以下、本発明に係る実施形態を、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る造形装置10の構成の一例を示す。本例において、造形装置10は、熱溶解積層法で立体物を造形する造形装置である。この場合、熱溶解積層法とは、例えば、熱溶融性(熱溶融型)の造形材料を用いた積層法(layer by layer)で立体的な造形物を造形する方法のことである。熱溶融性の造形材料とは、例えば、所定の温度以上に加熱することで溶融(溶解)する造形材料のことである。熱溶解積層法については、例えば、加熱により溶融した造形材料をノズルから押し出して積層することで造形物を造形する方法等と考えることもできる。また、積層法については、例えば、造形材料で形成される層を積層することで造形物を造形する方法(積層造形法)等と考えることができる。
また、より具体的に、造形装置10は、造形材料として糸状又は細線状の樹脂であるフィラメント(フィラメント材料)を用いて、造形を行う。また、この場合において、互いに色の異なる複数種類の熱溶融型のフィラメントを用いることにより、着色された造形物を造形する。そのため、造形装置10については、例えば、3次元カラー造形を行う装置等と考えることもできる。また、以下に説明をする点を除き、本例における造形装置10は、熱溶解積層法で造形を行う公知の造形装置と同一又は同様の特徴を有してよい。
また、本例において、造形装置10は、混合押出ヘッド12、造形台14、材料供給部16、走査駆動部18、及び制御部30を備える。混合押出ヘッド12は、造形物50を形成すべき位置へ溶融した造形材料を押し出す押出部である。この場合、造形物50を形成すべき位置とは、例えば、熱溶解積層法での造形時に造形材料を押し出すべき位置のことである。また、本例において、混合押出ヘッド12は、混合押出部の一例であり、溶融した造形材料として、材料供給部16から受け取るフィラメントを溶融した樹脂を押し出す。また、この場合、必要に応じて、互いに色が異なる複数種類のフィラメントを材料供給部16から受け取り、これらを溶融して混合した樹脂である混合材料を押し出す。
また、本例において造形物50の造形に用いるフィラメントは、熱可塑性の樹脂である。フィラメントとしては、例えば200℃程度の温度で溶融する樹脂を好適に用いることができる。また、フィラメントとしては、例えば、熱溶解積層法で使用される公知のフィラメントを好適に用いることできる。また、図中に示すように、本例において、造形装置10は、必要に応じて、造形物50の周囲等に、造形中の造形物50を支持するためのサポート層52を形成する。サポート層52は公知の技術で、例えば、造形物50におけるオーバーハング部を支持するための構成であって、造形台14から造形物50の下面に接して支持する柱又は網目状の構造体であり、造形の動作の完了後に造形物50から除去される。サポート層52の材料としては専用のフィラメントを用意しても良いが、除去後に造形物50の表面に残りやすいため、造形物50の表面に近い色か透明なフィラメントを好適に用いることができる。
造形台14は、造形中の造形物50を保持する台状部材である。本例において、造形台14は、混合押出ヘッド12と対向する上面に造形物50及びサポート層52を載置することにより、造形中の造形物50を保持する。
材料供給部16は、造形材料又はサポート材として用いるフィラメントを混合押出ヘッド12へ供給する構成である。また、本例において、材料供給部16は、図中に示すように、複数のフィラメント供給部102mo、c、m、y、k、t、w、s(以下、フィラメント供給部102mo~sという)を有する。フィラメント供給部102mo~sのそれぞれは、互いに異なる色のフィラメントを供給する供給部であり、例えばローラ等でフィラメントを押し出すことにより、各色のフィラメントを混合押出ヘッド12へ供給する。また、この場合、造形物50の各位置へ着色する色等に応じて、フィラメント供給部102mo~sのうちの一部から混合押出ヘッド12へフィラメントの量を調整して供給する。このように構成すれば、例えば、混合押出ヘッド12から押し出す樹脂の色を様々に変化させることができる。また、本例において、造形装置10は、内部領域、光反射領域、及び着色領域を備える造形物50を造形する。そして、材料供給部16は、各領域の各部の形成時において、その領域を形成するために必要となるフィラメントの量を調整して材料供給部16へ供給する。造形物50における各領域については、後に更に詳しく説明をする。
また、フィラメント供給部102mo~sのうち、フィラメント供給部102moは、造形装置10における内部領域の形成に用いるフィラメント(以下、mo色のフィラメントという)を混合押出ヘッド12へ供給する。この場合、mo色のフィラメントは、構築材料(building material)の一例である。また、フィラメント供給部102moは、構築材料供給部の一例である。mo色のフィラメントについては、例えば、造形専用の材料であるモデル材等と考えることもできる。
フィラメント供給部102c、フィラメント供給部102m、フィラメント供給部102y、及びフィラメント供給部102k(以下、フィラメント供給部102c~kという)は、着色領域の形成時に用いる有色のフィラメントを混合押出ヘッド12へ供給する。また、より具体的に、フィラメント供給部102cは、シアン色(C色)のフィラメントを供給する。フィラメント供給部102mは、マゼンタ色(M色)のフィラメントを供給する。フィラメント供給部102yは、イエロー色(Y色)のフィラメントを供給する。フィラメント供給部102kは、ブラック色の(K色)フィラメントを供給する。また、これにより、フィラメント供給部102c~kは、互いに異なる色のフィラメントを混合押出ヘッド12へ供給する。この場合、CMYKの各色は、減法混色法での色表現に用いる基本色(プロセスカラー)の一例である。また、CMYKの各色のフィラメントは、有色の造形材料である有色材料の一例である。また、フィラメント供給部102c~kは、複数の有色材料供給部の一例である。これらのような複数色のフィラメントを用いることにより、例えば、造形物50における着色領域を様々な色に適切に着色することができる。
