JP3243220U - 包装展示兼用箱 - Google Patents

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Abstract

【課題】展示された展示品の姿勢を安定させることができる包装展示兼用箱を提供する。【解決手段】包装形態から展示形態F2に変形可能に構成される包装展示兼用箱1は、正面壁10、背面壁11および一対の側面壁12を含む筒体1Tと、設置面と平行に設けられる底部と、筒体1Tの上面開口を閉じる蓋体1Cと、を備え、正面壁10は、第1折返し線L11によって区画され、蓋体1Cは、筒体1Tの上端に蓋破断線40を介して連設される蓋本体壁17と、蓋本体壁17の先端に連設される蓋差込片と、を有し、展示形態F2に変形する場合に、蓋体1Cは蓋破断線40で筒体1Tから分離され、正面壁10の上側部分が第1折返し線L11に沿って筒体1Tの内部に折り返され、蓋体1Cは、蓋本体壁17の破断縁部40Eを第1折返し線L11に当接させ、且つ蓋差込片の先端を底部に当接させることで棚部1Dを構成する。【選択図】図7

Description

実用新案法第11条において準用する特許法第30条第2項適用申請有り 令和5年3月31日に月桂冠株式会社に販売
本考案は、商品を包装する包装形態から展示品を展示する展示形態に変形可能に構成される包装展示兼用箱に関する。
前壁、一対の側壁、後壁および底壁を連設し、後壁の上端から蓋板を延出させ、商品を傾斜させて展示する包装展示兼用箱(紙箱)が知られている(特許文献1)。蓋板には、元折線、中折線および先折線が形成され、元折線に接して元差片が設けられている。蓋板の両側縁には、先差片が突設されている。また、後壁と底壁の稜部には元差穴が設けられ、底壁と両側壁の稜部には先差穴が設けられている。蓋板を開いて後壁沿いに折り返し、元差片を元差穴に差し込み、蓋板の元折線より先端側を中折線で前方へ山折りし、先折線より先端側を底壁に沿わせ、先差片を先差穴に差し込むと、底壁の後部が上昇位置に支持される。つまり、蓋板が略三角柱状に折られて底壁の後部を設置面から持ち上げる脚となり、紙箱全体(底壁)が前傾姿勢になる。
特開2001-322630号公報
しかしながら、上記した包装展示兼用箱では、商品を展示する底壁も前傾姿勢となるため、底壁上の商品が前方に倒れたり、底壁の傾斜に沿って滑り落ちたりすることもあり、展示された商品(展示品)の姿勢を安定させることが困難であった。
本考案は、上記事情を考慮し、展示された展示品の姿勢を安定させることができる包装展示兼用箱を提供する。
本考案は、商品を包装する包装形態から展示品を展示する展示形態に変形可能に構成される包装展示兼用箱であって、正面壁、背面壁および一対の側面壁を含み、筒状に形成される筒体と、前記筒体の下面開口を閉塞した状態で設置面と平行に設けられる底部と、前記筒体の上面開口を開閉可能に設けられる蓋体と、を備え、前記正面壁は、横向きに伸長する折返し部によって上下方向に区画され、前記蓋体は、前記筒体の上端に蓋破断線を介して連設され、前記包装形態において前記上面開口を閉じる蓋本体壁と、前記蓋本体壁の先端に連設され、前記包装形態において前記筒体の内部に差し込まれる蓋差込片と、を有し、前記包装形態から前記展示形態に変形する場合に、前記蓋体は、前記蓋本体壁を前記蓋破断線に沿って破断することで前記筒体から分離され、前記正面壁の上側部分が一対の前記側面壁から分離された状態で前記折返し部に沿って前記筒体の内部に折り返されることで、前記正面壁が前記背面壁よりも低くなり、前記筒体から分離された前記蓋体は、前記筒体の内部に配置され、前記蓋本体壁の破断縁部を前記折返し部に当接させ、且つ前記蓋本体壁に対して下方に折曲した前記蓋差込片の先端を前記底部に当接させることで、前記展示品を載置する棚部を構成し、前記棚部に載置された前記展示品は、前記背面壁の上端に立て掛けられる。
この場合、前記側面壁には、前記折返し部の端部から前記背面壁との境界までの間に側面破断線が形成され、前記側面破断線は、前方から後方に向かって上方に傾斜した部分を含み、前記包装形態から前記展示形態に変形する場合に、前記側面壁が前記側面破断線に沿って破断されることで、前記側面壁の上側部分が除去され、前記棚部に載置された前記展示品は、前記背面壁の上端、または一対の前記側面壁の下側部分の破断縁部に立て掛けられるとよい。
この場合、前記背面壁の下部に形成され、前記包装形態から前記展示形態に変形する場合に、前記背面壁から後方に切り起こされて前記設置面に接触する少なくとも1つの傾倒防止片を更に備えているとよい。
この場合、前記蓋差込片に形成され、前記蓋体が前記棚部を構成した状態において、前記蓋差込片から切り起こされて前記蓋本体壁から後方に突出し、前記傾倒防止片を切り起こした後に前記背面壁に開口した係合穴に係合する少なくとも1つの棚凸部を更に備えているとよい。
この場合、前記蓋体が前記棚部を構成した状態において、前記折返し部に沿って折り返された前記正面壁は前記蓋差込片よりも高く形成され、前記蓋本体壁は前方から後方に向かって下方に傾斜した姿勢とされているとよい。
本考案によれば、展示された展示品の姿勢を安定させることができる。
本考案の一実施形態に係る包装展示兼用箱を示す斜視図である。 本考案の一実施形態に係る包装展示兼用箱のブランクを示す平面図である。 本考案の一実施形態に係る包装展示兼用箱の組立手順を説明する斜視図である。 本考案の一実施形態に係る包装展示兼用箱に商品を収容する過程を説明する斜視図である。 本考案の一実施形態に係る包装展示兼用箱を包装形態から展示形態に変形する過程を説明する斜視図である。 本考案の一実施形態に係る包装展示兼用箱において棚部を形成する過程を説明する斜視図である。 本考案の一実施形態に係る包装展示兼用箱を展示形態にし、展示品を縦置きした状態を示す斜視図である。 図7のVIII-VIII断面図である。 本考案の一実施形態に係る包装展示兼用箱を展示形態にし、展示品を横置きした状態を示す斜視図である。 図9のX-X断面図である。 本考案の一実施形態の変型例に係る包装展示兼用箱を示す斜視図である。
