JP3343029B2 - 地下環境シミュレーション装置 - Google Patents

地下環境シミュレーション装置

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JP3343029B2
JP3343029B2 JP15763496A JP15763496A JP3343029B2 JP 3343029 B2 JP3343029 B2 JP 3343029B2 JP 15763496 A JP15763496 A JP 15763496A JP 15763496 A JP15763496 A JP 15763496A JP 3343029 B2 JP3343029 B2 JP 3343029B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、放射性廃棄物の処
分環境等となる地下環境を模擬する地下環境シミュレー
ション装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年においては、核燃料サイクルにより
発生する高レベル放射性廃棄物の処分に関する研究開発
が進められるにつれ、その処分環境である数百m以上の
大深度の地下環境(低酸素濃度および任意の低炭酸ガス
濃度)を模擬的に実現し、その雰囲気下で実験を行う必
要性が高まっている。
【0003】そこで、従来は、図2に示すように、気密
チャンバ51内のガスを排気して真空状態にしたり、常
圧の窒素で置換した後、窒素ガス等の不活性ガスを不活
性ガス供給装置52から供給することによって、大部分
の酸素および炭酸ガスを除去する。そして、気密チャン
バ51に封入された不活性ガスを残存する酸素および炭
酸ガスと共に循環させながら、循環経路中に設けられた
脱酸素装置53により残存する酸素を除去すると共に、
並列接続された水吸着装置54・54および炭酸ガス吸
着装置55・55により水分および残存する炭酸ガスを
除去することによって、酸素濃度および炭酸ガス濃度の
極めて低い大深度の地下環境を実現するようになってい
る(特開平1−207748号公報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、現実の
地下環境は、その温度に殆ど関係なく酸素濃度が低濃度
であることは共通であるが、深度や地質等により炭酸ガ
ス濃度が異なっており、このような濃度差を有する現実
の地下環境に一層近づけようとすると、上記従来のよう
な酸素および炭酸ガスを循環させながら連続的に除去す
る構成だけでは不十分なものになる。特に、炭酸ガス濃
度は、僅かな違いでも放射性廃棄物の実験結果に大きな
影響を与える要因であり、高精度の実験結果を得ようと
した場合には、炭酸ガス濃度を調整または変化させて実
験できることが望まれている。
【0005】従って、本発明は、炭酸ガス濃度を任意の
濃度に調整可能にすることによって、地下環境を正確に
模擬することができる地下環境シミュレーション装置を
提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1の発明は、内外に雰囲気が遮断された密閉
ボックスと、前記密閉ボックスに所定成分の循環ガスを
供給して回収するガス循環装置とを備えてなり、前記ガ
ス循環装置は、前記循環ガスに対して不活性ガスを供給
する不活性ガス供給部と、前記循環ガス中の各成分のガ
ス濃度を測定する濃度測定手段と、前記循環ガス中の酸
素のガス濃度に応じて供給された水素を、該酸素と反応
させる貴金属触媒を有した酸水素反応器と、前記循環ガ
ス中の炭酸ガスのガス濃度を所定濃度とするように、該
循環ガスに炭酸ガスを供給する炭酸ガス供給手段および
該循環ガス中の炭酸ガスを吸収する炭酸ガス吸収手段
を有していることを特徴としている。これにより、酸水
素反応器において酸素を循環ガスから除去しながら、こ
の循環ガス中の炭酸ガスのガス濃度を測定し、このガス
濃度を所定濃度とするように、循環ガスに対して炭酸ガ
スを供給するようになっているため、炭酸ガス濃度を低
濃度下において調整することができる。従って、炭酸ガ
ス濃度を任意の濃度に変化させることによって、様々な