また、フィラメント供給部102tは、クリア材料供給部の一例であり、クリア材料の一例であるクリア色(T色)のフィラメントを混合押出ヘッド12へ供給する。この場合、クリア色とは、無色で可視光に対して透明なことである。また、無色で透明とは、例えば、造形に求められる品質に応じて、実質的に無色で透明なことであってよい。また、実用上、無色で透明であるとは、例えば、CMYKの各色のフィラメントのように意図的な着色がされておらず、かつ、透光性なことであってよい。また、本例において、クリア色のフィラメントは、造形物50の着色領域の形成時に、CMYKの各色のフィラメントと共に用いられる。より具体的に、例えば、着色領域を形成する場合、CMYKの各色のフィラメントの使用比率を変化させることで、着色領域に対して様々な色での着色を行うことができる。そして、この場合において、クリア色のフィラメントについては、CMYKの各色のフィラメントの使用量の合計(有色のフィラメントの使用量)の変化を補填して、有色のフィラメントとクリア色のフィラメントの使用量の合計を一定とするように用いる。この場合、CMYKの各色のフィラメント及びクリア色のフィラメントについて、着色用の材料(coloring material)と考えることもできる。また、着色領域の形成の仕方については、後に更に詳しく説明をする。
フィラメント供給部102wは、光反射性材料供給部の一例であり、光反射性材料の一例である白色(W色)のフィラメントを混合押出ヘッド12へ供給する。この場合、光反射性材料とは、例えば、造形物50における光反射領域の形成に用いる造形材料のことである。光反射領域の形成の仕方についても、後に更に詳しく説明をする。また、フィラメント供給部102sは、サポート材として用いるフィラメントを混合押出ヘッド12へ供給する。このようなフィラメントとしては、例えば、公知のサポート材用のフィラメントを好適に用いることができる。
また、フィラメント供給部102c~sのそれぞれは、例えば、フィラメントを供給する公知の構成と同一又は同様の構成を有してよい。より具体的に、フィラメント供給部102c~sのそれぞれとしては、例えば、繰出部及び押出ローラを有する構成等を好適に用いることができる。この場合、繰出部は、例えば、押出ローラの動作に応じてフィラメントを順次繰り出す部分である。繰出部としては、例えば、巻き線状に巻かれたフィラメントを保持する保持部等を用いることが考えられる。また、押出ローラは、例えば、混合押出ヘッド12へ向けて繰出部にフィラメントを順次繰り出させるローラである。押出ローラは、例えば、フィラメントと接するローラによりフィラメントを押し出す構成を有しており、例えば制御部30の指示に応じてローラを回転させることにより、混合押出ヘッド12へ向けて、繰出部からフィラメントを順次押し出す。
走査駆動部18は、造形中の造形物50に対して相対的に混合押出ヘッド12を移動させる駆動部であり、例えば溶融した造形材料を押し出しつつ造形物50に対して相対的に移動する走査を混合押出ヘッド12に行わせることにより、造形物50の各部への造形材料の押し出しを混合押出ヘッド12に行わせる。この場合、走査駆動部18は、例えば、混合押出ヘッド12及び造形台14のうちの少なくとも一方を移動させることにより、上記の走査を混合押出ヘッド12に行わせる。また、本例において、走査駆動部18は、例えば、制御部30の指示に応じて、所定のXY平面内での走査を混合押出ヘッド12に行わせる。この場合、XY平面は、例えば、造形台14の上面と平行な平面である。これにより、走査駆動部18は、造形物50を構成するために積層される各層を混合押出ヘッド12に形成させる。
また、走査駆動部18は、混合押出ヘッド12が一の層を形成する毎に、例えば、制御部30の指示に応じて、XY平面と垂直なZ方向において造形物50から離れる方向へ、造形物50に対して相対的に、混合押出ヘッド12を移動させる。これにより、造形物50と混合押出ヘッド12との間の距離を、次の層を形成するための距離に調整する。そして、以上の動作を繰り返すことにより、走査駆動部18は、造形すべき造形物50の形状に合わせて複数の層を積層するための走査を、混合押出ヘッド12に行わせる。また、造形物50の周囲等にサポート層52を形成する場合、サポート層52の形成時において、走査駆動部18は、溶融したサポート材を混合押出ヘッド12に押し出させつつ、上記と同様の動作を行う。
制御部30は、例えば造形装置10のCPUであり、造形装置10の各部の動作を制御することにより、造形装置10に造形物50を造形させる。また、より具体的に、造形物50における着色領域の形成時において、制御部30は、例えば、材料供給部16におけるフィラメント供給部102mo~sのそれぞれから混合押出ヘッド12へフィラメントを供給する動作を制御することにより、混合押出ヘッド12から押し出される混合材料の色を変化させる。また、これにより、制御部30は、造形装置10に、様々な色での着色がされた造形物50を造形させる。本例によれば、例えば、熱溶解積層法で造形を行うことにより、立体的な造形物50の造形(3D造形)を低コストで適切に行うことができる。また、互いに色が異なる複数色のフィラメントを用いることにより、着色された造形物50を適切に造形できる。
続いて、本例の造形装置10において造形する造形物50の構成について、更に詳しく説明をする。図2は、造形装置10において造形する造形物50の構成の一例を示す断面図である。上記においても説明をしたように、本例において、造形装置10は、内部領域202、光反射領域204、及び着色領域206を備える造形物50を造形する。この場合、造形物50の造形時に形成される各層(単一層)について、これらの各領域に対応する部分(各領域の層)からなる層であると考えることができる。