以下、添付の図面を参照しつつ、本考案の実施形態について説明する。なお、図面に示すFr、Rr、L、R、U、Dは、前、後、左、右、上、下を示している。前後方向、左右方向および上下方向は互いに直交している。本明細書では方向や位置を示す用語を用いるが、それらの用語は説明の便宜のために用いるものであって、本考案の技術的範囲を限定するものではない。また、方向や位置を示す用語は、主に、包装展示兼用箱を使用する際における方向や位置を基準にしている。
[包装展示兼用箱]
図1および図2を参照して、本実施形態に係る包装展示兼用箱1について説明する。図1は包装展示兼用箱1を示す斜視図である。図2は包装展示兼用箱1のブランク1Aを示す平面図である。
図1に示すように、包装展示兼用箱1は、全体として略直方体状に形成されている。包装展示兼用箱1は、概ね角筒状に形成される筒体1Tと、筒体1Tの下面開口を閉塞する底部1Bと、筒体1Tの上面開口を開閉可能に設けられる蓋体1Cと、を備えている。詳細は後述するが、包装展示兼用箱1は、商品M1を包装する包装形態F1(図1参照)から展示品M2を展示する展示形態F2(後述する図7参照)に変形可能に構成されている。なお、本実施形態では、一例として、商品M1は飲料缶であり、展示品M2はスマートフォンであるが、これらに限らず、例えば、商品M1は瓶やペットボトル等であってもよいし、展示品M2は写真やポストカード等であってもよい。また、包装展示兼用箱1(筒体1T)には、2つの商品M1が左右に並べられて収容されるものとする。
包装展示兼用箱1(包装形態F1)は、図2に示すブランク1Aから組み立てられる。ブランク1Aは、1枚の紙製の段ボールシートを抜型等で打ち抜いて形成されている。段ボールシートは、例えば、波状の中しん9Aに表ライナ9B(表面)と裏ライナ9C(裏面)(図1も参照)とを貼り合せた両面段ボールシートである。なお、図2は、表ライナ9B側(表面)を示している。本明細書では、段ボールシートの中しん9Aと平行な方向を「段方向」と呼び、段方向に直交する方向を「流れ方向」と呼ぶこととする。図面に示す「X」は「段方向」を示し、「Y」は「流れ方向」を示している。
[ブランク]
図2に示すように、ブランク1Aは、正面壁10と、背面壁11と、一対の側面壁12と、一対の第1底壁13と、一対の第2底壁14と、一対の内フラップ15と、蓋体1Cと、を備えている。なお、一対の側面壁12および一対の内フラップ15は、それぞれ、正面壁10を中心に略線対称となる形状であるため、本明細書では、主に、1つの側面壁12および1つの内フラップ15について説明する。また、一対の第1底壁13は互いに略同一形状であるため、本明細書では、主に、1つの第1底壁13について説明する。これと同様の理由で、本明細書では、主に、1つの第2底壁14について説明する。
<正面壁、背面壁、側面壁>
正面壁10および背面壁11は、それぞれ、全体として段方向(上下方向)を長辺とする略長方形状に形成されている。側面壁12は、正面壁10等よりも流れ方向に幅の狭い略長方形状に形成されている。正面壁10・背面壁11と、一対の側面壁12とは、第1折曲線L1を介して流れ方向に交互に連設されている。背面壁11の流れ方向の一端には、第1折曲線L1を介して継代片16が連設されている。
<正面壁の詳細>
正面壁10の段方向の中央領域には、正面開口部20が形成されている。詳細には、正面開口部20は、正面壁10から一対の側面壁12の一部に亘って穿設されている。正面開口部20は、全体として流れ方向を長辺とする略長方形状に形成されている。正面開口部20の上縁部(段方向の一端)は、下方(段方向の他方)に膨らむ円弧状に形成されている。
正面壁10は、流れ方向(横向き)に伸長する第1折返し線L11(折返し部)と第2折返し線L12とによって段方向(上下方向)に区画されている。詳細には、正面壁10は、正面下壁21と、正面上壁22と、正面内壁23と、積層底壁24と、に区画されている。
正面下壁21は下側に設けられ、正面上壁22は正面開口部20を挟んで正面下壁21よりも上側に設けられている。すなわち、正面下壁21と正面上壁22とは、正面開口部20によって段方向(上下方向)に隔てられている。正面下壁21および正面上壁22は、それぞれ、流れ方向を長辺とする略長方形状に形成されている。正面下壁21の下端には、第2底壁14との境界から下方に突き出すように一対の脚凸部21Aが形成されている。一対の脚凸部21Aは、互いに流れ方向に離間した位置で、第2底壁14に食い込むように略台形状の切目を入れることで形成されている。
正面内壁23と積層底壁24とは、正面下壁21と正面上壁22との間に架け渡されるように正面開口部20の内側に配置されている。正面内壁23と積層底壁24との流れ方向の両側では、正面開口部20の流れ方向の両側が開口している。つまり、正面内壁23(正面壁10の上側部分)と積層底壁24とは、一対の側面壁12から分離された状態とされている。
正面内壁23は、第1折返し線L11を介して正面下壁21の上端に連設されている。正面内壁23は略長方形状に形成されており、その段方向の寸法(高さ)は正面下壁21の高さよりも僅かに短く、その流れ方向の寸法(幅)は正面下壁21の幅よりも短く設定されている。第1折返し線L11は、正面開口部20の下縁部に相当する位置に形成されている。正面下壁21には、第1折返し線L11から上方に突き出すように第1凸部25が形成されている。第1凸部25は、正面下壁21の流れ方向の中央領域から正面内壁23に食い込むように略台形状の切目を入れることで形成されている。なお、第1凸部25には第1折返し線L11は形成されていない。
