JP3242691U - 製造装置、ゴムコンパウンドシートの製造装置、及び、ゴムコンパウンドシート - Google Patents

製造装置、ゴムコンパウンドシートの製造装置、及び、ゴムコンパウンドシート Download PDF

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Abstract

【課題】コンプレッション成形法に適用した場合に、材料由来で領域ごとに色分けされたようなゴム製品を得るのに使用できるゴムコンパウンドシートの製造のためのゴムコンパウンドバルク体を製造し得る製造装置の提供。【解決手段】ゴムコンパウンドバルク体を保持する表面を備えるテーブル1と、断面が略矩形の長尺のゴムコンパウンド紐を押出す複数のヘッド10と、駆動機構8と、を備え、複数のヘッドは、それぞれ異なる成分のゴムコンパウンド紐を表面に向けて押出し、駆動機構は、押出されたゴムコンパウンド紐が表面に沿って並ぶよう、ゴムコンパウンド紐が表面、又は、すでにテーブル上に載置されたゴムコンパウンド紐に接触した際に、相対位置を水平方向に移動させる。【選択図】図1

Description

本考案は、製造装置、ゴムコンパウンドシートの製造装置、及び、ゴムコンパウンドシートに関する。
ゴム製品の成形方法として、特許文献1に記載されるようなコンプレッション(直圧)成形法が知られている。コンプレッション成形は、素練りした平板状のゴム生地(ゴムコンパウンドシート)を1つ又は複数のキャビティを有する金型で成形する方法である。成形には、対向面を有する一対の金型、例えば、上金型と下金型とが用いられる。
ゴムコンパウンドシートは、例えば、下金型上に配置され、これを型締めして押圧することで、ゴムコンパウンドシートが変形してキャビティ形状に対応した外観をしたゴム製品が得られる。
特開平1-271210号公報
コンプレッション成形法では、予め準備されたゴム生地を金型で押圧して成形するために、多色成形、すなわち、材料由来で領域ごとに色分けされたようなゴム製品を得るのは難しかった。
そこで本考案は、コンプレッション成形法に適用した場合に、材料由来で領域ごとに色分けされたようなゴム製品を得るのに使用できるゴムコンパウンドシートの製造のためのゴムコンパウンドバルク体を製造し得る、製造装置の提供を課題とする。
また、本考案は、ゴムコンパウンドシートの製造装置、及び、ゴムコンパウンドシートの提供も課題とする。
本考案者は、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、以下の構成により上記課題を解決することができることを見出した。
[1] 厚み方向に沿って所定の幅に薄切りすることで、コンプレッション成形に使用し得るゴムコンパウンドシートを製造できる、ゴムコンパウンドバルク体を製造するための製造装置であって、完成した上記ゴムコンパウンドバルク体を保持する表面を備えるテーブルと、上記表面の上方から、上記表面に向けて、断面が略矩形の長尺のゴムコンパウンド紐を押出す複数のヘッドと、上記ヘッドと上記テーブルとの相対位置を調整可能な駆動機構と、を備え、複数の上記ヘッドは、それぞれ異なる成分の上記ゴムコンパウンド紐を上記表面に向けて押出し、上記駆動機構は、押出された上記ゴムコンパウンド紐が上記表面に沿って並ぶよう、上記ゴムコンパウンド紐が上記表面、又は、すでに上記テーブル上に載置された上記ゴムコンパウンド紐に接触した際に、上記相対位置を水平方向に移動させ、上記テーブル上に複数の上記ゴムコンパウンド紐が略隙間なく隣接、及び、積層され、略四角柱状の上記ゴムコンパウンドバルク体が形成される、製造装置。
[2] 更に、制御装置を備え、上記制御装置は、上記ゴムコンパウンド紐の長手方向に略直交する面で上記ゴムコンパウンドバルク体を切断した断面において、異なる成分の上記ゴムコンパウンド紐の断面に由来する領域がそれぞれ予め定められた配置となるよう上記ヘッド、及び、上記駆動機構を制御する、[1]に記載の製造装置。
[3] 更に、上記テーブルの上方に配置されたローラを備え、上記表面と上記ローラの下端との間隔は、上記ヘッドの押出口の大きさに基づいて制御される、[2]に記載の製造装置。
