JP324I - でんぷん性含水食品の包装体 - Google Patents

でんぷん性含水食品の包装体

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【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は、合成保存料、合成殺菌料等の添加物を特に使
用せずに、最も腐敗しやすい食品であるでんぷん性含水
食品をその品質をほとんど損なうことなく効率的に保存
できるでんぷん性含水食品の包装体に関する。 「従来の技術」 でんぷん性含水食品に保存性を付与する目的で、従来よ
り過酸化水素、グリシン、プロピレングリコール、エチ
ルアルコール、脂肪酸モノグリセライド、有機酸類等を
共存せしめ、充分な加熱殺菌を施すなどの方法が行われ
てきたが、これらの方法では食品の風味及び物性の劣化
がまぬがれず、又添加物の過多使用による人体に及ぼす
安全性等の問題があった。 又、食品を汚染する好気性微生物の増殖阻止の目的で、
脱気包装又はガス置換包装が行われる場合もあるが、酸
素ガスの完全に近い除去が困難であり、大気中の酸素ガ
スの袋若しくは容器内への浸透を完全に阻止することも
難しいため、前記増殖阻止の目的が充分には達成されて
いない。 そこで、酸素ガス透過性の小さいフィルムを使用して食
品を密封する際、脱酸素剤の包装体を共存せしめ包装内
の酸素ガスと大気中より浸透してくる酸素ガスをほぼ完
全に除去する方法が開発され、かなりの効果をおさめて
いる。 しかしこの方法の難点として、前記脱酸素剤がその包装
内から漏出して食品を汚染する危険性が大きいこと、及
び脱酸素剤を添付した食品の加熱殺菌が脱酸素剤の機能
を低下せしめ、又前記漏出を促進するおそれがあるため
加熱殺菌処理が不適切であり、従って酸素ガスが存在し
なくても増殖できる易熱性菌の殺菌が困難であること等
が掲げられる。 又特開昭53−15268号公報や、特開昭52−110841号公報
に、脱酸素剤成分の漏出汚染を防ぐ方法が開示されてい
る。しかし、いずれも脱酸素剤自体に工夫をこらしたも
のであって、脱酸素剤の包装体を、食品とともに酸素ガ
ス透過性の小さい袋に封入しているので、次のような問
題があった。すなわち、包装後加熱殺菌する場合、脱酸
素剤の機能を低下させるおそれがあること、ゆでうどん
等の表面粘着力が強く、かつ軟弱な食品の場合、脱酸素
剤の包装体を直接添付すると、食品表面を傷つけて外観
を劣化させたり、脱落あるいは剥離して食品片が脱酸素
剤包装体の通気部分を遮断して脱酸素剤の機能を阻害す
るおそれがあること、及び食品に脱酸素剤の包装体を直
接添付すると、脱酸素剤の包装体が食品の内部に侵入し
て外部から見つけにくくなって、消費者が脱酸素剤を誤
って「調理」してしまうおそれがあった。 「考案が解決しようとする問題点」 本考案者は、以上の問題を全て解決して、脱酸素剤の機
能を阻害せず、又脱酸素剤を誤認調理することのない包
装食品について究明した。 「問題点を解決するための手段」 従来、脱酸素剤の包装体を、包装していない状態の食品
とともに袋若しくは容器に封入していたのは、この構成
でないと脱酸素剤の機能が発揮されないと考えられてい
たことによると推察される。従って、慣用手段と考えら
れる二重包装の採用が、脱酸素剤を使用する食品につい
ては積極的に排除されていたものと考えられる。しかる
に、本考案者が、酸素ガス透過性の大きい袋を選び、こ
れに高水分活性を示す食品を封入した食品包装体と、脱
酸素剤の包装体とを、酸素透過性の小さい袋に完全密封
することに着目して実験したところ、この構成によって
も、保存目的を充分に達成できることを発見して、本考
案を完成した。すなわち、本考案は、「酸素ガス透過度
が1000cc/m2/24hr/atm以上である酸素ガス透過性の
大きいプラスチック製フィルム製の袋に、水分活性0.90
