JP3241376B2 - 薄手フィルム複合限外濾過膜 - Google Patents

薄手フィルム複合限外濾過膜

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JP3241376B2 JP51516691A JP51516691A JP3241376B2 JP 3241376 B2 JP3241376 B2 JP 3241376B2 JP 51516691 A JP51516691 A JP 51516691A JP 51516691 A JP51516691 A JP 51516691A JP 3241376 B2 JP3241376 B2 JP 3241376B2
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    • B01D69/00Semi-permeable membranes for separation processes or apparatus characterised by their form, structure or properties; Manufacturing processes specially adapted therefor
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
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Description

【発明の詳細な説明】 出願の背景 逆浸透または限外濾過法において気体または液体を分
離するのに半透膜を用いることは周知である。例えば、
逆浸透法において、高圧食塩水を、水に対しては透過性
であるが塩に対しては比較的不透過性である半透膜と接
触させておくことができる。濃厚ブラインおよび比較的
純粋な水をそれによって分離した後;比較的純粋な水
は、例えば、飲料用、料理用等の個人使用に利用するこ
とができるし、ブラインは廃棄することができる。更
に、膜は、種々の気体の分離にも用いることができる。
膜を用いる気体混合物の分離は、膜の表面に対して気体
の供給流を通過させることによって行われる。供給流は
排出流に相対して高圧であるので、混合物のより透過性
の成分はあまり透過性でない成分よりも速い速度で膜を
通過する。したがって、膜を通過する透過物流はより透
過性の成分に富むが、逆に、残留物流は供給材料のあま
り透過性でない成分に富む。
混合流から気体を分離するこの能力は、商業的用途に
おいて多数応用されている。例えば、気体分離システム
は、空気の酸素濃縮、改良された燃焼効率およびエネル
ギー供給源の保存に用いることができる。同様に、空気
の窒素濃縮は、不活性空気が必要とされるところに応用
することができる。酸素富裕ガスに関する他の応用は、
化学的および冶金学的処理の選択性および効率を改良す
ることができる。同様に、本発明によって提供すること
ができるような不活性空気は、化学的および冶金学的処
理においても利用することができる。気体分離の若干の
他の用途としては、天然ガスからのヘリウム回収、工業
プロセス用途での水素濃縮および酸性ガスのスクラビン
グがあると考えられる。空気の酸素濃縮に関する具体的
な用途は、潜水艦および他の水中ステーション用の通気
システム、改良された人工心肺並びに他の肺補助装置で
あろう。気体分離システムの他の具体的な用途は、生命
保持装置用の酸素濃縮および燃料システム用に不活性空
気を供給する窒素濃縮を供給する航空機であろう。更
に、気体分離システムは環境的利益のために用いること
ができ、例えば、下水処理工程の廃棄ガス中の二酸化炭
素からメタンを分離することができるし、酸素富裕空気
を生じさせて下水消化を増強することができる。
膜を用いることができるもう一つの使用法は、多糖を
使用しうる成分に分離することである。例えば、多数の
商用事業において、糖はその甘味性が極めて広範囲に利
用されている。それは、食品の甘味料中で、シロップお
よび糖菓製品の製造用に、砂糖煮およびジャムで、洗
剤、乳化剤および他のスクロース誘導体、例えば、可塑
剤、樹脂、にかわ等の化学的中間体として用いられる。
糖の通常の誘導体はサトウキビおよびテンサイに由来す
る。それは、粉砕し且つサトウキビから水で糖を抽出し
またはテンサイから水で糖を抽出した後、蒸発させ、そ
して石灰、吸着剤炭素および/または種々の液体で精製
することによって得られる。この種類の糖の主成分はス
クロースであるが、他の糖は、デキスロース、(グルコ
ース)およびフルクトース並びに他の多糖などの成分を
含むことがある。甘味性を有する他の多糖としてはマル
トース等がある。種々の多糖は、特に、純粋の形であり
且つ何等かの戻り生成物で汚染されていない場合に、種
々の甘味度を有する。
比較的高い甘味度を有し、そして順に、なお一層大き
い甘味度を有するフルクトースに転化することができる
グルコース源の一つはデンプンである。周知のように、
デンプンは、トウモロコシ、ジャガイモ、コメ、タピオ
カ、コムギ等を含む多数の天然に存在する植物中に存在
する。従来、デンプンをアミログルコシダーゼなどの酵
素で処理してグルコースを得ることが知られてきた。し
かしながら、従来提供された処理は、約94%のグルコー
スを含むグルコースシロップを得るのに比較的長い滞留
時間を必要とした。従来必要とされた比較的長い滞留時
間はグルコースの処理量を制限し且つグルコースに苦味
を与える戻り生成物の出現を引き起こし、したがって、
