JP3246966B2 - アデノシン誘導体及びその薬学的に許容される塩 - Google Patents
アデノシン誘導体及びその薬学的に許容される塩Info
- Publication number
- JP3246966B2 JP3246966B2 JP31276592A JP31276592A JP3246966B2 JP 3246966 B2 JP3246966 B2 JP 3246966B2 JP 31276592 A JP31276592 A JP 31276592A JP 31276592 A JP31276592 A JP 31276592A JP 3246966 B2 JP3246966 B2 JP 3246966B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- adenosine
- acid
- pharmaceutically acceptable
- present
- acceptable salts
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Saccharide Compounds (AREA)
- Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アデノシンデアミナー
ゼ阻害作用を有する新規なアデノシン誘導体及びその薬
学的に許容される塩に関する。
ゼ阻害作用を有する新規なアデノシン誘導体及びその薬
学的に許容される塩に関する。
【0002】
【従来の技術】アデノシンデアミナーゼは、生体内にお
いてアデノシンの脱アミノ化作用によってイノシンを生
成する酵素であり、動物・微生物界に広く存在してい
る。このアデノシンデアミナーゼを阻害することによ
り、組織でのアデノシン濃度が高められ、逆にイノシン
濃度が低下し、内因性のアデノシンの不活性化が抑制さ
れる。組織の虚血状態において好中球が活性酸素を産生
するが、アデノシンはこの活性酸素の産生を阻害するこ
とに加え、産生された活性酸素を直接消去する作用をも
有する。又、イノシン濃度を低下させることにより、活
性酸素生成系の一つであるキサンチン−キサンチンオキ
シダーゼ系の基質であるヒポキサンチンの供給を減少さ
せる。このような活性酸素種の産生阻止及び消去作用を
有するアデノシンデアミナーゼ阻害物質は、冠・脳血管
循環改善作用、腎疾患予防・治療作用、抗炎症作用等の
薬理作用を示すことが知られている。本発明者は、O−
アルキル化アデノシン誘導体について研究を続けてきた
結果、優れたアデノシンデアミナーゼ阻害作用を有する
新規なアデノシン誘導体を見出し、本発明を完成した。
いてアデノシンの脱アミノ化作用によってイノシンを生
成する酵素であり、動物・微生物界に広く存在してい
る。このアデノシンデアミナーゼを阻害することによ
り、組織でのアデノシン濃度が高められ、逆にイノシン
濃度が低下し、内因性のアデノシンの不活性化が抑制さ
れる。組織の虚血状態において好中球が活性酸素を産生
するが、アデノシンはこの活性酸素の産生を阻害するこ
とに加え、産生された活性酸素を直接消去する作用をも
有する。又、イノシン濃度を低下させることにより、活
性酸素生成系の一つであるキサンチン−キサンチンオキ
シダーゼ系の基質であるヒポキサンチンの供給を減少さ
せる。このような活性酸素種の産生阻止及び消去作用を
有するアデノシンデアミナーゼ阻害物質は、冠・脳血管
循環改善作用、腎疾患予防・治療作用、抗炎症作用等の
薬理作用を示すことが知られている。本発明者は、O−
アルキル化アデノシン誘導体について研究を続けてきた
結果、優れたアデノシンデアミナーゼ阻害作用を有する
新規なアデノシン誘導体を見出し、本発明を完成した。
【0003】
【発明が解決しようとする問題点】本発明の目的は、ア
デノシンデアミナーゼ阻害作用を有する新規アデノシン
誘導体及びその薬学的に許容される塩を提供することに
ある。
デノシンデアミナーゼ阻害作用を有する新規アデノシン
誘導体及びその薬学的に許容される塩を提供することに
ある。
【0004】本発明は、次の一般式(I)で表される化
合物又はその薬学的に許容される塩である。
