JP3241485B2 - 溶接用フラックス入りワイヤの製造方法 - Google Patents

溶接用フラックス入りワイヤの製造方法

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JP3241485B2 JP10690193A JP10690193A JP3241485B2 JP 3241485 B2 JP3241485 B2 JP 3241485B2 JP 10690193 A JP10690193 A JP 10690193A JP 10690193 A JP10690193 A JP 10690193A JP 3241485 B2 JP3241485 B2 JP 3241485B2
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    • Y02E40/60Superconducting electric elements or equipment; Power systems integrating superconducting elements or equipment

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  • Superconductors And Manufacturing Methods Therefor (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は炭素鋼、ステンレス
管などフラックスを充填した溶接用フラックス入りワ
イヤの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】接用フラックス入りシームレスワイ
は、帯鋼を所要の幅でスリッティングし、スリット後
の帯鋼を成形ロールによりU字形からO字形に漸次成形
する。この成形途中でU字形帯鋼の長手方向に沿った開
口からフィーダによりフラックスを帯鋼谷部に供給す
る。ついで、O字形に成形すると同時に、開口の相対す
るエッジ面を溶接により接合し、引き続いて縮径する。
さらに必要に応じて焼鈍したのちフラックスが充填され
た管を所望の径に伸線、巻き取って製品とする。
【0003】上記溶接用フラックス入りワイヤの製造に
おける溶接法として、高周波誘導溶接法、高周波抵抗溶
接法等の高周波溶接が広く用いられている。これらの溶
接法は、いずれもほぼO字形に成形したところで、高周
波電流により開口のエッジ面を溶融温度まで加熱し、相
対するエッジ面を一対のスクイズロールにより圧接す
る。
【0004】ところで、フラックスを充填し、溶接した
管を圧延、伸線等により縮径する際に、管外皮に割れが
発生することがある。そして、この割れの原因として、
次のように考えられている。溶接時に管状体の開口エッ
ジ面に酸化物やケイ酸物等のフラックスの一部が付着す
る。すなわち溶接位置では溶接電流によって発生した磁
場により管状体の開口エッジ部は磁極となる。したがっ
てフラックスのうちの強磁性成分は、磁力により開口エ
ッジ部に吸着される。このとき非磁性成分も強磁性成分
に伴われて開口エッジ部に付着する。これら開口エッジ
部に付着したフラックスは、接合溶接部に溶け込み、介
在物となり、溶接欠陥となる。そして、この溶接欠陥に
より縮径時に割れが発生する。縮径時の割れはそのまま
製品すなわち溶接用フラックス入りワイヤに持ち込ま
れ、溶接作業性を劣化させる。
【0005】このような問題を解決する技術の一つに特
開昭60−234792号公報の「フィラーワイヤの製
造方法」があり、上層に非磁性材料を下層に磁性材料ま
たはフェライト系材料を層状に散布し、上層の非磁性材
料層により強磁性材料またはフェライト系材料が開口エ
ッジ部に吸引されるのを抑制する。さらに他に、特開昭
60−234794号公報で開示された「溶接用複合ワ
イヤ」があり、非透磁率が1.10以下の粉末原料の実
質的に非磁性の粉体を充填し、粉体が磁力により開口エ
ッジ部に吸着するのを防止する。さらに他に特開昭63
−5897号公報で開示された「複合管の製造方法」が
