JP3241819B2 - エアゾール組成物 - Google Patents

エアゾール組成物

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浩樹 箕輪
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エアゾール組成物、詳
しくは、泡のキメ、泡のもち、泡ののび等の泡特性、霧
の細かさ、霧の拡がり、霧の勢い等の霧特性及び泡・霧
の持続性(安定性)に優れ、しかも原液と噴射剤との相
溶性が良好で且つ保存安定性も優れたエアゾール組成物
に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】近年、
オゾン層の破壊といった環境問題からフロンの撤廃が叫
ばれるようになり、エアゾール製品の噴射剤がフロンか
らLPGを代表とする種々の噴射剤へと代替えされるよ
うになった。
【0003】しかしながら、噴射剤としてLPGを用い
ると、例えば、ヘアスプレー等の霧状製品の場合、原液
が均一とならず、またヘアフォーム等の泡状製品の場
合、泡のもちや泡のキメが悪い等、フロンに比べ、泡特
性や霧特性が低下し、また原液と噴射剤との相溶性、製
品の保存安定性がよくないという欠点があった。
【0004】一方、近年、泡状整髪料及び霧状整髪料を
代表とするエアゾール整髪料は、その簡便性と仕上がり
の軽さが人気を呼び、その市場占有率を上げている。上
記エアゾール整髪料としては、一般に、ポリビニルピロ
リドン、ビニルピロリドン・酢酸ビニル共重合体、ポリ
ビニルメチルエーテル・マレイン酸ハーフエステル共重
合体、アクリル系樹脂(アニオン性、両性)等の皮膜形
成性ポリマーを水、エタノール、油剤、界面活性剤等に
溶かし、これに液化石油ガス等の噴射剤を配合したエア
ゾール組成物が用いられている。
【0005】上記エアゾール整髪料は、直接髪に噴霧す
るか、あるいは手、櫛・ブラシ等を用いて髪に塗布した
後、整髪しヘアスタイルを保持するものである。
【0006】かかる整髪料には、十分な整髪・保持性に
加えて、泡のキメ、泡のもち、泡ののび等の泡特性や霧
の細かさ、霧の拡がり、霧の勢い等の霧特性と、整髪し
た髪のつや、柔らかさ、しっとり感等の風合いとが要求
される。
【0007】しかし、これらの要求を全て満足するエア
ゾール整髪料はいまだ得られていない。例えば、セット
基剤として皮膜を形成し得るポリマーを選択した場合
は、整髪性は良好であるものの、仕上がり感がごわごわ
して風合いが悪く、しかも泡特性・霧特性が良くないと
いう欠点を有する。
【0008】一方、泡特性・霧特性を改善する目的で種
々の界面活性剤を配合した場合、及び風合いを改善する
目的で種々の界面活性剤、油剤等を配合した場合は、仕
上がり・風合い及び泡特性・霧特性はよいものの、セッ
ト力及びもちが低下してヘアスタイルが崩れ、整髪料本
来の目的が達成できない。
【0009】従って、本発明の目的は、泡のキメ、泡の
もち、泡ののび等の泡特性、霧の細かさ、霧の拡がり、
霧の勢い等の霧特性及び泡・霧の持続性(安定性)に優
れ、また原液と噴射剤との相溶性が良好で且つ保存安定
性も優れ、しかも目的とする製品本来の機能を損なう惧
れのないエアゾール組成物を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記目的
を達成すべく鋭意研究を行った結果、特定のキトサン誘
導体と噴射剤とを組合せたエアゾール組成物が、泡・霧
特性、原液と噴射剤との相溶性及び保存安定性に優れ、
しかも整髪料成分を配合してエアゾール整髪料とした場
合に整髪性(スタイリング性)及び風合いも良好なもの
であることを知見した。
【0011】本発明は、上記知見に基づいてなされたも
ので、(a)噴射剤と、(b)エーテル置換度が3.0
〜5.5の範囲にあるヒドロキシプロピルキトサン又は
ヒドロキシプロピル−ヒドロキシブチルキトサンとを含
有することを特徴とするエアゾール組成物を提供するも
のである。
【0012】尚、特開平3−109310号公報には、
ヒドロキシプロピルキトサン又はヒドロキシプロピル−
ヒドロキシブチルキトサンで、そのエーテル置換度が
3.0以上5.5以下の範囲にあるキトサン誘導体を含
有する化粧料が開示されているが、かかる化粧料は、エ
アゾール組成物ではない。上記公報には、エアゾール組
成物については開示されておらず、また上記キトサン誘
導体がエアゾール組成物の泡・霧特性等を改善すること
については全く記載されていない。
【0013】以下、本発明のエアゾール組成物について
詳述する。
【0014】本発明で用いられる(a)成分の噴射剤と
しては、プロパン、n−ブタン、i−ブタン等を主成分
とする液化石油ガス(LPG)等のハイドロカーボン
類、ジメチルエーテル、メチルエチルエーテル、ジエチ
ルエーテル等のエーテル類、及びCO2 、N2 、N2
等の圧縮ガスが挙げられる。これらの噴射剤は1種又は
2種以上を混合して使用してもよく、その配合量は、組
成物中に好ましくは0.01〜90重量%、特に好まし
くは1〜60重量%である。
【0015】また、本発明で用いられる(b)成分のヒ
ドロキシプロピルキトサン又はヒドロキシプロピル−ヒ
ドロキシブチルキトサン(キトサン誘導体)は、そのエ
ーテル置換度が3.0〜5.5の範囲、好ましくは4.
