JPH1123794A - 地下環境シミュレーション装置 - Google Patents

地下環境シミュレーション装置

Info

Publication number
JPH1123794A
JPH1123794A JP17187597A JP17187597A JPH1123794A JP H1123794 A JPH1123794 A JP H1123794A JP 17187597 A JP17187597 A JP 17187597A JP 17187597 A JP17187597 A JP 17187597A JP H1123794 A JPH1123794 A JP H1123794A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gas
circulating
water
concentration
circulating gas
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP17187597A
Other languages
English (en)
Inventor
Ryutaro Wada
隆太郎 和田
Masato Asao
真人 浅尾
Tsutomu Nishimura
務 西村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kobe Steel Ltd filed Critical Kobe Steel Ltd
Priority to JP17187597A priority Critical patent/JPH1123794A/ja
Publication of JPH1123794A publication Critical patent/JPH1123794A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Drying Of Gases (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高湿度の地下環境を長期間に渡って連続的に
模擬する。 【解決手段】 内外に雰囲気が遮断されたグローブボッ
クス本体1と、グローブボックス本体1に所定成分の循
環ガスを供給して回収するガス循環装置2とを備えてい
る。ガス循環装置2は、循環ガスに対して窒素ガスを供
給する窒素(N2)ガス供給系12と、循環ガス中の各
成分のガス濃度を測定するガス濃度モニタ41と、循環
ガス中の酸素のガス濃度に応じて供給された水素を酸素
と反応させて水分子とする酸水素反応器34と、水分子
を凝縮させて循環ガスから除去する気水分離工程23と
を有している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、放射性廃棄物の処
分環境等となる地下環境を模擬する地下環境シミュレー
ション装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年においては、核燃料サイクルにより
発生する高レベル放射性廃棄物の処分に関する研究開発
が進められるにつれ、その処分環境である数百m以上の
大深度の地下環境(低酸素濃度および任意の低炭酸ガス
濃度)を模擬的に実現し、その雰囲気下で実験を行う必
要性が高まっている。
【0003】そこで、従来は、図3に示すように、気密
チャンバ51内のガスを排気して真空状態にしたり、常
圧の窒素で置換した後、窒素ガス等の不活性ガスを不活
性ガス供給装置52から供給することによって、大部分
の酸素または酸素および炭酸ガスを除去する。そして、
気密チャンバ51に封入された不活性ガスを残存する酸
素または酸素および炭酸ガスと共に循環させながら、循
環経路中に設けられた脱酸素装置53により酸素を除去
すると共に、並列接続された水吸着装置54・54およ
び炭酸ガス吸着装置55・55により水分および残存す
る炭酸ガスを除去することによって、酸素濃度の極めて
低い大深度の地下環境を実現するようになっている(特
開平1−207748号公報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、例えば日本
のように多量の地下水を含む地質の地下環境は、低酸素
濃度であると共に、地下水の存在により湿潤状態になっ
ているため、地下環境シミュレーション装置は、このよ
うな低酸素で湿潤状態の地下環境を模擬できることが望
まれている。
【0005】ところが、上記従来の構成では、各装置5
3〜55の運転開始前に大部分の酸素および炭酸ガスを
除去した時点で低い湿度になっており、水吸着装置54
・54により一層湿度を低下させることはできても、高
