JP3243712B2 - 家具等に用いる車輪装置 - Google Patents

家具等に用いる車輪装置

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JP3243712B2
JP3243712B2 JP17023398A JP17023398A JP3243712B2 JP 3243712 B2 JP3243712 B2 JP 3243712B2 JP 17023398 A JP17023398 A JP 17023398A JP 17023398 A JP17023398 A JP 17023398A JP 3243712 B2 JP3243712 B2 JP 3243712B2
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工 桜井
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    • A47FURNITURE; DOMESTIC ARTICLES OR APPLIANCES; COFFEE MILLS; SPICE MILLS; SUCTION CLEANERS IN GENERAL
    • A47CCHAIRS; SOFAS; BEDS
    • A47C7/00Parts, details, or accessories of chairs or stools
    • A47C7/002Chair or stool bases
    • A47C7/006Chair or stool bases with castors

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  • Chair Legs, Seat Parts, And Backrests (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は椅子の脚部等に取り
付けられる車輪装置に関するものであって、特にその形
状の薄型化を達成することのできる新規な構造を具えた
家具等に用いる車輪装置に係るものである。
【0002】
【発明の背景】例えば児童等の用いる学習机用椅子等に
は着座時以外における椅子の移動を行いやすいように車
輪装置が取り付けられているものがある。このものの多
くは車輪については不使用時にのみ車輪が下方に突出す
るとともに、着座時には車輪が椅子の脚下面まで退去し
て車輪の転動作用がなされない退却式の車輪装置が用い
られることが多い。そして退却式に構成された車輪装置
であっても椅子に対する取り付け態様が種々あり、椅子
脚部の側面に取り付ける横付タイプや脚下面に取付孔を
ほり込み、ここに嵌め込むほり込みタイプ等が製品の目
的に応じて選択的に提供されている。
【0003】ところでこのうちの例えば横付式の車輪装
置にあっては、従来、本出願人の有する特許第2654
906号に開示された技術思想や更にこれを製品化した
製品が知られている。このものは車輪が退却式であるこ
とに因み、車輪とこれを支持する軸受枠とを具えた車輪
体は上下方向における可動状態が円滑になされることを
狙って結果的に車輪を付勢するコイルスプリング以外は
樹脂材料によって構成していた。このためこの従来型に
あっては、機能的に優れてはいるものの厚み方向寸法が
ある一定の大きさになることを免れ得ない。因みにこの
種の椅子に横付けする際の車輪装置は外観面での不整合
や移動時に側部に極端な突起状態に形成されると他の部
材にぶつかったり、更には使用者がぶつかったりする点
でも、その厚みは薄い方が好ましい。
【0004】更に従来型のような比較的厚み方向寸法が
大きくなりがちな車輪装置にあっては図12に示すよう
に、横付式であるために必然的にその取付部と車輪が接
地する位置とが間隔寸法D1に示すように大きくずれて
いるため、その取付ビス等を抜き出すような方向に荷重
がかかることもあり、この点でも厚み方向寸法を薄くし
て車輪をできるだけ取付部材近くに寄せて取り付けてお
くことができる車輪装置が望まれていた。
【0005】しかしながら従来は上下の退却動作を円滑
に行う観点から樹脂製素材を統一的に用いて形成してい
たこともあって、薄型化の要請には充分に応え切れてい
ない面があった。
【0006】ところでこのような薄型化をこの種の横付
式の車輪装置で追求するとなると、ケーシング自体の強