また、これらの領域のうち、内部領域202は、例えば、造形物50の内部において造形物50の形状を構成する領域(造形層、modeling layer)である。内部領域202については、例えば、造形物50において着色領域206よりも内側になる部分の少なくとも一部を構成する領域等と考えることもできる。また、本例において、内部領域202は、フィラメント供給部102mo(図1参照)から混合押出ヘッド12へ供給されるmo色のフィラメントを用いて形成される。また、内部領域202については、例えば図中に示すように、内部に空洞210ができるように形成することが考えられる。このように構成すれば、例えば、造形時におけるフィラメントの消費量を適切に節約することができる。
尚、上記においても説明をしたように、本例において、フィラメント供給部102moが供給するmo色のフィラメントは、造形専用の材料である。これに対し、造形装置10の動作の変形例においては、内部領域202について、例えば、他の領域の形成に用いるフィラメントを更に用いて形成してもよい。また、造形専用の材料を用いずに、他の領域の形成に用いるフィラメントのみで内部領域202を形成してもよい。この場合、例えば、W色又はクリア色のフィラメント等を用いることが考えられる。また、内部領域202について、例えば、上記以外にも、任意の色のフィラメントを用いて形成してもよい。この場合、内部領域202の形成に用いるフィラメントについて、構築材料の一例を兼ねていると考えることができる。また、造形物50の構成の変形例においては、光反射領域204として、内部領域202を兼ねた領域を形成すること等も考えられる。また、この場合、造形物50の構成について、内部領域202が省略されていると考えることもできる。
光反射領域204は、造形物50において着色領域206よりも内側になる部分の少なくとも一部に形成される光反射性の領域である。光反射領域204については、例えば、着色領域206を介して造形物50の外部から入射した光(可視光)を反射する領域(可視光反射層)、又は、着色領域206の背景として機能する領域等と考えることもできる。また、本例において、光反射領域204は、フィラメント供給部102w(図1参照)から混合押出ヘッド12へ供給されるW色のフィラメントを用いて形成される。
着色領域206は、造形物50において着色がされる領域(着色層、coloring layer)である。また、本例において、着色領域206は、フィラメント供給部102c~k(図1参照)から混合押出ヘッド12へ供給される有色のフィラメントと、フィラメント供給部102t(図1参照)から混合押出ヘッド12へ供給されるクリア色のフィラメントとを用いて、造形物50の表面の少なくとも一部に形成される。この場合、造形物50の表面とは、例えば、造形物50において外部から色彩が視認できる領域のことである。
ここで、上記のように、本例においては、有色のフィラメントに加えてクリア色のフィラメントを更に用いて、着色領域206を形成している。この点に関し、着色領域206の各部を様々な色で形成することのみを考えた場合、必ずしもクリア色のフィラメントを用いなくても、CMYKの各色のフィラメントの使用比率を変化させることで、着色領域206の各位置に対して、様々な色での着色を行うことができる。しかし、熱溶解積層法で造形を行う場合、単位時間あたりに押し出す材料の量が変化すると、造形物50の表面に意図しない凹凸等が形成されることになる。そのため、単位時間あたりに押し出す材料の量については、一定の量に保つことが好ましい。そして、この場合、CMYKの各色のフィラメントのみを用いると、各色のフィラメントの使用量の調整が複雑になるおそれがある。
これに対し、本例においては、クリア色のフィラメントを用いることで、複数色のフィラメントにより生成される混合材料の色への影響を抑えつつ、混合押出ヘッド12による押出量の調整を行うことができる。また、この場合、クリア色のフィラメントについて、例えば、CMYKの各色のフィラメントの使用量の合計の変化を補填するように用いることで、各色のフィラメントの使用量の調整が複雑になること等を適切に防ぎつつ、単位時間あたりに押し出す材料の量を適切に調整することができる。そのため、本例によれば、例えば、単位時間あたりに押し出す材料の合計の量を一定の量に合わせる制御について、より容易かつ適切に行うことができる。また、この場合、クリア色のフィラメントを用いることで、例えば、無色を含めたより多様な色の表現も可能になる。特に、表現する色が白色の場合は、CMYKの各色のフィラメントの使用量はゼロであり、クリア色のフィラメントのみで着色領域206を形成する。その結果、光反射領域204のW色のフィラメントが視認されて、白色が表現される。
また、造形物50を構成する各領域(内部領域202、光反射領域204、及び着色領域206)については、法線方向における厚さが一定になるように形成することが好ましい。特に、着色領域206については、厚さが変化すると濃度が変化してしまうため、法線方向の厚さを一定にすることが重要である。そのため、本例においては、例えば、積層する各層の形成時において、それぞれの層の外周に対する法線方向において着色領域206の厚さが予め設定された一定の厚さになるように、着色領域206を形成する。この場合、厚さが一定であるとは、例えば、求められる造形の精度等に応じて、実質的に一定なことであってよい。また、実質的に一定であるとは、例えば、各位置での厚さの差について、求められる造形の精度等に応じて、色の見え方に問題が生じない範囲内にあることである。このように構成すれば、例えば、造形物50の各位置での色の見え方に差が生じること等を適切に防ぐことができる。また、これにより、例えば、高い品質での着色がされた造形物50をより適切に造形することができる。
続いて、混合押出ヘッド12の構成や、造形物50における各領域の形成の仕方等について、更に詳しく説明をする。図3は、混合押出ヘッド12の構成の一例を示す。図3(a)は、混合押出ヘッド12の先端付近について、造形物50の造形時に形成される層が積層される積層方向であるZ方向と平行な平面であるYZ平面での断面の構成を示す。また、図3(b)は、図3(a)に示した一点鎖線AAの位置での混合押出ヘッド12の断面の構成を示す。
