JP3246377B2 - 柱状晶Ni基耐熱合金大型鋳物またはタービン翼の製造方法 - Google Patents

柱状晶Ni基耐熱合金大型鋳物またはタービン翼の製造方法

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JP3246377B2
JP3246377B2 JP01034797A JP1034797A JP3246377B2 JP 3246377 B2 JP3246377 B2 JP 3246377B2 JP 01034797 A JP01034797 A JP 01034797A JP 1034797 A JP1034797 A JP 1034797A JP 3246377 B2 JP3246377 B2 JP 3246377B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、柱状晶Ni基耐
熱合金大型鋳物の製造方法に関するものであり、特に柱
状晶Ni基耐熱合金鋳物で構成されたガスタービンのタ
ービン動・靜翼および高温ブロアーの動翼として使用さ
れる大型鋳物タービン翼の製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】ガスタービンのタービン動・靜翼、高温
ブロアーの動翼はNi基耐熱合金鋳物で構成されること
は知られているところであり、例えば、特開平6−57
395号公報には、ガスタービンのタービン動・靜翼、
高温ブロアーの動翼を作るためのNi基耐熱合金とし
て、重量%(以下、%は、重量%を示す)で、(a)C
r:13.1〜15.0%、Co:8.5〜10.5
%、Mo:1.0〜3.5%、W:3.5〜4.5%、
Ta:3.0〜5.5%、Al:3.5〜4.5%、T
i:2.0〜3.2%、C:0.06〜0.12%、
B:0.005〜0.025%、Zr:0.010〜
0.050%、Mgおよび/またはCa:1〜100p
pmを含有し、残部がNiおよび不可避不純物からなる
組成を有する、高温強度、高温耐酸化性および高温耐蝕
性に優れたNi基耐熱合金、(b)Cr:13.1〜1
5.0%、Co:8.5〜10.5%、Mo:1.0〜
3.5%、W:3.5〜4.5%、Ta:3.0〜5.
5%、Al:3.5〜4.5%、Ti:2.0〜3.2
%、C:0.06〜0.12%、B:0.005〜0.
025%、Zr:0.010〜0.050%、さらに、
Hf:0.2〜1.5%を含有し、Mgおよび/または
Ca:1〜100ppmを含有し、残部がNiおよび不
可避不純物からなる組成を有する、高温強度、高温耐酸
化性および高温耐蝕性に優れたNi基耐熱合金、(c)
Cr:13.1〜15.0%、Co:8.5〜10.5
%、Mo:1.0〜3.5%、W:3.5〜4.5%、
Ta:3.0〜5.5%、Al:3.5〜4.5%、T
i:2.0〜3.2%、C:0.06〜0.12%、
B:0.005〜0.025%、Zr:0.010〜
0.050%、Mgおよび/またはCa:1〜100p
pmを含有し、さらに、Hf:0.2〜1.5%を含有
し、さらに、Pt:0.02〜0.5%、Rh:0.0
2〜0.5%、Re:0.02〜0.5%の内の1種ま
たは2種以上を含有し、残部がNiおよび不可避不純物
からなる組成を有する、高温強度、高温耐酸化性および
高温耐蝕性に優れたNi基耐熱合金、(d)Cr:1
3.1〜15.0%、Co:8.5〜10.5%、M
o:1.0〜3.5%、W:3.5〜4.5%、Ta:
3.0〜5.5%、Al:3.5〜4.5%、Ti:
2.0〜3.2%、C:0.06〜0.12%、B:
0.005〜0.025%、Zr:0.010〜0.0
50%、Mgおよび/またはCa:1〜100ppmを
含有し、さらにHf:0.2〜1.5%を含有し、さら
にPt:0.02〜0.5%、Rh:0.02〜0.5
%、Re:0.02〜0.5%の内の1種または2種以
上を含有し、残部がNiおよび不可避不純物からなる組
成を有する、高温強度、高温耐酸化性および高温耐蝕性
に優れたNi基耐熱合金、などが記載されている。
【0003】一方、ガスタービンのタービン動・靜翼お
よび高温ブロアーの動翼は柱状晶Ni基耐熱合金鋳物で
構成されることも知られている。この柱状晶Ni基耐熱
合金鋳物を製造するには、一方向凝固装置において、真
空溶解で溶解されたNi基合金溶湯を鋳型に注入した
後、鋳型加熱温度:1480〜1530℃、チル板の引
き下げ速度:200〜350mm/hでチル板上の鋳型
を水冷チルリングを通して下方に下げ、チル板に形成さ
れた柱状晶を成長させることにより長尺の柱状晶Ni基
耐熱合金鋳物またはタービン翼を製造する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】近年、ガスタービンの
大型化に伴って、そこに据え付けられるタービン翼も大
型化している。しかし、従来のNi基耐熱合金で、特に
柱状晶Ni基耐熱合金鋳物からなる大型のタービン翼を
製造すると、合金成分の偏析が大きくなって強度の低下
を招く。そのため、従来よりも高温で溶体化熱処理を施
して析出強化相であるγ´相の固溶を促進させ、続いて
実施する時効処理によりγ´相を微細分散析出させる必
要があるが、従来のNi基耐熱合金の柱状晶鋳物を従来
よりも高温で溶体化熱処理すると、局部溶融が発生し、
局部溶融が発生すると強度が大幅に低下し、柱状晶Ni
基耐熱合金鋳物からなる大型のタービン翼の信頼性と寿
命が低下していた。
【0005】
【課題を解決する手段】そこで本発明者等は大型鋳物タ
ービン翼の強度および寿命を向上させるべく鋭意研究し
た結果、Ni基合金の局部溶融はNi基合金に含有する
Zrが大きな影響を及ぼすことがわかり、Cr:12.