3〜4.7の範囲にあるものである。エーテル置換度が
上記範囲外のキトサン誘導体を用いた場合は、泡・霧特
性が十分に改善されず、且つ原液と噴射剤との相溶性及
び保存安定性等も悪く、本発明の目的を達成できない。
【0016】また、これらのキトサン誘導体は1種又は
2種以上を混合して使用してもよく、その配合量は、組
成物中に好ましくは0.001〜20重量%、特に好ま
しくは0.01〜10重量%である。
【0017】また、本発明のエアゾール組成物は、上記
(a)成分と上記(b)成分との配合割合が重量比で
(a)/(b)=90/0.001〜1/20であるこ
とが好ましい。
【0018】本発明のエアゾール組成物には、その使用
目的に応じて、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリド
ン・酢酸ビニル共重合体、ポリビニルメチルエーテル・
マレイン酸ハーフエステル共重合体、アクリル系樹脂
(アニオン性、両性)等の皮膜形成性ポリマー、C1
4 の低級アルコール、水、香料、界面活性剤(アニオ
ン、ノニオン、カチオン)、起泡剤、安定剤、防腐剤、
顔料、染料、増粘剤、乳化剤、高級脂肪族アルコール、
ワックス、ふけ抑制剤、殺菌剤、還元剤、薬剤、紫外線
吸収剤、生薬抽出物、色素、分散剤、エステル油及びシ
リコーン油等に代表される油剤等の通常使用される構成
成分を全て添加し得る。
【0019】本発明のエアゾール組成物は、通常の方法
により製造することができ、その製法は特に限定されな
い。
【0020】本発明のエアゾール組成物は、上記の如
く、使用目的に応じ、上記(a)成分及び上記(b)成
分に他の成分を添加することにより、整髪料、ヘアトリ
ートメント剤等として用いることができ、整髪料として
用いる場合は特に、毛髪に塗布し、すすがない剤として
用いることが好ましく、スプレー、ミストに代表される
スプレー状(霧状)製品、及びヘアフォーム(ヘアムー
ス)に代表される泡状製品として提供することができ
る。
【0021】
【実施例】以下に本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0022】実施例1 下記〔表1〕に示す組成のエアゾール組成物(本発明品
1〜7及び比較品1〜6)を下記製法によりそれぞれ製
造し、これらのエアゾール組成物について、原液と噴射
剤との相溶性、保存安定性、泡特性、スタイリング性及
び風合いを下記評価方法により評価した。
【0023】〔製法〕まず、噴射剤以外の成分を混合あ
るいは溶解して原液とし、次いで、原液を透明耐圧容器
に入れ、更に、噴射剤(LPG、4.0kg/cm2 、5.