尚、図示及び説明の便宜上、図3においては、図1に示した造形装置10よりも少ない種類のフィラメントを用いる場合について、混合押出ヘッド12の構成の例を示している。より具体的に、図3においては、CMYKの各色、W色、及びクリア色(T色)のフィラメントを用いて造形物の造形を行う場合に用いる混合押出ヘッド12の構成の一例を示している。より多くの色のフィラメントを用いる場合、以下において説明をする供給路312を色数に応じて増やした構成の混合押出ヘッド12を用いることが考えられる。また、説明の便宜上、以下においては、図3に示した混合押出ヘッド12についても、本例の混合押出ヘッド12という。
本例において、混合押出ヘッド12は、複数色のフィラメントを混合して押し出すミキ
シングヘッドであり、図中に示すように、混合部302、押出口304、及びヒータ306を有する。混合部302は、材料供給部16における各フィラメント供給部から供給されるフィラメントを溶融して混合する部分である。また、本例において、混合部302は、複数の供給路312を有する。複数の供給路312のそれぞれは、各色のフィラメントを通す供給路であり、図中に示すように、各色用のフィラメント供給部から供給される各色のフィラメントを混合部302における押出口304の前段の位置にまで誘導する。また、この場合、混合部302における押出口304の前段の位置において、各色のフィラメントは、ヒータ306から受ける熱によって溶融し、混合される。また、上記においても説明をしたように、造形物の内部領域や光反射領域の形成時には、1種類のフィラメントのみを用いて領域の形成を行うことが考えられる。1種類のフィラメントのみを用いて領域の形成を行う場合において、混合部302は、1種類のフィラメントのみを溶融する。
押出口304は、混合押出ヘッド12において造形物と対向する位置に設けられた孔部(ノズル)であり、混合部302においてフィラメントを溶融することで形成された樹脂である溶融樹脂を押し出す。この場合、押出口304では、例えば、材料供給部16から混合押出ヘッド12へフィラメントが供給される供給圧力に応じて溶融樹脂が押し出される(extrude)ことにより、溶融樹脂の押し出しを行う。また、この場合、溶融した状態で押出口304から押し出された溶融樹脂は、周囲の空気により冷却されることで、固形化する。また、造形物の着色領域の形成時等のように、複数色のフィラメントを用いる場合、押出口304は、複数色のフィラメントを溶融して混合することで生成された溶融樹脂である混合材料を押し出す。
ヒータ306は、混合部302内のフィラメントを加熱する加熱手段である。本例において、ヒータ306は、押出口304付近において混合部302の周囲を囲うように配設されることで、押出口304の前段の位置においてフィラメントを加熱し、溶融させる。また、これにより、例えば、材料供給部16から複数色のフィラメントを混合押出ヘッド12が受け取る場合において、複数色のフィラメントを混合させる。ヒータ306の加熱温度については、フィラメントの溶解温度(溶融温度)に応じて設定することが考えられる。また、より具体的に、ヒータ306の加熱温度については、例えば200℃程度(例えば180~250℃程度)に設定することが考えられる。
以上のように構成すれば、例えば、複数色のフィラメントを用いる場合において、押し出し前に複数色のフィラメントを適切に混合することができる。また、混合により得られた混合材料を押し出すことで、造形物の着色領域に対し、様々な色での着色を行うことができる。また、これにより、着色領域に対し、フィラメント自体の色に限らず、様々な色彩での着色を行うことができる。
続いて、混合押出ヘッド12を用いて造形物50における各領域を形成する動作について、更に詳しく説明をする。図4は、造形物50における各領域を形成する動作の一例を示す図であり、例えば図1を用いて説明をした造形装置10を用いて造形物50の造形を行う動作の例を示す。また、図4については、例えば、造形物50を構成する一つの層を形成する動作の例を示す図と考えることもできる。
上記においても説明をしたように、本例の造形装置10(図1参照)においては、走査駆動部18(図1参照)により混合押出ヘッド12(図1参照)の走査を駆動することにより、造形物50の造形を行う。また、この場合、走査駆動部18は、混合押出ヘッド12に、例えば、ベクトル型の走査であるベクトル走査を行わせる。この場合、ベクトル走査とは、例えば、連続的に溶融樹脂を押し出しつつ混合押出ヘッド12を移動させる走査等と考えることもできる。また、本例において、走査駆動部18は、積層方向(Z方向)と直交するXY面内の方向へ混合押出ヘッド12が移動するように、混合押出ヘッド12にベクトル走査を行わせる。XY面内の方向へ混合押出ヘッド12が移動するように混合押出ヘッド12にベクトル走査を行わせるとは、例えば図中に示すように、XY面内の任意の方向へ混合押出ヘッド12が移動するように混合押出ヘッド12にベクトル走査を行わせることである。
また、この場合、走査駆動部18は、例えば、混合押出ヘッド12に複数回のベクトル走査を行わせることで、混合押出ヘッド12に造形物50の各領域を順次形成させる。このような動作については、例えば、一つの同じ混合押出ヘッド12を用いて造形物50の各領域を形成する動作等と考えることもできる。また、より具体的に、この場合、走査駆動部18は、例えば、図中に矢印402で示す経路に沿って混合押出ヘッド12にベクトル走査を行わせることで、混合押出ヘッド12に内部領域202を形成させる。また、内部領域202としては、例えば、光反射領域204や着色領域206と比べて法線方向における厚みが大きな領域を形成することが考えられる。そして、厚みが大きな内部領域202を形成する場合、走査駆動部18は、例えば、内部領域202を形成するためのベクトル走査として、複数回のベクトル走査を混合押出ヘッド12に行わせる。
