JP3248831B2 - インクカートリッジの取付け構造 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、記録用のインクを収容
したインクカートリッジの取付け構造に関し、特にイン
クカートリッジを真っ直ぐ下方に下降させて上方開放状
のヘッドホルダー内に簡単に取付けできるようにしたも
のに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、記録ヘッドに設けた複数の噴射ノ
ズルからインクを噴射させて、文字や画像を用紙に記録
するインクジェット記録装置においては、用紙に対向状
の記録ヘッドはヘッドホルダーに設けられるとともに、
そのヘッドホルダーには、記録ヘッドに連通するインク
供給路を形成した筒状の連結筒部（所謂マニホールド）
が形成され、また記録ヘッドに供給する記録用のインク
を収容するとともに、インク供給口を設けたインクカー
トリッジを着脱可能に装着するようになっている。

【０００３】ところで、この種のインクジェット記録装
置では、一般に、略水平状態に設けられたヘッドホルダ
ーの垂直壁部に、記録ヘッドとその記録ヘッドに連通す
る筒状の連結筒部とが取付けられるとともに、その連結
筒部に外嵌可能なインク供給口を側壁部に有するインク
カートリッジを、ヘッドホルダーに対して略水平方向に
取付けることで、インクカートリッジのインクを連結筒
部を介して記録ヘッドに供給するようにし、鉛直方向に
給紙される用紙に対して、記録ヘッドからインクを略水
平方向に噴射させて記録する水平噴射タイプの記録機構
が一般的に用いられている一方、略水平方向の用紙搬送
経路の途中部において記録する場合には、上方開放状の
箱状のヘッドホルダーの底壁部に記録ヘッドと連結筒部
とが取付けられるととにも、その連結筒部に外嵌するイ
ンク供給口を底壁部に有するインクカートリッジを、ヘ
ッドホルダー内に上方から取付けるようにし、水平方向
に給紙される用紙に対して、記録ヘッドからインクを略
下方に噴射させて記録する下方噴射タイプの記録機構も
実用化されている。

【０００４】その下方噴射タイプの記録機構におけるイ
ンクカートリッジの取付け構造としては、例えば、図５
に示すように、上方開放状の箱状のヘッドホルダー１３
１の底壁部１３１ａには、複数の噴射ノズルが形成され
た記録ヘッド１３２が取付けられるとともに、その記録
ヘッド１３２に連通するインク通路１３１ｃを有する筒
状の連結筒部（マニホールド）１３１ｂが内側へ突出状
に形成され、その連結筒部１３１ｂには、インク漏れ防
止用のゴム製のシール部材１３３が取付けられ、更にそ
の先端部には、インクに含まれるゴミなどを除去する細
かい編目状のフィルター１３４が取付けられている。更
に、対向する１対の側壁部１３１ｄ，１３１ｆには、矩
形開口部１３１ｅ，１３１ｇが夫々形成されている。

【０００５】一方、合成樹脂製の箱状のインクカートリ
ッジ１３５には、記録用のインクを十分吸収させたウレ
タンフォームなどの多孔質材料からなるインク収容材１
３６が設けられており、その底壁部１３５ａには、筒状
の連結筒部１３１ｂに外嵌可能な円形のインク供給口１
３５ｂが形成されている。更に、対向する１対の側壁部
１３５ｃ，１３５ｇのうち、一方の側壁部１３５ｃに
は、帯状の弾性片１３５ｄが一体形成され、その弾性片
１３５ｄの高さ方向中段部には、矩形開口部１３１ｅに
係合可能な断面三角形状の爪部１３５ｅが形成されると
ともに、他方の側壁部１３５ｇは矩形開口部１３１ｇに
係合可能な突起部１３５ｐが形成されている。