湿度となるように湿度を上昇させることはできない。そ
こで、気密チャンバ51内に水を収容した容器を取り付
け、蒸発や噴霧により水分を供給する方法も考えられる
が、この方法では、容器に対して水を定期的に補給する
必要があるため、同一環境下で長期間の試験を連続的に
行うことができない。
【0006】従って、本発明は、低酸素濃度を維持した
ままで湿潤状態の地下環境を長期間に渡って連続的に模
擬することができる地下環境シミュレーション装置を提
供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1の発明は、内外に雰囲気が遮断された密閉
ボックスと、前記密閉ボックスに所定成分の循環ガスを
供給して回収するガス循環装置とを備えてなり、前記ガ
ス循環装置は、前記循環ガスに対して不活性ガスを供給
する不活性ガス供給手段と、前記循環ガス中の各成分の
ガス濃度を測定する濃度測定手段と、前記循環ガス中に
供給された水素を、該酸素と反応させて水分子とする酸
水素反応手段と、循環ガスから前記水分子を凝縮操作を
用いて除去する気水分離手段とを有していることを特徴
としている。
【0008】これにより、酸水素反応手段において循環
ガス中の酸素と水素とを反応させて水分子にすることに
よって、循環ガスから酸素を除去することより低酸素濃
度の循環ガスにすることができる。そして、酸素と水素
との反応により生成された水分子を気水分離手段におけ
る凝縮により除去するため、多くの水分子が循環ガス中
に残存することによって、循環ガスを高湿度の状態にす
ることができる。従って、循環ガスから酸素を除去しな
がら水分子を生成し、この水分子で循環ガスを高湿度に
しているため、循環ガス中に常に水が補給される状態と
なり、従来のような容器に水を定期的に補給する必要が
ないことから、高湿度の地下環境を長期間に渡って連続
的に模擬することができる。
【0009】請求項2の発明は、請求項1記載の地下環
境シミュレーション装置であって、前記気水分離手段
は、前記水分子の凝縮率を変更可能な凝縮率変更手段を
有していることを特徴としている。これにより、凝縮率
の変更により循環ガスにおける水分子の残存量を調整す
ることによって、循環ガスを所望の湿度に設定すること
ができる。
【0010】請求項3の発明は、請求項2記載の地下環
境シミュレーション装置であって、前記凝縮率変更手段
は、循環ガスを冷媒流体との熱交換により冷却して水分
子を凝縮させる冷却器と、前記冷却器に対する冷媒流体
の冷却温度および供給量の少なくも一方を任意に変更可
能な冷却水供給手段と、前記濃度測定手段で測定された
ガス濃度中の水分濃度が設定値となるように、前記冷却
水供給手段を制御する制御手段とを有していることを特
徴としている。これにより、冷却水の冷却温度や供給量
により水分子の凝縮率を変更するため、水分子の凝縮率
の制御を一般的な設備機器を用いて容易且つ安価に実現
することができる。
【0011】請求項4の発明は、請求項1ないし3のい
ずれか1項に記載の地下環境シミュレーション装置であ
って、前記ガス循環装置は、前記気水分離手段の上流側
または下流側に設けられ、循環ガス中に水分を供給する
水分供給手段を有していることを特徴としている。これ
により、循環ガスに強制的に水分を供給することによっ
て、酸水素反応手段における酸素と水素との反応による
水分子の生成量以上の水分を循環ガスに存在させること
ができるため、極めて高湿度の地下環境を容易に実現す
ることができる。
【0012】請求項5の発明は、請求項1ないし4のい
ずれか1項に記載の地下環境シミュレーション装置であ
って、前記ガス循環装置は、前記循環ガス中の炭酸ガス
のガス濃度を所定濃度とするように、該循環ガスに炭酸
ガスを供給する炭酸ガス供給手段を有していることを特
徴としている。これにより、酸素を循環ガスから除去し
ながら、この循環ガス中の炭酸ガスのガス濃度を測定
し、このガス濃度を所定濃度とするように、循環ガスに
対して炭酸ガスを供給するようになっているため、炭酸
ガス濃度を低濃度下において調整することができる。従
って、炭酸ガス濃度を任意の濃度に変化させることによ
って、高湿度下における様々な条件の地下環境を正確に
模擬することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図1および
図2に基づいて以下に説明する。本実施形態に係る地下
環境シミュレーション装置は、図1に示すように、気密
状態に内外の雰囲気が遮断されたグローブボックス本体
1と、グローブボックス本体1に対して炭酸(CO2
ガスや窒素(N2 )ガス等の循環ガスを供給して回収す
るガス循環装置2とを有している。グローブボックス本
体1には、給気口1aおよび排気口1bが形成されてお