0〜14.3%、Co:8.5〜11.0%、Mo:
1.0〜3.5%、W:3.5〜6.2%、Ta:3.
0〜5.5%、Al:3.5〜4.5%、Ti:2.0
〜3.2%、C:0.04〜0.12%、B:0.00
5〜0.05%を含有し、残部がNiおよび不可避不純
物からなる組成のZrを含有しないNi基合金を溶解し
て得られた溶湯を一方向凝固装置の鋳型に注入したの
ち、従来よりも高温でゆっくりとチル板を引き下げ、得
られた柱状晶Ni基耐熱合金鋳物に必要に応じて118
0〜1265℃で900〜1600気圧、1〜5時間保
持の条件の熱間静水圧プレス(以下、HIPと云う)を
施したのち、従来よりも高温の1200〜1265℃で
2〜5時間保持の溶体化熱処理を施し、さらに950〜
1080℃で2〜10時間保持したのち750〜880
℃で16〜24時間保持の時効熱処理を施すと、従来よ
りも強度および寿命が向上した柱状晶Ni基耐熱合金鋳
物が得られ、この柱状晶Ni基耐熱合金鋳物からなる大
型のタービン翼は従来よりも強度が優れ、寿命が向上す
ることを知見したのである。
【0006】この発明は、かかる知見に基づいてなされ
たものであって、(1)Cr:12.0〜14.3%、
Co:8.5〜11.0%、Mo:1.0〜3.5%、
W:3.5〜6.2%、Ta:3.0〜5.5%、A
l:3.5〜4.5%、Ti:2.0〜3.2%、C:
0.04〜0.12%、B:0.005〜0.05%を
含有し、残部がNiおよび不可避不純物からなる組成を
有する柱状晶Ni基耐熱合金大型鋳物を、温度:120
0〜1265℃で溶体化熱処理を施し、さらに温度:9
50〜1080℃で2〜10時間保持したのち750〜
880℃で16〜24時間保持の二段時効熱処理を施す
柱状晶Ni基耐熱合金大型鋳物の製造方法、に特徴を有
するものである。
【0007】この発明の柱状晶Ni基耐熱合金は、Mg
および/またはCa:1〜100ppmを含有してもよ
く、さらにPt:0.02〜0.5%、Rh:0.02
〜0.5%、Re:0.02〜0.5%の内の1種また
は2種以上を含有してもよく、これら双方を含有しても
よい。従って、この発明は、(2)Cr:12.0〜1
4.3%、Co:8.5〜11.0%、Mo:1.0〜
3.5%、W:3.5〜6.2%、Ta:3.0〜5.
5%、Al:3.5〜4.5%、Ti:2.0〜3.2
%、C:0.04〜0.12%、B:0.005〜0.
05%を含有し、さらにMgおよび/またはCa:0.
5〜100ppmを含有し、残部がNiおよび不可避不
純物からなる組成を有する柱状晶Ni基耐熱合金大型鋳
物に温度:1200〜1265℃で溶体化熱処理を施
し、さらに950〜1080℃で2〜10時間保持した
のち750〜880℃で16〜24時間保持の二段時効
熱処理を施す柱状晶Ni基耐熱合金大型鋳物の製造方
法、(3)Cr:12.0〜14.3%、Co:8.5
〜11.0%、Mo:1.0〜3.5%、W:3.5〜
6.2%、Ta:3.0〜5.5%、Al:3.5〜
4.5%、Ti:2.0〜3.2%、C:0.04〜
0.12%、B:0.005〜0.05%を含有し、さ
らにPt:0.02〜0.5%、Rh:0.02〜0.
5%、Re:0.02〜0.5%の内の1種または2種
以上を含有し、残部がNiおよび不可避不純物からなる
組成を有する柱状晶Ni基耐熱合金大型鋳物に温度:1
200〜1265℃で溶体化熱処理を施し、さらに95
0〜1080℃で2〜10時間保持したのち750〜8
80℃で16〜24時間保持の二段時効熱処理を施す柱
状晶Ni基耐熱合金大型鋳物の製造方法、(4)Cr:
12.0〜14.3%、Co:8.5〜11.0%、M
o:1.0〜3.5%、W:3.5〜6.2%、Ta:
3.0〜5.5%、Al:3.5〜4.5%、Ti:
2.0〜3.2%、C:0.04〜0.12%、B:
0.005〜0.05%を含有し、さらにMgおよび/
またはCa:0.5〜100ppmを含有し、さらにP
t:0.02〜0.5%、Rh:0.02〜0.5%、
Re:0.02〜0.5%の内の1種または2種以上を
含有し、残部がNiおよび不可避不純物からなる組成を
有する柱状晶Ni基耐熱合金大型鋳物に温度:1200
〜1265℃で溶体化熱処理を施し、さらに950〜1
080℃で2〜10時間保持したのち750〜880℃
で16〜24時間保持の二段時効熱処理を施す柱状晶N
i基耐熱合金大型鋳物の製造方法、に特徴を有するもの
である。
【0008】前記(1)、(2)、(3)または(4)
記載の柱状晶Ni基耐熱合金鋳物にHIPを施した後、
温度:1200〜1265℃で溶体化熱処理を施し、さ
らに950〜1080℃で2〜10時間保持したのち7
50〜880℃で16〜24時間保持の二段時効熱処理
を施すことが一層好ましい。従って、この発明は、
(5)前記(1)、(2)、(3)または(4)記載の
柱状晶Ni基耐熱合金鋳物にHIPを施した後、温度:
1200〜1265℃で溶体化熱処理を施し、さらに9
50〜1080℃で2〜10時間保持したのち750〜
880℃で16〜24時間保持の二段時効熱処理を施す
柱状晶Ni基耐熱合金大型鋳物の製造方法、に特徴を有
するものである。
【0009】この発明の柱状晶Ni基耐熱合金大型鋳物
の製造方法は、特に大型のタービン翼の製造方法として
適している。従って、この発明は、(6)Cr:12.