【０００６】そして、インクカートリッジ１３６をヘッ
ドホルダー１３１に取付けるには、図５（ａ）に示すよ
うに、先ず突起部１３５ｐを矩形開口部１３１ｇに係合
させるように、突起部側（図において右側）を低くして
インクカートリッジ１３５を傾けてヘッドホルダー１３
１内に進入させ、図５（ｂ）に示すように、突起部１３
５ｐを矩形開口部１３１ｇに係合させながら、弾性片側
（図において左側）を下降させて、最終的に爪部１３５
ｅを矩形開口部１３１ｅに係合させて取付けるようにし
ている。一方、弾性片１３５ｄの操作部１３５ｆを内側
に操作して爪部１３５ｅと矩形開口部１３１ｅとの係合
を解除した後、前述した取付けとは逆の順序で、インク
カートリッジ１３５をヘッドホルダー１３１から取外す
ようにしている。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】図５に基づいて説明し
たように、下方噴射タイプの記録機構におけるインクカ
ートリッジの取付け構造においては、インクカートリッ
ジ１３５を傾けた不安定な姿勢でヘッドホルダー１３１
内に進入させながら、突起部１３５ｐを矩形開口部１３
１ｇに係合させると同時に、爪部１３５ｅを矩形開口部
１３１ｅに係合させるので、インクカートリッジ１３５
の取付け操作や取外し操作が複雑化すること、その取付
け操作や取外し操作の途中で、インクカートリッジ１３
５の角部を、例えば、突出状の連結筒部材１３１ｂに取
付けられている高価なフィルター１３４に引っかけて破
損させること、などの問題がある。

【０００８】本発明の目的は、インクカートリッジの取
付け及び取外し操作を簡単化でき、しかもその取付けや
取外し時にヘッドホルダー内の各部に衝突させることな
くスムーズに着脱し得るようなインクカートリッジの取
付け構造を提供することである。

【０００９】

【課題を解決するための手段】請求項１に係るインクカ
ートリッジの取付け構造は、記録用のインクを収容し底
壁部にインク供給口を有する箱状のインクカートリッジ
を、上方開放状のヘッドホルダーに設けた対向する１対
の側壁部間に上方から着脱可能に取付け、前記ヘッドホ
ルダーの底壁部に設けた連結部を前記インク供給口に連
結して前記インクカートリッジのインクを記録ヘッドに
供給するインクジェット記録装置において、前記ヘッド
ホルダーの前記１対の側壁部に形成された１対の係止部
と、前記１対の側壁部に対向する前記インクカートリッ
ジの対向する１対の側壁部に一体形成され、前記側壁部
から間隔をおいて上方へ延びる１対の弾性片とを備え、
その１対の弾性片の途中部に、それぞれ対応する前記係
止部に係合可能な１対の係合部を有し、上端部には、前
記インクカートリッジをヘッドホルダーに取付けたとき
に、前記ヘッドホルダーよりも上側に突出し、係合解除
用の１対の片手で操作可能な操作部を有するものであ
る。

【００１０】請求項２に係るインクカートリッジの取付
け構造は、請求項１の発明において、前記係止部は矩形
開口部であり、前記係合部は、前記弾性片に一体形成さ
た縦断面略三角形状の爪部である。

【００１１】請求項３に係るインクカートリッジの取付
け構造は、請求項１の発明において、前記ヘッドホルダ
ーは、１対の対向する側壁部を含む箱状であり、前記１
対の側壁部に隣接する他の１対の対向する側壁部に上下
方向に延びる案内溝を有し、インクカートリッジは、そ
の案内溝にスライド可能に係合する突起部を有するもの
である。

【００１２】

【作用】請求項１に係るインクカートリッジの取付け構
造においては、記録用のインクを収容した箱状のインク
カートリッジの底壁部にはインク供給口が形成され、上
方開放状のヘッドホルダーの底壁部には、インク供給口
に連結されてインクカートリッジのインクを記録ヘッド
に供給する連結部が突設される一方、ヘッドホルダーの
対向する１対の側壁部には、１対の係止部が形成される
とともに、インクカートリッジには、対応する係止部に
係合可能な係合部を有する１対の弾性片が設けられてい
るので、インクカートリッジを水平な姿勢に保持して、
ヘッドホルダーに設けた対向する１対の側壁間に上方か
ら下降させると、インクカートリッジの１対の弾性片
は、その弾性を介してヘッドホルダーの１対の側壁部に
当接しながら下降する。そして、ヘッドホルダーの連結
部がインクカートリッジのインク供給口に連結されたと
きには、弾性片に設けた爪部が対応する係止部に夫々係
合することから、インクカートリッジをヘッドホルダー
の各部に衝突させることなくヘッドホルダーに簡単に取
付けることができる。

