JP3242372B2 - スパッタリング装置及び成膜方法 - Google Patents

スパッタリング装置及び成膜方法

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JP3242372B2 JP31064698A JP31064698A JP3242372B2 JP 3242372 B2 JP3242372 B2 JP 3242372B2 JP 31064698 A JP31064698 A JP 31064698A JP 31064698 A JP31064698 A JP 31064698A JP 3242372 B2 JP3242372 B2 JP 3242372B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体デバイス等
の製造プロセス技術の一つであるスパッタリングに関
し、特に、セルフスパッタリング技術に関する。
【0002】
【従来の技術】近年の半導体デバイスの高集積化に伴い
配線パターンの微細化が進み、スパッタリング法により
コンタクトホール及びビアホール等に効率よく配線膜を
形成することが困難になりつつある。例えば、標準的な
マグネトロン式スパッタリング装置において、上記の微
細なホールを有する半導体ウエハ表面に対して成膜を行
った場合、ホールの入り口部にオーバーハングが生じ、
ボトムカバリッジ率が損なわれるという問題がある。
【0003】この問題を解決するためにコリメーション
スパッタリング法、遠隔スパッタリング法等の技術が開
発されている。また、セルフスパッタリング(自己スパ
ッタリング)法も、コリメーションスパッタリング法及
び遠隔スパッタリング法にない長所を有しているため、
このような問題を解決する今後と技術として有望視され
ている。
【0004】セルフスパッタリング法は、ターゲットを
スパッタリングするイオンが、ターゲットからスパッタ
リングされた粒子自体によって行われる現象を利用した
ものである。このセルフスパッタリング法を実行するた
めには、まず、アルゴンをプロセスガスとして導入し
て、従来と同様にスパッタリング粒子を発生させて、セ
ルフスパッタリングに移行した後に、プロセスガスの供
給を停止して、セルフスパッタリングのみによってスパ
ッタリングが進行するようにする必要がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】かかるセルフスパッタ
リング法においては、アルゴンイオンによる他のスパッ
タリング法に比して、チャージアップダメージが生じ易
いという問題がある。チャージアップダメージの代表的
な例としては、MOS構造においてゲート電極の上に電
荷が蓄積し、ゲート電極下のゲート絶縁膜を破壊するに
至るものが知られている。
【0006】また、セルフスパッタリング法において基
板は接地電極から絶縁された状態に置かれるが、この基
板と接地電極との間で異常放電が生ずることもある。
【0007】そこで、本発明の目的は、セルフスパッタ
リングプロセスにおける前記チャージアップや異常放電
の問題を回避する手段を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】まず、本発明者らは、上
記課題を解決するために、チャージアップの原因を検討
した。その結果、アルゴンイオンでターゲットをスパッ
タリングする方法では、スパッタリングされた粒子は特
にイオン化されることはなく、そのまま基板に堆積する
が、セルフスパッタリング法では、スパッタリングされ
た粒子をプラズマ中でイオン化する必要があるため、そ
のイオン化された粒子がそのまま基板に達し、それがた
めにチャージアップするのではないかとの結論に至っ
た。
【0009】本発明はかかる知見に基づき為されたもの
であり、真空チャンバと、前記真空チャンバ内において
基板を支持するための支持手段と、前記支持手段によっ
て支持される基板にエロージョン面が対面するように設
けられたターゲットと、前記真空チャンバ内にプロセス
ガスを供給するためのガス供給手段と、前記真空チャン
バ内に供給されたプロセスガスをプラズマ化するための
プラズマ化手段と、前記真空チャンバを減圧するための
減圧手段とを備え、前記ターゲットからスパッタリング
され且つイオン化された粒子の一部を前記ターゲットに
戻し衝撃させることにより、スパッタリングを継続させ
膜を形成するよう構成されたスパッタリング装置におい
て、前記支持手段により支持された基板表面の近傍及び
