JP3241698U - 伸縮シート - Google Patents

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Abstract

【課題】良好な外観と、高いシート強度とを実現し、伸長性の向上が可能となる、伸縮シートを提供する。【解決手段】弾性体13と、弾性体に融着した長繊維不織布11とを有し、低伸長領域と高伸長領域とが伸縮方向Xに沿って交互に配列した伸縮シート10であって、低伸長領域において、長繊維不織布11の構成繊維の配向角度が伸縮方向Xに垂直な直交方向Yに対して70°以上であり、該構成繊維の配向強度が1.2以上である。【選択図】図1

Description

本考案は、伸縮シートに関する。
おむつ等の吸収性物品においては、肌との密着性を高めるために、伸縮シートが外装材として用いられている。この伸縮シートについては、これまでに種々の技術が提案されてきた。
例えば、特許文献1には、伸縮シートの伸長時における幅縮みを防止する観点から、多数の弾性フィラメントを互いに交差せずに一方向に延びるように配列することが記載されている。
また、特許文献2には、互いに噛み合う歯溝を有する一対のロールを用いて歯溝延伸加工を施す加工装置が記載されている。このような加工装置で行う歯溝延伸加工により、歯どうしのピッチや噛み合いの深さ等により、延伸倍率に応じてシートに伸縮性を保持することができる。
特開2008-179128号公報 特開2007-177384号公報
一対のロールを用いて歯溝延伸加工を行うとき、延伸倍率を高め過ぎると、伸縮シートに穴が開き、外観の悪化やシート強度の低下に繋がることがあった。穴開きの抑制のため、より伸長性の高い不織布を用いることも行われてきたが、不織布の伸長性を高めることにも限界がある。また、特許文献1に記載の伸縮シートは、弾性フィラメントを挟持する不織布について、上記のような穴開きを抑制し得る繊維構造を有するものではない。
本考案は、上記の問題点に鑑み、良好な外観と、高いシート強度とを実現し、伸長性の向上が可能となる、伸縮シートに関する。
本考案は、弾性体と、該弾性体に融着した長繊維不織布とを有し、低伸長領域と高伸長領域とが伸縮方向に沿って交互に配列した伸縮シートであって、前記低伸長領域において、前記長繊維不織布の構成繊維の配向角度が前記伸縮方向と垂直な方向に対して70°以上であり、該構成繊維の配向強度が1.2以上である、伸縮シートである。
本考案の伸縮シートは、良好な外観と、高いシート強度とを実現し、伸長性の向上を可能とする。
本考案の伸縮シートの一実施形態を示す一部破断斜視図である。 本考案に用いられる長繊維不織布の一実施形態を示す平面図である。
本考案の伸縮シート及びこれを有する吸収性物品について、その好ましい実施形態を、図面を参照して説明する。
(伸縮シート)
図1に示すように、伸縮シート10は、2枚の長繊維不織布11,11と、その間に挟まれた複数の弾性体13とを有する。長繊維不織布11,11が各々の弾性体13と融着により接合し、一体となって伸縮シート10を形成している。伸縮シート10は、少なくとも一方向において伸縮性を有する。即ち、伸縮方向Xと、該伸縮方向Xに垂直な直交方向Yとを有する。伸縮方向X及び直交方向Yの用語は、伸縮シート10の構成部材に関しても同様に用いる。
伸縮シート10においては、図2に示すように、低伸長領域21と高伸長領域22とが、伸縮シート10の伸縮方向Xに沿って交互に配列している。高伸長領域22が主に伸縮方向Xへ伸縮することで、伸縮シート10は全体として伸縮方向Xに高い伸縮性を具備する。
高伸長領域22とは、伸縮シート10を伸縮方向Xへ50%伸長(伸長前の自然長に対して1.5倍に伸長)させたとき、伸縮方向Xの長さが伸長前に対して10%以上増加する領域をいう。反対に、低伸長領域21とは、伸縮シート10を伸縮方向Xへ50%伸長させたときの伸縮方向Xの長さの増加率が、伸長前に対して10%未満である領域をいう。例えば、伸縮シート10の自然長状態において伸縮方向Xに200μmの長さを有していた箇所が、50%伸長時には220μm以上になるとき、その箇所は高伸長領域22に該当し、反対に220μm未満であるときには、その箇所は低伸長領域21に該当する。このようにして、低伸長領域21と高伸長領域22とを区別することができる。
(長繊維不織布)
