JP3247553B2 - 畜肉食品の製造方法 - Google Patents
畜肉食品の製造方法Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はハム,ベーコン,ソーセ
ージなどの塩漬工程を有する畜肉食品の製造において、
1重量%の水溶液のpHが11以上13未満である乳清
のミネラル濃縮物を用いて保水性や弾力性の改善による
品質の向上を目的とする畜肉製品の製造方法に関する。
ージなどの塩漬工程を有する畜肉食品の製造において、
1重量%の水溶液のpHが11以上13未満である乳清
のミネラル濃縮物を用いて保水性や弾力性の改善による
品質の向上を目的とする畜肉製品の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、塩漬工程を有する畜肉食品の保水
性や弾力性の改善による品質の向上の目的でリン酸塩が
単独又は卵白や大豆蛋白などの加熱凝固性蛋白質と併用
して使用されている。しかしながらリン酸塩において
は、多量の摂取によるカルシウムの吸収阻害が問題とな
り、その摂取を避けることが望まれている。さらに、リ
ン酸塩単独又は加熱凝固性蛋白質との併用以外の技術に
おいても畜肉食品の保水性や弾力性の改善による品質の
向上が不十分であり、畜肉食品の一部にしか利用できな
いのが現状である。乳清のミネラル濃縮物を食品へ利用
した技術として、カルシウム強化塩として利用する技術
や減塩を目的とした技術が開示されている。しかしなが
ら、この技術は、乳清のミネラル濃縮物によるカルシウ
ム強化を目的とするものであり、平成3年特許公報24
191号に記されているようにその水溶液のpHは、
6.0〜9.0とアルカリ度も本発明と異なっており、
本発明とは利用する対象も作用機構も全く異なる。ま
た、乳清のミネラル濃縮物を肉製品に利用した技術とし
て、アルカリ卵白と併用する技術が開示されている(平
成3年特許公開65133号)。しかしながら、この技
術に記載の乳清のミネラル濃縮物は、乳清をUF膜又
は、逆浸透膜(RO膜)で分離濃縮したもので、従来よ
り食品のミネラル強化に用いられているものであり、平
成3年特許公報24191号に記されている乳清のミネ
ラル濃縮物と等しいものであり、その水溶液のpHは、
6.0〜9.0とアルカリ度も本発明と異なっている。
これら従来の乳清のミネラル濃縮物は、畜肉食品の保水
性を向上させる効果は非常に弱く、本発明とは作用機構
が全く異なるものである。さらに水溶液のpHが9〜1
0とアルカリ度が高い卵白粉末は、アルカリ変性による
硫黄臭が非常に強いため、畜肉食品の風味を著しく低下
させる。また、乳清のミネラル濃縮物の添加量も0.6
%〜4%(好ましくは1.2%〜2.5%)と高いた
め、塩味が強くなり、著しく畜肉食品の味を低下させ、
その使用には問題がある。平成2年特許公開24516
2号の発明においてはカルシウム剤と加熱凝固性蛋白質
の配合剤を使用することが開示されているが、カルシウ
ム剤は1%水溶液のpHが13以上であり、アルカリ度
が高いために、加熱時に蛋白のアルカリ変性による刺激
臭が発生するため、畜肉食品の風味を著しく低下させ
る。特に、加水量を多くしたハムなどにおいては、保水
性や弾力性の改善による品質の向上はわずかにしか認め
られない。またリン酸塩を単独に使用した場合も同様で
あり、加水量の多い畜肉食品においても保水性や弾力性
の改善による品質の向上できる製造方法の確立が望まれ
ている。
性や弾力性の改善による品質の向上の目的でリン酸塩が
単独又は卵白や大豆蛋白などの加熱凝固性蛋白質と併用
して使用されている。しかしながらリン酸塩において
は、多量の摂取によるカルシウムの吸収阻害が問題とな
り、その摂取を避けることが望まれている。さらに、リ
ン酸塩単独又は加熱凝固性蛋白質との併用以外の技術に
おいても畜肉食品の保水性や弾力性の改善による品質の
向上が不十分であり、畜肉食品の一部にしか利用できな
いのが現状である。乳清のミネラル濃縮物を食品へ利用
した技術として、カルシウム強化塩として利用する技術
