JP3241598B2 - 放射性物質の雰囲気制御装置 - Google Patents
放射性物質の雰囲気制御装置Info
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Description
により電力供給が停止したときにおいても気密チャンバ
等の密閉ボックス内の負圧を維持させることができる放
射性物質の雰囲気制御装置に関するものである。
発生する高レベル放射性廃棄物の処分に関する研究開発
が進められるにつれ、その処分環境である数百m以上の
大深度の地下環境(低酸素濃度および任意の低炭酸ガス
濃度)を模擬的に実現し、その雰囲気下で実験を行う必
要性が高まっている。
の不活性ガスを供給し、酸素および炭酸ガスを除去しな
がら不活性ガスに置き換えることによって、酸素濃度お
よび炭酸ガス濃度の極めて低い大深度の地下環境を気密
チャンバ内に実現するようになっている。
は、環境を汚染する大きな原因物質であり、このような
放射性物質を取り扱う気密チャンバは、実験途中に停電
等の非常事態により電力供給が停止された場合でも、放
射性物質や放射性物質に曝されたガスが気密チャンバか
ら大気中に漏洩しないように、内部が負圧の状態に維持
される必要がある。そこで、従来は、非常時においても
非常用発電装置で運転される施設オフガス系に気密チャ
ンバを連通可能に接続しておき、電力供給が停止された
ときに、施設オフガス系と気密チャンバとを連通させ、
気密チャンバ内のガスを施設オフガス系により吸引させ
ることによって、気密チャンバ内を負圧の状態に維持さ
せるようになっている。
来の構成では、施設オフガス系のみが作動し、他の装置
における例えば不活性ガスの供給が停止された状態にな
っているため、気密チャンバ内のガスが施設オフガス系
により吸引されるのに伴って、大気中の空気(酸素や炭
酸ガス等)が気密チャンバ内に侵入することになる。従
って、電力供給の停止時において、気密チャンバ内の雰
囲気が空気の侵入により大深度の地下環境(低酸素濃度
および低炭酸ガス濃度)とは異なったものになるため、
実験結果に大きな誤差が生じる可能性があるという問題
がある。特に、この問題は、長期間にわたって連続的に
実験を行う必要がある場合のように、停電等の復旧後
に、実験をやり直すことが困難な実験テーマを行う場合
に大きなものになっている。
が停止された場合でも、気密チャンバ内の雰囲気を大深
度の地下環境に近似した状態に維持することができる放
射性物質の雰囲気制御装置を提供しようとするものであ
る。
に、請求項1の発明は、内外に雰囲気が遮断され、放射
性物質が収納される密閉ボックスと、前記密閉ボックス
内に所定ガスを供給して回収すると共に、内部を負圧に
するガス循環装置と、前記密閉ボックスと前記ガス循環
装置とを接続する供給配管および回収配管と、電力供給
停止時に、前記供給配管を遮断する一方、前記密閉ボッ
クスをガス供給源に連通させるように切り換える第1切
換手段を有したガス供給系と、電力供給停止時に、前記
回収配管を遮断する一方、前記密閉ボックスを非常時で
も負圧吸引する排気手段に連通させるように切り換える
第2切換手段を有したガス排気系とを備えており、前記
ガス供給系に設けられ、前記密閉ボックス内の負圧を所
定値に維持するように前記ガス供給源から前記密閉ボッ
クスへのガス流量を制御する保圧バルブと、前記ガス排
気系に設けられ、前記排気手段の負圧吸引の吸引量を調
整可能なバイパスダンパとの少なくとも一つを有してい
ることを特徴としている。これにより、ガス供給系の保
圧バルブが密閉ボックス内の負圧を所定値に維持するよ
うにガス流量を制御したり、ガス排気系のバイパスダン
パが排気手段の過剰な吸引を抑制するため、内外の圧力
差により密閉ボックスが損傷しない程度の負圧に維持さ
れながら、密閉ボックス内にガスが供給されることにな
る。従って、大深度の地下環境(低酸素濃度および任意
の低炭酸ガス濃度)に近似した状態を電力供給停止時に
おいても維持させることができるため、実験結果の誤差
の発生を最小限に抑制することが可能になっている。
物質の雰囲気制御装置であって、前記ガス排気系および
