JP3246602U - 二部式着物の上衣、下衣、および二部式着物 - Google Patents

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【課題】着物に慣れていない人でも簡単に着用することができるようにした二部式着物の上衣、下衣、および二部式着物を提供する。【解決手段】上前身頃6の下部の衿7側に取付けられた前結び紐12と、後身頃11と下前身頃9との境界付近の内面側に取付けられ、前結び紐12に結び付けることが可能な第2後結び紐15とを具備し、この第2後結び紐15は、前結び紐12に結び付けた状態で上前身頃6の下部が内側に折返され、下前身頃9の下部を差込んで収容可能な収容部29を形成する位置に取付ける。【選択図】図7

Description

本考案は、着物の着付けの技術がない人でも着付けが簡単にでき尚かつ締め付けがなく楽に着用できるようにした二部式着物の上衣、下衣、および二部式着物に関する。
通常の着物は着付けの技術がないと一人で着ることが難しいため、簡単に着ることができる二部式着物が多く出ている。
しかし、おはしょりの部分が本来の着姿とは違った物になっていたり、マジックテープ(登録商標)や、腰紐、ゴムベルトなどが付随した複雑な構造で縫製が複雑になったり、自宅での手入れがし難くなる、ごわつきが出てしまうなどの問題点があった。
また、下衣については多くが腰紐などが縫い付けられている物が多く、個人の好みで変えたりすることが出来なかった。
たとえば特許文献1には、上衣の裾を折返して複数の面ファスナーで固定することによりおはしょりを形成し、また、下衣の腰留めに面ファスナーを用いた二部式着物が開示されている。
特開2007-16372号公報
しかしながら、上記二部式着物では、上衣の裾を幅方向に亘って一律に折返しておはしょりを形成し、下前身頃の上に上前身頃を重ねてから上前身頃の裾を下前身頃の内側に回り込ませて面ファスナーで固定するため、おはしょりの微調整が行い難い。
また、下衣は、ゴムバンド、面ファスナー、結び紐などが既に縫い付けられている複雑な縫製になっている為コストがかかる、また手入れが難しくなる、ゴムバンドが劣化してしまうと取り替えが難しいという問題があった。
さらに、上衣も下衣も複数の面ファスナーを用いて固定するため、嵩張り違和感を生じるという問題がある。
本考案は、上記事情に基づいてなされたもので、その目的とするところは、着物に慣れていない人でも簡単に着用することができるようにした二部式着物の上衣、下衣、および二部式着物を提供することにある。
上記課題を解決するために、本考案に係る二部式着物の上衣は、上前身頃の下部の衿側に取付けられた第1紐部材と、後身頃と下前身頃との境界付近の内面側に取付けられ、第1紐部材に結び付けることが可能な第2紐部材とを具備し、この第2紐部材は、第1紐部材に結び付けた状態で上前身頃の下部が内側に折返され、下前身頃の下部を差込んで収容可能な収容部を形成する位置に取付けたことを特徴とするものである。
さらに、本考案に係る二部式着物の下衣は、後身頃の上部の表面側、上前身頃の上部の表面側、および下前身頃の上部の裏面側に、それぞれバンド支持部を設設け、中央上部の腰部分に二箇所のダーツを設けたことを特徴とするものである。
さらに、本考案に係る二部式着物は、上前身頃の下部の衿側に取付けられた第1紐部材と、後身頃と下前身頃との境界付近の内面側に取付けられ、第1紐部材に結び付けることが可能な第2紐部材とを具備し、この第2紐部材は、第1紐部材に結び付けた状態で前上身頃の下部が内側に折返され、前下身頃の下部を差込んで収容可能な収容部を形成する位置に取付けた上衣と、後身頃の上部の表面側、上前身頃の上部の表面側、および下前身頃の上部の裏面側に、それぞれバンド支持部を設設け、中央上部の腰部分に二箇所のダーツを設けた下衣とを備えたことを特徴とするものである。