り、これらの給気口1aおよび排気口1bは、HEPA
(High Efficiency Particulate Air) フィルタ3・3に
接続されている。尚、HEPAフィルタ3とは、原子力
設備特有のエアロゾル状の放射性物質を補集するもので
あり、具体的には、定格流量で粒径が0.3μmの粒子
に対して99.97%以上の粒子補集率を有し、且つ、
初期圧力損失が一般に300Pa以下の性能を有するも
のである。
【0014】上記のHEPAフィルタ3・3は、給気バ
ルブユニット4および排気バルブユニット5を介してガ
ス循環装置2におけるガス循環系6の入口側および出口
側にそれぞれ接続されている。ガス循環系6の入口側に
は、循環ガスの循環を停止可能な循環系開閉バルブ11
と、ガス循環系6に窒素ガスを供給する窒素(N2 )ガ
ス供給系12とが入口側からこの順に設けられている。
窒素(N2 )ガス供給系12は、窒素ガス用制御バルブ
14を有しており、窒素ガス用制御バルブ14は、所定
の供給量でもって窒素ガスをガス循環系6に供給するよ
うになっている。そして、窒素(N2 )ガス供給系12
の後工程には、圧送工程20が設けられており、圧送工
程20は、並列接続されたブロア15a・15bと、こ
れらのブロア15a・15bにより圧送される循環ガス
の流量を一定量とするように、ブロア15a・15bの
流入側および出口側に接続されたブロア循環経路16と
を有している。
【0015】上記の圧送工程20の後工程には、ガス循
環系6の循環ガスを排気系に排出する排気工程7aと、
ガス循環系6に水分を供給する水分供給工程8と、循環
ガス中の炭酸ガスを吸収する炭酸ガス吸収工程21とが
この順に設けられている。上記の水分供給工程8は、水
に含まれる酸素や炭酸ガス等の溶存ガスを除去するよう
に、水に窒素ガスを供給しながら脱気する脱気槽9と、
水を霧状にして循環ガスに供給する水分供給装置10
と、脱気槽9および水分供給装置10間に設けられ、脱
気槽9から水分供給装置10への給水量を調整可能な給
水バルブ13とを有している。尚、上記の水分供給装置
10には、ノズルから水を噴霧するキャブレター方式の
噴霧器や、超音波やマイクロ波等の振動式の噴霧器等を
用いることができる。
【0016】また、水分供給工程8の後工程に設けられ
た炭酸ガス吸収工程21は、CO2吸収器19と、CO
2 吸収器19の入口側および出口側に設けられた開閉バ
ルブ25a・25bとを有している。そして、炭酸ガス
吸収工程21は、循環ガスの炭酸ガス濃度等の運転状況
に応じて開閉バルブ25a・25bを開栓および閉栓さ
せ、開栓時においてCO2 吸収器19により循環ガス中
の炭酸ガスを吸収させるようになっている。
【0017】上記の炭酸ガス吸収工程21の後工程に
は、炭酸(CO2 )ガス供給系26(炭酸ガス供給手
段)と混合(N2/H2 )ガス供給系27とが設けられて
いる。これらの炭酸(CO2 )ガス供給系26および混
合(N2/H2 )ガス供給系27には、CO2 用制御バル
ブ28およびN2/H2 用制御バルブ29がそれぞれ設け
られていると共に、CO2 ガス流量調整器30およびN
2/H2 ガス流量調整器31がそれぞれ設けられている。
そして、CO2 ガス流量調整器30は、後述のパーソナ
ルコンピュータ等の情報処理装置40からの指令値とな
るように、CO2 用制御バルブ28のバルブ開度を調整
し、指令値のガス流量でもって炭酸ガスを循環ガスに供
給させることによって、オペレータにより設定された炭
酸ガス濃度を循環ガスに存在させるようになっている。
また、N2/H2 ガス流量調整器31は、情報処理装置4
0からの指令値となるように、N2/H2 用制御バルブ2
9のバルブ開度を調整するようになっている。そして、
メタンガスを生成する際には、混合(N2/H2 )ガス供
給系27が大きなバルブ開度で開栓され、酸素濃度に対
して一層過剰なN2/H2 ガスが供給されることによっ
て、後述の酸水素反応器34における炭酸ガスと水素ガ
スとの副反応によりメタンガスが生成されるようになっ
ている。
【0018】上記の循環ガスは、循環ガス中の酸素と水
素とを反応(2H2+O 2 →2H2O) させて酸素を除去する酸
水素反応工程22に流動するようになっている。酸水素
反応工程22は、循環ガスを加熱するプレヒータ33a
と、循環ガス中の酸素と水素とを反応させる酸水素反応
器34とがこの順に設けられている。酸水素反応器34
は、酸水素反応を生じさせるように無機質の担体を使用
した貴金属触媒を内蔵している。
【0019】上記の担体を内蔵した酸水素反応器34の
側方には、貴金属触媒および循環ガスを加熱するメイン
ヒータ33bが設けられている。そして、これらのメイ
ンヒータ33bおよびプレヒータ33aは、循環ガスお