度的な低下を派生的に生ずるおそれも否定できない。こ
のためケーシングにはその内部を中空状とした収納部に
対し連通する開口を車輪の出没用の開口部以外に設けな
い方が、ケーシング形状の全体的な薄型化あるいは素材
自体の薄肉化を達成しながらも強度低下を来さない点で
好ましい。
【0007】一方ケーシングに収容される車輪体にあっ
ても薄肉化のために軸受枠を例えば厚み方向寸法を狭く
した門形断面の金属枠とすることも考慮されるが、金属
部材を樹脂ケーシング内で摺動させるとなると相互の摺
動はできるだけ円滑に且つ正確な姿勢を保つような配慮
が要求されてくる。周知のとおり表面強度(硬度)に著
しい差がある金属と樹脂とでは両者の不用意なこすれ合
いがあると、いわゆるこじりにまで発展して円滑な動き
が阻害されるからである。
【0008】このため車輪体の付勢部材であるセットス
プリングと、車輪体において直接セットスプリングと当
接する軸受枠との関係に注目すると、軸受枠の厚み方向
寸法を狭く設定したとはいえ、その厚み方向寸法のまま
セットスプリングのスプリング径を設定したのでは軸受
枠に対するセットスプリングによる安定的な付勢を行い
得ない。加えてセットスプリングにおけるコイル径が大
きい方がスプリングのバネレート等の選択の面で設計的
な許容度が大きい。このためセットスプリング径はでき
るだけ大きくする方が望ましいものであるが、仮にセッ
トスプリング径を大きくとるとなると、従来の技術常識
では、軸受枠の厚み方向寸法もそれに従って大きくな
り、且つそれを受け入れるケーシングも大型化せざるを
得ず、それでは当初のいわゆる薄型化の要請にも応える
ことができない。このため結果的にはセットスプリング
を受け入れる部位でのケーシングにおける構造の工夫も
必要となってくる。
【0009】更にまた組立作業の面からの配慮として、
ケーシング下方の開口から車輪体を圧入状態に挿入して
組み立てるとなると、挿入前にケーシング内に組み付け
ておくセットスプリングの安定的な待機がなされていな
ければならず、この点を満足させる構成でなければなら
ない。更にまたこの種の車輪装置は使用時における車輪
からのビビリ音等の異音が時に発生するものであるが、
このような騒音の解消も目下求められているのである。
【0010】もちろん、このような背景は横付式の車輪
装置において顕著に指摘されるところであるが、コンパ
クト化(薄型化)の要請については横付式の車輪装置に
限らず、他の形式のものにも該当するものである。すな
わち被取付体に形成された嵌込穴に対して嵌め込まれる
いわゆる掘り込みタイプないしはルータタイプと称され
るもの、更には自在キャスタータイプのもの等において
も同様に薄型化の要請が存在するのである。
【0011】
【開発を試みた技術的課題】本発明はこのような車輪装
置薄型化の達成という技術目標の下、派生的に生ずる上
記課題、すなわちスリム化を達成しつつも強度低下のな
いケーシング構造の案出、スリム化に伴い安定を欠きが
ちな車輪体を安定的に作動させるためのセットスプリン
グ形状の案出、更にはセットスプリング形状に因んだケ
ーシング内部構造の案出、更には組立手法がケーシング
構造により制限されることに因む組立時における安定的
保持を行うための構造の案出、更には車輪の転動時にお
ける異音を防止するための構成の案出等、これらを総合
的に解決するための新規な構成を提案することを技術課
題としたものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】すなわち請求項1記載の
家具等に用いる車輪装置は、ケーシングと、前記ケーシ
ング内の収納部に取り付けられる車輪と軸受枠とを有す
る車輪体と、この車輪体を下方に付勢するコイルスプリ
ングを適用したセットスプリングとを具え、前記車輪体
における車輪を無負荷時にはケーシング下面より突出状
態に設定するとともに、負荷時には車輪がケーシング内
に相対的に退去するようにした車輪装置において、前記
ケーシングは内部に収納部を形成した中空薄箱型の形状
を有し、且つ収納部の対向する前後の内側面にはセット
スプリングが作動姿勢を保つようにセットスプリングの
側周部においてこれを保持するスプリング保持凹部が形
成され、更に前記セットスプリングのコイル径は軸受枠
の厚み方向寸法より大きい寸法であり、一方ケーシング
の収納部内に設けられる軸受枠は、その厚み方向寸法
を、収納部における同方向寸法とほぼ同寸法として収納
