JP3243832B2 - 酸化物誘電体磁器の製造方法 - Google Patents

酸化物誘電体磁器の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、誘電体磁器の製造方
法に関し、詳しくは、その機械的強度を向上させること
が可能な酸化物誘電体磁器の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、セラミックコンデンサなどの電子
部品に用いられる酸化物誘電体磁器に関しては、主とし
て誘電率や耐電圧特性その他の電気的特性が重視され、
その機械的特性が問題になることは少なかった。
【0003】また、酸化物誘電体磁器の実用的強度は、
多くの場合、微細な原料粉末を用いて磁器を緻密化する
という方法により達成されてきた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、酸化物誘電体
磁器を用いた電子部品が小型化するにともない、実装上
や品質上の面、あるいは、製造工程での歩留りなどの面
から、酸化物誘電体磁器の機械的強度をさらに向上させ
ることが必要になってきた。
【0005】ところが、従来の、微細な原料粉末を用い
てこれを焼成することにより酸化物誘電体磁器の組織を
緻密化するという方法では、原料粉末を微細化するにも
限界があり、機械的強度の大幅な向上を望むことができ
ないという問題点がある。
【0006】この発明は、上記問題点を解決するもので
あり、誘電率などの電気的特性を犠牲にすることなく、
原料粉末を微細化することにより組織を緻密化する方法
の限界を越えて、酸化物誘電体磁器の機械的強度を向上
させることが可能な酸化物誘電体磁器の製造方法を提供
することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、この発明の酸化物誘電体磁器の製造方法は、Tiを
主成分として含有する酸化物誘電体磁器の製造方法にお
いて、Ti原料としてTiCとTiNの少なくとも一方
を含有し、かつ、焼成後の組成が酸化物誘電体磁器の組
成と実質的に等しくなるように成分調整された素原料混
合物を酸化物誘電体磁器粉末に対して所定の割合で配合
し、これを所定の形状に成形した後焼成することを特徴
とする。
【0008】
【作用】酸化物誘電体磁器粉末に配合されたTiCやT
iNは、焼成工程において下記の反応式(1)、(2)に示す
ように反応してCO2ガスやNO2ガスを発生し、自らは
酸化されてTiO2となる。 TiC → TiO2+CO2↑ (1) TiN → TiO2+NO2↑ (2)
【0009】そして、このときTiC,TiNがTiO
2に変化する際の体積膨脹により周囲を圧縮してその組
織を緻密化し、酸化物誘電体磁器の機械的強度を向上さ
せる。
【0010】図1は、焼成前の、CO2ガスやNO2ガス
が発生していない状態を模式的に示す図であり、図2
は、焼成工程でTiCやTiNがTiO2に変化する際
に体積が膨脹し、周囲の組織を圧縮している状態を示す
図である。図1及び図2に示すように、酸化物誘電体磁
器粉末(母相)1中に分散されたTiCやTiNを含有
する素原料混合物(分散相)2は、焼成時に酸化される
過程でそのものの体積が膨脹する。そのため、酸化物誘
電体磁器3内に圧縮応力が発生して母相1が緻密化さ
れ、機械的強度が大きく、クラックの生じにくい酸化物
誘電体磁器3が形成される。
【0011】また、この発明の酸化物誘電体磁器の製造
方法は、最終組成を変化させることがないため、酸化物
誘電体磁器の組成に関係する誘電率などの電気的特性を
犠牲にすることなく、その機械的強度を向上させること
ができる。
【0012】
【実施例】以下、この発明の実施例を比較例とともに示
してその特徴をさらに詳しく説明する。なお、以下の実
施例では、酸化物誘電体磁器としてBaTi49を製造
する場合について説明するが、この発明の酸化物誘電体
磁器の製造方法は、BaTi49の製造方法に限られる
ものではなく、他の組成の酸化物誘電体磁器を製造する
場合にも適用することが可能である。
【0013】まず、酸化物誘電体磁器粉末及び素原料混
合物を調製するために、以下の原料粉末を用意する。 BaCO3:純度99.0%以上、平均粒径1μm TiO2 :純度99.0%以上、平均粒径1μm TiC :純度99.0%以上、平均粒径1μm TiN :純度99.0%以上、平均粒径1μm
【0014】[酸化物誘電体磁器粉末の調製]そして、
BaCO3/TiO2=1/4(モル比)の割合になるよ
うに、上記のBaCO3とTiO2を正確に秤取し、エチ
ルアルコールを用いて湿式混合した後、得られたスラリ
ーを乾燥することにより混合粉末を調製する。それか
ら、この混合粉末を空気中で1150℃の温度条件下で
2時間仮焼することにより酸化物誘電体磁器粉末(Ba
Ti49粉末)を得る。
【0015】[素原料混合物の調製] BaCO3/TiC=1/4(モル比)の割合になる
ように、上記のBaCO3とTiCを正確に秤取し、エ
チルアルコールを用いて湿式混合した後、これを乾燥す
ることにより素原料混合物(粉末)Aを得る。 BaCO3/TiN=1/4(モル比)の割合になる
ように、上記のBaCO3とTiNを正確に秤取し、エ
チルアルコールを用いて湿式混合した後、これを乾燥す
ることにより素原料混合物(粉末)Bを得る。 さらに、BaCO3/TiC/TiN=1/2/2
(モル比)の割合になるように、上記のBaCO3、T
iC及びTiNを正確に秤取し、エチルアルコールを用
いて湿式混合した後、これを乾燥することにより素原料
混合物(粉末)Cを得る。
【0016】[酸化物誘電体磁器の製造]上述のように