化合物の甘味性を無効にし、更には、有害生成物を除去
するための処理を更に必要とする。苦味を与えるこのよ
うな戻り生成物の一つはイソマルトースを含む。
デンプンを糖に転化するアミログルコシダーゼなどの
酵素の使用を必要とする多数の方法が試みられた。しか
しながら、これらの方法はそれぞれ、これに付随する若
干の欠点を有する。例えば、遊離酵素を用いる場合、所
望のサッカライドの製造中に失われる酵素を連続的に補
充する必要がある。同様に、固定化酵素を用いた場合、
従来の比較的長い滞留時間の結果として望ましくない副
生成物を生じた。
本明細書中前記に記載した多数の欠点を克服する一つ
の方法は、デンプンなどの供給原料を比較的短い滞留時
間に酵素と接触させた後に、その転化反応から得られる
部分加水分解反応混合物に限外濾過工程を施すことであ
り、そこにおいて、該反応混合物を膜に通過させること
によって高グルコースシロップは透過物として膜を通過
するし、非加水分解オリゴ糖を含む滞留物は更に別の処
理に再循環することができる。
更に、膜の他の使用法としては、乳清分離並びにタン
パク質の濃縮がある。
以下に更に詳細に示すように、本発明の膜を用いるこ
とによって高度にサッカライド分離を行うことが可能で
あり、その結果として所望の生成物が比較的低い運転費
で得られる。
従来、逆浸透または限外濾過法に用いることができる
膜は、広範囲の化合物を用いて所望の膜を得るように製
造されてきた。例えば、米国特許第3,892,655号明細書
には、膜およびその膜の製造方法が開示されており、そ
こにおいて、薄いポリマーフィルムは液体、概して水の
表面上に成形された後、多孔質支持膜の表面に移され
る。薄いポリマーフィルムを移す際に、多孔質支持体は
その液体で湿潤した状態で保持される。もう一つの米国
特許第3,516,588号明細書には高分子分別法が開示され
ており、そして細孔度基準で選択的である多孔質限外濾
過膜が記載されている。同様に、米国特許第3,767,737
号明細書には、膜の薄いフィルムを液体の表面上に成形
し且つ多孔質支持体膜の表面に移す前述の米国特許第3,
892,655号明細書と事実上同様の「超薄」ポリマー膜を
流延する製造方法が開示されている。しかしながら、薄
手フィルムポリマーは、したがって、完成膜の薄いフィ
ルムを多孔質支持体に弱く結合させる後者の特許によっ
て成形された膜に起因することがある同じ欠点を本質的
に有し、そしてこのようにして製造された膜は作業時の
実質的な背圧に耐えることができない。
前述したように、半透膜は、膜成形材料としてポリマ
ーを用いることによって種々の化合物から製造されてき
た。用いられてきた半透膜成形用ポリマーの例として
は、ケイ素含有化合物、例えば、ジメチルシリコン、シ
リコンカーボネートコポリマー、フッ素化シリコン等、
ポルスチレン−ポリカーボネート、ポリウレタン、スチ
レン−ブタジエンコポリマー、ポリアリールエーテル、
エポキシド、硝酸セルロース、エチルセルロース、他の
セルロースエステルと混合した酢酸セルロース等があ
る。ポリマーから得られた膜は、通常、ポリスルホン、
硝酸セルロース−酢酸セルロース等のような微細な多孔
質支持体膜上で複合され、その組成物は、望まれるなら
ば、キャンバス、綿、リネン等のような天然生地または
ダクロン(Dacron)、ナイロン(Nylon)、オーロン(O
rlon)等のような合成生地上に含浸される。
過去に用いられてきた若干の半透膜の例は、ポリスル
ホンなどの多孔質支持体上で複合された架橋エピアミン
を含み、その組成物がダクロンなどの裏地材料上に含浸
されている薄手フィルム複合膜を開示している米国特許
第4,005,012号明細書に記載されたものである。米国特
許第4,132,824号明細書には、メチルペンテンポリマー
およびオルガノポリシロキサン−ポリカーボネート共重
合体の配合物を含むポリマー複合材料の超薄フィルムが
開示されており、米国特許第4,243,701号明細書には、
硝酸セルロース−酢酸セルロース支持体膜上に複合され
たジメチルシリコンを含む膜が開示されている。
前述の特許に加えて、他の米国特許明細書には膜材料
も開示されている。例えば、米国特許第4,262,041号明
細書には、陽イオンかまたは陰イオン交換基と、反対符
号を有する別のイオン交換基をその陽イオンかまたは陰
イオン交換基から受け取ることができる官能基とを有す
るポリマー、或いは、一方のポリマーが陽イオンかまた
は陰イオン交換基を有し、そしてもう一方のポリマーが
反対符号を有するイオン交換基をその陽イオンかまたは
陰イオン交換基から受け取ることができる官能基を有す
る2種類のポリマー混合物の溶液またはエマルジョンか
ら膜を成形し且つ反対符号のイオン交換基を前記の官能
基に導入することによって複合両性イオン交換膜を製造
する方法が開示されている。これは、2種類のポリマー
の複合材料である既に架橋した該複合材料を多孔質支持
体膜上に流延する本発明の膜と対照的である。
米国特許第3,661,634号明細書には、逆浸透用の相互
浸透性ポリマーネットワーク膜の使用が記載されてい
る。膜は、主ポリマーとしてのポリ(ビニル−ピロリド
ン)および客ポリマー成分としてのポリイソシアネート
から製造され、これらの後者のプレポリマーは、ウレタ
ンコーティングおよび発泡体用途で用いられる材料から
選択される。膜は、主および客ポリマーの溶液を流延し
た後に二段法で前記の膜を硬化させることによって生成
する。結果は、増大するイソシアネート当量比によって
増大した塩排除を示す膜である。
米国特許第4,272,378号明細書は、アクリロニトリル
