JP3244887B2 - 食品容器用の紙 - Google Patents
食品容器用の紙Info
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Description
などの飲料の容器を含む食品容器用の紙に関するもので
ある。更に詳しくは、紙自体から或いは、紙の加工に伴
って発生する臭気性物質の生成を防止した紙に関する発
明である。
る場合には、プラスチックフィルムを紙にコ−ティング
する方法が一般的である。ところが、該プラスチックフ
ィルムの表面は一般に不活性であり、塗膜との付着性の
悪いものが多い。該プラスチックフィルムの表面が不活
性である理由としては、該プラスチックフィルム中に存
在する表面張力の小さいオリゴマ−などが表面に滲み出
て、弱い境界層を形成するためであると言われている
(紙業タイムス社編,新・紙加工便覧,昭和55年,P.
58.)。
ラスチックフィルムの表面を改質する必要性が生じてい
る。表面処理の方法としては、コロナ放電処理、火炎処
理、プラズマ処理などがある。このうちコロナ放電処理
によるフィルム表面の改質機構は、コロナ放電によって
空気中に生じたラジカル(主に酸素ラジカル)や加速電
子がフィルム表面の分子鎖切断、ラジカル付加などを起
こすことによるものであると言われている(原崎勇次,
コ−ティング技術の進歩,総合技術センタ−,昭和63
年,P.526.)。又、最近では加工速度の増加に伴っ
て、接着性向上のために紙又はアルミ箔基材に対してコ
ロナ放電処理、火炎処理、アンカ−コ−ト処理などの前
処理を施すことが多くなっている。
気に加え、紙を前述の目的でコロナ放電処理することに
より、更に臭気性の物質を発生させる場合がある。現状
では、これらの臭気性物質の発生を防止する有効な手段
が無く、製品の貯蔵期間を延長して臭気の低減を図って
いる。一方、現在食品容器用の紙の製造に用いられてい
るのは、極一般的に市場に出回っているハンタ−白色度
(JIS P8123)83〜88%の晒クラフトパル
プである。又、その漂白薬品には、塩素系薬品又は塩素
系薬品と酸素が用いられている。
自体の臭気に加え、紙にコロナ放電処理を施すことによ
って、更に臭気性物質を発生させると言う問題を生ずる
ことがある。食品容器の臭気は、内容物自体に臭気が吸
着し商品価値を下げるだけではなく、消費者にも著しい
不快感を与えると言う致命的な欠点である。そこで、該
臭気性物質が発生した場合、貯蔵期間を延長し、該臭気
性物質の発散を図っているのが現状であるが、時間がか
かる上に効果も十分とは言えない。本発明の目的は、紙
自体から発生する臭気及び、紙の表面改質のために行わ
れるコロナ放電処理に伴って生ずる臭気の発生を防止し
た食品容器用の紙を提供することである。
の紙自体から発生する臭気性物質及び、食品容器用の紙
を該容器に加工する際に発生する臭気性物質に関して調
査研究を重ね、該臭気性物質の発生機構を解明し、その
防止方法を発明するに至った。即ち、漂白工程を強化し
て、従来の一般的な白色度を超える白色度であるハンタ
−白色度90%以上の晒クラフトパルプを用いて、食品
容器用の紙を製造する方法である。以下に、食品容器用
の紙を該容器に加工する際に発生する臭気性物質の発生
機構について記述する。コロナ放電処理による紙表面の
改質機構は、プラスチックフィルムと同様に空気中に発
生した酸素ラジカルが関与していると考えられるが、該
酸素ラジカルが空気中にオゾンを生成することも良く知
られている。このオゾンはセルロ−ズを初めとする木材
成分と反応し、低級カルボン酸やアルデヒド類を生成す
る。
香族化合物などの二重結合に対するオゾンの攻撃(Crie
gee説として知られている)と、セルロ−ズやヘミセル
ロ−ズなどの炭水化物上で進行するラジカル反応であ
る。該不飽和脂肪酸や芳香族化合物には木材中にその成
分として含まれているものの他、パルプの製造工程など
で添加される消泡剤などの薬品も含まれる。この様にし
て発生した低級カルボン酸やアルデヒド類の多くは臭気
を有する物質であり、食品容器用の紙を該容器に加工す
る際に発生する臭気の原因物質であると考えられる。確
認のために実験室で行ったシミュレ−ションテストでも
酢酸や乳酸の発生が認められた。
物質に関しても、乳酸などのカルボン酸が確認された。
この場合も炭水化物や不飽和脂肪酸などの反応基質が、
空気酸化などの化学的作用を受けて臭気性物質を生成し
たものと考えられる。以上に述べてきたような臭気性物
質の発生機構が明らかになったことにより、次の様な臭
気防止対策が有効であることが判った。即ち、不飽和脂
肪酸や芳香族化合物など二重結合を有する物質を可能な
限り取り除くこと或いは、該二重結合を有する物質と炭
水化物とを前酸化し、空気中の酸素やコロナ放電処理に
伴って発生するオゾンに対して不活性な構造にする方法
である。
生する臭気性物質及び紙加工時に発生する臭気性物質
を、官能的に臭気が感じられなくなるレベルまで取り除
くためには、現在一般的に行われている漂白条件、即ち
塩素系薬品又は塩素系薬品と酸素を用いた、漂白後のハ
ンタ−白色度(JIS P8123)83〜88%では
不十分であり、最低でもハンタ−白色度90、できれば
91以上にする必要のあることが判った。この場合、食
品容器加工後に発生する臭気量は漂白薬品の添加率や処
理順序などの条件ではなく、白色度が決定因子となるこ
とが判明した。
く強化し、ハンタ−白色度を90以上にすることによ
り、空気中の酸素やオゾンと反応する不飽和脂肪酸や芳
香族化合物など二重結合を有する物質が激減する。この