合物又はその薬学的に許容される塩である。
【化3】
【0005】上記一般式(I)中、Rは炭素数2以上の
アルキル基、好ましくはメチル、エチル、プロピル、イ
ソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t
−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、t
−ペンチル、ヘキシル、ジメチルブチル、ヘプチル、オ
クチル、ノニル、デシル等の直鎖又は分枝状の炭素数2
乃至10のアルキル基を表す。
アルキル基、好ましくはメチル、エチル、プロピル、イ
ソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t
−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、t
−ペンチル、ヘキシル、ジメチルブチル、ヘプチル、オ
クチル、ノニル、デシル等の直鎖又は分枝状の炭素数2
乃至10のアルキル基を表す。
【0006】
【0007】一般式(I)で表される本発明化合物は、
例えばアデノシン糖部分の3位と5位をテトライソプロ
ピルジシロキサンで保護することにより、2位を選択的
にO−アルキル化する方法によって製造することができ
る。即ち、6−クロルプリン−9−リボシド類と1,2
−ジクロロ−1,1,3,3−テトライソプロピルジシ
ロキサン(TIPDS・Cl2 )を室温で数時間攪拌
し、糖の3位と5位をTIPDSで保護した後、酸化銀
(I)等の触媒存在下ヨウ化メチル、ヨウ化エチル等の
アルキル化剤で処理して2’−O−アルキル体を得るこ
とができる。上記アルキル化反応が完了した後、常法に
従ってメチルアミン、エチルアミン等のアルキルアミン
を用いてプリンの6位にアルキル基を導入できる。保護
基のTIPDSは、このアミン類と塩素との置換反応の
前後いずれにても脱離することが可能である。
例えばアデノシン糖部分の3位と5位をテトライソプロ
ピルジシロキサンで保護することにより、2位を選択的
にO−アルキル化する方法によって製造することができ
る。即ち、6−クロルプリン−9−リボシド類と1,2
−ジクロロ−1,1,3,3−テトライソプロピルジシ
ロキサン(TIPDS・Cl2 )を室温で数時間攪拌
し、糖の3位と5位をTIPDSで保護した後、酸化銀
(I)等の触媒存在下ヨウ化メチル、ヨウ化エチル等の
アルキル化剤で処理して2’−O−アルキル体を得るこ
とができる。上記アルキル化反応が完了した後、常法に
従ってメチルアミン、エチルアミン等のアルキルアミン
を用いてプリンの6位にアルキル基を導入できる。保護
基のTIPDSは、このアミン類と塩素との置換反応の
前後いずれにても脱離することが可能である。
【0008】
【0009】本発明アデノシン誘導体は、前記一般式で
表される化合物の薬学的に許容される塩を包含し、例え
ば、塩酸、硫酸、硝酸、臭化水素酸、リン酸、過塩素
酸、チオシアン酸、ホウ酸、ギ酸、酢酸、ハロ酢酸、プ
ロピオン酸、グリコール酸、クエン酸、酒石酸、コハク
酸、グルコン酸、乳酸、マロン酸、フマール酸、アント
ラニル酸、安息香酸、ケイ皮酸、p−トルエンスルホン
酸、ナフタレンスルホン酸、スルファニル酸等との酸付
加塩、或いはナトリウム、カリウム等のアルカリ金属、
カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属又はア
ルミニウム等の金属との塩を挙げることができる。
表される化合物の薬学的に許容される塩を包含し、例え
ば、塩酸、硫酸、硝酸、臭化水素酸、リン酸、過塩素
酸、チオシアン酸、ホウ酸、ギ酸、酢酸、ハロ酢酸、プ
ロピオン酸、グリコール酸、クエン酸、酒石酸、コハク
酸、グルコン酸、乳酸、マロン酸、フマール酸、アント
ラニル酸、安息香酸、ケイ皮酸、p−トルエンスルホン
酸、ナフタレンスルホン酸、スルファニル酸等との酸付
加塩、或いはナトリウム、カリウム等のアルカリ金属、
カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属又はア
ルミニウム等の金属との塩を挙げることができる。
【0010】本発明アデノシン誘導体は、その金属錯化