[4] 複数の上記ヘッドの押出口は上記ゴムコンパウンド紐を同時に押出して上記表面上で互いに隣接させられるよう構成される、[3]に記載の製造装置。
[5] 上記制御装置は、予め与えられた目標画像を上記押出口の大きさに基づくメッシュに区切り、上記切断した断面に上記メッシュを当てはめ、所定の区画に、対応する上記ゴムコンパウンド紐に基づく領域が配置されるよう、上記ヘッド、及び、上記駆動機構を制御する、[4]に記載の製造装置。
[6] 上記異なる成分は、色素である、[5]に記載の製造装置。
[7] [1]~[6]のいずれかに記載の製造装置と、上記ゴムコンパウンドバルク体を厚み方向に沿って所定の幅に薄切りする切断機構と、を有する、ゴムコンパウンドシートの製造装置。
[8] 略矩形の薄板状のゴムコンパウンドであって、成分が互いに異なる複数の上記ゴムコンパウンドが複数組み合わされて、略矩形のシート状とされた、コンプレッション成形に使用されるゴムコンパウンドシート。
[9] 上記異なる成分は、色素である、[8]に記載のゴムコンパウンドシート。
本考案によれば、コンプレッション成形法に適用した場合に、材料由来で領域ごとに色分けされたようなゴム製品を得るのに使用できるゴムコンパウンドシートの製造のためのゴムコンパウンドバルク体を製造し得る、製造装置が提供される。
また、本考案によれば、ゴムコンパウンドシートの製造装置、及び、ゴムコンパウンドシートも提供される。
本考案の製造装置の実施例のブロック図である。 本考案の製造装置の実施例の説明図(平面視)である。 ヘッドからのゴムコンパウンド紐の押出手順を表す説明図である。 ヘッドから押出されるゴムコンパウンド紐の積層手順を表す説明図である。 ローラによるゴムコンパウンド紐の押圧手順の説明図である。 積層されたゴムコンパウンド紐の押圧手順の説明図である。 本考案の製造装置により製造されるゴムコンパウンドバルク体(図7(A))、及び、厚み方向に沿って所定の幅に薄切りして得られるゴムコンパウンドシート(図7(B))を表す図である。 ゴムコンパウンドシートを用いたコンプレッション成形の手順を表す模式図(図8(A))、及び、それにより得られる成形品(ゴム製品)を表す図(図8(B))である。 ゴムコンパウンド紐の配置制御のためのGUIの説明図である。 本考案の製造装置の第2の実施例の説明図(平面視)である。 第2の実施例のヘッド部分の説明図である。
以下、本考案について詳細に説明する。
以下に記載する構成要件の説明は、本考案の代表的な実施形態に基づいてなされることがあるが、本考案はそのような実施形態に制限されるものではない。
なお、本明細書において、「~」を用いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
また、以下に示す実施形態は、本考案の技術的思想を具体化した一例であって、本考案の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、及び、配置等を下記の実施形態に特定するものではない。また、図面は模式的なものである。そのため、厚みと平面寸法との関係、比率等は現実のものとは異なる場合があり、また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なることがある。
本実施例の製造装置(以下、「本製造装置」ともいう。)は、厚み方向に沿って所定の幅に薄切りすることで、コンプレッション成形に使用し得るゴムコンパウンドシートを製造できる、ゴムコンパウンドバルク体を製造するための製造装置である。
本明細書において、ゴムコンパウンドとは、原料ゴムと、必要に応じて他の成分とを含む混合物を意味し、型に充填して加熱等することで、架橋(加硫)させて、所望の成形品を製造するために使用されるものをいう。
原料ゴムの種類は特に限定されず、天然ゴムでも、合成ゴムでもよいし、これらの混合物であってもよいが、シリコーンゴムを含むことが好ましい。
他の成分としては特に限定されず、色素、架橋剤、及び、充填材等が挙げられる。いずれの成分も、従来ゴムコンパウンドを製造するために使用されるものを特に制限なく使用可能である。