【００１３】前記弾性片は、インクカートリッジに一体
形成されているので、弾性片を別部品として製作するこ
ともなく、また取付ける作業を省くことができ、弾性片
付きのインクカートリッジを簡単に製作できる。そし
て、前記係合部は弾性片の途中部に形成され、弾性片の
上端部には、インクカートリッジをヘッドホルダーに取
付けたときに、ヘッドホルダーよりも上側に突出し、係
合解除用の１対の片手で操作可能な操作部が設けられて
いるので、インクカートリッジがヘッドホルダーに取付
けられているときに、それら操作部を互いに内側に操作
して弾性片を弾性 変形させることで、弾性片に設けた爪
部と矩形開口部との係合を容易に解除でき、しかもイン
クカートリッジをその取付け姿勢の状態で上方へ引き上
げるだけなので、ヘッドホルダーの各部に衝突させるこ
となくヘッドホルダーから片手で簡単に且つスムーズに
取外すことができる。

【００１４】請求項２に係るインクカートリッジの取付
け構造においては、請求項１と同様の作用を奏するが、
前記係止部は矩形開口部であり、前記係合部は、弾性片
に一体形成さた縦断面略三角形状の爪部であるので、成
形時に係止部を側壁部に簡単に形成できるとともに、成
形時に爪部を弾性片に一体形成でき、更にその爪部が縦
断面略三角形状であることから、爪部を対応する矩形開
口部に簡単に係合させることができる。

【００１５】請求項３に係るインクカートリッジの取付
け構造においては、請求項１と同様の作用を奏するが、
前記ヘッドホルダーは、前記１対の対向する側壁部を含
む箱状であり、前記１対の側壁部に隣接する他の１対の
対向する側壁部に上下方向に延びる案内溝を有し、前記
インクカートリッジは、その案内溝にスライド可能に係
合する突起部を有するので、突起部を対応する案内溝に
沿わせることで、インクカートリッジを安定な姿勢に保
持しながら、インクカートリッジをヘッドホルダーに対
して、ヘッドホルダーの各部に衝突させることなくスム
ーズに着脱することができる。

【００１６】

【実施例】以下、本発明の実施例について、図面に基づ
いて説明する。本実施例は、インクジェット記録装置に
設けた記録機構におけるインクカートリッジの取付け構
造に適用した場合のものである。図１に示すように、イ
ンクジェット記録装置１は、基本的に、本体ケース２内
に、用紙Ｐを水平方向に搬送する用紙送り機構１０と、
キャリッジ２１を駆動するキャリッジ駆動機構２０と、
インクカートリッジ３５に収容したインクを記録ヘッド
３２に設けた複数の噴射ノズルから噴射させて用紙Ｐに
記録する記録機構３０とを設けたものである。

【００１７】先ず、用紙送り機構１０について説明する
と、図１に示すように、後述するキャリッジ２１の用紙
搬送方向上流側と下流側とに、１対の送りローラ１１，
１２が夫々左右方向向きに配設され、これら送りローラ
１１，１２の各々は、その左右両端部において、図示し
ない側壁板で回転可能に支持され、図示外のローラ駆動
機構により所定回転方向に駆動されて、給紙された用紙
Ｐが、キャリッジ２１の直ぐ下側を経て、キャリッジ２
１の移動方向と直交状に略水平方向に搬送される。