合物を包含し、例えば、亜鉛、ニッケル、コバルト、
銅、鉄等との錯化合物が挙げられる。これらの塩若しく
は金属錯化合物は公知の方法により、遊離の本発明フラ
ノン誘導体より製造でき或いは相互に変換できる。また
本発明化合物においてシス−トランス異性体、光学異性
体、配座異性体等の立体異性体が存在する場合には、本
発明はそのいずれをも包含する。
合物を包含し、例えば、亜鉛、ニッケル、コバルト、
銅、鉄等との錯化合物が挙げられる。これらの塩若しく
は金属錯化合物は公知の方法により、遊離の本発明フラ
ノン誘導体より製造でき或いは相互に変換できる。また
本発明化合物においてシス−トランス異性体、光学異性
体、配座異性体等の立体異性体が存在する場合には、本
発明はそのいずれをも包含する。
【0011】
実施例1.10gの6−クロロ−9−(3,5−O−T
IPDS)−β−D−リボフラノシル−9H−プリンを
50mlのヨウ化エチルに溶解し、酸化銀を加えながら
加温攪拌する。反応終了後、シリカゲルカラムに添加
し、ベンゼンで洗浄した後、酢酸エチル/ヘキサンで溶
出した。溶出液を減圧下で乾固した後、ベンゼンに溶解
し、40%モノメチルアミン水溶液を加えて一晩攪拌し
た。ベンゼン層を分取し、1N塩酸及び飽和食塩水で洗
浄した後、1Mテトラ−n−ブチルアンモニウムフロリ
ド/テトラヒドロフラン溶液を加え、室温で30分間攪
拌した。次いで減圧下溶媒を留去し、シリカゲルカラム
で精製して2.1gのN6 −メチル−2’−O−エチル
アデノシン〔化合物1〕を得た。
IPDS)−β−D−リボフラノシル−9H−プリンを
50mlのヨウ化エチルに溶解し、酸化銀を加えながら
加温攪拌する。反応終了後、シリカゲルカラムに添加
し、ベンゼンで洗浄した後、酢酸エチル/ヘキサンで溶
出した。溶出液を減圧下で乾固した後、ベンゼンに溶解
し、40%モノメチルアミン水溶液を加えて一晩攪拌し
た。ベンゼン層を分取し、1N塩酸及び飽和食塩水で洗
浄した後、1Mテトラ−n−ブチルアンモニウムフロリ
ド/テトラヒドロフラン溶液を加え、室温で30分間攪
拌した。次いで減圧下溶媒を留去し、シリカゲルカラム
で精製して2.1gのN6 −メチル−2’−O−エチル
アデノシン〔化合物1〕を得た。
【0012】1H−NMR(D2 O):1.21(3
H,t,J=7.4Hz)、3.19(3H,s)、
3.58(1H,m)、3.69(1H,m)、3.8
5(1H,dd,J=2.9,13.2Hz)、3.9
3(1H,dd,J=3.4,13.2Hz)、4.3
2(1H,m)、4.55(1H,dd,J=5.9,
4.9Hz)、4.63(1H,dd,J=4.9,
4.9Hz)、6.10(1H,dd,J=5.9H
z)、8.25(1H,s)、8.30(1H,s)
H,t,J=7.4Hz)、3.19(3H,s)、
3.58(1H,m)、3.69(1H,m)、3.8
5(1H,dd,J=2.9,13.2Hz)、3.9
3(1H,dd,J=3.4,13.2Hz)、4.3
2(1H,m)、4.55(1H,dd,J=5.9,
4.9Hz)、4.63(1H,dd,J=4.9,
4.9Hz)、6.10(1H,dd,J=5.9H
z)、8.25(1H,s)、8.30(1H,s)
【0013】同様にして、以下の化合物を得た。 N6 −メチル−2’−O−n−ブチルアデノシン〔化合
物2〕1 H−NMR(DMSO−d6):0.74(3H,t,
J=7.4Hz)、1.17(2H,m)、1.37
(2H,m)、2.96(3H,s)、3.34(1
H,m)、3.55(2H,m)、3.68(1H,
m)、3.99(1H,m)、4.29(1H,m)、
4.47(1H,m)、5.15(1H,d,J=4.
9Hz)、5.42(1H,m)、5.99(1H,
d,J=5.4Hz)、7.81(1H,s)、8.2
3(1H,s)、8.37(1H,s)
物2〕1 H−NMR(DMSO−d6):0.74(3H,t,
J=7.4Hz)、1.17(2H,m)、1.37
(2H,m)、2.96(3H,s)、3.34(1
H,m)、3.55(2H,m)、3.68(1H,
m)、3.99(1H,m)、4.29(1H,m)、
4.47(1H,m)、5.15(1H,d,J=4.