0〜14.3%、Co:8.5〜11.0%、Mo:
1.0〜3.5%、W:3.5〜6.2%、Ta:3.
0〜5.5%、Al:3.5〜4.5%、Ti:2.0
〜3.2%、C:0.04〜0.12%、B:0.00
5〜0.05%を含有し、残部がNiおよび不可避不純
物からなる組成を有する柱状晶Ni基耐熱合金大型鋳物
タービン翼に温度:1200〜1265℃で溶体化熱処
理を施し、さらに温度:950〜1080℃で2〜10
時間保持したのち750〜880℃で16〜24時間保
持の二段時効熱処理を施す柱状晶Ni基耐熱合金大型鋳
物タービン翼の製造方法、(7)Cr:12.0〜1
4.3%、Co:8.5〜11.0%、Mo:1.0〜
3.5%、W:3.5〜6.2%、Ta:3.0〜5.
5%、Al:3.5〜4.5%、Ti:2.0〜3.2
%、C:0.04〜0.12%、B:0.005〜0.
05%を含有し、さらにMgおよび/またはCa:0.
5〜100ppmを含有し、残部がNiおよび不可避不
純物からなる組成を有する柱状晶Ni基耐熱合金大型鋳
物タービン翼に温度:1200〜1265℃で溶体化熱
処理を施し、さらに950〜1080℃で2〜10時間
保持したのち750〜880℃で16〜24時間保持の
二段時効熱処理を施す柱状晶Ni基耐熱合金大型鋳物タ
ービン翼の製造方法、(8)Cr:12.0〜14.3
%、Co:8.5〜11.0%、Mo:1.0〜3.5
%、W:3.5〜6.2%、Ta:3.0〜5.5%、
Al:3.5〜4.5%、Ti:2.0〜3.2%、
C:0.04〜0.12%、B:0.005〜0.05
%を含有し、さらにPt:0.02〜0.5%、Rh:
0.02〜0.5%、Re:0.02〜0.5%の内の
1種または2種以上を含有し、残部がNiおよび不可避
不純物からなる組成を有する柱状晶Ni基耐熱合金大型
鋳物タービン翼に温度:1200〜1265℃で溶体化
熱処理を施し、さらに950〜1080℃で2〜10時
間保持したのち750〜880℃で16〜24時間保持
の二段時効熱処理を施す柱状晶Ni基耐熱合金大型鋳物
タービン翼の製造方法、(9)Cr:12.0〜14.
3%、Co:8.5〜11.0%、Mo:1.0〜3.
5%、W:3.5〜6.2%、Ta:3.0〜5.5
%、Al:3.5〜4.5%、Ti:2.0〜3.2
%、C:0.04〜0.12%、B:0.005〜0.
05%を含有し、さらにMgおよび/またはCa:0.
5〜100ppmを含有し、さらにPt:0.02〜
0.5%、Rh:0.02〜0.5%、Re:0.02
〜0.5%の内の1種または2種以上を含有し、残部が
Niおよび不可避不純物からなる組成を有する柱状晶N
i基耐熱合金大型鋳物タービン翼に温度:1200〜1
265℃で溶体化熱処理を施し、さらに950〜108
0℃で2〜10時間保持したのち750〜880℃で1
6〜24時間保持の二段時効熱処理を施す柱状晶Ni基
耐熱合金大型鋳物タービン翼の製造方法、に特徴を有す
るものである。
【0010】前記(6)、(7)、(8)または(9)
記載の柱状晶Ni基耐熱合金鋳物にHIPを施した後、
温度:1200〜1265℃で溶体化熱処理を施し、さ
らに950〜1080℃で2〜10時間保持したのち7
50〜880℃で16〜24時間保持の二段時効熱処理
を施すことが一層好ましい。従って、この発明は、(1
0)前記(6)、(7)、(8)または(9)記載の柱
状晶Ni基耐熱合金タービン翼にHIPを施した後、温
度:1200〜1265℃で溶体化熱処理を施し、さら
に950〜1080℃で2〜10時間保持したのち75
0〜880℃で16〜24時間保持の二段時効熱処理を
施す柱状晶Ni基耐熱合金大型鋳物タービン翼の製造方
法、に特徴を有するものである。
【0011】さらに、この発明は、前記(1)〜(5)
のいずれかの製造方法により製造した柱状晶Ni基耐熱
合金大型鋳物および前記(1)〜(5)のいずれかの製
造方法により製造した柱状晶Ni基耐熱合金大型鋳物タ
ービン翼に特徴を有するものである。この発明の柱状晶
Ni基耐熱合金大型鋳物またはタービン翼の製造方法で
使用するNi基合金に含まれるCr、Co、Mo、W、
Ta、Al、Ti、C、Bは、Cr:13〜14%、C
o:9.4〜10.6%、Mo:1.2〜2.0%、
W:4.2〜5.8%、Ta:4.0〜5.2%、A
l:3.8〜4.4%、Ti:2.2〜3.0%、C:
0.05〜0.09%、B:0.008〜0.03%を
含有し、残部がNiおよび不可避不純物からなることが
一層好ましい。
【0012】次に、この発明の柱状晶Ni基耐熱合金大
型鋳物および柱状晶Ni基耐熱合金大型鋳物タービン翼
の製造方法で使用するNi基耐熱合金の合金組成、HI