部内を摺動できるように構成され、且つ前記セットスプ
リングは、その車輪側の端部が軸受枠に直接当接してい
ことを特徴とを特徴として成るものである。この発明
によれば、ケーシング自体は収納部に連通する開口部を
下面にのみ開口させることによって、薄型化且つ薄肉化
した場合であっても充分な強度が確保され、また車輪体
を付勢するためのスプリングはその側周部から保持され
ており、組立時あるいは付勢時におけるスプリングの安
定的な作用が図られる。またセットスプリングによる軸
受枠への当接位置がより広範囲に設定できるから、スプ
リングの付勢作用が安定的に軸受枠に伝達される。
【0013】また請求項2記載の家具等に用いる車輪装
置は、前記請求項1記載の要件に加え、前記ケーシング
は、一体成型構造であることを特徴として成るものであ
る。この発明によれば、ケーシングの強度がより発揮さ
れる。
【0014】更に請求項3記載の家具等に用いる車輪装
置は、前記請求項1または2記載の要件に加え、前記ス
プリング保持凹部は、このものにおける両側縁である保
持凸部によって相対的に基準内面より凹嵌した状態とさ
れるとともに、前記スプリング保持凹部にほぼ隣接する
軸受枠のスライドガイドの一側縁を形成するものである
ことを特徴として成るものである。この発明によれば、
スプリング保持凹部を実質的に形成する保持凸部は隣接
するスライドガイドの一側縁を形成するものであり、合
理的な断面形状が得られる。
【0015】更にまた請求項4記載の家具等に用いる車
輪装置は、前記請求項1、2または3記載の要件に加
え、前記車輪は、そのハブ部において外輪部より厚み方
向寸法を大きく形成したことを特徴として成るものであ
る。この発明によれば、車輪が回転する場合においてそ
のハブ部のみが軸受枠に接触するものであり、車輪の外
輪部の接触に起因するいわゆるビビリ音等の騒音が可及
的に少なく抑えられる。
【0016】更にまた請求項5記載の家具等に用いる車
輪装置は、前記請求項1、2、3または4記載の要件に
加え、前記ケーシングは、被取付体に対し、横付け状態
に取り付けられるものであるとを特徴として成るもので
ある。この発明によれば、被取付体たる椅子脚部におけ
る側方への張り出しをより小さくすることができる。
【0017】更にまた請求項6記載の家具等に用いる車
輪装置は、前記請求項1、2、3または4記載の要件に
加え、前記ケーシングは、被取付体に形成された嵌込穴
に対し嵌め込まれて取り付けられるものであることを特
徴として成るものである。この発明によれば、被取付体
たる椅子脚部における嵌込穴を小さくでき、ひいては脚
部部材の寸法(幅寸法)をより小さいものにも適用でき
ることとなる。
【0018】更にまた請求項7記載の家具等に用いる車
輪装置は、前記請求項1、2、3または4記載の要件に
加え、前記ケーシングは、キャスタピンを具えており、
被取付体に対し自在キャスタ状に可動状態に取り付けら
れるものであることを特徴として成るものである。この
発明によれば、より薄型の自在キャスタ型の車輪装置が
実現できる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下本発明を図示の実施の形態に
基づき説明する。符号1は本発明たる車輪装置であっ
て、このものは家具等に取り付けられて用いられる。例
えば図1に示すように椅子10における着座部11を支
持する脚部12に対し一例としてその側面に取り付けら
れている。本発明はこのような横付式の車輪装置1とし
て具体化することが一つの好適な例であり、以下このタ
イプのものを例として説明するが、本発明は後述するよ
うに必ずしも横付式の車輪装置に限られるものではな
く、被取付体の嵌込穴に嵌め込んで取り付けられる嵌込
式の車輪装置あるいは自在キャスタタイプの車輪装置で
あっても適用できる。
【0020】車輪装置1は、図2に示すように大別して
薄型箱状のケーシング2とそのケーシング2内に収納さ
れる車輪体3と、この車輪体を下方に付勢するためのセ
ットスプリング4とを主要部材としている。
【0021】まずケーシング2について述べると、この
ものは適宜の樹脂を射出成形により形成することが好ま
しい形状を有するものであって、一例としてほぼ正矩形
状を成す前面板20とそれに対向する背面板21と、更
に前面板20と背面板21とを一体化するように連設さ
れる左右一対の妻面板22と、更に上方を塞ぐように構
成した上面板23とによって薄型の中空箱状に形成され