よび酸水素反応器34内の貴金属触媒を所望の温度に加
熱することによって、炭酸ガスが貴金属触媒に吸着させ
るのを十分に防止するようになっている。尚、メインヒ
ータ33bおよびプレヒータ33aによる貴金属触媒の
加熱温度は、100〜800℃の範囲であることが望ま
しい。これは、常圧において100℃が水を水分の形態
で取り扱える沸点温度であって実用的に使用できる最低
限の温度であり、800℃以上では、貴金属触媒が金属
溶融を起こすからである。
【0020】また、酸水素反応器34の後工程には、酸
水素反応工程22で生成された水を循環ガスから分離し
て除去する気水分離工程23が設けられている。気水分
離工程23は、冷却器35を前段に有している。この冷
却器35には、冷却水を循環させながら所定温度に冷却
するチラーユニット32が接続されており、チラーユニ
ット32および冷却器35間には、冷却器35およびチ
ラーユニット32間の冷却水の循環量を変更可能な冷却
水調整バルブ43が設けられている。そして、このよう
に冷却温度や循環量を調整されながら冷却水が循環され
る冷却器35は、冷却温度および循環量に応じた冷却能
力でもって酸水素反応工程22において加熱された循環
ガスを冷却水との熱交換により冷却し、循環ガス中に生
成された水分子を所望の凝縮率で凝縮させることによっ
て、循環ガスの湿度を制御可能になっている。
【0021】上記の冷却器35の後段には、凝集された
水と循環ガスとを下層と上層とに分離する気水分離器3
6が設けられている。気水分離器36の底面には、排水
バルブ37を介して凝縮水容器38が接続されており、
排水バルブ37は、気水分離器36の液面が所定高さに
なったときに開栓され、気水分離器36内の凝縮水を凝
縮水容器38に排出するようになっている。一方、気水
分離器36内の上面には、ガス排出配管39が接続され
ており、ガス排出配管39は、気水分離器36の上層に
存在する循環ガスをガス循環系6の出口から排出し、こ
の循環ガスを上述のグローブボックス本体1に供給する
ようになっている。
【0022】また、ガス排出配管39には、循環系6の
循環ガスを排気系に排出する排気工程7bの配管が接続
されていると共に、水分濃度(湿度)、酸素濃度、水素
濃度および炭酸ガス濃度等を監視するガスクロマトグラ
フ等のガス濃度モニタ41が接続されている。ガス濃度
モニタ41は、情報処理装置40に接続されており、検
出結果である各種のガス濃度を情報処理装置40に出力
するようになっている。また、情報処理装置40には、
ガス循環系6のガス流量やガス圧、酸水素反応工程22
の加熱温度等の各種の処理情報も入力されるようになっ
ている。そして、情報処理装置40は、これらの処理情
報およびガス濃度がオペレータにより入力された設定値
となるように各種の指令値を作成し、CO2 ガス流量調
整器30やN2/H2 ガス流量調整器31、冷却水調整バ
ルブ43、チラーユニット32等に出力するようになっ
ている。
【0023】上記の構成において、地下環境シミュレー
ション装置の動作について説明する。先ず、情報処理装
置40に対してオペレータが所望の炭酸ガス濃度および
水分濃度(湿度)等を設定する。そして、情報処理装置
40に対してガス循環装置2の動作指令が入力される
と、グローブボックス本体1内およびガス循環系6内の
循環ガスが排気される。この後、所定の真空度に達する
と、炭酸ガス濃度調整処理および湿度調整処理が開始さ
れることになる。
【0024】即ち、窒素(N2 )ガス供給系12から窒
素ガスが循環ガス中に供給されながら、圧送工程20の
ブロア15a・15bが駆動されることによって、循環
ガスがグローブボックス本体1からガス循環装置2のガ
ス循環系6に回収される。そして、情報処理装置40に
対する炭酸ガス濃度が設定値よりも高い値である場合に
は、炭酸ガス吸収工程21における開閉バルブ25a・
25bが開栓され、CO2 吸収器19による炭酸ガスの
吸収が行われる。
【0025】一方、炭酸ガス濃度が設定値よりも同程度
がそれより低い場合には、開閉バルブ25a・25bが
閉栓状態とされ、ガス濃度モニタ41において検出され
た炭酸ガス濃度の検出値がオペレータにより設定された
炭酸ガス濃度の設定値となるように、炭酸(CO2 )ガ
ス供給系26および混合(N2/H2 )ガス供給系27の
ガス流量調整器30・31に対して指令値がそれぞれ出
力される。そして、各指令値を受信したガス流量調整器
30・31が制御バルブ28・29のバルブ開度をそれ
ぞれ制御することによって、バルブ開度に応じたガス流
量でもって炭酸ガスおよびN2/H2 ガスがそれぞれ循環
ガスに供給されることになる。
【0026】この後、上記の循環ガスが酸水素反応工程