P、溶体化熱処理および二段時効熱処理の条件の限定理
由について詳述する。
【0013】A.合金組成 Cr 産業用ガスタービンでは、燃焼によって生じた酸化性お
よび腐食性物質を含有する燃焼ガスと接触するため、高
温における耐酸化性及び耐蝕性が要求される。Crは合
金に耐酸化性、耐蝕性を付与する元素であり、合金中に
おけるCr量を多くする程、その効果は顕著である。し
かし、Cr量が12.0%未満ではその効果は少なく、
一方、この発明の柱状晶Ni基耐熱合金大型鋳物または
タービン翼の製造方法では、他にCo、Mo、W、Ta
等も添加されるため、これらとのバランスをとるため1
4.3%を越えて含有することは好ましくない。よっ
て、Cr含有量は12.0〜14.3%に定めた。上述
のように、この発明の柱状晶Ni基耐熱合金大型鋳物ま
たはタービン翼を作製するNi基耐熱合金に含まれるC
r含有量は13〜14%であることが一層好ましい。
【0014】Co Coは、Ti、Al、Ta等を高温で素地に固溶させる
限度(固溶限)を大きくさせ、熱処理によってγ´相
(Ni3 (Ti,Al,Ta))を微細分散析出させて
柱状晶Ni基耐熱合金大型鋳物またはタービン翼の強度
を向上させる作用があるところからCo量は8.5%以
上であることが必要であり、一方、Co含有量が11.
0%を越えると、Cr、Mo、W、Ta、Al、Ti等
の他の元素とのバランスが崩れ、有害相の析出による延
性低下をもたらすことからCo含有量は8.5〜11.
0%に定めた。この発明の柱状晶Ni基耐熱合金大型鋳
物またはタービン翼を作製するNi基耐熱合金に含まれ
るCo含有量は9.4〜10.6%であることが一層好
ましい。
【0015】Mo Moは、素地中に固溶して、高温強度を上昇させる作用
があると同時に、析出硬化によって高温強度に寄与する
効果があるが、その含有量が、1.0%未満では不十分
であり、一方、3.5%を越えて添加し過ぎると有害相
の析出による延性を阻害するのでMo:1.0〜3.5
%に定めた。この発明の柱状晶Ni基耐熱合金大型鋳物
またはタービン翼を作製するNi基耐熱合金に含まれる
Mo含有量は1.2〜2.0%であることが一層好まし
い。
【0016】W WはMoと同様に固溶強化と析出硬化の作用があり、高
温強度の付与に寄与する効果があるが、その量は3.5
%以上必要であり、また、あまり多くし過ぎると、有害
相を析出するとともにW自身比重が大きい元素であるた
め合金全体の比重が大きくなり、遠心力の働くタービン
動翼では不利であり、柱状晶大型鋳物の製造方法を鋳造
するときにフレックル欠陥が発生するようになり、さら
にコスト的にも高くなるところから、その含有量は、
3.5〜6.2%とした。この発明の柱状晶Ni基耐熱
合金大型鋳物またはタービン翼を作製するNi基耐熱合
金に含まれるW含有量は4.2〜5.8%であることが
一層好ましい。
【0017】Ti Tiはγ´析出硬化型Ni基合金の高温強度を上げるため
のγ´相の析出に必要な元素であり、2.0%未満では
γ´相の析出強化が不十分で、要求強度を満足すること
ができず、また、3.2%よりも多量に添加し過ぎると
析出量が多くなり過ぎて延性を阻害するとともに、柱状
晶大型鋳物を鋳造するときに鋳型との反応が激しくな
り、鋳肌を悪くするので好ましくない。従って、Ti含
有量は2.0〜3.2%に定めた。上述のように、この
発明の柱状晶Ni基耐熱合金大型鋳物またはタービン翼
を作製するNi基耐熱合金に含まれるTi含有量は2.
2〜3.0%であることが一層好ましい。
【0018】Al AlはTiと同様の効果を発揮する元素で、γ´相を生
成し、高温強度を上げると共に、高温での耐酸化性、耐
蝕性の付与に寄与する作用を有するが、その量は3.5
%以上であることが必要であり、一方、4.5%を越え
てあまり多量に添加し過ぎると延性を阻害するためにA
l含有量は3.5〜4.5%に定めた。この発明の柱状
晶Ni基耐熱合金大型鋳物またはタービン翼を作製する
Ni基耐熱合金に含まれるAl含有量は3.8〜4.4
%であることが一層好ましい。
【0019】Ta Taは固溶強化及びγ´相析出硬化により高温強度の向
上に寄与し、3.0%以上で効果がある。一方、添加し
過ぎると延性を低下するので5.5%以下とした。従っ
て、この発明の柱状晶Ni基耐熱合金大型鋳物またはタ
ービン翼を作製するNi基耐熱合金に含まれるTa含有
量は3.0〜5.5%に定めたが、4.0〜5.2%で
あることが一層好ましい。
【0020】C Cは炭化物を形成し、特に結晶粒界、樹枝状晶境界に析
出して粒界や樹枝状晶境界を強化し、高温強度の向上に
寄与するので0.04%以上必要であるが、一方、0.
