前面板2の中央部を高くし、前面板2の周囲
に向かって低くした例であるが、これとは別に前面板の
一端から対向する他端にかけて低くなるような分布とし
ても良い。
【0019】これらの構成材の具体的な封着は、例えば
図1に示されるように電子放出素子群6を形成した背面
板3に予めスペーサ1、支持枠4をフリットガラスA〜
Cよりも高い軟化温度を持つフリットガラスDで接着す
る。
【0020】次に、上記の3種類のフリットガラスA〜
Cを図2に示されるように前面板2の各部分に塗布し、
かかる前面板2をスペーサ1,支持枠4の上に置く。前
面板2と背面板3を動かないように固定し、フリットガ
ラスAの軟化温度以上の温度で焼成する。
【0021】軟化温度とはフリットガラスの粘度が10
7.65dPa・s{poise}に相当する温度であり、
軟化温度より高い温度(焼成温度)で加熱することによ
り封着を行うことができる。
【0022】加熱時には、軟化温度の低いフリットガラ
スCがまず軟化し、その部分の前面板が支持枠に接す
る。次にフリットガラスB部の前面板が接し、最後に中
央部のフリットガラスA部が接する。
【0023】焼成終了後、徐冷を行うと、軟化温度の高
いフリットガラスAがまず固着する。次にフリットガラ
スBが固着され、最後に支持枠4上に塗布したフリット
ガラスCが固着される。
【0024】このように接着用のフリットガラスの軟化
温度を変えることにより、本例において加熱時では前面
板2はその外周から中央部にかけて順にスペーサとの接
触が開始され、冷却時にはその中央部から接着が開始さ
れ、それが外周に向けて進んでいき、支持枠が最後に接
着されるので、前面板2に応力集中が掛かることなく、
封着中又は後に残留応力等により割れることがなくな
る。
【0025】上記実施態様は、背面板3に予めスペーサ
1と支持枠4を固定し、前面板2に軟化温度の分布をも
たせてフリットガラスを塗布したものであるが、本発明
はこれに限定されるものではなく、例えば、背面板と前
面板の関係を逆にしたり、スペーサのみを予め固定した
り、背面板と前面板の双方に軟化温度の分布をもたせて
フリットガラスを塗布することもできる。
【0026】また、スペーサの形状,個数,配置等は特
に限定されるものではない。その材料としても、絶縁性
の物であれば何でも良く、ガラス,セラミックス,金属
に絶縁物を塗布した物でも良いが、好ましくは熱膨張係
数の小さい物の方が良い。
【0027】このようなスペーサは前面板と背面板の耐
大気圧支持部材及び/またはこれらの間隔設定用部材と
して用いられるものである。
【0028】また、電子放出素子としては、先述した冷
陰極電子源を用いることができる。冷陰極電子源のうち
例として表面伝導型電子放出素子を挙げてその構成を簡
単に説明する。図13は表面伝導型電子放出素子の基本
的な構成の一例を示すものであり、図13(a)はその
平面図、図13(b)は縦断面図である。同図において
11は絶縁性基板、15と16は素子電極、14は電子
放出部を含む薄膜、13は電子放出部である(特開平2
−56822号公報等参照)。
【0029】電子放出部を含む薄膜14のうち電子放出
部13としては粒径が数十オングストローム程度の導電
性微粒子からなり、電子放出部13以外の薄膜14は微
粒子膜からなる。
【0030】なおここで述べる微粒子膜とは、複数の微
粒子が集合した膜であり、その微細構造として、微粒子
が個々に分散配置した状態のみならず、微粒子が互いに
隣接、あるいは重なり合った状態(島状も含む)の膜を
さす。
【0031】またこれとは別に電子放出部を含む薄膜1
4は、導電性微粒子が分散されたカーボン薄膜等の場合
がある。
【0032】電子放出部を含む薄膜14の具体例を挙げ
るならばPd、Ru、Ag、Au、Ti、In、Cu、
Cr、Fe、Zn、Sn、Ta、W、Pb等の金属、P
dO、SnO2、In23、PbO、Sb23等の酸化
物、HfB2、ZrB2、LaB6、CeB6、YB4、G
dB4等の硼化物、TiC、ZrC、HfC、TaC、
SiC、WC等の炭化物、TiN、ZrN、HfN等の
窒化物、Si、Ge等の半導体、カーボン、AgMg、
NiCu等である。
【0033】そして電子放出部を含む薄膜14は真空蒸
着法、スパッタ法、化学的気相堆積法、分散塗布法、デ
ィッピング法、スピナー法等によって形成される。
【0034】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。
【0035】実施例1 本実施例は図1及び図2に示したような本発明の画像形
成装置を作製したものである。本実施例では、スペーサ
1は感光性ガラスをエッチングして薄板状に作製し、支