本考案において、長繊維不織布とは、長繊維を融着点により間欠的に固定した繊維集合層を具備する不織布のことをいう。長繊維とは、100mm以上の繊維長を有する繊維を意味する。特に、繊維長150mm以上のいわゆる連続長繊維であると、破断強度が高い長繊維不織布が得られる点で好ましい。このような長繊維不織布としては、例えば、スパンボンド不織布、スパンボンドの層とメルトブローンの層との複数層からなる不織布、カード法によるヒートロール不織布等が挙げられる。複数層からなる不織布としては、例えば、スパンボンド-スパンボンド積層不織布、スパンボンド-スパンボンド-スパンボンド積層不織布、スパンボンド-メルトブローン-スパンボンド積層不織布、スパンボンド-スパンボンド-メルトブローン-スパンボンド積層不織布等が挙げられる。また、単層の場合に、一方の面側に、長繊維の一端が繊維集合層とは非固定で起立する繊維(起立性繊維)を有する長繊維不織布が挙げられる。
なお、長繊維における繊維長の上限は特に限定されるものではない。また、長繊維不織布は長繊維のみからなるものに限定されず、長繊維以外の繊維を一部に含んでもよい。
(配向角度)
本考案の伸縮シート10では、低伸長領域21において、長繊維不織布11の構成繊維の配向角度は、直交方向Y(伸縮方向Xに垂直な方向)に対して70°以上である。配向角度が90°に近づくほど、構成繊維が伸縮方向Xへ配向していることを表す。配向角度が一定以上であることで、伸縮シート10を高い延伸倍率で伸長しても穴が開きにくく、穴が開いてもその穴面積を小さく抑え、シート強度を高めることができる。
(配向強度)
本考案の伸縮シート10では、低伸長領域21において、長繊維不織布11の構成繊維の配向強度は1.2以上である。配向強度の値が大きいほど、構成繊維の向きが揃っていることを表す。即ち、配向角度が一定以上であることに加え、配向強度が一定以上であると、多くの構成繊維が伸縮方向Xへ揃って配向していることとなり、伸縮シート10の穴開き抑制やシート強度の向上に一層寄与する。
これら配向角度及び配向強度による作用は、長繊維不織布11に伸縮方向Xの張力が加わったときに、構成繊維に働く剪断力を小さく抑えることができることによると考えられる。
(配向角度及び配向強度の測定方法)
配向角度及び配向強度は、http://www.enomae.com/FiberOri/index.htmより取得可能な繊維配向解析プログラム「Fiber Orientation Analysis 8.13 Single」を用いて測定することができる。具体的には以下の通りである。
測定対象の長繊維不織布11を含む伸縮シート10が吸収性物品等の製品に用いられている場合、製品にコールドスプレーを吹きかけて接着剤を固化し、伸縮シート10を製品から丁寧に剥がす。以下、他の測定方法においても、同様にして伸縮シート10を取り出す。
走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope:SEM、商品名:JCM-5100、日本電子株式会社製)を用いて、加速電圧15kV、観察倍率100倍で、長繊維不織布11の低伸長領域21の表面を観察する。伸縮方向Xが画像の縦方向、直交方向Yが画像の横方向となるように観察結果を撮像し、不織布表面の画像を取得する。
上記の繊維配向解析プログラムを用いて画像を読み込み、移動平均法による二値化処理と、高速フーリエ変換とを順に行った後、配向角度と配向強度とを計算する。算出される配向角度は0°以上180°未満で表されるものであるため、0°以上90°以下の表記に換算する(例えば算出結果が135°であれば、180°-135°=45°と換算)。
以上の測定を任意の領域5箇所で行い、算出された配向強度の平均値を、低伸長領域21における長繊維不織布11の構成繊維の配向強度とする。配向角度については、算出された配向強度が1.20以下であったときの測定結果を除外し、残りの測定結果の平均値を、低伸長領域21における長繊維不織布11の構成繊維の配向角度とする。
以上のようにして求められる長繊維不織布11の構成繊維の配向角度は、伸縮シート10の外観を良好にして且つシート強度を高める観点から、直交方向Yに対して70°以上が好ましく、75°以上がより好ましく、80°以上が更に好ましく、90°が最も好ましい。
長繊維不織布11の構成繊維の配向強度は、伸縮シート10の外観を良好にして且つシート強度を高める観点から、1.2以上が好ましく、1.3以上がより好ましく、1.4以上が更に好ましい。また、長繊維不織布11の構成繊維の配向強度は、大きいほど好ましいが、2.0以下が実際的である。
