JP3243812U - スライドファスナー及びスライドファスナー付き製品 - Google Patents

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智也 海道
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Abstract

【課題】ファスナーテープが露呈することを防止又は抑制できるスライドファスナー付き製品を製造可能なスライドファスナーを提供する。【解決手段】ファスナーストリンガー21とスライダー40とを有するスライドファスナー20であって、各ファスナーエレメント23は、エレメント基部と、エレメント基部からファスナーテープ22のテープ内側に向けて延び、且つ、テープ厚さ方向における寸法がエレメント基部よりも小さいヒレ部23bとを有し、スライダー胴体41の肩口側端部において、ファスナーエレメント23のヒレ部23bの先端部がフランジの内壁面よりもスライダー胴体41の外側に位置し、エレメント最大幅W1(ファスナーテープ幅の最大値)に対する合計ヒレ幅(ヒレ部におけるテープ幅W2の合計)の割合が40%未満である。【選択図】図1

Description

本考案は、ファスナーストリンガー及びスライドファスナー付き製品に関する。
例えば国際公開第2011/064893号(特許文献1)には、止水性を備えるスライドファスナーが記載されている。簡単に説明すると、特許文献1に記載されているスライドファスナーは、エレメント列が形成された左右一対のファスナーストリンガーと、左右のエレメント列に摺動可能に取り付けられるスライダーとを有する。
左右の各ファスナーストリンガーは、ファスナーテープ(テープ部材)と、そのファスナーテープのテープ側縁部に設けられる複数のファスナーエレメントとを有する。ファスナーテープは、防水透湿性を有する細幅状のテープ体と、テープ体のテープ側縁部に設けられる芯紐部とを有する。また、ファスナーテープは、ファスナーテープのテープ表面側からテープ裏面側への液体の浸入を抑制する性質を備える。
国際公開第2011/064893号
前記特許文献1に記載されているスライドファスナーを、例えば衣服又は鞄等の製品に取り付ける場合、例えばファスナーストリンガーのファスナーテープと、製品のファスナー被着部材(例えば衣服の生地)とを重ね合わせた状態で、そのファスナーテープ及びファスナー被着部材に対してミシンによる縫製加工が行われる。
従来の縫製加工では、通常、ファスナーテープとファスナー被着部材のファスナー取付部分とを互いに重ね合わせた状態でミシンの針板とミシンフットの間に導入することにより、ファスナーテープとファスナー取付縁部とが縫い合わせられている。この場合、縫製加工時のミシンフット及びミシン針とファスナーストリンガーのファスナーエレメントとの位置関係を考慮すると、ミシンのミシン針を、ファスナーテープのファスナーエレメントからテープ幅方向に離れた位置で上下に往復運動させて、ファスナーテープに刺通させる必要がある。その結果、ファスナーテープとファスナー被着部材とを縫着する縫製糸の縫製部が、ファスナーエレメントからテープ幅方向に離れた位置に形成されるため、ファスナーテープが、ファスナーエレメントとファスナー被着部材との間で外部に露呈するように配されていた。
しかし、スライドファスナーが取り付けられる製品では、スライドファスナーも製品のデザインの要素の一つとして見られることがある。そのため、スライドファスナー付き製品のデザイン性又は外観品質を高めるために、スライドファスナーのファスナーテープを見えなくすること、又は見え難くすることが求められることがあった。
本考案は、上述の課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、ファスナーテープがファスナーエレメントとファスナー被着部材との間で露呈することを防止又は抑制できるスライドファスナー付き製品を製造することが可能なスライドファスナー、及び、そのスライドファスナーを用いて製造されるスライドファスナー付き製品を提供することにある。
上記目的を達成するために、本考案のスライドファスナーは、複数のファスナーエレメントがファスナーテープに設けられてエレメント列が形成される一対のファスナーストリンガーと、前記エレメント列に摺動可能に取り付けられるスライダーとを有するスライドファスナーであって、前記スライダーは、互いに離間して配される上翼板及び下翼板と、前記上翼板及び前記下翼板間を連結する連結柱と、前記上翼板及び前記下翼板の少なくとも1つの側縁部から延びるフランジとを備えるスライダー胴体を有し、前記スライダー胴体には、前記上翼板及び前記下翼板間にY字状に形成されるエレメント案内路と、前記連結柱を間に挟んで前記連結柱の側方に設けられる一対の肩口と、前記スライダー胴体の側縁部に設けられるとともに前記エレメント案内路に連通する挿通間隙とが設けられ、各前記ファスナーエレメントは、前記ファスナーテープのテープ厚さ方向における寸法が一定である部分を備えるエレメント基部と、前記エレメント基部から前記ファスナーテープのテープ内側に向けて延び、且つ、前記テープ厚さ方向における寸法が段差部を介して前記エレメント基部よりも小さくなるヒレ部とを有し、前記エレメント列が前記エレメント案内路に挿通している前記スライダー胴体の肩口側端部において、前記ファスナーテープのテープ長さ方向に直交する断面を見たときに、前記ファスナーエレメントの前記エレメント基部の左右方向外側を向く側面が前記スライダーの前記フランジの内壁面に当接しない状態で、前記ヒレ部の先端部が前記フランジの内壁面よりも前記スライダー胴体の外側に位置し、一対の前記エレメント列が噛合した状態において、噛み合わせられた2つの前記ファスナーエレメントにおける前記ファスナーテープのテープ幅方向の寸法の最大値をエレメント最大幅と規定し、2つの前記ファスナーエレメントの前記ヒレ部における前記テープ幅方向の寸法の合計を合計ヒレ幅と規定したときに、前記エレメント最大幅に対する前記合計ヒレ幅の割合が40%未満であるスライドファスナーである。
本考案のスライドファスナーにおいて、前記スライダー胴体の前記肩口側端部において、前記ファスナーテープのテープ長さ方向に直交する断面を見たときに、前記ファスナーエレメントの前記エレメント基部の左右方向外側を向く側面が前記スライダーの前記フランジの内壁面に当接しない状態で、前記ヒレ部の先端部が前記フランジにおける前記テープ幅方向の中心位置よりも前記スライダー胴体の外側に位置することが好ましい。
また、前記ヒレ部における前記テープ長さ方向の寸法は、前記ヒレ部の先端部に向けて漸減していることが好ましい。
更に、前記ヒレ部の基端部における前記テープ長さ方向の寸法は、前記エレメント基部の前記ヒレ部が接続する側の側縁部における前記テープ長さ方向の寸法よりも小さいことが好ましい。
更にまた、前記ヒレ部における前記ファスナーテープの前記テープ厚さ方向の寸法は、前記ヒレ部の先端部に向けて漸減していることが好ましい。
次に、本考案によれば、上述した構成を有する前記スライドファスナーと、前記ファスナーストリンガーが縫製糸で形成される縫製部によりストリンガー取付縁部に取り付けられているファスナー被着部材とを有するスライドファスナー付き製品が提供される。
本考案のスライドファスナー付き製品において、前記ストリンガー取付縁部は、前記テープ長さ方向に直交する断面視において、U字状に折り曲げられている二重部を有し、前記二重部は、前記断面視において、前記ファスナーテープに少なくとも一部が接する第1ストリップ部と、前記第1ストリップ部から延びるとともに折り曲げられた形状を有する折り曲げ部と、前記折り曲げ部から延びるとともに前記第1ストリップ部に重ねられて配される第2ストリップ部とを有し、前記縫製部の一部は、前記二重部における前記第1ストリップ部と前記第2ストリップ部との間に挟まれて配され、前記二重部は、前記縫製部により、前記ファスナーエレメントの少なくとも一部に接触する位置で前記ファスナーテープに固定されていることが好ましい。
また、前記二重部の前記テープ厚さ方向における寸法は、前記スライダーの前記挿通間隙の間隔よりも大きいことが好ましい。