あり、粉体の供給時に48メッシュより細かい微粉末を
除去し、微粉末が開口エッジ部に付着するのを防止す
る。
【0006】特開平3−207598号公報で開示され
た「粉体入りワイヤの製造方法」では実質的に非磁性の
原料粉末を造粒し、強磁性成分に伴って開口エッジ部へ
舞い上がることを防止する。また他の技術として、特開
昭54−109040号公報で開示された「粉末が充填
された管を製造する方法」がある。この技術は、管状体
いっぱいに充満されないようにして粉体を供給し、接合
溶接部と供給された粉体層表面との間に空隙すなわち距
離を設け、粉体が舞い上って開口エッジ部に至らないよ
うにしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来技術
によって接合溶接部の改善を図っても、管縮径時に依然
として前述のような割れが発生し、製品歩留りの低下を
招いていた。割れは一度発生すると、最初は微小な割れ
でも、管の縮径サイズが小さくなるに従って管長手方向
に延び、製品サイズではもはや無視できない程度の長さ
となる。
【0008】そこで、この発明は、健全な接合溶接部を
得ることにより管外皮に割れのない溶接用フラックス入
りワイヤを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】発明者らは、管縮径時の
割れは溶接時にオープン管の開口エッジ部に粉体が磁力
により吸着することに基づく溶接欠陥であることを再確
認するとともに、これを防止するには単に粉体を造粒し
て大粒化したりあるいは実質的に非磁性の原料粉末のみ
を供給するといった漠然とした処置では効果が乏しく、
さらに一歩ふみ込んで造粒されたフラックスそのものの
磁気特性に着目し、これを弱磁性域でしかも入熱によっ
て定まるある一定水準以下の磁化率にするなら、粒体の
エッジ部への吸着は防止され割れは生じないことを見出
した。この発明は、これらの知見に基づいてなされたも
のである。
【0010】この発明の溶接用フラックス入りワイヤ
製造方法は、帯鋼を管状体に成形する途中で管状体にあ
らかじめ造粒されたフラックスを供給し、管状体の両エ
ッジを高周波溶接により接合し、フラックスが充填さ
れた溶接管を縮径する溶接用フラックス入りワイヤの製
造方法において、磁化率χg が χg ≦(2.00+246P-0.89 )・10-4〔emu/g〕 P:溶接入熱〔kVA 〕 であるフラックスを少なくとも前記管状体内のフラック
の上層部になるように供給することを特徴としてい
る。
【0011】また、前記磁化率のフラックスの粒度dが
d≧0.02P0.6 〔mm〕であることを特徴としてい
る。
【0012】すなわち、この発明では管内に供給する
ラックスの磁化率χg を高周波溶接の入熱P(すなわち
P P 〔kVA 〕)に対応して上記のように低レベルに
抑え、しかもフラックスを造粒したフラックスにしたか
ら入熱Pにより発生する磁場の影響を実質的に無視でき
る。
【0013】この発明で磁化率χg とはフラックスの単
位質量当りの磁化率であり、フラックスの質量をa
〔g〕、磁気モーメントをμ〔G・cm3 〕、外部磁場を
H〔Oe(=G)〕とすると、磁化率χg は χg =μ/aH〔cm3 ・g-1〕(〔cm3 ・g-1〕=〔emu/g〕) で表わされる。ここでは、慣例に従って〔cm3 ・g-1
を〔emu/g〕と表記する。
【0014】本発明において入熱量Pとは溶接機の出力
としての入熱量EP P (kVA)であり、そして適正入熱
量は溶接速度V、板厚t等によって変る。図3は溶接速
度V(m/min)を変数として適正入熱量の範囲を示して
いる。図3において、曲線PL の下側の領域Iは冷接割
れが発生する領域を示している。曲線PL は近似的にP
L =4.70V0.6 1.6 として表わされる。線PU
上側の領域III は最終仕上管の内径以上の直径のスパッ
タが発生する領域を示している。溶接速度Vが限界溶接
速度V0 (曲線PL および直線PM が交わる点Oでの溶
接速度)以下の範囲では、線PU は近似的にPU =4.