12%を越えて添加し過ぎると延性を阻害するのでその
含有量を0.04〜0.12%とした。Cの含有量の一
層好ましい範囲は0.05〜0.09%である。
【0021】B Bは結晶粒界における結合力を増して結晶粒界を強化
し、高温強度を上昇させるので必要な成分であるが、そ
の含有量が0.005%未満では所望の効果が得られ
ず、一方、あまり多く添加すると延性を阻害する恐れが
あるため0.05%以下とした。Bの含有量の一層好ま
しい範囲は0.008〜0.03%である。
【0022】Mgおよび/またはCa Mgおよび/またはCaは酸素、硫黄等の不純物との結
合力が強く、さらに酸素、硫黄等の不純物による延性低
下を防止する作用があるが、1ppm未満では十分な作
用が得られず、一方、100ppmを越えて含有すると
かえって結晶粒界の結合を弱めて割れの原因になるとこ
ろからMgおよび/またはCaは1〜100ppmと定
めた。
【0023】Pt、Rh、Re Pt、Rh、Reは耐食性向上作用があるが、その含有
量がそれぞれ0.02%未満では所望の効果が得られ
ず、一方、その含有量がそれぞれ0.5%を越えて含有
すると、なお一層の効果が望めないほか、貴金属である
ために価格が高くなるので好ましくない。したがって、
Pt、Rh、Reの内の1種または2種以上はそれぞれ
0.02〜0.5%に定めた。
【0024】B.HIP条件 この発明の柱状晶Ni基耐熱合金大型鋳物またはタービ
ン翼の製造方法においてHIPを施す方が好ましく、H
IPを施す場合には温度:1180〜1265℃、90
0〜1600気圧、1〜5時間保持の条件で行うことが
好ましい。ただし、圧力は1600気圧を越えて実施し
ても材質面では何等問題なく、経済的理由から上限を1
600気圧とした。
【0025】C.溶体化熱処理条件 この発明の柱状晶Ni基耐熱合金大型鋳物またはタービ
ン翼の製造方法における溶体化熱処理は、析出強化相で
あるγ´相の固溶を促進させ、続いて実施する時効処理
によりγ´相を微細分散析出させるために必ず行うもの
で、溶体化熱処理の温度:1200℃未満ではγ´相の
固溶状態が十分でなく、一方、1265℃を越えた温度
で溶体化熱処理を行うと局部溶融が起こり、溶融部がミ
クロ組織上の欠陥となり、疲労強度を低下させるので好
ましくない。従って、この発明の柱状晶Ni基耐熱合金
大型鋳物またはタービン翼の製造方法における溶体化熱
処理温度は1200〜1265℃に定めた。この際の保
持時間は、柱状晶Ni基耐熱合金大型鋳物またはタービ
ン翼の大きさにもよるが、2〜5時間保持することが好
ましい。
【0026】D.二段時効熱処理条件 この発明の柱状晶Ni基耐熱合金大型鋳物またはタービ
ン翼の製造方法で施す二段時効熱処理の条件は、第1段
目の時効熱処理温度を従来の時効熱処理温度(843
℃)よりも高い950〜1080℃で2〜10時間保持
して行うことが必要で、この第1段目の時効熱処理後行
う第2段目の時効熱処理温度は従来の時効熱処理温度と
同じ750〜880℃で16〜24時間保持して行う。
第1段目の時効熱処理を950〜1080℃で2〜10
時間保持に限定した理由は、950℃で2時間未満保持
しても十分な時効はなされず、一方、1080℃を越え
る温度で10時間を越える時間保持するとγ´相の析出
粒子サイズが大きくなり、強度を低下させるので好まし
くないことによるものである。
【0027】従って、この発明の柱状晶Ni基耐熱合金
大型鋳物またはタービン翼の製造方法は、一方向凝固装
置により鋳型加熱温度:1480〜1630℃でチル板
を引き下げ速度:200〜350mm/hで引き下げる
ことにより柱状晶Ni基耐熱合金大型鋳物またはタービ
ン翼を作製し、これに1180〜1265℃で900〜
1600気圧、1〜5時間保持のHIPを施しまたは施
さずに、1200〜1265℃で2〜5時間保持の溶体
化熱処理を施し、さらに950〜1080℃で2〜10
時間保持したのち750〜880℃で16〜24時間保
持の時効熱処理を施すものである。
【0028】
【発明の実施の形態】
実施例1 表1〜表3に示される成分組成を有するNi基耐熱合金
を用意し、このNi基耐熱合金をそれぞれ真空溶解し、
Ni基耐熱合金の溶湯を一方向凝固装置の鋳型に鋳込み
ながら、鋳型加熱温度:1600℃、チル板を引き下げ
速度:120mm/hの条件で、縦:15mm、横:1
00mm、高さ:300mmの寸法を有する柱状晶鋳物
板A〜dを作製した。柱状晶鋳物板A〜PはいずれもZ
rを含まないNi基耐熱合金からなる柱状晶鋳物板であ
り、一方、柱状晶鋳物板a〜dはいずれもZrを含む柱
状晶鋳物板である。
【0029】
【表1】 柱状晶鋳物板 元素 A B C D E F G H Cr 13.1 14.0 12.5 13.5 13.3 12.2 13.3 14.2 Co 9.0 8.5 10.1 10.5 10.1 9.7 8.8 9.3 Mo 2.1 1.0 3.5 1.5 1.5 2.4 2.7 3.0 W 4.0 3.5 4.3 3.7 4.5 4.5 4.1 3.9 Ta 3.3 5.4 4.9 3.0 4.6 3.8 3.5 3.8 Al 4.0 3.5 4.3 3.7 4.1 4.5 4.1 3.9 Ti 2.7 2.3 3.2 2.5 2.7 2.9 3.0 2.8 C 0.08 0.10 0.06 0.12 0.06 0.07 0.09 0.11 B 0.011 0.009 0.007 0.015 0.010 0.013 0.012 0.010 Ca − − − − − − 53 10 Mg − − − − − 81 − 12 Pt − − − − − − − − Rh − − − − − − − − Re − − − − − − − − Ni 残り 残り 残り 残り 残り 残り 残り 残り 重量%、ただし、CaおよびMgはppm