また、内部領域202の形成に続いて、例えば、造形の開始時点からn回目(nは、2以上の整数)のベクトル走査(第n走査)を図中に矢印404で示す経路に沿って混合押出ヘッド12に行わせることで、混合押出ヘッド12に光反射領域204を形成させる。更に、例えば、n+1回目のベクトル走査(第n+1走査)を図中に矢印406で示す経路に沿って混合押出ヘッド12に行わせることで、混合押出ヘッド12に着色領域206を形成させる。このように構成すれば、例えば、混合押出ヘッド12を用いて着色された造形物50を適切に形成することができる。
ここで、造形物50の造形時において、光反射領域204や着色領域206を形成するためのベクトル走査の回数についても、複数回にしてもよい。特に、着色領域206を形成するためのベクトル走査の回数については、複数回のすることが考えられる。このように構成すれば、例えば、厚みを大きくすることで光学的な隠蔽力を高めた着色領域206をより適切に形成することができる。また、これにより、例えば、着色領域206よりも内側の領域の色が造形物50の外部から視認されること等をより適切に防ぐことができる。
また、造形物50を高い精度で適切に造形を行うためには、少なくとも各回のベクトル走査を行う間、ベクトル走査の走査速度(線速度)を一定とし、かつ、混合押出ヘッド12から単位時間あたりに押し出す溶融樹脂の量を一定にすることが好ましい。また、一つの領域(例えば、内部領域202、光反射領域204、及び着色領域206のそれぞれ)を複数回のベクトル走査により形成する場合、一つの領域の形成時に行う複数回のベクトル走査において、混合押出ヘッド12から単位時間あたりに押し出す溶融樹脂の量を一定にすることがより好ましい。また、例えば各領域をできるだけ同じ条件で形成すること等を考えた場合、造形物50の造形時に行う全てのベクトル走査において、混合押出ヘッド12から単位時間あたりに押し出す溶融樹脂の量を一定にすることが好ましい。
また、各領域をより効率的に形成することを考えた場合、混合押出ヘッド12から単位時間あたりに押し出す溶融樹脂の量について、領域毎に異ならせること等も考えられる。より具体的に、混合押出ヘッド12から単位時間あたりに押し出す溶融樹脂の量は、材料供給部16(図1参照)から混合押出ヘッド12へ供給するフィラメントの供給量の合計に応じて変化することになる。この点に関し、上記においても説明をしたように、着色領域206の形成時には、CMYKの各色のフィラメントの使用量の合計の変化をクリア色のフィラメントで補填しつつ、ベクトル走査を行う。また、これにより、着色領域206の形成時には、例えば、常に複数のフィラメント供給部からフィラメントが供給される状態でベクトル走査を行うことが考えられる。
これに対し、各色のフィラメント用のフィラメント供給部として単位時間あたりの最大の供給量(フィラメントの供給量)が同じフィラメント供給部を用いる場合において、一つのフィラメント供給部からのみフィラメントの供給を受けつつ一つの領域を形成する場合、着色領域206の形成時と比べて、単位時間に混合押出ヘッド12へ供給されるフィラメントの合計量が少なくなると考えられる。より具体的に、例えば、内部領域202の形成時に行うベクトル走査では、混合押出ヘッド12において、一つのフィラメント供給部102mo(図1参照)のみからmo色のフィラメントの供給を受けて、mo色のフィラメントのみを溶融して押し出すことが考えられる。また、光反射領域204の形成時に行うベクトル走査では、例えば、混合押出ヘッド12において、一つのフィラメント供給部102w(図1参照)のみからW色のフィラメントの供給を受けて、W色のフィラメントのみを溶融して押し出すことが考えられる。そして、このような場合、内部領域202又は光反射領域204の形成時には、混合押出ヘッド12から単位時間あたりに押し出す溶融樹脂の量について、着色領域206の形成時よりも少なくすることが考えられる。
一方で、上記においても説明をしたように、内部領域202については、任意の色のフィラメントを用いて形成することも可能である。そのため、内部領域202の形成時には、より多くの種類のフィラメント(例えば、3種類以上のフィラメント)を同時に材料供給部16から混合押出ヘッド12へ供給することで、混合押出ヘッド12から単位時間あたりに押し出す溶融樹脂の量を着色領域206の形成時よりも多くすること等も考えられる。この場合、各回のベクトル走査では、混合押出ヘッド12により、内部領域202の形成に用いる複数種類のフィラメントを溶解して押し出す。このように構成すれば、例えば、内部領域202をより短時間で効率的に形成することができる。
続いて、着色領域206の形成時の動作について、更に詳しく説明をする。上記のように、本例において、着色領域206の形成時には、CMYKの各色のフィラメントの使用量の合計の変化をクリア色のフィラメントで補填しつつ、ベクトル走査を行う。また、この場合、造形しようとする造形物を示す入力データである造形データとしては、例えば、造形物50の各位置における色を示す色情報を含むデータを用いることが考えられる。そして、着色領域206の形成時に行うベクトル走査では、例えば、各色のフィラメントを色情報に応じて混合(ミックス)しつつ混合押出ヘッド12から押し出すことが考えられる。また、このような動作については、例えば、フィラメント供給部102c~k(図1参照)から供給される有色のフィラメントと、フィラメント供給部102t(図1参照)から供給されるクリア色のフィラメントとを混合した混合材料を押し出す動作等と考えることもできる。このように構成すれば、例えば、有色のフィラメント及びクリア色のフィラメントを用いて着色領域206を適切に形成できる。また、これにより、例えば、着色がされた造形物50を高い品質で適切に造形することができる。
また、上記のように、本例においては、着色領域206の形成時に混合押出ヘッド12から押し出す溶解樹脂である混合材料を単位時間あたりに混合押出ヘッド12から押し出す量(押出量)について、予め設定された一定値になるように制御を行う。この場合、単位時間あたりとは、例えば、ベクトル走査を一定走査速度(線速度)で実行している間における単位時間あたりのことである。また、一定になるように制御を行うとは、例えば、造形に求められる品質等に応じて、一定値とみなせるように制御を行うことである。
また、より具体的に、この場合、混合押出ヘッド12に混合材料を押し出させる制御において、造形装置10における制御部30(図1参照)は、例えば、フィラメント供給部102c~kから混合押出ヘッド12へ単位時間に供給される有色のフィラメントと、フィラメント供給部102tから混合押出ヘッド12へ単位時間に供給されるクリア色のフィラメントとの合計である材料合計量が予め設定された一定値になるように、フィラメント供給部102c~k及びフィラメント供給部102tの動作を制御する。このように構成すれば、例えば、有色のフィラメントの使用量の変化をクリア色のフィラメントにより適切に補填することができる。また、これにより、例えば、混合押出ヘッド12から押し出す混合材料の押出量の制御をより適切に行うことができる。
ここで、上記においても説明をしたように、本例の混合押出ヘッド12においては、例えば、CMYKの各色及びクリア色から選ばれるフィラメントを混合した混合材料を押し出す。そして、混合材料の色を変化させる場合、例えば、フィラメント供給部102c~kのそれぞれから混合押出ヘッド12へ供給するフィラメントの供給量を変化させることが考えられる。また、この場合、混合押出ヘッド12から単位時間あたりに押し出す混合材料の量を一定に保つためには、例えば、いずれかのフィラメント供給部(例えば、フィラメント供給部102c~kのいずれか)から混合押出ヘッド12へのフィラメントの供給量を増加又は減少させ、その変化量に応じて、他の少なくともいずれかのフィラメント供給部から混合押出ヘッド12へのフィラメントの供給量を減少又は増加させることが考えられる。
この点に関し、例えば色の調整を行うことのみを考えた場合、必ずしもクリア色のフィラメントを用いなくても、色の調整を行うことは可能である。しかし、上記においても説明をしたように、例えばクリア色のフィラメントを用いずに、CMYKの各色のフィラメント等のような有色のフィラメントのみを用いると、各色のフィラメントの使用量の調整が複雑になるおそれがある。これに対し、本例においては、クリア色のフィラメントを用いることで、混合材料の色への影響を抑えつつ、混合押出ヘッド12による押出量の調整を行うことができる。また、この場合、クリア色のフィラメントの供給量について、例えば、CMYKの各色のフィラメントの使用量の合計の変化を補填するように調整することで、混合押出ヘッド12から押し出す混合材料の押出量について、より容易かつ適切に一定値に合わせることができる。そのため、本例によれば、例えば、各色のフィラメントの使用量の調整が複雑になること等を適切に防ぎつつ、混合材料の色を様々に変化させることができる。
また、この場合、クリア色のフィラメントを用いることで、例えば、無色を含めたより多様な色の表現が可能になる。より具体的に、例えば、CMYKの各色のフィラメントを用いて着色領域206の着色を行う場合、造形データに含まれる色情報に応じて、CMYKの各色のフィラメントの使用量の合計(トータルの押し出し量)を変化させることになる。そして、この場合、例えば、色情報に基づいて濃い青色を表現するためには、C色のフィラメント及びM色のフィラメントについて、所定の最大の供給量(100%の供給量)で供給することが考えられる。また、その結果、合計の供給量である200%の供給量に対応する量の混合材料が混合押出ヘッド12から押し出されることになる。これに対し、例えば色情報が白色(又は無色)を示す場合、CMYKの各色のフィラメントを使用しないことになるため、これらのフィラメントの合計の供給量は0(ゼロ)になる。そして、この場合、クリア色のフィラメントを用いずに着色領域206を形成すると、造形物50の表面に意図しない凹凸等が形成されることになる。また、この場合、適切に層を重ねることができなくなり、積層の状態が崩れること等も考えられる。これに対し、本例によれば、例えば、クリア色のフィラメントを更に用いることにより、このような凹凸が形成されること等を適切に防ぐことができる。また、これにより、例えば、造形物50の表面の均一性を向上させて、高い品質の造形物50をより適切に形成することができる。
ここで、CMYKの各色のフィラメントを用いて着色領域206の着色を行う場合、CMYの各色のうちの2色のフィラメントを混ぜることで、R(レッド)、G(グリーン)、及びB(ブルー)の各色を表現することができる。そして、この場合、例えば、CMYKの各色のフィラメントに対して設定された基準の供給量(例えば、最大の供給量)である基準供給量を100%の供給量と定義すると、着色領域206の形成時に単位時間あたりに混合押出ヘッド12から押し出す混合材料の押出量について、200%の供給量に対応する量に設定することが考えられる。また、このような設定の仕方については、例えば、単位時間あたりに混合押出ヘッド12から押し出す混合材料の押出量に関し、一つのフィラメント供給部102(例えば、フィラメント供給部102c~kのいずれか)から単位時間に混合押出ヘッド12へ供給する有色のフィラメントの供給量の2倍にする方法等と考えることもできる。
また、基準供給量については、例えば、フィラメント供給部102c~kのうちのいずれか一つからのフィラメントの供給に対して設定された基準の供給量等と考えることもできる。また、この場合、フィラメント供給部102c~kのそれぞれは、例えば、単位時間あたりの供給量が基準供給量以下になるように、各色のフィラメントを混合押出ヘッド12へ供給する。そして、制御部30は、例えば、フィラメント供給部102c~k及びフィラメント供給部102tから受け取るフィラメントの合計である材料合計量が基準供給量の2倍になるように、フィラメント供給部102c~k及びフィラメント供給部102tの動作を制御する。このように構成すれば、例えば、混合押出ヘッド12から押し出す混合材料の押出量を一定に保つ制御をより容易かつ適切に行うことができる。