70V0.6 1.6 (=PL )+2.97V0.6 0.6
表わされる。また、溶接速度Vが限界溶接速度V0 を超
える範囲では、線PU は近似的にPU =0.97Vt2
(=PM )+0.61Vtで表わされる直線となる。曲
線PL と線PU とで挟まれた領域IIは、冷接割れおよび
最終仕上管の内径以上の直径のスパッタ、いわゆる伸線
時に断線を頻発させる大粒のスパッタが発生しない領域
である。また直線PM はスパッタリングが観測される最
小入熱量を表わしており、近似的にPM =0.97Vt
2 である。曲線PLと直線PM で挟まれた領域IIaは、
冷接割れおよびスパッタリングが観測されない領域であ
る。限界溶接速度V0 はこの領域IIaが消滅する限界の
速度である。溶接速度は速いほど生産性は上がるが、管
状体へのフラックスの供給速度からの制限、造管設備や
後続する圧延設備の能力その他によって制限される。一
方、入熱量は少ない方がエネルギの節約となるが、電源
電圧その他の造管条件の変動のために上記適正領域内で
余裕をもって選ぶのが望ましい。
【0015】一方オープン管の開口部に供給されるフラ
ックスは、溶接用フラックス入りワイヤの使用目的に合
せて各種の原料粉末が選択され、そのままの状態である
いは造粒して使用される。溶接用フラックス入りワイヤ
ではスラグ生成剤としてルチールサンド、マグネシアク
リンカー等、アーク安定剤としてケイ酸ソーダ、チタン
酸カリ等、脱酸剤・合金剤として低C−Fe−Si,F
e−Si−Mn,Al−Mg等の弱磁性成分が用いら
れ、また鉄粉、酸化鉄等の強磁性成分が溶着速度の向
上、フラックス充填率の調整、溶接作業性の改善のため
に配合されることもある。すでに述べたようにオープン
管の溶接位置では溶接電流によって発生した磁場により
オープン管の開口エッジ部は磁極となるから上記強磁性
成分は磁力により開口エッジ部に吸着されるおそれがあ
る。そこで従来、鉄粉や酸化鉄等の強磁性成分を除い
て、実質的に非磁性の原材料のみを選択しそのままの状
態であるいは造粒してオープン管に供給することを試み
た(特開昭60−234794,特開平3−20759
8)。しかしながらこれらの処置はある程度の割れの防
止には有効であるけれども完全解決には至らず依然とし
て満足する結果は得られなかった。その理由は上記高周
波溶接の入熱P(PL <P<PU )により発生する磁場
は予想以上に強磁場でありいわゆる非磁性つまり比透磁
率1.10以下のフラックスに対しても影響を及ぼし、
開口エッジ部へと導く危険性を有するからである。
【0016】本発明者らはフラックスの磁化率χg を高
周波溶接の入熱P〔kVA 〕と対応させて χg ≦(2.00+246P-0.89 )・10-4〔emu/g〕 と規制するならば、上記入熱量P(PL <P<PU )に
よって発生する磁場の影響力を実質的に無視できること
を実験の結果究明した。フラックスの磁化率はVSM
(振動試料型磁力計)法により次のようにして求めた。
【0017】・まず飽和磁気モーメントμs =1.19
8〔G・cm3 〕のNi箔小片を基準試料とし、これを±
10kOe で測定してキャリブレートする。
【0018】・次に外部磁場H=±100〔Oe〕で試料
(質量a〔g〕)の磁気モーメントを測定してその絶対
値を平均する。この磁気モーメントをμ〔G・cm3 〕と
する。
【0019】・単位質量当りの磁化σはσ=μ/a〔G
・cm3 ・g-1〕となり、求める磁化率χg =σ/H〔cm
3 ・g-1〕(=〔emu/g〕)が得られる。
【0020】図1に入熱Pを変数として許容磁化率の範
囲を示す。図1において、曲線χgmax (許容磁化率の
上限)の上側の領域は品質に悪影響を与える割れが発生
する危険領域を示し、又下側の領域は実質的に割れが発
生しない安全領域を示している。図から明らかなように
入熱Pが高いほど許容磁化率の上限χg max は低い。こ
れは入熱Pが高くなる程、開口エッジ部に流れる電流が
増加し、管内に発生する磁場が強力になる。その結果、
管内のフラックスが磁化され易くなるから、これに対抗
するためにフラックスの磁化率を下げる必要があるから
である。
【0021】磁化率χg の下限は低い程望ましいので特
に制限するものではない。ただし、使用する原料粉末は
その粉末個有の磁化率を有するので、|χg |>0とな
ることはいうまでもない。
【0022】このようにフラックスの磁化率χg を入熱
Pに対応させて、制限することは、管の割れに対して非
常に有効な手段であるが、さらにフラックスの粒度を粗