や減塩を目的とした技術が開示されている。しかしなが
ら、この技術は、乳清のミネラル濃縮物によるカルシウ
ム強化を目的とするものであり、平成3年特許公報24
191号に記されているようにその水溶液のpHは、
6.0〜9.0とアルカリ度も本発明と異なっており、
本発明とは利用する対象も作用機構も全く異なる。ま
た、乳清のミネラル濃縮物を肉製品に利用した技術とし
て、アルカリ卵白と併用する技術が開示されている(平
成3年特許公開65133号)。しかしながら、この技
術に記載の乳清のミネラル濃縮物は、乳清をUF膜又
は、逆浸透膜(RO膜)で分離濃縮したもので、従来よ
り食品のミネラル強化に用いられているものであり、平
成3年特許公報24191号に記されている乳清のミネ
ラル濃縮物と等しいものであり、その水溶液のpHは、
6.0〜9.0とアルカリ度も本発明と異なっている。
これら従来の乳清のミネラル濃縮物は、畜肉食品の保水
性を向上させる効果は非常に弱く、本発明とは作用機構
が全く異なるものである。さらに水溶液のpHが9〜1
0とアルカリ度が高い卵白粉末は、アルカリ変性による
硫黄臭が非常に強いため、畜肉食品の風味を著しく低下
させる。また、乳清のミネラル濃縮物の添加量も0.6
%〜4%(好ましくは1.2%〜2.5%)と高いた
め、塩味が強くなり、著しく畜肉食品の味を低下させ、
その使用には問題がある。平成2年特許公開24516
2号の発明においてはカルシウム剤と加熱凝固性蛋白質
の配合剤を使用することが開示されているが、カルシウ
ム剤は1%水溶液のpHが13以上であり、アルカリ度
が高いために、加熱時に蛋白のアルカリ変性による刺激
臭が発生するため、畜肉食品の風味を著しく低下させ
る。特に、加水量を多くしたハムなどにおいては、保水
性や弾力性の改善による品質の向上はわずかにしか認め
られない。またリン酸塩を単独に使用した場合も同様で
あり、加水量の多い畜肉食品においても保水性や弾力性
の改善による品質の向上できる製造方法の確立が望まれ
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述の如く
人体に悪影響のあるリン酸塩を使用せず、加水量の多い
畜肉食品であっても保水性や弾力性の改善による品質の
向上ができる畜肉製品を提供するものである。
人体に悪影響のあるリン酸塩を使用せず、加水量の多い
畜肉食品であっても保水性や弾力性の改善による品質の
向上ができる畜肉製品を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは乳清のミネ
ラル濃縮物に注目し、その1重量%水溶液のpHが11
以上13未満を示す場合において、塩漬工程中に畜肉中
の蛋白質の凝固反応が改善され、著しく畜肉食品の保水
性,弾力性,ゲル強度が向上することを見いだし本発明
を完成した。乳清のミネラル濃縮物とは、特に限定する
ものではないが、チーズホエー、カゼインホエー等の乳
清を原料とし得られるミネラル分を豊富に含んだ組成物
の総称であり、本願では特に特定のpH範囲のものを添
加することにより優れた効果を得られることを見出し
た。すなわち、本発明は1重量%の水溶液のpHが11
以上13未満である乳清のミネラル濃縮物を添加するこ
とにより、塩漬工程中に畜肉蛋白質の凝固反応が改善さ
れ、著しく保水性や弾力性,ゲル強度を向上改善し、品
質を向上させるものである。
ラル濃縮物に注目し、その1重量%水溶液のpHが11
以上13未満を示す場合において、塩漬工程中に畜肉中
の蛋白質の凝固反応が改善され、著しく畜肉食品の保水
性,弾力性,ゲル強度が向上することを見いだし本発明
を完成した。乳清のミネラル濃縮物とは、特に限定する
ものではないが、チーズホエー、カゼインホエー等の乳
清を原料とし得られるミネラル分を豊富に含んだ組成物
の総称であり、本願では特に特定のpH範囲のものを添
加することにより優れた効果を得られることを見出し
た。すなわち、本発明は1重量%の水溶液のpHが11
以上13未満である乳清のミネラル濃縮物を添加するこ