本考案のスライドファスナーによれば、スライドファスナー付き製品を製造したときに、スライドファスナー付き製品のファスナーテープが、ファスナーエレメントとファスナー被着部材との間で露呈することを防止又は抑制できる。
本考案の実施例1に係るスライドファスナー付き製品の要部を模式的に示す平面図である。 図1に示したスライドファスナー付き製品に用いられるファスナーストリンガーの一部を拡大して模式的に示す斜視図である。 図2に示したファスナーストリンガーの一部を模式的に示す底面図である。 図2に示したファスナーストリンガーの断面を模式的に示す断面図である。 図1に示したV-V線における断面を模式的に示す断面図である。 本考案の実施例2に係るスライドファスナー付き製品の要部を模式的に示す平面図である。 図6に示したVII-VII線における断面を模式的に示す断面図である。
本考案者等は、ファスナーストリンガーがファスナー被着部材のストリンガー取付縁部に縫製によって縫い付けられるスライドファスナー付き製品に関して、縫製糸の縫製部をファスナーエレメントの一部に接触させるように形成するとともに、その縫製部によってストリンガー取付縁部の折り曲げ部の位置を押さえることによって、ストリンガー取付縁部の折り曲げ部とファスナーエレメントとを接触させて保持できること、更にそれによって、ファスナーテープがファスナーエレメントとファスナー被着部材との間で露呈することを防止又は抑制できることを見出した。
一方、上述のようなスライドファスナー付き製品において、ストリンガー取付縁部の折り曲げ部を縫製部で押さえてファスナーエレメントに接触させる場合、スライドファスナーのスライダーを摺動させるときに、ストリンガー取付縁部がスライダーに接触して、スライダーに対してストリンガー取付縁部の引っ掛かり及び噛み込みが生じ易くなり、その結果、スライダーの操作性を低下させるという不具合が生じることが明らかとなった。
これに対し、本考案者等は、更なる研究及び検討を重ねた結果、スライダーの挿通間隙に挿通可能なヒレ部をファスナーエレメントに設けるとともに、そのヒレ部の大きさ(特に、テープ幅方向の大きさ)を適切に設定することにより、ファスナーテープの露呈を防止又は抑制できるとともに、スライダーの操作性の低下を防止できることを発見し、本考案を完成させた。
以下、本考案の好適な実施の形態について、実施例を挙げて図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本実施例1に係るスライドファスナー付き製品の要部を模式的に示す平面図である。図2及び図3は、それぞれ、本実施例1に係るファスナーストリンガーの一部を拡大して模式的に示す斜視図及び底面図である。図4は、本実施例1に係るファスナーストリンガーの断面を模式的に示す断面図である。図5は、図1に示したV-V線における断面図である。
以下のスライドファスナー及びスライドファスナー付き製品に関する説明において、前後方向とは、ファスナーテープのテープ長さ方向に沿った方向を言い、スライダーが摺動する摺動方向と同じ方向である(図1及び図2を参照)。特に、スライドファスナーを閉じるときにスライダーを摺動させる方向を前方とし、スライドファスナーを開くときにスライダーを摺動させる方向を後方とする。
左右方向は、ファスナーテープのテープ幅方向に沿った方向を言い、具体的には、前後方向に直交し、且つ、ファスナーテープのテープ表面及びテープ裏面に平行な方向である。また、左右方向は、一対のファスナーストリンガーのエレメント列を互いに噛合及び分離させる方向に沿った方向と言うこともできる。この場合、一対のエレメント列が互いに近付くように移動する向きを左右方向の内側の向きとし、一対のエレメント列が互いに離れるように移動する向きを左右方向の外側の向きとする(図3を参照)。
上下方向は、ファスナーテープのテープ表面及びテープ裏面に直交する方向(テープ表裏方向又はテープ厚さ方向)に沿った方向を言い、前後方向と左右方向とに直交する方向である(図4を参照)。特に、スライドファスナーが使用されるときに外部に露呈する方向(例えば、ファスナーテープに対してスライダーの引手が配される方向)を上方とし、その反対側の方向を下方とする。
本実施例1のスライドファスナー付き製品1は、衣服(衣料品)であり、この衣服1の前身頃の前開き部、及び、前身頃の胸部及び腹部に設けられるポケット部の開閉部(開口周縁部)等にスライドファスナー20が取り付けられる。このスライドファスナー付き衣服1は、左右一対のファスナーストリンガー21を有するスライドファスナー20と、左右の各ファスナーストリンガー21が取り付けられる左右のストリンガー取付縁部11を備えるファスナー被着部材10とを有する。
本実施例1において、スライドファスナー20が取り付けられるファスナー被着部材10は、衣服1の生地10(ガーメント生地とも言う)である。また、衣服1の前身頃を形成する左右の生地10は、生地本体部(不図示)と、相手側の生地10に対向して配される対向側縁部をそれぞれ有する。
左右の生地10の対向側縁部は、スライドファスナー20のファスナーストリンガー21が取り付けられるストリンガー取付縁部11として形成されており、生地本体部の端縁部に一体的に設けられている。ファスナーストリンガー21は、縫製糸(ミシン糸)により形成される縫製部12によって、生地10のストリンガー取付縁部11に取り付けられている。
各生地10のストリンガー取付縁部11は、衣服1の生地10が上下方向に重ねられて形成される二重部15を有する。このストリンガー取付縁部11の二重部15は、衣服1の生地10が前後方向に沿った折り曲げ部17で折り返されることにより、前後方向に直交する断面視においてU字状の形状に形成されている。この場合、二重部15は、後述するファスナーエレメント23のヒレ部23b(後述する第2ヒレ部25b)に接触している。
二重部15は、前後方向に直交する断面視において、ファスナーストリンガー21の後述するファスナーテープ22に少なくとも一部が接する第1ストリップ部16と、第1ストリップ部16から延びるとともに折り曲げられた形状を有する折り曲げ部17と、折り曲げ部17から延びるとともに第1ストリップ部16に上下方向で重ねられる第2ストリップ部18とを有する。
この二重部15において、第1ストリップ部16は、縫製部12によってファスナーテープ22に固定されている。第1ストリップ部16は、上下方向において、ファスナーテープ22と第2ストリップ部18との間に配されている。第2ストリップ部18は、第1ストリップ部16の上に、ファスナーストリンガー21のファスナーテープ22から離間して配されており、また、生地10の生地本体部(不図示)から幅方向の内側に向けて延びて配されている。なお、ファスナーテープ22と生地10との間には、接着剤や接着シート等がファスナーエレメント23に接触しないように設けられていてもよい。
二重部15の折り曲げ部17は、ファスナーテープ22を生地10のストリンガー取付縁部11に縫い付けている縫製部12の位置で生地10が折り曲げられることによって形成されている。この折り曲げ部17の内側には、縫製部12の一部が包み込まれて保持されている。また、折り曲げ部17は、縫製部12によって、ファスナーエレメント23のヒレ部23b(第2ヒレ部25b)に接触する位置で固定されている。
生地10のストリンガー取付縁部11とファスナーストリンガー21を縫い合わせる縫製部12は、ミシン(不図示)を用いて本縫いを行う縫製加工により、ファスナーテープ22の前後方向に沿って直線的に設けられている(図3及び図4を参照)。なお本考案において、ストリンガー取付縁部とファスナーストリンガーとを縫い合わせる縫製部は、ファスナーテープの前後方向に沿った直線状の部分と、左右方向の内側に向けて小さく屈曲又は湾曲した部分とを含む略直線状の縫製部で形成されていてもよい。
本実施例1の縫製部12は、ミシンの上糸(針糸)と下糸(ボビン糸)とを含む縫製糸により形成されており、複数の交絡部13を有する。各交絡部13は、生地10のストリンガー取付縁部11とファスナーテープ22とを貫通するとともに、縫製糸の上糸と下糸が交わって形成されている。複数の交絡部13は、前後方向に一定の間隔で設けられている。