ているものである。そして前記背面板21にはこれを幅
方向左右に張り出すように取付フランジ24を設け、こ
の取付フランジにはビス等を受け入れる取付孔24Aを
設ける。なおこのケーシング2をはじめとして横付式の
車輪装置1においては車輪体3の転動方向を幅方向と定
義し、その寸法を幅方向寸法と定義し、一方それと直交
する方向を厚み方向と定義し、その寸法を厚み方向寸法
と定義する。
【0022】このようなケーシング2には前記前面板2
0、背面板21、妻面板22、上面板23によって実質
的に囲まれるように内部に中空状の収納部25を形成す
るものであり、ここに前記車輪体3が出没自在に収納さ
れるのである。この収納部25はケーシング2の下面側
に形成した開口部26において車輪体3の組み付けに寄
与するための外部との連通状態が確保されている。
【0023】収納部25は前面板20と背面板21のそ
れぞれの基準内面25Sに対しそれより凹嵌した状態に
スプリング保持凹部27が形成されるものであり、その
形成状態は前記開口部26側から上面板23に至るまで
の長溝状に構成されている。なおこのスプリング保持凹
部27は、その下方の範囲は後述する車輪体3における
車軸31の受入部としても機能している。因みにこのス
プリング保持凹部27を区画するためには、両側に実質
的に保持凸部28が構成されるものであり、この保持凸
部28は前記車輪体3を上下方向に摺動させるための溝
状のスライドガイド29の一方の縁部となるようなリブ
状に構成されている。なお前記スプリング保持凹部27
を更に深く形成することによって後述する組立状態にお
いてより大径のセットスプリング4の受け入れが可能と
なる。このためセットスプリングの大径化を可能な限り
追求した設計とした場合、図6に示すようにスプリング
保持凹部27は、ケーシング2における前面板20とは
背面板21とのいずれか一方または双方が窓状に開口す
る状態に形成される場合がある。
【0024】またこのスライドガイド29については前
面板側スライドガイド29Aについてはケーシング2の
下端から上面板23近くまで一連に形成されるものであ
り、一方、背面板21側にあっては長孔として背面板2
1を貫いた窓状に構成されている。従って後述するが、
背面板側スライドガイド29Bの下端はケーシング2に
対し車輪体3を組み込んだときの抜け止めのストッパ部
29Cとして作用しているのである。
【0025】また図7に示すようにケーシング2の背面
板21の下端縁内側には、前記ストッパ部29Cの下方
延長線上に後述する車輪体3の組み立ての便を考慮した
案内凹部29Dを形成しておくことが好ましい。なお断
面形状は図7(a)のようにいわゆる角凹穴状に削成し
たもののほか、図7(b)に示すようにテーパー状とし
たものであってもよい。
【0026】以上述べたケーシング2は前面板20並び
に背面板21と一体化した取付フランジ24の形状を前
面板20側から見て矩形状としているが、必ずしもこの
形状に限定されるものではない。例えば図8に示すよう
にケーシング形状は上部両隅角部を切り欠いたような形
状等をとり得る。更にまたケーシング2の好ましい形態
はすでに述べたような全体が一体成型されたものである
が、車輪装置1を完成させる途中で複数のケーシング2
の各構成部材が組み立てられて目的とする形状をとるこ
とももとより差し支えない。具体的には本出願人の有す
る特許第2654906号、実用新案登録第20715
59号、実用新案登録第2511730号に開示される
ケーシング構造のようなものである。更にケーシング2
の平面視形状についても余剰空間を可及的に排除し、例
えば図9に示すような正面側の上部側縁を取り去ったよ
うな形状としてもよい。
【0027】次に車輪体3について説明する。車輪体3
は車輪30と車軸31を介して車輪30を支持する軸受
枠32とを主要部材として構成される。まず車輪30は
ハブ部30Aを中心とし、その外部に外輪部30Bを有
するものであり、一例として樹脂製材料により構成され
る。そして請求項5で定義し且つ図5で示すようにこの
ハブ部30Aの厚み方向寸法d1を外輪部30Bの厚み
方向寸法d2より大きく設定している。一方、軸受枠3
2について説明すると、このものは車輪30の転動方向
からみて薄型の門形形状を成すものであり、上面枠33
から側面枠34が下方に延長形成されたような形状を有
するものであり、一例として金属素材をプレス成形して
構成する。もちろん強度的な要請等に応え得るのであれ