積層底壁24は、第2折返し線L12を介して正面内壁23の先端に連設されている。積層底壁24は略長方形状に形成されており、その段方向の寸法は正面内壁23の高さよりも長く、その流れ方向の寸法(幅)は正面内壁23の幅と同一に設定されている。積層底壁24の先端は、正面開口部20の上縁部に突き合わされており、正面開口部20の上縁部に沿うような円弧状に形成されている。
<側面壁の詳細>
側面壁12には、第1折返し線L11の流れ方向の端部から側面壁12の後端(組み立てた状態で、背面壁11との境界)までの間に側面破断線26が形成されている。側面破断線26は、前方から後方に向かって上方(内フラップ15側)に傾斜した部分を含んでいる。詳細には、側面破断線26は、第1折返し線L11の流れ方向(左右方向)の端部から背面壁11側に向けて僅かに下方に傾斜しながら伸長した後、側面壁12の流れ方向(前後方向)の中央付近まで急激に上方に傾斜しながら伸長し、側面壁12の流れ方向の中央付近から後端まで流れ方向と略平行(略水平)に伸長している。つまり、側面破断線26は、2つの変曲点Pを有するクランク状(略Z字状)に形成されている。側面破断線26の正面壁10側の一部は、正面開口部20の下角部分の縁部を構成しており、側面破断線26の他の部分は、間隔をあけて複数の略へ字状(L字状)の切目を並設した所謂ジッパーである。側面破断線26の水平部分(傾斜部分の上端)は、側面壁12の段方向(上下方向)の中央付近に形成されており、正面下壁21(第1折返し線L11)よりも上方に位置している。
<背面壁の詳細>
背面壁11には、側面破断線26の流れ方向の端部(後端)から継代片16との境界(第1折曲線L1)までの間に背面破断線27が形成されている。背面破断線27は、間隔をあけて複数の直線状の切目を並設した所謂ミシン刃線である。背面破断線27は、背面壁11の段方向(上下方向)の中央付近で、背面壁11を流れ方向(左右方向)に横断するように略水平に形成されている。なお、継代片16にも、背面破断線27と同一直線上に2つの継切目16Aが形成されている
背面壁11の下部(第2底壁14側)には、一対の傾倒防止片30が形成されている。一対の傾倒防止片30は、背面壁11を流れ方向(左右方向)に二等分にする中心線(図示せず)を挟んで互いに流れ方向に離間した位置に形成されている。各々の傾倒防止片30は概ね円環形状を1/4に分割したような扇形状に形成され、一対の傾倒防止片30は背面壁11の中心線を軸として線対称に形成されている。各々の傾倒防止片30は、段方向に延びる片折線L5と、片折線L5から流れ方向の外側に膨出するように入れられた片切断線31(例えば、ミシン刃線)と、によって区画されている。なお、各々の傾倒防止片30(片切断線31)の下端は、背面壁11と第2底壁14との境界を僅かに越えて第2底壁14に形成されている。
<第1底壁>
第1底壁13は、第2折曲線L2を介して側面壁12の下端に連設されている。第1底壁13は基端から先端に向かって徐々に先細る略台形状に形成されている。第1底壁13の段方向の寸法(延出寸法)は、側面壁12の流れ方向の寸法の半分程度に設定されている。
<第2底壁>
一対の第2底壁14は、第2折曲線L2を介して正面壁10(正面下壁21)の下端および背面壁11の下端に連設されている。第2底壁14は概ね長方形状に形成され、第2底壁14の段方向の寸法(延出寸法)は第1底壁13の延出寸法よりも長く設定されている。第2底壁14の先端側には、噛合凹部35が略三角形状に切り欠かれている。第2底壁14には、噛合凹部35から第2底壁14の角部に向かって傾斜折線L4が斜めに形成され、傾斜折線L4によって底接着部36が区画されている。
<内フラップ>
内フラップ15は、第3折曲線L3を介して側面壁12の上端に連設されている。内フラップ15は、基端から先端に向かって徐々に先細る略台形状に形成されている。内フラップ15の段方向の寸法(延出寸法)は、第2底壁14の延出寸法と略同等とされている。
<蓋体>
蓋体1Cは、正面壁10(正面上壁22)の上端に連設されている。蓋体1Cは、蓋本体壁17と、蓋差込片18と、を有している。
蓋本体壁17は、正面壁10(正面上壁22)の上端に蓋破断線40を介して連設されている。蓋本体壁17は、正面壁10と流れ方向の幅を略同一にする略長方形状に形成されている。蓋本体壁17の段方向の寸法は、側面壁12の流れ方向の寸法と略同一とされている。蓋破断線40は、間隔をあけて複数の直線状の切目を並設した所謂ミシン刃線である。蓋本体壁17の略中央領域には、第2凸部41が形成されている。第2凸部41は、先端側に向かって徐々に流れ方向に幅狭くなる略台形状の切目によって区画されている。第2凸部41の基端部には、略台形状の切目の両端を結ぶように立上げ折線L6が形成されている。なお、立上げ折線L6の中央付近には、第2凸部41に僅かに食い込むように突出した補助切目41Aが形成されている。
蓋差込片18は、蓋本体壁17の先端に差込折曲線L7を介して連設されている。蓋差込片18は、蓋本体壁17と流れ方向の幅を略同一にする略長方形状に形成されている。蓋差込片18の段方向の寸法は、正面下壁21(脚凸部21Aと第1凸部25とを除く。)の段方向の寸法よりも短く(略半分に)設定されている。蓋差込片18の流れ方向(左右方向)の両側には、差込折曲線L7に沿うように略L字状に屈曲した切目が切り込まれている。