パルプを食品容器用の紙として用いることにより、空気
中の酸素やコロナ放電処理の際に発生するオゾンと反応
して生成する低級カルボン酸やアルデヒド類などの臭気
性物質の発生が抑制される。
明する。尚、以下に述べる実施例は実際の工程の状況を
実験室でシミュレ−トした実験に基づくものである。
リ抽出,H:次亜塩素酸ナトリウム処理,D:二酸化塩
素処理)の順に漂白を行ったハンタ−白色度91.0%
のNBKP及びハンタ−白色度91.4%のLBKPを
主原料として、NBKP70部とLBKP30部(濾水
度360mlCSF)からなる第1層と、NBKP60
部とLBKP40部(濾水度450mlCSF)からな
る第2層とを、それぞれ100メッシュの実験用丸網抄
紙機を用いてpH7.3で、坪量100g/m2の湿紙
とし、第1層の表面に酢酸エステル化ポテト澱粉の1%
スラリ−を0.9g/m2スプレ−し、このスプレ−を
した側に第2層を重ね合わせ、プレス脱水し、105℃
のシリンダ−ドライヤ−で3分間乾燥させたものをサン
プルに供した。
酸をガスクロマトグラフ(島津製作所製ガスクロマトグ
ラフGC−9A)で測定し、そのピ−ク面積を表1に示
した(漂白強化1と表示)。又、コロナ放電処理によっ
て発生するオゾンとの反応を想定して日本オゾン株式会
社製のオゾン発生機0N−1−2型で発生させたオゾン
濃度1.2%の気体とサンプルとを室温で1時間接触さ
せ、その後、臭気物質として酢酸と乳酸を測定した結果
を表1に示す(漂白強化2と表示)。
及びハンタ−白色度91.4%のLBKPに代えて、ハ
ンタ−白色度86.5%のNBKP及びハンタ−白色度
85.8%のLBKPを用いた以外は実施例1と同様に
実施した。但し、紙自体の測定結果を従来品1、オゾン
と接触させた後の測定結果を従来品2とした。この結果
を表1に示す。
白を一般的な水準より強化してハンタ−白色度を90以
上にしたパルプを用いて作成した板紙からは、乳酸が検
出されなくなった(漂白強化1)。又、コロナ放電処理
により発生するオゾンの作用を想定して行った漂白強化
2の場合には、酢酸が従来品2の約6分の1に減少し、
乳酸は検出されなくなった。又、この様にして得られた
食品容器用の紙の官能的な臭気は、未処理の紙自体のも
のは言うに及ばず、オゾン処理後の臭気も問題を生ずる
レベルではなくなった。従って、従来行われていた臭気
を発散させるための貯蔵期間の調整も不要になる。
Claims (1)
- 【請求項1】 ハンタ−白色度90以上に漂白された晒
クラフトパルプを原料として抄紙することを特徴とする
食品容器用の紙。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26328993A JP3244887B2 (ja) | 1993-10-21 | 1993-10-21 | 食品容器用の紙 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26328993A JP3244887B2 (ja) | 1993-10-21 | 1993-10-21 | 食品容器用の紙 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07119071A JPH07119071A (ja) | 1995-05-09 |
JP3244887B2 true JP3244887B2 (ja) | 2002-01-07 |
Family
ID=17387407
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP26328993A Expired - Lifetime JP3244887B2 (ja) | 1993-10-21 | 1993-10-21 | 食品容器用の紙 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3244887B2 (ja) |
Family Cites Families (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH01118699A (ja) * | 1987-10-28 | 1989-05-11 | Daishowa Paper Mfg Co Ltd | 耐熱トレー原紙の製造方法 |
JPH01118694A (ja) * | 1987-10-28 | 1989-05-11 | Sanyo Kokusaku Pulp Co Ltd | 食品容器用耐熱紙 |
DE4129739A1 (de) * | 1990-09-11 | 1992-03-12 | Sandoz Ag | Chlorfreies bleichen von papierpulpe |
JP2626949B2 (ja) * | 1992-09-16 | 1997-07-02 | 日本製紙株式会社 | 紙カップ用原紙の製造方法 |
JPH06101185A (ja) * | 1992-09-18 | 1994-04-12 | New Oji Paper Co Ltd | 高白色度パルプの製造方法 |
-
1993
- 1993-10-21 JP JP26328993A patent/JP3244887B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH07119071A (ja) | 1995-05-09 |
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