JP3246091B2 - 車線逸脱警報装置 - Google Patents

車線逸脱警報装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は車線逸脱警報装置に関
し、特に車両の前方の路面状態を車線センサによって監
視することにより白線又は黄線(以下、車線と称する)
からの車両の逸脱を警報する装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より知られている車線逸脱警報装置
(例えば特願平4-170593号) は、図4(a) 及び(b) に示
すように、車両10の所定の前部中央に車線センサとし
てのラインカメラ(一次元CCDカメラ)1を取り付
け、路面20上の車線(白線)WLを検出して2値化す
ることにより、車両10と車線WLとの位置関係、即ち
両者間の距離から車線逸脱を判定し、逸脱していると判
断された時には警報をドライバに発するものである。
【0003】図5はこのようなラインカメラ1を用いた
車線逸脱警報装置の構成を概略的に示したもので、図
中、2は車速センサ、3はウィンカー(方向指示器)、
4は車線逸脱警報信号を発生するコントローラ、そし
て、5は車線逸脱警報信号を受けて警報を発生する警報
器である。
【0004】また、コントローラ4は、ラインカメラ1
のアナログ出力をディジタル信号に変換するA/D変換
器41と、車速センサ2からの車速信号やウィンカー3
からのウィンカー信号を入力する入力回路42と、制御
プログラムを格納したROM43と、警報器5への出力
信号を与える出力回路44と、これらと接続されたCP
U45と、コントローラ4内の電源を与える電源回路4
6とで構成されている。
【0005】図6は図5に示した車線逸脱警報装置にお
ける構成要素を実際に車両10に取り付けたときの配置
を示したもので、車線検出手段としてのラインカメラ1
は車両10の前部のルーフに設置され、信号処理手段と
してのCPUを搭載したコントローラ4は運転席の座席
下部に設けられ、車速センサ2及びウィンカー3からの
出力信号も同時に入力するようになっている。
【0006】また、警報器5は、コントローラ4によっ
て駆動されるアクチェータ駆動回路51と、この駆動回
路51によって駆動されるステアリングアクチェータ5
2とで構成されている。尚、このアクチェータ52は警
報発生時にステアリング11を振動させることによって
ドライバーに対して警報を与えるものである。
【0007】図7は図5に示した車線逸脱警報装置例に
おけるコントローラ4のCPU45に格納され且つ実行
される制御プログラムのフローチャートを示したもの
で、以下、このフローチャートを参照して図5及び図6
に示した従来例の動作を説明する。
【0008】まず、CPU45は初期化を行った後(ス
テップS0)、ラインカメラ1からのカメラ信号と車速
センサ2からの車速信号とウィンカー3からのウィンカ
ー信号とを読み込む(ステップS1)。
【0009】上記の様に読み込んだ各信号の内のカメラ
信号について、図8(a) に示すように例えば中心Oを通
る水平中心線CL上のカメラ信号(これはラインカメラ
が垂直方向の走査が無く水平方向の走査のみが有るため
である)が、同図(b) に点線で示す閾値Thを越えたか
否かにより判定して2値化する(同S2)。
【0010】そして、CPU45は2値化されたカメラ
信号から図8(a) に示すように路面上の車線WL(この
例では中心線CL上の車線幅)を抽出するとともにその
座標を算出し(同S3)、さらに車線−車両間の距離を
算出する(同S4)。
【0011】この様にして求めた車両と車線との位置関
係から車両が車線から逸脱しているか否かを判断するた
め、車線−車両間の距離が閾値Th(例えば“0”m)
以下であるか否かを判定し(同S5)、閾値Th以上で
あれば警報出力を発生させないようにして(同S9)ス
テップS1に戻るが、閾値Th以上である時には次のス
テップを実行する。
【0012】即ち、車両が車線WLに近づいていても車
線変更である場合には警報を発生させる必要がないので
ステップS6に於いてウィンカー信号が発生されている
か否かを判定し、ウィンカー信号がウィンカー3から与
えられているとき(ON時)にはやはり警報出力を発生
させないようにして(同S9)ステップS1に戻るが、
ウィンカー信号が発生されていないときにはさらに車速
