JP3246001B2 - 粉体の比誘電率の測定方法 - Google Patents

粉体の比誘電率の測定方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、粉体の比誘電率の測
定方法に関するもので、特に、粉体と空気との複合系の
見掛けの比誘電率を測定した後、対数混合則またはリヒ
トネッカロータの式を適用して粉体の比誘電率を求め
る、粉体の比誘電率の測定方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】たとえば、電子部品の分野において、種
々の誘電体が用いられているが、電子部品の設計にあた
っては、用いられる誘電体の比誘電率を把握する必要が
ある。電子部品に適用される、たとえばセラミックのよ
うな無機誘電体は、通常、粉体の状態で用意される。し
たがって、このようなセラミックのような無機誘電体の
比誘電率を評価するにあたっては、一般的には、セラミ
ック等の粉体を、バインダとともに成形した後、焼成
し、その表面に銀電極等を付与して、比誘電率を測定す
ることが行なわれている。
【0003】しかしながら、上述したような比誘電率の
測定方法は、それほど能率的ではないという問題があ
る。この問題を解決するため、粉体の比誘電率を、粉体
の状態のままで求める方法も提案されている。その方法
は、以下のとおりである。
【0004】すなわち、一定の間隔を置いて対向する1
対の電極が配置された容器が用意され、この容器内に、
比誘電率を測定すべき粉体が入れられる。その状態で、
1対の電極間に電圧を印加して、粉体と空気との複合系
の見掛けの比誘電率が測定される。このようにして、実
測された粉体と空気との複合系の見掛けの比誘電率εか
ら、対数混合則またはリヒトネッカロータの式のような
混合材料の比誘電率を算出する式を用いて、粉体の比誘
電率が求められる。より具体的には、 [対数混合則] log ε=v1 log ε1 +v2 log ε2 、 または [リヒトネッカロータの式] εk =v1 ε1 k +v2 ε2 k (−1≦k≦1) ただし、ε1 :粉体の比誘電率 ε2 :空気の比誘電率(=1) v1 :粉体の容積割合 v2 :空気の容積割合 が用いられることにより、粉体の比誘電率ε1 が計算さ
れる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た対数混合則またはリヒトネッカロータの式は、混合材
料の比誘電率を近似的に算出するのには便利ではある
が、これらには、理論的根拠がない。そのため、対数混
合則またはリヒトネッカロータの式から算出された複合
系の比誘電率の値は、同じ複合系の比誘電率の実測値か
らずれることがある。このことは、求めようとする粉体
の比誘電率の値に対する信頼性が低いことを意味する。
【0006】そこで、この発明は、上述したような対数
混合則またはリヒトネッカロータの式を適用して粉体の
比誘電率を求めるに際して、その信頼性を高めることが
できる、粉体の比誘電率の測定方法を提供しようとする
ことである。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明は、前述したよ
うに、一定の間隔を置いて対向する1対の電極が配置さ
れた容器内に、比誘電率を測定すべき粉末を入れ、前記
1対の電極間に電圧を印加して、前記粉体と空気との複
合系の見掛けの比誘電率を測定し、その実測値εを、下
式: [対数混合則] log ε=v1 log ε1 +v2 log ε2 、 または [リヒトネッカロータの式] εk =v1 ε1 k +v2 ε2 k (−1≦k≦1) ただし、ε1 :粉体の比誘電率 ε2 :空気の比誘電率(=1) v1 :粉体の容積割合 v2 :空気の容積割合 に入れることにより、粉体の比誘電率ε1 を求める、粉
体の比誘電率の測定方法に向けられるものである。
【0008】本発明者は、上述した対数混合則またはリ
ヒトネッカロータの式を用いる場合、粉体と空気との複
合系の見掛けの比誘電率を測定する条件を適宜に選べ
ば、高い信頼性をもって粉体の比誘電率を求められるこ
とを見い出した。この発明は、このような信頼性の高い
測定を可能とする条件を提供しようとするもので、1対
の電極間にある粉体と空気との複合系における粉体容積
割合が0.35〜0.45に設定されるとともに、1対
の電極間に印加される電圧が1MHz以上の周波数を有
するものとされることを特徴としている。
【0009】
【作用】この発明において、粉体と空気との複合系にお
ける粉体容積割合が0.35〜0.45に設定されるこ
とにより、このような複合系の比誘電率が、計算値と実
測値との間であまり差がないことが、実験により確認さ
れた。
【0010】また、この発明において、1対の電極間
に、1MHz以上の周波数を有する電圧を印加すること
により、水分を影響をほとんど受けることなく、比誘電
率を測定できることが、実験により確認された。
【0011】
【発明の効果】したがって、この発明によれば、対数混
合則またはリヒトネッカロータの式を用いて、粉体の比
誘電率を、粉体の状態のまま、高い信頼性をもって求め
ることができる。その結果、セラミックのような無機誘
電体の比誘電率を求めるため、粉体を、バインダと混合
して、成形し、焼成し、さらに銀電極等を付与するとい
った工程が不要となり、能率的な測定が可能となる。そ
のため、このような誘電体を用いる電子部品の設計が容
易になる。
【0012】
【実施例】図1は、この発明の一実施例による粉体の比
誘電率の測定方法に適用される測定容器1を示す断面図
である。測定容器1は、たとえば内径10mmの電気絶
縁性のリング2を備える。このリング2には、金属のよ
うな導電体からなる第1および第2の電極部材3および
4が嵌合され、それによって、閉じられた空間5が形成
される。この空間5内には、比誘電率を測定すべき粉体
6が充填される。第1の電極部材3と第2の電極部材4
との間の間隔は、たとえば1mmと一定にされる。
【0013】このような測定容器1を用いながら、第1
