JP3244760B2 - 半導体熱処理装置 - Google Patents

半導体熱処理装置

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JP3244760B2
JP3244760B2 JP06924992A JP6924992A JP3244760B2 JP 3244760 B2 JP3244760 B2 JP 3244760B2 JP 06924992 A JP06924992 A JP 06924992A JP 6924992 A JP6924992 A JP 6924992A JP 3244760 B2 JP3244760 B2 JP 3244760B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体基板への気相成
長法による成膜や、アニール処理に用いられる熱処理装
置に関するもので、特に上記処理に併せて、被処理基板
表面に成長した自然酸化膜の除去や、該基板自体の素子
形成工程で受けた損傷等の回復に使用される熱処理装置
である。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体被処理基板の熱処理を行な
う装置の構造は、該基板自体を反応炉内の所定位置にセ
ット(以下ロードと記す)する際、該基板表面に成長す
る自然酸化膜を極力抑えるため、空気の巻き込みが多い
横型反応炉方式にかわって、巻き込みの少ない縦型反応
炉方式が主流となっている。
【0003】ここで、従来例として図6に縦型方式の減
圧気相成長装置の構成の概略を示す。装置構成は、材料
ガスの分解反応を行なうインナーチューブ1及びアウタ
ーチューブ2が二重円筒状に設けられ、ヒーターエレメ
ント3により所望の温度に加熱される。インナーチュー
ブ1内には、回転機構4に接続された被処理基板収納治
具受け台5上に置かれた被処理基板収納治具6がセット
され、この治具内に被処理基板7が収納されている。図
7は、この縦型装置の中心軸を含む断面の炉内温度分布
図で、縦軸は装置の炉内の高さhを、また横軸は炉内温
度(℃)tを示す。炉内の高さh1 からh2 までの間は
温度変化が極めて小さい均熱領域で、被処理基板7はこ
の領域内に置かれる。インナーチューブ1とアウターチ
ューブ2のそれぞれの下端は、マニホールドフランジ8
に固着支持され、反応炉体を構成する。反応炉体はOリ
ング10を介して炉口蓋体9により密閉され、その内部
は、マニホールドフランジ8に設けられた排気口11と
接続する排気システム(図示なし)により、減圧下に保
たれる。炉口蓋体9は、被処理基板7を収納した治具6
等を搭載し、図示しない昇降機構により上下し、反応炉
内に被処理基板7をロード、アンロードする。マニホー
ルドフランジ8に独立に設けられた材料ガス導入ポート
12及びそこから炉奥に向かって立てられたガスノズル
13により、材料ガスを供給し、被処理基板7上に所望
の生成膜を堆積することができる。また縦型装置として
の特徴を出すため、マニホールドフランジ8に専用の不
活性ガス導入ポート15、及びそこから上方に向かうガ
スノズル16を設け、インナーチューブ1とアウターチ
ューブ2の間で作られる炉奥反応炉内の排気経路14
に、該被処理基板7の出し入れ時に不活性ガスを流すこ
とにより、該基板7に成長する自然酸化膜の成長を抑制
させている。
【0004】図6に示す装置構成の縦型減圧気相成長装
置において、被処理基板7に成長する自然酸化膜は、該
被処理基板7のインナーチューブ1内へのロード過程に
おいては、図8に示すように、該被処理基板7の表面
が、酸化されやすい材料状態であれば、気相成長により
堆積する生成膜17の下層18として形成される。また
所望の膜17を堆積後、被処理基板7の取り出し(アン
ロード)においては、堆積膜17が多結晶シリコンであ
れば、膜自体の表面に薄い酸化膜19が図9に示すよう
に形成されてしまう。
【0005】被処理基板7のロード、アンードにより、
炉口附近の酸素を被処理基板7が巻き込むことで、自然
酸化膜は成長するが、成長を極力抑えるために、前述の
ように、不活性ガス(例えばN2 ガス)を炉奥より10l
/min 〜20l/min 程度、ロード、アンロード時に炉内
に流している。しかし、被処理基板の表面が、シリコン