/又は基板表面に電子を照射する電子照射手段を設け、
前記基板表面に達する前記イオン化された粒子を前記電
子により中性化するよう構成したことを特徴としてい
る。
【0010】また、本発明による成膜方法は、真空チャ
ンバ内に設けられたターゲットからスパッタリングされ
且つイオン化された粒子の一部を前記ターゲットに戻し
衝撃させることにより、スパッタリングを継続させ基板
上に膜を形成する成膜方法であって、前記基板表面の近
傍及び又は基板表面に電子を照射し、前記基板に達する
前記イオン化された粒子を前記電子により中性化するこ
とを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照しながら説明する。可能な場合には、同一の部分
には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0012】図1は、本発明の一実施形態に係るマグネ
トロン式スパッタリング装置の概略構成図である。スパ
ッタリング装置10は、内部に真空チャンバ12を形成
するハウジング14と、ハウジング14の上部開口部を
閉じるように配置されたターゲット16を備えている。
ハウジング14及びターゲット16は両方とも導電性材
料から作られているので、ハウジング14とターゲット
16との間には絶縁部材13aが挟まれている。図1に
示す実施形態では、ハウジング14は円形状の底面と、
この円形状の底面の周辺から所定の距離だけ延び出した
管状部を有し、管状部は円柱殻状を有する。ターゲット
16の形状は円盤形である。ターゲット16の円形状の
一表面16a(以下、下面という)は、スパッタリング
によってエロージョンを受けるエロージョン面となって
いる。
【0013】真空チャンバ12内には、支持手段として
ペディスタル18が配置されている。ペディスタル18
は、真空チャンバ12内において基板15を支持する。
このため、ペディスタル18は、処理されるべき基板1
5、例えば半導体ウエハW、をその一表面(以下、上面
という)18a上において保持する。ペディスタル18
の上面18aは、ターゲット16の下面16aに対面す
るように配置されている。ペディスタル18上の所定の
位置に保持された基板15(ウエハW)の堆積されるべ
き面15aは、ターゲット16の下面16aに対して平
行に配置される。基板15は、その中心がターゲット1
6の中心に合うように配置されている。本実施形態で
は、ターゲット16の寸法、及びペディスタル18とタ
ーゲット16との間隔については、従来の標準的なスパ
ッタリング装置と同様の値を有することができる。
【0014】スパッタリング装置10は、被スパッタリ
ング粒子から真空チャンバ12の内壁面を保護するため
に、被スパッタリング粒子が内壁面に到達するのを防止
するシールド26を有している。シールド26の一辺の
縁部はハウジング14と絶縁部材13aとによって挟ま
れ、シールド26の一辺はハウジングの上部開口部の縁
端において固定されている。シールド26は、その一辺
の縁部から延在して、別の辺はペディスタル18の側面
に至る。別辺の縁部はペディスタル18の側面に沿って
絶縁部材13bを介して固定されている。このため、シ
ールド26は、ペディスタル18と電気的に絶縁されて
いる。
【0015】ハウジング14には排気ポート20が形成
しされている。本実施形態の場合には、排気ポート20
には、クライオポンプ等の真空ポンプ21が接続されて
いる。この真空ポンプ21を作動させることによって、
真空チャンバ12内が減圧されることができる。排気ポ
ート20及び真空ポンプ21は減圧手段を構成する。プ
ロセスガスとしてアルゴンガスが、供給ポート22を通
してプロセスガス供給源25から真空チャンバ12内に
供給される。供給ポート22は、バルブ23によって開
閉可能である。このバルブ23を開閉すると、プロセス
ガスの供給量及び供給タイミングを制御できる。供給ポ
ート22及びプロセスガス供給源25は、ガス供給手段
を構成する。
【0016】ターゲット16とシールド26とには、プ
ラズマ化手段として加速用電源24の陰極及び陽極がそ
れぞれ接続されいる。真空チャンバ12内にプロセスガ
スであるアルゴンガスを導入して、ターゲット16とシ
ールド18との間に電圧を加えると、グロー放電が起こ
りプラズマ状態となる。この放電によって発生したアル
ゴンイオンがターゲット16の下面16aに衝突する
と、ターゲット16を構成する原子(被スパッタリング
粒子)がはじき出される。このターゲット原子がウエハ
W上に到達して堆積されると、ウエハW上に薄膜が形成
