JP3244497B2 - 空気調和機 - Google Patents

空気調和機

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、1台の室外ユニッ
トと複数台の室内ユニットとが冷凍サイクルを構成する
ように接続された空気調和機に関し、特には空気調和機
における室内ユニット側の膨張弁の開度制御を行なう空
気調和機に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、室外ユニットは圧縮機、室外熱交
換器すなわち熱源側熱交換器を備え、また室内ユニット
は室内熱交換器すなわち利用側熱交換器を備え、これら
の室外ユニット及び室内ユニットは冷凍サイクルを形成
するように接続されて、空気調和機を構成している。そ
して冷媒回路により上記のような1台の室外ユニットに
対して複数台の室内ユニットが接続されてマルチエアコ
ンが構成される。例えば特公昭56−49856号公
報、特開昭60−133274号公報等にはマルチエア
コンすなわち多室形冷暖房装置が記載されている。
【0003】従来のマルチエアコンにおいては、室内ユ
ニットの膨張機構(キャピラリ)に設けた電磁弁が室温
と設定温度との偏差によりオン・オフ制御されており、
膨張弁の開度制御は行なっていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来のマルチエア
コン即ち空気調和機においては冷凍サイクルの変動に対
する考慮がなされていないので、冷凍サイクルが安定せ
ず、圧縮機の信頼性が保てず、また安定した空気調和が
できなかった。また室内ユニット側で制御するための標
準化ができないという問題がある。すなわち前記したよ
うな従来の装置の欠点を解消すべく、電磁弁のオン・オ
フ制御でなくて膨張弁の開度制御に改良してその所要で
開度値を演算するようにしても、室内ユニットの容量が
異なるごとにソフトウエアが異なり、標準化ができず、
また異なった冷凍サイクルには適用できない。
【0005】したがって、本発明は、安定した冷凍サイ
クルが得られ、信頼性の高い圧縮機の運転ができ、さら
に、異なる室内ユニットに対しても標準化された膨張弁
駆動装置の適用を可能とした空気調和機を提供すること
を目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に係る発明による空気調和機は、圧縮機及
び熱源側熱交換器を有する1台の室外ユニットと、利用
側熱交換器及び電子膨張弁を有する複数台の室内ユニッ
トとを有する冷凍サイクルを備えた空気調和機におい
て、前記室外ユニットは、前記室内ユニットそれぞれの
前記電子膨張弁の目標開度を算出する電子膨張弁開度演
算部と、算出された目標開度を前記室内ユニットに送信
する伝送手段とを備え、前記室内ユニットは、データが
設定可能とされた補正スイッチを備え、前記室外ユニッ
トから送信された前記目標開度の値と前記補正スイッチ
で設定されたデータとに基づいて前記電子膨張弁を制御
するように構成されていることを特徴とするものであ
る。
【0007】また、請求項2に係る発明による空気調和
機は、請求項1に記載のものにおいて、前記圧縮機の吐
出管に圧力センサ及び温度センサを設け、前記室外ユニ
ットは、前記圧力センサ及び温度センサから入力される
値に基づいて電子膨張弁開度を算出する電子膨張弁開度
演算部を有することを特徴とするものである。
【0008】
【作用】室外ユニットにおいて室内ユニットの電子膨張
弁の目標開度を算出し、該算出された目標開度に基づき
室内ユニットの電子膨張弁の開度を制御する。具体的に
は、室外ユニット側の電子膨張弁開度演算部で各室内ユ
ニット能力コードを勘案して、各室内ユニットの電子膨
張弁の目標開度値が演算される。この演算は、例えば室
外ユニットの圧縮機からの吐出ガス温度と凝縮温度とに
基づいて行われる。そして演算された上記各目標開度値
は伝送回路を介して各室内ユニットに送信される。各室
内ユニット側では、受信した電子膨張弁の目標開度値と
現在の開度値とが比較され、その偏差分だけ電子膨張弁
は電子膨張弁駆動回路によって絞る方へ或は開く方へ制
御される。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態としては、室外
ユニット側にも電子膨張弁を設けた空気調和機の例で説
明する。本実施形態では、図1の如く、空気調和機の冷
凍サイクルは1台の室外ユニット1と、複数台例えば2
台の室内ユニット2A,2Bとから成っている。図1は
冷房時の状態を示している。室外ユニット1は、圧縮機