また、この場合、単位時間にフィラメント供給部102c~kのそれぞれから混合押出ヘッド12へ各色のフィラメントを供給する供給量について、基準供給量以下の複数種類の供給量を設定可能にすることが考えられる。このように構成すれば、例えば、より多様な色を表現することが可能になる。また、単位時間にフィラメント供給部102c~kのそれぞれから混合押出ヘッド12へ各色のフィラメントを供給する供給量については、例えば、1種類の供給量のみを設定すること等も考えられる。より具体的に、この場合において、混合押出ヘッド12へフィラメントを供給する場合、フィラメント供給部102c~kのそれぞれは、例えば、単位時間あたりの供給量が基準供給量と等しくなるように、混合押出ヘッド12へフィラメントを供給する。このように構成すれば、例えば、フィラメント供給部102c~k及びフィラメント供給部102tに対する動作の制御をより容易に行うことができる。
また、この場合、フィラメント供給部102tから混合押出ヘッド12へクリア色のフィラメントを供給する供給量の最大値については、フィラメント供給部102c~kに対して設定される基準供給量よりも大きくしてもよい。より具体的に、例えば、造形データに含まれている色情報において白色又は無色等が指定されている部分を含む着色領域206を形成する場合、クリア色のフィラメントのみを用いてその部分を形成することが考えられる。そして、この場合、単位時間あたりに混合押出ヘッド12から押し出す混合材料の押出量を上記のように200%の供給量に対応する量に設定するのであれば、フィラメント供給部102tから200%の供給量でクリア色のフィラメントを供給することが必要になる。そのため、この場合、フィラメント供給部102tから混合押出ヘッド12へクリア色のフィラメントを供給する供給量の最大値について、フィラメント供給部102c~kに対して設定される基準供給量の2倍又はそれ以上に設定することが好ましい。このように構成すれば、例えば、クリア色のフィラメントによる補填の動作をより適切に行うことができる。
続いて、造形装置10の構成の変形例等について、説明をする。図5は、造形装置10の構成の変形例について説明をする図である。図5(a)は、造形装置10の構成の変形例における材料供給部16の構成の一例を示す。図5(b)は、造形装置10の構成の更なる変形例における材料供給部16の構成の一例を示す。尚、以下に説明をする点を除き、図5において、図1~4と同じ符号を付した構成は、図1~4における構成と同一又は同様の特徴を有してよい。
上記の説明等から理解できるように、造形装置10の造形に用いるフィラメントの組み合わせについては、図1等を用いて説明をした組み合わせに限らず、様々に変更が可能である。また、この場合、造形装置10における材料供給部16の構成について、使用するフィラメントの組み合わせに応じて変更することが考えられる。より具体的に、上記においても説明をしたように、造形物の内部領域については、mo色のフィラメント以外のフィラメントを用いて形成することも可能である。そのため、造形装置10の変形例における材料供給部16では、例えば図5(a)に示すように、mo色のフィラメント用のフィラメント供給部を省略してもよい。
また、上記においても説明をしたように、造形物の光反射領域については、例えば、W色のフィラメントのみを用いて形成することが考えられる。また、着色領域の少なくとも一部については、例えば、クリア色のフィラメントのみを用いて形成する場合もある。また、造形物の周囲等にサポート層を形成する場合には、サポート層について、サポート材用のフィラメントのみで形成することが考えられる。そして、例えば各色のフィラメント用のフィラメント供給部として単位時間あたりの最大の供給量(フィラメントの供給量)が同じフィラメント供給部を用いる場合、これらのフィラメントについて、材料供給部16は、一つの色のフィラメントに対して複数個のフィラメント供給部を有してもよい。より具体的に、図5(a)に示す場合において、材料供給部16は、クリア色のフィラメントを供給するフィラメント供給部102tを複数個有する。また、W色のフィラメントを供給するフィラメント供給部102wを複数個有する。更に、サポート材用のフィラメントを供給するフィラメント供給部102sを複数個有する。また、この場合、複数のフィラメント供給部102tを合わせた構成について、クリア材料供給部の一例と考えることができる。複数のフィラメント供給部102wを合わせた構成について、光反射性材料供給部の一例と考えることができる。また、複数のフィラメント供給部102sを合わせた構成について、サポート材供給部の一例と考えることができる。
ここで、造形装置10の構成の更なる変形例において、より少ない数のフィラメント供給部を用いて各領域をより効率的に形成することを考えた場合、造形物の光反射領域について、W色のフィラメントのみを用いて形成するのではなく、W色のフィラメントとクリア色のフィラメントとを用いて形成すること等も考えられる。このように構成した場合も、光反射性を有する光反射領域を適切に形成できる。また、この場合、例えば、フィラメント供給部102wの個数を複数に増やさなくても、光反射領域の形成時において、複数のフィラメント供給部から混合押出ヘッド12(図1参照)へフィラメントを供給することができる。
また、フィラメント供給部の数を更に少なくする構成を考えた場合、材料供給部16の構成について、例えば図5(b)に示すようにすること等も考えられる。この場合、着色領域206の形成に用いる有色のフィラメントとしては、K色のフィラメントを用いずに、CMYの3色のフィラメントを用いる。この場合も、クリア色のフィラメントを用いて補填を行うことで、着色領域206を適切に形成することができる。また、この場合も、例えばCMYの3色を混色させることで、ブラック色を表現することが可能である。また、図5(b)に示す構成の材料供給部16では、サポート材用のフィラメントを供給するフィラメント供給部102sも省略している。そのため、この構成の材料供給部16については、例えば、サポート層の形成が不要な場合等に好適に用いることができる。