【００１８】次に、キャリッジ駆動機構２０について、
図１・図２・図４に基づいて説明する。用紙搬送経路の
直ぐ上側には、略板状のキャリッジ２１が水平に配設さ
れ、そのキャリッジ２１は、送りローラ１１，１２と並
行に配設されたガイドロッド２２によりその後端部にお
いて左右方向移動自在に支持されるとともに、そのガイ
ドロッド２２と並行に配設されたガイドレール２３によ
りその前端部において左右方向移動自在に支持されてい
る。これらガイドロッド２２とガイドレール２３とは、
その左右両端部において、側壁板４，５で夫々支持され
ている。

【００１９】一方、キャリッジ２１の移動範囲の左端部
には、従動プーリー２４が図示外のフレームに回転可能
に枢支されるととに、その右端部には、キャリッジ駆動
モータ２６の駆動軸に取り付けた駆動プーリー２５が設
けられ、無端状のタイミングベルト２７がこれら両プー
リー２４，２５に亙って掛け渡され、キャリッジ２１の
下端部においてこのタイミングベルト２７に連結されて
いる。そして、キャリッジ駆動モータ２６が回転駆動さ
れると、これら両プーリー２４，２５とタイミングベル
ト２７とを介して、キャリッジ２１が、これらガイドロ
ッド２２及びガイドレール２３に支持されて、記録方向
（右方向）及び反記録方向（左方向）に移動駆動され
る。

【００２０】次に、キャリッジ２１に載置され、インク
の噴射により用紙Ｐに記録する記録機構３０について、
図１〜図４に基づいて説明する。前記キャリッジ２１上
には、上方開放状の箱状のヘッドホルダー３１が固着さ
れている。そのヘッドホルダー３１の底壁部３１ａの下
側の後端部側には、複数の噴射ノズルに対応する複数本
のインク供給路３２ａが形成された記録ヘッド３２が取
付けられるとともに、その底壁部３１ａの中央部には、
上方に突出した筒状の連結筒部（所謂マニホールドであ
り連結部に相当する）３１ｂが形成されている。即ち、
記録ヘッド３２からインクを略下方に噴射させて、直ぐ
下側に水平方向に搬送される用紙Ｐに記録する下方噴射
タイプに構成されている。

【００２１】その連結筒部３１ｂの内部には、記録ヘッ
ド３２に連通するインク通路３１ｃが形成されるととも
に、その連結筒部３１ｂの外側は、インク漏れを防止す
る為にゴム製のシール部材３３が装着されている。その
連結筒部３１ｂの上端には、供給されるインクに含まれ
る塵などを除去する為に、直径数ミクロンのステンレス
線材を網状に編んだフィルター３４が取付けられてい
る。前記ヘッドホルダー３１の前後に設けられた対向す
る１対の側壁部３１ｅ，３１ｆの上端近傍部には、係止
部である左右方向に長い矩形開口部３１ｅ，３１ｇが夫
々形成されている。更に、ヘッドホルダー３１の左右に
設けられた対向する１対の側壁部３１ｈ，３１ｊの内側
には、上下方向に延びる所定幅を有する案内溝３１ｉ，
３１ｋが夫々形成されている。

【００２２】前記インクカートリッジ３５は、ヘッドホ
ルダー３１に着脱可能な合成樹脂製の箱状であり、その
内部には、記録用のインクを十分に浸み込ませたウレタ
ンフォームなどからなるインク収容材３６が設けられて
いる。また、インクカートリッジ３５の底壁部３５ａの
中央部には、連結筒部３２ｂに外嵌可能な円形のインク
供給口３５ｂが形成されている。そのインクカートリッ
ジ３５の前後に設けられた対向する１対の側壁部３５
ｃ，３５ｇの下端近傍部には、弾性を有し上方に延びる
所定幅の弾性片３５ｄ，３５ｈの下端部が一体的に夫々
形成されている。