前記ガス供給系は、ガス流量の異なる大流量ラインと小
流量ラインとを並列して有しており、これらラインに
は、任意に切り換え可能な開閉バルブがそれぞれ設けら
れていることを特徴としている。これにより、大流量ラ
インと小流量ラインとにそれぞれ設けられた開閉バルブ
を任意の組み合わせで切り換えることによって、模擬す
る地下環境の仕様や初期状態からの立ち上げ時間等を考
慮した運転を行うことが可能になる。
図2に基づいて以下に説明する。本実施の形態に係る放
射性物質の雰囲気制御装置は、図1に示すように、気密
状態に内外の雰囲気が遮断され、放射性物質が収納され
る気密チャンバ1(密閉ボックス)と、気密チャンバ1
に対して炭酸(CO2 )ガスや窒素(N2 )ガス等の所
定ガスを供給して回収すると共に、気密チャンバ1の内
部を負圧にするガス循環装置2とを有している。気密チ
ャンバ1には、吸気口1aおよび排気口1bが形成され
ており、これらの吸気口1aおよび排気口1bは、HE
PA(HighEfficiency Particulate Air) フィルタ3・
3に接続されている。尚、HEPAフィルタ3とは、原
子力設備特有のエアロゾル状の放射性物質を補集するも
のであり、具体的には、定格流量で粒径が0.3μmの
粒子に対して99.97%以上の粒子補集率を有し、且
つ、初期圧力損失が一般に300Pa以下の性能を有す
るものである。
は、供給配管51を介してガス循環装置2に接続されて
いる。一方、排気口1b側のHEPAフィルタ3は、回
収配管52を介してガス循環装置2に接続されている。
これらの供給配管51および回収配管52には、通電時
に開栓状態となるように設定された第1循環用開閉バル
ブ53a(第1切換手段)および第2循環用開閉バルブ
53b(第2切換手段)がそれぞれ設けられており、こ
れらの循環用開閉バルブ53a・53bは、電力供給の
停止時に閉栓状態に切り替わることによって、気密チャ
ンバ1とガス循環装置2とを遮断するようになってい
る。
口1a側のHEPAフィルタ3との間における供給配管
51には、ガス供給系54が接続されている。このガス
供給系54は、大口径の供給用メイン配管56(大流量
ライン)と、小口径の供給用バイパス配管57(小流量
ライン)とを並列して有しており、これらの配管56・
57は、ガスボンベ等からなる窒素(N2 )ガス供給源
55に接続されている。
に開栓状態となるように設定されたメイン用開閉バルブ
58が設けられている。そして、メイン用開閉バルブ5
8は、例えば初期動作時のように気密チャンバ1に大量
に窒素ガスを供給する必要があるときに開栓状態にさ
れ、供給用メイン配管56を介して大量の窒素ガスを気
密チャンバ1に供給させるようになっている。一方、供
給用バイパス配管57には、通電時に閉栓状態となるよ
うに設定されたバイパス用開閉バルブ59(第1切換手
段)と、外部からの電力供給がなくても動作する自立式
の保圧バルブ60とが設けられている。そして、バイパ
ス用開閉バルブ59は、停電等の非常事態により電力が
供給されないときに開栓状態となり、窒素ガスを供給用
バイパス配管57を介して気密チャンバ1に供給させる
ようになっている。また、保圧バルブ60は、供給用バ
イパス配管57から窒素ガスが気密チャンバ1に供給さ
れる際に、外部の電力状態とは無関係に気密チャンバ1
を所定の圧力に保持するようにガス流量を制御するよう
になっている。
EPAフィルタ3と第2循環用開閉バルブ53bとの間
における回収配管52には、ガス排気系61が接続され
ている。ガス排気系61は、大口径の排気用メイン配管
62(大流量ライン)と、小口径の排気用バイパス配管
63(小流量ライン)とを並列して有しており、これら
の配管62・63は、非常時においても非常用の発電装
置で運転されて負圧吸引を行う施設オフガス系64(排
気手段)に接続されている。
に開栓状態となるように設定されたメイン用開閉バルブ
65が設けられている。そして、メイン用開閉バルブ6
5は、例えば初期動作時のように気密チャンバ1から大
量のガスを排気させる必要があるときに開栓状態にされ
るようになっている。一方、排気用バイパス配管63に