を40モル%を上回って含むポリマーの使用を必要とする
半透膜に注目しており、該アクリロニトリルは他のモノ
マーと共重合している。結果は、本発明の膜が有する特
性および性能とは完全に異なり且つ別のものを有する膜
である。米国特許第4,220,535号明細書には、流体分離
用にまたはポリアミドアミンの溶液と一緒に材料の支持
体として適した合成または天然の適当な材料のいずれか
らも得ることができる多重区域中空繊維パーミエーター
が請求の範囲に記載されており、該混合溶液を流延して
膜にする。この特許において、ポリ(フェニルエーテ
ル)などのマトリックス材料をポリマーと十分に混合
し、この混合物は、以下に更に詳細に記載される本発明
の膜とは異なり且つ区別される。
別の米国特許第3,549,569号明細書には、一成分ポリ
ウレタンコーティングまたは水分硬化コーティングの使
用が開示されている。この特許において、コーティング
は、分子量が少なくとも500の水分硬化性1−イソシア
ネート−3−イソシアナトメチル−3,5,5−トリメチル
シクロヘキサン末端付きポリエーテル(ポリオール)の
使用に基く。得られたコーティングは柔軟性、耐衝撃
性、そして耐擦傷性である。
もう一つの種類の半透膜は、電解質錯体から製造され
たものを含む。例えば、カナダ特許第836,342号明細書
には、多孔質フィルムとして支持体上に流延される電解
質ポリマーから製造された膜が記載されている。支持体
上の多孔質電解質フィルムを含む得られた膜は事実上異
方性である。本発明の膜とは対照的に、膜の排除層およ
び多孔質層双方は同一の材料、すなわち、電解質ポリマ
ーから成るということに注目する必要がある。このよう
な膜は、使用中に高圧を施した場合に圧縮されがちであ
り、その結果として一定時間後に透過物生産性の減少が
起こる。膜の圧縮は、加圧下での比較的弱い多孔質構造
のつぶれに依る。更に、該特許には、概して、電解質ポ
リマーの各成分の濃度は、満足な生成物を得るために全
溶液の少なくとも0.5重量%、好ましくは、約5重量%
である必要があるということが記載されている。続いて
これは、膜を得るのに用いられた溶液中において錯体の
双方の成分が少なくとも1重量%、好ましくは、約10重
量%存在する必要があるということを意味する。更に、
該特許には、膜の全体の厚みまたは標準寸法は1〜約20
ミルの膜であり、全生成物の支持体膜の厚みは約1〜約
10ミルであるということも記載されている。
以下に更に詳細に示すように、薄手フィルム複合限外
濾過膜を、多孔質支持体上に複合された高分子電解質錯
体から製造することができるということを発見し、そこ
において、薄手フィルム複合材料は、微孔質下層支持体
上に複合された稠密選択的な比較的薄い層を含む。得ら
れた膜は、本発明の膜が一層耐圧縮性であり、更には、
成分間の一層十分な付着性を有し、したがって、補充す
ることを必要とせずに長時間目的使用を行うことができ
るという事実ゆえに、事実上異方性である先行技術の限
外濾過膜よりも優れている。
発明の簡単な概要 本発明は、薄手フィルム複合限外濾過膜およびその製
造方法に関する。これらの限外濾過膜は、低分子量可溶
物の分離、例えば、スクロースおよび高級糖からのグル
コースの分離において用いることができる。これらの処
理で本発明の膜を用いることにより、耐圧縮性並びに許
容しうる可塑化および分離特性を含む膜の特性ゆえに有
効に分離処理を行うことが可能である。
排除層および支持体層が同一材料から成る不斉膜上の
異なる多孔質支持体裏地材料上に複合された薄手フィル
ム排除層を含む薄手フィルム複合膜の利点は多数あり、
特性が異なる。例えば、本発明の膜の製造において、広
範囲または種類の電解質ポリマー並びに支持体を用いる
ことが可能である。これは、順に、流延用溶液を生成す
るのに用いられる溶媒の広範な選択を可能にする。これ
らの選択はいずれも、不斉膜の比較的厚い排除層に対立
するものとして膜複合材料の稠密すなわち排除層の比較
的薄いフィルムを成形する能力と組合わせた場合、結果
として膜の製造費用を節約し、したがって、全作業の全
費用を低減させる。更に、種々の要素の選択は、膜の製
造者が、膜の可塑化率および排除率を調節して具体的な
要求に対して前記の膜を製造することも可能にする。本
発明の薄手フィルム複合膜と先行技術の不斉膜とのもう
一つ重要な相違は、不斉高分子電解質と比較される微孔
質支持体に対する薄手フィルムの改良された付着性にあ
る。以下に更に詳細に示すように、不斉膜はこの種類の
膜の多孔質支持体部分に付着しないので、膜を使用中に
膜の離層をもたらし、そしてそれによって性能が損なわ
れる。本発明の薄手フィルム複合材料は多孔質支持体裏
地材料に対して強固に付着し且つ離層を生じない。これ
により、本発明の膜を分離処理において不斉膜を用いる
場合に可能であるよりも長時間用いることが可能にな
る。
したがって、本発明の目的は、種々の分離処理におい
て用いられる薄手フィルム複合限外濾過膜を提供するこ
とである。
本発明のもう一つの目的は、前述の膜を製造する方法
で見出される。
一つの観点において、本発明の実施態様は、ポリ陰イ
オンおよびポリ陽イオンから成る高分子電解質錯体から
成る溶液を生成し、該溶液を微孔質支持体上に流延し、
過剰の溶液を除去し、得られた複合材料を硬化させ、そ
して該複合材料を回収する工程によって製造された薄手
フィルム複合膜にある。
本発明のもう一つの実施態様は、ポリ陰イオンおよび
ポリ陽イオンを酸性アルコール溶液中に溶解させて高分