【００２３】そして、各弾性片３５ｄ，３５ｈの高さ方
向中段部には、係合部である縦断面略三角形状の爪部３
５ｅ，３５ｉが夫々形成されるとともに、各弾性片３５
ｄ，３５ｈの上端部には、インクカートリッジ３５をヘ
ッドホルダー３１に取付けたときに、ヘッドホルダー３
１よりも上側に突出する係合解除用の操作部３５ｆ，３
５ｊが夫々形成されている。更に、インクカートリッジ
３５の左右に設けられた対向する１対の側壁部３５ｋ，
３５ｍの外側には、ヘッドホルダー３１の側壁部３１
ｈ，３１ｊに形成された対応する案内溝３１ｉ，３１ｋ
にスライド可能に係合する上下方向に延びた突起部３５
ｌ，３５ｎが夫々形成されている。

【００２４】次に、インクカートリッジ３５をヘッドホ
ルダー３１に取付けるときの作用について、図３・図４
に基づいて説明する。先ず、図４に示すように、弾性片
３５ｄ，３５ｈが矩形開口部３１ｅ，３１ｇに対応する
向きで、しかもインクカートリッジ３５を水平な姿勢に
保持して、ヘッドホルダー３１内に上方から下降させ
る。このとき、これら突起部３５ｌ，３５ｎを対応する
案内溝３１ｉ，３１ｋに係合させてスライドすること
で、インクカートリッジ３５を、前後方向と左右方向と
に位置決めでき且つ安定な水平姿勢に保持しながら、イ
ンクカートリッジ３５をヘッドホルダー３１内に進入さ
せることができる。

【００２５】このとき、インクカートリッジ３５の１対
の弾性片３５ｄ，３５ｈは、その弾性を介してヘッドホ
ルダー３１の１対の側壁部３１ｄ，３１ｆに夫々当接し
ながら下降する。そして、図３に示すように、ヘッドホ
ルダー３１の連結筒部３２ｂがインクカートリッジ３５
のインク供給口３５ｂに連結されたときには、弾性片３
５ｄ，３５ｈに設けた爪部３５ｅ，３５ｉが対応する矩
形開口部３１ｅ，３１ｇに夫々自動的に確実に係合し
て、インクカートリッジ３５をヘッドホルダー３１内に
取付けることができる。

【００２６】このとき、連結筒部３２ｂの上端部がイン
ク供給口３５ｂを挿通してインク収容材３６に下方から
押圧状に接触する。これにより、インク収容材３６のイ
ンクが連結筒部３２ｂのインク供給路３２ａを介して記
録ヘッド３２に供給されるようになっている。ここで、
シール部材３３がインク供給口３５ｂに密着状に押圧さ
れることにより、インク収容材３６のインクが外部に漏
れるのを防止されている。

【００２７】一方、図３に示すように、インクカートリ
ッジ３５がヘッドホルダー３１に取付けられているとき
に、弾性片３５ｄ，３５ｈに設けられた操作部３５ｆ，
３５ｊを互いに内側に操作して、各弾性片３５ｄ，３５
ｈを２点鎖線で示すように弾性変形させることで、弾性
片３５ｄ，３５ｈに設けた爪部３５ｅ，３５ｉと矩形開
口部３１ｅ，３１ｇとの係合を容易に解除でき、しかも
インクカートリッジ３５をその取付け姿勢の状態で上方
へ取外すことができる。

【００２８】このように、箱状のインクカートリッジ３
５の底壁部３５ａにインク供給口３５ｂを設け、ヘッド
ホルダー３１の底壁部３１ａに連結筒部３２ｂを設ける
とともに、ヘッドホルダー３１の１対の側壁部３１ｄ，
３１ｆに１対の矩形開口部３１ｅ，３１ｇを設け、更に
インクカートリッジ３５の１対の側壁部３５ｃ，３５ｇ
に、矩形開口部３１ｅ，３１ｇに係合可能な爪部３５
ｅ，３５ｉを有する１対の弾性片３５ｄ，３５ｈを設け
たので、インクカートリッジ３５を水平な姿勢に保持し
て、ヘッドホルダー３１内に上方から下降させるだけ
で、インクカートリッジ３５の１対の弾性片３５ｄ，３
５ｈが弾性変形して側壁部３１ｄ，３１ｆに当接しなが
ら下降して、弾性片３５ｄ，３５ｈの爪部３５ｅ，３５
ｉが対応する矩形開口部３１ｅ，３１ｇに夫々自動的に
係合することから、インクカートリッジ３５をヘッドホ
ルダー３１のフィルター３４などの各部に衝突させるこ
となく、ヘッドホルダー３１に簡単に取付けることがで
きる。