22において混合され、酸水素反応器34の貴金属触媒
により酸素と水素とが反応される。この際、貴金属触媒
および循環ガスがプレヒータ33aおよびメインヒータ
33bにより加熱されていると共に、貴金属触媒が担体
にされているため、炭酸ガスが貴金属触媒に吸着するこ
とはない。そして、上記の酸水素反応により酸素が循環
ガスから水分子として除去されると、この水分子が気水
分離工程23において凝縮および除去された後、グロー
ブボックス本体1に流動されることになる。
【0027】即ち、気水分離工程23の後工程に設けら
れたガス濃度モニタ41は、酸素濃度や炭酸ガス濃度と
共に、循環ガス中の水分濃度(湿度)を検出して検出値
を情報処理装置40に出力している。そして、情報処理
装置40は、水分濃度(湿度)の検出値がオペレータに
より設定された水分濃度(湿度)の設定値となるよう
に、チラーユニット32および冷却水調整バルブ43に
対して指令値をそれぞれ出力しており、冷却水調整バル
ブ43は、指令値に応じた冷却温度となるように冷却水
を調整しながら、指令値に応じたバルブ開度で開栓する
ことによって、バルブ開度に応じた循環量の冷却水を冷
却器35に供給している。これにより、冷却器35を通
過する循環ガスは、冷却水の冷却温度および循環量に応
じた冷却器35の冷却能力でもって冷却され、水分子が
冷却能力に応じた凝縮率で凝縮されるため、所定の湿度
に制御されながらグローブボックス本体1に流動するこ
とになる。
【0028】また、酸水素反応による水分子の生成量に
よっては循環ガスの湿度を設定値にまで上昇できない場
合には、給水バルブ13が開栓され、水分供給装置10
から水分が強制的に循環ガス中に供給される。そして、
循環ガス中の過剰な水分が気水分離工程23において除
去されるされることによって、設定値に対応した極めて
高湿度の循環ガスがグローブボックス本体1に供給され
ることになる。
【0029】以上のように、本実施形態の地下環境シミ
ュレーション装置は、内外に雰囲気が遮断されたグロー
ブボックス本体1(密閉ボックス)と、グローブボック
ス本体1に所定成分の循環ガスを供給して回収するガス
循環装置2とを備えてなり、ガス循環装置2は、循環ガ
スに対して窒素ガス(不活性ガス)を供給する窒素(N
2 )ガス供給系12(不活性ガス供給手段)と、循環ガ
ス中の各成分のガス濃度を測定するガス濃度モニタ41
(濃度測定手段)と、循環ガス中の酸素のガス濃度に応
じて供給された水素を酸素と反応させて水分子とする酸
水素反応器34(酸水素反応手段)と、水分子を凝縮さ
せて循環ガスから除去する気水分離工程23(気水分離
手段)とを有した構成にされている。
【0030】これにより、酸水素反応器34において循
環ガス中の酸素と水素とを反応させて水分子にすること
によって、循環ガスから酸素を除去することより低酸素
濃度の循環ガスにすることができる。従って、循環ガス
から酸素を除去しながら水分子を生成し、この水分子で
循環ガスを高湿度にしているため、循環ガス中に常に水
が補給される状態となる。これにより、従来のような容
器に水を定期的に補給する必要がないことから、高湿度
の地下環境を長期間に渡って連続的に模擬することがで
きる。また、凝縮器により水分を除去することにより、
循環ガスまたは放出ガス中の飽和温度を越える水分を取
り除くことができるため、配管中の結露を防止すること
ができる。尚、配管中の結露を防止することは、腐食等
を防止するなどの意義がある。
【0031】尚、本実施形態においては、窒素ガスを不
活性ガスとして用いた場合について説明したが、その他
のヘリウムガス等の不活性ガスを窒素ガスに代えて用い
るようになっていても良い。また、本実施形態の地下環
境シミュレーション装置は、放射性廃棄物の処分環境を
模擬する原子力分野の他、一般廃棄物/産業廃棄物処分
の分野、金属燃料分野、金属Naを取り扱う実験の分野
等に適用することができる。また、本実施形態において
は、グローブボックス本体1が密閉ボックスとして用い
られているが、これに限定されるものではなく、密閉ボ
ックスは、金属またはアクリル等の板材やOリングパッ
キン等の密封部材により内外に雰囲気が遮蔽されたもの
であれば良い。
【0032】また、本実施形態において、気水分離工程
23は、水分子の凝縮率を変更可能なチラーユニット3
2や冷却器35等の凝縮率変更手段を有した構成にされ
ることによって、凝縮率の変更により循環ガスにおける
水分子の残存量を調整して循環ガスを所望の湿度に設定
することができるようになっている。
【0033】具体的には、凝縮率変更手段は、循環ガス
を冷媒流体(冷却水等)との熱交換により冷却して水分
子を凝縮させる冷却器35と、冷却器35に対する冷媒