20、熱源側熱交換器21、電子膨張弁7、アキュムレ
ータ22、四方切換弁3から成っている。圧縮機20の
吐出管には高圧ガス(吐出ガス)圧力値を検知する圧力
センサ10と、高圧ガス温度を検知する温度センサ9が
設けられている。
【0010】室内ユニット2A,2Bは、利用側熱交換
器23A,23Bを備えると共に、電子膨張弁14A,
14Bをそれぞれ有する。そして、これらユニット1,
2A,2Bは冷媒循環路で接続されて冷凍サイクルを構
成している。
【0011】上記の冷凍サイクルを制御するための回路
が、図2に示されている。室外ユニット1側には、各室
内ユニット2A,2Bとの間でデータを送受信するため
の伝送回路4、センサ9,10からの信号を用いて算出
された電子膨張弁目標開度を記憶するメモリ6、電子膨
張弁7を駆動する電子膨張弁駆動回路8、及び各室内ユ
ニットの電子膨張弁14A,14Bの目標開度値を記憶
するメモリ16A,16Bが設けられている。また室内
ユニット側には、室外ユニットとの間でデータを送受信
するための伝送回路12A,12B、室内ユニット能力
コード設定器15A,15B、電子膨張弁14A,14
Bの現在の開度を記憶するメモリ13A,13B、及び
電子膨張弁14A,14Bを駆動するための電子膨張弁
駆動回路11A,11Bが設けられている。
【0012】次に、上記空気調和機の制御について説明
する。
【0013】電源を投入すると、室外ユニット1の電子
膨張弁7及び室内ユニット2A,2B側の電子膨張弁1
4A,14Bは、それぞれの電子膨張弁駆動回路8,1
1A,11Bによりイニシャライズされて初期開度に設
定される。また室内ユニット2A,2B側における室内
ユニット能力コード設定器15A,15Bから夫々の室
内ユニットの能力コードを伝送回路12A,12Bを介
して室外ユニット1の伝送回路4へ送信する。
【0014】冷凍サイクルが運転を開始し、略定常運転
に入ってから、室外ユニットにおいては、圧力センサ1
0から入力される高圧ガス圧力値より凝縮温度を算出
し、温度センサ9から入力される高圧ガスの温度と上記
凝縮温度とに基づいて電子膨張弁目標開度を算出し、こ
れをメモリ6に書き込む。この電子膨張弁目標開度は冷
凍サイクル全体としての最適冷媒流量に対応する全体的
電子膨張弁開度を意味する。
【0015】冷房運転時には、室外ユニット側では、電
子膨張弁7は適当な一定開度(実際上は全開)にしてお
く様に電子膨張弁駆動回路8を働かせ、他方、メモリ6
に記憶されている上記算出された電子膨張弁目標開度値
を、室内ユニット2A,2Bから送信された室内ユニッ
ト能力コードの比で分配し、その分配れさた開度値は、
電子膨張弁14A,14Bの目標開度値データとしてそ
れぞれのメモリ16A,16Bに記憶する。室外ユニッ
トの伝送回路4からは、室内ユニット2A,2Bの伝送
回路12A,12Bへ電子膨張弁14A,14Bの上記
目標開度値がメモリ16A,16Bから送信される。各
室内ユニット側においては、受信した上記夫々の目標開
度値とメモリ13A,13B上の現在の開度データとが
比較され、その差分だけ、例えば該差分がプラスであれ
ば開方向へ、マイナスであれば閉方向へ、電子膨張弁1
4A,14Bを、駆動回路11A,11Bによってそれ
ぞれ駆動する。そしてメモリ13A,13Bには、室外
ユニットから新らしく受信した上記夫々の目標開度値が
記憶される。
【0016】暖房運転時には、図1に示されている状態
から四方切換弁3を切換えて冷媒の流れ方向を逆転させ
る。暖房運転の場合には、電子膨張弁7は、メモリ6に
記憶されている算出された電子膨張弁目標開度値と現在
の該膨張弁7の開度との差分だけ電子膨張弁駆動回路8
により駆動される。他方、室内ユニットの電子膨張弁開
度用のメモリ16A,16Bには夫々一定の目標開度値
(実際上は全開)を記憶させる。このメモリ16A,1
6B上のデータは冷房運転時と同様に、伝送回路4によ
り室内ユニット側に送信されて、電子膨張弁14A,1
4Bは夫々上記一定の目標開度をとる様に駆動回路11
A,11Bにより駆動される。
【0017】なお、図示はしないが、室外ユニット内に
は冷房運転および暖房運転の各場合においてメモリ6に
記憶させる前記の電子膨張弁目標開度およびメモリ16
A,16Bに記憶させる各室内ユニット電子膨張弁14
A,14Bの前記各目標開度を算出・決定する電子膨張
弁開度演算部が設けてある。
【0018】本実施形態のように、電子膨張弁を、室外
ユニットにも室内ユニットにも設けると、冷暖房に応じ
て使い分けすることができ、冷凍サイクルはより安定す
る効果がある。
【0019】本実施形態では、室外ユニットにより演算