される。
【0017】ターゲット16の下面16aとは反対の
側、つまりターゲット16の上方には、ターゲット16
の近傍のプラズマ密度を高めるためのマグネトロンユニ
ット30が配置されている。図2は、各マグネトロンユ
ニットの配置位置を示すための上面図である。図2を参
照すると、マグネトロンユニット30は、円形のベース
プレート32と、ベースプレート32上に所定の配列で
固定された複数のマグネット34と、を備える。ベース
プレート32は、ターゲット16の上方に配置され、そ
の上面の中心には駆動用モータ36の回転軸38が接続
されている。したがって、駆動モータ36を作動させて
ベースプレート32を回転させると、各マグネット34
はターゲット16の上面に沿って旋回して、マグネット
34によって発生される磁界が一カ所に静止されること
を防止することができる。
【0018】図3は、1個のマグネットの部分を拡大し
たマグネトロンユニットの拡大図である。各マグネット
34は、図3に明示するように、強磁性体から成る平板
状のヨーク部材40と、ヨーク部材40の各端部に固着
された棒磁石42、44とから構成されている。2本の
棒磁石42、44は同一方向に延び、マグネット34の
全体形状は略U字状となっている、また、一方の棒磁石
42の自由端はN極、他方の棒磁石44の自由端はS極
となっている。
【0019】各マグネット34(34o、34i)は、
これらの自由端がそれぞれターゲット16の下面16a
に対向する面16bと対面するようにターゲット16の
上方に配置されている。このようなマグネット34は、
ヨーク部材40の背面をベースプレート32に接触させ
た状態で適当な固定手段、例えばねじ46等によってベ
ースプレート32に固定されている。かかる構成では、
マグネット34は固定位置を自由に変更することが可能
である。マグネット34の配置は種々考えられるが、図
示されている実施形態では、マグネット34は図2に示
されるように二重の環状配列に成っている。全環状マグ
ネットは、内側環状マグネット34i群(添え字iは内
側の環状配列を表す)及び外側環状マグネット34o群
(添え字oは外側の環状配列を表す)からなる。各マグ
ネット34i、34oは、ターゲット16の下面16a
近傍の空間に磁界を形成することによって、当該空間に
形成されるプロセスガスのプラズマを制御することがで
きる。
【0020】再び、図1及び図2を参照すると、スパッ
タリング装置10は、コイル27を更に備える。コイル
27は、スパッタリング装置10の真空チャンバ12の
外部に設けられ、またハウジング14の外側面に沿って
配置されている。図1及び図2に示された実施形態で
は、コイル27は、2つの端部27a、27bを有する
導線27cがハウジング14の側面の周りに複数回巻き
まわされている。導線27cの両端部27a、27b
は、コイル用電源28の陰極及び陽極にそれぞれ接続さ
れている。
【0021】コイル27は、所定の基準軸の周りに導線
27cが順次に巻き回されながら基準軸に沿って一方向
に延びるよう配置されている。所定の基準軸は、ターゲ
ット16のエロージョン面16aと、ペディスタル18
によって支持されるウエハWの表面とを結ぶ軸の1つと
して決定されることが好ましい。この基準軸は、ペディ
スタル18の上面上に配置されたウエハWの中心点を通
過することが好ましい。このような基準軸は、コイル2
7がエロージョン面に垂直な磁場成分を真空チャンバ1
2内に主に発生させることを目的とするので、エロージ
ョン面に垂直方向であることが好ましい。このようなコ
イル27は内側の中空部分に磁場を閉じ込めることがで
きるので、ソレノイドコイルであることが好ましい。本
実施形態に好適なソレノイドコイル27は、ソレノイド
コイル27の下端から基準軸の周りにソレノイドコイル
27の上端に達するまで順次に導線27cを巻き回して
形成されている。断面が円形の中空領域を有し、この円
筒形の領域に真空チャンバ12が配置されている。本実
施形態では、ソレノイドコイル27は単一のコイルとし
て形成されているけれども、同一の基準軸の周りに巻き
回された複数のコイルからなるコイル群(ソレノイドコ
イル群)として成形されることができる。
【0022】ソレノイドコイル27又はソレノイドコイ
ル群は、その上端の位置を含む平面がエロージョン面1
6aと平行になるように、またその下端の位置を含む平
面がペディスタル18の上面18a、つまりウエハWの
表面に平行になるように配置されている。このように配