本考案に係る二部式着物の上衣、下衣、および二部式着物によれば、着物に慣れていない人でも簡単に着用することができる。
図面は、本考案の特定の実施の形態を示し、考案の不可欠な構成ばかりでなく、選択的及び好ましい実施の形態を含む。
本考案の一実施形態に係る二部式着物を示す斜視図。 同二部式着物の上衣の中間体を示す展開図。 同中間体を上衣に成形する手順を示す説明図。 同上衣を示す展開図。 同上衣の着用手順を示す説明図。 同上衣の着用手順を示す説明図。 同上衣の着用手順を示す説明図。 同上衣の着用手順を示す説明図。 同上衣の着用手順を示す説明図。 同上衣の着用手順を示す正面図。 同上衣を着用した状態を示す正面図。 同上衣を着用した状態を示す背面図。 同二部式着物の下衣を展開して外側から示す正面図。 同下衣を展開して内側から示す正面図。 同下衣の装着状態を示す正面図。 同下衣の装着状態を示す背面図。 同上衣の変形例を示す展開図。 同上衣の中間体の変形例を示す展開図。 同中間体から上衣を成形する手順を示す説明図。
以下、本考案の一実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1中、符号1は、本考案に係る二部式着物を示している。
この二部式着物1は、上衣2と下衣3を備えている。
なお、4は、帯である。
上衣2は、図2に示す中間体5から形成されている。
この中間体5は、上前身頃6の下端縁を衿7側が傾斜下端となるように傾斜させた第1傾斜部8と、下前身頃9の下端縁を衿7側が傾斜上端となるように傾斜させた第2傾斜部10を有している。
また、後身頃11の下部と上前身頃6の下部との間にはスリット19が形成されている。
さらに、上前身頃6の下部には、衿7側に前結び紐(第1紐部材)12が取付けられている。
なお、前結び紐12は、幅方向に間隔を開けて複数取付けても良い。
さらに、後身頃11と下前身頃9との境界付近すなわち右脇線近傍の内面側には、上から第1後結び紐(第2紐部材)14と第2後結び紐(第2紐部材)15が上下方向に間隔を開けて取付けられ、それぞれ前結び紐12に結びつけることが可能になっている。
なお、16は、上衣2の左右に設けられた身八つ口である。
さらに、この中間体5は、上前身頃6に第1傾斜部8の下端縁と平行な第1折曲予定線17が規定され、後身頃11および下前身頃9に後身頃11の下端縁と平行な第2折曲予定線18が規定されている。
第2折曲予定線18は、上前身頃6側が第1折曲予定線17に連続し、スリット19は、第1折曲予定線17と第2折曲予定線18との接続部まで形成されている。
また、第2折曲予定線18は、第2傾斜部10の中途部まで延びている。
このように形成された中間体5は、図3に示すように、第1折曲予定線17と第2折曲予定線18で上方へ折り曲げられ、袋状に縫合されることにより、図4に示す上衣2が形成されるようになっている。
すなわち、この上衣2は、後身頃11の下部および下前身頃9の下部を内側に折返して袋状にした第1折返し部21と、上前身頃6の下部を内側に折返して袋状にした第2折返し部22を備え、これら第1折返し部21および第2折返し部22は、おはしょりを構成するようになっている。
第1折返し部21は、上部を全幅に亘って第1縫合部23により固定して形成されている。
第2折返し部22は、傾斜上端側の上部を第2縫合部24により固定し、傾斜下端側の上部を縫合しない非固定に形成されている。
なお、第2縫合部24は、縫合をスナップボタンまたは紐によって固定してもよい。
すなわち、第2折返し部22は、上前身頃6の裾が斜め下となるように左脇線近くのみ縫い合わされ、残りの非固定部分は開けてU字ポケット状の収容部29が形成され、この収容部29に下前身頃9の下部を差込み収容することができるように構成されている。