子電解質錯体を生成し、該溶液を微孔質支持体上に流延
し、過剰の溶液を除去し、得られた薄手フィルム複合膜
を硬化させ、そして該膜を回収することを含む、薄手フ
ィルム複合膜の製造方法において見出される。
本発明の具体的な実施態様は、スルホン酸ポリスチレ
ンのナトリウム塩の陰イオンおよびポリビニルベンジル
トリメチルアンモニウムクロリドの陽イオンから成る高
分子電解質錯体の溶液を生成し、該錯体は該溶液中に約
0.2重量%〜約1.0重量%の範囲の量で存在し、ポリスル
ホンを含む微孔質支持体上に該溶液を流延し、過剰の溶
液を該ポリスルホン支持体から除去し、得られた複合材
料を硬化させ、そして該複合材料を回収するという工程
によって製造された薄手フィルム複合膜において見出さ
れる。
本発明のもう一つの具体的な実施態様は、スルホン酸
ポリスチレンのナトリウム塩およびポリビニルベンジル
トリメチルアンモニウムクロリドを、エタノール溶液お
よび塩酸の溶液の混合物を含む酸性アルコール溶液中に
溶解させ、該錯体は該溶液中に約0.2重量%〜約1.0重量
%の範囲の量で存在し、ポリスルホンを含む微孔質支持
体上に該溶液を流延し、過剰の溶液を除去し、該複合材
料を約50℃〜約100℃の範囲の温度で約5分間〜約60分
間の範囲の時間硬化させ、そして該膜を回収するとこと
を含む、薄手フィルム複合膜の製造方法において見出さ
れる。
他の目的の実施態様は、下記の発明の詳細な説明で見
出される。
発明の詳細な説明 本明細書中前記に記載したように、本発明は、薄手フ
ィルム複合限外濾過膜に関し、該膜は広範囲の分離処理
で用いられる。前述したように、概して、限外濾過膜
は、同一材料を含む稠密選択的層および支持体下層を含
む不斉膜として流延される。このような膜はいくつかの
欠点すなわち不都合を有する。例えば、種々の溶液中で
見出される成分を分離するためのこれらの膜の使用中
に、比較的高圧、すなわち、最大約600ポンド/平方イ
ンチ基準までの範囲の圧力を膜に施す。複合材料の多孔
質層は事実上機械的に弱く、分離処理中に圧縮されるの
で、分離処理の時間中の流体の透過物生産性は結果とし
て減少する。これに対して、本発明は、微孔質裏地によ
って支持された稠密層を膜が含んでいるという事実ゆえ
に膜の圧縮に関するこのような欠点から免れている限外
濾過膜に関する。この種類の膜形状は、ポリスルホンな
どの裏地が事実上耐圧性であるので圧縮されない。以下
に更に詳細に示した本発明の膜は、寸法の小さな相違に
よって区別された分子を分離する極めて選択的な分離処
理、例えば、低分子量有機化合物のダイマーまたはポリ
マーからのモノマーの分離に関する膜産業において需要
があり、この具体的な例は糖の分離である。
本発明の薄手フィルム複合限外濾過膜は、微孔質支持
体上に複合された高分子電解質ポリマーを含む。複合膜
の稠密な層を成形する高分子電解質錯体は、ポリ陰イオ
ンおよびポリ陽イオンを適当な溶媒中に溶解させて流延
用溶液を生成することによって製造される。高分子電解
質錯体の一つの成分として用いることができるポリ陰イ
オンの例としては、スルホン酸塩およびカルボン酸塩の
アルカリ金属塩があり、これの若干の具体的な例は、ポ
リアクリル酸のナトリウム塩、ポリアクリル酸のカリウ
ム塩、ポリアクリル酸のリチウム塩、ポリメチルアクリ
ル酸のナトリウム塩、ポリメチルアクリル酸のカリウム
塩、ポリメチルアクリル酸のリチウム塩、ポリイタコン
酸のナトリウム塩、ポリイタコン酸のカリウム塩、ポリ
イタコン酸のリチウム塩、ポリビニルスルホン酸のナト
リウム塩、ポリビニルスルホン酸のカリウム塩、ポリス
チレンスルホン酸のナトリウム塩、ポリスチレンスルホ
ン酸のカリウム塩並びにそれらのコポリマーである。高
分子電解質錯体の第二成分として用いることができるポ
リ陽イオンの例としては、ポリビニルベンジルトリメチ
ルアンモニウムクロリド、ポリビニルベンジルトリメチ
ルアンモニウムブロミド、ポリビニルベンジルトリメチ
ルアンモニウムヨージド、ポリジアリルジメチルアンモ
ニウムクロリド、ポリジアリルジメチルアンモニウムブ
ロミド、ポリジアリルジメチルアンモニウムヨージド等
があり、前述のポリ陰イオンおよびポリ陽イオンの例
は、用いることができるこれらの化合物を単に代表する
ものであることおよび本発明がそれに必ずしも制限され
ないということは理解されるべきである。
ポリ陰イオンおよびポリ陽イオンを溶解して所望の流
延用溶液を生成するのに用いられる特定の溶媒は、高分
子電解質錯体の溶解性によって、更には溶液が流延され
る特定の多孔質支持体裏地材料に対する相溶性によって
決定される。
錯体を溶解させる溶液媒質は、アルコール/酸性溶液
を含む。溶液のアルコール部分は、1〜約4個の炭素原
子を含むアルコール、例えば、メチルアルコール、エチ
ルアルコール、プロピルアルコール、イソプロピルアル
コール、ブチルアルコール、第二ブチルアルコール等を
含む。溶液の酸性部分は、塩酸、過塩素酸、スルホン酸
等のような酸を含む。ポリ陰イオンおよびポリ陽イオン
の場合と同様に、用いられるアルコールおよび酸のリス
トは単に代表的な化合物であり、本発明がそれに必ずし
も制限されるものではないということは理解されるべき
である。溶液中のアルコール対酸の比率は、例えば、ア
ルコールが溶液中に約10%〜約90%の範囲で存在するこ
とができるが、逆に、酸は約90%〜約10%の範囲の量で
存在することができるように、比較的広範囲にわたって
変化することができる。溶液中に存在するポリ陽イオン
およびポリ陰イオンの量は、ポリ陰イオンおよびポリ陽