持枠4は青板ガラスを切削加工して作製した。
【0036】また、電子放出素子6として図13に示し
たタイプの表面伝導型電子放出素子を作製した。この電
子放出素子6の作製方法を簡単に説明する。
【0037】先ず、絶縁性基板11として石英基板を用
い、該基板11上にNiを用いて素子電極15及び16
を形成した。この時、素子電極間隔L1を3μm、素子
電極幅W1を500μm、素子電極の厚さdを1000
Åとした。
【0038】次に、素子電極上を含む所望の位置に有機
パラジウム(奥野製薬(株)製、ccp−4230)含
有溶液を塗布した後、300℃で10分間の加熱処理を
して、酸化パラジウム(PdO)微粒子(平均粒径:7
0Å)からなる微粒子膜14を形成した。この時、微粒
子膜14の幅W2は300μmとした。
【0039】以上のようにして基板上に複数の電子放出
素子を作製して背面板3を得た。前面板2はガラス基板
に画像形成部材として蛍光体を塗布したものを用い、軟
化温度の異なるフリットガラス7a〜cとしては、軟化
温度が430℃のフリットガラスA、410℃のフリッ
トガラスB、390℃のフリットガラスCを用いた。
【0040】次に、本実施例における封着方法を具体的
に説明する。
【0041】先ず、スペーサ1及び支持枠4を上記のフ
リットガラスA〜Cよりも高い軟化温度を持つフリット
ガラスD(軟化温度490℃)で、背面板3に封着し
た。
【0042】次に、上記の3種類のフリットガラスA〜
Cを図2に示す部分に塗布し、前面板2をスペーサ1,
支持枠4の上に置く。尚、本実施例におけるスペーサ1
と支持枠4の高さは3mmである。前面板2と背面板3
を動かないように治具を用いて固定し、炉の中で500
℃で10分間以上焼成した。
【0043】加熱時には、軟化温度の低いフリットガラ
スCがまず軟化し、その部分の前面板が支持枠に接す
る。次にフリットガラスB部の前面板が接し、最後に中
央部のフリットガラスA部が接する。
【0044】焼成終了後、徐冷を行うと、軟化温度の高
いフリットガラスAがまず固着する。次にフリットガラ
スBが固着され、最後に支持枠4上に塗布したフリット
ガラスCが固着される。
【0045】このように加熱時には前面板2はその外周
から中央部にかけて順にスペーサとの接触が開始され、
冷却時にはその中央部から接着が開始され、それが外周
に向けて進んでいき、支持枠4が最後に接着されるの
で、前面板2に応力集中が掛かることがなく、封着中又
は後に残留応力等により割れることが全くなくなった。
【0046】次に、上記工程で作製された容器内を真空
状態にするために、封着処理後支持枠4等に設けられた
(図には示していない)排気管により真空に引き、その
後排気管を封止した。
【0047】尚、本実施例のように気密接合用低融点ガ
ラスの軟化温度分布を、前面板(背面板の場合もある)
の中央部を高くし、周囲に向かって低くなるように塗布
する場合、図3あるいは図4に示されるようにすること
もできる。図3は図2におけるスペーサを分割して配置
したものであり、図4はスペーサを格子状にしたもので
ある。これらの場合にも、前面板2に応力集中が掛かる
ことなく封着でき、前面板2に割れは発生しなかった。
【0048】実施例2 図5,図6は本発明の第2の実施例を示したものであ
り、図5は画像形成装置の断面図であり、図6は図5の
画像表示装置の平面図(前面板2の方向から見た図)で
ある。
【0049】画像形成装置の構成は実施例1と同様であ
り、電子放出素子も実施例1と同じものを用いている。
【0050】本実施例ではスペーサ1と支持枠4の前面
板2に接する部分に塗布されるフリットガラスの軟化温
度を図中右側のスペーサ1が一番高く、左に行くにした
がって低くなるように塗布し、更に支持枠4に塗布され
るフリットガラスの軟化温度が一番低くなるようにして
いる。
【0051】上述の様にフリットガラスを塗布し、実施
例1と同様に封着した。
【0052】尚、フリットガラスの具体的な軟化温度
は、フリットガラスAが一番高くて430℃、次にフリ
ットガラスBが高く410℃、次がフリットガラスCで
390℃、そしてフリットガラスDが370℃である。
【0053】以下に封着の工程を詳細に述べる。
【0054】先ずスペーサ1及び支持枠4を上記のフリ
ットガラスA〜Dよりも高い軟化温度を持つフリットガ
ラスE(軟化温度490℃)で、背面板3に接着した。
【0055】次に、上記の4種類のフリットガラスA〜
Dを図6に示す部分に塗布し、前面板2をスペーサ1,
支持枠4の上に置く。前面板2と背面板3を動かないよ
うに治具を用いて固定し、炉の中で500℃で10分間