は、通電時に閉栓状態となるように設定されたバイパス
用開閉バルブ66(第2切換手段)が設けられている。
そして、バイパス用開閉バルブ59は、電力が供給され
ないときに開栓状態となり、気密チャンバ1と施設オフ
ガス系64とを連通状態にさせ、気密チャンバ1内を負
圧の状態に維持させるようになっている。また、排気用
バイパス配管63と施設オフガス系64との間における
ガス排気系61には、カウンターウエイトに対応した開
口度でガス排気系61を大気側に連通可能なバイパスダ
ンパ67が設けられている。バイパスダンパ67は、カ
ウンターウエイトの変更により施設オフガス系64の吸
引量を調整し、気密チャンバ1に対する施設オフガス系
64による過剰な減圧を防止すると共に窒素ガスの過剰
な消費を防止するようになっている。
も窒素ガスが供給されながら負圧の状態が維持される気
密チャンバ1は、上述のように供給配管51および回収
配管52を介してガス循環装置2に接続されている。ガ
ス循環装置2は、図2に示すように、気密チャンバ1内
の窒素ガス等の各種のガスを循環ガスとして回収および
供給するガス循環系6を有している。ガス循環系6の入
口側には、ガス圧を検出する循環ガス圧調整器10と、
窒素ガスや炭酸ガス等を成分として有した循環ガスを外
部に排気するオフガス排気系7と、循環ガスの循環を停
止可能な循環系開閉バルブ11と、ガス循環系6に窒素
ガスを供給する窒素(N2 )ガス供給系12(ガス供給
部)と、循環ガスの逆流を防止する逆止弁13とが入口
側からこの順に設けられている。
たオフガス用開閉バルブ8とオフガス用制御バルブ9と
を有しており、電力供給停止時においても吸引状態を継
続する上述の施設オフガス系64に接続されている。そ
して、オフガス用開閉バルブ8は、ガス循環装置2の初
期動作時等において気密チャンバ1やガス循環系6内の
ガスを大量に排気するときに開栓されるようになってい
る。一方、オフガス用制御バルブ9は、ガス循環装置2
の通常動作時においてガス循環系6のガス圧が所定の圧
力となるように、循環用ガス圧調整器10によりバルブ
開度が調整されるようになっている。また、窒素
(N2 )ガス供給系12は、窒素ガス用制御バルブ14
を有しており、窒素ガス用制御バルブ14は、上述の循
環ガス圧調整器10によりオフガス用制御バルブ9と連
動されながらバルブ開度が調整され、バルブ開度に応じ
た供給量でもって窒素ガスをガス循環系6に供給するよ
うになっている。
12から窒素ガスが供給された循環ガスは、圧送工程2
0に流動するようになっている。圧送工程20は、並列
接続されたブロア15a・15bを有しており、ブロア
15a・15bの運転台数(1台または2台)の選択に
より循環ガスのガス流量を調整可能になっていると共
に、一方のブロア15a・15bの故障時においても他
方のブロア15b・15aにより運転を継続可能にされ
ている。また、圧送工程20は、両ブロア15a・15
bの入口側と出口側とに接続された流量制御バルブ16
と、ブロア15a・15bの出口側に設けられた流量調
整器17とを有しており、流量調整器17は、循環ガス
のガス流量を検出し、検出したガス流量を所定の流量と
するように流量制御バルブ16のバルブ開度を調整し、
循環ガスの一部をブロア15a・15bの入口側に循環
させるようになっている。
ス中の炭酸ガスを吸収する炭酸ガス吸収工程21が設け
られている。炭酸ガス吸収工程21は、オリフィス18
と、オリフィス18に並列接続されたCO2 吸収器19
とを有している。CO2 吸収器19の入口側および出口
側には、開閉バルブ26が設けられている。そして、炭
酸ガス吸収工程21は、循環ガスの炭酸ガス濃度等の運
転状況に応じて開閉バルブ25・25を開栓および閉栓
させ、開栓時においてCO2 吸収器19により循環ガス
中の炭酸ガスを吸収させるようになっている。
は、炭酸(CO2 )ガス供給系26(炭酸ガス供給手
段)と混合(N2/H2 )ガス供給系27とが設けられて
いる。これらの炭酸(CO2 )ガス供給系26および混
合(N2/H2 )ガス供給系27には、CO2 用制御バル
ブ28およびN2/H2 用制御バルブ29がそれぞれ設け