上記の特定範囲の配向角度及び配向強度の要件は、伸縮シート10が複数の長繊維不織布11を有する場合、少なくとも1つの長繊維不織布11において備えていることが好ましく、全ての長繊維不織布11において備えていることがより好ましい。
長繊維不織布11の構成繊維は、弾性体13と融着により接合しているだけでなく、構成繊維同士も融着により接合している。本明細書においては、構成繊維と弾性体13とが融着している場所を「融着部」といい、構成繊維同士が融着している場所を前述の「融着点」という。以下、融着点について説明する。
(融着点)
構成繊維が融着してなる融着点23は、図2に示すように、長繊維不織布11に点在して配列されている。融着点23は、エンボス加工によるものであることが好ましい。即ち、長繊維不織布11はエンボス加工による構成繊維同士の融着点23を有することが好ましい。エンボスで固定した融着点23であることで、シート強度を高めることができる。
エンボス部分において構成繊維を固定する強さは、エンボス加工時の温度及び圧力を変えることで、適宜調整することができる。エンボス加工時の温度を高温にするとエンボスは強固な固定となり、反対に低温にすると弱めの固定となる。また、エンボス加工時の圧力を高くするとエンボスは強固な固定となり、反対に低くすると弱めの固定となる。
エンボス部分の固定の強さは、長繊維不織布11における融着点23の密度によって、判断することができる。融着点23の密度の値が大きいほど、エンボス部分の固定は強いことを表す。反対に、融着点23の密度の値が小さいほど、エンボス部分の固定は弱いことを表す。
(エンボス加工による融着点の密度)
長繊維不織布11のエンボス加工による融着点23の密度が小さいと、エンボス部分の固定が弱いため融着点23はほぐれやすく、融着点23自体の伸長性は維持される。その結果、延伸加工時に構成繊維が破断しにくくなり、伸縮シート10の外観が良くなる。かかる観点から、エンボス加工による融着点23の密度は、1.05g/cm以下であることが好ましく、1.00g/cm以下であることがより好ましく、0.95g/cm以下であることが更に好ましい。また、シート強度を維持する観点から、エンボス加工による融着点23の密度は、0.60g/cm以上であることが好ましく、0.70g/cm以上であることがより好ましく、0.80g/cm以上であることが更に好ましい。
上記の特定範囲の融着点23の密度の要件は、伸縮シート10が複数の長繊維不織布11を有する場合、少なくとも1つの長繊維不織布11において備えていることが好ましく、全ての長繊維不織布11において備えていることがより好ましい。
良好な外観及び高いシート強度にとって、上記の特定範囲の融着点の密度は、前述の特定範囲の配向角度及び配向強度と組み合わさって、少なくとも1つの長繊維不織布11において備えていることが好ましく、全ての長繊維不織布11において備えていることがより好ましい。
(融着点の密度の測定方法)
測定対象の長繊維不織布11を5cm×20cmの大きさに切り出し、測定片とする。測定片の質量を天秤にて測定し、測定値を測定片の面積(100cm)で除して測定片の坪量を算出する。
次に、融着点の平面視における中心が切断されるように測定片を切断し、前述のSEMを用いて切断面を観察する。観察倍率を500倍とすること以外は観察条件を前述と同様にして、観察結果を撮像する。融着点の任意の10か所について、厚み方向の長さを測定し、平均値を算出する。
測定片の坪量を厚み方向の長さの平均値で除することで、融着点の密度を算出する。
以上の測定を3回行い、算出された値の平均値を、融着点の密度とする。
(直交方向における融着点同士の距離)
直交方向Yに融着点23が配列している場合、融着点23同士が直交方向Yに離間する距離L(図2参照)は、1.1mm以上が好ましく、1.3mm以上がより好ましく、1.5mm以上が更に好ましい。融着点23同士が直交方向Yに適度に離間することで、構成繊維同士の固定を適度に弱め、伸縮シート10の伸縮性を高めることができる。更には、長繊維不織布11全体における融着点23の数が少なくなり、融着点23近傍にて生じやすい構成繊維の破断を少なくすることができる。
また、伸縮シート10のシート強度を一定以上に保つ観点から、前記距離Lは、5.0mm以下が好ましく、4.0mm以下がより好ましく、3.0mm以下が更に好ましい。