くすることにより、重量効果を付与し外部からの影響力
に対抗できるようにすれば、磁化率の抑制と相まって割
れの発生に対して有効であることが確認された。すなわ
ち、一般にフラックスは原料粉末を単に混合したままの
状態であると0.1mm(約145mesh)以下の微粉を5
0%以上含むため劣悪な外部環境にさらされる管内粉体
層上部の微粉が舞い上り易い傾向にあることから粒度を
粗くして重量効果を付与することが望ましい。重量効果
の付与策として、フラックスを造粒する。この造粒によ
り個々の原料粉末の中に、それ自身単独では磁場の影響
を受ける鉄粉、鉄合金粉、鉄酸化物等の磁性成分があっ
てもこれを他の弱磁性成分とともに造粒すれば粒一つ一
つの重量が大になって磁気力の影響を受けにくくなる。
【0023】この造粒した造粒体の粒度範囲としは、粒
度dを入熱Pを変数として d≧0.02P0.6 〔mm〕
(>90wt%)で表わされる粗粒域に揃えることが望ま
しい。図2に下限粒度曲線dmin =0.02P0.6 を示
す。この曲線dmin の上側の領域は割れ発生が認められ
ない零欠陥領域である。図2から明らかなように下限粒
度dmin は入熱Pが高いほど大きくなっている。これは
入熱Pの増加に伴ない磁場が強力化した分だけ粒度を大
きくしていくことが有効であることを示す。
【0024】原料粉末の造粒は、転動造粒法、押出し造
粒法、圧縮造粒法等の適宜公知の手段により実施すれば
よく、また分級もふるい分け法等の適宜公知の手段が採
用できる。例えば原料粉末を所定の配合比で計量混合し
たものに、固着剤としてケイ酸ソーダあるいはケイ酸カ
リの水溶液を単独もしくは混合したものを添加して湿式
混合した後、皿型造粒機により造粒して、乾燥しふるい
分け法により分級して所定の粒度範囲のものを得る。
【0025】粒度dの上限は特に制限はしないが、最終
仕上管の内径をD1 としてd≦10D1 、望ましくはd
≦5D1 とするのがよい。その理由は粒が大きいことに
よって管縮径時に管長手方向で充填ムラが発生し、その
ため仕上伸線(縮径)段階において、管外皮に偏肉現象
が生じて断線を誘発するようになるからである。
【0026】
【作用】ワークコイルに流れる高周波電流を増加させ
て、溶接機の出力としての入熱量Pを上げると、それに
ともない磁場が増大するので管内に供給されたフラック
に対する影響力もより強力なものとなる。
【0027】この発明では入熱Pを変数としてフラック
の磁化率χg の上限をいわゆる弱磁性域でさらに制限
し、かつフラックスを造粒して重量効果を付与すること
により、管内のフラックスが磁場の影響により舞い上が
らないようにした。従ってフラックスがオープン管のエ
ッジ面に磁着することに起因する管の割れは実質的にな
くなる。
【0028】このようなフラックスに対する制限は必ず
しも管状体内に供給するフラックス全体に対するもので
なく、少なくともフラックスの上層部になるフラックス
がこの制限を満足すればよい。すなわち下層に位置する
フラックスは上層のフラックスが重しとなって遮蔽する
ので磁場の影響力に抗することができる。従って下層を
形成するフラックスとしては上層の遮蔽作用が有効には
たらく範囲内で、造粒、非造粒あるいは磁性、非磁性等
の適宜のフラックスを使用することが可能である。
【0029】
【実施例】以下、溶接用フラックス入りワイヤの製造
明する。図4は溶接用フラックス入りワイヤ製造装置
の主要部の構成図である。
【0030】図3に示すように、オープン管1の送り方
向に沿って成形ロール群2、サイドロール3およびフラ
ックス供給装置4が配置されている。成形ロール2の上
流側には、予成形ロール(図示しない)が設けられてい
る。サイドロール3とサイドロール3との間5より成形
途中のオープン管1にフラックス20が供給される。フ
ラックス20を供給されたオープン管1は、フィンパス
ロール6、シームガイドロール7を通過し、溶接ゾーン
に入る。高周波誘導溶接装置8はワークコイル9および
スクイズロール10を備えている。ワークコイル9には
電源12から、高周波溶接電流が供給される。溶接され
た管11は切削バイト13により外面側の余盛りビード
14が切削され(内面ビード16は管内に残留する)、
圧延ロール群15で圧延され、さらに焼鈍を施しながら
圧延装置および伸線装置(いずれも図示しない)により
外径1.0〜2.0 mm の製品サイズまで縮径される。
【0031】このような高周波誘導溶接により幅w=3
0〜150mm、厚さt=1〜5mm程度の帯鋼を外径D0