られていると共に、CO2 ガス流量調整器30およびN
2/H2 ガス流量調整器31がそれぞれ設けられている。
そして、CO2 ガス流量調整器30は、後述のパーナル
コンピュータ等の情報処理装置40からの指令値となる
ように、CO2 用制御バルブ28のバルブ開度を調整
し、指令値のガス流量でもって炭酸ガスを循環ガスに供
給させることによって、オペレータにより設定された炭
酸ガス濃度を循環ガスに存在させるようになっている。
また、N2/H2 ガス流量調整器31は、情報処理装置4
0からの指令値となるように、N2/H2 用制御バルブ2
9のバルブ開度を調整するようになっている。そして、
メタンガスを生成する際には、混合(N2/H2 )ガス供
給系27が大きなバルブ開度で開栓され、酸素濃度に対
して過剰なN2/H2 ガスが供給されることによって、後
述の酸水素反応器34における炭酸ガスと水素ガスとの
副反応によりメタンガスが生成されるようになってい
る。
素とを反応(2H2+O 2 →2H2O) させて酸素を除去する酸
水素反応工程22に流動するようになっている。酸水素
反応工程22は、ガスミキサ32を前段に有しており、
ガスミキサ32は、循環ガスに供給された炭酸ガスおよ
びN2/H2 ガスを混合するようになっている。ガスミキ
サ32の後段には、循環ガスを加熱するプレヒータ33
a(加熱手段)と、循環ガス中の酸素と水素とを反応さ
せる酸水素反応器34とがこの順に設けられている。酸
水素反応器34は、酸水素反応を生じさせるように貴金
属触媒の無機質の担体を内蔵しており、この担体は、炭
酸ガスが貴金属触媒に吸着させるのを防止するように比
表面積が250m2 /g以下に設定されている。尚、比
表面積とは、粒子の単位質量当たりの表面積のことであ
り、例えば同じ触媒の材質であれば、比表面積が大きい
ほど活性が高い状態を示すものである。また、酸水素反
応器34の側方には、貴金属触媒および循環ガスを加熱
するメインヒータ33b(加熱手段)が設けられてい
る。そして、これらのメインヒータ33bおよびプレヒ
ータ33aは、循環ガスおよび酸水素反応器34内の貴
金属触媒を所望の温度に加熱することによって、炭酸ガ
スが貴金属触媒に吸着させるのを十分に防止するように
なっている。
酸水素反応工程22で生成された水を循環ガスから分離
して除去する気水分離工程23が設けられている。気水
分離工程23は、2段に直列接続された冷却器35・3
5を前段に有している。これらの冷却器35・35は、
酸水素反応工程22において加熱された循環ガスを冷却
することによって、循環ガス中に生成された水分子を凝
集させるようになっている。冷却器35・35の後段に
は、凝集された水と循環ガスとを下層と上層とに分離す
る気水分離器36が設けられている。そして、気水分離
器36の底面には、排水用開閉バルブ37を介して排水
タンク38が接続されており、排水用開閉バルブ37
は、気水分離器36の液面が所定高さになったときに開
栓され、気水分離器36内の水を排水タンク38に排出
するようになっている。一方、気水分離器36内の上面
には、ガス排出配管39が接続されており、ガス排出配
管39は、気水分離器36の上層に存在する乾燥した循
環ガスをガス循環系6の出口から排出し、この循環ガス
を上述の気密チャンバ1に供給するようになっている。
水素濃度、および炭酸ガス濃度を監視するガス濃度モニ
タ41(濃度測定手段)が接続されている。ガス濃度モ
ニタ41は、情報処理装置40に接続されており、検出
結果である各種のガス濃度を情報処理装置40に出力す
るようになっている。また、情報処理装置40には、上
述の流量調整器17からガス流量の検出結果が入力され
るようになっていると共に、炭酸(CO2 )ガス供給系
26と混合(N2/H2 )ガス供給系27との間に設けら
れたガス圧検出器42および低O2 モニタ43からガス
圧および酸素濃度の検出結果が入力されるようになって
いる。そして、情報処理装置40は、オペレータにより
設定された炭酸ガス濃度となるように、上記のガス濃度
モニタ41等からの検出結果に基づいて指令値をCO2
ガス流量調整器30およびN2/H2 ガス流量調整器31