以上焼成した。
【0056】加熱時には、軟化温度の低いフリットガラ
スDがまず軟化し、その部分の前面板が支持枠に接す
る。次にフリツトガラスB、C部の順番で前面板が接
し、最後に中央部のフリットガラスA部が接する。
【0057】焼成終了後、徐冷を行うと、軟化温度の高
いフリットガラスAがまず固着する。次にフリットガラ
スB、Cの順番で固着され、最後に支持枠4上に塗布し
たフリットガラスDが固着される。
【0058】このように加熱時では前面板2は最初に支
持枠に接触し、次に左端部からスペーサに接触し、冷却
時には、その右端のスペーサから順次接着が開始され、
最後に支持枠が接着される。その結果、前面板2に応力
集中が掛かることがなく、封着中又は後に残留応力等に
より割れることが全くなくなった。
【0059】次に、上記工程で作製された容器内を真空
状態にするために、封着処理後支持枠4等に設けられた
(図には示していない)排気管により真空に引き、その
後排気管を封止した。
【0060】尚、本実施例のように気密接合用低融点ガ
ラスの軟化温度分布を、前面板(背面板の場合もある)
の一端から対向する他端にかけて低くなるように塗布す
る場合、本実施例では図6に示されるように右側が一番
高く左側に向かうにつれて低くなっているが、これは左
側が一番高く、右側に向かうにつれて低くしてもよく、
さらには図6の上下方向に温度分布を設けてもよい。
【0061】また、図7に示されるようにスペーサを分
割して配置したものや、図8に示される様にスペーサを
格子状にしたものにも応用できる。
【0062】参考例 図9,10は本発明の参考例を示したものであり、図9
は画像形成装置の断面図であり、図10は図9の画像形
成装置の平面図(前面板2の方向から見た図)である。
【0063】画像形成装置の構成は実施例1と同様であ
り、電子放出素子も実施例1と同じものを用いている。
【0064】本参考例ではスペーサ1と支持枠4の前面
板2に接する部分に塗布されるフリットガラスの軟化温
度を3つのエリアに分け、図中右側のエリアが一番高
く、左に行くにしたがって低くなるように塗布してい
る。
【0065】上述の様にフリットガラスを塗布し、実施
例1と同様に封着した。
【0066】尚、フリットガラスの具体的な軟化温度は
フリットガラスAが一番高くて430℃、次がフリット
ガラスBで410℃、そしてフリットガラスCが390
℃である。
【0067】以下に封着の工程を詳細に述べる。
【0068】先ず、スペーサ1及び支持枠4を上記のフ
リットガラスA〜Cよりも高い軟化温度を持つフリット
ガラスD(軟化温度490℃)で、背面板3に接着し
た。
【0069】次に、上記の3種類のフリットガラスA〜
Cを図10に示す部分に塗布し、前面板2をスペーサ
1,支持枠4の上に置く。前面板2と背面板3を動かな
いように治具を用いて固定し、炉の中で500℃で10
分以上焼成した。
【0070】加熱時には、軟化温度の低いフリットガラ
スCがまず軟化し、その部分の前面板がスペーサ、支持
枠に接する。次にフリットガラスB部の前面板が接し、
最後にフリットガラスA部が接する。
【0071】焼成終了後、徐冷を行うと、軟化温度の高
いフリットガラスAがまず固着する。次にフリットガラ
スBが固着され、最後にフリットガラスCが固着され
る。
【0072】このように加熱時では前面板2は左端のエ
リアからスペーサ及び支持枠に接触し、最後に右端のエ
リアが接触し、冷却時にはその右端のエリアから順次接
着が開始され、最後に左端のエリアが接着される。
【0073】その結果、前面板2に応力集中が掛かるこ
とがなく、封着中又は後に残留応力等により割れること
が全くなくなった。
【0074】次に、上記工程で作製された容器内を真空
状態にするために、封着処理後支持枠4等に設けられた
(図には示していない)排気管により真空に引き、その
後排気管を封止した。
【0075】本参考例における軟化温度の分布は、図1
0に示されるように、右側のエリアが一番高く左側に向
かうにつれて低くなっているが、これは左側が一番高
く、右側に向かうにつれて低くしてもよく、さらには図
10の上下方向に温度分布を設けてもよい。
【0076】また、図11に示されるように、スペーサ
を分割して配置したものや、図12に示される様にスペ
ーサを格子状にしたものにも応用できる。
【0077】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
封着時の前面板又は背面板の温度分布を均一に制御する
ことなく、さらに接着層として残るフリットガラスの厚
さを精度良く制御することなく、前面板あるいは背面板