(測定温度25℃)以上を示すでんぷん性含水食品を封入
した包装体1と、脱酸素剤の包装体2とを、酸素ガス透
過度が100cc/m2/24hr/atm以下である酸素ガス透過性
の小さいプラスチックフィルム若しくはプラスチックと
アルミニウムの積層フィルムより製造された袋3に入
れ、完全密封してなることを特徴とするでんぷん性含水
食品の包装体」に関する。 本考案で、でんぷん性含水食品とはめん類、米飯類の
他、でんぷん若しくはでんぷん質類を主原料として製造
される全ての食品の内、その水分活性(グラフ挿入法に
よる25℃での測定値)が0.90以上のものをさし、例えば
ゆでうどん、生うどん、ゆで日本そば、生日本そば、蒸
し中華めん、生中華めん、白飯、赤飯、五目飯及び米を
主原料として製造されるめん様食品等が掲げられる。 前記水分活性が0.90未満の食品はいわゆる中間水分食品
又は乾燥食品の範ちゅうに入り、相応した保存性を示す
ものであるので、本考案の対象食品から除外する。 本考案で酸素ガス透過性の大きいプラスチックフィルム
製の袋とは、前記フィルムの酸素ガス透過度が約1000cc
/m2/24時間/atm(20℃・80%RH)以上のものをさし、
ポリエチレン、ポリプロピレンが最適である。又酸素ガ
ス透過性の小さいプラスチックフィルム若しくはプラス
チックとアルミニウムの積層フィルムより製造された袋
とは、そのフィルムの酸素ガス透過性が約100cc/m2/2
4時間/atm(20℃・80%RH)以下のものをさし、例えばポ
リエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル又はセロフ
ァン等と塩化ビニリデンとの積層フィルム、ビニロン及
び前記プラスチックフィルムとアルミニウムとの積層フ
ィルムが最適である。 本考案で使用できる脱酸素剤としてアスコルビン酸並び
にエリソルビン酸及びこれらの塩類、亜二チオン酸塩、
酸化第一鉄、硫酸第一鉄、タンニン、リグニン、ブチル
ヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール等の
還元性物質の1種若しくは2種以上と必要に応じて、こ
れらとアルカリ金属若しくはアルカリ土類金属の水酸化
物、活性炭、水、その他の粉状若しくは粒状物質又は多
孔状物質との配合物を掲げることができる。 以上の脱酸素剤は酸素ガス透過が容易な紙製等の袋若し
くは容器に密封することが適当である。 本考案において、酸素ガス透過性の大きいプラスチック
フィルム製の袋にでんぷん性含水食品を封入する際、完
全密封を施しても本考案目的が充分達成できるが、封入
食品が外部に漏出しない程度のガス流通孔を設けること
により、より一層の効果が期待できる。 前記ガス流通孔は、前記封入の際、間欠シールすること
により設けても良いし、あるいは前記食品を封入する
前、封入時又は封入後にピンホール程度以上の孔を1ケ
所若しくは2ケ所以上設けることによっても良い。 なお、前記食品に、酸素ガスが存在しなしても増殖でき
る微生物が汚染している場合は、前記食品を酸素ガス透
過性の大きいプラスチックフィルム製の袋に封入後、極
力加熱殺菌することが望ましい。 以下、実施例を示す。 実施例 1 常法により製造されたゆでうどん200gをポリエチレン製
(0.04mm厚)に、含気率が約30%になるように封入し
て、でんぷん性含水食品の包装体1を得た。 前記包装体1と、脱酸素剤(亜二チオン酸ナトリウム0.
5g、水酸化カルシウム2g、活性炭0.2g及び水0.1gの混
合物)を紙製袋に封入して得た包装体2とを、ポリエチ
レン(0.4mm厚)と塩化ビニリデン(0.022mm厚)の積層
フィルムで作られた酸素ガス透過性の小さい袋3(以
下、ガスバリヤー袋という)にいれ、完全密封して本考
案に係るゆでうどんの包装体(A)を得た。 別に、実施例1で得た未包装のゆでうどん200gと脱酸素