【００２９】更に、インクカートリッジ３５がヘッドホ
ルダー３１に取付けられているときに、弾性片３５ｄ，
３５ｈの操作部３５ｆ，３５ｊを互いに内側に操作し
て、各弾性片３５ｄ，３５ｈを弾性変形させることで、
爪部３５ｅ，３５ｉと矩形開口部３１ｅ，３１ｇとの係
合を容易に解除でき、しかもインクカートリッジ３５を
その取付け姿勢の状態で上方へ引き上げるだけで、ヘッ
ドホルダー３１の各部に衝突させることなく、簡単に且
つスムーズに取外すことができる。

【００３０】尚、前記ヘッドホルダー３１は、対向する
１対の側壁部３１ｄ，３１ｆだけを有するものであって
もよく、またヘッドホルダー３１が傾斜状にキャリッジ
２１上に取付けられ、そのヘッドホルダー３１に対して
斜め方向に取付ける取付け構造であってもよい。更に、
インクカートリッジ３５の弾性片３５ｄ，３５ｈを、底
壁部３５ａからＵ字状に上方に延びるように形成しても
よく、また１対だけでなく複数対形成してもよい。尚、
前記実施例に関し、既存の技術や当業者に自明の技術に
基いて種々の変更を加えることもあり得る。

【００３１】

【発明の効果】請求項１に係るインクカートリッジの取
付け構造によれば、箱状のインクカートリッジの底壁部
にインク供給口を設け、ヘッドホルダーの底壁部に連結
部を設けるとともに、ヘッドホルダーの１対の側壁部に
１対の係止部を設け、更にインクカートリッジに、係止
部に係合可能な係合部を有する１対の弾性片を設けたの
で、インクカートリッジを水平な姿勢に保持して、ヘッ
ドホルダーに設けた対向する１対の側壁間に上方から下
降させるだけで、インクカートリッジの１対の弾性片が
弾性変形してヘッドホルダーの側壁部に当接しながら下
降して、弾性片に設けた爪部が対応する係止部に夫々係
合することから、インクカートリッジをヘッドホルダー
の各部に衝突させることなくヘッドホルダーに簡単に取
付けることができる。

【００３２】前記弾性片は、インクカートリッジに一体
形成されているので、弾性片を別部品として製作するこ
ともなく、また取付ける作業を省くことができ、弾性片
付きのインクカートリッジを簡単に製作できる。そし
て、前記係合部は弾性片の途中部に形成され、弾性片の
上端部には、インクカートリッジをヘッドホルダーに取
付けたときに、ヘッドホルダーよりも上側に突出する係
合解除用の操作部が設けられているので、インクカート
リッジがヘッドホルダーに取付けられているとき に、そ
れら操作部を互いに内側に操作して弾性片を弾性変形さ
せることで、弾性片に設けた爪部と矩形開口部との係合
を容易に解除でき、しかもインクカートリッジをその取
付け姿勢の状態で上方へ引き上げるだけなので、ヘッド
ホルダーの各部に衝突させることなくヘッドホルダーか
ら片手で簡単に且つスムーズに取外すことができる。

【００３３】請求項２に係るインクカートリッジの取付
け構造によれば、請求項１と同様の効果を奏するが、前
記係止部は矩形開口部であり、前記係合部は、弾性片に
一体形成さた縦断面略三角形状の爪部であるので、成形
時に係止部を側壁部に簡単に形成できるとともに、成形
時に爪部を弾性片に一体形成でき、更にその爪部が縦断
面略三角形状であることから、爪部を対応する矩形開口
部に簡単に係合させることができる。