縫製部12の交絡部13の少なくとも一部は、ファスナーストリンガー21のファスナーエレメント23間に形成される後述の間隙領域31のみに設けられている。これにより、縫製部12を直線状に又は略直線状に形成するとともに、縫製部12をファスナーエレメント23の一部(後述する第1ヒレ部24b)に接触させることができる。またそれによって、ファスナーテープ22のテープ表面(上面)側では、縫製部12によって、生地10の二重部15ストリンガー取付縁部11をファスナーエレメント23の第2ヒレ部25bに接触させる状態でファスナーテープ22に縫い付けることができる。
縫製部12の一部は、第1ストリップ部16と第2ストリップ部18との間に挟まれて配されている。また、縫製部12の第1ストリップ部16と第2ストリップ部18との間に挟まれる部分は、縫製部12における第1ストリップ部16の上面の上に配される部分である。
本実施例1のスライドファスナー20は、ファスナーテープ22のテープ側縁部にエレメント列27が形成されている左右一対のファスナーストリンガー21と、左右のエレメント列27に摺動可能に取り付けられるスライダー40とを有する。左右のファスナーテープ22は、縫製部12によって、左右の生地10のストリンガー取付縁部11にそれぞれ取り付けられている。
本実施例1において、スライダー40は、前述した国際公開第2011/064893号(特許文献1)又は国際公開2017/094145号に記載されているスライダーと実質的に同様に形成されている。本実施例1のスライダー40について具体的に説明すると、本実施例1のスライダー40は、スライダー胴体41と、スライダー胴体41に取り付けられる引手(不図示)とを有する。
スライダー胴体41は、図5に示すよう、互いに離間して配される上翼板42及び下翼板43と、上翼板42の前端部及び下翼板43の前端部間を連結する連結柱44と、上翼板42の左右側縁部から下翼板43に向けて延びる左右の上フランジ45と、下翼板43の左右側縁部から上翼板42に向けて延びる左右の下フランジ46と、引手を取り付けるため上翼板42の上面に一体的に設けられる引手取付部(不図示)とを有する。
スライダー胴体41の前端部には、左右の肩口が連結柱44の左右側方に設けられている。スライダー胴体41の後端部には、後口が設けられている。スライダー胴体41の上翼板42及び下翼板43間には、左右の肩口と後口とに連通するY字状のエレメント案内路が設けられている。スライダー胴体41における上フランジ45と下フランジ46との間には、ファスナーエレメント23のヒレ部23b(第1ヒレ部24b及び第2ヒレ部25b)を挿通させる挿通間隙47が設けられている。この挿通間隙47は、エレメント案内路に連通している。
なお本考案において、スライダー胴体は、スライダーをエレメント列に沿って摺動させたときに、左右のファスナーエレメント23を噛合・分離させることができれば、特に限定されるものではない。例えば本考案のスライダー胴体は、ファスナーエレメントの形状等に応じて、上フランジ及び下フランジの一方を設けずに形成されていてもよい。この場合、スライダー胴体の挿通間隙は、左右の上フランジと下翼板との間に、又は、上翼板と左右の下フランジとの間に設けられる。
左右の各ファスナーストリンガー21は、長尺で細幅状のファスナーテープ22と、ファスナーテープ22のテープ側縁部に設けられる複数の合成樹脂製のファスナーエレメント23とを有する。各ファスナーテープ22は、テープ表面及びテープ裏面を備えるテープ本体部22aと、テープ本体部22aの内側の側端縁に設けられる芯紐部22bとを有する。芯紐部22bは、テープ長さ方向に沿ってテープ本体部22aの側端縁に一体的に設けられている。芯紐部22bは、テープ本体部22aに対して上下方向に膨らんで形成されている。
ファスナーテープ22のテープ側縁部には、複数のファスナーエレメント23が前後方向に沿って一定の間隔で設けられていることにより、エレメント列27が形成されている。各ファスナーエレメント23は、合成樹脂をファスナーテープ22に射出成形することにより形成されている。
各ファスナーエレメント23は、厚さ寸法が一定である部分を備えるエレメント基部23aと、エレメント基部23aから左右方向の外側(言い換えると、ファスナーテープ22のテープ内側)に向けて延びるヒレ部23bとを少なくとも有する。
エレメント基部23aは、ファスナーテープ22のテープ本体部22aと芯紐部22bとに亘って固定されている。特に本実施例1の場合、エレメント基部23aの厚さ寸法が一定である部分が、ファスナーテープ22のテープ本体部22aと芯紐部22bとに亘って形成されている(図4を参照)。エレメント基部23aは、ファスナーエレメント23の後述する第1胴部24a及び第2胴部25aを少なくとも有する。
ここで、厚さ寸法は、上下方向における寸法を意味しており、エレメント基部23aの厚さ寸法は、エレメント基部23aの上面から下面までの上下方向における全体の寸法である。なお本考案において、エレメント基部は、厚さ寸法が一定である部分を備えていれば、エレメント基部の形状及び大きさは特に限定されない。
ヒレ部23bは、段差部を介して、エレメント基部23aよりも厚さ寸法を小さくして形成されている。ヒレ部23bは、ファスナーテープ22の裏面上に形成される下面側の第1ヒレ部24bと、ファスナーテープ22の表面上に形成される上面側の第2ヒレ部25bとを有する。なお本考案において、ヒレ部23bは、第1ヒレ部24b及び第2ヒレ部25bの一方のみによって形成されていてもよい。
本実施例1では、各ファスナーエレメント23にヒレ部23bが設けられていることにより、スライダー40をエレメント列27に沿って摺動させるときに、スライダー40の上フランジ45及び下フランジ46を、エレメント基部23a及びヒレ部23b間の段差部よりも左右方向の外側に形成される間隙に収容して挿通させることができる。
本実施例1の各ファスナーエレメント23は、ファスナーテープ22のテープ裏面側に配される第1エレメント部24と、ファスナーテープ22のテープ表面側に配されるとともに、第1エレメント部24とは異なる形状を備える第2エレメント部25とを有する。この場合、ファスナーエレメント23の第1エレメント部24は、スライドファスナー付き衣服1において、衣服1の裏側に隠れる部分である。第2エレメント部25は、衣服1の外側に露呈する部分である。
第1エレメント部24は、図3に示すように、ファスナーテープ22に直接固定される第1胴部24aと、第1胴部24aから左右方向の外側に向けて延びる第1ヒレ部24bと、第1胴部24aから左右方向の内側に向けて延びる首部24cと、首部24cから左右方向の内側に向けて更に延びるとともにファスナーエレメント23の底面視で略長円形状を呈する噛合頭部24dとを有する。
第1胴部24aは、ファスナーエレメント23の底面視(図3)において、略等脚台形の形状を呈する。首部24cは、噛合相手となる2つのファスナーエレメント23の噛合頭部24dと係合可能なように括れた形状を有する。
第1ヒレ部24bは、第1胴部24aから左右方向の外側に向けて延出しており、また、第1段差部24eを介して第1胴部24aよりも厚さ寸法を小さくして形成されている。第1ヒレ部24bは、第1胴部24aに接続する基端部と、第1ヒレ部24bの左右方向の外側に配される先端部(外側側縁部)とを有する。
各ファスナーエレメント23において、第1ヒレ部24bにおける幅方向の外側に向く外側側端面は、縫製部12に接触している。これにより、スライダー40を摺動させるときに、例えばスライダー40と縫製部12の下糸とが接触することを低減できるため、スライダー40との接触に起因して下糸が摩耗すること又は切断されることを抑制できる。また、製品の見栄え(外観品質)を高めることができる。
第1ヒレ部24bの基端部は、エレメント基部23aのヒレ部23bが接続する外側側縁部よりも前後方向の寸法を小さくして形成されている。更に、第1ヒレ部24bにおける前後方向の寸法は、ヒレ部23bの基端部から先端部に向けて漸減している。このように第1ヒレ部24bが形成されていることにより、後述する縫製工程を行うときに、ミシンのミシン針を生地10及びファスナーテープ22に刺通させる間隙領域31を広く確保し易くなる。このため、縫製加工時に、ミシン針がファスナーエレメント23に接触することを防止又は抑制して、ミシン針の折損を生じさせ難くすることができる。