等の酸化されやすい材料であれば、大気中(約20%程度
の酸素を含む)の雰囲気に放置するだけでも、約10オン
グストローム程度の自然酸化膜がすでに形成されてい
る。
【0006】近年の半導体装置においては、この大気中
放置で成長してしまう自然酸化膜層が問題視されるよう
になった。例えば図10に示すように、半導体基板主面
側の能動層20を覆う上層絶縁膜21の一部に、能動層
20に達するコンタクトホ―ルを開口し、導電層22を
被着し、能動層20とオーミックコンタクトをとる場合
においては、前記自然酸化膜が、障壁層(バリア層)2
3となって正常な導電特性が得られないという問題があ
る。この問題を軽減するために、イオン注入法により、
自然酸化膜に損傷を与え、部分的にオーミックコンタク
トをとるイオンミキシング法がある。また酸化膜をエッ
チングにより除去するため、気相成長装置自体に酸化層
をエッチングできる材料ガスを反応炉に導入する手段や
プラズマ放電機構等のエッチングのための付帯設備を設
けた例もある。
【0007】しかし効果としては、前者イオンミキシン
グ法は、自然酸化膜層全体を除去することは不可能で、
酸化膜層の厚さにより、その効果は左右される。また後
者のエッチング法においては、均一なエッチング面が得
られ難いとともに、被処理基板表面の、しかも不用な層
を選択的にエッチングすることが困難である。このよう
なエッチングの制御性の悪いことのほかに、材料ガス自
体の分解により副生する例えばフッ化物等が逆に被エッ
チング表面層に吸着され、その後気相成長法により膜生
成を行なうと、界面にこのフッ化物の層が残ることにな
り、やはり半導体素子の特性に悪影響を及ぼす。
【0008】ゆえに自然酸化膜の発生しにくい縦型反応
炉方式でも、被処理基板のロード、アンロード時に成長
する自然酸化膜の抑制はできても、反応炉内で膜生成の
直前において、自然酸化膜を除去することは困難なのが
実情である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】これまで述べたよう
に、気相成長装置を用い、被処理基板表面に所望の膜を
形成する場合、該基板表面は清浄であることが不可欠
で、近年の半導体装置においては、例えばシリコン基板
を大気中に放置するだけで形成される極めて薄い自然酸
化膜すら問題視されている。縦型反応炉方式の気相成長
装置では、被処理基板のロード・アンロード時に成長す
る自然酸化膜の抑制は可能であるが、すでに形成されて
いる自然酸化膜の除去はできない。すなわち気相成長装
置において、膜生成直前に該装置内で被処理基板表面を
清浄にすることは、重要な課題である。
【0010】他方、例えば配線層用のアルミ等の材料を
スパッタ法により膜付けすると半導体基板自体がダメー
ジを受け、このダメージを回復するために水素処理が必
要である。また水素ガスそのものを使用して半導体基板
の清浄化等のプロセス処理を行なう熱処理装置がある。
このような水素処理には、多量に水素を流すため、排ガ
ス処理が大変で、高圧ガス使用総量も増加する。このよ
うな状況で水素ガスの使用量を削減することは、望まし
い課題である。
【0011】本発明は、第1に、半導体熱処理装置を用
いて所望の膜を生成するに当たり、あらかじめ被処理基
板表面に成長している自然酸化膜や、該装置の反応炉内
へのロード時に、大気を含んだ高温の雰囲気にさらされ
ることにより、基板面に成長する自然酸化膜等を該反応
炉内で除去した後、そのままの位置(in−situ)で成膜
できる機構を提供することを目的とし、さらに第2に、
水素ガスを使用する拡散炉などの熱処理装置に対し、水
素ガスの使用量を削減できる機構を提供することを目的
とする。
【0012】本発明の請求項1に係る半導体熱処理装置
は、無機水素化物を材料ガスとする反応炉と、該反応炉
と排気機構とを連結する排気経路の一部に設けられ水素
ガスを吸蔵及び放出可能な水素吸蔵合金を収納したトラ
ップと、該反応炉で分解発生する水素ガスを前記トラッ
プに吸蔵する経路と、前記トラップに吸蔵された水素ガ
スを該反応炉に放出する経路とを具備して、基板上の自
然酸化膜の除去または基板の損傷回復処理を可能とする
とともに、装置外部からの水素ガスの供給ラインをもた
ないことを特徴とするものである。
【0013】次に上記装置が、例えば気相成長法によ