が設定値(例えば60km/h)を超えているか否かを判定
する(同S7)。
【0013】このステップS7で車速が設定値を超えて
いるか否かを判定するのは、車速<設定値のときは車線
がはっきりしていない低速道路等を走行していることが
多いので、このような場合を除外するためである。但
し、このステップS7は不可欠なステップではない。
【0014】従って、車速が設定値未満の場合にはステ
ップS1に戻るが、車速が設定値を超えている場合には
車線がはっきりしている低速道路等を走行しているもの
と判定し車線逸脱警報を行うため警報器5を駆動する
(同S8)。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】一般に、上記の様な従
来の車線逸脱警報装置で検出される車線のペイント(白
/黄)部分は、図9に示す如く、車線の内側エッジから
約7.5cm外側の位置を車線領域の座標(図7のステッ
プS8:車線位置)としている。
【0016】これは、車線の基本線幅が15cmであるこ
とに基づいており、また分岐・登坂車線部等の幅の広い
ペイントの場合も図示の如く内側のペイント位置が線幅
15cmの場合と同様になっているためである。
【0017】上記のようにペイント部分から車線位置を
検出すると、通常の天候条件の場合は図10(a) に示す
ように正常に車線判定することができるが、雨天時等で
路面に水溜まりが出来ている場合には光の屈折・反射現
象により、同図(b) に示すように、実際の車線WLのペ
イント部分よりも見掛け上膨らんで見えるため、その内
側エッジから約7.5cm外側の位置を車線位置と判定す
ると、車線を実際より狭く判定してしまう。
【0018】この結果、図7におけるステップS4で算
出される車線−車両間距離が小さくなってしまい、実際
には車線から逸脱していないにも関わらず、設定値Th
以下と判定して車線逸脱警報を発してしまうという問題
点があった。
【0019】従って本発明は、車両前方を撮影する車線
センサから得られた画像信号を信号処理手段が2値化す
ることにより路面上の車線位置を抽出し、該車線位置と
該車両との距離が一定値以下になったときウィンカーが
操作されていなければ警報器を付勢する警報処理を行う
車線逸脱警報装置において、雨天時等においても正確な
車線位置の判定を可能にする事を目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明に係る車線逸脱警報装置では、信号処理手段
が、予め記憶しているワイパーの作動状態が早くなるに
従って車線位置を車両の外側に拡大するための修正値に
より該車線位置を修正することを特徴としたものであ
る。
【0021】また本発明では、該警報処理の条件に車速
センサからの車速が設定値を越えているときを加えても
よい。
【0022】
【作用】本発明に係る車線逸脱警報装置の動作において
は、先ず信号処理手段は、車線センサから得た図8(b)
に示すような車線の画像信号(実線)を閾値Thにより
2値化して車線領域の座標(車線位置)を検出する。
【0023】このとき、信号処理手段は、その車線位置
を雨天時に対応して修正するため、予めワイパーの作動
状態に応じた車線位置の修正値を記憶しておく。
【0024】従って、雨天時の降雨量が多くなるに伴っ
てワイパーの動作が早くなるので、これに対応して車線
のエッジ部分が膨らむことを考慮し、車線位置が車両の
外側に拡大されるように修正を行う。
【0025】そして、このように求めた車線位置に基づ
き、信号処理手段は車線と車両との距離を求め、この距
離が一定値以下になったときウィンカーが操作されてい
なければ(好ましくは車速が設定値を越えていれば)警
報器を付勢する。
【0026】従って、雨天時の誤警報を無くすことがで
きる。
【0027】
【実施例】図1は本発明に係る車線逸脱警報装置の実施
例を示したもので、この実施例と図5に示した従来例と
の相違はワイパー6のワイパー信号を入力回路42を介
してコントローラ4に取り込むようにしている点であ
る。
【0028】この実施例における信号処理手段としての
CPU45に格納され且つ実行される制御プログラムの
フローチャートが図2に示されている。
【0029】以下、この図2のフローチャートを参照し
て本発明に係る車線逸脱警報装置の実施例の動作を説明
する。
【0030】このフローチャートと図7に示したフロー