置すると、ソレノイドコイル27によって発生される磁
場Hの基準軸の方向の成分(垂直成分Hv)の大きさを
最大化することができる。
【0023】ソレノイドコイル27の上端の位置及び下
端の位置はコイル27の長さを決定する。この長さは、
エロージョン面16aとペディスタル18の上面18a
との間にある真空チャンバ12内の空間(以下、セルフ
スパッタリング空間という)に形成される磁場Hの垂直
成分Hvの水平成分Hhに対する比率を主に支配する。
ソレノイドコイル27を基準軸方向に相対的に長く形成
すると、中空部分に磁場が閉じ込められるので、基準軸
と平行な磁場成分を効率的に発生する。このため、ソレ
ノイドコイル27の両端部から離れたセルフスパッタリ
ング空間内の各点においては、磁場Hの垂直成分Hvを
水平成分Hhに比べて大きくできる。
【0024】コイルの胴径方向の巻き数はコイルの厚み
を決定する。この巻き数は、セルフスパッタリング空間
内の各点における磁場Hの強度を主に支配する。このた
め、磁場Hを強くすると、その強度に比例して垂直成分
Hvの大きさも強くなる。このため、セルフスパッタリ
ング空間内の各点、特にエロージョン面16a及びペデ
ィスタル18の上面18aとの間の中間領域において磁
場Hの垂直成分Hvを大きくするためには、ソレノイド
コイル27の胴径方向の巻き数を多くすることが好まし
い。
【0025】このように形成されたソレノイドコイル2
7は、加えられる電流方向に応じて、エロージョン面1
6aからペディスタル18の上面18aに向かう方向、
又はペディスタル18の上面18aからエロージョン面
16aに向かう方向、つまり基準軸に沿った方向に磁場
Hを発生する。この磁場Hは、自己スパッタリング空間
の多くの領域において、Hv>>Hh、すなわち垂直成
分が水平成分に比べて十分に大きいという関係を満たす
ように発生されることが好ましい。
【0026】このようなスパッタリング装置では、マグ
ネトロンユニット30によってプロセスガスはエロージ
ョン面16aの近傍においてプラズマ化される。このた
め、ターゲット16のエロージョン面16aから被スパ
ッタリング粒子が生成される。また、基準軸の周りに導
線を巻き回して形成されたコイル27を設けたので、エ
ロージョン面16aに垂直方向の磁場成分が水平方向の
磁場成分に比べて大きいような磁場が真空チャンバ12
内においてエロージョン面16aの近傍とは異なる領域
に発生される。スパッタリングされた粒子は、垂直成分
が水平成分に比べて優勢な真空チャンバ12内の領域に
おいて効率的にイオン化される。このため、コイル27
を用いて発生された磁場によってイオン化された粒子の
一部は、エロージョン面16aに向けて加速され、エロ
ージョン面16aに衝突すると別のスパッタリングされ
た粒子が生成される。このため、セルフスパッタリング
が連続的に生じる。
【0027】更に、このスパッタリング装置10には、
少なくとも一つの電子照射装置(電子照射手段)50が
設けられている。この電子照射装置50は、比較的低エ
ネルギの電子を放出する装置であり、種々の型式のもの
を用いることができるが、例えばタングステンフィラメ
ントに電流を流して熱電子を放出させ、それを金属面に
照射し、当該金属面から発せられる二次電子を放出する
型式のものが代表的である。このような電子照射装置5
0は、処理チャンバ12のハウジング14及びシールド
26を貫通して設置されており、電子照射領域がペディ
スタル18の上面18aにて支持されたウエハWの表面
及びウエハWの表面近傍、或いは、そのいずれか一方と
なるように、向きが定められている。なお、ウエハWの
表面及びその近傍に電子をバランス良く照射するために
は、電子照射装置50は複数個、周方向に等間隔に設け
ることが好ましい。
【0028】この電子照射装置50は制御器29に接続
されている。制御器29はマイクロコンピュータ、タイ
マ等を有しているため、電流のオン及びオフの制御、電
流値の変更等を時間的な制御も含めて行うことができ
る。制御器29は、また、ソレノイドコイル用電源2
8、バルブ23、加速用電源24、及び駆動用モータ3
6にも接続されている。このため、これらの機器に対し
ても同様な制御を行うことができる。さらに、バルブ2
3、加速用電源24、ソレノイドコイル用電源28、駆
動用モータ36及び電子照射装置50は、同一の制御器
29に制御線29aを介して接続されているので、これ
らの機器を相互に関連させながら制御することがでい
る。このため、プロセスガスの供給、プロセスガスのプ
ラズマ発生、セルフスパッタリングへの移行、電子照射