り、所望の膜を生成する熱処理装置の場合について、そ
の作用を説明する。まず、今回成膜する被処理基板を、
前記反応炉内の所定位置にセットする。次に前記トラッ
プより、前回の成膜時に吸蔵された水素ガスを放出さ
せ、前記反応炉に供給して、前記被処理基板上に形成さ
れている自然酸化膜を除去する。次に反応炉に材料ガス
を供給し、そのままの前記セット位置で、該基板上に所
望の膜を形成すると共に、その際、材料ガス自体の分解
により副生する水素ガスを、排気経路でいったん前記ト
ラップに吸蔵し、次回の成膜直前の前記自然酸化膜除去
用ガスとして貯える。最後に反応炉より成膜済みの前記
基板をアンロードする。以下この操作を繰り返す。
【0014】この熱処理装置では、基板面に残存する自
然酸化膜等を、反応炉内で成膜直前に除去することがで
き、そのままの位置で成膜できると共に、ライン水素ガ
スの供給が不要となる。
【0015】次に本発明の請求項2に係る半導体熱処理
装置は、水素ガスを用いて還元・除去を行う反応炉と、
該反応炉と排気機構とを連結する排気経路の一部に設け
られ水素ガスを吸蔵及び放出可能な水素吸蔵合金を収納
したトラップと、該反応炉から放出される水素ガスを前
記トラップに吸蔵する経路と、前記トラップに吸蔵され
た水素ガスを該反応炉に放出する経路とを具備すること
を特徴とするものである。
【0016】この種装置では、通常多量の水素ガスを流
し、処理後そのほとんどが捨てられている。反応炉から
排出される水素ガスを、排気経路の一部に設けられたト
ラップに一度吸蔵し、その後再び反応炉に放出すること
により、リサイクル的に水素ガスを使用するもので、そ
の使用量を大幅に削減できる。
【0017】次に本発明の請求項3に係る半導体熱処理
装置は、無機水素化物を材料ガスとする第1の反応炉
と、第1の反応炉に連結経路を介して接続されかつ第1
の反応炉で分解発生する水素ガスを用いて還元・除去を
行う第2の反応炉と、第2の反応炉に接続する排気機構
とを具備することを特徴とするものである。
【0018】上記装置においては、第1反応炉で無機水
素化物を材料ガスとする所望のプロセス処理を行ない、
その際、材料ガス自体の分解反応の際、副生する水素ガ
スを、連結経路を通して第2反応炉に導入し、第2反応
炉において該副生水素ガスを使用して水素処理を行な
い、処理後の第2反応炉内の残余のガス等は排気機構に
より装置外に排出される。
【0019】この熱処理装置が、例えば気相成長法によ
り、所望の膜を生成する装置の場合には、第1反応炉に
今回成膜する被処理基板を、また第2反応炉に次回成膜
する被処理基板をそれぞれセットし、第1反応炉で成膜
処理を、第2反応炉で水素処理を併行して行なう。この
装置の機構をマルチチャンバー方式の気相成長装置に適
用すれば、請求項1に係る装置について説明した前記効
果と、ほぼ同等の効果が得られる。
【0020】
【実施例】本発明の半導体熱処理装置を、実施例につい
てさらに詳細に説明する。
【0021】図1は、請求項1に係る本発明の第1実施
例で、縦型反応炉方式の減圧気相成長装置の構成の概略
を示す模式図である。この場合、無機水素化物の材料ガ
スとしては、シランガス(Si H4 )を使用し、多結晶
シリコン膜を生成するものとする。図1において、図6
と同符号は同じ部分を表わす。
【0022】排気口11に、排気管24、バルブ30
a、30bを介し、バタフライバルブ28、排気ポンプ
26及び除害装置27等から成る排気機構が接続され
る。この排気経路の一部に、バルブ30c、水素ガスを
吸蔵及び放出できる材料(金属水素化物あるいは水素貯
蔵合金)を収納したトラップ25及びバルブ30d等か
らなる水素ガス貯蔵経路が設けられる。またトラップ2
5より分岐して、水素ガス供給管29を介し、バルブ3
0e、純化器31、流量制御機構32、バルブ30f及
び反応炉のマニホールドフランジ8を貫通する水素ガス
導入ノズル33がこの順で接続され、トラップの吸蔵水
素ガスを反応炉に放出する経路を形成する。
【0023】一般に、所定の温度及び真空度に保たれて
いる反応炉内の雰囲気中に、シランガスを流すことによ
り、多結晶シリコン膜が、インナーチューブ1内に置か
れた被処理基板7及び各チューブ1、2の側面に堆積す
る。ここでシランガスが熱分解するときの反応式は次式
で示される。
【0024】Si H4 →Si +2H2 ↑ ここで多結晶シリコンとして生成されるシリコン以外
に、分解により水素ガスが発生する。図2は、水素ガス
の発生状況の一例を示すものである。すなわち流量200
cc/min のシランガスSi H4 (濃度 100%)を 630℃
に加熱すると、熱分解によりシリコン以外に流量360 cc
/min の水素ガス(理論値の約90%)が得られる。これ
より相当量の水素ガスが、所定の時間(膜付けを行なう
ために材料ガスを供給する成膜時間)の間、連続的に副
生されることが分かる。なお成膜する工程では、バルブ
30a,30b,30e,30fは閉、30c,30d
は開となり、副生する水素ガスは排気口11より前記ト
ラップ25に吸蔵される。
【0025】次に被処理基板表面に成長した自然酸化膜
の除去について、図3を参照して説明する。一般に高温
雰囲気に置かれた酸化膜は、水素ガスにさらすことによ
って、還元作用を受け、エッチング除去されることが知
られている。図3は、図1に示す減圧気相成長装置で水
素処理を行なった場合の熱処理温度とH2 還元による素
子特性(図10に示す基板の能動層20と、これに接続
する導電層22との間のコンタクト抵抗)及び自然酸化
膜の除去量との関係を示す図である。同図の上の横軸
は、被処理基板の温度(℃)t、下の横軸はその逆数
( 1/(T×10-3)K-1)、また左側の縦軸は前記コン
タクト抵抗(Ω)、右側の縦軸はエッチング後の自然酸
化膜厚(オングストローム)を表わす。図中の○印はコ
ンタクト抵抗、●印は酸化膜厚を示す。同図からも分か
るように、良好な結果を得るには、熱処理温度は約 850
℃以上が必要である。エッチングレートもこの温度条件
においては、ゆっくりであり、余り被処理基板に損傷を
与えないレベルである。したがって被処理基板の自然酸
化膜の除去に際しては、減圧気相成長装置の温度条件を
約 850℃程度にし、次に前記トラップ25に吸蔵した水
素ガスを、金属水素化物自体の有する放出作用を利用し
た付帯機構により、純化器(ピュリファイアー)31や
流量制限機構32を通して、導入ノズル33に供給すれ
ば、被処理基板7に成長した自然酸化膜が除去されるこ
とになる。この自然酸化膜除去工程においては、バルブ
30a,30b,30e及び30fは開とし、30c及
び30dは閉じ、トラップ25を加熱して炉内に水素ガ
スを導入すると共に、排気ポンプ26を稼働して炉内よ
り水素ガスを排出する。したがって本実施例によれば、
気相成長装置自体に水素ガスを用力として供給する配管
は不必要であり、反応ガス自体の分解時に副生する水素
ガスを利用し、吸蔵と放出とを繰り返すことで何回も使
用できる。 上記気相成長装置の稼働開始に当たって
は、最初のH2 処理に使用する水素ガスを、あらかじめ
トラップ25に吸蔵しておく必要がある。このため、イ
ンナーチューブ1及びアウターチューブ2の洗浄後、セ
ットアップ時に、初期の水素ガスの吸蔵を実施する。す
なわち開始に先立って行なう空デポ(deposite 成膜)
や、膜厚分布条件確認デポを行ない、その時副生する水
素ガスを吸蔵しておけば、それ以降の膜生成には吸蔵及
び放出が交互に行なわれる。なお基板上の自然酸化膜の
有無に左右されない成膜条件の場合には、トラップ25
は吸蔵のみを行なっても差支えない。
【0026】次に請求項1に係る本発明の第2実施例に
ついて述べる。通常半導体基板は、種々の加工プロセス
を経ているが、特に配線層用のアルミ等の材料をスパッ
タ法により膜付けすると、半導体基板自体に損傷を受
け、しきい値等の素子特性に影響を及ぼす。これらの損
傷を回復するために、一般に約10%程度の水素ガス(残
り窒素)を用い400 ℃〜500 ℃の雰囲気にさらす処理
(以下水素処理と記す)を行なっている。また一方前記
Al配線層形成後の工程は、通常、パッシベーション膜
(passivating film)の形成であり、近年プラズマ気相
成長装置により生成される窒化シリコン膜が、パッシベ
ーション膜として用いられる。窒化シリコン膜の生成用
の材料ガスとしては、シランガスやアンモニアガスが用
いられ、副生ガスとしては、水素ガスが同様に発生す
る。したがって本実施例では、配線用アルミ膜形成によ
り生じた基板の損傷を回復するための水素処理は、パッ
シベーション膜を成膜する図1に示す縦型反応炉内で、
成膜直前に行なわれる。すなわち、パッシベーション膜
生成の時に副生する水素ガスは、トラップに吸蔵され、
次回のパッシベーション膜形成直前の前記水素処理に使
用される。
【0027】次に請求項2に係る実施例について説明す
る。図4は、水素ガスそのものを半導体基板のプロセス
処理に用いる本発明の熱処理装置の構成例を示す概略図
である。反応炉体(拡散チューブとも呼ぶ)51及び炉
口蓋体9で形成される反応炉内には、被処理基板収納治
具6に収納された被処理基板7が載置され、ヒーターエ
レメント3により所望の温度に加熱される。水素ガス及
び窒素ガスは、ライン窒素ガス供給管52及びライン水
素ガス供給管53よりバルブ50及びフィルター54を
通り、材料ガス導入ポート12を経て反応炉内に供給さ
れ、バッフル(baffle)板55によりその流れは整流さ
れ、被処理基板7に所望の処理を施す。反応炉の排気口
11は排気経路14を介して排気機構(この例では排気
ダクト)56に接続される。排気経路14の一部に水素
ガスを吸蔵及び放出できる第1トラップ25a及び第2
トラップ25bが設けられる。
【0028】従来技術では、工場等から供給されるライ
ン水素ガスは、被処理基板7の水素処理後、排気口11
から排気経路14を通り通常排気ダクトへ排出され、そ
のほとんどが捨てられている。本実施例の装置では、反
応炉から排出される水素ガスは、反応炉の排出口11、
排気経路14及びバルブ50aを経てトラップ25aに
至る水素ガス貯蔵経路を経て第1トラップ25aに一旦
貯蔵される。その後純化再生された水素ガスは、、第1
トラップ25aより放出され、第2トラップ25bに貯
蔵される。この水素ガスは、第2トラップ25bから水
素ガス供給管29、バルブ50f、フィルター54及び
材料ガス放出ポート12に至る水素ガス放出経路を経
て、反応炉に還流させ、 2回目以降の水素処理に対し、
リサイクル的に使用が可能となる。なお符号50bない
し50eはバルブを表わす。
【0029】次に請求項3に係る本発明の実施例に付い
て説明する。図5は、連続処理型(マルチチャンバー
型)減圧気相成長装置の構成例を示す概略図である。第
1実施例と同様、シランガスを材料ガスとして、多結晶
シリコン膜を成膜する場合を例として取り上げる。該熱
処理装置は、(イ)ガス導入ポート44a及び44bか
ら供給される無機水素化物(Si H4 )を材料とする第
1の反応炉(第1チャンバーと記す)34と、(ロ)第
1チャンバー34に連結経路、すなわち排気管38a,
38b及び水素ガス純化器39等を介して接続され、か
つ第1チャンバー34が分解発生する水素ガスを用いて
熱処理を行なう第2の反応炉(第2チャンバーと記す)
35と、(ハ)第2チャンバー35に接続する排気機
構、すなわちメインバルブ41、排気管38c,38
d、バタフライバルブ42、及び排気ポンプ43等から
成る排気機構を具備している。符号36は、ウェーハ搬
送室で、第1チャンバー34、第2チャンバー35と
は、それぞれ仕切りバルブ45a及び45bで所望によ
り連通または遮断され、第2チャンバー35で水素処理
を終えたウェーハ7を第1チャンバーに搬送する。また
搬送室36は、ガス導入ポート44c及び前記排気機構
とスローバルブ40等を介して接続される分岐経路が設
けられる。取り出し室37は、第1チャンバー34と仕
切りバルブ45を介して接続され、処理済みウェーハ7
を取り出す。
【0030】第2チャンバー35には、被処理基板7
が、図示しないロードロックチャンバー等を通してセッ
トされ、自然酸化膜の除去のための水素処理が行なわれ
る。第1チャンバー34では、第2チャンバー35で水
素処理された被処理基板7がセットされ、シランガスの
熱分解により多結晶シリコン膜の成膜が行なわれる。そ
の際副生される多量の水素ガスは、純化器39により純
化されて第2チャンバーに流入し、水素処理に使用され
る。
【0031】この実施例では、水素ガス自体を貯蔵しな
いが、気相成長装置の構造を連続処理方式(マルチチャ
ンバー方式)にすることにより、前記第1及び第2実施
例と同様の効果が得られる。
【0032】
【発明の効果】これまで詳述したように、本発明によ
り、第1に、半導体熱処理装置を用いて所望の膜を生成
するに当たり、あらかじめ被処理基板表面に成長してい
る自然酸化膜や、該装置の反応炉内へのロード時に、大
気を含んだ高温の雰囲気にさらされることにより、基板
面に成長する自然酸化膜等を、該反応炉内で除去した直
後、そのままの位置で成膜できる機構を提供することが
可能となり、さらに第2に、水素ガスを使用する半導体
熱処理装置を用いて、半導体基板に成長した自然酸化膜
の除去や、該基板自体の素子形成工程で受けた損傷回復
を行なうに当たり、水素ガスの使用量を削減できる機構
を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の請求項1に係る半導体熱処理装置の実
施例の構成を示す概略図である。
【図2】材料ガス(シランガス)の分解反応図である。
【図3】水素還元の基板温度と、コンタクト抵抗及び自
然酸化膜の除去量との関係を示す特性図である。
【図4】本発明の請求項2に係る半導体熱処理装置の実
施例の構成を示す概略図である。
【図5】本発明の請求項3に係る半導体熱処理装置の実
施例の構成を示す概略図である。
【図6】半導体熱処理装置(縦型減圧気相成長装置)の
従来例の構成を示す概略図である。
【図7】縦型減圧気相成長装置の中心軸を含む断面の炉
内温度分布図である。
【図8】被処理基板を従来の反応炉にローディングした
直後における該基板の断面図である。
【図9】被処理基板を従来の反応炉からアンローディン
グした直後における該基板の断面図である。
【図10】被処理基板上に形成される従来のコンタクト
部の概略断面図である。
【符号の説明】
1 インナーチューブ 2 アウターチューブ 3 ヒーターエレメント 7 被処理ウェーハ 8 マニホールドフランジ 9 炉口蓋体 11 排気口 12 材料ガス導入ポート 13 材料ガス導入ノズル 16 不活性ガス導入ノズル 25 トラップ 25a,25b トラップ 26 排気ポンプ 31 純化器 33 水素ガス導入ノズル 34 第1チャンバー(第1反応炉) 35 第2チャンバー(第2反応炉) 36 ウェーハ搬送室 37 ウェーハ取り出し室 39 水素ガス純化器 43 排気ポンプ 44a,44b ガス導入ポート 51 反応炉体(拡散チューブ) 52 ライン窒素ガス供給管 53 ライン水素ガス供給管 54 フィルター 55 バッフル板 56 排気機構
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI H01L 21/3065 H01L 21/31 B 21/31 21/302 N (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/324 H01L 21/205 H01L 21/3065

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無機水素化物を材料ガスとする反応炉
    と、該反応炉と排気機構とを連結する排気経路の一部に
    設けられ水素ガスを吸蔵及び放出可能な水素吸蔵合金
    収納したトラップと、該反応炉で分解発生する水素ガス
    を前記トラップに吸蔵する経路と、前記トラップに吸蔵
    された水素ガスを該反応炉に放出する経路とを具備
    て、基板上の自然酸化膜の除去または基板の損傷回復処
    理を可能とするとともに、装置外部からの水素ガスの供
    給ラインをもたないことを特徴とする半導体熱処理装
    置。
  2. 【請求項2】 水素ガスを用いて還元・除去を行う反応
    炉と、該反応炉と排気機構とを連結する排気経路の一部
    に設けられ水素ガスを吸蔵及び放出可能な水素吸蔵合金
    を収納したトラップと、該反応炉から放出される水素ガ
    スを前記トラップに吸蔵する経路と、前記トラップに吸
    蔵された水素ガスを該反応炉に放出する経路とを具備す
    ることを特徴とする半導体熱処理装置。
  3. 【請求項3】 無機水素化物を材料ガスとする第1の反
    応炉と、第1の反応炉に連結経路を介して接続されかつ
    第1の反応炉で分解発生する水素ガスを用いて還元・除
    去を行う第2の反応炉と、第2の反応炉に接続する排気
    機構とを具備することを特徴とする半導体熱処理装置。
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