条件の地下環境を正確に模擬することができる。
【0007】請求項2の発明は、請求項1において、前
記酸水素反応器における貴金属触媒および循環ガスに対
する加熱手段が設けられていることを特徴としている。
これにより、貴金属触媒および循環ガスが加熱手段によ
り加熱されることによって、貴金属触媒への炭酸ガスの
吸着が十分に防止されるため、例えば100ppm以下
のように極めて低濃度の炭酸ガスのガス濃度も正確に制
御することが可能になる。
【0008】請求項3の発明は、請求項1または2にお
いて、前記酸水素反応器における貴金属触媒は、無機質
の担体であって、その比表面積が250m2 /g以下で
あることを特徴としている。これにより、貴金属触媒が
無機質の担体とされることによって、貴金属触媒への炭
酸ガスの吸着が十分に防止されるため、例えば100p
pm以下のように極めて低濃度の炭酸ガスのガス濃度も
正確に制御することが可能になる。
【0009】請求項4の発明は、請求項1において、前
記循環ガスに対して過剰に水素が供給されることによっ
て、前記酸水素反応器における水素と炭酸ガスとの副反
応によりメタンガスを生成し、この濃度を制御可能にさ
れていることを特徴としている。これにより、地下環境
において存在する可能性のあるメタンガスを生成可能に
することによって、地下環境を一層正確に模擬すること
ができる。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図1に基づ
いて以下に説明する。本実施形態に係る地下環境シミュ
レーション装置は、図1に示すように、気密状態に内外
の雰囲気が遮断された気密チャンバ1(密閉ボックス)
と、気密チャンバ1に対して炭酸(CO2 )ガスや窒素
(N2 )ガス等の所定ガスを供給して回収するガス循環
装置2とを有している。気密チャンバ1には、吸気口1
aおよび排気口1bが形成されており、これらの吸気口
1aおよび排気口1bは、ガス循環装置2に接続されて
いる。そして、排気口1bとガス循環装置2との配管経
路間には、排気用制御バルブ4と排気用ガス圧調整器5
とが設けられており、排気用ガス圧調整器5は、気密チ
ャンバ1からのガス圧を検出し、検出したガス圧を所定
の圧力とするように排気用制御バルブ4のバルブ開度を
調整するようになっている。
【0011】上記の排気用制御バルブ4は、ガス循環装
置2のガス循環系6の入口側に接続されている。このガ
ス循環系6の入口側には、ガス圧を検出する循環ガス圧
調整器10と、窒素ガス(不活性ガス)や炭酸ガス等を
成分として有した循環ガスを外部に排気するオフガス排
気系7と、循環ガスの循環を停止可能な循環系開閉バル
ブ11と、ガス循環系6に窒素ガスを供給する窒素(N
2 )ガス供給系12(不活性ガス供給部)とが入口側か
らこの順に設けられている。
【0012】窒素(N2 )ガス供給系12は、窒素ガス
用制御バルブ14を有しており、窒素ガス用制御バルブ
14は、上述の循環ガス圧調整器10によりオフガス用
制御バルブ9と連動されながらバルブ開度が調整され、
バルブ開度に応じた供給量でもって窒素ガスをガス循環
系6に供給するようになっている。このようにして窒素
(N2 )ガス供給系12から窒素ガスが供給された循環
ガスは、圧送工程20に流動するようになっている。圧
送工程20は、ブロア15aを有している。
【0013】上記の圧送工程20の後工程には、循環ガ
ス中の炭酸ガスを吸収する炭酸ガス吸収工程21が設け
られている。炭酸ガス吸収工程21は、オリフィス18
と、オリフィス18に並列接続されたCO2 吸収器19
とを有している。CO2 吸収器19の入口側および出口
側には、開閉バルブ26が設けられている。そして、炭
酸ガス吸収工程21は、CO2 <1ppmに維持したい
場合の系の循環ガスの炭酸ガス濃度等の運転状況に応じ
て開閉バルブ25・25を開栓および閉栓させ、開栓時
においてCO2 吸収器19により循環ガス中の炭酸ガス
を吸収させるようになっている。
【0014】また、炭酸ガス吸収工程21の後工程に
は、炭酸(CO2 )ガス供給系26(炭酸ガス供給手
段)と混合(N2/H2 )ガス供給系27とが設けられて
いる。これらの炭酸(CO2 )ガス供給系26および混