等を所定のタイミングに対して同期して制御することが
できる。
【0029】次に、図4を参照しながら、上記構成のス
パッタリング装置においてセルフスパッタリングが起こ
るメカニズムについて説明する。図4は、図1に示され
たスパッタリング装置10に形成される磁場を示した構
成図であり、電子照射装置50については省略して示し
てある。図4では、マグネトロンユニット30が有する
各マグネット34、及びソレノイドコイル27のそれぞ
れによって発生される磁場を破線で示している。なお、
マグネトロンユニット30は駆動モータ36によって回
転されるので、各マグネット34i、34oによって発
生される磁場は実際のスパッタリング装置では駆動軸3
8の周りに回転している。
【0030】以下の説明では、ターゲットは銅を主構成
元素としている場合について説明する。つまり、ウエハ
W上には、銅薄膜がスパッタリングによって堆積され
る。しかしながら、本実施形態のスパッタリング装置1
0が適用されるターゲット材料としては、銅に限定され
ない。
【0031】マグネトロンユニット30が有する各マグ
ネット34(34i、34o)は、図3において破線を
用いて示されるように、トロイダル磁場Aを形成する。
この環状の磁場Aは、ターゲット16のエロージョン面
16a近傍においては、この面16aに平行な磁場の成
分Hah(水平成分)が主要な成分である。この磁場成分
Hahは、ターゲット16のエロージョン面16a近傍に
アルゴンの放電によって形成されるプラズマ密度を高め
るように作用するため、この磁場成分Hahが大きい領域
(図1の破線領域P)では、アルゴンによるスパッタリ
ングが促進される。ところが、この磁場成分Hahは、被
スパッタリング粒子Cuに対してはイオン化、つまりプ
ラズマ化を促進しない。
【0032】一方、エロージョン面16aと、ペディス
タル18の上面18aの間にあり、エロージョン面16
aの近傍領域とは異なる場所にあるセルフスパッタリン
グ空間では、ソレノイドコイル27が磁場Bが生成す
る。磁場Bは、この空間において、ソレノイドコイル2
7の軸方向に向く磁場成分(垂直成分)Hbvが主要な成
分となる。この成分は、エロージョン面16aに対して
垂直な磁場成分Hbvである。この磁場成分Hbvは、エロ
ージョン面16aに対して垂直な速度成分を有する銅原
子Cu(被スパッタリング粒子)から電子が脱離させて
銅原子Cuのイオン化を促進する作用がある。このた
め、ソレノイドコイル27によって発生される磁場B
は、以下のように作用する。
【0033】まず、アルゴンによってスパッタリングさ
れた銅原子Cuは、セルフスパッタリング空間をウエハ
Wに向かって進んでいく。この途中で、磁場Bの垂直成
分Hbvの作用を受けて、銅原子Cuは、ある割合でイオ
ン化され銅イオンCu+を生成する。イオン化された銅
Cu+は、シールド26からターゲット16へ向かう電
界と相互作用してクーロン力を受ける。このため、イオ
ン化した時に持っていた運動エネルギがポテンシャルエ
ネルギに比較して小さい原子は、ターゲット16のエロ
ージョン面16aの向きに運動方向を変える。そして、
それぞれのCu+のポテンシャルエネルギに応じて加速
されて、イオン化された時の運動エネルギ及びポテンシ
ャルエネルギに応じた運動エネルギでエロージョン面1
6aに衝突する。この衝突の際のエネルギがターゲット
から別の原子をスパッタリングさせるために十分である
ときは、Cu+によるスパッタリングによって次の被ス
パッタリング原子が生成される。この原子は、その初速
度に応じて、セルフスパッタリング空間をウエハWに向
かって進んでいく。
【0034】つまり、(1)スパッタリングによる銅原子
Cuの生成、(2)生成された銅原子の磁場中の飛行、
(3)このCu原子の垂直磁場成分によるイオン化、(4)
銅イオンCu+の電界による加速、(5)この銅イオンCu
+のターゲットへの衝突、(6)セルフスパッタリングによ
る別の銅原子の生成、(7)生成された銅原子の磁場中
の飛行、という順にプロセスが進行する。生成された銅
原子の一部は、イオン化されたもの及びイオン化されな
かったものも含めて、ウエハWの表面に到達し、そこに
堆積される。。
【0035】このようなプロセスが進行して、イオン化
された銅イオン数が、イオン化されていない銅原子数よ
りも多くなると、セルフスパッタリングが維持される。
しかし、このセルフスパッタリング状態となると、ウエ
ハWの表面に達する被スパッタリング粒子のうち相当数
が銅イオンとなる。これが、上述したようなチャージア
