JP3083638B2 - フォルステライト磁器の作製方法 - Google Patents

フォルステライト磁器の作製方法

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JP3083638B2 JP04092209A JP9220992A JP3083638B2 JP 3083638 B2 JP3083638 B2 JP 3083638B2 JP 04092209 A JP04092209 A JP 04092209A JP 9220992 A JP9220992 A JP 9220992A JP 3083638 B2 JP3083638 B2 JP 3083638B2
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裕胤 杉浦
武久 福井
豊 東田
勉 角岡
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Japan Fine Ceramics Center
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明はフォルステライト磁器
の作製方法に関し、詳しくはマイクロ波に対して低誘電
損失のフォルステライト磁器を得る方法に係わるもので
ある。
【0002】
【従来の技術】一般に、マイクロ波領域で使用される誘
電体セラミックスに要求される特性のひとつに、当該領
域での誘電損失が小さいことがあげられる。誘電損失は
誘電体に交流電場を加えたときに熱として失われるエネ
ルギーの量を表し、高周波においてはその値が小さいこ
とが特に重要となる。フォルステライトは、MgOとS
iO2 の反応生成物よりなり、元来比較的優れた高周波
特性を持っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、フォル
ステライトの磁器を作製する場合は原料のMgOやSi
2 に混入している不純物や種々の目的で添加される元
素によって、最終的な生成物の磁器焼結体中にフォルス
テライト以外の相が形成され、電気特性に影響を与える
問題がある。
【0004】そこで、本発明者はフォルステライトに関
する研究において、原料(粉末)及びフォルステライト
磁器を得る各工程において混入する不純物を制御し、か
つフォルステライト粉末の粒度を制御することにより、
フォルステライト磁器の電気特性、とくにマイクロ波領
域での誘電損失を小さくし得る知見を得た。そして、本
発明はこの知見に基づいてなされたものである。
【0005】すなわち、本発明の課題は、マイクロ波領
域での誘電損失の小さいフォルステライト磁器を作製す
る方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記した課題を達成する
ために、本発明はMgOとSiO2 を2対1のモル比で
混合した原料粉末を、仮焼きし、粉砕してフォルステラ
イトの粉末とし、該粉末にバインダを混合し加圧成形し
て成形品となし、該成形品を脱脂及び焼結してフォルス
テライト磁器を作製する方法であって、前記原料粉末、
及び該原料粉末から前記フォルステライト磁器を得る各
工程において、フォルステライト磁器の磁器焼結体に含
まれる不純物をAl2 3 0.10%以下、CaO
0.05%以下、Fe2 3 0.05%以下、ZrO
2 0.40%以下、その他 0.01%以下、に制御
すること、及び、前記フォルステライトの粉末の粒度分
布を平均粒径3μm以下にすること、を特徴とする。
【0007】前記仮焼きは、たとえば1000〜120
0℃で2〜4時間行なわれる。仮焼きによってほぼフォ
ルステライトの良好な単一相が合成される。1000℃
より低温及び1200より高温はフォルステライトを良
好に合成しない。仮焼きしたフォルステライトの粉砕
は、たとえばジルコニアボールを用いたボールミルにて
行なうことができる。この粉砕はフォルステライト粉末
の粒度分布を平均粒径3μm以下にすることを要する。
フォルステライト粉末の粒径が大きいと、フォルステラ
イト粉末による成形品の焼結性が悪くなり高密度の焼結
体が得られない。
【0008】成形品となすためのバインダはポリビニル
