JP3246830B2 - インク供給装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、インク供給装置の構成
に関し、インクジェットプリンタに適したインク供給装
置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来のインクジェットプリンタとして
は、記録媒体に対してインクを吐出するヘッドと、その
ヘッドにインクを供給するインクタンクを離した位置に
配置し、ヘッドまでをインク供給管で結合するものがあ
る。

【０００３】しかしながら、インクを供給管で結合する
ような構成のインクジェットプリンタにおいては、一般
に長い供給管を必要とするので、供給管の配管がやりに
くいことや、インクの蒸発や空気の混入が生じ、印字品
質が悪くなるという問題がある。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】これに対して、ヘッド
とインクタンクとを一体化した構成のインクジェットプ
リンタがある。このようにヘッドとインクタンクとを一
体化すると、インク蒸発や、空気混入や、長い配管の供
給管といった問題点を排除でき、取扱いが容易になると
いう利点がある。

【０００５】しかしながら、ヘッドとインクタンクとを
一体化すると、インク供給源内のインクがなくなった場
合、インク供給部に比べて高価であるヘッドも同時に交
換しなけれればならない。このため、コスト的に問題が
ある。

【０００６】これに対して、たとえば実開昭６３−１７
６６３５公報に記載のインク供給装置がある。この公報
にはヘッドとインク供給源とを分割することができる構
成が記載されている。この公報記載のインク供給装置の
ヘッドとインク供給源を分離状態にした構成を、図４を
用いて説明する。

【０００７】図４に示すように、インクヘッド１４の結
合面側にはインク流路を構成する針状中空部材１５を設
け、インクが収容されているインク供給源１６の結合面
には針状中空部材１５と対応する位置に弾性材よりなる
栓部材１１を設けてある。

【０００８】インクヘッド１４とインク供給源１６との
結合時に針状中空部材１５は、栓部材１１を貫通する。
このことで、インク流路を形成し、インク供給源１０の
インク収容部１２からインクが針状中空部材１５内を通
り、インクヘッド１４のインク溜部１３へインクを供給
する。

【０００９】この図４に示す構造では、インク供給源１
０のインクがなくなった場合、インク供給源１６のみを
交換でき、コスト的に利点とはなる。しかし、インクヘ
ッド１４を接続の際に、位置合わせや固定のためのガイ
ドが必要となり、構造が複雑になるという問題点があ
る。

【００１０】またさらに、インク流路は針状中空部材１
５としており、さらに栓部材１１を貫通する針状中空部
材１５の側面部や先端部にゴミがついていると、インク
供給源１６内にゴミが入ってしまいインクヘッド１４の
目詰まりが発生する。

【００１１】そこで、本発明の目的は、上記問題点を解
決し、インクタンクの交換時に容易に装着でき、インク
流路が確実に確保することを可能とするインクジェット
プリンタ用のインク供給装置を提供することである。

【００１２】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明のインクジェットプリンタ用のインク供給装置
は、下記記載の構成を採用する。

【００１３】本発明のインク供給装置は、インクタンク
との結合面側にインク流路を有する中空部材と、インク
収容部を有するインクタンクと、インクタンクとの結合
面側には中空部材と対応する位置に弾性材よりなる栓部
材とを有することを特徴とする。

【００１４】

【作用】インクタンクとの結合面側にインク流路と装着
時のガイドをかねたインク流路を有する中空部材を設
け、さらにインクタンクの結合面側には中空部材と対応
する位置に弾性材よりなる栓部材を設ける。

【００１５】このため結合時に中空部材は、栓部材内の
薄膜を押しのばして、インクタンクのインク収容部から
印字ヘッド部へ通じる流路を形成する。

【００１６】この結果、インクタンクの接続が容易で、
かつ装着時にインク漏れやゴミの混入がなく、しかも装
着したときには確実にインク流路を確保することができ
るインク供給装置を提供することが可能となる。

【００１７】

【実施例】以下図面を用いて本発明の実施例におけるイ
ンク供給装置の構成を説明する。図１は本発明の実施例
におけるインク供給装置とヘッドとを分解した状態を示
す断面図である。