イオンから生成された高分子電解質錯体の濃度が約0.2
〜約1.0重量%である溶液を生成するのに十分である量
である。
高分子電解質錯体および流延用溶液は、いくつかの異
なる方法で製造することができる。例えば、一つの方法
において、前記に例示したようなポリ陰イオンの一定重
量を前記に記載した種類の溶媒に加え且つその大部分が
溶解するまで撹拌する。これに続いて、所望の量のポリ
陽イオンを加え、そして撹拌を続ける。撹拌およびその
結果としての成分の溶解が進行するに従い、高分子電解
質錯体の生成によって溶液は事実上粘稠になる。同時
に、反応の副生成物である塩は溶液から沈澱する。一つ
の実施態様において、望まれるならば、多量の高分子電
解質錯体を製造するために、ポリ陰イオンおよびポリ陽
イオンの量を選択して、20%程度に高い固体含量を有す
る溶液を生じるようにすることができる。次に、高分子
電解質錯体および塩の混合物を遠心して塩を分離し且つ
除去し、それによって原液として役立つことができる清
浄な溶液が得られる。
本発明の薄手フィルム複合膜を流延するのに用いられ
る望ましい流延用溶液は、所望の量の原液を溶媒で希釈
して、約0.2%〜約1.0%の固体含量を有する最終溶液を
与えるようにすることによって製造される。
所望の流延用溶液を製造する第二の方法は、絶えず撹
拌しながら原液を多量の水に注加することである。高分
子電解質は沈澱し、そしてそれを濾過によって回収し、
慣用的な手段によって乾燥させて水を除去した後、所望
の量を適当な溶媒中に溶解させて、高分子電解質錯体を
約0.2重量%〜約1.0重量%含む溶液を提供することによ
って流延用溶液を製造することができる。
或いは、望まれるならば、流延用溶液は、所望の量の
ポリ陰イオンおよびポリ陽イオンを適当な溶媒中に直接
溶解させて、錯体を約0.2%〜約1.0%含む高分子電解質
錯体溶液を生成し、同時に、濾過によって除去される塩
を沈澱させることによって直接的に製造することがで
き、続いてその清浄な溶液を用いて所望の膜を製造す
る。
一つの実施態様において、本発明の半透過性限外濾過
膜は、多孔質支持体裏地材料を高分子電解質錯体の溶液
で被覆することによって製造される。微孔質支持体裏地
材料は、それに対して透過物を通過させるのに十分であ
るが限外濾過膜の橋架けを妨げる程大きくはない細孔度
を有するポリマー性材料を含む。本発明の好ましい実施
態様において、微孔質支持体裏地材料の細孔度は、1000
Åより大きい細孔が超薄膜を細孔中にたるませ、それに
よって膜の望ましい特徴である超薄フィルムの連続性を
破壊するので、約50〜約1000Åである。所望の膜複合材
料を製造するのに用いることができる微孔質支持体裏地
材料の例としては、ポリスルホン、ポリカーボネート、
微孔質ポリプロピレン、各種ポリアミド、ポリフェノー
ルエーテル、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニリデン等
のようなポリマーがある。
本発明の薄手フィルム複合限外濾過膜は、薄いフィル
ムを微孔質支持体上に連続的に流延することによってか
または該複合材料を支持体上にハンドキャスティングす
ることによって製造することができる。ハンドキャステ
ィング操作を用いる場合、微孔質支持体をガラス板など
の追加の支持体メンバー上に接着し、そして垂直タンク
中に入っている高分子電解質錯体溶液中に浸漬すること
ができる。約1〜約15秒間であってよい予め決定された
時間持続して支持体を溶液中に浸漬した後に、過剰の溶
液全部が除去されるまで支持体を垂直位置に排水させ
る。薄手フィルム複合材料の細孔の直径は約5〜約20オ
ングストロームであり、高分子電解質錯体を僅かに約0.
2重量%〜約0.5重量%含む溶液を用いることにより、最
終生成物の厚みが約600〜約3000オングストロームであ
る多孔質支持体上の膜の薄いフィルムを得ることが可能
である。過剰の溶液を全部除去した後、薄手フィルム複
合限外濾過膜を予め決定された温度で予め決定された時
間硬化させる。時間および温度のパラメーターは、約40
℃〜約100℃、好ましくは、約40℃〜約75℃の温度で約
5〜約60分間、好ましくは、約5分間〜約30分間であっ
てよい。時間および温度の作業パラメーターは相互に依
存しており、膜の硬化に関する主要基準は、該硬化時間
が所望の膜を提供するのに十分であるが、薄手フィルム
膜および微孔質支持体材料の所望の特性に影響を与える
には不十分であるということである。例えば、過度の加
熱または硬化時間は裏地支持体材料の細孔度に影響する
ことがあるので、結果として膜の所望の可塑化率が減少
する。
更に、薄手フィルム複合限外濾過膜を連続操作法で製
造することができるということは本発明の範囲内で考え
られる。この種類の操作を用いる場合、前記に更に詳細
に記載した種類の微孔質支持体裏地材料は供給ローラー
から連続的に巻出され且つ溶媒中に溶解した高分子電解
質錯体の溶液が入っているトラフまたは浴を介して通過
する。約10〜約20秒間であってよい流延用溶液中の滞留
時間後に、被覆された裏地材料を連続的に取出し、そし
て望まれるならば、なお存在していることがある過剰の
溶液を全て除去するためにローラー間を通過させる。次
に、膜をオーブン中で乾燥させて溶媒蒸気を全て除去す
る。次に、水で洗浄することによって膜上に残留する溶
媒を全て除去する。オーブン中の硬化時間は、通常、約
40℃〜約100℃、好ましくは、約40℃〜約70℃の範囲の
温度で連続して約5〜約60分間、好ましくは、約5分間
〜約30分間であってよい。乾燥工程の慎重な調節によっ