ば軸受枠32は金属素材に限定されるものではない。そ
してこの軸受枠32は一例として前後左右方向対象の形
状を有するものであり、その側面枠34の下方中央には
前記車軸31を受け入れるための軸受孔35を形成する
とともに、側面枠34にノック片36が形成される。こ
のノック片36はケーシング2内における車輪体3の上
下のスライド動作の案内部材として作用するとともに、
前述のケーシング2におけるストッパ部29Cと共働し
て車輪体の抜け出しを防ぐ作用をしている。従ってその
作用をバランスよく円滑にするため、あるいは前後左右
勝手を共通にするため両側面板にそれぞれ二カ所ずつ形
成されているが、少なくとも上下スライドの案内作用を
奏し得る限り、その形成態様を異ならせてもよい。
【0028】次にセットスプリング4について説明す
る。このものはコイルスプリングを適用するものであ
り、そのスプリング外径は図10に拡大して示すように
前記軸受枠32の厚み方向寸法を超えて、それらより大
きな寸法に設定されている。
【0029】本発明の家具等に用いる車輪装置1は以上
述べたような具体的な構成部材を有するものであり、ま
ずその組立手法について説明した後、その作動状態につ
いて説明する。
【0030】(1)構成部品 この車輪装置1は部品点数としてはケーシング2と車輪
体3を構成している車輪30、車軸31、軸受枠32及
び車輪体3を付勢するためのセットスプリング4の五点
であり、次のような組み立てがなされる。
【0031】(2)セットスプリングの挿入 まずセットスプリング4をケーシング2内に挿入する。
この作業はケーシング2におけるスプリング保持凹部2
7の位置にセットスプリング4を開口部から挿入する。
もちろんこのような作業は機械的なロボット、マニュピ
レータ等による作業でも充分であるが、手作業による作
業であっても差し支えない。このときこの実施の形態で
はスプリング保持凹部27の深さ(厚み方向における寸
法)と幅方向寸法との関係から、それぞれ前面板20と
背面板21との保持凸部28とスプリング保持凹部27
とのほぼ六点でセットスプリング4が位置決め状態に保
持されたような状態となっている。もちろん要はセット
スプリング4が実用上、充分な範囲で倒伏しないような
状態にセットされればよいから、この寸法設定は適宜許
容量を見込んだ寸法設定とすることができる。いずれに
してもセットスプリング4の外径は収納部の基準内面2
5S間の厚み方向寸法よりも大きなものが適用できるの
である。
【0032】(3)車輪体の組み付け 一方、車輪体3の組み付けは車輪30を前記軸受枠32
の側面枠34内に位置させた状態で車軸31を側面枠3
4の軸受孔35から車輪30のハブ部30Aを貫通させ
て組み立てるようにする。なおこのとき車軸31の厚み
方向寸法(長さ寸法)は軸受枠32の厚み方向寸法より
長く設定されている。
【0033】 (4)車輪体のケーシングへの組み付け このような状態とした後の組立作業は、図3に示すよう
に前記ケーシング2の開口部26から車輪体3を車輪が
外側に向くような状態で軸受枠32を収納部25に対し
て押し入れるように組み付ける。このとき軸受枠32に
は逆爪状のノック片36が形成されているから、挿入方
向にはノック片36の外側上部の傾斜面が収納部25を
内側から外側に幾分か押し広げる作用を円滑に果たし、
そのまま押し込みがなされる。この押し込みが進むとノ
ック片36がケーシング2における背面板側スライドガ
イド29Bに入り込むのである。このときはすでに軸受
枠32はその上面枠33に前記セットスプリング4の下
面が当接した状態であり、下方への付勢を受けて車輪体
3をケーシング2の開口部26から押し出そうとするの
であるが、このとき背面板側スライドガイド29Bにお
ける下端のストッパ部29Cがその抜け出しを阻止し、
完成状態となるのである。
【0034】(5)使用時における作動 このような完成状態の横付式の車輪装置1は、その作動
状態においては次のような特徴的な作動がなされる。ま
ずセットスプリング4は軸受枠32の厚み方向寸法より
大きなスプリング径を有しているから、軸受枠32の上
面枠33に接触作用する位置は充分広い範囲で確保され
る。従って軸受枠32は安定的に広い面でセットスプリ
ング4の付勢を受けるのである。更にまたそれととも
に、セットスプリング4自体は常にスプリング保持凹部
27によって確実に直立状態を維持しているから、車輪