【００３４】請求項３に係るインクカートリッジの取付
け構造によれば、請求項１と同様の効果を奏するが、前
記ヘッドホルダーは、前記１対の対向する側壁部を含む
箱状であり、その１対の側壁部に隣接する他の１対の対
向する側壁部に上下方向に延びる案内溝を有し、前記イ
ンクカートリッジは、その案内溝にスライド可能に係合
する突起部を有するので、突起部を対応する案内溝に沿
わせることで、インクカートリッジを安定な姿勢に保持
しながら、インクカートリッジをヘッドホルダーに対し
て、ヘッドホルダーの各部に衝突させることなくスムー
ズに着脱することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例に係る、インクジェット記録装
置の概略斜視図である。

【図２】インクジェット記録装置の部分平面図である。

【図３】図２のＡ─Ａ線縦断側面図である。

【図４】ヘッドホルダとインクカートリッジの分解斜視
図である。

【図５】従来技術に係り、（ａ）はインクカートリッジ
をヘッドホルダーに取付ける状態を示す要部縦断側面図
であり、（ｂ）はインクカートリッジをヘッドホルダー
に取付けた状態の（ａ）相当図である。

【符号の説明】

１ インクジェット記録装置 ３０ 記録機構 ３１ ヘッドホルダー ３１ａ 底壁部 ３１ｂ 連結筒部 ３１ｄ 側壁部 ３１ｅ 矩形開口部 ３１ｆ 側壁部 ３１ｇ 矩形開口部 ３１ｈ 側壁部 ３１ｉ 案内溝 ３１ｊ 側壁部 ３１ｋ 案内溝 ３５ インクカートリッジ ３５ａ 底壁部 ３５ｂ インク供給口 ３５ｃ 側壁部 ３５ｄ 弾性片 ３５ｅ 爪部 ３５ｆ 操作部 ３５ｇ 側壁部 ３５ｈ 弾性片 ３５ｉ 爪部 ３５ｊ 操作部 ３５ｋ 側壁部 ３５ｌ 突起部 ３５ｍ 側壁部 ３５ｎ 突起部

Claims (3)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 記録用のインクを収容し底壁部にインク
   供給口を有する箱状のインクカートリッジを、上方開放
   状のヘッドホルダーに設けた対向する１対の側壁部間に
   上方から着脱可能に取付け、前記ヘッドホルダーの底壁
   部に設けた連結部を前記インク供給口に連結して前記イ
   ンクカートリッジのインクを記録ヘッドに供給するイン
   クジェット記録装置において、 前 記ヘッドホルダーの前記１対の側壁部に形成された１
   対の係止部と、前記１対の側壁部に対向する前記インク
   カートリッジの対向する１対の側壁部に一体形成され、
   前記側壁部から間隔をおいて上方へ延びる１対の弾性片
   とを備え、その１対の弾性片の途中部に、それぞれ対応
   する前記係止部に係合可能な１対の係合部を有し、上端
   部には、前記インクカートリッジをヘッドホルダーに取
   付けたときに、前記ヘッドホルダーよりも上側に突出
   し、係合解除用の１対の片手で操作可能な操作部を有す
   ることを特徴とするインクカートリッジの取付け構造。
2. 【請求項２】 前記係止部は矩形開口部であり、前記係
   合部は、前記弾性片に一体形成さた縦断面略三角形状の
   爪部であることを特徴とする請求項１に記載のインクカ
   ートリッジの取付け構造。
3. 【請求項３】 前記ヘッドホルダーは、前記１対の対向
   する側壁部を含む箱状であり、前記１対の側壁部に隣接
   する他の１対の対向する側壁部に上下方向に延びる案内
   溝を有し、前記インクカートリッジは、その案内溝にス
   ライド可能に係合する突起部を有することを特徴とする
   請求項１に記載のインクカートリッジの取付け構造。