て望ましい性質を有する膜を得ることが可能であるとい
うことがここで発見された。例えば、予め決定された時
間および比較的穏やかな温度条件で膜の蒸発または硬化
速度を調節することによって、得られた膜は、強制空気
循環オーブンを用いる場合に見出されるような更に苛酷
な温度条件下で硬化した膜に対立するものとして十分な
排除率および可塑化率を有する。
次に、得られた薄手フィルム複合限外濾過膜を前記に
記載した分離処理で用いることができる。膜はフラット
シートの形であるので、該膜は単一のシートかまたは多
重シート単位のモジュールで用いるのに適用でき、それ
によって1枚または複数のシートがスパイラル型形状で
巻取られる。
下記の実施例を、本発明の薄手フィルム複合限外濾過
膜および分離剤としてのそれらの使用を例示する目的で
与える。しかしながら、これらの実施例は単に例示の目
的で提供されていることおよび本発明は必ずしもそれに
制限されないということは理解されるべきである。
実施例I 薄手フィルム複合限外濾過膜を、十分な量のスルホン
酸ポリチレンのナトリウム塩およびポリビニルベンジル
トリメチルアンモニウムクロリドを等量のエチルアルコ
ールおよび濃塩酸から成る溶液中に溶解させて、固体高
分子電解質錯体を約20重量%含む原液を提供することに
よって製造した。これに続いて、十分な量の原液を追加
の量の同溶媒で希釈して、高分子電解質錯体を0.2重量
%含む流延用溶液を製造した。所望の膜を形成するの
に、7インチ×5インチの微孔質ポリスルホン支持体を
ガラス板の片側に接着させ且つ垂直タンク中の高分子電
解質錯体溶液中に10秒間浸漬した。被覆されたポリスル
ホンを含むガラス板を取出し、そして液体全部が完全に
そこから除去されるまで垂直位置に排水させた。この後
に、膜をオーブン中において60℃の温度で10分間硬化さ
せた。この膜をAと称した。
実施例II この実施例において、膜の第二シートを前記の実施例
Iに記載したのと同様の方法で製造した。しかしなが
ら、膜を周囲空気中で乾燥させただけで、膜Aで行った
ようにオーブン中で硬化させなかった。この膜をBと称
した。
実施例III 膜の第三シートを前記の実施例Iに記載したのと同様
の方法で、高分子電解質錯体を0.2重量%含む高分子電
解質錯体溶液が入っている垂直タンク中に微孔質ポリス
ルホン支持体を浸漬することによって製造した。10秒間
の浸漬後に、ガラス板を排水させた後、膜をオーブン中
において80℃の温度で10分間硬化させた。この膜をCと
称した。
実施例IV 膜の第四シートは、ガラス板に接着させた微孔質ポリ
スルホン支持体を、前記の実施例Iに記載したのと同様
の高分子電解質錯体溶液が入った垂直タンク中に浸漬す
ることによって製造したが、その相違点は、スルホン酸
ポリスチレンのナトリウム塩およびポリビニルベンジル
トリメチルアンモニウムクロリドから生成された錯体が
1重量%の量で存在したことであった。支持体のタンク
中での浸漬は1分間であった。これに続いて、被覆され
た支持体をタンクから取出し、液体全部が除去されるま
で垂直位置で排水させた後、オーブン中において65℃の
温度で12分間硬化させた。この膜をDを称した。
上の段落で記載したのと事実上同様のもう一つの膜を
同様の方法で製造したが、唯一の相違点は被覆された支
持体をオーブン中において80℃の温度で12分間硬化させ
たことであった。この膜をEと称した。
実施例V 前記の実施例にしたがって製造された膜の試料を糖分
離実験で用いた。実験においては、膜A、BおよびCそ
れぞれの2片並びに膜DおよびEの1片について,寸法
が1インチ×3インチのシートを膜セル中に入れること
によって試験した。グルコース、スクロース、グルコー
スのトリマーおよびテトラマーの混合物を水中に29.5重
量%含む糖供給を150ポンド/平方インチ基準の圧力で
膜に対して通過させ、同時に、供給温度を60℃で保持し
た。透過物および滞留物を供給タンクに戻した。透過物
試料は糖分析の1.5時間の試験時間の最後に得られた。
この試験結果を下記の表Iに記載する。
これらの膜は高級糖を選択的に排除するので、供給材
料よりも低い固体含量を有する透過物は、供給原料より
も高いグルコース百分率(DP1)を含むということを前
記の表から推論することができる。更に詳細な分析を後
で記載する。表Iに示した結果は、0.2%溶液から製造
された膜が、グルコースを他の供給材料成分から分離す
る場合に、高分子電解質錯体を1%含む高分子電解質溶
液から製造された膜で見出されたよりも一層有効であっ
たことを示す。これは、膜Aの透過物可塑化が膜Eより
も高いことから明らかである。更に、膜Eは透過物中の
11.7%の固体だけを許した。これは、膜が高級糖のみな
らず有意の量のグルコースも停止させることを示唆して
いる。
実施例VI この実施例において、一連の膜を連続流延操作から製
造した。流延用溶液は、十分な量の高分子電解質錯体
を、エチルアルコールおよび濃塩酸の50/50容量混合物
を含む溶媒中に溶解させて高分子電解質錯体の0.27%お
よび0.32%の濃度を提供することによって製造した。所
望の薄手フィルム複合限外濾過膜は、ポリスルホン支持
体を供給ローラーから連続的に巻出し且つ該ポリスルホ
ンを流延用溶液が入っているトラフを介して通過させる
ことによって製造した。次に、膜をオーブン中で乾燥さ
せて溶媒蒸気を除去し且つ膜構造を硬化させた。製品の
乾燥工程は、膜の特性または性質が望ましくないよりも
むしろ望ましいものであることを保証するために、事実