また、上記においては、主に、全てのフィラメントを一つの混合押出ヘッド12へ供給する場合の構成の例について、説明をした。しかし、造形装置10の構成の変形例においては、混合押出ヘッド12以外の押出ヘッドを更に用いて、一部のフィラメントに対応する溶融樹脂について、その押出ヘッドから押し出してもよい。
図6は、造形装置10の構成の更なる変形例を示す。尚、以下に説明をする点を除き、図6において、図1~5と同じ符号を付した構成は、図1~5における構成と同一又は同様の特徴を有してよい。
本変形例において、造形装置10は、図1を用いて説明をした造形装置10の構成に加え、押出ヘッド22を更に備える。また、造形物の内部領域の形成に用いるmo色のフィラメントを供給するフィラメント供給部102moについて、混合押出ヘッド12へフィラメントを供給する材料供給部16とは別の構成として配設する。また、本変形例において、フィラメント供給部102moは、押出ヘッド22へmo色のフィラメントを供給する。そして、押出ヘッド22は、フィラメント供給部102moから供給されるmo色のフィラメントを溶融して押し出す。
本変形例においても、フィラメント供給部102moは、構築材料供給部の一例である。また、押出ヘッド22は、構築材料供給部から供給される構築材料を溶融して押し出す構築材料押出部の一例である。また、本変形例において、押出ヘッド22は、混合押出ヘッド12とは別の構成として配設されることで、混合押出ヘッド12と異なる位置に配設される。また、本変形例の構成については、例えば、造形物の形成時に用いる混合押出ヘッド12とは別の押出部である押出ヘッド22を用いて構築材料を押し出す構成の例と考えることができる。また、本変形例の構成については、例えば、着色領域の形成に用いる着色用の材料とは異なるノズルから構築材料を押し出す構成等と考えることもできる。
本変形例においても、例えば、造形物の各領域を適切に形成することができる。また、この場合、例えば、混合押出ヘッド12を用いて形成する着色領域と、押出ヘッド22を用いて形成する内部領域とについて、領域毎に条件を異ならせて造形の動作を行うこと等も考えられる。より具体的に、この場合、例えば、内部領域の形成時に押出ヘッド22から単位時間に押し出す溶融樹脂の押出量について、着色領域の形成時に混合押出ヘッド12から単位時間に押し出す混合材料の押出量と異ならせてもよい。また、このような構成について、混合押出ヘッド12及び押出ヘッド22へのフィラメントの供給量に着目して考えた場合、例えば、内部領域の形成時において単位時間にフィラメント供給部102moから押出ヘッド22へ供給されるmo色のフィラメントの供給量について、着色領域の形成時に材料供給部16における複数のフィラメント供給部(例えば、フィラメント供給部102c~k及びフィラメント供給部102t)から混合押出ヘッド12へ供給される有色のフィラメントとクリア色のフィラメントとの合計量(材料合計量)と異ならせる構成等と考えることもできる。
また、造形装置10の構成の更なる変形例においては、例えば、造形物の光反射領域の形成時に用いる溶融樹脂について、着色領域の形成時に用いる混合押出ヘッド12とは別の押出部である押出ヘッド22から押し出してもよい。この場合、押出ヘッド22とは、例えば図6に示した押出ヘッド22と同様に、混合押出ヘッド12とは異なる位置に配設される押出ヘッドのことである。また、本変形例の構成については、例えば、図6におけるフィラメント供給部102wとフィラメント供給部102moとを入れ替えた構成等と考えることもできる。また、この場合、例えば、図6におけるフィラメント供給部102moと同一又は同様にして、W色のフィラメントを供給するフィラメント供給部102wについて、混合押出ヘッド12へフィラメントを供給する材料供給部16とは別の構成として配設する。そして、押出ヘッド22に対し、フィラメント供給部102wからW色のフィラメントを供給する。この場合も、フィラメント供給部102wについて、光反射性材料供給部の一例と考えることができる。また、フィラメント供給部102wからフィラメントの供給を受ける押出ヘッド22については、光反射性材料を溶融して押し出す光反射性材料押出部の一例と考えることができる。このように構成した場合も、例えば、造形物の各領域を適切に形成することができる。
また、この場合、例えば、混合押出ヘッド12を用いて形成する着色領域と、押出ヘッド22を用いて形成する光反射領域とについて、領域毎に条件を異ならせて造形の動作を行うこと等も考えられる。より具体的に、この場合、例えば、光反射領域の形成時に押出ヘッド22から単位時間に押し出す溶融樹脂の押出量について、着色領域の形成時に混合押出ヘッド12から単位時間に押し出す混合材料の押出量と異ならせてもよい。また、このような構成について、混合押出ヘッド12及び押出ヘッド22へのフィラメントの供給量に着目して考えた場合、例えば、光反射領域の形成時において単位時間にフィラメント供給部102wから押出ヘッド22へ供給されるフィラメントの供給量について、着色領域の形成時に材料供給部16における複数のフィラメント供給部(例えば、フィラメント供給部102c~k及びフィラメント供給部102t)から混合押出ヘッド12へ供給される有色のフィラメントとクリア色のフィラメントとの合計量(材料合計量)と異ならせる構成等と考えることもできる。
また、上記においても説明をしたように、造形物の内部領域及び光反射領域については、W色のフィラメントを用いて形成をすることで、両方の機能を兼ねた一つの領域として形成すること等も考えられる。そして、この場合、図6に示す構成に対し、フィラメント供給部102moの代わりにフィラメント供給部102wを配設して、材料供給部16内のフィラメント供給部102wを省略した構成等を好適に用いることができる。