蓋差込片18には、一対の棚凸部42が形成されている。一対の棚凸部42は、蓋差込片18を流れ方向に二等分にする中心線(図示せず)を挟んで互いに流れ方向に離間した位置に形成されている。各々の棚凸部42は略長方形状に形成され、一対の棚凸部42は蓋差込片18の中心線を軸として線対称に形成されている。一対の棚凸部42は、差込折曲線L7から段方向の先端側に突き出すように入れられた凸切断線43(例えば、ミシン刃線)によって区画されている。各々の棚凸部42の流れ方向の外側には、略フック状の爪部42Aが突設されている。
第1~第3折曲線L1~L3、第1折返し線L11、片折線L5、立上げ折線L6および差込折曲線L7は、それぞれ、段ボールシートを裏ライナ9C側から厚み方向に潰した汎用罫線である。なお、片折線L5の中央部には1つの切目が入れられている。傾斜折線L4は、段ボールシートを表ライナ9B側から厚み方向に潰した逆罫線である。第2折返し線L12は、汎用罫線上にミシン刃線を形成したリード罫である。上記した各種の折曲線は、汎用罫線、逆罫線、リード罫に限らず、段ボールシートを所望の向きに折り曲げるための構造であれば如何なるものでもよい。
[包装展示兼用箱の組立]
次に、図1、図3および図4を参照して、包装展示兼用箱1の組立手順(封緘手順)の一例について説明する。図3は包装展示兼用箱1の組立手順を説明する斜視図である。図4は包装展示兼用箱1に商品M1を収容する過程を説明する斜視図である。なお、本明細書では、裏ライナ9Cを内側に向けるように段ボールシートを折り曲げることを「正折り」と呼び、表ライナ9Bを内側に向けるように段ボールシートを折り曲げることを「逆折り」と呼ぶこととする。また、図示は省略するが、組み立て前の初期状態の包装展示兼用箱1は、平坦に折り畳まれている。具体的には、第1底壁13および第2底壁14が第2折曲線L2に沿って内側に略180度正折りされ、第2底壁14の底接着部36が傾斜折線L4で略180度逆折りされる。ブランク1Aの流れ方向の両外側に位置する背面壁11と側面壁12とが第1折曲線L1で略180度正折りされ、継代片16が反対側の側面壁12の裏面(裏ライナ9C)に接着され、底接着部36が第1底壁13の表面(表ライナ9B)に接着される。以上によって、包装展示兼用箱1は二重に折り畳まれた初期状態になる。
作業者は折り畳まれた包装展示兼用箱1を組み立てる。具体的には、作業者は、正面壁10・背面壁11に対して一対の側面壁12を直交させるように第1折曲線L1に沿って折り曲げる。図3に示すように、正面壁10・背面壁11と一対の側面壁12とは、周方向に交互に連設されて角筒状の筒体1Tを形成する。筒体1Tを形成する過程で、一対の第1底壁13と一対の第2底壁14とは、逆折りされた一対の底接着部36を伸ばしながら下方に押し出され、一対の噛合凹部35を互いに噛み合わせ、筒体1Tの下面開口を閉塞する底部1Bとなる。底部1Bは、筒体1Tの形成に伴って自動的に形成される所謂ワンタッチ底である。なお、この時点では、筒体1Tの上面開口は開放されている。
底部1Bは、筒体1Tの下面開口を閉塞した状態で、包装展示兼用箱1を設置する設置面GL(後述する図8参照)と平行に設けられる。また、正面下壁21の一対の脚凸部21Aと、背面壁11の一対の傾倒防止片30の下端部とは、底部1B(第2底壁14)よりも僅かに下方に突出しており、設置面GLに当接する脚となる。なお、本明細書において、「平行」との用語は、完全に平行であることを要求する意味ではなく、若干の傾き(誤差)を許容する意味である。
次に、作業者は、正面内壁23を第1折返し線L11に沿って内側に折り返し(正折りし)、積層底壁24を第2折返し線L12に沿って逆折りする。図4に示すように、正面内壁23は正面下壁21の裏面に対向し、積層底壁24は底部1B上に積層される。正面内壁23および積層底壁24が筒体1Tの内部に折り込まれることで、正面壁10から一対の側面壁12の前部にかけて正面開口部20が大きく開放される。また、正面内壁23(正面壁10の上側部分)を第1折返し線L11に沿って折り返すことで、第1凸部25が正面内壁23(正面壁10)から抜け出して、相対的に正面下壁21の上端から上方に突出する。なお、積層底壁24は、正面壁10を構成するものであるが、底部1Bの一部を構成するものと捉えてもよい。
続いて、作業者は、筒体1Tの上面開口から内部に2つの商品M1(例えば、飲料缶)を収容する(図4参照)。2つの商品M1は、底部1B(積層底壁24)上に載置される。次に、作業者は、一対の内フラップ15を第3折曲線L3に沿って内向きに正折りした後、蓋差込片18(一対の棚凸部42)を差込折曲線L7に沿って正折りし、蓋本体壁17を蓋破断線40に沿って正折りする。蓋差込片18は背面壁11の裏面に沿って筒体1Tの内部に差し込まれ、蓋本体壁17は筒体1Tの上面開口の略全部を閉じる(図1参照)。
以上によって、包装展示兼用箱1の組立(封緘)が完了し、包装展示兼用箱1は商品M1を包装した包装形態F1になる(図1参照)。包装形態F1において、商品M1の一部は正面開口部20から露出している(図1参照)。なお、商品M1と取り出す場合、ユーザ(作業者)は、蓋差込片18を筒体1Tの内部から引き抜きながら蓋本体壁17を上方に回動させ、筒体1Tの上面開口を開放することで、商品M1を取り出すことができる。
[包装形態から展示形態への変形]
次に、図5ないし図8を参照して、包装展示兼用箱1を包装形態F1から展示形態F2に変形する手順について説明する。図5は包装展示兼用箱1を包装形態F1から展示形態F2に変形する過程を説明する斜視図である。図6は包装展示兼用箱1において棚部1Dを形成する過程を説明する斜視図である。図7は包装展示兼用箱1を展示形態F2にし、展示品M2を縦置きした状態を示す斜視図である。図8は、図7のVIII-VIII断面図である。