9Hz)、5.42(1H,m)、5.99(1H,
d,J=5.4Hz)、7.81(1H,s)、8.2
3(1H,s)、8.37(1H,s)
【0014】N6 −メチル−2’−O−n−ヘキシルア
デノシン〔化合物3〕1 H−NMR(CDCl3):0.86(3H,t,J=
7.4Hz)、1.17(8H,m)、1.40(2
H,m)、3.21(3H,s)、3.34(1H,
m)、3.48(1H,m)、3.75(1H,m)、
3.97(1H,m)、4.36(1H,m)、4.5
3(1H,d,J=4.9Hz)、4.82(1H,d
d,J=4.9,7.8Hz)、5.82(1H,d,
J=7.8Hz)、5.87(1H,s)、6.87
(1H,dd,J=2.0,12.0Hz)、7.76
(1H,s)、8.37(1H,s)
デノシン〔化合物3〕1 H−NMR(CDCl3):0.86(3H,t,J=
7.4Hz)、1.17(8H,m)、1.40(2
H,m)、3.21(3H,s)、3.34(1H,
m)、3.48(1H,m)、3.75(1H,m)、
3.97(1H,m)、4.36(1H,m)、4.5
3(1H,d,J=4.9Hz)、4.82(1H,d
d,J=4.9,7.8Hz)、5.82(1H,d,
J=7.8Hz)、5.87(1H,s)、6.87
(1H,dd,J=2.0,12.0Hz)、7.76
(1H,s)、8.37(1H,s)
【0015】N6 −メチル−2’−O−n−オクチルア
デノシン〔化合物4〕1 H−NMR(CDCl3):0.86(3H,t,J=
7.4Hz)、1.16(8H,m)、1.24(2
H,m)、1.41(2H,m)、3.21(3H,
s)、3.33(1H,m)、3.49(1H,m)、
3.76(1H,m)、3.97(1H,m)、4.3
6(1H,m)、4.53(1H,d,J=4.9H
z)、4.82(1H,dd,J=4.9,7.8H
z)、5.82(1H,d,J=7.8Hz)、6.0
2(1H,s)、6.87(1H,dd,J=2.0,
12.0Hz)、7.77(1H,s)、8.37(1
H,s)
デノシン〔化合物4〕1 H−NMR(CDCl3):0.86(3H,t,J=
7.4Hz)、1.16(8H,m)、1.24(2
H,m)、1.41(2H,m)、3.21(3H,
s)、3.33(1H,m)、3.49(1H,m)、
3.76(1H,m)、3.97(1H,m)、4.3
6(1H,m)、4.53(1H,d,J=4.9H
z)、4.82(1H,dd,J=4.9,7.8H
z)、5.82(1H,d,J=7.8Hz)、6.0
2(1H,s)、6.87(1H,dd,J=2.0,
12.0Hz)、7.77(1H,s)、8.37(1
H,s)
【0016】
【0017】
【0018】
【0019】
【0020】
【0021】
【0022】
【0023】
【0024】
【0025】
1.アデノシンデアミナーゼ阻害作用 本酵素反応は25℃、0.05Mリン酸緩衝液中(pH
7.5)で行った。800μlの基質溶液(アデノシ
ン)、100μlの被検薬溶液及び100μlの酵素溶
液(アデノシンデアミナーゼ−タイプVII、コウシ腸管
粘膜)から成る反応溶液を5分間反応させ、100μl
の酢酸を加えて反応を停止させた。次いで、イノシンの
生成量をHPLCにより測定して阻害活性を求めた。種
々の基質濃度について行い、Lineweaver−B
urkプロットよりKi値を求めた。結果の一例を表1
に示す。
7.5)で行った。800μlの基質溶液(アデノシ
ン)、100μlの被検薬溶液及び100μlの酵素溶
液(アデノシンデアミナーゼ−タイプVII、コウシ腸管
粘膜)から成る反応溶液を5分間反応させ、100μl
の酢酸を加えて反応を停止させた。次いで、イノシンの
生成量をHPLCにより測定して阻害活性を求めた。種
々の基質濃度について行い、Lineweaver−B
urkプロットよりKi値を求めた。結果の一例を表1
に示す。
【0026】
【表1】
【0027】表1に示したように、本発明化合物は優れ
たアデノシンデアミナーゼ阻害作用を有する。本発明ア
デノシン誘導体は新規物質であり、その類縁体である
2’−O−アルキルアデノシン類や2’,3’−O−ジ
アルキルアデノシン類がアデノシンデアミナーゼ阻害作
用を有することはこれまで報告されていない。アデノシ
ンの代謝酵素であるアデノシンデアミナーゼを阻害する
ことにより、組織でのアデノシン濃度が高められる。組
織の虚血状態において好中球が活性酸素を産生するが、
アデノシンはこの活性酸素の産生を阻害することに加
え、産生された活性酸素を直接消去する作用をも有す
る。又、逆にイノシン濃度を低下させることにより、活
性酸素生成系の一つであるキサンチン−キサンチンオキ
シダーゼ系の基質であるヒポキサンチンの供給を減少さ
せる。このような活性酸素種の産生阻止及び消去作用を
有するアデノシンデアミナーゼ阻害物質は、冠・脳血管
循環改善作用、腎疾患予防・治療作用、抗炎症作用等の
薬理作用を示す。
たアデノシンデアミナーゼ阻害作用を有する。本発明ア
デノシン誘導体は新規物質であり、その類縁体である
2’−O−アルキルアデノシン類や2’,3’−O−ジ
アルキルアデノシン類がアデノシンデアミナーゼ阻害作
用を有することはこれまで報告されていない。アデノシ