【００１８】図１に示すように、インク供給装置は、イ
ンクタンク６と栓部材３と中空部材２から構成する。

【００１９】栓部材３はゴム材料よりなり、内部には厚
さが薄い薄膜４を形成し、薄膜４の中心部には中空部材
２のインク流路９の穴径よりも小さい寸法のインク穴１
０を設けている。

【００２０】さらに栓部材３は、印字ヘッド部１との結
合面側に円周状の突起８を設ける。そして、印字ヘッド
部１に装着するときは、突起８が押し潰され印字ヘッド
部１とインクタンク６とを気密状態にする。この結果、
インクタンク６と印字ヘッド部１との結合時に、空気の
混入を防ぐことができるようになっている。

【００２１】中空部材２は、印字ヘッド部１側に設ける
インクタンク６と接続するときに、位置決めガイドと、
印字ヘッド部１へインクを供給するためのインク流路９
とになる。

【００２２】印字ヘッド部１は、インク吐出口５と中空
部材２とで構成する。そして、印字ヘッド部１からイン
クタンク６と栓部材３とは着脱自在になるような構成と
なっている。

【００２３】図２はインクタンク６の結合面側に栓部材
３を挿入し、さらに印字ヘッド部１を装着した状態を示
す断面図である。

【００２４】図２に示すように、印字ヘッド部１に設け
る中空部材２と対応する位置に、ゴム材料よりなる栓部
材３を設ける。

【００２５】そして、中空部材２が栓部材３内の薄膜４
を伸ばし、インク穴１０を大きく拡大することにより、
インク収容部７から印字ヘッド部１にインク供給をスム
ーズに行うことができるインク流路を形成する。

【００２６】さらにまた、インクタンク６を印字ヘッド
部１に装着するとき、中空部材２は位置合わせガイドの
働きもかねている。

【００２７】図３は印字ヘッド部１を分離した状態を示
す断面図である。図３に示すようにインクタンク６を交
換するときは、図３中の矢印１７が示す方向にインクタ
ンク６を離脱させることにより、インク供給装置の交換
を行うことができる。

【００２８】インクタンク６を離脱した状態では、栓部
材３内の薄膜４のインク穴１０は、薄膜４が中空部材２
により伸ばされていたものが、図３に示すように、ちじ
んで元の小さい穴に戻る。

【００２９】このために、インクタンク６離脱時に栓部
材３内の薄膜４とインクタンク６の間に残ったインクは
外部に漏れることなく、インクタンク６内の毛細管力で
インク収容部７内に吸収され、インク漏れが発生して周
囲を汚すことを防止できる。

【００３０】

【発明の効果】以上の説明のように、本発明は印字ヘッ
ド部にインク流路を構成する中空部材で、インクタンク
に挿入されている栓部材内の薄膜を中空部材で押しのば
してインクタンクのインク収容部から印字ヘッド部へ通
じる流路を形成する。

【００３１】したがって、中空部材は結合時のガイドに
も利用でき、インクタンクとの接続が容易で、しかもイ
ンク漏れやゴミの混入がなく、確実にインク流路を確保
することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例におけるインク供給装置の分離
状態の全体構成図を示す断面図である。

【図２】本発明の実施例におけるインク供給装置が印字
ヘッドと結合した状態を示す断面図である。

【図３】本発明の実施例におけるインク供給装置が印字
ヘッドから離脱した状態を示す断面図である。

【図４】従来例におけるインク供給装置の構成を示す断
面図である。

【符号の説明】

１ 印字ヘッド部 ２ 中空部材 ３ 栓部材 ４ 薄膜 ５ インク吐出口 ６ インクタンク ７ インク収容部 ８ 突起 ９ インク流路 １０ インク穴

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 インク収容部を有するインクタンクと、
   該インクタンクの結合面側に設けるインク流路を有する
   中空部材と、前記インクタンクとの結合面側に設けた前
   記中空部材と対応する位置に設ける弾性材からなる栓部
   材とを有するインク供給装置であって、前記栓部材は、前記中空部材の先端部が当接する位置の
   内部に薄膜を有し該薄膜の中心部には前記インク流路を
   構成する前記中空部材の穴径より小さいインク穴を設
   け、 前記中空部材と前記インクタンクの結合時には、 前記中
   空部材が前記栓部材の前記薄膜を拡張して前記インク穴
   を大きくして、前記インク流路を確保することを特徴と
   するインク供給装置。