商品M1の取り出し後、空き箱になった包装展示兼用箱1は、包装形態F1から展示品M2を展示するための展示形態F2に変形可能に構成されている。なお、本明細書では、説明の便宜上、展示形態F2にされた包装展示兼用箱1を「展示台1S」と呼ぶこともある。
包装展示兼用箱1を包装形態F1から展示形態F2に変形する場合、ユーザ(作業者)は、開かれた蓋体1Cを掴んで引っ張り、蓋本体壁17を蓋破断線40に沿って破断(切断)する。図5に示すように、蓋体1Cは、蓋本体壁17を蓋破断線40に沿って破断することで筒体1Tから分離される。
次に、ユーザは、正面開口部20の上縁部(正面上壁22)を掴み、正面上壁22を上斜め後方に引っ張り、一対の側面壁12を側面破断線26に沿って破断(切断)し、背面壁11を背面破断線27に沿って破断(切断)する。図5に示すように、側面壁12が側面破断線26に沿って破断されることで、正面上壁22および側面壁12の上側部分が除去され、背面壁11が背面破断線27に沿って破断されることで、背面壁11の上側部分が除去される。これにより、包装展示兼用箱1の下側部分、具体的には、底部1B、正面下壁21、正面内壁23、積層底壁24、側面壁12の下側部分および背面壁11の下側部分が残される。
ここで、正面内壁23(正面壁10の上側部分)が第1折返し線L11に沿って筒体1Tの内部に折り返されているため、正面上壁22を除去された正面壁10は、正面内壁23を正面下壁21の裏面に対向させた二重壁構造となる(図6および図8参照)。二重壁構造とされた正面壁10は、上側部分を除去された背面壁11(の下側部分)よりも低くなっている。なお、正面内壁23には第1折返し線L11まわりに復元力が働くため、正面内壁23は、正面下壁21に平行に対向するわけではなく、第1折返し線L11から後方に向かって下方に傾斜した姿勢とされている(図8も参照)。また、積層底壁24の自由端が背面壁11の裏面に当接することで、正面内壁23が開き過ぎることが抑制される(図8も参照)。
次に、ユーザは、背面壁11の一対の傾倒防止片30を、片切断線31に沿って破断させながら、片折線L5に沿って外側(後方)に折り曲げる(逆折りする)。一対の傾倒防止片30は、背面壁11から後方に切り起こされて設置面GLに接触する(図6および図8参照)。また、一対の傾倒防止片30を切り起こした後、背面壁11には一対の係合穴32が開口する(図6参照)。
次に、ユーザは、筒体1Tから分離された蓋体1Cの蓋差込片18を差込折曲線L7に沿って正折りし、一対の棚凸部42を凸切断線43に沿って破断させながら蓋差込片18から切り起こす。図6に示すように、一対の棚凸部42は、蓋差込片18から切り起こされて、蓋本体壁17と略同一平面をなすように伸ばされ、蓋本体壁17から後方に突出する。なお、図6では、蓋本体壁17に形成された第2凸部41が、立上げ折線L6に沿って逆折りされて引き起こされている。第2凸部41が引き起こされると、補助切目41Aに沿って刳り貫かれた突起部が第2凸部41の基端部に干渉するため、第2凸部41が起立姿勢に維持される。
次に、ユーザは、筒体1Tから分離された蓋体1Cを筒体1Tの内部(一対の側面壁12の間)に配置する。蓋体1Cは、表面を上方に向け、且つ蓋差込片18を後方に向けた姿勢とされる。ユーザは、一対の棚凸部42を背面壁11に開口した一対の係合穴32に差し込み、蓋差込片18の先端(下端)を底部1B(または積層底壁24)に突き当て、蓋本体壁17の破断縁部40Eを二重壁構造とされた正面壁10の上端(第1折返し線L11での折曲部分)に載せる。図7および図8に示すように、蓋本体壁17は、底部1B(積層底壁24)との間に空間を挟み、二重壁構造とされた正面壁10の上端と底部1B上に起立した蓋差込片18との間に架設される。蓋本体壁17は、平面から見て、底部1B(積層底壁24)の略全部を覆っている。また、蓋本体壁17の表面(天面)は、一対の側面壁12に形成された正面開口部20の下縁部(一対の側面破断線26の前側の輪郭)と略同一の高さとされている(図7および図8等参照)。
以上のように、蓋体1Cは、蓋本体壁17の破断縁部40Eを第1折返し線L11に当接させ、且つ蓋本体壁17に対して下方に折曲した蓋差込片18の先端を底部1Bに当接させることで、展示品M2を載置する棚部1Dを構成する。蓋体1Cが棚部1Dを構成した状態において、第1折返し線L11に沿って折り返された正面壁10は蓋差込片18よりも高く形成されているため、蓋本体壁17は前方から後方に向かって下方に傾斜した姿勢とされている。また、第1凸部25は、棚部1Dを構成した蓋本体壁17よりも上方に突出している。また、蓋体1Cが棚部1Dを構成した状態において、棚凸部42は係合穴32を貫通し、棚凸部42の爪部42Aは係合穴32の左右方向の外側縁部に係合する。また、係合穴32を貫通した棚凸部42は、傾倒防止片30に干渉し、傾倒防止片30を後方に開いた状態に保持する。
以上によって、包装展示兼用箱1が包装形態F1から展示形態F2に変形し、展示台1Sが完成する(図7および図8参照)。
[展示台の使用法]
図7ないし図10を参照して、展示台1S(展示形態F2にされた包装展示兼用箱1)の使用法について説明する。図9は包装展示兼用箱1を展示形態F2にし、展示品M2を横置きした状態を示す斜視図である。図10は、図9のX-X断面図である。