本製造装置は、複数のヘッドを備え、各ヘッドからはそれぞれ異なる成分のゴムコンパウンドが、断面が略矩形を為す長尺のひも状に押出される(以下、「ゴムコンパウンド紐」ともいう)。
本明細書において「成分が異なる」とは、上述の原料ゴム、他の成分の種類、及び、量比からなる群より選択される少なくとも1種が異なることを意味する。
なかでも、上述した「他の成分」のうち、含有する色素の種類、及び/又は、量が異なることが好ましい。この場合、色素以外の成分は同一でも異なってもよいが、一形態としては、同一であることが好ましい。すなわち、「色違い」のゴムコンパウンドが、それぞれのヘッドから押出されることが好ましい。
このように構成されることで、多色、かつ、所望の模様・柄を為すコンプレッション成形品を容易に成形できるゴムコンパウンドシートが製造できる。
本製造装置の詳細の説明の前に、まず、本製造装置によって製造されるゴムコンパウンドバルク体について説明する。また、あわせて、上記ゴムコンパウンドバルク体から製造されるコンプレッション成形用のゴムコンパウンドシートについても説明する。
図7(A)は、本製造装置によって製造されるゴムコンパウンドバルク体の斜視図である。ゴムコンパウンドバルク体200は、複数の長尺のゴムコンパウンド紐がX軸に並行に、かつ、XY平面上に並んで層を為し、この層が複数重なり合わされて構成されている。なお、図面に付された座標軸は、各図共通であり、X(+)等とあるのは、X軸の一方の方向(+方向)を意味し、反対方向はX(-)と表す。
ゴムコンパウンドバルク体200は、互いに隣り合って並ぶ7本のゴムコンパウンド紐からなる層構造が、7つ積層して形成される。
まず、ゴムコンパウンド紐Sr11、sr12、sr13、sr14、sr15、sr16、sr17がY(+)方向に沿ってこの順に隣り合って並び、1層目を構成している。その1層目の上には、ゴムコンパウンド紐sr21、・・・、sr27が積層され、2層目を構成している。同様に、2層目の上には、ゴムコンパウンド紐sr31、・・・、sr37が積層されて3層目を構成している。更に、3層目の上には、ゴムコンパウンド紐sr41、・・・、sr47の4層目、4層目の上には、ゴムコンパウンド紐sr51、・・・、sr57の5層目、5層目の上には、ゴムコンパウンド紐sr61、・・・、sr67の6層目、6層目の上には、ゴムコンパウンド紐sr71、・・・、sr77の7層目が積層されている。
なお、図7(A)は、ゴムコンパウンドバルク体の一例であり、1つの層を構成するゴムコンパウンド紐の数、及び、層の数等は、適宜変更され得る。
上記によって、横(Y軸方向)がゴムコンパウンド紐の7本分、縦(Z軸方向)がゴムコンパウンド紐の7本分の計49本のゴムコンパウンド紐が互いに隣り合って並び、更に積層されて、X軸に沿う方向に長尺とされたゴムコンパウンドバルク体200が構成される。
ゴムコンパウンドバルク体を構成するゴムコンパウンド紐は、少なくともその一部に異なる成分のものを含む。ゴムコンパウンドバルク体200の場合、ゴムコンパウンド紐sr13~sr15、sr37等は所定量の着色剤を含み、他のゴムコンパウンド紐(着色剤を含まない)とは成分が異なる。
図7(B)は、ゴムコンパウンドバルク体200から製造されるゴムコンパウンドシートの斜視図である。ゴムコンパウンドシート300は、ゴムコンパウンドバルク体200をスライスすることで、「組み飴状態」「クッキー・カッター状態」で同一のものを製造できる。それぞれのゴムコンパウンド紐に含まれる色素の種類や量に由来して、対応する領域は着色等され、ゴムコンパウンドシート300の表面には、模様・柄が現れる。このゴムコンパウンドシート300は、平板状の部材であり、コンプレッション成形の材料として用いられる。
なお、図示されるゴムコンパウンドシート300では、各ゴムコンパウンド紐に由来する領域同士の輪郭線が示されているが、実際には、ゴムコンパウンド紐同士は互いに接着・融合するため、この境界は図のように明確に表れるものではない。