流体(冷却水等)の冷却温度および供給量(循環量)を
任意に変更可能なチラーユニット32および冷却水調整
バルブ43(冷却水供給手段)と、ガス濃度モニタ41
(濃度測定手段)で測定されたガス濃度中の水分濃度が
設定値となるように、チラーユニット32および冷却水
調整バルブ43を制御する情報処理装置40(制御手
段)とを有した構成にされている。尚、本実施形態にお
いては、チラーユニット32による冷却温度および冷却
水調整バルブ43による循環量(供給量)の両者を制御
する構成にされているが、これに限定されることはな
く、冷却温度および供給量の少なくも一方を制御する構
成であれば良い。そして、この構成によれば、冷却水の
冷却温度および供給量により水分子の凝縮率を変更させ
るため、水分子の凝縮率の制御を一般的な設備機器を用
いて容易且つ安価に実現することができる。
【0034】また、本実施形態において、ガス循環装置
2は、循環ガス中の炭酸ガスのガス濃度を所定濃度とす
るように、循環ガスに炭酸ガスを供給する炭酸(C
2 )ガス供給系26(炭酸ガス供給手段)を有した構
成にされている。これにより、酸素を循環ガスから除去
しながら、この循環ガス中の炭酸ガスのガス濃度を測定
し、このガス濃度を所定濃度とするように、循環ガスに
対して炭酸ガスを供給するようになっているため、炭酸
ガス濃度を低濃度下において調整することができる。従
って、炭酸ガス濃度を任意の濃度に変化させることによ
って、高湿度下における様々な条件の地下環境を正確に
模擬することができる。
【0035】また、本実施形態において、ガス循環装置
2は、気水分離工程23の前工程(上流側)に設けら
れ、循環ガス中に水分を供給するキャブレター方式や振
動式の噴霧器を備えた水分供給工程8(水分供給手段)
を有した構成にされている。これにより、循環ガスに強
制的に水分を供給することによって、酸素と水素との反
応による水分子の生成量以上の水分を循環ガスに存在さ
せることができるため、極めて高湿度の地下環境を容易
に実現することができる。
【0036】尚、本実施形態においては、キャブレター
方式や振動式の噴霧器を備えた水分供給工程8を用いて
説明しているが、これに限定されることはない。即ち、
水分供給工程8は、図2に示すように、水に窒素ガスを
供給しながら脱気する脱気槽45と、脱気槽45からの
水を蒸気にして循環ガスに供給するように恒温槽47に
収容されたバブリング容器46とを備えた構成であって
も良い。
【0037】
【発明の効果】請求項1の発明は、内外に雰囲気が遮断
された密閉ボックスと、前記密閉ボックスに所定成分の
循環ガスを供給して回収するガス循環装置とを備えてな
り、前記ガス循環装置は、前記循環ガスに対して不活性
ガスを供給する不活性ガス供給手段と、前記循環ガス中
の各成分のガス濃度を測定する濃度測定手段と、前記循
環ガス中に供給された水素を、該酸素と反応させて水分
子とする酸水素反応手段と、循環ガスから前記水分子を
凝縮操作を用いて除去する気水分離手段とを有している
構成である。
【0038】これにより、酸水素反応手段において循環
ガス中の酸素と水素とを反応させて水分子にすることに
よって、循環ガスから酸素を除去することより低酸素濃
度の循環ガスにすることができる。そして、酸素と水素
との反応により生成された水分子を気水分離手段におけ
る凝縮により除去するため、多くの水分子が循環ガス中
に残存することによって、循環ガスを高湿度の状態にす
ることができる。従って、循環ガスから酸素を除去しな
がら水分子を生成し、この水分子で循環ガスを高湿度に
しているため、循環ガス中に常に水が補給される状態と
なり、従来のような容器に水を定期的に補給する必要が
ないことから、高湿度の地下環境を長期間に渡って連続
的に模擬することができるという効果を奏する。
【0039】請求項2の発明は、請求項1記載の地下環
境シミュレーション装置であって、前記気水分離手段
は、前記水分子の凝縮率を変更可能な凝縮率変更手段を
有している構成である。これにより、凝縮率の変更によ
り循環ガスにおける水分子の残存量を調整することによ
って、循環ガスを所望の湿度に設定することができると
いう効果を奏する。
【0040】請求項3の発明は、請求項2記載の地下環
境シミュレーション装置であって、前記凝縮率変更手段
は、循環ガスを冷媒流体との熱交換により冷却して水分
子を凝縮させる冷却器と、前記冷却器に対する冷媒流体
の冷却温度および供給量の少なくも一方を任意に変更可
能な冷却水供給手段と、前記濃度測定手段で測定された
ガス濃度中の水分濃度が設定値となるように、前記冷却
水供給手段を制御する制御手段とを有している構成であ
る。これにより、冷却水の冷却温度や供給量により水分
子の凝縮率を変更するため、水分子の凝縮率の制御を一