30の退去動作等を受けてもセットスプリング4が不安
定にいわば腰折れ状態になったり、倒れ込むようなこと
がなく、セットスプリング4の付勢方向が常に安定した
ものが維持されているのである。またこの実施の形態で
は軸受枠32に形成したノック片36がそれぞれケーシ
ング2における前面板20、背面板21の内面において
二条ずつ計四カ所の案内がされており、これによっても
軸受枠32の安定的な摺動が図られているのである。ま
た車輪30の接地位置と車輪装置1の取付面との間隔寸
法D2は図12に示すように従来型に比して小さくな
り、より安定的な取り付けがなされている。
【0035】更に図5に示すように車輪30が転動する
に際し請求項5で定義したとおりに車輪30のハブ部3
0Aを外輪部30Bより幅方向寸法を大きく設定してお
けば、この部分が軸受枠32と当接し、車輪30と軸受
枠32とが擦れ合う共鳴音が外輪部30Bの接触音に比
べかなり抑えられることとなり、低騒音での車輪30の
転動が可能となっているのである。
【0036】
【他の実施の形態】本発明は以上述べたような横付式の
車輪装置1として適用できるほか、図11(a)に示す
ような被取付体たる椅子10の脚部12の下面に嵌込穴
12Aを形成し、ここに嵌め込むことができる嵌込式の
車輪装置1にも同様に適用できる。更にまた図11
(b)に示すものは、本発明を自在キャスタ型の車輪装
置1に適用したものであり、このものにはケーシング2
の隅部上方にキャスタピン2Pを突出形成する。なお椅
子10の脚部12にこの型の車輪装置1を取り付けるに
あたっては、前記キャスタピン2Pを脚部12の受入部
材に対し直接嵌め込んだり、あるいは図示を省略するが
キャスタピン上端に脚部12への取付フランジを具えさ
せ、取り付けを行うようにする。
【0037】
【発明の効果】本発明は以上述べたような技術的内容を
有するものであり、以下のような効果を奏する。まず請
求項1記載の発明によれば、ケーシング2自体は収納部
25に連通する開口部26を下面にのみ開口させること
によって、薄型化且つ薄肉化が達成できる。また薄型化
した場合であっても充分な強度が確保できる。また車輪
体3を付勢するためのスプリングはその側周部から保持
されており、組立時あるいは付勢時におけるスプリング
の作用の安定が図られる。またセットスプリング4によ
る軸受枠32への当接位置がより広範囲に設定できるか
ら、スプリングの付勢作用を安定的に軸受枠32に伝達
させることが可能である。
【0038】また請求項2記載の発明によれば、ケーシ
ング2の強度がより発揮される。
【0039】更に請求項3記載の発明によれば、スプリ
ング保持凹部27を実質的に形成する保持凸部28は隣
接するスライドガイド29の一側縁を形成するものであ
り、合理的な断面形状が得られる。
【0040】更にまた請求項4記載の発明によれば、車
輪30が回転する場合においてそのハブ部30Aのみが
軸受枠32に接触するものであり、車輪30の外輪部3
0Bの接触に起因するいわゆるビビリ音等の騒音が可及
的に少なく抑えられる。
【0041】更にまた請求項5記載の発明によれば、被
取付体たる椅子脚部における側方への張り出しをより小
さくすることができる。
【0042】更にまた請求項6記載の発明によれば、被
取付体たる椅子脚部における嵌込穴12Aを小さくで
き、ひいては脚部部材の寸法(幅寸法)をより小さいも
のにも適用できることとなる。
【0043】更にまた請求項7記載の発明によれば、よ
り薄型の自在キャスタ型の車輪装置1が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の車輪装置を具えた椅子の斜視図であ
り、(a)は椅子を示し、(b)は車輪装置の分解斜視
図である。
【図2】本発明の車輪装置の分解説明図である。
【図3】本発明の車輪装置の組立説明図である。
【図4】本発明の車輪装置の底面図である。
【図5】本発明の車輪装置の断面図であり、(a)は横
断面図であり、(b)は縦断面図である。
【図6】本発明の他の実施の形態を示す説明図である。
【図7】本発明の車輪装置の他の実施の形態を示す縦断
面図である。
【図8】本発明の他の実施の形態を示す正面図である。
【図9】本発明の他の実施の形態を示す斜視図である。
【図10】本発明の車輪装置の横断面図である。
【図11】本発明の他の実施の形態を示す斜視図であ
り、(a)は嵌込式車輪装置を示し、(b)は自在キャ
スター型車輪装置を示す。