して作成した酸化物誘電体磁器(BaTi49)粉末
と、上記素原料混合物(粉末)A、B、Cを以下(試料
番号1〜4)に示す割合になるように秤取して両者を十
分に混合し、混合粉末60gとPVB系バインダー3g
をエチルアルコールを用いて湿式混合した後、乾燥す
る。それから、この乾燥物を乾式粉砕することにより粒
径100μmアンダーの造粒粉末を得る。
【0017】 試料番号1:BaTi49粉末 60g 試料番号2:BaTi49粉末/素原料混合物粉末(A)=50g/10g 試料番号3:BaTi49粉末/素原料混合物粉末(B)=50g/10g 試料番号4:BaTi49粉末/素原料混合物粉末(C)=50g/10g
【0018】次に、上記試料番号1〜4の造粒粉末を、
乾式プレス法により、面圧2000kg/cm2の圧力でプ
レスし、寸法が40mm×10mm×2mmの成形体(角板)
を作成する。
【0019】それから、上記試料番号1〜4の成形体を
空気中において400℃で熱処理してバインダーを燃焼
させた後、N2中で昇降温速度200℃/hrで、11
60℃まで昇温し、その温度で雰囲気をO2に置換し、
さらに1260℃まで昇温を続け、1260℃で2時間
保持した後、上記の速度で温度を降下させることにより
焼成を行い焼結体(試料)を得た。
【0020】得られた各焼結体(試料)について、アル
キメデス法を用いて気孔率を測定した。
【0021】また、焼結体の両面を鏡面研磨して3点曲
げ強度試験用の試料を作成し、3点曲げ強度試験を行っ
た(N=10)。さらに、焼結体の両面にIn−Ga電
極をそれぞれ形成し、比誘電率(εr)を測定した。そ
の結果を表1に示す。
【0022】
【表1】
【0023】表1に示すように、TiC及びTiNを添
加していない試料番号1の酸化物誘電体磁器(比較例)
は、3点曲げ強度が0.9×104N/cm2であるのに対
し、TiC及び/またはTiNを添加した試料番号2〜
4の酸化物誘電体磁器は、3点曲げ強度が1.5×10
4N/cm2〜1.8×104N/cm2と大きく、従来の酸化
物誘電体磁器に比べて約2倍の強度を有していることが
わかる。
【0024】また、試料番号1(比較例)と試料番号2
〜4(実施例)の酸化物誘電体磁器の比誘電率を比較す
ると、ほぼ同等か、あるいは実施例の酸化物誘電体磁器
の方がいくらか優れていることがわかる。
【0025】なお、表1には特に示していないが、試料
番号1の比較例と試料番号2〜4の実施例の酸化物誘電
体磁器について耐電圧特性を調べたところ両者の間には
殆ど差異が認められなかった。
【0026】なお、この発明の酸化物誘電体磁器の製造
方法において、酸化物誘電体磁器粉末に対して配合すべ
きTiC,TiNを含有する素原料混合物の割合は、酸
化物誘電体磁器粉末100重量部に対して3〜50重量
部の範囲が好ましく、特に、10〜30重量部の範囲が
好ましい。
【0027】
【発明の効果】上述のように、この発明の酸化物誘電体
磁器の製造方法は、Ti原料としてTiCとTiNの少
なくとも一方を含有し、かつ、焼成後の組成が酸化物誘
電体磁器の組成と実質的に等しくなるように成分調整さ
れた素原料混合物を酸化物誘電体磁器粉末に対して所定
の割合で配合し、これを所定の形状に成形して焼成する
ようにしているので、原料粒子を微細化して磁器を緻密
化する方法の限界を越えて酸化物誘電体磁器の機械的強
度を向上させることができる。また、酸化物誘電体磁器
の最終組成を変化させることがないため、その組成に関
係する誘電率などの電気的特性を低下させることがな
く、目的とする特性(設定値)を確実に得ることができ
る。
【0028】したがって、コンデンサ用の酸化物誘電体
磁器の製造にこの発明を適用することにより、酸化物誘
電体磁器の電気的特性を低下させることなく、その強度
を向上させ、コンデンサの製造工程で発生する酸化物誘
電体磁器の割れや欠けによる不良を低減して歩留りを向
上させることが可能になるとともに、得られるコンデン
サの実装工程における損傷を防止して実装信頼性を向上
させることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の酸化物誘電体磁器の製造方法におい
て、酸化物誘電体磁器粉末にTiC、TiNを含む素原
料混合物を混合した状態を模式的に示す図である。
【図2】図1の混合原料を焼成した後の酸化物誘電体磁
器を模式的に示す図である。
【符号の説明】
1 母相(酸化物誘電体磁器粉末) 2 分散相(素原料混合物) 3 酸化物誘電体磁器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−321555(JP,A) 特開 平4−77354(JP,A) 特開 昭63−215002(JP,A) 特開 昭57−205369(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C04B 35/42 - 35/50 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Tiを主成分として含有する酸化物誘電
    体磁器の製造方法において、Ti原料としてTiCとT
    iNの少なくとも一方を含有し、かつ、焼成後の組成が
    酸化物誘電体磁器の組成と実質的に等しくなるように成
    分調整された素原料混合物を酸化物誘電体磁器粉末に対
    して所定の割合で配合し、これを所定の形状に成形した
    後焼成することを特徴とする酸化物誘電体磁器の製造方
    法。
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