般的な設備機器を用いて容易且つ安価に実現することが
できるという効果を奏する。
【0041】請求項4の発明は、請求項1ないし3のい
ずれか1項に記載の地下環境シミュレーション装置であ
って、前記ガス循環装置は、前記気水分離手段の上流側
または下流側に設けられ、循環ガス中に蒸気を供給する
蒸気供給手段を有している構成である。これにより、循
環ガスに強制的に蒸気を供給することによって、酸水素
反応手段における酸素と水素との反応による水分子の生
成量以上の水分を循環ガスに存在させることができるた
め、極めて高湿度の地下環境を容易に実現することがで
きるという効果を奏する。
【0042】請求項5の発明は、請求項1ないし4のい
ずれか1項に記載の地下環境シミュレーション装置であ
って、前記ガス循環装置は、前記循環ガス中の炭酸ガス
のガス濃度を所定濃度とするように、該循環ガスに炭酸
ガスを供給する炭酸ガス供給手段を有している構成であ
る。これにより、酸素を循環ガスから除去しながら、こ
の循環ガス中の炭酸ガスのガス濃度を測定し、このガス
濃度を所定濃度とするように、循環ガスに対して炭酸ガ
スを供給するようになっているため、炭酸ガス濃度を低
濃度下において調整することができる。従って、炭酸ガ
ス濃度を任意の濃度に変化させることによって、高湿度
下における様々な条件の地下環境を正確に模擬すること
ができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】地下環境シミュレーション装置の工程図であ
る。
【図2】地下環境シミュレーション装置の工程図であ
る。
【図3】従来の地下環境シミュレーション装置の工程図
である。
【符号の説明】
1 グローブボックス本体 2 ガス循環装置 6 ガス循環系 8 水分供給工程 9 脱気槽 10 水分供給装置 11 循環系開閉バルブ 12 窒素(N2 )ガス供給系 13 給水バルブ 14 窒素ガス用制御バルブ 19 CO2 吸収器 21 炭酸ガス吸収工程 22 酸水素反応工程 23 気水分離工程 26 炭酸(CO2 )ガス供給系 27 混合(N2/H2 )ガス供給系 30 CO2 ガス流量調整器 31 N2/H2 ガス流量調整器 32 チラーユニット 34 酸水素反応器 35 冷却器 36 気水分離器 39 ガス排出配管 40 情報処理装置 41 ガス濃度モニタ 43 冷却水調整バルブ 44 蒸気供給工程 45 脱気槽

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内外に雰囲気が遮断された密閉ボックス
    と、 前記密閉ボックスに所定成分の循環ガスを供給して回収
    するガス循環装置とを備えてなり、 前記ガス循環装置は、 前記循環ガスに対して不活性ガスを供給する不活性ガス
    供給手段と、 前記循環ガス中の各成分のガス濃度を測定する濃度測定
    手段と、 前記循環ガス中に供給された水素を、該酸素と反応させ
    て水分子とする酸水素反応手段と、 循環ガスから前記水分子を凝縮操作を用いて除去する気
    水分離手段とを有していることを特徴とする地下環境シ
    ミュレーション装置。
  2. 【請求項2】 前記気水分離手段は、 前記水分子の凝縮率を変更可能な凝縮率変更手段を有し
    ていることを特徴とする請求項1記載の地下環境シミュ
    レーション装置。
  3. 【請求項3】 前記凝縮率変更手段は、 循環ガスを冷媒流体との熱交換により冷却して水分子を
    凝縮させる冷却器と、 前記冷却器に対する冷媒流体の冷却温度および供給量の
    少なくも一方を任意に変更可能な冷却水供給手段と、 前記濃度測定手段で測定されたガス濃度中の水分濃度が
    設定値となるように、前記冷却水供給手段を制御する制
    御手段とを有していることを特徴とする請求項2記載の
    地下環境シミュレーション装置。
  4. 【請求項4】 前記ガス循環装置は、 前記気水分離手段の上流側または下流側に設けられ、循
    環ガス中に水分を供給する水分供給手段を有しているこ
    とを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載
    の地下環境シミュレーション装置。
  5. 【請求項5】 前記ガス循環装置は、 前記循環ガス中の炭酸ガスのガス濃度を所定濃度とする
    ように、該循環ガスに炭酸ガスを供給する炭酸ガス供給
    手段を有していることを特徴とする請求項1ないし4の
    いずれか1項に記載の地下環境シミュレーション装置。