ンの代謝酵素であるアデノシンデアミナーゼを阻害する
ことにより、組織でのアデノシン濃度が高められる。組
織の虚血状態において好中球が活性酸素を産生するが、
アデノシンはこの活性酸素の産生を阻害することに加
え、産生された活性酸素を直接消去する作用をも有す
る。又、逆にイノシン濃度を低下させることにより、活
性酸素生成系の一つであるキサンチン−キサンチンオキ
シダーゼ系の基質であるヒポキサンチンの供給を減少さ
せる。このような活性酸素種の産生阻止及び消去作用を
有するアデノシンデアミナーゼ阻害物質は、冠・脳血管
循環改善作用、腎疾患予防・治療作用、抗炎症作用等の
薬理作用を示す。
【0028】従って、アデノシンデアミナーゼ阻害作用
を有する本発明化合物は、狭心症、心筋硬塞、不整脈等
の虚血性心疾患、脳出血、脳硬塞、脳卒中及びその後遺
症、脳動脈硬化症等の脳血管障害に起因する疾患、腎
炎、腎不全等の腎疾患、喘息、アレルギー性鼻炎、アレ
ルギー性結膜炎、蕁麻疹、リウマチ等の炎症性のアレル
ギー疾患などの各種疾患を予防及び治療するための薬剤
として有用であるほか、手術後の血液再還流時に虚血部
位に発生する活性酸素を不活化させることにより、術後
併発疾患の発症予防・治療用薬剤として非常に有用性が
高い。
を有する本発明化合物は、狭心症、心筋硬塞、不整脈等
の虚血性心疾患、脳出血、脳硬塞、脳卒中及びその後遺
症、脳動脈硬化症等の脳血管障害に起因する疾患、腎
炎、腎不全等の腎疾患、喘息、アレルギー性鼻炎、アレ
ルギー性結膜炎、蕁麻疹、リウマチ等の炎症性のアレル
ギー疾患などの各種疾患を予防及び治療するための薬剤
として有用であるほか、手術後の血液再還流時に虚血部
位に発生する活性酸素を不活化させることにより、術後
併発疾患の発症予防・治療用薬剤として非常に有用性が
高い。
【0029】抗癌剤である3’−デオキシアデノシンや
キシロシルアデニン、抗ヘルペス効果のあるアラビノシ
ルアデニン等のアデノシンアナログは、生体内でアデノ
シンデアミナーゼによって容易に脱アミノ化され不活化
される。従って、アデノシンデアミナーゼ阻害作用を有
する本発明化合物を上記抗癌剤や抗ウイルス剤の投与前
又は同時に投与することによって、癌やウイルスの化学
療法において、上記のアデノシンアナログ系の抗癌・抗
ウイルス剤の作用減少を阻止する効果も期待できる。
キシロシルアデニン、抗ヘルペス効果のあるアラビノシ
ルアデニン等のアデノシンアナログは、生体内でアデノ
シンデアミナーゼによって容易に脱アミノ化され不活化
される。従って、アデノシンデアミナーゼ阻害作用を有
する本発明化合物を上記抗癌剤や抗ウイルス剤の投与前
又は同時に投与することによって、癌やウイルスの化学
療法において、上記のアデノシンアナログ系の抗癌・抗
ウイルス剤の作用減少を阻止する効果も期待できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI A61P 29/00 A61P 29/00 37/08 37/08 43/00 111 43/00 111 C12N 9/99 C12N 9/99 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07H 19/167 CA(STN) CAOLD(STN) REGISTRY(STN)
Claims (1)
- 【請求項1】 次の一般式(I)で表される化合物及び
その薬学的に許容される塩。 【化1】 (式中、Rは炭素数2乃至10のアルキル基を表す。)
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31276592A JP3246966B2 (ja) | 1992-10-27 | 1992-10-27 | アデノシン誘導体及びその薬学的に許容される塩 |
EP19930117408 EP0601322A3 (en) | 1992-10-27 | 1993-10-27 | Adenosine deaminase inhibitor. |
US08/141,597 US5705491A (en) | 1992-10-27 | 1993-10-27 | Adenosine deaminase inhibitor |
US08/443,876 US5773603A (en) | 1992-10-27 | 1995-05-30 | Method for treating allergic diseases with adenosine derivatives |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31276592A JP3246966B2 (ja) | 1992-10-27 | 1992-10-27 | アデノシン誘導体及びその薬学的に許容される塩 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06135990A JPH06135990A (ja) | 1994-05-17 |
JP3246966B2 true JP3246966B2 (ja) | 2002-01-15 |
Family
ID=18033155