【0030】
【表2】 柱状晶鋳物板 元素 I J K L M N O P Cr 13.8 12.1 14.0 13.0 13.5 12.5 13.3 14.2 Co 9.5 9.0 8.5 10.1 10.5 9.7 8.8 9.3 Mo 1.8 2.1 1.1 3.5 1.5 2.4 2.7 3.0 W 4.2 4.0 3.5 4.3 3.8 4.6 4.1 3.9 Ta 4.5 3.3 5.3 4.9 3.1 3.8 3.5 3.8 Al 4.2 4.1 3.6 4.3 3.8 4.5 4.1 3.9 Ti 2.7 2.7 2.2 3.1 2.5 2.9 3.0 2.8 C 0.08 0.08 0.10 0.07 0.12 0.07 0.09 0.11 B 0.005 0.011 0.039 0.007 0.015 0.013 0.012 0.010 Ca 18 − − − 25 74 34 10 Mg 72 − − − 37 5 54 12 Pt − 0.05 0.1 − 0.2 0.06 0.2 0.05 Rh − 0.05 0.2 0.1 0.1 − − 0.05 Re − 0.05 − 0.3 − 0.07 0.1 0.05 Ni 残り 残り 残り 残り 残り 残り 残り 残り 重量%、ただし、CaおよびMgはppm
【0031】
【表3】柱状晶鋳物板 元素 a b c d Cr 14.1 13.8 13.9 14.2 Co 9.9 10.2 10.3 9.6 Mo 1.5 1.6 1.6 1.4 W 4.3 4.4 4.3 4.1 Ta 4.6 4.8 4.8 4.6 Al 4.1 4.1 4.0 3.9 Ti 2.8 2.6 2.7 2.7 C 0.08 0.09 0.08 0.10 B 0.014 0.011 0.009 0.013 Zr 0.037 0.022 0.013 0.023 Hf − − 1.5 0.7 Ca − 12 − 28 Mg 31 5 80 29 Pt − − − − Rh − − − − Re − − − −Ni 残り 残り 残り 残り 重量%、ただし、CaおよびMgppm
【0032】得られた柱状晶鋳物板A〜dを真空雰囲気
中、表4〜表5に示される条件に保持時した後Arガス
ファンで冷却の溶体化処理を施し、その後、真空雰囲気
中、表4〜表5に示される条件に保持した後Arガスフ
ァンで冷却の第1段時効処理を施し、引き続いて真空雰
囲気中、表4〜表5に示される条件に保持した後Arガ
スファンで冷却の第2段時効処理を施すことにより本発
明法1〜16および比較法17〜20を実施した。
【0033】本発明法1〜16および比較法17〜20
で得られた柱状晶鋳物板A〜dのミクロ組織を500倍
の光学顕微鏡で観察することにより局部溶融の有無を確
認し、さらに柱状晶鋳物板A〜dを機械加工により切り
出して平行部直径:6mmの寸法の試験片を作製し、こ
の試験片を温度:960℃で負荷:22Kg/mm2
かけて保持し、破断に至るまでの寿命(時間)を測定
し、その結果を表4〜表5に示し、高温クリープ破断強
度を評価した。
【0034】
【表4】
【0035】
【表5】
【0036】表1〜表5に示される結果から、Zrを含
有しない柱状晶鋳物板A〜Pを従来よりも高温度の溶体
化処理および第1段時効処理を施す本発明法1〜16に
より得られた柱状晶鋳物板には局部溶融が発生せず、そ
の試験片の高温クリープ破断強度も優れたものとなる
が、Zrを含有する柱状晶鋳物板a〜dを従来よりも高
温度の溶体化処理および第1段時効処理を施す比較法1
7〜20で得られた柱状晶鋳物板には局部溶融が発生
し、その試験片の高温クリープ破断強度も劣ることがわ
かる。
【0037】実施例2 表1〜表3の柱状晶鋳物板A〜dをAr雰囲気中、表6
〜表7に示される条件のHIPを施し、ついで表6〜表
7に示される条件に保持した後Arガスファンで冷却の
溶体化処理を施し、その後、真空雰囲気中、表6〜表7
に示される条件に保持した後Arガスファンで冷却の第
1段時効処理を施し、引き続いて真空雰囲気中、表6〜
表7に示される条件に保持した後Arガスファンで冷却
の第2段時効処理を施すことにより本発明法21〜36
および比較法37〜40を実施した。この本発明法21
〜36および比較法37〜40により得られた柱状晶鋳
物板A〜dの局部溶融の有無を確認し、さらに実施例1
と同じ条件で破断に至るまでの寿命(時間)を測定し、
その結果を表6〜表7に示し、高温クリープ破断強度を
評価した。
【0038】
【表6】
【0039】
【表7】
【0040】表1〜表3および表6〜表7に示される結
果から、HIPを施したZrを含有しない柱状晶鋳物板
A〜Pを従来よりも高温度の溶体化処理および第1段時