剤の包装体2とを、含気率が約30%になるようにガスバ
リヤー袋3に完全密封して対照のゆでうどんの包装体
(B)を得た。 前記(A)と(B)のゆでうどんの包装体を25℃のフラ
ン器で1週間保存したところ、いずれもカビ発生及び腐
敗等は認められず正常な外観を示したが、(B)のゆで
うどんにおいては脱酸素剤の成分が一部漏出し汚染を生
じていた。 実施例 2 常法通り製造した赤飯200gをポリプロピレン袋に入れ密
封してでんぷん性含水食品の包装体1を得た。これを10
0℃で20分間蒸気加熱殺菌した。 冷後、実施例1と同一組成の脱酸素剤の包装体2ととも
にガスバリヤー袋3に脱気密封して本考案に係るでんぷ
ん性含水食品の包装体を得た。 前記包装体を25℃をフラン器に保存したところ、60日後
も正常な外観を示した。 なお、前記実施例で脱酸素剤を使用せず他は同一条件と
した赤飯の包装体は、保存7日目に腐敗(溶け)した。 実施例 3 市販切りもちをポリエチレン袋(0.03mm厚)に入れ、脱
気密封したもの(A)、間欠シールしたもの(B)、及
び密封後数ケ所にピンホールを設けたもの(C)それぞ
れ2個づつ計6個を、実施例1と同一組成の脱酸素剤の
包装体2とともに、ガスバリヤー袋3に含気密封し、25
℃のフラン器で保存したところ、(B)と(C)は30日
後も正常な外観を示したが、(A)は保存3日後に極微
小なカビが発生し、以後の増殖は認めなかった。 前記脱気密封区(A)について100℃で5分間加熱し冷
後前記実施例と同様に行ったものは30日後も正常な外観
を示した。 「効果」 本考案は、以上の如く構成したので次のような格別な効
果を奏する。 脱酸素剤がその包装内から漏出して食品を汚染する危
険性がない。 食品の包装体のみを加熱することができるので、脱酸
素剤の機能を低下させることなく、酸素ガスが存在しな
くても増殖できる易熱性菌の殺菌が可能である。 ゆでうどん等の表面粘着力が強く、かつ軟弱な食品の
場合、脱酸素剤の包装体を直接添付すると、食品表面を
傷つけて外観を劣化させたり、脱落あるいは剥離した食
品片が脱酸素剤包装体の通気部分を遮断して脱酸素剤の
機能を阻害するおそれがある。本考案ではこのようなお
それは全くない。 食品に脱酸素剤の包装体を直接添付すると、脱酸素剤
包装体が食品の内部に侵入して外部から見つけにくくな
ることがあり、消費者が脱酸素剤を誤って「調理」し、
「喫食」してしまうことが散見される。本考案ではこの
ようなおそれもない。
【図面の簡単な説明】 図面は、本考案の一実施例を示す一部切欠斜視図であ
る。 1……でんぷん性含水食品を封入した包装体 2……脱酸素剤の包装体 3……酸素ガス透過性の小さい袋

Claims (1)

  1. 【訂正明細書】 【実用新案登録請求の範囲】 【請求項1】酸素ガス透過度が1000cc/m2/24hr/atm
    以上である酸素ガス透過性の大きいプラスチックフィル
    ム製の袋に、水分活性0.90(測定温度25℃)以上を示す
    でんぷん性含水食品を封入した包装体1と、脱酸素剤の
    包装体2とを、酸素ガス透過度が100cc/m2/24hr/atm
    以下である酸素ガス透過性の小さいプラスチックフィル
    ム若しくはプラスチックとアルミニウムの積層フィルム
    より製造された袋3に入れ完全密封してなることを特徴
    とするでんぷん性含水食品の包装体。 【請求項2】前記でんぷん性含水食品を封入した包装体
    1が、間欠シールされているか、あるいは包装体1にピ
    ンホール程度以上の大きさの孔を1ケ所若しくは2ケ所
    以上設けてなる実用新案登録請求の範囲第1項に記載の
    でんぷん性含水食品の包装体。

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