図8は、ゴムコンパウンドシート300を用いたコンプレッション成形の手順を表す模式図である。コンプレッション成形は、対応するキャビティ32を有する上金型30と、下金型31との間に、ゴムコンパウンドシート300を挟み込み、必要に応じてコア材33を挿入し、これらを型締め、加熱することにより行われる。
ゴムコンパウンドシート300には、成分の異なるゴムコンパウンド紐の断面に由来する領域の配置により、模様・柄が表面に現れている。このため、これを型締めして成形され、コア材33を取り除いて得られる成形品400には、非着色部40と着色部41とが現れる。着色部41の配置は、ゴムコンパウンドシート300におけるその配置に基づくものであり、その基礎となるのは、ゴムコンパウンドバルク体200におけるゴムコンパウンド紐の積層順である。
言い換えれば、ゴムコンパウンドバルク体200におけるゴムコンパウンド紐の積層順を適宜制御することにより、コンプレッション成形にて、所定の模様を有する成形品400を容易に製造できる。
なお、以上の例では、非着色部40と着色部41とを有する成形品400の製造方法について説明したが、ゴムコンパウンド紐の成分を適宜調整することにより、ヘッドの数に応じた色数に色分けされた成形品400(多色の成形品)も製造可能である。
次に、このようなゴムコンパウンドバルク体200を製造できる本実施例の製造装置について説明する。
図1は、製造装置100のブロック図である。製造装置100は、制御装置110と、主要部120とを有し、制御装置110により、主要部120の各部が制御される。制御装置110には、目標となる模様・柄が外部から入力され、これに沿って、主要部120が制御され、ゴムコンパウンドバルク体200が製造される。
製造装置100のうち、制御装置110は、ハードウェアとしては、プロセッサ、及び、メモリ等を有するコンピュータである。制御装置110は、ゴムコンパウンド紐をテーブル1の表面に沿うように、かつ、ゴムコンパウンド紐同士が略隙間なく隣接、積層するように駆動機構を制御する、駆動制御部6を備える。また、制御装置110は、テーブル1の表面に沿って配列されたゴムコンパウンド紐の長手方向に略直交する面でゴムコンパウンドバルク体を切断した断面において、異なる成分のゴムコンパウンド紐の断面に由来する領域がそれぞれ予め定められた配置となるようゴムコンパウンド紐の隣接・積層順を制御する配置制御部7を備える。
主要部120は、複数のハードウェアの組み合わせとして構成されてる。具体的には、ゴムコンパウンド紐を押出すための押出口11を有するヘッド10の複数と、完成したゴムコンパウンドバルク体200をその表面上に保持するためのテーブル1とを備え、更に、これらの相対的な位置関係を調整するための駆動機構8を備えている。
制御装置110と主要部120の各部(具体的には、駆動機構8、及び、ヘッド10)とは有線、又は、無線通信可能なように構成されており、制御装置110により主要部120の各部は制御される。
図2は、主要部120の説明図(平面視)である。主要部120は、テーブル1と、テーブル1上に配置された複数のヘッド10a(10b、10c、10d)を備える。テーブル1は、複数のヘッド10a(10b、10c、10d)からそれぞれ押出されるゴムコンパウンド紐を受け止めて、その表面上に載置し、これを積み重ねて成形されるゴムコンパウンドバルク体200を保持する。
テーブル1は、XY方向、及び、Z方向に移動可能な駆動機構を備えている。この移動は、制御装置110によって制御される。
複数のヘッド10a(10b、10c、10d)はそれぞれ、ガイドバー3a、3b上に支持される。各ヘッドは、モータ、及び、ボールねじを含む駆動機構を備え、ガイドバー3a、3b上をY方向(プラス方向、マイナス方向に)移動可能に構成される。この移動は、制御装置110によって制御される。
複数のヘッド10a(10b、10c、10d)は、それぞれ内部に複数の押出ローラと、ゴムコンパウンドのストックスペースとを有し、所定の速度で、押出口11a(11b、11c、11d)から、ゴムコンパウンド紐を押出すことができるよう構成されている。なお、ヘッド10a(10b、10c、10d)は、ゴムコンパウンド紐を一定速度で押出すことができれば、その押出方式は特に限定されず、公知の技術が適用できる。例えば、それぞれのヘッド内部に回転するスクリュー軸を設け、この回転により、ストックスペースに収容されたゴムコンパウンドを押出すように構成されてもよい。