効処理を施す本発明法21〜36により得られた柱状晶
鋳物板には局部溶融が発生せず、その試験片の高温クリ
ープ破断強度も優れたものとなるが、Zrを含有する柱
状晶鋳物板a〜dを従来よりも高温度の溶体化処理およ
び第1段時効処理を施す比較法37〜40で得られた柱
状晶鋳物板には局部溶融が発生し、その試験片の高温ク
リープ破断強度も劣ることがわかる。
【0041】
【発明の効果】上述のように、この発明の柱状晶Ni基
耐熱合金大型鋳物またはタービン翼の製造方法による
と、従来よりも高温度の溶体化処理および第1段時効処
理を施すことができるので、柱状晶Ni基耐熱合金大型
鋳物またはタービン翼の製造時に生じる粗大結晶粒を高
温度の溶体化処理により微細化することができ、従っ
て、優れた特性を有する柱状晶Ni基耐熱合金大型鋳物
またはタービン翼を提供することができ、産業上すぐれ
た効果を奏するものである。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C22F 1/00 682 C22F 1/00 682 691 691B 691C F01D 5/28 F01D 5/28 F02C 7/00 F02C 7/00 C (72)発明者 脇田 三郎 埼玉県大宮市北袋町1−297 三菱マテ リアル株式会社 総合研究所内 (72)発明者 河合 久孝 兵庫県高砂市荒井町新浜二−1−1 三 菱重工業株式会社 高砂製作所内 (72)発明者 高橋 孝二 兵庫県高砂市荒井町新浜二−1−1 三 菱重工業株式会社 高砂製作所内 (72)発明者 岡田 郁生 兵庫県高砂市荒井町新浜二−1−1 三 菱重工業株式会社 高砂研究所内 (56)参考文献 特開 平6−184685(JP,A) 特開 平7−145703(JP,A) 特開 平6−57359(JP,A) 特開 平9−170402(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C22F 1/00 - 1/10 F01D 5/28 F02C 7/00 C22C 19/00 - 19/05

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で、Cr:12.0〜14.3
    %、Co:8.5〜11.0%、Mo:1.0〜3.5
    %、W:3.5〜6.2%、Ta:3.0〜5.5%、
    Al:3.5〜4.5%、Ti:2.0〜3.2%、
    C:0.04〜0.12%、B:0.005〜0.05
    %を含有し、残部がNiおよび不可避不純物からなる組
    成を有する柱状晶Ni基耐熱合金大型鋳物に、 温度:1200〜1265℃で溶体化熱処理を施し、さ
    らに温度:950〜1080℃で2〜10時間保持した
    のち750〜880℃で16〜24時間保持の二段時効
    熱処理を施すことを特徴とする柱状晶Ni基耐熱合金大
    型鋳物の製造方法。
  2. 【請求項2】 重量%で、Cr:12.0〜14.3
    %、Co:8.5〜11.0%、Mo:1.0〜3.5
    %、W:3.5〜6.2%、Ta:3.0〜5.5%、
    Al:3.5〜4.5%、Ti:2.0〜3.2%、
    C:0.04〜0.12%、B:0.005〜0.05
    %を含有し、さらにMgおよび/またはCa:0.5〜
    100ppmを含有し、残部がNiおよび不可避不純物
    からなる組成を有する柱状晶Ni基耐熱合金大型鋳物
    に、 温度:1200〜1265℃で溶体化熱処理を施し、さ
    らに950〜1080℃で2〜10時間保持したのち7
    50〜880℃で16〜24時間保持の二段時効熱処理
    を施すことを特徴とする柱状晶Ni基耐熱合金大型鋳物
    の製造方法。
  3. 【請求項3】 重量%で、Cr:12.0〜14.3
    %、Co:8.5〜11.0%、Mo:1.0〜3.5
    %、W:3.5〜6.2%、Ta:3.0〜5.5%、
    Al:3.5〜4.5%、Ti:2.0〜3.2%、
    C:0.04〜0.12%、B:0.005〜0.05
    %を含有し、さらにPt:0.02〜0.5%、Rh:
    0.02〜0.5%、Re:0.02〜0.5%の内の
    1種または2種以上を含有し、残部がNiおよび不可避
    不純物からなる組成を有する柱状晶Ni基耐熱合金大型
    鋳物に、 温度:1200〜1265℃で溶体化熱処理を施し、さ
    らに950〜1080℃で2〜10時間保持したのち7
    50〜880℃で16〜24時間保持の二段時効熱処理
    を施すことを特徴とする柱状晶Ni基耐熱合金大型鋳物
    の製造方法。
  4. 【請求項4】 重量%で、Cr:12.0〜14.3
    %、Co:8.5〜11.0%、Mo:1.0〜3.5
    %、W:3.5〜6.2%、Ta:3.0〜5.5%、
    Al:3.5〜4.5%、Ti:2.0〜3.2%、
    C:0.04〜0.12%、B:0.005〜0.05
    %を含有し、さらにMgおよび/またはCa:0.5〜
    100ppmを含有し、さらにPt:0.02〜0.5
    %、Rh:0.02〜0.5%、Re:0.02〜0.