なお、本実施例1の第1ヒレ部24bは、例えば後述する実施例2及び図7に示すように、第1ヒレ部24bの厚さ寸法を左右方向の外側に向けて漸減させる第1傾斜部を有していてもよい。
第2エレメント部25は、図2に示すように、ファスナーテープ22に直接固定される第2胴部25aと、第2胴部25aから左右方向の外側に向けて延びる第2ヒレ部25bと、第2胴部25aから左右方向の内側に向けて延びるエレメント頭部25cとを有する。エレメント頭部25cは、テープ長さ方向の寸法がエレメント頭部25cの先端部に向けて2段階で漸減する形状を有する。
第2ヒレ部25bは、第2胴部25aから左右方向の外側に向けて延出しており、また、第2段差部25dを介して第2胴部25aよりも厚さ寸法を小さくして形成されている。第2ヒレ部25bにおける幅方向の外側に向く外側側端面と、生地10のストリンガー取付縁部11(特に、二重部15)とは、互いに接触している。また、ファスナーエレメント23の第2ヒレ部25bと生地10のストリンガー取付縁部11とが接触した状態は、前後方向に沿って直線状に配される縫製部12によって保持されている。
これにより、ファスナーテープ22におけるファスナーエレメント23よりも左右方向の外側の部分をストリンガー取付縁部11で安定して覆い隠すことができる。このため、ファスナーテープ22が、左右方向におけるファスナーエレメント23とファスナー被着部材10との間の範囲で露呈することを防止できる。
本実施例1のファスナーエレメント23において、第2ヒレ部25bは、第1ヒレ部24bに対し、ファスナーテープ22を基準にして上下方向に対称な形状を有する。このため、第2ヒレ部25bの形状については、以下に簡単に説明する。
この第2ヒレ部25bの基端部は、エレメント基部23aのヒレ部23bが接続する外側側縁部よりも前後方向の寸法を小さくして形成されている。第2ヒレ部25bにおける前後方向の寸法は、ヒレ部23bの基端部から先端部に向けて漸減している。なお、本実施例1の第2ヒレ部25bは、例えば後述する実施例2及び図7に示すように、第2ヒレ部25bの厚さ寸法を左右方向の外側に向けて漸減させる第2傾斜部を有していてもよい。
上述のような第1ヒレ部24b及び第2ヒレ部25bを有する本実施例1のヒレ部23bは、スライダー40のテープ挿通間隙47に挿入可能な厚さで形成されている。より詳細には、テープ挿通間隙47のうち、ファスナーテープ22の表面と上フランジ45の下面の間の間隙に第2ヒレ部25bが挿入可能であり、ファスナーテープ22の裏面と下フランジ46の上面の間の間隙に第1ヒレ部24bが挿入可能である。ファスナーエレメント23の第1段差部24e及び第2段差部25dは、スライダー40の上フランジ45及び下フランジ46にそれぞれ摺接可能に形成されている。
ここで、本実施例1のファスナーストリンガー21について、図3に示すように、前後方向に隣接する2つのファスナーエレメント23間でファスナーテープ22上の最大間隔により規定される前後方向の領域を、間隙領域31と規定する。また、ファスナーエレメント23が設けられるとともに、2つの間隙領域31間に形成される領域を、エレメント領域32と規定する。このような間隙領域31及びエレメント領域32は、ファスナーストリンガー21における左右方向の全体に亘って配されている。
本実施例1のファスナーストリンガー21における前後方向の少なくとも一部の領域では、縫製部12の交絡部13が間隙領域31のみに設けられており、エレメント領域32には設けられていない。これにより、縫製部12を上述したように前後方向に沿って直線状に又は略直線状に形成するとともに、エレメント領域32内でファスナーエレメント23の第1ヒレ部24bに容易に接触させることができる。更にそれによって、ファスナーテープ22の上面側では、生地10のストリンガー取付縁部11を、縫製部12によって、ファスナーエレメント23の第2ヒレ部25bに接触させた位置でファスナーテープ22に固定できる。
本実施例1のスライドファスナー20について、左右のエレメント列27がスライダー40のエレメント案内路に挿通している場合に、スライダー胴体41の肩口側端部において、ファスナーエレメント23のエレメント基部23aの左右方向外側を向く側面がスライダー40の上フランジ45及び下フランジ46の内壁面に当接しない状態(条件)で、ファスナーテープ22のテープ長さ方向に直交する断面を見たときの断面図を図5に示す。なお、図5では、ファスナーエレメント23とスライダー40との関係をより判り易くするために、生地10(ストリンガー取付縁部11)及び縫製部12の図示が省略されている。
ここで、エレメント基部23aの側面がスライダー40の上フランジ45及び下フランジ46の内壁面に当接しない状態(図5の状態)とは、例えばスライドファスナー20に対して、左右のファスナーテープ22をテープ幅方向の外側に向けて引っ張る横引力が加えられていない状態等の通常の状態のことを言う。以下、説明の冗長を避けるために、スライダー胴体41の肩口側端部におけるテープ長さ方向に直交する断面において、ファスナーエレメント23のエレメント基部23aの側面がスライダー40の上フランジ45及び下フランジ46の内壁面に当接しない状態を、図5の状態又は図5に示す状態と略記することがある。
この図5に示す状態において、ファスナーエレメント23のエレメント基部23aの側面と、スライダー40の上フランジ45及び下フランジ46の内壁面とは、ファスナーテープ22がテープ幅方向において、互いに離れて配されている。なお、エレメント基部23aは、スライダー胴体41の連結柱44から離れて配されていてもよく、又は、連結柱44に接触して配されていてもよい。
図5の状態において、ファスナーエレメント23のヒレ部23bと、スライダー胴体41の上フランジ45及び下フランジ46との位置関係を見たときに、本実施例1のファスナーエレメント23は、ヒレ部23bの先端部(すなわち、第1ヒレ部24bの先端部及び第2ヒレ部25bの先端部の両方)が、上フランジ45及び下フランジ46の内壁面の位置よりもスライダー胴体41の外側に位置するように形成されている。この場合、ファスナーエレメント23の第1段差部24e及び第2段差部25dは、上フランジ45及び下フランジ46の内壁面よりもスライダー胴体41の内側に位置している。
なお本実施例1において、上フランジ45の内壁面は、上フランジ45のエレメント案内路に向く壁面であり、下フランジ46の内壁面は、下フランジ46のエレメント案内路に向く壁面である。また、上フランジ45及び下フランジ46の外壁面は、例えばテープ幅方向又はスライダー40の幅方向に関して、上フランジ45及び下フランジ46の内壁面の反対側に配される壁面である。
ファスナーエレメント23のヒレ部23bが、図5の状態において、スライダー胴体41の上フランジ45及び下フランジ46の内壁面に対して上述のように位置することにより、ヒレ部23bをスライダー胴体41の挿通間隙47内に安定して進入させることができる。これにより、ヒレ部23bが、挿通間隙47の一部の領域をエレメント案内路側から占有できるため、スライドファスナー20でスライダー40を摺動させるときに、生地10のストリンガー取付縁部11(特に、二重部15)を、スライダー胴体41の挿通間隙47内に入り込み難くすることができる。また、図5の状態において、挿入間隙47のうちファスナーテープ22の表面と上フランジ45の下面の間隙(厚さ方向)に対して、第2ヒレ部25bの厚さが約80%を占めることが好ましい。及び/又は、挿入間隙47のうちファスナーテープ22の裏面と下フランジ46の上面の間隙(厚さ方向)に対して、第1ヒレ部24bの厚さが約80%を占めることが好ましい。及び/又は、挿入間隙47の厚さ寸法に対して、第2ヒレ部25bの上面から第1ヒレ部24bの下面までの厚さ寸法が約80%を占めることが好ましい。これにより、スライドファスナー20でスライダー40を摺動させるときに、生地10のストリンガー取付縁部11(特に、二重部15)を、スライダー胴体41の挿通間隙47内に入り込み難くすることができる。
従って、スライダー40の摺動時に、ストリンガー取付縁部11がスライダー胴体41に引っ掛かること、及び噛み込むことを防止又は抑制できる。なお、図5に示す状態において、ファスナーエレメント23のヒレ部23bの先端部は、スライダー胴体41の上フランジ45及び下フランジ46の外壁面よりも、スライダー胴体41の内側に位置している。