上比較的穏やかである必要があることが分かった。高分
子電解質錯体を0.27重量%含む流延用溶液から製造され
た膜を熱対流オーブン中において45℃の温度で10分間硬
化させ且つFと標識した。同様に、高分子電解質錯体を
0.32重量%含む流延用溶液から製造された膜を熱対流オ
ーブン中において同様の条件で硬化させた。高分子電解
質錯体を0.32重量%含む膜の第二セットを機械オーブン
中において、オーブン中のファンで循環させながら45℃
の温度で10分間硬化させた。前者の0.32%膜をGと標識
し、機械オーブン中で硬化した後者の膜をHと標識し
た。
実施例VII 前記の実施例にしたがって製造された膜の試料を、実
施例Vで記載した糖分離処理で用いたのと同様の条件下
における円形セル中での糖分離について更に試験した。
グルコース、スクロースおよび高級糖の排除%は、透過
物および供給試料の液体クロマトグラフィーによって得
られた。これらの試験の結果を下記の表IIに記載する。
70%またはそれ以上のDP2(スクロース)排除を有す
る膜は、特に商業的に好ましいと考えられる。それらは
高純グルコースを製造するのに役立つ。
実施例VIII 本発明の薄手フィルム複合膜がより耐圧縮性であると
いう事実ゆえに、それらが異方性膜と比較して優れた特
性または性質を有するという主張を例証するために、も
う一つの実験を行った。3インチ×10インチの膜のシー
トを、エチルアルコールおよび塩酸の50/50容量%混合
物を含む溶媒中に0.32%高分子電解質錯体を含む希釈液
を微孔質ポリスルホン支持体上に浸漬被覆することによ
って製造した。膜をセル中に入れ且つ精製水を含む供給
に温度60℃および圧力150lbs/平方インチ基準で暴露し
た。膜を熱水供給に約180時間暴露した。圧縮率を測定
するために、可塑化および時間を対数−対数プロットと
してプロットした。試験時間にわたる圧縮線の勾配は−
0.01であり、極めて低い圧縮率を示した。これに対し
て、不斉膜の圧縮率は約−0.1であった。
実施例IX 不斉膜と本発明の薄手フィルム複合膜との相違を更に
例証するために、対照的な膜を製造した。不斉膜を流延
して約150ミクロンの厚さにし、フィルム複合膜を流延
して約0.15ミクロンの厚さにした。スパイラル要素を不
斉および薄手フィルム複合材料双方のフラットシート膜
から構築した。スパイラル要素双方を同様の条件下で試
験して、可塑化率および排除率を、150psigの圧力で開
始し且つ450psigまで漸進増加する種々の作業圧力で測
定した。供給原料は、コーンスターチの加水分解から得
られた市販の供給流を含み且つ糖の混合物を含んでい
た。これらの試験の結果を下記の表IIIに記載する。
上記の表から、不斉膜スパイラルはより高い可塑化率
で開始したが、その可塑化率は試験時間中に連続的に降
下したことが注目される。これは、比較的一定の可塑化
率を保持した薄手フィルム膜の可塑化率とは対照的であ
る。更に、DP2糖の排除率は不斉スパイラル膜のそれよ
りも高いことが注目される。
実施例X 前述したように、分離処理において不斉膜を用いるこ
とに関係した主要な問題は、裏地材料からの膜の離層す
なわち分離である。不斉膜をポリエチレンなどの支持体
材料上に流延する場合、その二層間の付着は不十分であ
る。したがって、裏地材料を予め処理してその付着性を
改良しまたは増大させる必要がある。例として引用する
ことができる若干の種類の前処理としては、いくつか名
前をあげると、コロナ処理、プラズマ処理、クロム酸ま
たは次亜塩素酸などの腐蝕性薬品によるエッチングがあ
る。
しかしながら、この前処理を行ったとしても、得られ
た付着性はなお満足の得られるものではない。膜をスパ
イラル形状モジュールで用いる場合、供給は膜に対して
高速度でポンプ輸送される。スパイラルの入口末端で
は、供給は裏地材料、膜および供給スペーサーの横断面
にぶつかる。裏地材料と膜との間の付着が十分でない場
合、供給流はその二層を分離し且つ透過物中に進入する
ことがあり、それによってスパイラルの有用な寿命が制
限され、更には分離の有効速度が減少することがある。
本発明の膜の有効性を例証するために、一連の不斉膜
を、種々の方法によって前処理されたポリエチレン裏地
材料上において高分子電解質錯体を19重量%含む溶液を
流延することによって製造した。溶液中の錯体の比較的
高い量ゆえに、膜は裏地上に150ミクロンの厚さに流延
する。プレメンブランを水浴中で急冷した後、85℃の温
度でアニールすることによって不斉膜を生成した。
次に、膜をシートとしてスパイラルモジュールに入
れ、そして付着度を測定した。モジュールの滞留物出口
を密閉し且つ脱イオン水を供給入口中にポンプ輸送し
た。入口での供給圧力を、流体が透過物中に進入する状
態に達するまで増加させた。引き続きの試験において、
20ポンド/平方インチ基準を越える圧力降下は、膜と裏
地材料との付着が、分離処理においてかなりの長時間に
わたって作業することができる合格した膜を構成するの
に十分であることを示している。不斉膜でのこれらの試
験の結果を下記の表IVに記載する。
表IV 膜 裏地処理 圧力降下不合格(psig) 1 プラズマ 14a 2 プラズマ 15a 3 プラズマ 14a 4 プラズマ 9a 5 NaOCl 7 6 NaOCl 19 7 NaOCl 11 8 ノクロミクスb/H2SO4 11 (Nochromix) 9 ノクロミクスb/H2SO4 13a 10 ノクロミクスb/H2SO4 9a −裏地分離を示す。
−ゴダクス・ラボラトリーズ(Godax Laboratorie