前記距離Lは、図2に示すように、融着点23の端部から隣の融着点23の端部までの直交方向Yの長さである。なお、前記距離Lに関する上下限値は、低伸長領域21及び高伸長領域22のいずれにおいても当てはまる。
(弾性体)
本考案に用いられる弾性体13は、長繊維不織布11と同様に伸縮性を有し、長繊維不織布11と一体となって伸縮する部材である。
本考案の効果を奏するものである限り、弾性体の形状は図1に示すフィラメント状に限定されず、ウェブ状であってもよい。但し、伸縮シート10の外観を良好にし、シート強度を高める観点から、フィラメント状のものが好ましい。以下、フィラメント状の弾性体を、弾性フィラメントともいう。
(弾性フィラメント)
本考案において、弾性体13は、図1に示すように、伸縮方向Xに沿って延出する複数の弾性フィラメントであることが好ましい。また、複数の弾性フィラメントは互いに交差することなく離間して、平行に配されていることがより好ましい。弾性フィラメントの延出方向を伸縮方向Xと一致させることで、伸縮方向Xに沿った伸縮性を高めることができる。
更に、弾性フィラメントは全長に亘って長繊維不織布11に融着していることが好ましい。即ち、長繊維不織布11と弾性フィラメントとの融着部が伸縮方向Xに延出していることが好ましい。長繊維不織布11と弾性フィラメントとの接触部分が全て融着により接合していることで、長繊維不織布が全面に亘って伸縮動作に追随でき、シート全体の外観が良好となる。
(伸縮シートの製造方法)
本考案の伸縮シート10は、この分野において通常用いられる種々の方法により製造することができる。例えば、溶融状態の弾性体13を紡出しながら固化前に長繊維不織布11に融着させ、次いで歯溝延伸加工により部分的に延伸することで、伸縮シート10を製造することができる。
歯溝延伸加工により製造する場合、歯溝によってシートが大きく延伸される領域と、この領域よりも延伸の程度が小さい又はほとんど延伸されない領域とが現れる。歯溝延伸加工により大きく延伸される領域は、延伸によって高い伸縮性を獲得する領域であるため、前述の高伸長領域22に相当する。一方、延伸の程度が小さい又はほとんど延伸されない領域は、歯溝延伸加工前と伸縮性が大きく変わらない領域であるため、前述の低伸長領域21に相当する。
即ち、本考案の伸縮シート10は、歯溝延伸加工による延伸の影響が小さい領域において、長繊維不織布11の構成繊維の配向角度及び配向強度を規定したものといえる。
(伸縮シートの用途)
本考案の伸縮シート10は、パンツ型使い捨ておむつの外包材として好適に用いられる。またこの用途以外に、その良好な風合いや、毛羽立ち防止性、伸縮性、通気性等の利点を生かし、医療用使い捨て衣類や清掃シート、眼帯、マスク、包帯等の各種の用途に用いることもできる。特に生理用ナプキンや使い捨ておむつなどの吸収性物品の構成材料として好ましく用いられる。該構成材料としては、例えば、吸収体よりも肌側に位置する液透過性のシート(表面シート、サブレイヤー等を含む)や、使い捨ておむつの外面を構成するシート、胴回り部やウエスト部、脚周り部等に弾性伸縮性を付与するためのシート等が挙げられる。また、ナプキンのウイングを形成するシート等として用いることができる。また、それ以外の部位であっても、伸縮性を付与したい部位等に用いることができる。伸縮シート10の坪量や厚みは、その具体的な用途に応じて適切に調整できる。例えば吸収性物品の構成材料として用いる場合には、坪量20~60g/m程度、厚み0.5~1.5mm程度とすることが望ましい。
以上、本考案をその好ましい実施形態に基づき説明したが、本考案は前記実施形態に限定されない。例えば図1に示す実施形態の伸縮シート10においては、2枚の長繊維不織布11,11間に多数の弾性体13が挟持された構造になっているが、これに代えて、1枚の長繊維不織布11の表面に弾性体13を融着して伸縮シート10をなしてもよい。
以下、本考案を実施例に基づきさらに詳しく説明するが、本考案はこれにより限定して解釈されるものではない。
(実施例1)
紡糸ヘッドの温度270℃、紡糸ノズルの径450μm、及び紡糸ノズルのピッチ1mmの紡糸条件で、スチレン-エチレン-プロピレン-スチレン樹脂(重量平均分子量5万、MFR40g/10分(230℃,2.16kg))からなる溶融状態にあるエラストマー(フィラメント状の弾性体)を紡糸した。溶融状態にあるエラストマーが固化する前に、長繊維不織布2枚で弾性体を挟み込み、弾性体を全長に亘って長繊維不織布と融着させた。長繊維不織布には、ポリプロピレン樹脂成分からなる連続繊維(繊維長は100mm超)を構成繊維とし、予めエンボス加工が施されて融着点を備えていたものを用いた。この長繊維不織布は、坪量が18g/mであり、融着点の密度及び直交方向における融着点同士の離間距離が表1に示す通りであった。