また、ヒレ部23bの先端部は、上フランジ45及び下フランジ46におけるテープ幅方向の中心位置よりも、スライダー胴体41の外側に位置することが好ましい。これにより、スライダー40の摺動時に、ストリンガー取付縁部11がスライダー胴体41に引っ掛かること、及び噛み込むことをより効果的に防止又は抑制することが可能となる。
例えば本実施例1において、スライダー胴体41の上フランジ45及び下フランジ46における内壁面から外壁面までのテープ幅方向の寸法は、1.36mmに設定されている。この場合、上フランジ45及び下フランジ46におけるテープ幅方向の中心は、上フランジ45及び下フランジ46の内壁面及び外壁面から、それぞれテープ幅方向に0.68mm離れた位置に配されている。また図5に示す状態において、ヒレ部23bの先端部の位置と、上フランジ45及び下フランジ46の外壁面の位置との間のテープ幅方向における距離は、0.62mmである。このため、本実施例1において、ヒレ部23bの先端部は、上フランジ45及び下フランジ46におけるテープ幅方向の中心位置よりも、スライダー胴体41の外側に位置している。
図1に示すように、本実施例1において、左右一対のエレメント列27が噛合した状態で、噛み合わせられた左右2つのファスナーエレメント23におけるファスナーテープ22のテープ幅方向の寸法の最大値を「エレメント最大幅W1」と規定する。また、これら2つのファスナーエレメント23のヒレ部23bにおけるテープ幅方向の寸法W2の合計を「合計ヒレ幅」と規定する。
上述のようにエレメント最大幅W1及び合計ヒレ幅を規定した場合、本実施例1のヒレ部23bは、エレメント最大幅W1に対する合計ヒレ幅の割合が40%未満となる大きさで形成されている。例えば本実施例1のファスナーエレメント23の場合、エレメント最大幅W1は、7.61mmであり、合計ヒレ幅は、2mmである。このため、エレメント最大幅W1に対する合計ヒレ幅の割合は、26%となる。
エレメント最大幅W1に対する合計ヒレ幅の割合が40%未満となるヒレ部23bを備えたファスナーエレメント23であれば、ヒレ部23bがテープ幅方向に長くなり過ぎることを防いで、ヒレ部23bがスライドファスナー20及びスライドファスナー付き衣服1の見栄え及び外観品質に与える影響を小さく抑えることができる。このため、優れたデザイン性又は高い外観品質を備えた衣服1を製造し易くすることができる。
なお本考案において、ファスナーエレメント23のヒレ部23b以外の形状は特に限定されるものではなく、左右のエレメント列27を噛合可能な形状を有していればよい。例えば、ファスナーエレメントは、ファスナーテープを基準にしてファスナーエレメントの全体が上下方向に対称となる形状を有していてもよい。
次に、スライドファスナー20のファスナーストリンガー21を、生地10のストリンガー取付縁部11に取り付けることによって、スライドファスナー付き衣服1を製造する方法について説明する。
先ず、ミシンを用いて、ファスナーストリンガー21のファスナーテープ22と、生地10のストリンガー取付縁部11とを縫い合わせる縫製工程(縫製加工)を行う。
なお、以下のミシン及び縫製工程に関する説明において、前後方向は、ミシンの搬送方向であり、縫製対象物であるファスナーストリンガー21及び生地10を送る方向に沿った方向である。この場合、縫製対象物を送る向きを前方とし、その反対側の向きを後方とする。上下方向は、ミシンのミシン針が往復運動する方向に沿った方向である。この場合、ミシン針を縫製対象物に刺し通す向きを下方とし、ミシン針を縫製対象物から引き抜く向きを上方とする。左右方向は、縫製対象物の送り方向に直交するとともにミシン針が往復運動する方向に直交する方向である。
本実施例1の縫製工程に用いられるミシン(不図示)は、縫製対象物が載せられる針板部と、針板部に対して上下方向に往復移動可能に支持される針棒と、針棒に保持されるミシン針と、縫製対象物を針板部に向けて押さえるミシンフットと、ファスナーストリンガー21を搬送する搬送ギアと、針板部の下方に設けられる釜部とを有する。この場合、ミシンの針棒、ミシン針、ミシンフット、及び釜部は、それぞれ、従来の一般的なミシンに採用される針棒、ミシン針、ミシンフット、及び釜部と実質的に同様に形成されている。
針板部には、平坦面を備えるベース部と、ベース部の平坦面に対して凹状に設けられた案内溝部とを備える。案内溝部は、ファスナーストリンガー21のエレメント列27を挿通させて案内可能なように、前後方向に沿って連続的に形成されている。
搬送ギアは、複数の歯が外周部に設けられた平歯車により形成されている。搬送ギアにおける歯のピッチは、エレメント列27を形成するファスナーエレメント23の前後方向の形成ピッチと同じ大きさに、又は前記形成ピッチよりも僅かに大きく設定されている。
搬送ギアは、ミシンの前後方向に沿って配されるとともに、図示しないギア保持部によって、搬送ギアの回転軸が針板部より下方の位置で保持されている。搬送ギアは、サーボモータ又はステッピングモータを備える図示しない回転駆動部によって回転させられる。また、搬送ギアは、搬送ギアの少なくとも1つの歯が案内溝部内に常に突出する位置に配されている。
上述したミシンを用いてファスナーストリンガー21を生地10に縫い付ける縫製加工を含む縫製工程を行う場合、先ず、ファスナーストリンガー21のエレメント列27を針板部の案内溝部に導入するとともに、ファスナーテープ22を針板部のベース部に載置する。このとき、エレメント列27を、針板部の案内溝部に突出する搬送ギアの歯に噛み合わせる。
更に、生地10を、生地10がファスナーストリンガー21を上から覆うように、ファスナーストリンガー21に対して位置を合わせながら針板部に載置する。その後、ミシンフットを下降させることにより、ファスナーストリンガー21及び生地10が、ミシンフットと針板部との間に挟み込まれて保持される。このとき、生地10のストリンガー取付縁部11は平らな状態に保持されており、また、ストリンガー取付縁部11にはU字状の二重部15がまだ形成されていない。
続いて、ミシンを作動させることにより、搬送ギアを回転させてファスナーストリンガー21を搬送するとともに、ミシン針を上下方向に昇降させる。このとき、生地10は、ファスナーストリンガー21とともに搬送される。これにより、ミシン針が生地10とファスナーテープ22とに刺通して本縫いを行うことができるため、縫製糸(上糸及び下糸)からなる縫製部12が前後方向に沿って直線状又は略直線状に形成されるとともに、その縫製部12によって生地10とファスナーテープ22とが縫い合わせられる。
ここで、ミシン針を生地10及びファスナーテープ22に刺通させる位置(針落ち位置)について説明する。本実施例では、ミシン針を、ファスナーストリンガー21に対し、前後方向に関して、ファスナーエレメント23間に形成される上述した間隙領域31内の位置で、生地10及びファスナーテープ22に刺通させる。また、ミシン針の針落ち位置は、左右方向に関して、ファスナーエレメント23のヒレ部23bよりも左右方向の外側の位置に設定され、又はヒレ部23bの外側側縁部に少なくとも一部が重なる位置に設定される。
この場合、ミシン針の針落ち位置は、前後方向に関して、隣り合う2つのファスナーエレメント23間の中央部に設定されることが好ましい。なお、針落ち位置は、ファスナーエレメント23間の中央部に限定されず、間隙領域31内であれば、2つのファスナーエレメント23の一方に近い位置に設定されてもよい。また、針落ち位置は、各間隙領域31内において、1箇所のみであってもよく、又は、2つ以上の複数箇所であってもよい。
上述のような針落ち位置でミシン針を生地10及びファスナーテープ22に刺通させることにより、縫製加工時に、上下に往復運動するミシン針が、ファスナーエレメント23に接触することを防止できる。また、縫製工程において、直線状又は略直線状の縫製部12を安定して形成でき、また、その縫製部12をファスナーエレメント23の第1ヒレ部24bの外側側端面に接触させることができる。