に出力し、循環ガスに対して炭酸ガスおよびN2/H2 ガ
スを供給させたり、プレヒータ33aやメインヒータ3
3bの温度設定等の各種の制御処理および監視処理を行
うようになっている。
制御装置の動作について説明する。先ず、情報処理装置
40に対してオペレータが所望の炭酸ガス濃度を設定す
る。そして、情報処理装置40に対してガス循環装置2
の動作指令が入力されると、気密チャンバ1内が大気圧
の状態である場合には、初期動作処理が開始されること
になる。即ち、オフガス排出系7のオフガス用開閉バル
ブ8が開栓状態にされ、ガス循環系6内のガスが施設オ
フガス系64に排気される。また、図1に示すように、
供給配管51および回収配管52の第1および第2循環
用開閉バルブ53a・53bが閉栓状態にされると共
に、例えばガス供給系54の開閉バルブ58・59およ
びガス排気系61の開閉バルブ65・66が開栓状態に
され、気密チャンバ1内のガスが窒素ガスに置き換えら
れながら施設オフガス系64に排気される。
・59の開閉およびガス排気系61の開閉バルブ65・
66の開閉は、模擬する地下環境の仕様や立ち上げ時間
等を考慮して任意に決定されるものである。例えば上述
のようにガス供給系54およびガス排気系61の全開閉
バルブ58・59・65・66が開栓状態にされると、
窒素ガスへの置換が早期に達成されることになる。
が所定の酸素濃度に達すると、ガス供給系54およびガ
ス排気系61の全開閉バルブ58・59・65・66が
閉栓されると共に、図1のオフガス排出系7のオフガス
用開閉バルブ8が閉栓された後、炭酸ガス濃度調整処理
が開始されることになる。
ス供給系12から窒素ガスが循環ガス中に供給されなが
ら、圧送工程20の少なくとも一方のブロア15a・1
5bが駆動されることによって、循環ガスが気密チャン
バ1からガス循環装置2のガス循環系6に回収される。
そして、ガス濃度モニタ41において検出された炭酸ガ
ス濃度等の検出値がオペレータにより設定された炭酸ガ
ス濃度の設定値となるように、炭酸(CO2 )ガス供給
系26および混合(N2/H2 )ガス供給系27のガス流
量調整器30・31に対して指令値がそれぞれ出力され
る。これにより、各指令値を受信したガス流量調整器3
0・31が制御バルブ28・29のバルブ開度をそれぞ
れ制御することによって、バルブ開度に応じたガス流量
でもって炭酸ガスおよびN2/H2 ガスがそれぞれ循環ガ
スに供給される。
22において混合され、酸水素反応器34の貴金属触媒
により酸素と水素とが反応される。酸水素反応により酸
素が水分子として除去されると、この水分子が気水分離
工程23において冷却および凝縮され、気水分離器36
に滞留された後に排水タンク38に排出される。一方、
気水分離器36の上層に存在する循環ガスは、ガス排出
配管39を介してガス循環装置2から排出されることに
よって、気密チャンバ1に供給されることになる。
環装置2間において循環ガスが循環されながら、酸素が
除去されると共に、所定の炭酸ガス濃度となるように炭
酸ガスが循環ガスに供給されることによって、炭酸ガス
濃度を低濃度下において調整した正確な地下環境が気密
チャンバ1内に模擬されることになる。
濃度調整処理により所望の地下環境が気密チャンバ1内
に形成されると、放射性物質が気密チャンバ1内に搬入
されて実験が開始されることになる。そして、この実験
中に停電等の非常事態により電力供給が停止され、ガス
循環装置2が運転を停止すると、図1に示すように、供
給配管51および回収配管52に設けられた第1および
第2循環用開閉バルブ53a・53bが閉栓状態に切り
替わることによって、気密チャンバ1とガス循環装置2
とが遮断される。
1に設けられたバイパス用開閉バルブ59・66が通電
時に閉栓状態となるように設定されているため、これら
のバルブ59・66が開栓状態に切り替わる。これによ
り、気密チャンバ1は、供給用バイパス配管57を介し
て窒素(N2 )ガス供給源55に連通状態にされると共
に、排気用バイパス配管63を介して施設オフガス系6
4に連通状態にされることによって、窒素(N2 )ガス
供給源55から窒素ガスが供給されながら、内部のガス