とにより、塩漬工程中に畜肉蛋白質の凝固反応が改善さ
れ、著しく保水性や弾力性,ゲル強度を向上改善し、品
質を向上させるものである。
【0005】以下本発明を詳述する。本発明に使用する
乳清のミネラル濃縮物は、1重量%の水溶液のpHが1
1以上13未満であれば、粉末でも分散液でも使用でき
る。例えば、チーズホエーより、イオン交換樹脂を用い
てミネラルを濃縮分離したのち、噴霧乾燥し製造された
1重量%の水溶液のpHが12.6である乳清のミネラ
ル濃縮物:「MCW」(協同乳業株式会社製品)を挙げ
ることができる。1重量%の水溶液のpHが11未満で
あると畜肉食品の保水性を向上させる効果は得られな
い。また、1重量%の水溶液のpHが13以上であると
アルカリ度が高いために、加熱時に蛋白のアルカリ変性
による刺激臭が発生するため、畜肉食品の風味を著しく
低下させる。本発明に使用する乳清のミネラル濃縮物の
添加量は、通常畜肉食品に対して0.05%以上0.5
%以下であり、0.05%未満では、畜肉食品の保水性
を向上させる効果は不十分であり、0.5%を越えると
塩味が強くなり、著しく畜肉食品の味を阻害する。本発
明は、豚肉,牛肉,鶏肉,馬肉,羊肉などの原料肉から
製造されるハム,ソーセージ,ベーコン,焼き豚など通
常塩漬工程を有する畜肉食品であれば全て利用すること
ができる。
乳清のミネラル濃縮物は、1重量%の水溶液のpHが1
1以上13未満であれば、粉末でも分散液でも使用でき
る。例えば、チーズホエーより、イオン交換樹脂を用い
てミネラルを濃縮分離したのち、噴霧乾燥し製造された
1重量%の水溶液のpHが12.6である乳清のミネラ
ル濃縮物:「MCW」(協同乳業株式会社製品)を挙げ
ることができる。1重量%の水溶液のpHが11未満で
あると畜肉食品の保水性を向上させる効果は得られな
い。また、1重量%の水溶液のpHが13以上であると
アルカリ度が高いために、加熱時に蛋白のアルカリ変性
による刺激臭が発生するため、畜肉食品の風味を著しく
低下させる。本発明に使用する乳清のミネラル濃縮物の
添加量は、通常畜肉食品に対して0.05%以上0.5
%以下であり、0.05%未満では、畜肉食品の保水性
を向上させる効果は不十分であり、0.5%を越えると
塩味が強くなり、著しく畜肉食品の味を阻害する。本発
明は、豚肉,牛肉,鶏肉,馬肉,羊肉などの原料肉から
製造されるハム,ソーセージ,ベーコン,焼き豚など通
常塩漬工程を有する畜肉食品であれば全て利用すること
ができる。
【0006】本発明に使用する乳清のミネラル濃縮物の
添加方法は、ピックル液に分散させて使用するが、ソー
セージの様なチョッピング工程を有する畜肉食品であれ
ば、粉末のまま添加して使用することができる。さら
に、乳清のミネラル濃縮物を凍結粉砕して50ミクロン
以下の粒度とした粉末に加工することにより、ピックル
液への分散性を著しく向上させることができる。本発明
は、1重量%の水溶液のpHが11以上13未満である
乳清のミネラル濃縮物を添加するものであり、従来技術
で使用されてきた水酸化カルシウム、酸化カルシウム、
焼成カルシウムのようなカルシウム剤よりアルカリ度が
低く、加熱時に蛋白のアルカリ変性による刺激臭が発生
しないため、畜肉食品の風味を低下させることはなく、
従来のミネラル強化に用いられている中性の乳清のミネ
ラル濃縮物より、添加量が少量であるため、塩味が強く
なることはなく、畜肉食品の味を低下させることはな
い。また、加熱温度の低い畜肉食品であっても保水性や
弾力性の改善による品質の向上ができる。以下実施例を
挙げて本発明を具体的に説明するが、これによって限定
されるものではない。なお、実施例中の%は特記しない
限り重量%を示す。
添加方法は、ピックル液に分散させて使用するが、ソー
セージの様なチョッピング工程を有する畜肉食品であれ
ば、粉末のまま添加して使用することができる。さら
に、乳清のミネラル濃縮物を凍結粉砕して50ミクロン
以下の粒度とした粉末に加工することにより、ピックル
液への分散性を著しく向上させることができる。本発明