次に、長繊維不織布と弾性体との複合体に対して、歯と歯底が周方向に交互に形成された一対の歯溝ロールを用いて歯溝延伸加工を行った(延伸倍率:2.87倍)。このようにして複合体を部分的に延伸させ、伸縮方向Xに対して低伸長領域と高伸長領域とを交互に作り出し、図1に示すような実施例1の伸縮シート試料を得た。
(実施例2)
融着点の密度が表1に示す通りの長繊維不織布を用いた以外は、実施例1と同様にして、実施例2の伸縮シート試料を得た。
(比較例1)
繊維の配向が異なり、融着点の密度及び直交方向における融着点同士の離間距離が表1に示す通りの長繊維不織布を用いた以外は、実施例1と同様にして、比較例1の伸縮シート試料を得た。
(比較例2)
歯溝延伸加工における延伸倍率を2.30倍とした以外は、比較例1と同様にして、比較例2の伸縮シート試料を得た。
(配向角度及び配向強度の測定)
各伸縮シート試料について、前述の方法に従い、低伸長領域における長繊維不織布の構成繊維の配向角度及び配向強度を測定した。
(穴面積の測定)
実施例1及び2並びに比較例1の伸縮シート試料を伸縮方向へ150%伸長(伸長前の自然長に対して2.5倍に伸長)させた。この状態で、伸縮シート試料に生じた穴を透明なOHPシートに書き写した。画像解析ソフト(商品名:Image-Pro、伯東株式会社製)を用いて、穴毎に面積を算出した。
面積が大きい上位10個の穴について、算出した面積の値を平均し、各伸縮シート試料の穴面積とした。
また、比較例2については、100%伸長(伸長前の自然長に対して2倍に伸長)させた条件で、同様に穴面積を測定した。
穴面積が小さいほど、伸縮シートの穴開きを抑制でき、外観に優れることを示す。
(強度の測定)
各伸縮シート試料を直交方向の長さが50mmとなるように切り出し、引張試験機(商品名:AG-50NIS、株式会社島津製作所製)を用いて最大強度を測定した。チャック間距離は100mm、引張速度は300mm/minとした。
結果を表1に示す。
Figure 0003241698000002
表1に示すように、実施例1及び2の伸縮シート試料では、いずれも穴面積を2mm以下に抑えることができ、比較例1の伸縮シート試料よりも外観が良好であった。また、実施例1及び2の伸縮シート試料は、2000cN/50mm以上の強度を有しており、比較例1の伸縮シート試料よりも高い強度を有するものであった。特に、エンボスによる融着点の密度が1.05g/cm以下であった実施例2の伸縮シート試料では、穴面積が1mm以下、強度が3000cN/50mm以上と、一層優れるものであった。
このように、実施例1及び2の伸縮シート試料は、従来品(比較例2の伸縮シート試料)よりも高い伸長率で伸長させても外観が良好であり、吸収性物品の使用中に破れ等の発生し難い強度(約1000cN/50mm以上)を維持できることが分かった。
10 伸縮シート
11 長繊維不織布
13 弾性体
21 低伸長領域
22 高伸長領域
23 融着点
X 伸縮方向
Y 直交方向
L 融着点同士が直交方向に離間する距離

Claims (5)

  1. 弾性体と、該弾性体に融着した長繊維不織布とを有し、低伸長領域と高伸長領域とが伸縮方向に沿って交互に配列した伸縮シートであって、
    前記低伸長領域において、前記長繊維不織布の構成繊維の配向角度が前記伸縮方向に垂直な直交方向に対して70°以上であり、該構成繊維の配向強度が1.2以上である、伸縮シート。
  2. 前記長繊維不織布がエンボス加工による構成繊維同士の融着点を有し、該融着点の密度が1.05g/cm以下である、請求項1記載の伸縮シート。
  3. 前記長繊維不織布がエンボス加工による構成繊維同士の融着点を有し、該融着点同士が前記直交方向に1.1mm以上離間している、請求項1又は2記載の伸縮シート。
  4. 前記弾性体が、前記伸縮方向に沿って複数する複数の弾性フィラメントであり、該弾性フィラメントが全長に亘って前記長繊維不織布に融着している、請求項1~3のいずれか1項に記載の伸縮シート。
  5. 請求項1~4のいずれか1項に記載の伸縮シートを有する、吸収性物品。
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