=10〜50mm程度の管に造管する。このときの溶接条
件として 高周波電流の周波数 f=300〜800kH
z 入熱量(EP P ) P=50〜500 kVA ワークコイル〜溶接点間の距離 l=10〜100mm アペックス角(V収束角) θ=3〜15° 程度のものが採用され、溶接速度(造管速度)V=10
〜200m/min 程度の速度で造管が行われる。
【0032】つぎに、上記装置により製造した溶接用フ
ラックス入りワイヤの割れ発生結果について説明する。
【0033】板厚2.2mm、幅65.5mmの帯鋼(SP
HC,C=0.05%)を、外径22.4mm、内径1
8.0mmの管に成形した。成形途中でフラックスを充填
率10〜15%で充填し、オープン管を連続的に突合せ
接合した。このときワークコイルに供給した高周波電流
の周波数は540kHz 、溶接速度Vは30m/min 、ワ
ークコイル〜溶接点距離は25mm、アペックス角は7°
であった。溶接した外径22.4mmの管を圧延ロール群
により途中1回の焼鈍を施して外径3.2mmまで縮径
し、焼鈍、めっきを施してコイルに巻き取った。つい
で、仕上伸線し、管外径1.2mm、内径0.6mmの製品
サイズまで縮径して製品ワイヤの割れ発生状況を調べ
た。
【0034】この場合の適正入熱の範囲を求めるとV=
30m/min 、t=2.2mmとして 限界溶接速度V0 =51.8t-1 =23.5m/min(<V=30m/min) であるから適正入熱の 下限 PL =4.70V0.6 1.6 =128kVA …(図1,3のa点) 上限 PU =0.97Vt2 +0.61Vt =181kVA …(図1,3のc点) すなわち適正入熱は、 P=128〜181kVA(図1,3のβ域) となる。またPM =0.97Vt2 =141kVA(図1,
3のb点)であるから、この場合 PL 〜PM =128〜141kVA の入熱範囲では冷接割れおよびスパッタリングが観測さ
れず、PM 〜PU =141〜181kVA(図1,3のα
域)の入熱範囲では、スパッタリングが観測されるが最
終の仕上伸線工程において断線を誘発する程度の大粒の
スパッタが発生しない。
【0035】この適正入熱範囲の入熱により高周波誘導
溶接を実施すれば、突合される管状体のエッジ面がクリ
ーンである限り良好な溶接を実施できる。しかし前記し
たようにこの溶接では強力な磁場が発生し、また管内の
空気の乱れ等により管状体に供給されたフラックス中の
磁性粉、微粉等が舞い上りやすくなること、溶接位置に
供給される管状体のエッジ面は原料帯鋼の段階からある
いは成形中に汚れる場合があり必ずしもクリーンな状態
でないこと等からワークコイルにより加熱され溶融状態
にあるエッジ面をスクイズロールで圧接する際にこの汚
れを管内外面に排出(スクイズアウト)する必要があ
る。この場合エッジ面の加熱温度が高い程、エッジ面に
付着した汚れは排出され易くなる傾向にあることから上
記入熱PはPM 以上すなわち P=PM 〜PU =141〜181kVA の範囲(図1,3のα域)が望ましい。
【0036】この実施例では入熱P=160kVA で突合
せ溶接を行った。使用したフラックス原料粉末の磁化率
χg を表1に示す。表1の原料粉末を混合して造粒体と
し、または混合したままの非造粒状態とした表2に示す
各種フラックスF1 〜F10を準備した。造粒は固着剤と
して3モルケイ酸ソーダと3モルケイ酸カリの原液を水
で希釈混合したものを使用し、これを混合原料粉末10
0に対して3の割合で添加して湿式混合の後に皿型造粒
機で造粒し、続いて乾燥したものをふるい分け法により
分級して所定の粒度のものを得た。
【0037】ここで溶接入熱P=160kVA のときのフ
ラックスの許容磁化率χg は χg ≦(2.00+246P-0.89 )・10-4=4.6
9×10-4〔emu/g〕である。造粒フラックスの磁化率
χg の調整は、χg >4.69×10-4cm[emu/g ]の
フェロマンガン(f7 )と鉄粉(f10)の含有割合を増
減して、あるいは含有なしにより行った。また非造粒フ
ラックスの磁化率χg は各原料粉末の磁化率のうちで最
大のものをそのフラックスの磁化率とした。
【0038】またこの場合、粒度dの望ましい範囲は d≧0.02P0.6 =0.42〔mm〕 である。
【0039】
【表1】
【0040】
【表2】
【0041】割れの評価は伸線後の外径1.2mmφの製
品ワイヤ100km(ワイヤ20kg巻スプール×37)の
全長にわたってワイヤ外皮の渦流探傷試験(ECT)を