が施設オフガス系64により吸引されることになる。ま
た、ガス供給系54には、保圧バルブが設けられてお
り、施設オフガス系64による吸引量に応じた窒素ガス
が窒素ガス供給源55より供給され、気密チャンバ1内
は密閉ボックス内外の圧力差によりボックスが損傷しな
い程度の所定の負圧に維持される。
パ67が設けられており、バイパスダンパ67は、気密
チャンバ1の下流側にて大気を導入することにより、気
密チャンバ1内に大気を導入することなく、窒素ガスの
消費を抑制しながら気密チャンバ1に対する施設オフガ
ス系64の過剰な吸引を抑制している。従って、気密チ
ャンバ1内は、密閉ボックス1内外の圧力差によりボッ
クスが損傷しない程度の所定の負圧に維持されながら、
窒素ガスが供給されるため、大深度の地下環境(低酸素
濃度および任意の低炭酸ガス濃度)に近似した状態に維
持されることになる。
も、気密チャンバ1内の雰囲気に殆ど変化がないため、
実験結果の誤差の発生を最小限に抑制することが可能に
なっている。さらに、ガス排気系61に設けられたバイ
パスダンパ67のカウンターウエイトを調整することに
よって、窒素ガスの消費を必要最小限のものとして電力
供給停止時のランニングコストを低減させることも可能
になっている。
ある窒素ガスを用いた場合について説明したが、窒素ガ
ス以外の不活性ガスが用いられていても良いし、不活性
ガス以外のガスが用いられていても良い。また、本実施
形態においては、施設オフガス系64が排気手段として
用いられているが、排気手段は、各装置に毎にバックア
ップされた排風機やエジェクターが用いられていても良
い。また、本実施形態においては、気密チャンバ1が密
閉ボックスとして用いられているが、これに限定される
ものではなく、密閉ボックスは、金属またはアクリル等
の板材やOリングパッキン等の密封部材により内外に雰
囲気が遮蔽されたものであれば良い。
され、放射性物質が収納される密閉ボックスと、前記密
閉ボックス内に所定ガスを供給して回収すると共に、内
部を負圧にするガス循環装置と、前記密閉ボックスと前
記ガス循環装置とを接続する供給配管および回収配管
と、電力供給停止時に、前記供給配管を遮断する一方、
前記密閉ボックスをガス供給源に連通させるように切り
換える第1切換手段を有したガス供給系と、電力供給停
止時に、前記回収配管を遮断する一方、前記密閉ボック
スを非常時でも負圧吸引する排気手段に連通させるよう
に切り換える第2切換手段を有したガス排気系とを備え
ており、前記ガス供給系に設けられ、前記密閉ボックス
内の負圧を所定値に維持するように前記ガス供給源から
前記密閉ボックスへのガス流量を制御する保圧バルブ
と、前記ガス排気系に設けられ、前記排気手段の負圧吸
引の吸引量を調整可能なバイパスダンパとの少なくとも
一つを有している構成である。これにより、ガス供給系
の保圧バルブが密閉ボックス内の負圧を所定値に維持す
るようにガス流量を制御したり、ガス排気系のバイパス
ダンパが排気手段の過剰な吸引を抑制するため、密閉ボ
ックス内外の圧力差によりボックスが損傷しない程度の
所定の負圧に維持されながら、密閉ボックス内に窒素ガ
スが供給されることになる。従って、大深度の地下環境
(低酸素濃度および任意の低炭酸ガス濃度)に近似した
状態を電力供給停止時においても維持させることができ
るため、実験結果の誤差の発生を最小限に抑制すること
が可能になるという効果を奏する。
物質の雰囲気制御装置であって、前記ガス排気系および
前記ガス供給系は、ガス流量の異なる大流量ラインと小
流量ラインとを並列して有しており、これらラインに
は、任意に切り換え可能な開閉バルブがそれぞれ設けら
れている構成である。これにより、大流量ラインと小流
量ラインとにそれぞれ設けられた開閉バルブを任意の組
み合わせで切り換えることによって、模擬する地下環境
の仕様や初期状態からの立ち上げ時間等を考慮した運転
を行うことが可能になるという効果を奏する。
Claims (2)
- 【請求項1】 内外に雰囲気が遮断され、放射性物質が
収納される密閉ボックスと、 前記密閉ボックス内に所定ガスを供給して回収すると共