は、1重量%の水溶液のpHが11以上13未満である
乳清のミネラル濃縮物を添加するものであり、従来技術
で使用されてきた水酸化カルシウム、酸化カルシウム、
焼成カルシウムのようなカルシウム剤よりアルカリ度が
低く、加熱時に蛋白のアルカリ変性による刺激臭が発生
しないため、畜肉食品の風味を低下させることはなく、
従来のミネラル強化に用いられている中性の乳清のミネ
ラル濃縮物より、添加量が少量であるため、塩味が強く
なることはなく、畜肉食品の味を低下させることはな
い。また、加熱温度の低い畜肉食品であっても保水性や
弾力性の改善による品質の向上ができる。以下実施例を
挙げて本発明を具体的に説明するが、これによって限定
されるものではない。なお、実施例中の%は特記しない
限り重量%を示す。
【0007】
実施例1 ソーセージの原料の配合割合を表1に示し、リン酸塩無
添加の配合割合を表2に示す。
添加の配合割合を表2に示す。
【0008】
【表1】
【0009】
【表2】
【0010】なお、大豆蛋白(フジプロR)は不二製油
(株)製品、卵白粉末,カゼインNa(サンラクト
S),豚血漿粉末(プロファインP)は、太陽化学
(株)製品を用いた。乳清のミネラル濃縮物[本発明
品](MCW:1%pH12.6)は、協同乳業(株)
製品、乳清のミネラル濃縮物[従来品](アラミン:1
%pH7.1)は、日本プロテイン(株)製品を用い
た。試料の調製は、常法通り行なった。すなわち、原料
肉を常法にてチョッピングし、各々残りの原料を混合、
脱気した後、24時間,5℃にて塩漬した。塩漬した原
料を内径4cmの塩化ビニリデンチューブに充填し各々7
0℃の湯浴にて30分間保持し、15℃の水槽にて1時
間冷却した。その結果、本発明品1、2、3、4を得
た。また、比較のため対照品A、B、C、D、E、Fも
同様に調製した。本発明品、対照品の保水率、ゲル強
度、風味を測定した結果を表3に示す。
(株)製品、卵白粉末,カゼインNa(サンラクト
S),豚血漿粉末(プロファインP)は、太陽化学
(株)製品を用いた。乳清のミネラル濃縮物[本発明
品](MCW:1%pH12.6)は、協同乳業(株)
製品、乳清のミネラル濃縮物[従来品](アラミン:1
%pH7.1)は、日本プロテイン(株)製品を用い
た。試料の調製は、常法通り行なった。すなわち、原料
肉を常法にてチョッピングし、各々残りの原料を混合、
脱気した後、24時間,5℃にて塩漬した。塩漬した原
料を内径4cmの塩化ビニリデンチューブに充填し各々7
0℃の湯浴にて30分間保持し、15℃の水槽にて1時
間冷却した。その結果、本発明品1、2、3、4を得
た。また、比較のため対照品A、B、C、D、E、Fも
同様に調製した。本発明品、対照品の保水率、ゲル強
度、風味を測定した結果を表3に示す。
【0011】
【表3】
【0012】(保水率の測定法)チューブ詰め重量
(A)を測定した後、チューブを取り除き、遊離水をよ
く布で拭き取りソーセージの重量(B)とチューブの重
量(C)を測定した。次式によって保水率を算出する。 保水率(%)=(1−((A−B−C)÷(A−
C)))×100 (ゲル強度の測定法)チューブを取り除き、遊離水をよ
く布で拭き取り、ソーセージを厚さ3cmに切り、レオ
メータ(上昇速度:6cm/min ,プランジャー:5mm平
板,不動工業社製品)にてゲル強度を測定する。 実施例2 ロースハムのピックル液の原料の配合割合と肉に対する
注入量を表4に示す。
(A)を測定した後、チューブを取り除き、遊離水をよ
く布で拭き取りソーセージの重量(B)とチューブの重
量(C)を測定した。次式によって保水率を算出する。 保水率(%)=(1−((A−B−C)÷(A−
C)))×100 (ゲル強度の測定法)チューブを取り除き、遊離水をよ
く布で拭き取り、ソーセージを厚さ3cmに切り、レオ
メータ(上昇速度:6cm/min ,プランジャー:5mm平
板,不動工業社製品)にてゲル強度を測定する。 実施例2 ロースハムのピックル液の原料の配合割合と肉に対する
注入量を表4に示す。
【0013】