ガイドバー3a、3bは、その両端にX軸駆動機構12a、12bを備える。X軸駆動機構12a、12bは、それぞれモータ、及び、ボールねじを含む駆動機構を備え、ガイドバー3a、3bをX方向(プラス方向、マイナス方向に)移動可能に構成される。この移動は、制御装置110によって制御される。
上記各駆動機構により、テーブル1と複数のヘッド10a(10b、10c、10d)とのX、Y、Zの3軸の相対位置は、制御装置110によって任意に調整される。
なお、複数のヘッド10a(10b、10c、10d)のうち、少なくとも1つ、又は、複数は、ガイドバー3a、3b上の所定の位置に固定されていてもよい。更に、X軸駆動機構12a、12bは省略されてもよい。この場合、テーブル1と複数のヘッド10a(10b、10c、10d)とのX、Y、Zの3軸の相対位置は、テーブル1の駆動機構により調整され得る。以下の説明では、ヘッド10a(10b、10c、10d)とテーブル1との調整は、テーブル1の3軸方向への移動により調整される場合を例に説明する。
図3は、ヘッド10aの押出口11aからゴムコンパウンド紐sr1がテーブル1上に押出される手順を表す側面図である。図3(A)では、まず、制御装置110によりテーブル1とヘッド10a(押出口11a)との距離が調整される。
具体的には、テーブル1と押出口11aとの距離(クリアランス)がゴムコンパウンド紐sr1の太さよりも大きく調整される。具体的には、ゴムコンパウンド紐sr1の太さの2倍以上に調整されることが好ましい。ゴムコンパウンド紐sr1は、断面矩形状の長尺となるよう押出され(押出口11aがそのような形状とされる)、テーブル1上にこれを横たえるように保持される。そのため、クリアランスは、ゴムコンパウンド紐sr1の太さ(厚み)より大きく調整される。
なお、図3(A)~(D)は、ヘッド10aの押出口11aから押出されるゴムコンパウンド紐sr1についてのみ説明しているが、他のヘッド10b、10c、10dについても同様である。各ヘッドは、単独で、又は、同時にゴムコンパウンド紐を押出すことができる。
特に、主要部120においては、複数の押出口11a(11b、11c、11d)はそれぞれ、テーブル1上に隣り合って並ぶゴムコンパウンド紐を押出し可能なように配置されている。具体的には、それぞれの押出口11a(11b、11c、11d)を最も接近させてゴムコンパウンド紐を押出すと、押出されたゴムコンパウンド紐が互いに接触する(隣り合う)ように構成されている。
この結果、ゴムコンパウンド紐をより効率よく押出し、結果として、より短時間で、ゴムコンパウンドバルク体200が得られる。
図3(A)に戻り、ゴムコンパウンド紐sr1は、押出口11aからZ(-)方向(方向dr1)に、テーブル1の表面に向けて押出される。押出されたゴムコンパウンド紐sr1がテーブル1に接触すると(図3(B))、制御装置110はテーブル1を水平方向(方向dr2)に移動させる。
ゴムコンパウンド紐sr1は適度な粘着性を有するため、テーブル1にゴムコンパウンド紐sr1が接触したところで、テーブル1をdr2方向(図2(B))に向けて移動させると、ゴムコンパウンド紐sr1もこれに追従する。
制御装置110は、駆動機構を制御して、テーブル1を方向dr2に所定時間、移動させる。移動させる時間は、最終的に必要なゴムコンパウンドバルク体200の大きさによって適宜調整され得る。ゴムコンパウンドバルク体200は、最終的には、長手方向に略直交する面で切断(スライス)されて、ゴムコンパウンドシート300とされる。従って、ゴムコンパウンド紐sr1の押出される長さ(時間)、及び、テーブル1の方向dr2への移動時間によって、取得され得るゴムコンパウンドシート300の枚数が変化する。
なお、テーブル1の移動速度は、ゴムコンパウンド紐sr1の押出速度等を元に適宜調整される(図3(C))。