に残留応力が掛かるのを防止でき、これらの強度低下や
割れ等を防止することができる。これにより画像形成装
置の製造が容易になると共に、歩留りが向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1にて示す本発明の画像形成装置の断面
図である。
【図2】図1の画像形成装置の一部切り欠き平面図であ
る。
【図3】実施例1にて示す他の本発明の画像形成装置の
一部切り欠き平面図である。
【図4】実施例1にて示す他の本発明の画像形成装置の
一部切り欠き平面図である。
【図5】実施例2にて示す本発明の画像形成装置の断面
図である。
【図6】図5の画像形成装置の一部切り欠き平面図であ
る。
【図7】実施例2にて示す他の本発明の画像形成装置の
一部切り欠き平面図である。
【図8】実施例2にて示す他の本発明の画像形成装置の
一部切り欠き平面図である。
【図9】参考例にて示す本発明の画像形成装置の断面図
である。
【図10】図9の画像形成装置の一部切り欠き平面図で
ある。
【図11】参考例にて示す他の本発明の画像形成装置の
一部切り欠き平面図である。
【図12】参考例にて示す他の本発明の画像形成装置の
一部切り欠き平面図である。
【図13】本発明に係る電子放出素子の一例を示す図で
ある。
【図14】従来の画像形成装置の構成を説明するための
図である。
【符号の説明】
1 スペーサ 2 前面板 3 背面板 4 支持枠 5 画像形成部材 6 電子放出素子群 7 フリットガラス 11 絶縁性基板 13 電子放出部 14 電子放出部を含む薄膜 15,16 素子電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 安藤 友和 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 中村 尚人 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 光武 英明 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 長田 芳幸 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (56)参考文献 特開 平3−261024(JP,A) 特開 平3−11524(JP,A) 特開 平7−302543(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01J 9/24 H01J 9/26 H01J 29/87 H01J 31/12

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子放出素子を搭載した背面板と、該背
    面板に対向するように配置され該電子放出素子から放出
    される電子線の照射により画像が形成される画像形成部
    材を搭載した前面板と、該背面板と該前面板の間にあっ
    て外周を包囲する支持枠と、該背面板と該前面板の間に
    配置されたスペーサを有し、これらを気密接合した画像
    形成装置の製造方法において、上記気密接合は、少なく
    とも上記スペーサを予め上記背面板と前面板のうちの一
    方に固定した後該支持枠及びスペーサが当接する、上
    記背面板と前面板のうちの他方の部位に、軟化温度の異
    なる複数の気密接合用低融点ガラスを、上記支持枠が最
    後に接着されるように、当該他方である前面板又は背面
    板の面内方向に軟化温度の分布をもたせて塗布した後、
    上記背面板と前面板を上記支持枠とスペーサを介して重
    ねた状態で加熱することで行われることを特徴とする画
    像形成装置の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記スペーサを予め背面板又は前面板に
    固定する際に、前記軟化温度の異なる複数の気密接合用
    低融点ガラスよりも軟化温度が高い気密接合用低融点ガ
    ラスを用いることを特徴とする請求項1に記載の画像形
    成装置の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記気密接合用低融点ガラスの軟化温度
    の分布において、該軟化温度の分布を前記前面板又は/
    及び背面板の中央部を高くし、周囲に向かって低くなる
    ように塗布することを特徴とする請求項1又は2に記載
    の画像形成装置の製造方法。
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