図8および図10に示すように、展示台1Sは、例えば、テーブルの天板等の設置面GL上に設置される。正面壁10の一対の脚凸部21Aおよび背面壁11の一対の傾倒防止片30が設置面GLに接触し、底部1Bが設置面GLと平行に設けられる。なお、底部1Bの一部が設置面GLに接触することもある(図示せず)。展示品M2(例えば、スマートフォン)は、展示台1Sの棚部1D(蓋本体壁17)上に載置される。なお、展示品M2の一例であるスマートフォンは、縦に長い略長方形状に形成されており、展示品M2の縦寸法は、一対の側面壁12の間隔よりも長く設定され、展示品M2の横寸法は、一対の側面壁12の間隔よりも短く設定されているものとする。また、本明細書では、展示品M2を縦に長い姿勢で棚部1D上に置くことを「縦置き」と呼び、展示品M2を横に長い姿勢で棚部1D上に置くことを「横置き」と呼ぶこととする。また、本実施形態では、商品M1と展示品M2とが互いに異なる品物であるが、これに限らず、商品M1と展示品M2とが同一の品物であってもよい。つまり、商品M1を展示品M2として展示してもよい。
<展示品を縦置きする場合>
図7および図8に示すように、展示品M2を縦置きする場合、展示品M2は一対の側面壁12の間に配置され、展示品M2の下端部全体が棚部1Dに接触する。棚部1Dに載置された展示品M2は、背面壁11の上端(背面破断線27での破断縁部)に立て掛けられる。この際、蓋本体壁17から上方に突出した第2凸部41の裏面(背面)に、展示品M2の下端部が突き当てられるとよい。展示品M2は、下方から上方に向かって後方に倒れた(傾斜した)姿勢で支持される。なお、縦置きされた展示品M2の下端部は、第2凸部41に代えて、第1凸部25の裏面(背面)に突き当てられてもよい(図示せず)。展示品M2は、第2凸部41に当接した姿勢よりも、第1凸部25に当接した姿勢の方が大きく倒れた姿勢になる。なお、展示品M2の下端部は、単に蓋本体壁17の表面に当接しているだけでもよい(図示せず)。
<展示品を横置きする場合>
図9および図10に示すように、展示品M2を横置きする場合、展示品M2は一対の側面壁12の間には入らないため、展示品M2の下端部の左右方向の中間部が棚部1Dに接触し、左右方向の両側が一対の側面壁12よりも外側に延出する。棚部1Dに載置された展示品M2は、一対の側面壁12の下側部分の破断縁部26Eに立て掛けられる。詳細には、展示品M2は、側面破断線26の傾斜部分の破断縁部26Eの少なくとも上部に寄り掛かる。この際、展示品M2の下端部は、第1凸部25に突き当てられるとよいが、単に蓋本体壁17の表面に当接しているだけでもよい(図示せず)。展示品M2は、破断縁部26E(側面破断線26)の傾斜に沿って後方に倒れた(傾斜した)姿勢で支持される。なお、蓋本体壁17の第2凸部41は一対の側面壁12の破断縁部26Eの下端部よりも後方に位置するため、展示品M2の下端部が第2凸部41に突き当たることはない。
以上説明した本実施形態に係る包装展示兼用箱1では、展示形態F2にされた場合、蓋本体壁17が、二重壁構造とされた正面壁10の上端(第1折返し線L11)と、底部1Bに対し起立した蓋差込片18との間に架設される構成とした(図8および図10参照)。この構成によれば、包装展示兼用箱1が展示形態F2にされたとしても、底部1Bを傾斜させる部材が付加されることがないため、底部1Bを設置面GLと平行な姿勢に維持することができる。これにより、包装形態F1か展示形態F2かに関わらず、包装展示兼用箱1全体の姿勢も設置面GLと平行に維持されるため、棚部1Dに載置された展示品M2の姿勢を安定させることができる。
また、本実施形態に係る包装展示兼用箱1では、側面破断線26が前方から後方に向かって上方に傾斜した部分を含み、包装形態F1から展示形態F2に変形する場合に、側面壁12の上側部分が側面破断線26で破断・除去される構成とした。この構成によれば、展示形態F2にされた状態で、側面壁12の下側部分には、傾斜した破断縁部26Eが形成されるため、棚部1D(蓋本体壁17)の前側を大きく露出させることができる(図7および図9参照)。これにより、棚部1Dに載置された展示品M2を側方からでも見やすくすることができる。また、展示品M2を縦置きする場合、棚部1D上の展示品M2を背面壁11に立てかけることができ(図7参照)、展示品M2を横置きする場合、棚部1D上の展示品M2の左右両側を一対の側面壁12よりも両外側に延ばした状態で、展示品M2を一対の側面壁12の破断縁部26Eに立てかけることができる(図9参照)。このように、展示品M2の横幅寸法に関わらず、展示品M2を安定させた姿勢で棚部1D上に展示することができる。
また、本実施形態に係る包装展示兼用箱1では、包装形態F1から展示形態F2に変形する場合に、傾倒防止片30が背面壁11から後方に切り起こされて設置面GLに接触していた(図8および図10参照)。この構成によれば、例えば、展示形態F2にされた包装展示兼用箱1が背面壁11に立て掛けられた展示品M2の重さによって後方に倒れることを抑制することができる。
また、本実施形態に係る包装展示兼用箱1では、蓋体1Cが棚部1Dを構成した状態で、棚凸部42が、蓋差込片18から切り起こされて蓋本体壁17から後方に突出し、傾倒防止片30を切り起こした後に背面壁11に開口した係合穴32に係合していた。この構成によれば、傾倒防止片30が根本まわりの復元力によって元に戻ろうとすると、棚凸部42に干渉するため、傾倒防止片30の戻りを防止することができる。これにより、傾倒防止片30を背面壁11から後方に切り起こした状態を維持することができる。
また、本実施形態に係る包装展示兼用箱1によれば、棚部1Dの蓋本体壁17が前方から後方に向かって下方に傾斜しているため、背面壁11の上端等に立て掛けた展示品M2の下端部が棚部1D上を前方に滑って、展示品M2が倒れることを抑制することができる。つまり、棚部1Dに載置された展示品M2を、背面壁11の上端等に立て掛けた姿勢に維持し易くなる。また、正面下壁21と蓋差込片18との高さを適宜調整することによって、蓋本体壁17の傾斜角度を自由に変更することもできる。