ゴムコンパウンド紐sr1の押出速度、テーブル1の移動距離により、テーブル1上に載置されるゴムコンパウンド紐sr1の長さ、言い換えれば、ゴムコンパウンド紐sr1の押出し長さが計算される。ゴムコンパウンド紐sr1の長さは、上述のとおり、仕上がりのゴムコンパウンドバルク体200の長手方向の長さ、及び、得られるゴムコンパウンドシート300の枚数に関連するため、制御装置110は、予め定められた条件に従って、これらを制御する。
また、制御装置110は、テーブル1を図1のY軸方向にも移動させる。このときの移動のピッチは、原則として、ゴムコンパウンド紐sr1の幅に基づいて決定される。例えば、押出口11aからゴムコンパウンド紐sr1をテーブル1上に押出したあと、テーブル1をY軸方向に、ゴムコンパウンド紐sr1の幅と等しい距離移動させて、再度、押出口11aからゴムコンパウンド紐sr1を押出すると、押出されたゴムコンパウンド紐sr1は、テーブル1上で隣り合うよう配置される。
このようにして、ゴムコンパウンドバルク体200の1層目を構成するゴムコンパウンド紐が押出されたあと、更にその上に、2層目以降を構成するゴムコンパウンド紐が積層される。
図4は、ゴムコンパウンド紐の積層の手順を表す模式図である。
まず、制御装置110は、駆動機構を制御し、テーブル1をZ軸の下方向(Z(-)方向、方向dr3)にゴムコンパウンド紐sr1の高さ分(1つ分)以上の距離、移動させる。
その後、ヘッド10aから、テーブル1上に載置されたゴムコンパウンド紐sr1の端部に向けて(方向dr4)、2段目のゴムコンパウンド紐sr2が押出される(図4(B))。
ゴムコンパウンド紐sr2がゴムコンパウンド紐sr1に接触すると、制御装置110は、駆動機構を制御し、テーブル1を、方向dr5に移動させる(図4(C))。このようにして、2層目のゴムコンパウンド紐sr2が載置される(図4(D))。
上記を繰り返すことで、ゴムコンパウンドバルク体200が形成される。
製造装置100は更に、ヘッド10a-10dのX軸方向前方に、軸4を中心に回転自在に固定されたローラ5を備える。ローラ5は、積層されたゴムコンパウンド紐sr1を平坦化する機能を有する。
図5(A)は、ローラ5とテーブル1上に配置されたゴムコンパウンド紐sr11~sr17の押圧手順を表す説明図(斜視図)である。また、図5(B)はその正面図である。なお、いずれの図においても、説明に必要な部分のみが図示され、その他の部分は省略されている。
テーブル1上に1段目として、ゴムコンパウンド紐sr11~sr17が載置されると、制御装置110は、駆動機構を制御し、テーブル1は、載置されたゴムコンパウンド紐sr11~sr17が、ローラの下(Z(-)方向)を通過するよう、テーブル1をX(+)方向に移動させる。
このとき、テーブル1と、ローラ5の下端との距離H1は、ゴムコンパウンド紐sr11~sr17の高さ(目標高さ)となるよう、調整される。ゴムコンパウンド紐sr11~sr17は、テーブル1に向けて押出され、これに載置される際に、その断面形状が意図せず変化してしまう場合がある。本来、載置されたゴムコンパウンド紐の断面は、押出口と同様の形状であることが好ましいが、テーブル1とゴムコンパウンド紐sr11~sr17とが接触したあと、テーブル1が移動することで、ゴムコンパウンド紐sr11~sr17にせん断応力がはたらき、上(Z(+)方向)に延びた形状になる場合がある。
これに対して、ローラ5を、テーブル1から距離H1だけ離れた位置に配置し、その下をくぐるようにゴムコンパウンド紐sr11~sr17を移動させると、載置されたゴムコンパウンド紐の上面が所定の高さに整えられ、均一化される。ローラ5と、テーブル1の距離H1は、ゴムコンパウンド紐sr11~sr17の高さ、言い換えれば、押出口の対応する部分の長さに基づいて定められることが好ましい。
図5のように、1段目のゴムコンパウンド紐sr11~sr17が載置されている場合には、距離H1は、ゴムコンパウンド紐の高さの1倍(押出口の対応する部分の長さの1倍)とされる。
図6は、1段目のゴムコンパウンド紐sr11~sr17の上に、ゴムコンパウンド紐sr21~sr27からなる2段目が載置された、積層されたゴムコンパウンド紐の押圧手順の説明図であり、図6(A)は斜視図、図6(B)は正面図である。