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP31276592A Expired - Fee Related JP3246966B2 (ja) | 1992-10-27 | 1992-10-27 | アデノシン誘導体及びその薬学的に許容される塩 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3246966B2 (ja) |
-
1992
- 1992-10-27 JP JP31276592A patent/JP3246966B2/ja not_active Expired - Fee Related
Non-Patent Citations (1)
Title |
---|
Biochemistry,Vol.15,No.13(1976)p.2735−2740 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06135990A (ja) | 1994-05-17 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP0717748B1 (fr) | Composes 2' ou 3'-deoxy- et 2', 3'-dideoxy-beta-l-pentofuranonucleosides, procede de preparation et application therapeutique, notamment anti-virale | |
JP3160288B2 (ja) | プリン ヌクレオシド類 | |
EP0601322A2 (en) | Adenosindeaminase inhibitor | |
JPH0723394B2 (ja) | 新規アデノシン誘導体及び該化合物を有効成分として含有する医薬組成物 | |
EP0680967A1 (fr) | Nouveaux dérivés de l'érythromycine, leur procédé de préparation et leur application comme médicaments | |
JP2003176296A (ja) | 単環式ヌクレオシド、その類似体および使用 | |
SU993817A3 (ru) | Способ получени производных индолизина | |
JPH0794453B2 (ja) | ピリミジン誘導体 | |
CA1315779C (en) | Aristeromycin/adenosine derivatives | |
RU2282627C2 (ru) | Кумариновые производные с подавляющей комт активностью | |
CA1339646C (en) | Neplanocin derivatives | |
US3845035A (en) | Novel n(6)-substituted adenosine compounds and therapeutic compositions | |
US4315920A (en) | Adenosine deaminase inhibitors | |
JP2002541246A (ja) | 抗ウイルス性ピリミジンジオン誘導体及びそれらの製造方法 | |
JP3246966B2 (ja) | アデノシン誘導体及びその薬学的に許容される塩 | |
US5041543A (en) | Nucleoside and use thereof | |
HU220670B1 (hu) | Pozitív inotróp és luzitróp pirrolokinolinonszármazékok, előállításuk, ezeket tartalmazó gyógyászati készítmények és előállításuk, valamint a vegyületek előállításának köztitermékei | |
JP2000516578A (ja) | アデノシンデアミナーゼ阻害剤 | |
JPH07118288A (ja) | アデノシン誘導体及びその薬学的に許容される塩 | |
JP2022167736A (ja) | モルヌピラビルの製造方法 | |
JP3025557B2 (ja) | 2‐アルキニルアデノシン誘導体 | |
JPH0560478B2 (ja) | ||
BE1004365A4 (fr) | Derive nucleotidique. | |
JPH05148261A (ja) | 置換2’,3’−ジデオキシ−5−トリフルオロメチルウリジン類 | |
US8404660B2 (en) | Method of obtaining of 4-N-furfurylcytosine and/or its derivatives, an anti-aging composition and use of 4-N-furfurylcytosine and/or its derivatives in the manufacture of anti-aging composition |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |