JP3244520U - プラズマ移行アーク加熱を用いた導電性るつぼの高温蒸発器 - Google Patents

プラズマ移行アーク加熱を用いた導電性るつぼの高温蒸発器 Download PDF

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Abstract

本実用新案は、ハウジングと、導電るつぼと、移行アーク銃と、電源とを備えるプラズマ移行アーク加熱を用いた導電性るつぼの高温蒸発器であって、前記導電性るつぼは、るつぼ本体と、るつぼ蓋とからなり、前記るつぼ本体の底壁内には吸気チャンバーが設置され、前記吸気チャンバーの一方の側は、複数のキャリアガス導入予熱通路を介して前記るつぼ本体のキャビティと連通し、前記吸気チャンバーの他方の側に接続される複数の導気通路の端部は、いずれも前記ハウジングの外側に延びており、前記るつぼ本体の底部と前記ハウジングの底部との間には導電性棒に接続され、前記移行アーク銃は、前記ハウジングの上方に取り付けられ、且つ前記移行アーク銃の下端は、前記るつぼ蓋の内側に延びている、プラズマ移行アーク加熱を用いた導電性るつぼの高温蒸発器を開示する。本実用新案は、構造が簡単であり、内部の加熱温度が高く、沸点の高い材料を粉体に製造する際に使用するのに適している。【選択図】図1

Description

本実用新案は、高温蒸発器の分野に関し、具体的には、プラズマ移行アーク加熱を用いた導電性るつぼの高温蒸発器に関する。
蒸発凝縮気相法を用いて各種粉体を製造する場合、高温蒸発器を用いる必要がある。従来の高温蒸発器は、中周波加熱、抵抗加熱、プラズマアーク加熱などの電気加熱を多く採用しており、あるいは、いくつかの加熱方法を組み合わせて使用することが多く、ある特殊な分野では、レーザ加熱を使用することもある。そして、異なる加熱方法は、高温蒸発器の構造に対する要求が異なる。例えば、中周波加熱は、るつぼまたはるつぼ内の被加熱体の導電性が必要であり、且つ加熱構造は、るつぼの外側を取り囲むように取り付けられる。また、例えば、抵抗加熱は、自体構造の耐熱性により優れることが必要であり、加熱構造は、るつぼの底部または周辺に取り付けてもよいし、るつぼの頂部に被加熱体を挿入した加熱構造を取り付けて接触加熱を実現してもよい。さらに、例えば、プラズマアーク加熱は、電極間に発生させたプラズマアークを高温蒸発器の上方から下向きに噴射し、プラズマアークの下方に被加熱体を設置する必要がある。プラズマ非移行アーク高温蒸発器は、構造が比較的簡単であり、るつぼを必要とせずに原料をアークの中間に直接噴射することができ、原料は、プラズマ非移行アークを通過する際に加熱されるが、入力エネルギーは比較的小さい。それに対して、プラズマ移行アークは、間隔をおいて配置された2つの電極が必要であり、プラズマ移行アーク銃はカソードであり、被加熱体はアノードである。このような加熱構造の利点は、加熱エネルギーが高く、高温蒸発器内部の温度が高く、特に、沸点の高い材料を粉体に調製する際に使用するのに適しているが、構造が複雑である。
本考案は、背景技術における問題点に対して、構造が簡単で、沸点の高い材料から粉体を製造する際に使用するのに適したプラズマ移行アーク加熱を用いた導電性るつぼの高温蒸発器を提供する。
上記の目的を達成するために、本実用新案の技術的解決策は、
ハウジングと、導電性るつぼと、移行アーク銃と、電源とを備えるプラズマ移行アーク加熱を用いた導電性るつぼの高温蒸発器であって、前記導電性るつぼは、前記ハウジングのキャビティに設置され、前記導電性るつぼは、前記るつぼ本体と、前記るつぼ本体の上方に取り付けられたるつぼ蓋とからなり、前記るつぼ本体の底壁内には吸気チャンバーが設置され、前記吸気チャンバーの一方の側は、複数のキャリアガス導入予熱通路を介して前記るつぼ本体のキャビティと連通し、前記吸気チャンバーの他方の側には、複数の導気通路に接続され、前記複数の導気通路の端部は、いずれも前記ハウジングの外側に延びており、前記るつぼ本体の底部と前記ハウジングの底部との間には導電性棒に接続され、前記移行アーク銃は、前記ハウジングの上方に取り付けられ、且つ前記移行アーク銃の下端は、前記るつぼ蓋の内側に延びており、前記移行アーク銃と前記導電性棒は、それぞれ電源と電気的に接続される、プラズマ移行アーク加熱を用いた導電性るつぼの高温蒸発器である。
任意選択的に、前記ハウジングは、るつぼ本体の外側に設置される下部バレルと、るつぼ蓋の外側に設置される上蓋とからなり、前記上蓋は前記下部バレルの上端に取り付けられ、前記下部バレルと前記るつぼ本体との間、および、前記上蓋と前記るつぼ蓋との間には、いずれも保温層が設置されている。前記保温層は、耐高温のフェルト系材料またはセラミック材料を用いることができる。
任意選択的に、前記下部バレルと前記上蓋には、いずれもジャケット構造が設置されており、前記ジャケット構造は、前記ハウジングの外側に設置される体外循環冷却液システムに接続される。
任意選択的に、前記導電性るつぼの材質は、金属又は黒鉛の耐高温導電材である。
任意選択的に、前記るつぼ本体のキャビティは、上部が大きく下部が小さい内部凹状構造であり、前記るつぼ蓋のキャビティは、下部が大きく上部が小さいアーチ状又はテーパー状構造である。
任意選択的に、前記移行アーク銃と前記るつぼ蓋との間、および、前記移行アーク銃と前記ハウジングとの間には、いずれも絶縁通気ギャップが設置され、前記絶縁通気ギャップの幅は5~50mmである。
任意選択的に、前記ハウジングの上端には、さらに、供給通路、排気還流液通路及び複数の検査・観察用観測口が設置され、前記供給通路、前記排気還流液通路及び前記観測口が前記るつぼ蓋の内側まで延びる。
任意選択的に、前記移行アーク銃のノズルの下端面は、前記るつぼ本体の上端面から-150mm~+150mmの距離に位置する。
任意選択的に、前記吸気チャンバーの形状は円環状又は扇形であり、且つ吸気チャンバーと連通する導気通路の数は1~18個である。
任意選択的に、複数の前記キャリアガス導入予熱通路は、前記るつぼ本体の側壁に扇形に分布し、且つ前記キャリアガス導入予熱通路は、前記るつぼ本体のキャビティの連通箇所でのキャリアガス入口と連通し、前記キャリアガス入口の高さは5~50mmである。
従来技術に比べて、本実用新案の有益な効果は下記の通りである:
本実用新案は、構造が簡単であり、設計が合理的であり、内部の加熱温度が高く、沸点の高い材料を粉体に製造する際に使用するのに適しており、広い市場の見通しがある。
本実用新案の他の特徴、目的および利点は、以下の図面を参照した非限定的な実施例の詳細な説明を閲覧することによって、より明らかになる。
図1は本実用新案の断面視構造概略図である。
以下、本実用新案の実施例における図面を参照しながら、本実用新案の実施例における技術てき解決策を明確かつ完全に説明する。説明される実施例は本実用新案の一部の実施例にすぎず、全ての実施例ではないことが明らかである。
本実用新案の説明において、技術用語である「中部」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」などの方位または位置関係を示すものは、図面に示される方位または位置関係に基づいており、単に本実用新案を容易に説明し、説明を簡略化するためのものであり、言及される装置または素子が必ず特定の方位を有し、特定の方位で構成および操作されることを示すまたは示唆するものではなく、したがって、本実用新案を制限するものと理解できない。
本実用新案において、特に明確な規定と限定がない限り、「設置」、「取り付け」、「連結」、「接続」、「固定」という技術用語は、広義に理解されるべきであり、例えば、固定接続であっても着脱可能な接続であってもよいし、機械な接続であってもよいし、直接に連結されても中間媒を介して間接的に連結されてもよい。当業者にとっては、具体的な状況に応じて、本実用新案における上記技術用語の具体的な意味を理解することができる。
図1に示すように、プラズマ移行アーク加熱を用いた導電性るつぼの高温蒸発器は、ハウジングと、導電性るつぼと、移行アーク銃5と、電源6とを備える。導電性るつぼは、ハウジングのキャビティに設置される。導電性るつぼの材質は金属又は黒鉛などの耐高温導電材であり、高温下では被加熱物と物理的又は化学的な反応が発生しない。ハウジングは、るつぼ本体3の外側に設置される下部バレル1と、るつぼ蓋4の外側に設置される上蓋2とからなる。上蓋2は下部バレル1の上端に取り付けられ、下部バレル1とるつぼ本体3との間、および、上蓋2とるつぼ蓋4との間にはいずれも保温層12が設置され、保温層12は耐高温のフェルト系材料又はセラミックス材料を用いている。下部バレル1と上蓋2はいずれもジャケット構造16が設置され、ジャケット構造16は、ハウジングの外側に設置される体外循環冷却液システム7に接続され、循環冷却液により冷却されて機器を保護する。導電性るつぼは、るつぼ本体3と、るつぼ本体3の上方に取り付けられたるつぼ蓋4とからなる。るつぼ本体3のキャビティは、上部が大きく下部が小さい内部凹状構造であり、るつぼ蓋4のキャビティは、下部が大きく上部が小さいアーチ状又はテーパー状構造である。るつぼ本体3の底壁内には吸気チャンバー8が設置され、吸気チャンバー8の一方の側は、複数のキャリアガス導入予熱通路9を介してるつぼ本体3のキャビティと連通している。複数のキャリアガス導入予熱通路9は、るつぼ本体3の側壁に扇形に分布し、且つキャリアガス導入予熱通路9は、るつぼ本体3のキャビティの連通箇所でのキャリアガス入口と連通し、キャリアガス入口の高さは5~50mmである。吸気チャンバー8の他方の側には、複数の導気通路10に接続され、複数の導気通路10の端部は、いずれもハウジングの外側に延びている。吸気チャンバー8の形状は円環状又は扇形であり、且つ吸気チャンバー8と連通する導気通路10の数は1~18個である。るつぼ本体3の底部とハウジングの底部との間には、導電性棒11に接続されている。移行アーク銃5は、ハウジングの上方に取り付けられ、且つ移行アーク銃5の下端は、るつぼ蓋4の内側に延びている。移行アーク銃5のノズルの底端面は、るつぼ本体3の上端面からー150mm~+150mmの距離に位置している。移行アーク銃5と導電性棒11は、それぞれ電源6と電気的に接続されている。
移行アーク銃5とるつぼ蓋4との間、および、移行アーク銃5とハウジングとの間には、いずれも絶縁通気ギャップ13が設置され、絶縁通気ギャップ13の幅は5~50mmである。ハウジングの上蓋2には、さらに、供給通路14、排気還流液通路15及び複数の検査・観察用観測口(図示せず)が設置されている。供給通路14、排気還流液通路15及び観測口は、るつぼ蓋4の内側まで延びている。供給通路14は、供給用の体外供給システム17に接続されている。観測口は、サイトグラスの取り付け又は検出プローブの取り付けのために使用され得る。
本実用新案は、高温蒸発器の頂部から下向きに高温蒸発器内部のるつぼ蓋4内に延び、るつぼ本体3内の被加熱体の上方に配置される移行アーク銃5を用いる。移行アーク銃5はカソードであり、被加熱体19はアノードであり、カソードとアノードの間にプラズマガスアーク18を介して導通し、アノードとしての被加熱体19を高出力で加熱し続ける。被加熱体19は、耐高温の導電性るつぼ内に配置され、るつぼ本体3の底部に設置される導電性棒11は、高温蒸発器外の電源6に連通してカソードと導電回路を形成する。高温蒸発器内と高温蒸発器外の大気間隔を確保するように、上蓋2と下部バレル1との間は密封接続であり、上蓋2又は下部バレル1と他の構造との間の接続はいずれも密封接続である。キャリアガス移行アーク銃に使用されるプラズマガス、移行アーク銃5と上蓋2との間の絶縁通気ギャップ13を流通するガス、およびその他の高温蒸発器に入るガスは、いずれも不活性でかつ被加熱体19と化学反応が発生しないガス、或いは、主ガス源が反応成分用に少量添加される不活性ガスである。
以上、本実用新案の基本原理と主な特徴、および本実用新案の利点を示して説明したが、当業者にとって、本実用新案は、上記の例示的な実施例の詳細に限定されなく、且つ、本実用新案の精神又は基本的な特徴から逸脱しない場合、他の具体的な形態で本実用新案を実現できることは明らかである。したがって、実施例は、いかなる観点からも例示的かつ非限定的なものであると見なされるべきであり、本実用新案の範囲は、上記の説明ではなく、添付の特許請求の範囲によって規定されるため、特許請求の範囲の均等要件の意味および範囲内に入るすべての変更は、本実用新案に包含されることが意図される。
1、下部バレル;2、上蓋;3、るつぼ本体;4、るつぼ蓋;5、移行アーク銃;6、電源;7、体外循環冷却液システム;8、吸気チャンバー;9、キャリアガス導入予熱通路;10、導気通路;11、導電性棒;12、保温層;13、絶縁通気ギャップ;14、供給通路;15、排気還流液通路;16、ジャケット構造;17、体外供給システム;18、移行プラズマアーク;19、被加熱体。

Claims (10)

  1. ハウジングと、導電性るつぼと、移行アーク銃と、電源とを備えるプラズマ移行アーク加熱を用いた導電性るつぼの高温蒸発器であって、前記導電性るつぼは、前記ハウジングのキャビティに設置され、前記導電性るつぼは、るつぼ本体と、前記るつぼ本体の上方に取り付けられるるつぼ蓋とからなり、前記るつぼ本体の底壁内には吸気チャンバーが設置され、前記吸気チャンバーの一方の側は、複数のキャリアガス導入予熱通路を介して前記るつぼ本体のキャビティと連通し、前記吸気チャンバーの他方の側には、複数の導気通路に接続され、前記複数の導気通路の端部は、いずれも前記ハウジングの外側に延びており、前記るつぼ本体の底部と前記ハウジングの底部との間には導電性棒に接続され、前記移行アーク銃は、前記ハウジングの上方に取り付けられ、且つ前記移行アーク銃の下端は、前記るつぼ蓋の内側に延びており、前記移行アーク銃と前記導電性棒は、それぞれ電源と電気的に接続されることを特徴とする、プラズマ移行アーク加熱を用いた導電性るつぼの高温蒸発器。
  2. 前記ハウジングは、前記るつぼ本体の外側に設置される下部バレルと、前記るつぼ蓋の外側に設置される上蓋とからなり、前記上蓋は前記下部バレルの上端に取り付けられ、前記下部バレルと前記るつぼ本体との間、および、前記上蓋と前記るつぼ蓋との間には、いずれも保温層が設置されていることを特徴とする、請求項1に記載のプラズマ移行アーク加熱を用いた導電性るつぼの高温蒸発器。
  3. 前記下部バレルと前記上蓋には、いずれもジャケット構造が設置されており、前記ジャケット構造は、前記ハウジングの外側に設置される体外循環冷却液システムに接続されることを特徴とする、請求項2に記載のプラズマ移行アーク加熱を用いた導電性るつぼの高温蒸発器。
  4. 前記導電性るつぼの材質は、金属又は黒鉛の耐高温導電材であることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載のプラズマ移行アーク加熱を用いた導電性るつぼの高温蒸発器。
  5. 前記るつぼ本体のキャビティは、上部が大きく下部が小さい内部凹状構造であり、前記るつぼ蓋のキャビティは、下部が大きく上部が小さいアーチ状又はテーパー状構造であることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載のプラズマ転移アーク加熱を用いた導電性るつぼの高温蒸発器。
  6. 前記移行アーク銃と前記るつぼ蓋との間、および、前記移行アーク銃と前記ハウジングとの間には、いずれも絶縁通気ギャップが設置され、前記絶縁通気ギャップの幅は5~50mmであることを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載のプラズマ転移アーク加熱を用いた導電性るつぼの高温蒸発器。
  7. 前記ハウジングの上端には、さらに、供給通路、排気還流液通路及び複数の検査・観察用観測口が設置され、前記供給通路、前記排気還流液通路及び前記観測口が前記るつぼ蓋の内側まで延びることを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載のプラズマ移行アーク加熱を用いた導電性るつぼの高温蒸発器。
  8. 前記移行アーク銃のノズルの下端面は、前記るつぼ本体の上端面から-150mm~+150mmの距離に位置することを特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載のプラズマ移行アーク加熱を用いた導電性るつぼの高温蒸発器。
  9. 前記吸気チャンバーの形状は円環状又は扇形であり、且つ前記吸気チャンバーと連通する前記導気通路の数は1~18個であることを特徴とする、請求項1~8のいずれか一項に記載のプラズマ移行アーク加熱を用いた導電性るつぼの高温蒸発器。
  10. 複数の前記キャリアガス導入予熱通路は、前記るつぼ本体の側壁に扇形に分布し、且つ前記キャリアガス導入予熱通路は、前記るつぼ本体のキャビティの連通箇所でのキャリアガス入口と連通し、前記キャリアガス入口の高さは5~50mmであることを特徴とする、請求項1~9のいずれか一項に記載のプラズマ移行アーク加熱を用いた導電性るつぼの高温蒸発器。
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