および第2の電極部材3および4間に電圧を印加して、
粉体6と空気との複合系の見掛けの比誘電率が測定され
る。このとき、当然、測定容器1が与える比誘電率の分
は補正される。
【0014】このようにして得られた粉体と空気との複
合系の見掛けの比誘電率εが、前述した対数混合則また
はリヒトネッカロータの式に適用される。対数混合則ま
たはリヒトネッカロータの式において、空気の比誘電率
ε2 は「1」と既知であり、また、粉体の容積割合v1
および空気の容積割合v2 は、それぞれ、測定容器1の
空間5内に入れる粉体6の量により決まる。したがっ
て、粉体と空気との複合系の見掛けの比誘電率εがわか
れば、粉体の比誘電率ε1 を求めることができる。
【0015】この発明では、上述した測定容器1を用い
ての粉体と空気との複合系の見掛けの比誘電率の測定に
際し、第1および第2の電極部材3および4間にある粉
体6と空気との複合系における粉体容積割合が0.35
〜0.45に設定され、第1および第2の電極部材3お
よび4間に印加される電圧が1MHz以上の周波数を有
するものとされる。以下に、このような条件を選んだ根
拠となる実験例について記載しておく。
【0016】図1に示した測定容器1を用いて、第1お
よび第2の電極部材3および4の間隔を一定にしなが
ら、粉体容積割合を0.2〜0.55の範囲で変え、第
1および第2の電極部材3および4間に1MHzの周波
数を有する電圧を印加し、室温(25℃)にて、粉体6
と空気との複合系の比誘電率を測定した。また、粉体6
として、チタン酸カルシウムの粉体を用いた。
【0017】表1には、種々の粉体容積割合における複
合系の比誘電率の実測値が、計算値と併せて示され、ま
た、実測値の計算値からのずれが示されている。また、
このずれは、[(実測値)−(計算値)]/(実測値)
の式に基づき計算したものである。また、計算値は、既
知のチタン酸カルシウムの比誘電率から対数混合則に基
づき複合系の比誘電率を求めたものである。
【0018】
【表1】 上述した表1に示した実測値および計算値は、図2およ
び図3にも示されている。図2および図3では、横軸が
チタン酸カルシウム(CT)の容積割合を示し、縦軸が
「ε割合」すなわちチタン酸カルシウムの容積割合が
「1」のときの比誘電率を「1」としたときの比誘電率
の値を示している。また、図3は、図2の一部を拡大し
て示したものである。
【0019】上述した表1、図2および図3から、粉体
容積割合が0.35〜0.45の範囲内で、ずれが−
0.54〜+0.12となり、この範囲内であれば、対
数混合則により、高い信頼性をもって、粉体の比誘電率
を求められることがわかる。特に、粉体容積割合が0.
43のとき、ずれが最小となっている。ここで、粉体容
積割合を0.43とし、実測値から対数混合則を用いて
チタン酸カルシウムの比誘電率を求めたところ、「16
8」の値が得られ、その焼結品の公称値である「18
0」に対し、93.3%といった優れた一致を見ること
ができた。
【0020】次に、粉体容積割合を0.43とし、図1
に示した測定容器1における第1および第2の電極部材
3および4間に印加される電圧の周波数を1kHz〜1
MHzの範囲で変化させて、粉体6と空気との複合系の
見掛けの比誘電率および誘電正接DFを測定した。その
結果が、表2に示されている。
【0021】
【表2】 表2における特に誘電正接DFに注目すると、周波数が
高くなるほど、誘電正接DFが小さくなっており、この
ことから、周波数を1MHz以上にすれば、粉体に含ま
れる水分の影響をほとんど受けることなく、比誘電率を
測定できることがわかる。
【0022】なお、上述した実験例では、比誘電率を対
数混合則に基づいて評価したが、リヒトネッカロータの
式に基づいて評価しても、実質的に同様の結果が得られ
る。一例を示すと、リヒトネッカロータの式において、
k=0.042としたとき、この式が最も高い信頼性の
ある結果を与え、たとえば、粉体容積割合v1 =0.4
で、ずれがわずか0.03となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例による粉体の比誘電率の測
定方法を実施するための測定容器1を示す断面図であ
る。
【図2】チタン酸カルシウムと空気との複合系の比誘電
率の実測値を計算値と併せて示す図である。
【図3】図2の主要部の拡大図である。
【符号の説明】
1 測定容器 3,4 電極部材 6 粉体
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭52−153481(JP,A) 特開 昭52−85864(JP,A) 特開 平6−82413(JP,A) 特開 平6−138075(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 27/00 - 27/24 G01R 27/00 - 27/32

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一定の間隔を置いて対向する1対の電極
    が配置された容器内に、比誘電率を測定すべき粉体を入
    れ、前記1対の電極間に電圧を印加して、前記粉体と空
    気との複合系の見掛けの比誘電率を測定し、その実測値
    εを下式: log ε=v1 log ε1 +v2 log ε2 、 または εk =v1 ε1 k +v2 ε2 k (−1≦k≦1) ただし、ε1 :粉体の比誘電率 ε2 :空気の比誘電率(=1) v1 :粉体の容積割合 v2 :空気の容積割合 に入れることにより、粉体の比誘電率ε1 を求める、粉
    体の比誘電率の測定方法において、 前記1対の電極間にある前記粉体と空気との複合系にお
    ける粉体容積割合が0.35〜0.45に設定されると
    ともに、前記1対の電極間に印加される電圧が1MHz
    以上の周波数を有するものとされることを特徴とする、
    粉体の比誘電率の測定方法。
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