1段目と同様に、2段目が載置された際にも、制御装置110が駆動機構を制御し、テーブル1がローラ5の方向(X(+)方向)に移動する。このとき、1段目のゴムコンパウンド紐の押出の際よりも、テーブル1は、1段分、すなわち、ゴムコンパウンド紐の高さ分、方向dr3に移動している。すなわち、ローラ5とテーブル1との距離(H1+H2)は、ゴムコンパウンド紐の2倍(押出口の対応する部分の長さの2倍)とされる。これにより、2段目のゴムコンパウンド紐の表面が整えられる。
それぞれの層を構成するゴムコンパウンド紐が載置されると、上記のようにローラ5により表面が整えられるため、設計どおり各ゴムコンパウンド紐が配置されやすい。ローラ5により整えられることで、最終的に得られるゴムコンパウンドシート300における表面の模様がより意図した状態となりやすい。
上述のとおり、成分の異なるゴムコンパウンド紐の載置位置は、仕上がりのゴムコンパウンドシート300の模様の形成に関係する。
製造装置100は、4つのヘッド10a~10dを有しており、それぞれの押出口11a~11dから、異なる成分(典型的には異なる種類、及び/又は、濃度の色素)を含むゴムコンパウンド紐を押出できる。そのため、異なる成分のゴムコンパウンド紐sr1の押出順序を適宜制御することで、結果として得られるゴムコンパウンドシート300の表面に任意の模様等を生じさせることができる。
制御装置110の配置制御部7は、予めユーザから目標とする模様、柄に関する情報を取得し、これに基づいて、配置制御部7が、各ヘッドから押出されるゴムコンパウンド紐の配置、この積層順を決定して、駆動機構、及び、ヘッドを制御する。これにより、表面に所望の模様、柄を有するゴムコンパウンドシート300を簡単に製造できる。
図9は配置制御部7がゴムコンパウンド紐の配置制御を行うため、目標となる模様・柄をユーザから取得するのためのGUI(Graphical User Interface)の模式図である。
図9における領域50、51は、それぞれゴムコンパウンド紐の長手方向の断面に相当し、その幅W及び高さHは、押出口のそれぞれ対応する長さに相当する。これらの領域が組み合わさって、全体の断面が形成される。
ユーザは、各領域50、51に配置されるべきゴムコンパウンド紐を指定することができる。図9の例では、異なる2色のゴムコンパウンド紐を使って、花のようなシルエットを想起させる模様を有するゴムコンパウンドシートが得られるよう設定されている。この配置に基づき、配置制御部7は、ゴムコンパウンド紐の配置場所が決定する。
なお、上記例では、各領域50、51に対して配置されるゴムコンパウンド紐をユーザが指定する形態について説明した。本発明の製造装置は、上記以外にも、ユーザが指定した画像を読み込んで、その画像を、押出口の大きさを基準とする領域で区切り、各領域に最適な色を公知のアルゴリズムを用いて算出して、対応するヘッドから、ゴムコンパウンド紐を押出するよう制御してもよい。
このように制御することで、簡単に所望の模様のゴム成型品を得ることができる。
(第2の実施例)
図10は、本発明の製造装置の第2の実施例の主要部の模式図(平面視)である。本製造装置は、主要部130において、複数のヘッド10a(10b、10c、10d)が、それぞれ、その側面から横方向(X軸方向)に張り出すように設けられた押出口11a(11b、11c、11d)を備える点以外は、第1の実施例と同様である。
図11は、主要部130の複数のヘッド10a(10b、10c、10d)の動きの説明図(平面視)である。図11(A)は、押出し開始前の各ヘッドの位置を表し、図11(B)は、複数のヘッド10a(10b、10c、10d)が押出し開始位置に移動した状態を表す図である。なお、図11(B)では、説明のため(他の部分との判別を補助するため)、ヘッド、及び、押出口に網掛け表示を行っている。
制御装置110は、ゴムコンパウンド紐の押出し開始前に複数のヘッド10a(10b、10c、10d)を押出し開始位置まで移動する。このとき、ヘッド10a(10b、10c、10d)は同期して移動する。主要部130においては、押出口11a(11b、11c、11d)がそれぞれ横方向(X軸方向)に張り出すように設けられるため、最も接近させた状態では、押出口11a(11b、11c、11d)がY軸に沿った直線上に隣り合って整列する(図11(B))。