また、本実施形態に係る包装展示兼用箱1では、展示形態F2にされた状態で、第1凸部25が正面下壁21の上端から上方に突設されていた。この構成によれば、背面壁11の上端等に立て掛けた展示品M2の下端部を第1凸部25に突き当てることで、展示品M2の転倒を防止することができる。
また、本実施形態に係る包装展示兼用箱1では、蓋体1Cが棚部1Dを構成した状態で、第2凸部41が蓋本体壁17から引き起こされることで上方に突出する構成とした。この構成によれば、背面壁11の上端等に立て掛けた展示品M2の下端部を第2凸部41に突き当てることで、展示品M2の転倒を防止することができる。また、第1凸部25と第2凸部41の何れか一方に展示品M2の下端部を突き当てることによって、立て掛けた展示品M2の傾斜角度を使用者の好みに応じて変更することができる。
なお、本実施形態に係る包装展示兼用箱1では、正面開口部20が正面壁10と一対の側面壁12の前側に形成されていたが、これに限らず、正面開口部20は正面壁10のみに形成されてもよい(図示せず)。また、正面壁10が、正面下壁21、正面上壁22、正面内壁23および積層底壁24の4つに区画されていたが、本考案はこれに限定されない。例えば、積層底壁24(第2折返し線L12)が省略され、正面壁10が、正面下壁21、正面上壁22および正面内壁23の3つに区画されてもよい(図示せず)。また、例えば、図11に示すように、正面上壁22と積層底壁24とが省略され、正面壁10が正面下壁21および正面内壁23の2つに区画されてもよい。つまり、正面壁10は、第1折返し線L11によって(少なくとも)上下2つに区画されていればよい。正面壁10が2つに区画された場合、正面開口部20が省略されることになるため、正面内壁23と一対の側面壁12との境界には、ミシン刃線やジッパー等の破断線を形成するとよい。
また、本実施形態に係る包装展示兼用箱1では、正面内壁23が、1本の第1折返し線L11(折返し部)を介して正面上壁22の上端に連設されていたが、本考案はこれに限定されない。例えば、正面内壁23は、間隔をあけて平行に延びる2本の第1折返し線L11を介して正面上壁22の上端に連設されてもよい(図示せず)。換言すれば、正面内壁23は、2本の第1折返し線L11の間に形成される折返し面部を介して正面上壁22の上端に連設されてもよい。この場合、2本の第1折返し線L11と折返し面部とが、折返し部の一例となる。
また、本実施形態に係る包装展示兼用箱1では、側面破断線26の一部が前方から後方に向かって上方に傾斜していたが、本考案はこれに限定されない。例えば、側面破断線26の全部が前方から後方に向かって上方に傾斜してもよい(図示せず)。展示品M2を横置きする場合に、展示品M2の左右両側を外側に延出させることができるように、側面破断線26の前側は、棚部1Dの表面(天面)と略同一面を構成するように形成されるとよい。
また、本実施形態に係る包装展示兼用箱1では、側面破断線26の後側(水平部分)が側面壁12の上下方向の中央付近に形成され、背面破断線27が背面壁11の上下方向の中央付近に形成されていたが、本考案はこれに限定されない。側面破断線26の後側および背面破断線27は、正面下壁21(正面壁10の下側部分)よりも高い位置に形成されていればよい。また、例えば、図11に示すように、側面破断線26の後側(後端)が背面壁11の上端と同一高さとされ、背面破断線27が省略されてもよい。
また、本実施形態に係る包装展示兼用箱1では、側面破断線26が、主にジッパーで構成されていたが、これに限らず、ミシン刃線等、段ボールシートを破断することができる構造であれば如何なるものでもよい。また、背面破断線27や片切断線31がミシン刃線であったが、これに限らず、ジッパー等、段ボールシートを破断することができる構造であれば如何なるものでもよい。
また、本実施形態に係る包装展示兼用箱1では、側面壁12が側面破断線26に沿って破断される構成としたが、本考案はこれに限定されない。例えば、側面壁12には、側面破断線26に代えて、前方から後方に向かって上り勾配となる折目線が形成され、包装展示兼用箱1を展示形態F2にする際、側面壁12の上側部分が折目線に沿って内側に折り返される構成としてもよい(図示せず)。また、側面破断線26や折目線を省略し、包装展示兼用箱1が展示形態F2とされた状態で、側面壁12がそのまま残る構成としてもよい(図示せず)。
また、本実施形態に係る包装展示兼用箱1では、背面壁11に一対の傾倒防止片30が形成されていたが、これに限らず、傾倒防止片30は少なくとも1つ形成されていればよい。また、例えば、底部1Bが前後方向に幅広く、展示形態F2とした包装展示兼用箱1が転倒し難い場合には、傾倒防止片30は省略されてもよい(図示せず)。
また、本実施形態に係る包装展示兼用箱1では、蓋本体壁17が正面壁10(正面上壁22)の上端に連設されていたが、本考案はこれに限定されない。例えば、蓋本体壁17は、背面壁11の上端に連設されてもよいし、一対の側面壁12のいずれか一方の上端に連設されてもよい(図示せず)。つまり、蓋本体壁17は、筒体1Tを構成する壁のいずれかの上端に連設されていればよい。また、蓋本体壁17が筒体1Tの上面開口の略全部を閉塞するように形成されていたが、これに限らず、蓋本体壁17は筒体1Tの上面開口の一部を閉じるように形成されてもよい(図示せず)。棚部1Dは、底部1Bの全部を覆うように設けられてもよいし、底部1Bの一部を覆うように設けられてもよい(図示せず)。
また、本実施形態に係る包装展示兼用箱1では、蓋差込片18に一対の棚凸部42が形成されていたが、これに限らず、棚凸部42は、傾倒防止片30に対応して形成されていればよく、少なくとも1つ形成されていればよい。また、傾倒防止片30の有無に関わらず、棚凸部42は省略されてもよい(図示せず)。