された開度により室内ユニット側の電子膨張弁の開度を
制御することができるので、室内ユニットの容量の相違
および室内ユニットの接続台数等による冷凍サイクルの
変化に対応して室内ユニットの電子膨張弁をきめ細かく
制御することができ、冷凍サイクルの安定を速め、圧縮
機の信頼性を保持することができる。また室外ユニット
側で室内ユニットの電子膨張弁の目標開度値を決定する
ので、空気調和機の冷凍サイクルが相違しても、室外ユ
ニット側において目標開度値を決定する手段が改変して
冷凍サイクルの相違に適応すればよく、室内ユニット側
の制御手段は標準化したもの又は共通化したものを使用
することができ、空気調和機のトータルとしての構成を
簡単化し、コストを低減することができる。
【0020】図3には、電子膨張弁開度補正スイッチ1
6A−1,16A−2を備えた実施形態が示されてい
る。補正スイッチ16A−1,16A−2が共にオフの
場合は補正されないが、スイッチ16A−1がオンで1
6A−2がオフの場合は例えば室外ユニットのメモリ1
6A,16Bから送信される電子膨張弁開度データを5
%増し、スイッチ16A−1がオフでスイッチ16A−
2がオンのときは10%増し、スイッチ16A−1,1
6A−2が共にオンのときは15%増のように補正され
る。この補正されたデータと、メモリ13A,13B上
のデータとが比較され、前述のように電子膨張弁14
A,14Bの開度が制御される。
【0021】このように、補正スイッチが設けられてい
ると、室外ユニットに対する各室内ユニットの配管長さ
に差があり、管路による冷媒の抵抗差が生じても、これ
を補正することができ、空気調和機の冷凍サイクル全体
として適正な冷媒分配の制御が可能である。
【0022】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
室内ユニットは、室外ユニットから送信された目標開度
の値と補正スイッチで設定されたデータとに基づいて電
子膨張弁を制御するので、各室内ユニットの配管長さや
管路による冷媒の抵抗差が生じても適正な冷媒分配の制
御が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施形態を示す冷凍サイクル図。
【図2】制御装置を示すブロック図。
【図3】補正スイッチを備えた図2と同様な制御ブロッ
ク図。
【符号の説明】
1…室外ユニット 2A,2B…室内ユニット 8,11A,11B…電子膨張弁駆動回路 7,14A,14B…電子膨張弁 4,12A…伝送回路 13A,13B…メモリ 21…熱源側熱交換器 23A,23B…利用側熱交換器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−180052(JP,A) 特開 平1−277159(JP,A) 特開 平1−247939(JP,A) 特開 平2−263065(JP,A) 特開 昭61−153357(JP,A) 特開 昭62−258969(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F24F 11/02 102 F24F 11/02 F25B 13/00 104

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧縮機及び熱源側熱交換器を有する1台
    の室外ユニットと、利用側熱交換器及び電子膨張弁を有
    する複数台の室内ユニットとを有する冷凍サイクルを備
    えた空気調和機において、 前記室外ユニットは、前記室内ユニットそれぞれの前記
    電子膨張弁の目標開度を算出する電子膨張弁開度演算部
    と、算出された目標開度を前記室内ユニットに送信する
    伝送手段とを備え、 前記室内ユニットは、データが設定可能とされた補正ス
    イッチを備え、前記室外ユニットから送信された前記目
    標開度の値と前記補正スイッチで設定されたデータとに
    基づいて前記電子膨張弁を制御するように構成されてい
    ることを特徴とする空気調和機。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のものにおいて、前記圧
    縮機の吐出管に圧力センサ及び温度センサを設け、前記
    室外ユニットは、前記圧力センサ及び温度センサから入
    力される値に基づいて電子膨張弁開度を算出する電子膨
    張弁開度演算部を有することを特徴とする空気調和機。
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