この場合、本実施例のミシン(不図示)では、搬送ギアをファスナーストリンガー21に常に噛み合わせながら回転させるため、搬送ギアでファスナーストリンガー21の位置を精確に制御しながら、ファスナーストリンガー21を安定して搬送できる。その結果、ミシン針の上下動に対してファスナーエレメント23のピッチがずれることを抑制できる。また、ミシン針の上下動と搬送ギアの回転とを制御して合わせることができるため、ミシン針がファスナーテープ22を刺通する位置を容易に調整できる。
なお本実施例において、搬送ギアは、ファスナーストリンガー21の下側からファスナーストリンガー21に噛み合わせているが、搬送ギアは、ファスナーストリンガー21の横方向(例えば、ミシンの幅方向)からファスナーストリンガー21に噛み合わせていてもよい。
上述したような縫製加工を行うことによって、交絡部13がファスナーストリンガー21の間隙領域31のみに設けられる縫製部12を形成して、ファスナーストリンガー21のファスナーテープ22と生地10のストリンガー取付縁部11とを縫い合わせることができる。
上述した縫製工程が行われた後、生地10のストリンガー取付縁部11を折り曲げることによって、二重部15を形成する折り曲げ工程を行う。
この折り曲げ工程では、生地10のストリンガー取付縁部11を、ストリンガー取付縁部11の上述した第1ストリップ部16と第2ストリップ部18とが上下に重なり合うように、直線状に又は略直線状に形成された縫製部12に沿って折り曲げる。これにより、生地10のストリンガー取付縁部11に二重部15が形成されて、図2~図4に示したようなファスナーストリンガー21が縫着された生地10が作製される。
このとき、二重部15の第1ストリップ部16には、ファスナーストリンガー21が縫着されており、また、二重部15の折り曲げ部17が、ファスナーエレメント23のヒレ部23b(第2ヒレ部25b)に接触している。更に、縫製部12の一部は、二重部15に包まれた状態で保持される。縫製部12の上側には、二重部15の第2ストリップ部18が縫製部12を覆うように配されるため、縫製部12は、第2ストリップ部18によって隠されて、ストリンガー取付縁部11の上面(外面)側から見えなくなる。
また本実施例1では、二重部15における上下方向の全体の厚さ寸法が、スライダー胴体41に設けた挿通間隙47の間隔よりも大きいことが好ましい。これにより、ストリンガー取付縁部11の二重部15を、スライダー胴体41の挿通間隙47に、より入り込み難くすることができるため、ストリンガー取付縁部11がスライダー胴体41に引っ掛かること及び噛み込むことを効果的に防止又は抑制できる。
その後、ファスナーストリンガー21が縫着された生地10を2つ一組で組み合わせるとともに、その一組のファスナーストリンガー21のエレメント列27にスライダー40を取り付けることによって、スライドファスナー付きの生地10が作製される。このスライドファスナー付きの生地10を用いて衣服1を形成することにより、スライドファスナー付き衣服1が製造される。
なお本考案において、スライドファスナー付き衣服1を製造する方法は、特に限定されない。
以上のように製造された本実施例1のスライドファスナー付きの衣服1では、ファスナーストリンガー21と生地10とを縫い合わせる直線状又は略直線状の縫製部12を、ファスナーエレメント23の第1ヒレ部24bに安定して接触させることができる(図2及び図4を参照)。またそれによって、衣服1の表面側では、例えば図4に示すように、縫製部12によって生地10のストリンガー取付縁部11(特に、二重部15)の位置が固定されるため、ストリンガー取付縁部11がファスナーエレメント23の第2ヒレ部25bに接触した状態を安定して保持できる。その結果、ファスナーテープ22が、左右方向におけるファスナーエレメント23と生地10との間で外部に露呈することを防止できる。
また、本実施例1のスライドファスナー20において、各ファスナーエレメント23のヒレ部23bは、上述したエレメント最大幅W1に対する合計ヒレ幅の割合が40%未満となるように、左右方向に短く形成されている。これにより、ファスナーエレメント23のヒレ部23bが、スライドファスナー20及びスライドファスナー付き衣服1の見栄え及び外観品質に与える影響を小さく抑えることができる。更に、ファスナーテープ22の前後方向に隣接するファスナーエレメント23間で露呈するテープ部分の大きさも小さくできる。
従って、本実施例1のスライドファスナー20が取り付けられた衣服1によれば、ファスナーテープ22が外部に露出する部分を小さくできる。また、スライドファスナー20の外観において、ファスナーエレメント23のヒレ部23bを目立ち難くすることができる。これにより、衣服1のデザイン性及び外観品質等が、ファスナーテープ22及びファスナーエレメント23によって損なわれ難くすることができるため、スライドファスナー付き衣服1が、優れたデザイン性又は高い外観品質を備えることが可能となる。
更に、スライドファスナー20が図5に示した状態に保持されたときに、ファスナーエレメント23のヒレ部23bの先端部は、上述したように、スライダー胴体41の上フランジ45及び下フランジ46の内壁面よりもスライダー胴体41の外側に位置している。特に本実施例1において、ヒレ部23bの先端部は、上フランジ45及び下フランジ46におけるテープ幅方向の中心位置よりも、スライダー胴体41の外側に位置している。
これにより、本実施例1のようにファスナーエレメント23のヒレ部23bと生地10のストリンガー取付縁部11とが接触している場合でも、ヒレ部23bが、スライダー胴体41の挿通間隙47内に挿入されてその空間部分の一部を埋めているため、生地10のストリンガー取付縁部11をスライダー胴体41の挿通間隙47に入り込み難くすることができる。
従って、スライダー40の摺動時に、ストリンガー取付縁部11がスライダー胴体41に引っ掛かること及び噛み込むことを防止又は抑制できる。このため、上述のようにストリンガー取付縁部11とファスナーエレメント23とを接触させてファスナーテープ22の露出部分を小さくした場合でも、スライダー40の適切な操作性を安定して確保でき、スライダー40をエレメント列27に沿って軽快に摺動させることができる。
図6は、本実施例2に係るスライドファスナー付き製品の要部を模式的に示す平面図である。図7は、図6に示したVII-VII線における断面を模式的に示す断面図である。なお、図7では、縫製部の図示が省略されている。
本実施例2のスライドファスナー付き製品2は、前述の実施例1と同様に、衣服2である。本実施例2のスライドファスナー付き衣服2は、左右一対のファスナーストリンガー61を有するスライドファスナー60と、左右の各ファスナーストリンガー61が取り付けられる左右のストリンガー取付縁部11を備えるファスナー被着部材10(生地10)とを有する。
本実施例2のスライドファスナー付き衣服2は、前述の実施例1で説明したスライドファスナー付き衣服1と比較した場合、各ファスナーエレメント63のヒレ部63bの形状及び大きさを異ならせて形成されている。なお、本実施例2のスライドファスナー付き衣服2は、上述したヒレ部63bに関する相違点を除いて、前述の実施例1で説明したスライドファスナー付き衣服1と実質的に同様に形成されている。
このため、本実施例2に関する説明において、前述の実施例1で説明したスライドファスナー付き衣服1と実質的に同様に形成されている部分及び部材等については、前述の実施例1の場合と同じ符号を用いて表すことにより、その詳しい説明の記載を省略するものとする。
本実施例2のスライドファスナー60は、ファスナーテープ22のテープ側縁部にエレメント列67が形成されている左右一対のファスナーストリンガー61と、左右のエレメント列67に摺動可能に取り付けられるスライダー40とを有する。本実施例2では、左右のファスナーテープ22が、前述の実施例1と同様の縫製部(不図示)によって、左右の生地10のストリンガー取付縁部11にそれぞれ取り付けられている。
左右の各ファスナーストリンガー61は、ファスナーテープ22と、エレメント列67を形成する複数の合成樹脂製のファスナーエレメント63とを有する。各ファスナーエレメント63は、厚さ寸法が一定である部分を備えるエレメント基部63aと、エレメント基部63aから左右方向の外側に向けて延びるヒレ部63bとを少なくとも有する。