    5%の内の1種または2種以上を含有し、残部がNiお
    よび不可避不純物からなる組成を有する柱状晶Ni基耐
    熱合金大型鋳物に、 温度:1200〜1265℃で溶体化熱処理を施し、さ
    らに950〜1080℃で2〜10時間保持したのち7
    50〜880℃で16〜24時間保持の二段時効熱処理
    を施すことを特徴とする柱状晶Ni基耐熱合金大型鋳物
    の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1、2、3または4記載の柱状晶
    Ni基耐熱合金大型鋳物に熱間静水圧プレス(以下、H
    IPと云う)を施した後、温度:1200〜1265℃
    で溶体化熱処理を施し、さらに950〜1080℃で2
    〜10時間保持したのち750〜880℃で16〜24
    時間保持の二段時効熱処理を施すことを特徴とする柱状
    晶Ni基耐熱合金大型鋳物の製造方法。
  6. 【請求項6】 重量%で、Cr:12.0〜14.3
    %、Co:8.5〜11.0%、Mo:1.0〜3.5
    %、W:3.5〜6.2%、Ta:3.0〜5.5%、
    Al:3.5〜4.5%、Ti:2.0〜3.2%、
    C:0.04〜0.12%、B:0.005〜0.05
    %を含有し、残部がNiおよび不可避不純物からなる組
    成を有する柱状晶Ni基耐熱合金大型鋳物タービン翼
    に、 温度:1200〜1265℃で溶体化熱処理を施し、さ
    らに温度:950〜1080℃で2〜10時間保持した
    のち750〜880℃で16〜24時間保持の二段時効
    熱処理を施すことを特徴とする柱状晶Ni基耐熱合金大
    型鋳物タービン翼の製造方法。
  7. 【請求項7】 重量%で、Cr:12.0〜14.3
    %、Co:8.5〜11.0%、Mo:1.0〜3.5
    %、W:3.5〜6.2%、Ta:3.0〜5.5%、
    Al:3.5〜4.5%、Ti:2.0〜3.2%、
    C:0.04〜0.12%、B:0.005〜0.05
    %を含有し、さらにMgおよび/またはCa:0.5〜
    100ppmを含有し、残部がNiおよび不可避不純物
    からなる組成を有する柱状晶Ni基耐熱合金大型鋳物タ
    ービン翼に、 温度:1200〜1265℃で溶体化熱処理を施し、さ
    らに950〜1080℃で2〜10時間保持したのち7
    50〜880℃で16〜24時間保持の二段時効熱処理
    を施すことを特徴とする柱状晶Ni基耐熱合金大型鋳物
    タービン翼の製造方法。
  8. 【請求項8】 重量%で、Cr:12.0〜14.3
    %、Co:8.5〜11.0%、Mo:1.0〜3.5
    %、W:3.5〜6.2%、Ta:3.0〜5.5%、
    Al:3.5〜4.5%、Ti:2.0〜3.2%、
    C:0.04〜0.12%、B:0.005〜0.05
    %を含有し、さらにPt:0.02〜0.5%、Rh:
    0.02〜0.5%、Re:0.02〜0.5%の内の
    1種または2種以上を含有し、残部がNiおよび不可避
    不純物からなる組成を有する柱状晶Ni基耐熱合金大型
    鋳物タービン翼に、 温度:1200〜1265℃で溶体化熱処理を施し、さ
    らに950〜1080℃で2〜10時間保持したのち7
    50〜880℃で16〜24時間保持の二段時効熱処理
    を施すことを特徴とする柱状晶Ni基耐熱合金大型鋳物
    タービン翼の製造方法。
  9. 【請求項9】 重量%で、Cr:12.0〜14.3
    %、Co:8.5〜11.0%、Mo:1.0〜3.5
    %、W:3.5〜6.2%、Ta:3.0〜5.5%、
    Al:3.5〜4.5%、Ti:2.0〜3.2%、
    C:0.04〜0.12%、B:0.005〜0.05
    %を含有し、さらにMgおよび/またはCa:0.5〜
    100ppmを含有し、さらにPt:0.02〜0.5
    %、Rh:0.02〜0.5%、Re:0.02〜0.
    5%の内の1種または2種以上を含有し、残部がNiお
    よび不可避不純物からなる組成を有する柱状晶Ni基耐
    熱合金大型鋳物タービン翼に、 温度:1200〜1265℃で溶体化熱処理を施し、さ
    らに950〜1080℃で2〜10時間保持したのち7
    50〜880℃で16〜24時間保持の二段時効熱処理
    を施すことを特徴とする柱状晶Ni基耐熱合金大型鋳物
    タービン翼の製造方法。
  10. 【請求項10】 請求項6、7、8または9記載の柱状
    晶Ni基耐熱合金タービン翼にHIPを施した後、温
    度:1200〜1265℃で溶体化熱処理を施し、さら
    に950〜1080℃で2〜10時間保持したのち75
    0〜880℃で16〜24時間保持の二段時効熱処理を
    施すことを特徴とする柱状晶Ni基耐熱合金大型鋳物タ
    ービン翼の製造方法。
  11. 【請求項11】 請求項1、2、3、4または5記載の
    方法で製造したことを特徴とする柱状晶Ni基耐熱合金
    大型鋳物。
  12. 【請求項12】 請求項6、7、8、9または10記載
    の方法で製造したことを特徴とする柱状晶Ni基耐熱合
    金大型鋳物タービン翼。
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