合(N2/H2 )ガス供給系27には、CO2 用制御バル
ブ28およびN2/H2 用制御バルブ29がそれぞれ設け
られていると共に、CO2 ガス流量調整器30およびN
2/H2 ガス流量調整器31がそれぞれ設けられている。
そして、CO2 ガス流量調整器30は、後述のパーソナ
ルコンピュータ等の情報処理装置40(炭酸ガス供給手
段)からの指令値となるように、CO2 用制御バルブ2
8のバルブ開度を調整し、指令値のガス流量でもって炭
酸ガスを循環ガスに供給させることによって、オペレー
タにより設定された炭酸ガス濃度を循環ガスに存在させ
るようになっている。また、N2/H2ガス流量調整器3
1は、情報処理装置40からの指令値となるように、N
2/H2用制御バルブ29のバルブ開度を調整するように
なっている。そして、メタンガスを生成する際には、混
合(N2/H2 )ガス供給系27が大きなバルブ開度で開
栓され、酸素濃度に対して一層過剰なN2/H2 ガスが供
給されることによって、後述の酸水素反応器34におけ
る炭酸ガスと水素ガスとの副反応によりメタンガスが生
成されるようになっている。
【0015】上記の循環ガスは、循環ガス中の酸素と水
素とを反応(2H2+O 2 →2H2O) させて酸素を除去する酸
水素反応工程22に流通するようになっている。酸水素
反応工程22は、ガスミキサ32を前段に有しており、
ガスミキサ32は、循環ガスに供給された炭酸ガスおよ
びN2/H2 ガスを混合するようになっている。ガスミキ
サ32の後段には、循環ガスを加熱するプレヒータ33
a(加熱手段)と、循環ガス中の酸素と水素とを反応さ
せる酸水素反応器34とがこの順に設けられている。酸
水素反応器34は、酸水素反応を生じさせるように無機
質の担体を使用した貴金属触媒を内蔵しており、この担
体は、炭酸ガスが貴金属触媒に吸着されるのを防止する
ように比表面積が250m2 /g以下、さらに好ましく
は100m2 /g以下に設定されている。
【0016】尚、無機質の担体としては、焼結シリカ、
アルミナ、SiCのうちから選ばれた1種または2種以
上の組み合わせを挙げることができる。また、比表面積
とは、粒子の単位質量当たりの表面積のことであり、例
えば同じ触媒の材質であれば、比表面積が大きいほど活
性が高い状態を示すものである。また、貴金属触媒の担
体の比表面積と酸素濃度(カラム入口)と炭酸ガス濃度
差(カラム出入口の濃度差)との間には、図2に示すよ
うな関係があり、本実施形態のように担体の比表面積が
250m2 /g以下であると、酸素濃度が0.1ppm
以下を維持し、炭酸ガスの吸着に伴って生じる濃度差が
数ppm以下となるため、十分に実用的な反応器とする
ことができる。さらに、担体の比表面積が100m2
g以下であると、極めて安定性に優れた反応器とするこ
とができる。。
【0017】具体的には、表1に示すように、比表面積
が0〜10のαアルミナの担体を使用した場合には、酸
素入口濃度(ppm)が0.05、炭酸入口濃度(pp
m)が12.35、炭酸出口濃度(ppm)が8.4
5、炭酸濃度差(ppm)が3.9となる。また、比表
面積が0〜10のSiC球の担体を使用した場合には、
酸素入口濃度(ppm)が0.1、炭酸入口濃度(pp
m)が4.55、炭酸出口濃度(ppm)が4.52、
炭酸濃度差(ppm)が0.03となる。また、比表面
積が100以下のSiC球の担体を使用した場合には、
酸素入口濃度(ppm)が0.06、炭酸入口濃度(p
pm)が4.78、炭酸出口濃度(ppm)が4.7
3、炭酸濃度差(ppm)が0.05となる。これに対
し、比表面積が200〜300のγアルミナの担体を使
用すると、酸素入口濃度(ppm)が0.05、炭酸入
口濃度(ppm)が20、炭酸出口濃度(ppm)が
0、炭酸濃度差(ppm)が20となる。
【0018】
【表1】
【0019】上記の担体を内蔵した酸水素反応器34の
側方には、貴金属触媒および循環ガスを加熱するメイン
ヒータ33b(加熱手段)が設けられている。そして、
これらのメインヒータ33bおよびプレヒータ33a
は、循環ガスおよび酸水素反応器34内の貴金属触媒を
所望の温度に加熱することによって、炭酸ガスが貴金属
触媒に吸着させるのを十分に防止するようになってい