【表4】
【0014】なお、大豆蛋白,卵白粉末,カゼインN
a,血漿粉末,トロンビンは、実施例1と同様のものを
用いた。試料の調製は、常法通り行なった。すなわち、
豚ロース肉にインジェクターを用いてピックル液を注入
し、15時間のタンブリングを行い、塩漬を5℃にて4
0時間行い、常法通り充填した後、各々中心温度がある
いは68±1℃になるまで加熱した後、冷却した。その
結果、本発明品5、6、7を調製した。また、比較のた
め対照品G、Hも同様に調製した。得られた本発明品及
び対照品について歩留まりとスライス適性を評価した。
スライス適性は、試料を2mmの厚さに切ったときの身割
れ状態を官能検査にて、最高を10点、最低を0点とし
て10人のパネラーの平均値を用いて評価した。その結
果を表5に示す。
a,血漿粉末,トロンビンは、実施例1と同様のものを
用いた。試料の調製は、常法通り行なった。すなわち、
豚ロース肉にインジェクターを用いてピックル液を注入
し、15時間のタンブリングを行い、塩漬を5℃にて4
0時間行い、常法通り充填した後、各々中心温度がある
いは68±1℃になるまで加熱した後、冷却した。その
結果、本発明品5、6、7を調製した。また、比較のた
め対照品G、Hも同様に調製した。得られた本発明品及
び対照品について歩留まりとスライス適性を評価した。
スライス適性は、試料を2mmの厚さに切ったときの身割
れ状態を官能検査にて、最高を10点、最低を0点とし
て10人のパネラーの平均値を用いて評価した。その結
果を表5に示す。
【0015】
【表5】
【0016】本発明の実施態様ならびに目的生成物を挙
げれば以下のとおりである。 (1)特定のpH範囲を示す乳清のミネラル濃縮物を添
加することを特徴とする畜肉食品の製造方法。 (2)1重量%の水溶液のpHが11以上13未満であ
る乳清のミネラル濃縮物を添加することを特徴とする畜
肉食品の製造方法。 (3)乳清のミネラル濃縮物の粒度が50ミクロン以下
である(1)及び(2)記載の畜肉食品の製造方法。 (4)乳清のミネラル濃縮物の粉砕法が凍結粉砕である
(3)記載の畜肉食品の製造方法。 (5)乳清のミネラル濃縮物がチーズホエー又は、カゼ
インホエー由来である(1)〜(4)記載の畜肉食品の
製造方法。 (6)乳清のミネラル濃縮物がイオン交換樹脂を用い調
製されたものである(1)〜(5)記載の畜肉食品の製
造方法。 (7)乳清のミネラル濃縮物の添加量が通常畜肉食品に
対して0.05%以上0.5%以下である(1)〜
(6)記載の畜肉食品の製造方法。
げれば以下のとおりである。 (1)特定のpH範囲を示す乳清のミネラル濃縮物を添
加することを特徴とする畜肉食品の製造方法。 (2)1重量%の水溶液のpHが11以上13未満であ
る乳清のミネラル濃縮物を添加することを特徴とする畜
肉食品の製造方法。 (3)乳清のミネラル濃縮物の粒度が50ミクロン以下
である(1)及び(2)記載の畜肉食品の製造方法。 (4)乳清のミネラル濃縮物の粉砕法が凍結粉砕である
(3)記載の畜肉食品の製造方法。 (5)乳清のミネラル濃縮物がチーズホエー又は、カゼ
インホエー由来である(1)〜(4)記載の畜肉食品の
製造方法。 (6)乳清のミネラル濃縮物がイオン交換樹脂を用い調
製されたものである(1)〜(5)記載の畜肉食品の製
造方法。 (7)乳清のミネラル濃縮物の添加量が通常畜肉食品に
対して0.05%以上0.5%以下である(1)〜
(6)記載の畜肉食品の製造方法。
【0017】
【発明の効果】本発明はハム,ベーコン,ソーセージな
どの塩漬工程を有する畜肉食品において、加水量やリン
酸塩の添加の有無にかかわらず、保水性や弾力性の改善
による品質の向上をはかることができる。また、食生活
においてリン酸塩の過剰摂取を防ぐことも可能となる。
以上のように、本発明は塩漬工程を有する畜肉食品の改
善に効果が大であり、食品産業上におおいに貢献できる
ものである。
どの塩漬工程を有する畜肉食品において、加水量やリン
酸塩の添加の有無にかかわらず、保水性や弾力性の改善
による品質の向上をはかることができる。また、食生活