に、内部を負圧にするガス循環装置と、 前記密閉ボックスと前記ガス循環装置とを接続する供給
配管および回収配管と、 電力供給停止時に、前記供給配管を遮断する一方、前記
密閉ボックスをガス供給源に連通させるように切り換え
る第1切換手段を有したガス供給系と、 電力供給停止時に、前記回収配管を遮断する一方、前記
密閉ボックスを非常時でも負圧吸引する排気手段に連通
させるように切り換える第2切換手段を有したガス排気
系とを備えており、 前記ガス供給系に設けられ、前記密閉ボックス内の負圧
を所定値に維持するように前記ガス供給源から前記密閉
ボックスへのガス流量を制御する保圧バルブと、前記ガ
ス排気系に設けられ、前記排気手段の負圧吸引の吸引量
を調整可能なバイパスダンパとの少なくとも一つを有し
ていることを特徴とする放射性物質の雰囲気制御装置。 - 【請求項2】 前記ガス排気系および前記ガス供給系
は、ガス流量の異なる大流量ラインと小流量ラインとを
並列して有しており、これらラインには、任意に切り換
え可能な開閉バルブがそれぞれ設けられていることを特
徴とする請求項1記載の放射性物質の雰囲気制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15905596A JP3241598B2 (ja) | 1996-05-29 | 1996-05-29 | 放射性物質の雰囲気制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15905596A JP3241598B2 (ja) | 1996-05-29 | 1996-05-29 | 放射性物質の雰囲気制御装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09318796A JPH09318796A (ja) | 1997-12-12 |
JP3241598B2 true JP3241598B2 (ja) | 2001-12-25 |
Family
ID=15685244
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP15905596A Expired - Lifetime JP3241598B2 (ja) | 1996-05-29 | 1996-05-29 | 放射性物質の雰囲気制御装置 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP3241598B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3805581B2 (ja) * | 1999-10-06 | 2006-08-02 | 株式会社神戸製鋼所 | 実地下環境模擬装置 |
JP2006053151A (ja) * | 2005-08-12 | 2006-02-23 | Kobe Steel Ltd | 実地下環境模擬装置 |
KR100925734B1 (ko) * | 2007-08-06 | 2009-11-11 | 엘지전자 주식회사 | 의류 건조기 |
FR2987486B1 (fr) * | 2012-02-29 | 2014-05-09 | Commissariat Energie Atomique | Procede et dispositif de controle de l'etancheite d'une enceinte de confinement |
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-
1996
- 1996-05-29 JP JP15905596A patent/JP3241598B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
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JPH09318796A (ja) | 1997-12-12 |
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