る。尚、メインヒータ33bおよびプレヒータ33aに
よる貴金属触媒の加熱温度は、100〜800℃の範囲
であることが望ましい。これは、常圧において100℃
が水を蒸気の形態で取り扱える沸点温度であって実用的
に使用できる最低限の温度であり、800℃以上では、
貴金属触媒が金属溶融を起こすからである。
【0020】さらに、酸水素反応器34の後工程には、
酸水素反応工程22で生成された水を循環ガスから分離
して除去する気水分離工程23が設けられている。気水
分離工程23は、冷却器35を前段に有している。この
冷却器35は、酸水素反応工程22において加熱された
循環ガスを冷却することによって、循環ガス中に生成さ
れた水分子を凝集させるようになっている。冷却器35
の後段には、凝集された水と循環ガスとを下層と上層と
に分離する気水分離器36が設けられている。そして、
気水分離器36の底面には、排水用開閉バルブ37を介
して排水タンク38が接続されており、排水用開閉バル
ブ37は、気水分離器36の液面が所定高さになったと
きに開栓され、気水分離器36内の水を排水タンク38
に排出するようになっている。一方、気水分離器36内
の上面には、ガス排出配管39が接続されており、ガス
排出配管39は、気水分離器36の上層に存在する乾燥
した循環ガスをガス循環系6の出口から排出し、この循
環ガスを上述の気密チャンバ1に供給するようになって
いる。
【0021】また、ガス排出配管39には、酸素濃度、
水素濃度、および炭酸ガス濃度を監視するガス濃度モニ
タ41(濃度測定手段)が接続されている。ガス濃度モ
ニタ41は、情報処理装置40に接続されており、検出
結果である各種のガス濃度を情報処理装置40に出力す
るようになっている。また、情報処理装置40には、上
述の流量検出器17からガス流量の検出結果が入力され
るようになっていると共に、炭酸(CO2 )ガス供給系
26と混合(N2/H2 )ガス供給系27との間に設けら
れたガス圧検出器42および低O2 モニタ43からガス
圧および酸素濃度の検出結果が入力されるようになって
いる。そして、情報処理装置40は、オペレータにより
設定された炭酸ガス濃度となるように、上記のガス濃度
モニタ41等からの検出結果に基づいて指令値をCO2
ガス流量調整器30およびN2/H2 ガス流量調整器31
に出力し、循環ガスに対して炭酸ガスおよびN2/H2
スを供給させたり、プレヒータ33aやメインヒータ3
3bの温度設定等の各種の制御処理および監視処理を行
うようになっている。
【0022】上記の構成において、地下環境シミュレー
ション装置の動作について説明する。先ず、情報処理装
置40に対してオペレータが所望の炭酸ガス濃度を設定
する。そして、情報処理装置40に対してガス循環装置
2の動作指令が入力されると、気密チャンバ1内および
ガス循環系6内の循環ガスが施設オフガス系に排気され
る。この後、所定の真空度に達すると、炭酸ガス濃度調
整処理が開始されることになる。
【0023】即ち、窒素(N2 )ガス供給系12から窒
素ガスが循環ガス中に供給されながら、圧送工程20の
ブロア15aが駆動されることによって、循環ガスが気
密チャンバ1からガス循環装置2のガス循環系6に回収
される。そして、情報処理装置40に対する炭酸ガス濃
度の設定値が制御不可能な程度の高い値である場合に
は、炭酸ガス吸収工程21における開閉バルブ25が開
栓され、CO2 吸収器19による炭酸ガスの吸収が行わ
れる。
【0024】一方、炭酸ガス濃度の設定値が制御可能な
程度に設定されていた場合には、開閉バルブ25・25
が閉栓状態とされ、ガス濃度モニタ41において検出さ
れた炭酸ガス濃度等の検出値がオペレータにより設定さ
れた炭酸ガス濃度の設定値となるように、炭酸(C
2 )ガス供給系26および混合(N2/H2 )ガス供給
系27のガス流量調整器30・31に対して指令値がそ
れぞれ出力される。そして、各指令値を受信したガス流
量調整器30・31が制御バルブ28・29のバルブ開
度をそれぞれ制御することによって、バルブ開度に応じ
たガス流量でもって炭酸ガスおよびN2/H2 ガスがそれ
ぞれ循環ガスに供給されることになる。
【0025】この後、上記の循環ガスが酸水素反応工程