実施して割れの有無と位置を確認し、割れ信号が出たと
き該当部分を拡大鏡で観察してワイヤ長手方向の割れの
存在を確認することにより実施した。割れの存在が全く
確認できないとき、これを良好とした。また、割れがあ
るとその割れの開口から表面処理中あるいは伸線中に処
理液がワイヤ中に浸入して製品の品質を劣化させる傾向
にあることから、割れの発生を1箇所でも確認した場合
にはこれを不良とした。
【0042】表2において、実験 No.1〜6および11
〜13は本発明の実験例である。 No.1〜6では管内に
供給する全フラックスの磁化率χg が4.69×10-4
emu/g以下の条件を満足している。また No.11〜13
では上層(50wt%)のフララックスの磁化率χg
4.69×10-4emu/g以下の条件を満足している。こ
れらの実験例では割れの発生はなく、製品ワイヤとして
の品質は良好で、この溶接用フラックス入りワイヤを用
いて溶接を行ったところ、良好な溶接作業性が実現でき
た。
【0043】これに対して、実験 No.7〜10は比較例
であって、実験 No.7,8は磁化率χg が許容範囲外で
高い。また、 No.9,10は非造粒フラックスで、粒度
dが小さくかつ微粉が多い。このうち No.10はf
10(鉄粉)により磁化率が高くなっている。そのためこ
れらの比較例ではフラックスが磁場により舞い上り管状
体のエッジ部に吸着した結果、割れが発生し、製品歩留
りを下げた。
【0044】
【発明の効果】この発明によれば、上記のように少なく
とも前記管状体内のフラックスのうち上層部を形成する
フラックスを造粒体としてその磁化率を溶接入熱Pによ
り定まる所定値以下に制限するので、高周波溶接によっ
て生ずる磁場の影響を実質的に受けずにフラックスを管
内に供給することができる。従ってフラックスがオープ
ン管のエッジ面に磁着することに起因する管の割れは実
質的になくなる。この結果、製品歩留りの向上を図るこ
とができ、しかも品質良好な溶接用フラックス入りワイ
を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】フラックスの磁化率の許容範囲を溶接入熱を変
数として示す線図である。
【図2】フラックスの望ましい粒度範囲を溶接入熱を変
数として示す線図である。
【図3】適正入熱量の範囲を溶接速度を変数として示す
線図である。
【図4】この発明の溶接用フラックス入りワイヤを製造
するための装置例を示すもので、溶接用フラックス入り
ワイヤの製造装置の主要部の構成図である。
【符号の説明】
1 オープン管 2 成形ロール群 3 サイドロール 4 フラックス供給装置 6 フィンパスロール 7 シームガイドロール 8 高周波溶接装置 9 ワークコイル 10 スクイズロール 11 溶接された管 12 電源 15 圧延ロール群 20 フラックス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山田 巖 東京都中央区築地三丁目5番4号 日鐵 溶接工業株式会社内 (72)発明者 橋本 晴次 東京都中央区築地三丁目5番4号 日鐵 溶接工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−55088(JP,A) 特開 昭60−234792(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23K 35/40

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 帯鋼を管状体に成形する途中で管状体に
    あらかじめ造粒されたフラックスを供給し、管状体の両
    エッジを高周波溶接により接合し、フラックスが充填
    された溶接管を縮径する溶接用フラックス入りワイヤ
    製造方法において、磁化率χg が χg ≦(2.00+246P-0.89 )・10-4〔emu/g〕 P:溶接入熱〔kVA 〕 であるフラックスを少なくとも前記管状体内のフラック
    の上層部になるように供給することを特徴とする溶接
    用フラックス入りワイヤの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記フラックスの粒度dが d≧0.0
    2P0.6 〔mm〕である請求項1記載の溶接用フラックス
    入りワイヤの製造方法。
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