また、本実施形態に係る包装展示兼用箱1では、蓋体1Cが棚部1Dを構成した状態で、蓋本体壁17が前方から後方に向かって下り勾配とされていたが、本考案はこれに限定されない。例えば、正面下壁21と蓋差込片18との高さを略同一とし、棚部1Dの蓋本体壁17を略水平(底部1Bと略平行)としてもよい(図示せず)。
また、本実施形態に係る包装展示兼用箱1では、第1凸部25が正面下壁21に設けられ、第2凸部41が蓋本体壁17に設けられていたが、第1凸部25と第2凸部41の少なくとも一方は省略されてもよい(図示せず)。
また、本実施形態に係る包装展示兼用箱1では、底部1Bが所謂ワンタッチ底であったが、本考案はこれに限定されない。例えば、底部1Bが、筒体1Tの上面開口を閉じる構造と同様に、一対の内フラップ15と蓋体1Cとで構成されてもよい(図示せず)。他にも、例えば、底部1Bが、通常のA式の段ボール箱と同様に、一対の内フラップと一対の外フラップとを折り重ねて、一対の外フラップの突き合わせ部分に粘着テープを貼付することで閉じられる構成としてもよい(図示せず)。
また、本実施形態に係る包装展示兼用箱1は、紙製の両面段ボールシートで形成されていたが、これに限らず、片面段ボールシートや複両面段ボールシート、または厚紙、若しくは樹脂製の板(シート)等で形成されていてもよい。また、包装展示兼用箱1の各部の寸法(幅、奥行き、高さ)や形状、段ボールシート等の厚みや中しん9Aが延びる方向等は自由に変更してもよい。
なお、上記実施形態の説明は、本考案に係る包装展示兼用箱における一態様を示すものであって、本考案の技術範囲は、上記実施形態に限定されるものではない。本考案は技術的思想の趣旨を逸脱しない範囲において様々に変更、置換、変形されてもよく、実用新案登録請求の範囲は技術的思想の範囲内に含まれ得る全ての実施態様を含んでいる。
1 包装展示兼用箱
1B 底部
1C 蓋体
1D 棚部
1T 筒体
10 正面壁
11 背面壁
12 側面壁
17 蓋本体壁
18 蓋差込片
26 側面破断線
26E 破断縁部
30 傾倒防止片
32 係合穴
40 蓋破断線
40E 破断縁部
42 棚凸部
L1 第1折曲線(境界)
F1 包装形態
F2 展示形態
GL 設置面
L11 第1折返し線(折返し部)
M1 商品
M2 展示品

Claims (5)

  1. 商品(M1)を包装する包装形態(F1)から展示品(M2)を展示する展示形態(F2)に変形可能に構成される包装展示兼用箱(1)であって、
    正面壁(10)、背面壁(11)および一対の側面壁(12)を含み、筒状に形成される筒体(1T)と、
    前記筒体の下面開口を閉塞した状態で設置面(GL)と平行に設けられる底部(1B)と、
    前記筒体の上面開口を開閉可能に設けられる蓋体(1C)と、を備え、
    前記正面壁は、横向きに伸長する折返し部(L11)によって上下方向に区画され、
    前記蓋体は、
    前記筒体の上端に蓋破断線(40)を介して連設され、前記包装形態において前記上面開口を閉じる蓋本体壁(17)と、
    前記蓋本体壁の先端に連設され、前記包装形態において前記筒体の内部に差し込まれる蓋差込片(18)と、を有し、
    前記包装形態から前記展示形態に変形する場合に、前記蓋体は、前記蓋本体壁を前記蓋破断線に沿って破断することで前記筒体から分離され、前記正面壁の上側部分が一対の前記側面壁から分離された状態で前記折返し部に沿って前記筒体の内部に折り返されることで、前記正面壁が前記背面壁よりも低くなり、前記筒体から分離された前記蓋体は、前記筒体の内部に配置され、前記蓋本体壁の破断縁部(40E)を前記折返し部に当接させ、且つ前記蓋本体壁に対して下方に折曲した前記蓋差込片の先端を前記底部に当接させることで、前記展示品を載置する棚部(1D)を構成し、
    前記棚部に載置された前記展示品は、前記背面壁の上端に立て掛けられることを特徴とする包装展示兼用箱。
  2. 前記側面壁には、前記折返し部の端部から前記背面壁との境界(L1)までの間に側面破断線(26)が形成され、
    前記側面破断線は、前方から後方に向かって上方に傾斜した部分を含み、
    前記包装形態から前記展示形態に変形する場合に、前記側面壁が前記側面破断線に沿って破断されることで、前記側面壁の上側部分が除去され、
    前記棚部に載置された前記展示品は、前記背面壁の上端、または一対の前記側面壁の下側部分の破断縁部(26E)に立て掛けられることを特徴とする請求項1に記載の包装展示兼用箱。
  3. 前記背面壁の下部に形成され、前記包装形態から前記展示形態に変形する場合に、前記背面壁から後方に切り起こされて前記設置面に接触する少なくとも1つの傾倒防止片(30)を更に備えていることを特徴とする請求項1または2に記載の包装展示兼用箱。
  4. 前記蓋差込片に形成され、前記蓋体が前記棚部を構成した状態において、前記蓋差込片から切り起こされて前記蓋本体壁から後方に突出し、前記傾倒防止片を切り起こした後に前記背面壁に開口した係合穴(32)に係合する少なくとも1つの棚凸部(42)を更に備えていることを特徴とする請求項3に記載の包装展示兼用箱。
  5. 前記蓋体が前記棚部を構成した状態において、前記折返し部に沿って折り返された前記正面壁は前記蓋差込片よりも高く形成され、前記蓋本体壁は前方から後方に向かって下方に傾斜した姿勢とされていることを特徴とする請求項1または2に記載の包装展示兼用箱。
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