ヒレ部63bは、段差部を介して、エレメント基部63aよりも厚さ寸法を小さくして形成されており、また、ファスナーテープ22の裏面上に形成される下面側の第1ヒレ部64bと、ファスナーテープ22の表面上に形成される上面側の第2ヒレ部65bとを有する。ヒレ部63bの第1ヒレ部64bと第2ヒレ部65bとは、ファスナーテープ22を基準にして、互いに上下方向に対称な形状を有する。第1ヒレ部64b及び第2ヒレ部65bを有するヒレ部63bは、スライダー40のテープ挿通間隙47に挿入可能な厚さで形成されている。
本実施例2の各ファスナーエレメント63は、ファスナーテープ22のテープ裏面側に配される第1エレメント部64と、ファスナーテープ22のテープ表面側に配される第2エレメント部65とを有する。
第1エレメント部64は、ファスナーテープ22に固定される第1胴部64aと、第1胴部64aから左右方向の外側に向けて延びる第1ヒレ部64bと、第1胴部64aから左右方向の内側に向けて延びる首部(不図示)と、首部から左右方向の内側に向けて更に延びる噛合頭部(不図示)とを有する。
第1ヒレ部64bは、第1胴部64aから左右方向の外側に向けて延出しており、また、第1段差部64eを介して第1胴部64aよりも厚さ寸法を小さくして形成されている。この第1ヒレ部64bにおける幅方向の外側に向く外側側端面は、縫製部に接触している。
第1ヒレ部64bの基端部は、エレメント基部63aの外側側縁部よりも前後方向の寸法を小さくして形成されている。更に、第1ヒレ部64bにおける前後方向の寸法は、ヒレ部63bの基端部から先端部に向けて漸減している。このように第1ヒレ部64bが形成されていることにより、縫製工程において、ミシンのミシン針を生地10及びファスナーテープ22に刺通させる間隙領域を広く確保し易くすることができる。
本実施例2の第1ヒレ部64bは、図7に示すように、第1ヒレ部64bの厚さ寸法を左右方向の外側に向けて漸減させる第1傾斜部64fを有する。この第1傾斜部64fにより、例えば縫製加工を行ったときに、縫製部(下糸)が一時的に第1ヒレ部64bに対して上下方向で重なって載置されたとしても、縫製部が左右方向の外側に向かって移動することを促して、縫製部を第1ヒレ部64bよりも左右方向の外側に配置し易くすることができる。またその結果、縫製部を第1ヒレ部64bの外側側端面に接触させ易くすることができる。
第2エレメント部65は、図2に示すように、ファスナーテープ22に直接固定される第2胴部65aと、第2胴部65aから左右方向の外側に向けて延びる第2ヒレ部65bと、第2胴部65aから左右方向の内側に向けて延びるエレメント頭部とを有する。
第2ヒレ部65bは、第2胴部65aから左右方向の外側に向けて延出しており、また、第2段差部65dを介して第2胴部65aよりも厚さ寸法を小さくして形成されている。第2ヒレ部65bにおける幅方向の外側に向く外側側端面と、生地10のストリンガー取付縁部11(特に、二重部15)とは、互いに接触している。ファスナーエレメント63の第2ヒレ部65bと生地10のストリンガー取付縁部11とが接触した状態は、前後方向に沿って形成される縫製部によって保持されている。
本実施例2のファスナーエレメント63において、第2ヒレ部65bは、第1ヒレ部64bに対し、ファスナーテープ22を基準にして上下方向に対称な形状を有する。このため、第2ヒレ部65bの基端部は、エレメント基部63aの外側側縁部よりも前後方向の寸法を小さくして形成されている。また、第2ヒレ部65bにおける前後方向の寸法は、ヒレ部63bの基端部から先端部に向けて漸減している。
本実施例2の第2ヒレ部65bは、第2ヒレ部65bの厚さ寸法を左右方向の外側に向けて漸減させる第2傾斜部65eを有する。これにより、二重部15の第1ストリップ部16を、第2ヒレ部65bの上に上下方向に重なり難くすることができる。
本実施例2のスライドファスナー60について、左右のエレメント列67がスライダー40のエレメント案内路に挿通している場合に、スライダー胴体41の肩口側端部において、ファスナーエレメント63のエレメント基部63aの左右方向外側を向く側面がスライダー40の上フランジ45及び下フランジ46の内壁面に当接しない状態で、ファスナーテープ22のテープ長さ方向に直交する断面を見たときの断面図を図7に示す。また、本実施例2では、前述の実施例1と同様に、上述のような状態を、図7の状態又は図7に示す状態と略記することがある。
この図7に示す状態において、ファスナーエレメント63のヒレ部63bと、スライダー胴体41の上フランジ45及び下フランジ46との位置関係を見たときに、本実施例2のファスナーエレメント63は、ヒレ部63bの先端部が上フランジ45及び下フランジ46の内壁面よりもスライダー胴体41の外側に位置するように形成されている。この場合、ファスナーエレメント63の第1段差部64e及び第2段差部65dは、上フランジ45及び下フランジ46の内壁面よりもスライダー胴体41の内側に位置している。
更に本実施例2では、図7に示す状態において、ヒレ部63bの先端部が、上フランジ45及び下フランジ46の外壁面よりもスライダー胴体41の外側に位置するように形成されている。すなわち、本実施例2のヒレ部63bは、前述の実施例1のヒレ部23bよりも、エレメント基部63aからテープ幅方向に長く形成されている。
ヒレ部63bが、上述のように上フランジ45及び下フランジ46の外壁面よりもスライダー胴体41の外側に位置するように形成されていることにより、スライドファスナー60でスライダー40を摺動させるときに、生地10のストリンガー取付縁部11(二重部15)が、スライダー胴体41の挿通間隙47内に入り込むことを安定して防止できる。
また本実施例2では、前述の実施例1と同様にエレメント最大幅W1及び合計ヒレ幅を規定した場合、本実施例2のヒレ部63bは、エレメント最大幅W1に対する合計ヒレ幅の割合が40%未満となる大きさで形成されている。具体的に説明すると、本実施例2の場合、エレメント最大幅W1に対する合計ヒレ幅の割合は、38%となる。これにより、ヒレ部63bがテープ幅方向に長くなり過ぎることを防止して、ヒレ部63bがスライドファスナー60及びスライドファスナー付き衣服2の見栄え及び外観品質に与える影響を小さく抑えることができる。
このような本実施例2のスライドファスナー付き製品2は、前述の実施例1のスライドファスナー付き製品1を製造する場合と実質的に同様の方法を用いて製造することが可能である。
以上のような本実施例2のスライドファスナー付きの衣服2では、ファスナーストリンガー61と生地10とを縫い合わせる縫製部によって、生地10のストリンガー取付縁部11の位置が固定され、ストリンガー取付縁部11がファスナーエレメント63の第2ヒレ部65bに接触した状態を安定して保持できる。これにより、ファスナーテープ22が、左右方向におけるファスナーエレメント63と生地10との間で外部に露呈することを防止できる。
更に、各ファスナーエレメント63のヒレ部63bは、上述したエレメント最大幅W1に対する合計ヒレ幅の割合が40%未満となるように形成されている。このため、ファスナーエレメント63のヒレ部63bが、スライドファスナー60及びスライドファスナー付き衣服2の見栄え及び外観品質に与える影響を小さく抑えることができる。従って、本実施例2のスライドファスナー付き衣服2によれば、衣服2のデザイン性及び外観品質等が、ファスナーテープ22及びファスナーエレメント63によって損なわれ難くすることができる。
更に、スライドファスナー60が図7に示した状態に保持されたときに、ファスナーエレメント63のヒレ部63bの先端部は、スライダー胴体41の上フランジ45及び下フランジ46の外壁面よりも、スライダー胴体41の外側に位置している。
これにより、本実施例2のようにファスナーエレメント63のヒレ部63bと生地10のストリンガー取付縁部11とが接触している場合でも、スライダー胴体41の挿通間隙47に生地10のストリンガー取付縁部11が入り込むことを阻止できるため、スライダー40の摺動時に、ストリンガー取付縁部11がスライダー胴体41に引っ掛かること及び噛み込むことを安定して防止できる。