アルコール,メチルセルロースなどの有機質の糊料が用
いられる。前記成形品は適宜な加圧成形手段により、用
途に応じた所定形状にされる。成形品は脱脂処理におい
てバインダ等の有機質の配合物が焼結除去される。脱脂
温度は有機質の配合物を徐々に焼失させる程度とされ、
たとえば、300〜500℃で4〜7時間である。脱脂
後は続いて焼結される。焼結は1300〜1600℃で
1〜3時間程度、望ましくは1400℃,2時間,であ
り、この焼結条件を外れると磁器の良好な電気特性、と
くにマイクロ波に対しての低誘電損失、が得られない。
なお、ここでいうマイクロ波は周波数数百MHZ 〜数百
GHZ 、およそ300MHZ 〜300GHZ の範囲を指
す。
【0009】本発明においては、原料粉末、及び該原料
粉末からフォルステライト磁器を得るための各諸工程に
おいて、フォルステライト磁器の磁器焼結体に極力、不
純物が入らないように配慮される。原料粉末の調整はも
ちろん、混合,粉砕,成形等の各処理工程は、不純物の
混入しない材質及び手段が用いられる。
【0010】
【作用】原料粉末は仮焼きによりフォルステライトに合
成され、合成されたフォルステライトは粉砕することに
より粉末とされる。フォルステライト磁器を作製する
際、原料粉末等から混入する不純物の混入を制御するこ
とより、高純度のフォルステライトが合成され、さらに
フォルステライト磁器を得る各工程において、不純物の
混入量を制御することより、高純度の磁器焼結体を得
る。
【0011】また、フォルステライト粉末を平均粒径3
μm以下の粒度分布を持つ粉末にすることより、ガラス
相の排除による焼結性の低下を防ぎ、従来とほぼ同等の
焼結温度で緻密化させ高密度の磁器焼結体となし得る。
このため本発明にて得られるフォルステライト磁器の結
晶は、フォルステライト相以外の相が排除され、かつ粒
界におけるガラス相が排除された高純度のものとなる。
【0012】
【実施例】次に、本発明の一実施例を、図1及び図2を
参照して説明する。まず、原料粉末とするための高純度
のMgO粉末とSiO2 粉末を用意する。MgO粉末及
びSiO2 粉末の粒度は細かい方が望ましいが、本例で
は(平均粒径0.09μm、(比表面積26.03m2
/g)のMgO粉末、及び平均粒径0.82、(比較面
積1.78m2 /g)のSiO2 粉末を用いた。なお、
両粉末の粒度は仮焼きにおいて充分反応する程度のもの
でよい。本例に用いたMgO粉末及びSiO2 粉末のI
CP分析による含有不純物の分析結果は表1に示す通り
である。
【0013】
【表1】
【0014】なお、表1において、成分量の数値単位は
%であり、−印は0.001%以下量含有することを表
わす。
【0015】次いで、MgOとSiO2 がモル比2:1
となる様にMgO粉末とSiO2 粉末を秤量し、蒸留水
を加え、ウレタンボールを用いてボールミルで20時間
混合し混合物とした。混合物は約100℃で24時間乾
燥し原料粉末とする。次いで原料粉末は1200℃で3
時間仮焼きしてフォルステライトが合成された仮焼き品
を得た。この仮焼き品はジルコニアボールを用いて蒸留
水中24時間粉砕し、しかる後、100℃で24時間乾
燥してフォルステライト粉末(仮焼き粉末)とした。
【0016】このフォルステライト粉末の粒度分布は図
2に示す通りである。なお、図2において、右のたて目
盛は棒グラフの尺度を示し、左の縦目盛(%)は線グラ
フの尺度を示す。図2のグラフに示されるように、この
フォルステライト粉末は粉末の50%が粒径1μm以下
のものであった。
【0017】かくして、作ったフォルステライト粉末に
はバインダとしてポリビニルアルコールを1%添加し、
混合した後、円柱形に成形した。成形は、まず300k
g/cm2 の一軸成形(仮成形)し、次いで3000k
g/cm2 でCIP成形(本成形)して成形品とした。
次いで、成形品は加熱炉に入れ、400℃で6時間加熱
して脱脂した後、昇温し、1400℃で2時間焼成し
て、円柱形のフォルステライト磁器を得た。上記の工程
で作製した本例のフォルステライト磁器は焼結性良好な
ものであった。
【0018】本例において作製したフォルステライト磁
器イ及びロのかさ密度及び誘電特性(誘電率ε及び誘電
損失tanδ)は表2に示す通りである。
【0019】
【表2】