ップダメージや異常放電の原因となると考えられる。
【0036】このようなセルフスパッタリング状態にお
けるチャージアップ等を防止するための、本発明の成膜
方法を次に説明する。図5は、スパッタリング装置を操
作するタイミングチャートを示している。図5は、バル
ブ23によって行われるアルゴン流量の制御、電源24
によって行われるターゲット16とシールド26との間
に電圧の制御、コイル27の磁場の制御、及び、電子照
射装置の電源のオンオフ制御を横軸に時間軸をとって示
している。
【0037】図5を参照すると、時刻t0において、電
源24からターゲット16とシールド26との間に電圧
をを加える。時刻t1において、バルブ23を開けて真
空チャンバ12内にプロセスガス(アルゴンガス)の供
給を開始する。時刻t2において、グロー放電するため
に好適な真空度となるので、バルブ23を固定する。こ
こまでの過程において、また、今後も、真空ポンプによ
って真空排気は連続的に行われる。図3には示さない
が、マグネトロンユニット30を動作させると、アルゴ
ンのプラズマをエロージョン面26a近傍(図1のP領
域)に効率よく形成する。アルゴンプラズマの働きによ
って、ターゲット16のエロージョン面16aからはス
パッタリングされた銅原子が発生される。この状態は、
図6(a)に模式的に示されている。つまり、アルゴン
イオンがターゲットに衝突して、銅原子がスパッタリン
グされる(通常スパッタリング状態)。
【0038】次いで、時刻t3から時刻t4にかけて、電
源24から、パワーをP1からP2に上昇させる。このと
きの、アルゴンによるスパッタリングは維持されてい
る。
【0039】続いて、時刻t5において磁場Bを発生さ
せ、時刻t6にかけて徐々に上昇させる。このような過
程で、磁場Bがある程度の値になると、セルフスパッタ
リングが起こり出す。このとき、スパッタリングされた
銅原子は、アルゴンイオンによるものと、銅イオン自体
によるものとがある。しかしながら、磁場Bが適切な向
きになるように発生されているので、セルフスパッタリ
ングが維持される条件が満たされている。この状態は、
図6(b)に模式的に示されている。つまり、アルゴン
イオンがターゲットに衝突して銅原子がスパッタリング
される場合と、銅イオンがターゲットに衝突して銅原子
がスパッタリングされる場合とが共存している(遷移状
態)。
【0040】一方、時刻t7からアルゴンの流量を減ら
しはじめて、時刻t8においてアルゴンの供給を停止す
る。時刻 8 において、プロセスガスの供給が完全に停
止されると、セルフスパッタリングのみによって銅原子
は供給される。この状態は、図6の(c)に模式的に示
されている。つまり、銅イオンがターゲットに衝突し
て、銅原子がスパッタリングされる(セルフスパッタリ
ング状態)。この時刻t8からセルフスパッタリングは
安定した状態で行われ、ターゲットからの粒子、すなわ
ち銅原子と銅イオンの一部はウエハWの表面に堆積さ
れ、銅薄膜を形成する。
【0041】また、時刻t8からは、電子照射装置50
の電源(図示せず)をオンし、電子照射装置50の照射
口から電子を照射する。電子照射装置50の起動は、時
刻t5からの遷移状態から行ってもよいが、遷移状態で
は真空チャンバ12が不安定な状態にあるので、時刻t
8から行うことが好ましい。これにより、ウエハWの表
面に近づきつつある銅イオン及びウエハWの表面に達し
た銅イオンは電子照射装置50からの電子により中性化
され、正電荷の蓄積が防止され、チャージアップダメー
ジ及び異常放電の発生が防止される。なお、一プロセス
においてチャージアップされる電荷量は予めテスト等を
行うことで求めることができるので、その量に応じた電
子が放出されるよう電子照射装置50は調整される。
【0042】以上、本発明の好適な実施形態について詳
細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されない
ことは言うまでもない。
【0043】例えば、電子照射装置50の起動タイミン
グ等は適宜変更可能である。また、チャージップされる
電荷量を計測する等して、電子照射装置50をフィード
バック制御することもできる。
【0044】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、セ
ルフスパッタリング法を採用したスパッタリング装置及
び成膜方法における問題点、すなわち基板のチャージア
ップダメージを防止することができ、また、真空チャン