s)によって供給された酸化剤。
これとは対照的に、前処理されなかったポリスルホン
多孔質裏地材料上に複合された厚さ0.15ミクロンの高分
子電解質錯体の薄いフィルムを含む本発明の膜であって
本明細書中に記載した方法によって製造された該膜は、
40psigの圧力降下で耐性であった。これは、多孔質裏地
材料に対する薄手フィルムの堅固さおよび強固な付着並
びに比較的長時間にわたる分離膜として用いられるその
能力を確証する。
本発明の実施態様は次の通りである。
1. ポリ陰イオンおよびポリ陽イオンから成る高分子電
解質錯体を含む溶液を製造し、該溶液を微孔質支持体上
に流延して支持体上に薄いフィルムを成形し、過剰の溶
液を排除し、薄手フィルムで被覆された支持体を硬化さ
せ、そして得られた薄手フィルム複合膜を回収する工程
によって成形された薄手フィルム複合膜。
2. 前記の錯体が、前記の溶液中に約0.2重量%〜約1.0
重量%の範囲の量で存在する上記第1項に記載の膜。
3. 前記の溶液が、1〜約4個の炭素原子を有するアル
コールおよび酸の混合物を更に含む上記第1項に記載の
膜。
4. 前記のアルコールがエタノールから成り、また前記
の酸が塩酸から成る上記第3項に記載の膜。
5. 前記のポリ陰イオンが、ポリスチレンスルホン酸、
ポリアクリル酸、ポリメチルアクリル酸、ポリイタコン
酸、ポリビニルスルホン酸およびそれらのコポリマーか
ら成る群より選択されるポリマーのアルカリ金属塩から
成る上記第1項に記載の膜。
6. 前記のポリ陽イオンが、ポリビニルベンジルトリメ
チルアンモニウムクロリド、ポリビニルベンジルトリメ
チルアンモニウムブロミド、ポリビニルベンジルトリメ
チルアンモニウムヨージド、ポリジアリルジメチルアン
モニウムクロリド、ポリジアルリジメチルアンモニウム
ブロミドおよびポリジアリルジメチルアンモニウムヨー
ジドから成る群より選択される上記第1項に記載の膜。
7. 前記の微孔質支持体が、ポリスルホン、ナイロン、
ポリ塩化ビニル、ポリプロピレンおよびポリフッ化ビニ
リデンから成る群より選択される上記第1項に記載の
膜。
8. 薄手フィルム複合膜上の薄いフィルムの厚みが約60
0〜約3000オングストロームの範囲である上記第1項に
記載の膜。
9. 薄手フィルム複合膜上の薄いフィルムの細孔の直径
が約5〜約20オングストロームである上記第1項に記載
の膜。
10.前記の複合材料の硬化を約40℃〜約100℃の温度で約
5分間〜約60分間の範囲の時間行う上記第1項に記載の
膜。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭64−11611(JP,A) 特開 昭53−110979(JP,A) 特開 昭50−160185(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01D 71/82 500 B32B 5/18

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリスチレンスルホン酸、ポリアクリル
    酸、ポリメチルアクリル酸、ポリイタコン酸、ポリビニ
    ルスルホン酸及びこれらのコポリマーから成る群より選
    択されたポリマーのアルカリ金属塩から成るポリ陰イオ
    ン、及びポリビニルベンジルトリメチルアンモニウムク
    ロリド、ポリビニルベンジルトリメチルアンモニウムブ
    ロミド、ポリビニルベンジルトリメチルアンモニウムヨ
    ージド、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロリド、
    ポリジアリルジメチルアンモニウムブロミド及びポリジ
    アリルジメチルアンンモンイウムヨージドから成る群よ
    り選択されるポリ陽イオンから成る高分子電解質錯体を
    含む溶液を、その錯体が前記の溶液中に約0.2重量%−
    約1.0重量%の範囲の量で存在するように製造し、該溶
    液を微孔質支持体上に流延して支持体に上に薄いフィル
    ムを形成し、過剰の溶液を排除し、薄手フィルムで被覆
    された支持体を硬化させ、そして得られた薄手フィルム
    複合膜を回収する工程によって成形された高級糖からグ
    ルコースを分離する薄手フィルム複合膜。
  2. 【請求項2】前記の溶液が、1−約4個の炭素原子を有
    するアルコール及び酸の混合物を更に含む請求項1記載
    の膜。
  3. 【請求項3】前記のアルコールがエタノールから成り、
    又前記の酸が塩酸から成る請求項2記載の膜。
  4. 【請求項4】前記の微孔質支持体が、ポリスルホン、ナ
    イロン、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン及びポリフッ
    化ビニリデンから成る群より選択される請求項1記載の
    膜。
  5. 【請求項5】薄手フィルム複合膜上の薄いフィルムの厚
    みが約600−約3000オングストロームの範囲である請求
    項1記載の膜。
  6. 【請求項6】薄手フィルム複合膜上の薄いフィルムの細
    孔の直径が約5−約20オングストロームである請求項1
    記載の膜。
  7. 【請求項7】前記の複合材料の硬化を約40℃−約100℃
    の温度で約5分間−約60分間の範囲の時間行う請求項1
    記載の膜。
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