JP17187597A 1997-06-27 1997-06-27 地下環境シミュレーション装置 Pending JPH1123794A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP17187597A JPH1123794A (ja) 1997-06-27 1997-06-27 地下環境シミュレーション装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP17187597A JPH1123794A (ja) 1997-06-27 1997-06-27 地下環境シミュレーション装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1123794A true JPH1123794A (ja) 1999-01-29

Family

ID=15931421

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP17187597A Pending JPH1123794A (ja) 1997-06-27 1997-06-27 地下環境シミュレーション装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1123794A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107220451A (zh) * 2017-06-08 2017-09-29 哈尔滨锅炉厂有限责任公司 一种高温气冷堆汽水分离器数值模拟的计算方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107220451A (zh) * 2017-06-08 2017-09-29 哈尔滨锅炉厂有限责任公司 一种高温气冷堆汽水分离器数值模拟的计算方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7105037B2 (en) Semiconductor manufacturing facility utilizing exhaust recirculation
JPS5827480B2 (ja) 希ガスホ−ルドアツプ装置の脱湿塔再生方法
US20090257937A1 (en) Method and apparatus for purifying and separating a heavy component concentrate along with obtaining light gas isotopes
KR100893680B1 (ko) 공기 중 방사성 오염물질 제거장치 및 제거방법
JPS61254221A (ja) Co2除去装置
JPH1123794A (ja) 地下環境シミュレーション装置
Perevezentsev et al. Wet scrubber column for air detritiation
JP3241598B2 (ja) 放射性物質の雰囲気制御装置
JP3343029B2 (ja) 地下環境シミュレーション装置
CN211718200U (zh) 一种用于测定吸附剂效能的试验装置
CN212468136U (zh) 吸附材料在线活化装置
CN115337756A (zh) 吸收装置、二氧化碳捕集系统及二氧化碳捕集方法
CN209917576U (zh) 活性炭吸附蒸汽脱附的实验装置
CN111482164A (zh) 吸附材料在线活化装置和方法
CN111495177A (zh) 一种手套箱除氚净化处理系统及其使用方法
KR940007866B1 (ko) 기상성장장치
CN110052225A (zh) 一种产生稳定,可调节浓度的气相HgCl2的装置及方法
CN117258495B (zh) 一种低浓度废气浓缩系统和方法
CN216646444U (zh) 一种锅炉烟气检测设备
EP0730279A1 (en) Method and apparatus for non-catalytic oxidation of tritium, and system for removing tritium
JPS62237929A (ja) 三フツ化窒素ガスの処理方法およびその装置
JPH05302872A (ja) 雰囲気の分析方法及び分析装置並びにクリーンルーム雰囲気の制御装置
Fan et al. Catalytic CO 2 desorption for ethanolamine based CO 2 capture technologies
JPS61153598A (ja) 希ガスホ−ルドアツプ装置の交互切換式脱湿塔再生方法
Borhani et al. Rate-based simulation of DEA promoted potassium carbonate process