バ内での異常放電を防止することができる。更に、イオ
ンが基板に衝突すると、原子の衝突の場合よりも基板が
加熱する傾向があるが、かかる加熱も防止することがで
きる。従って、半導体デバイスの性能や歩留まりが向上
するという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に従うマグネトロン式スパッタ
リング装置の概略構成図である。
【図2】図2は、各マグネトロンユニットの配置位置を
示すための上面図である。
【図3】図3は、1個のマグネットの部分を拡大したマ
グネトロンユニットの拡大図である。
【図4】図4は、本発明に係わるスパッタリング装置に
形成される磁場を示した構成図である。
【図5】図5は、スパッタリング装置を操作するタイミ
ングチャートを示している。
【図6】図6は、通常スパッタリング状態、遷移状態及
びセルフスパッタリング状態を説明するための模式図で
ある。
【符号の説明】
10…スパッタリング装置、12…真空チャンバ、13
a、13b…絶縁部材、14…ハウジング、15…基
板、16…ターゲット、18…ペディスタル、20…排
気ポート、21…真空ポンプ、22…供給ポート、23
…バルブ、24…加速用電源、25…プロセスガス供給
源、26…シールド、27…コイル、28…ソレノイド
コイル用電源、29…制御器、30…マグネトロンユニ
ット、32…ベースプレート、34…マグネット、36
…駆動モータ、38…駆動用モータ、40…ヨーク部
材、42、44…棒磁石、50…電子照射装置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭50−28485(JP,A) 特開 平6−325724(JP,A) 特開 平5−109642(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23C 14/00 - 14/58 H01L 21/285

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 真空チャンバと、 前記真空チャンバ内において基板を支持するための支持
    手段と、 前記支持手段によって支持される基板にエロージョン面
    が対面するように設けられたターゲットと、 前記真空チャンバ内にプロセスガスを供給するためのガ
    ス供給手段と、 前記真空チャンバ内に供給されたプロセスガスをプラズ
    マ化するためのプラズマ化手段と、 前記真空チャンバを減圧するための減圧手段と、 前記ターゲットからスパッタリングされ且つイオン化さ
    れた粒子の一部を前記ターゲットに戻し衝撃させること
    により、スパッタリングを継続させ膜を形成すべく、プ
    ラズマの生成後に前記プロセスガスの供給を停止するよ
    う前記ガス供給手段を制御すると共に、前記プラズマガ
    スの供給の停止後においても生成されたプラズマを維持
    するよう前記プラズマ化手段を制御する制御器と、 前記支持手段により支持された基板の表面に達する前記
    イオン化された粒子を電子により中性化すべく、前記基
    板の近傍及び/又は前記基板の表面に電子を照射するよ
    う設けられた電子照射手段と、 を備えることを特徴とするスパッタリング装置。
  2. 【請求項2】 前記制御器は、前記プロセスガスの供給
    を停止させた直後に電子が照射されるよう前記電子照射
    手段を制御するよう構成されていることを特徴とする請
    求項1に記載のスパッタリング装置。
  3. 【請求項3】 真空チャンバ内にプロセスガスを供給し
    てプラズマを生成し、前記真空チャンバ内に設けられた
    ターゲットを前記プロセスガスのイオンによりスパッタ
    リングし、前記プロセスガスの供給を停止した後、プラ
    ズマを維持して、前記ターゲットからスパッタリングさ
    れ且つイオン化された粒子の一部を前記ターゲットに戻
    し衝撃させることにより、スパッタリングを継続させ基
    板上に膜を形成する成膜方法であって、 前記基板の表面近傍及び/又は前記基板の表面に電子を
    照射し、前記基板に達する前記イオン化された粒子を前
    記電子により中性化することを特徴とする成膜方法。
  4. 【請求項4】 前記プロセスガスの供給を停止させた直
    後に電子を照射することを特徴とする請求項3に記載の
    成膜方法。
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