この状態をゴムコンパウンド紐の押出し開始位置とすることで、隣り合う4つのゴムコンパウンド紐のを一度に押出すことができ、材料のロスがより低減される。また、ヘッド10a(10b、10c、10d)、押出口11a(11b、11c、11d)を最も接近させたときに、互いに嵌め合わせとなるような形状とすることで、押出口11a(11b、11c、11d)の移動を同期させることも(物理的に)より容易となり、より効率的にゴムコンパウンド紐が押出し可能となる。
1 テーブル、3a ガイドバー、3b ガイドバー、4 軸、5 ローラ、6 駆動制御部、7 配置制御部、8 駆動機構、10 ヘッド、11 押出口、12a X軸駆動機構、12b X軸駆動機構、30 上金型、31 下金型、32 キャビティ、33 コア材、40 非着色部、41 着色部、50 領域、51 領域、100 製造装置、110 制御装置、120、130 主要部、200 ゴムコンパウンドバルク体、300 ゴムコンパウンドシート、400 成形品

Claims (9)

  1. 厚み方向に沿って所定の幅に薄切りすることで、コンプレッション成形に使用し得るゴムコンパウンドシートを製造できる、ゴムコンパウンドバルク体を製造するための製造装置であって、
    完成した前記ゴムコンパウンドバルク体を保持する表面を備えるテーブルと、
    前記表面の上方から、前記表面に向けて、断面が略矩形の長尺のゴムコンパウンド紐を押出す複数のヘッドと、
    前記ヘッドと前記テーブルとの相対位置を調整可能な駆動機構と、を備え、
    複数の前記ヘッドは、それぞれ異なる成分の前記ゴムコンパウンド紐を前記表面に向けて押出し、
    前記駆動機構は、押出された前記ゴムコンパウンド紐が前記表面に沿って並ぶよう、前記ゴムコンパウンド紐が前記表面、又は、すでに前記テーブル上に載置された前記ゴムコンパウンド紐に接触した際に、前記相対位置を水平方向に移動させ、
    前記テーブル上に複数の前記ゴムコンパウンド紐が略隙間なく隣接、及び、積層され、略四角柱状の前記ゴムコンパウンドバルク体が形成される、製造装置。
  2. 更に、制御装置を備え、
    前記制御装置は、前記ゴムコンパウンド紐の長手方向に略直交する面で前記ゴムコンパウンドバルク体を切断した断面において、異なる成分の前記ゴムコンパウンド紐の断面に由来する領域がそれぞれ予め定められた配置となるよう前記ヘッド、及び、前記駆動機構を制御する、請求項1に記載の製造装置。
  3. 更に、前記テーブルの上方に配置されたローラを備え、
    前記表面と前記ローラの下端との間隔は、前記ヘッドの押出口の大きさに基づいて制御される、請求項2に記載の製造装置。
  4. 複数の前記ヘッドの押出口は前記ゴムコンパウンド紐を同時に押出して前記表面上で互いに隣接させられるよう構成される、請求項3に記載の製造装置。
  5. 前記制御装置は、予め与えられた目標画像を前記押出口の大きさに基づくメッシュに区切り、前記切断した断面に前記メッシュを当てはめ、所定の区画に、対応する前記ゴムコンパウンド紐に基づく領域が配置されるよう、前記ヘッド、及び、前記駆動機構を制御する、請求項4に記載の製造装置。
  6. 前記異なる成分は、色素である、請求項5に記載の製造装置。
  7. 請求項1~6のいずれか1項に記載の製造装置と、
    前記ゴムコンパウンドバルク体を厚み方向に沿って所定の幅に薄切りする切断機構と、を有する、ゴムコンパウンドシートの製造装置。
  8. 略矩形の薄板状のゴムコンパウンドであって、成分が互いに異なる複数の前記ゴムコンパウンドが複数組み合わされて、略矩形のシート状とされた、コンプレッション成形に使用されるゴムコンパウンドシート。
  9. 前記異なる成分は、色素である、請求項8に記載のゴムコンパウンドシート。
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