ここで、第1後結び紐14および第2後結び紐15は、それぞれ第1前結び紐12または第2前結び紐13に結び付けた状態で上前身頃6の下部が内側に折返され、下前身頃9の下部を差込んで収容可能な収容部29を形成する高さの位置に取付けられている。
第2折返し部22は、第1傾斜部8に沿って形成されるため、衿7側が傾斜下端となるように傾斜した構成となっている。
したがって、第1折返し部21と第2折返し部22との間には、スリット19が拡開した楔状のスリット部25が形成されている。
なお、この上衣2の後身頃11の中央部分には、衣紋が綺麗に抜けるように上下方向に折畳んだタック26が設けられている。
このように構成された上衣2を着用する場合、先ず、図5に示すように、上前身頃6の第2折返し部22の非固定部分を、図6に示すように、内側に折り返し、第2折返し部22の下部が水平となるようにした状態で、図7に示すように、たとえば前結び紐12と第2後結び紐15を結び、第2折返し部22の非固定部分にU字ポケット状の収容部29を形成する。
ついで、矢印で示すように、下前身頃9の下前部分を第2折返し部22の非固定部分である収容部29の内側へ滑り込ませるように差込み収容すると、図8に示すように、上衣2の着姿を形作ることができる。
この場合、図9に示すように、たとえば前結び紐12と第1後結び紐14とを結ぶと、図10に示すように、おはしょりの丈を短く調整することができる。
また、前結び紐12を短い長さ位置で第1後結び紐14または第2後結び紐15とを結べば、ウエストの外周を小さくすることができる。
ついで、図11に示すように、下前身頃9の衿7の下部にコーリングベルト27(または紐など)の一端側を取付け、他端側を左側の身八つ口16から引出し、図12に示すように、背中側を回して上前身頃6の衿7に取付ける。
一方、下衣3は、図13に示すように、上前身頃31の外周側上部および後身頃32の外周側上部に、それぞれ第1バンド通し(バンド支持部)34が取付けられている。
また、図14に示すように、下前身頃33の内周側上部に、第2バンド通し(バンド支持部)35が取付けられている。
そして、図15および図16に示すように、下前身頃33の上部を前側に折返して、上前身頃31の上部前側に重ね、バンド36の一端を上前身頃31の第1バンド通し34に取付け、バンド36の中途部を後身頃32の第1バンド通し34に挿通させ、バンド36の他端を下前身頃33の第2バンド通し35に取付ける。
これにより、下前身頃33の下端縁は斜め上方に傾斜し、裾つぼまりな着姿にすることができ、尚かつ身体の前面を締め付けることがないので、苦痛がなく楽に着ることができる。
また、下衣3については独自の位置にベルト支持部(第1バンド通し34および第2バンド通し35)を設けることにより、各個人好みのゴムベルトや紐などを自由に付け替えることができ、ループゴムベルトを使用すれば腰の部分のみを締めることになるので、お腹部分の締め付けがなくなり苦しくなく装着できる。
さらに、下衣3には、中央上部の腰部分に二箇所のダーツ51が設けられている。
以上の構成によれば、着物に慣れていない人でも簡単に綺麗に着用することができる。
なお、第2折返し部22の裾部分は、図17に示すように、バイアステープ41等で補強するようにしてもよい。
また、上衣2の丈を長くしたい場合は、図18および図19に示すように、裾に継ぎ布42を足しても良い。
以上に記載した本考案に関する開示は、少なくとも下記事項に要約することができる。
すなわち、本考案に係る二部式着物の上衣は、上前身頃の下部の衿側に取付けられた第1紐部材と、後身頃と下前身頃との境界付近の内面側に取付けられ、第1紐部材に結び付けることが可能な第2紐部材とを具備し、この第2紐部材は、第1紐部材に結び付けた状態で上前身頃の下部が内側に折返され、下前身頃の下部を差込んで収容可能な収容部を形成する位置に取付けたことを特徴とするものである。