22において混合され、酸水素反応器34の貴金属触媒
により酸素と水素とが反応される。この際、貴金属触媒
および循環ガスがプレヒータ33aおよびメインヒータ
33bにより加熱されていると共に、貴金属触媒が担体
にされているため、炭酸ガスの貴金属触媒への吸着が十
分に防止されている。そして、上記の酸水素反応により
酸素が水分子として除去された後、この水分子が気水分
離工程23において冷却および凝縮され、気水分離器3
6に滞留された後に排水タンク38に排出される。一
方、気水分離器36の上層に存在する循環ガスは、ガス
排出配管39を介してガス循環装置2から排出されるこ
とによって、気密チャンバ1に供給されることになる。
【0026】これにより、地下環境シミュレーション装
置は、気密チャンバ1およびガス循環装置2間において
循環ガスを循環させながら、酸素を除去すると共に、炭
酸ガス濃度を監視し、炭酸ガス濃度が所定の設定値とな
るように炭酸ガスを循環ガスに供給することによって、
炭酸ガス濃度を任意の濃度(1ppm〜50%)に調整
した正確な地下環境を気密チャンバ1内に模擬させるこ
とが可能になっている。
【0027】また、この地下環境にメタンガスを存在さ
せる場合には、混合(N2/H2 )ガス供給系27からN
2/H2 ガスが酸素濃度に対して一層過剰に供給され、酸
水素反応器34における炭酸ガスと水素ガスとの副反応
によりメタンガスが生成される。これにより、地下環境
シミュレーション装置は、地下環境において天然に存在
する可能性のあるメタンガスを生成することによって、
地下環境を一層正確に模擬することが可能になってい
る。即ち、天然のガス田等では、メタンガスの圧力が3
00atm以上、炭酸ガス濃度が数〜数十%であること
が多いが、本装置によれば、このようなメタンガスを含
む常圧下においても、炭酸ガス濃度を1ppm〜50%
の範囲で制御できるため、十分正確に地下環境を模擬す
るができる。
【0028】尚、本実施形態においては、窒素ガスを不
活性ガスとして用いた場合について説明したが、その他
のヘリウムガス等の不活性ガスを窒素ガスに代えて用い
るようになっていても良い。また、本実施形態の地下環
境シミュレーション装置は、放射性廃棄物の処分環境を
模擬する原子力分野の他、一般廃棄物/産業廃棄物処分
の分野、金属燃料分野、金属Naを取り扱う実験の分野
等に適用することができる。また、本実施形態において
は、気密チャンバ1が密閉ボックスとして用いられてい
るが、これに限定されるものではなく、密閉ボックス
は、金属またはアクリル等の板材やOリングパッキン等
の密封部材により内外に雰囲気が遮蔽されたものであれ
ば良い。
【0029】
【発明の効果】請求項1の発明は、内外に雰囲気が遮断
された密閉ボックスと、前記密閉ボックスに所定成分の
循環ガスを供給して回収するガス循環装置とを備えてな
り、前記ガス循環装置は、前記循環ガスに対して不活性
ガスを供給する不活性ガス供給部と、前記循環ガス中の
各成分のガス濃度を測定する濃度測定手段と、前記循環
ガス中の酸素のガス濃度に応じて供給された水素を、該
酸素と反応させる貴金属触媒を有した酸水素反応器と、
前記循環ガス中の炭酸ガスのガス濃度を所定濃度とする
ように、該循環ガスに炭酸ガスを供給する炭酸ガス供給
手段および該循環ガス中の炭酸ガスを吸収する炭酸ガス
吸収手段とを有している構成である。これにより、酸水
素反応器において酸素を循環ガスから除去しながら、こ
の循環ガス中の炭酸ガスのガス濃度を測定し、このガス
濃度を所定濃度とするように、循環ガスに対して炭酸ガ
スを供給するようになっているため、炭酸ガス濃度を低
濃度下において調整することができる。従って、炭酸ガ
ス濃度を任意の濃度に調整して変化させることによっ
て、様々な条件の地下環境を正確に模擬することができ
るという効果を奏する。
【0030】請求項2の発明は、請求項1において、前
記酸水素反応器における貴金属触媒および循環ガスに対
する加熱手段が設けられている構成である。これによ
り、貴金属触媒および循環ガスが加熱手段により加熱さ
れることによって、貴金属触媒への炭酸ガスの吸着が十
分に防止されるため、例えば100ppm以下のように