0wt%)を添加してエアゾール組成物を得る。
【0024】〔原液と噴射剤との相溶性の評価方法〕エ
アゾール組成物が入った容器を軽く振盪した後の内容物
の溶解状態を5人の専門パネリストの肉眼判定により評
価した。
【0025】〔保存安定性の評価方法〕40℃で3ヶ月
の期間、エアゾール組成物を保存し、保存後のエアゾー
ル組成物の状態(ゲルの発生及び固化等の安定性)を5
人の専門パネリストの肉眼判定により評価した。
【0026】〔泡特性の評価方法〕泡特性(泡のキメ、
泡のもち及び泡ののび)を5人の専門パネリストによる
官能評価により評価した。
【0027】〔スタイリング性及び風合いの評価方法〕
日本人女性の健常毛約20g(約15〜20cm)を束
ね、シャンプーで洗浄後、タオルドライを行い、エアゾ
ール組成物をそれぞれ均一に塗布し、更にドライヤー乾
燥を行った後、スタイリング性(髪のくせづけ易さ、髪
への馴染み)及び風合い(髪のつや、髪の柔らかさ、髪
のしっとり感)を10人の専門パネリストの肉眼判定及
び官能評価により評価した。
【0028】上記の評価結果を下記〔表2〕に示す。
尚、評価基準は次の通りである。
【0029】(評価基準) ◎;非常に優れている。 ○;やや優れている。 △;やや劣る。 ×;劣る。
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】上記〔表2〕の結果から明らかなように、
本発明品1〜7はいずれも、相溶性、保存安定性、泡特
性、スタイリング性及び風合いの全ての点において優れ
ている。
【0033】実施例2 下記〔表3〕に示す組成のエアゾール組成物(本発明品
8〜11及び比較品7〜11)を実施例1の場合と同様
にしてそれぞれ製造し、これらのエアゾール組成物につ
いて、霧特性を下記評価方法により評価し、またスタイ
リング性及び風合いを実施例1の場合と同様にして評価
した。その評価結果を下記〔表4〕に示す。尚、スタイ
リング性及び風合いの評価基準は実施例1の場合と同じ
である。
【0034】〔霧特性の評価方法〕 霧の細かさ:レーザー回折式粒度分布測定装置(Sympat
ec GmbH 社製 VARIO/KA型)にて粒径測定を行った。測
定結果の評価基準は次の通りである。 (評価基準) ◎;平均粒径が25μm以下。 ○;平均粒径が25〜30μm。 △;平均粒径が30μm以上。 ×;噴射せず。
【0035】霧の拡がり:30cmの距離から感光紙に
0.5秒間噴射し、そのパターンの形状により5人の専
門パネリストの肉眼判定により評価した。評価基準は次
の通りである。 (評価基準) ◎;非常に優れている。 ○;やや優れている。 △;やや劣る。 ×;劣る。
【0036】
【表3】
【0037】
【表4】
【0038】上記〔表4〕の結果から明らかなように、
本発明品8〜11はいずれも、霧特性、スタイリング性
及び風合いの全ての点において優れている。
【0039】実施例3 下記〔表5〕に示す組成のエアゾール組成物(本発明品
12〜14)を実施例1と同様にしてそれぞれ製造し
た。
【0040】本発明品12〜14はいずれも、相溶性及
び保存安定性に優れるとともに、良好な泡特性、スタイ
リング性及び風合いを示すものであった。
【0041】
【表5】
【0042】実施例4 下記〔表6〕に示す組成のエアゾール組成物(本発明品
15〜17)を実施例1と同様にしてそれぞれ製造し
た。
【0043】本発明品15〜17はいずれも、良好な霧
特性、スタイリング性(髪への馴染み)及び風合いを示
すものであった。
【0044】
【表6】
【0045】
【発明の効果】本発明のエアゾール組成物は、泡のキ
メ、泡のもち、泡ののび等の泡特性、霧の細かさ、霧の
拡がり、霧の勢い等の霧特性及び泡・霧の持続性(安定
性)に優れ、また原液と噴射剤との相溶性が良好で且つ
保存安定性も優れ、しかも目的とする製品本来の機能を
損なう惧れのないものである。特に、本発明のエアゾー
ル組成物は、整髪料とした場合、上記特性に加えて、整
髪性(スタイリング性)及び風合いを著しく改善でき、
泡状整髪料及び霧状整髪料等のエアゾール整髪料として
好適なものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭64−6209(JP,A) 特開 平1−249710(JP,A) 特開 平3−109310(JP,A) 特開 昭57−180602(JP,A) 特開 平2−25409(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61K 7/00 - 7/50 C08B 37/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)噴射剤と、(b)エーテル置換度
    が3.0〜5.5の範囲にあるヒドロキシプロピルキト
    サン又はヒドロキシプロピル−ヒドロキシブチルキトサ
    ンとを含有することを特徴とするエアゾール組成物。
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MXPA05004131A (es) 2002-10-22 2005-06-22 Oreal Composiciones estilizantes duraderas activadas por calor consistentes en compuestos de tipo sacarido y agentes formadores de pelicula.
EP2407145A1 (en) * 2010-07-13 2012-01-18 The Procter & Gamble Company Aerosol hairspray product for styling and/or shaping hair

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