なお、前述した実施例1及び実施例2では、衣服1,2の裏面側において、縫製部12がファスナーエレメント23,63の第1ヒレ部26b,64bに接触して設けられている。しかし本考案では、衣服の裏面側において、縫製部が、ファスナーエレメントの第1ヒレ部から僅かに離間した位置に設けられていてもよい。この場合でも、衣服の表面側では、縫製部によってストリンガー取付縁部(二重部)の位置を固定して、ストリンガー取付縁部がファスナーエレメントの第2ヒレ部に接触又は近接した状態を保持できる。このため、ファスナーテープが、ファスナーエレメントと生地との間で外部に露呈することを防止又は抑制することが可能となる。
なお、本考案は、以上に説明した実施例1及び実施例2に限定されるものではなく、本考案と実質的に同一な構成を有し、かつ、同様な作用効果を奏しさえすれば、多様な変更が可能である。
例えば実施例1及び実施例2のスライドファスナー20,60では、ファスナーエレメント23,63が、合成樹脂の射出成形によって、それぞれが独立した形状でファスナーテープ22に設けられている。しかし、本考案では、合成樹脂製のファスナーエレメントの代わりに、それぞれが独立した形状で形成される複数の金属製のファスナーエレメントをファスナーテープに設けることによって、ファスナーストリンガー及びスライドファスナーが形成されていてもよい。
1,2 スライドファスナー付き衣服(スライドファスナー付き製品)
10 ファスナー被着部材(生地)
11 ストリンガー取付縁部
12 縫製部
13 交絡部
15 二重部
16 第1ストリップ部
17 折り曲げ部
18 第2ストリップ部
20 スライドファスナー
21 ファスナーストリンガー
22 ファスナーテープ
22a テープ本体部
22b 芯紐部
23 ファスナーエレメント
23a エレメント基部
23b ヒレ部
24 第1エレメント部
24a 第1胴部
24b 第1ヒレ部
24c 首部
24d 噛合頭部
24e 第1段差部
25 第2エレメント部
25a 第2胴部
25b 第2ヒレ部
25c エレメント頭部
25d 第2段差部
27 エレメント列
31 間隙領域
32 エレメント領域
40 スライダー
41 スライダー胴体
42 上翼板
43 下翼板
44 連結柱
45 上フランジ
46 下フランジ
47 挿通間隙
60 スライドファスナー
61 ファスナーストリンガー
63 ファスナーエレメント
63a エレメント基部
63b ヒレ部
64 第1エレメント部
64a 第1胴部
64b 第1ヒレ部
64e 第1段差部
64f 第1傾斜部
65 第2エレメント部
65a 第2胴部
65b 第2ヒレ部
65d 第2段差部
65e 第2傾斜部
67 エレメント列
W1 エレメント最大幅
W2 ヒレ部におけるテープ幅方向の寸法

Claims (8)

  1. 複数のファスナーエレメント(23,63)がファスナーテープ(22)に設けられてエレメント列(27,67)が形成される一対のファスナーストリンガー(21,61)と、前記エレメント列(27,67)に摺動可能に取り付けられるスライダー(40)とを有するスライドファスナー(20,30)であって、
    前記スライダー(40)は、互いに離間して配される上翼板(42)及び下翼板(43)と、前記上翼板(42)及び前記下翼板(43)間を連結する連結柱(44)と、前記上翼板(42)及び前記下翼板(43)の少なくとも1つの側縁部から延びるフランジ(45,46)とを備えるスライダー胴体(41)を有し、
    前記スライダー胴体(41)には、前記上翼板(42)及び前記下翼板(43)間にY字状に形成されるエレメント案内路と、前記連結柱(44)を間に挟んで前記連結柱(44)の側方に設けられる一対の肩口と、前記スライダー胴体(41)の側縁部に設けられるとともに前記エレメント案内路に連通する挿通間隙(47)とが設けられ、
    各前記ファスナーエレメント(23,63)は、前記ファスナーテープ(22)のテープ厚さ方向における寸法が一定である部分を備えるエレメント基部(23a,63a)と、前記エレメント基部(23a,63a)から前記ファスナーテープ(22)のテープ内側に向けて延び、且つ、前記テープ厚さ方向における寸法が段差部を介して前記エレメント基部(23a,63a)よりも小さくなるヒレ部(23b,63b)とを有し、
    前記エレメント列(27,67)が前記エレメント案内路に挿通している前記スライダー胴体(41)の肩口側端部において、前記ファスナーテープ(22)のテープ長さ方向に直交する断面を見たときに、前記ファスナーエレメント(23,63)の前記エレメント基部(23a,63a)の左右方向外側を向く側面が前記スライダー(40)の前記フランジ(45,46)の内壁面に当接しない状態で、前記ヒレ部(23b,63b)の先端部が前記フランジ(45,46)の内壁面よりも前記スライダー胴体(41)の外側に位置し、
    一対の前記エレメント列(27,67)が噛合した状態において、噛み合わせられた2つの前記ファスナーエレメント(23,63)における前記ファスナーテープ(22)のテープ幅方向の寸法の最大値をエレメント最大幅(W1)と規定し、2つの前記ファスナーエレメント(23,63)の前記ヒレ部(23b,63b)における前記テープ幅方向の寸法(W2)の合計を合計ヒレ幅と規定したときに、前記エレメント最大幅(W1)に対する前記合計ヒレ幅の割合が40%未満である
    ことを特徴とするスライドファスナー。
  2. 前記スライダー胴体(41)の前記肩口側端部において、前記ファスナーテープ(22)のテープ長さ方向に直交する断面を見たときに、前記ファスナーエレメント(23,63)の前記エレメント基部(23a,63a)の左右方向外側を向く側面が前記スライダー(40)の前記フランジ(45,46)の内壁面に当接しない状態で、前記ヒレ部(23b,63b)の先端部が前記フランジ(45,46)における前記テープ幅方向の中心位置よりも前記スライダー胴体(41)の外側に位置する
    請求項1記載のスライドファスナー。
  3. 前記ヒレ部(23b,63b)における前記テープ長さ方向の寸法は、前記ヒレ部(23b,63b)の先端部に向けて漸減している
    請求項1記載のスライドファスナー。
  4. 前記ヒレ部(23b,63b)の基端部における前記テープ長さ方向の寸法は、前記エレメント基部(23a,63a)の前記ヒレ部(23b,63b)が接続する側の側縁部における前記テープ長さ方向の寸法よりも小さい
    請求項1記載のスライドファスナー。
  5. 前記ヒレ部(23b,63b)における前記ファスナーテープ(22)の前記テープ厚さ方向の寸法は、前記ヒレ部(23b,63b)の先端部に向けて漸減している
    請求項1記載のスライドファスナー。
  6. 請求項1~5の何れかに記載の前記スライドファスナー(20,30)と、前記ファスナーストリンガー(21,61)が縫製糸で形成される縫製部(12)によりストリンガー取付縁部(11)に取り付けられているファスナー被着部材(10)とを有する
    ことを特徴とするスライドファスナー付き製品。
  7. 前記ストリンガー取付縁部(11)は、前記テープ長さ方向に直交する断面視において、U字状に折り曲げられている二重部(15)を有し、
    前記二重部(15)は、前記断面視において、前記ファスナーテープ(22)に少なくとも一部が接する第1ストリップ部(16)と、前記第1ストリップ部(16)から延びるとともに折り曲げられた形状を有する折り曲げ部(17)と、前記折り曲げ部(17)から延びるとともに前記第1ストリップ部(16)に重ねられて配される第2ストリップ部(18)とを有し、
    前記縫製部(12)の一部は、前記二重部(15)における前記第1ストリップ部(16)と前記第2ストリップ部(18)との間に挟まれて配され、
    前記二重部(15)は、前記縫製部(12)により、前記ファスナーエレメント(23,63)の少なくとも一部に接触する位置で前記ファスナーテープ(22)に固定されている
    請求項6記載のスライドファスナー付き製品。
  8. 前記二重部(15)の前記テープ厚さ方向における寸法は、前記スライダー(40)の前記挿通間隙(47)の間隔よりも大きい
    請求項7記載のスライドファスナー付き製品。
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