極めて低濃度の炭酸ガスのガス濃度も正確に制御するこ
とが可能になるという効果を奏する。
【0031】請求項3の発明は、請求項1または2にお
いて、前記酸水素反応器における貴金属触媒は、無機質
の担体であって、その比表面積が250m2 /g以下で
ある構成である。これにより、貴金属触媒が無機質の担
体とされることによって、貴金属触媒への炭酸ガスの吸
着が十分に防止されるため、例えば100ppm以下の
ように極めて低濃度の炭酸ガスのガス濃度も正確に制御
することが可能になるという効果を奏する。
【0032】請求項4の発明は、請求項1において、前
記循環ガスに対して一層過剰に水素が供給されることに
よって、前記酸水素反応器における水素と炭酸ガスとの
副反応によりメタンガスを生成し、この濃度を制御可能
にされている構成である。これにより、地下環境におい
て存在する可能性のあるメタンガスを生成可能にするこ
とによって、地下環境を一層正確に模擬することができ
るという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】地下環境シミュレーション装置の工程図であ
る。
【図2】貴金属触媒の担体の比表面積と酸素濃度(カラ
ム入口)と炭酸ガス濃度(カラム出入口差圧)との関係
を示すグラフである。
【図3】従来の地下環境シミュレーション装置の工程図
である。
【符号の説明】 1 気密チャンバ 2 ガス循環装置 4 排気用制御バルブ 5 排気用ガス圧調整器 6 ガス循環系 12 窒素(N2 )ガス供給系 26 炭酸(CO2 )ガス供給系 27 混合(N2/H2 )ガス供給系 20 圧送工程 21 炭酸ガス吸収工程 22 酸水素反応工程 23 気水分離工程 33a プレヒータ 33b メインヒータ 40 情報処理装置 41 ガス濃度モニタ
フロントページの続き (72)発明者 岩田 俊雄 東京都千代田区丸の内1丁目8番2号 株式会社神戸製鋼所 東京本社内 (72)発明者 山口 憲治 大阪府大阪市中央区備後町4丁目1番3 号 株式会社神戸製鋼所 大阪支社内 (56)参考文献 特開 平3−71040(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G21F 9/34

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内外に雰囲気が遮断された密閉ボックス
    と、 前記密閉ボックスに所定成分の循環ガスを供給して回収
    するガス循環装置とを備えてなり、 前記ガス循環装置は、 前記循環ガスに対して不活性ガスを供給する不活性ガス
    供給部と、 前記循環ガス中の各成分のガス濃度を測定する濃度測定
    手段と、 前記循環ガス中の酸素のガス濃度に応じて供給された水
    素を、該酸素と反応させる貴金属触媒を有した酸水素反
    応器と、 前記循環ガス中の炭酸ガスのガス濃度を所定濃度とする
    ように、該循環ガスに炭酸ガスを供給する炭酸ガス供給
    手段および該循環ガス中の炭酸ガスを吸収する炭酸ガス
    吸収手段とを有していることを特徴とする地下環境シミ
    ュレーション装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 前記酸水素反応器における貴金属触媒および循環ガスに
    対する加熱手段が設けられていることを特徴とする地下
    環境シミュレーション装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において、 前記酸水素反応器における貴金属触媒は、無機質の担体
    であって、その比表面積が250m2 /g以下であるこ
    とを特徴とする地下環境シミュレーション装置。
  4. 【請求項4】 請求項1において、 前記循環ガスに対して過剰に水素が供給されることによ
    って、前記酸水素反応器における水素と炭酸ガスとの副
    反応によりメタンガスを生成し、この濃度を制御可能に
    されていることを特徴とする地下環境シミュレーション
    装置。
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