【0020】なお、従来フォルステライト磁器ハ,ニ,
ホは、その作製工程においてフォルステライト粉末の粒
度分布が考慮されず、かつ磁器焼結体中の不純物含有量
が、Al2 3 0.10%,CaO 0.05%,F
2 3 0.05%,ZrO2 0.04%,の少く
とも1つを超えるものである。そして、表2における誘
電率ε及び誘電損失tanδは、両端短絡型誘電体円柱
共振器法にて測定した値であり、本例フォルステライト
磁器イ,ロは15.8〜18.7GHZ で測定し、従来
フォルステライト磁器ハ〜ホは9.3〜10.0GHZ
で測定した場合のものである。表2より本例のフォルス
テライト磁器イ,ロは従来のハ,ニ,ホより、誘電損失
が1オーダー小さいことが認められた。
【0021】また、本例フォルステライト磁器の抵抗率
(3端子法による測定)を表3に示し、熱膨張率及び膨
張係数(昇温10℃/min.最高温度800℃,標準
試料アルミナを用いて測定)を表4に示した。抵抗率は
3端子法により測定し、熱膨張率及び膨張係数は昇温1
0℃/min.最高温度800℃,標準試料アルミナを
用いて測定した。表3,及び表4の本例の各数値はフォ
ルステライト磁器イ,ロの平均値であり、従来の数値は
従来磁器ハ,ニ,ホの平均値である。
【0022】
【表3】
【0023】
【表4】 表3及び表4における各値より、本例のフォルステライ
ト磁器の抵抗率,熱膨張率及び膨張係数は従来市販のフ
ォルステライト磁器とほぼ同等と認められる。したがっ
て、本例により得たフォルステライト磁器はマイクロ波
用の絶縁材として好ましいものといえる。
【0024】
【発明の効果】本発明は、原料粉末,及び該原料粉末か
ら前記フォルステライト磁器を得る各工程において、フ
ォルステライト磁器の磁器焼結体に含まれる不純物をA
2 3 0.10%以下、CaO 0.05%以下、
Fe2 3 0.05%以下、ZrO2 0.40%以
下、その他 0.01%以下、に制御すること、及び、
フォルステライトの粉末の粒度分布を平均粒径3μm以
下にすること、としたので、マイクロ波領域での誘電損
失が小さく、マイクロ波用の絶縁材として好ましいフォ
ルステライト磁器を得ることができる。すなわち、本発
明によれば高純度のフォルステライト粉末を得る一方、
磁器を製作する各工程から不純物の混入を制御するので
不純物の少い磁器を得ることができ、また、フォルステ
ライト粉末の粒度分布を平均粒径3μm以下とするの
で、緻密化した高密度の物性をすることができ、これら
によって誘電損失の小さいフォルステライト磁器となし
得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例のフォルステライト磁器を得る工
程図。
【図2】本例フォルステライト粉末の粒度分布を示すグ
ラフ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 角岡 勉 愛知県刈谷市野田町段留25番地8 審査官 深草 祐一 (56)参考文献 特開 昭63−100057(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C04B 35/16 - 35/20

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 MgOとSiO2 を2対1のモル比で混
    合した原料粉末を、仮焼きし、粉砕してフォルステライ
    トの粉末とし、該粉末にバインダを混合し加圧成形して
    成形品となし、該成形品を脱脂及び焼結してフォルステ
    ライト磁器を作製する方法であって、 前記原料粉末、及び該原料粉末から前記フォルステライ
    ト磁器を得る各工程において、フォルステライト磁器の
    磁器焼結体に含まれる不純物をAl2 3 0.10%
    以下、CaO 0.05%以下、Fe2 3 0.05
    %以下、ZrO2 0.40%以下、その他 0.01
    %以下、に制御すること、及び、 前記フォルステライトの粉末の粒度分布を平均粒径3μ
    m以下にすること、を特徴としたフォルステライト磁器
    の作製方法。
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