においてリン酸塩の過剰摂取を防ぐことも可能となる。
以上のように、本発明は塩漬工程を有する畜肉食品の改
善に効果が大であり、食品産業上におおいに貢献できる
ものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−65133(JP,A) 特開 平1−27448(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23L 1/31 - 1/318 A23B 4/02 A23L 1/304
Claims (4)
- 【請求項1】 塩漬工程を有する畜肉食品の製造におい
て、1重量%の水溶液のpHが11以上13未満である
乳清のミネラル濃縮物を畜肉食品に添加することを特徴
とする畜肉食品の製造方法。 - 【請求項2】 凍結粉砕にて50ミクロン以下の粒度と
した1重量%の水溶液のpHが11以上13未満である
乳清のミネラル濃縮物の粉末を添加することを特徴とす
る請求項1記載の畜肉食品の製造方法。 - 【請求項3】 イオン交換樹脂を用いてチーズホエー又
は、カゼインホエーより分離された、1重量%の水溶液
のpHが11以上13未満である乳清のミネラル濃縮物
であることを特徴とする請求項1記載の畜肉食品の製造
方法。 - 【請求項4】 1重量%の水溶液のpHが11以上13
未満である乳清のミネラル濃縮物の添加量が畜肉食品に
対して0.05重量%以上、0.5%以下であることを
特徴とする請求項1記載の畜肉食品の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18409094A JP3247553B2 (ja) | 1994-07-12 | 1994-07-12 | 畜肉食品の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18409094A JP3247553B2 (ja) | 1994-07-12 | 1994-07-12 | 畜肉食品の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0823924A JPH0823924A (ja) | 1996-01-30 |
JP3247553B2 true JP3247553B2 (ja) | 2002-01-15 |
Family
ID=16147226
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP18409094A Expired - Fee Related JP3247553B2 (ja) | 1994-07-12 | 1994-07-12 | 畜肉食品の製造方法 |
Country Status (1)
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---|---|
JP (1) | JP3247553B2 (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011055776A (ja) * | 2009-09-11 | 2011-03-24 | Adeka Corp | 畜肉又は魚肉食品の食感改良剤 |
JP5467858B2 (ja) * | 2009-12-24 | 2014-04-09 | 有限会社サニーヘルツジャパン | 食肉加工食品の品質改良剤 |
JP5923249B2 (ja) * | 2011-05-16 | 2016-05-24 | オルガノ株式会社 | 食肉加工用の塩漬剤製剤及び塩漬用液 |
-
1994
- 1994-07-12 JP JP18409094A patent/JP3247553B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0823924A (ja) | 1996-01-30 |
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