【図12】従来型車輪装置と本発明車輪装置との比較側
面図である。
【符号の説明】
1 車輪装置 2 ケーシング 2P キャスタピン 3 車輪体 4 セットスプリング 10 椅子 11 着座部 12 脚部 12A 嵌込穴 20 前面板 21 背面板 22 妻面板 23 上面板 24 取付フランジ 24A 取付孔 25 収納部 25S 基準内面 26 開口部 27 スプリング保持凹部 28 保持凸部 29 スライドガイド 29A 前面板側スライドガイド 29B 背面板側スライドガイド 29C ストッパ部 29D 案内凹部 30 車輪 30A ハブ部 30B 外輪部 31 車軸 32 軸受枠 33 上面枠 34 側面枠 35 軸受孔 36 ノック片 D1 間隔寸法 D2 間隔寸法 d1 厚み方向寸法(ハブ部) d2 厚み方向寸法(外輪部)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−216605(JP,A) 実開 昭60−127205(JP,U) 実開 昭53−164469(JP,U) 実開 平4−108401(JP,U) 実開 平3−98101(JP,U) 特許2654906(JP,B2) 実公 昭49−23021(JP,Y2) 実公 昭51−35742(JP,Y2) 実公 平6−12966(JP,Y2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60B 33/00 - 33/06 A47C 7/00

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケーシングと、前記ケーシング内の収納
    部に取り付けられる車輪と軸受枠とを有する車輪体と、
    この車輪体を下方に付勢するコイルスプリングを適用し
    たセットスプリングとを具え、前記車輪体における車輪
    を無負荷時にはケーシング下面より突出状態に設定する
    とともに、負荷時には車輪がケーシング内に相対的に退
    去するようにした車輪装置において、前記ケーシングは
    内部に収納部を形成した中空薄箱型の形状を有し、且つ
    収納部の対向する前後の内側面にはセットスプリングが
    作動姿勢を保つようにセットスプリングの側周部におい
    てこれを保持するスプリング保持凹部が形成され、更に
    前記セットスプリングのコイル径は軸受枠の厚み方向寸
    法より大きい寸法であり、一方ケーシングの収納部内に
    設けられる軸受枠は、その厚み方向寸法を、収納部にお
    ける同方向寸法とほぼ同寸法として収納部内を摺動でき
    るように構成され、且つ前記セットスプリングは、その
    車輪側の端部が軸受枠に直接当接していることを特徴と
    する家具等に用いる車輪装置。
  2. 【請求項2】 前記ケーシングは、一体成型構造である
    ことを特徴とする請求項1記載の家具等に用いる車輪装
    置。
  3. 【請求項3】 前記スプリング保持凹部は、このものに
    おける両側縁である保持凸部によって相対的に基準内面
    より凹嵌した状態とされるとともに、前記スプリング保
    持凹部にほぼ隣接する軸受枠のスライドガイドの一側縁
    を形成するものであることを特徴とする請求項1または
    2記載の家具等に用いる車輪装置。
  4. 【請求項4】 前記車輪は、そのハブ部において外輪部
    より厚み方向寸法を大きく形成したことを特徴とする請
    求項1、2または3記載の家具等に用いる車輪装置。
  5. 【請求項5】 前記ケーシングは、被取付体に対し、横
    付け状態に取り付けられるものであるとを特徴とする請
    求項1、2、3または4記載の家具等に用いる車輪装
    置。
  6. 【請求項6】 前記ケーシングは、被取付体に形成され
    た嵌込穴に対し嵌め込まれて取り付けられるものである
    ことを特徴とする請求項1、2、3または4記載の家具
    等に用いる車輪装置。
  7. 【請求項7】 前記ケーシングは、キャスタピンを具え
    ており、被取付体に対し自在キャスタ状に可動状態に取
    り付けられるものであることを特徴とする請求項1、
    2、3または4記載の家具等に用いる車輪装置。
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