さらに、本考案に係る二部式着物の下衣は、後身頃の上部の表面側、上前身頃の上部の表面側、および下前身頃の上部の裏面側に、それぞれバンド支持部を設設け、中央上部の腰部分に二箇所のダーツを設けたことを特徴とするものである。
さらに、本考案に係る二部式着物は、前上身頃の下部の衿側に取付けられた第1紐部材と、後身頃と前下身頃との境界付近の内面側に取付けられ、第1紐部材に結び付けることが可能な第2紐部材とを具備し、この第2紐部材は、第1紐部材に結び付けた状態で前上身頃の下部が内側に折返され、前下身頃の下部を差込んで収容可能な収容部を形成する位置に取付けた上衣と、後身頃の上部の表面側、上前身頃の上部の表面側、および下前身頃の上部の裏面側に、それぞれバンド支持部を設設け、中央上部の腰部分に二箇所のダーツを設けた下衣とを備えたことを特徴とするものである。
上記本考案は、少なくとも下記実施形態を含むことができる。該実施形態は、分離して又は互いに組み合わせて採択することができる。
(1)第2紐部材は、上下方向に離間して複数設ける。
(2)下前身頃の下部は、衿側が傾斜上端となるように傾斜させる。
(3)後身頃の下部を折返した第1折返し部と、上前身頃の下部を折返して収容部を形成する第2折返し部とを具備し、第2折返し部は、衿側が傾斜下端となるように傾斜させる。
(4)第1折返し部と第2折返し部との間に楔状のスリット部を設ける。
(5)第1折返し部は、上部を全幅に亘って固定して形成する。
(6)第2折返し部は、傾斜上端側の上部を固定し、傾斜下端側の上部を非固定とする。
1 二部式着物
2 上衣
6 上前身頃
7 衿
8 第1傾斜部
10 第2傾斜部
11 後身頃
12 第1紐部材(前結び紐)
14 第2紐部材(第1後結び紐)
15 第2紐部材(第2後結び紐)
19 スリット
21 第1折返し部
22 第2折返し部
25 スリット部
29 収容部
34 バンド支持部(第1バンド通し)
35 バンド支持部(第2バンド通し)
51 ダーツ

Claims (9)

  1. 上前身頃の下部の衿側に取付けられた第1紐部材と、
    後身頃と下前身頃との境界付近の内面側に取付けられ、前記第1紐部材に結び付けることが可能な第2紐部材と、
    を具備し、
    前記第2紐部材は、前記第1紐部材に結び付けた状態で上前身頃の下部が内側に折返され、下前身頃の下部を差込んで収容可能な収容部を形成する位置に取付けたことを特徴とする二部式着物の上衣。
  2. 前記第2紐部材は、上下方向に離間して複数設けたことを特徴とする請求項1に記載の二部式着物の上衣。
  3. 下前身頃の下部は、衿側が傾斜上端となるように傾斜させたことを特徴とする請求項1に記載の二部式着物の上衣。
  4. 後身頃の下部を折返した第1折返し部と、
    上前身頃の下部を折返して前記収容部を形成する第2折返し部と、
    を具備し、
    前記第2折返し部は、衿側が傾斜下端となるように傾斜させた、
    ことを特徴とする請求項1に記載の二部式着物の上衣。
  5. 前記第1折返し部と前記第2折返し部との間に楔状のスリット部を設けたことを特徴とする請求項4に記載の二部式着物の上衣。
  6. 前記第1折返し部は、上部を全幅に亘って固定して形成したことを特徴とする請求項4に記載の二部式着物の上衣。
  7. 前記第2折返し部は、傾斜上端側の上部を固定し、傾斜下端側の上部を非固定としたことを特徴とする請求項4に記載の二部式着物の上衣。
  8. 後身頃の上部の表面側、上前身頃の上部の表面側、および下前身頃の上部の裏面側に、それぞれバンド支持部を設け、中央上部の腰部分に二箇所のダーツを設けたことを特徴とする二部式着物の下衣。
  9. 請求項1の上衣と、請求項8の下衣とを備えたことを特徴とする二部式着物。
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