チャートとの違いは、図2では図7のステップS2とS
3との間にステップS10を設けている点である。
【0031】即ち、ステップS0〜S2を実行した後、
ステップS10においては、ワイパー6の作動状態によ
る車線修正値dを求めている。
【0032】この車線修正値dを求めるためのメモリマ
ップが図3に示されており、このメモリマップは実験等
により求めたものをデータとして図1のROM43に記
憶したものである。
【0033】図3のマップ例によれば、ワイパー6が、
「OFF」、「INT」(間欠動作)、「LO
W」(連続低速動作)、「HIGH」(連続高速動
作)の4段階で切替えできるものとすると、の場合は
通常の如く検出エッジから7.5cmを車線位置とし、
の場合は降雨はあってもその量が少なく水溜まりも少な
いので0.8cm、の場合は通常のワイパー動作を必要
とするような降雨量であり水溜まりもある程度存在する
ので10.0cm、そして、の場合は例えば土砂降りの
ような降雨量であり水溜まりも非常に多く存在するので
12.0cmを車線位置としている。
【0034】このようにして求めた車線修正値dを用い
てCPU45は車線領域の座標(車線位置)を算出し
(ステップS3)、更に車線−車両間距離を算出し(ス
テップS4)、ステップS5でこの距離が閾値Th(例
えば“0”m)以下で且つウィンカー信号がOFFのと
き(且つ好ましくは車速≧設定値のとき)には警報器5
を付勢して警報を発するようにしている(ステップS5
〜S8)。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る車線
逸脱警報装置によれば、信号処理手段が、予め記憶して
いるワイパーの作動状態が早くなるに従って車線位置を
車両の外側に拡大するための修正値により該車線位置を
修正するように構成したので、天候や路面状態(水溜ま
り等)に関わらず、車線位置の判定がより正確に行わ
れ、実際よりも車線を車両に近く判定してしまうことに
よる誤警報の発生を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る車線逸脱警報装置の実施例を示し
たブロック図である。
【図2】本発明に係る車線逸脱警報装置に用いられる信
号処理手段(コントローラ)に格納され且つ実行される
制御プログラムのフローチャート図である。
【図3】本発明に係る車線逸脱警報装置における車線位
置の修正マップ図である。
【図4】車線センサの車両における配置を示した図であ
る。
【図5】従来例の構成を示したブロック図である。
【図6】図5の実施例を実際の車両に搭載したときの構
成を示した概略図である。
【図7】従来例の処理プログラムを示したフローチャー
ト図である。
【図8】ラインカメラにより撮像される前方路面状態と
ラインカメラにより得られる画像信号を画素座標と輝度
との関係で示した波形図である。
【図9】車線のペイント状態を示した図である。
【図10】晴天時と雨天時の車線検出状態を示した図で
ある。
【符号の説明】
1 ラインカメラ(車線センサ) 2 車速センサ 3 ウィンカー 4 信号処理手段(コントローラ) 5 警報器 6 ワイパー 43 ROM 45 CPU WL 車線 図中、同一符号は同一又は相当部分を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60R 21/00 G08G 1/16

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両前方を撮影する車線センサから得ら
    れた画像信号を信号処理手段が2値化することにより路
    面上の車線位置を抽出し、該車線位置と該車両との距離
    が一定値以下になったときウィンカーが操作されていな
    ければ警報器を付勢する警報処理を行う車線逸脱警報装
    置において、 該信号処理手段が、予め記憶しているワイパーの作動状
    態が早くなるに従って車線位置を車両の外側に拡大する
    ための修正値により該車線位置を修正することを特徴と
    した車線逸脱警報装置。
  2. 【請求項2】 該警報処理の条件に車速センサからの車
    速が設定値を越えているときを加えたことを特徴とした
    請求項1に記載の車線逸脱警報装置。
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