JP3240646B2 - 3価金属イオンを除去する方法 - Google Patents
3価金属イオンを除去する方法Info
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Description
キレート樹脂による、3価金属イオンの除去方法に関す
るものであり、詳しくは、3価金属イオン及び他価金属
イオンを混在含有する強酸性溶液と、官能基として−C
H2 PO3 H2 を有し、特定の性質を具備したホスホン
酸型キレート樹脂と接触させる3価金属イオンの除去方
法に関するものである。
等は種々の系の水溶液に微量に混在し、種々の問題の原
因となっている。例えば、メッキ浴の場合には、微量に
存在する鉄イオンがメッキ性能を低下させる事が知られ
ている。また、これらのイオンの混入経路も様々であ
り、例えば用水前処理工程での凝集沈澱に用いたポリ塩
化アルミニウムが原因となって、微量のAlイオンが残
存する場合や、配管からの溶出により鉄(III)イオンが
混入する場合などが知られている。これらのイオンが特
に問題となるのは、かかるイオンを含んだ用水を原料と
して使用する場合であり、その多くは低いpH領域、即
ち、pH3以下の強酸性条件下で用いられている。
溶液から、ある特定の価数の金属イオンを回収する方法
は、従来から沈澱分別法、溶媒抽出法、イオン交換樹脂
法等により行われてきた。しかしながら、沈澱分別法で
は、低濃度の場合には平衡濃度以下の金属イオンの除去
は困難である。また、溶媒抽出法は、数ppm濃度の金
属イオンを除くためには、非常に多段の抽出段数を必要
とし、更に溶媒の水への溶解等による抽出剤の損失を生
ずるという問題点がある。これに対し、カラムを用いた
イオン交換樹脂法やキレート樹脂法によれば、樹脂の官
能基及び母体樹脂の最適化を行う事により、低濃度で存
在する回収目的の金属イオンの捕収も可能であり、更
に、前述の2つの方法が持つような問題点も無い。この
様な観点から、樹脂を用いた方法が希薄溶液中の種々の
金属除去に用いられてきた。
官能基を有するキレート樹脂が、様々な金属イオン除去
を目的として開発されているが、1,2,3価金属イオ
ンが混在する強酸性溶液から3価金属イオンを選択的に
除去する目的に対し、実用的な性能を持つ樹脂は見い出
されていない。その理由としては、選択性の低いこと、
反応速度が低いこと、或いは、繰り返し用いた場合の強
度が低いことが挙げられる。
明者らは、上記の様な問題点を克服した、3価金属イオ
ン及び他価金属イオンを含有した強酸性溶液から、キレ
ート樹脂による3価イオンのみを除去する方法を開発す
べく検討を行った結果、特定官能基及び適当な樹脂母体
を有するキレート樹脂を用いる事で、目的を達成するこ
とが可能であり、かつ実用上極めて高い性能、即ち、樹
脂の反応速度も高く、高強度も兼ね備えている樹脂を用
いることで目的を達成出来ることも見いだし、本発明を
完成するに至った。
00m2 /g、細孔容積0.1〜1.0ml/g、陽イオ
ン交換容量8.0 meq/g以上、酸−アルカリによるサ
イクル強度が95%以上であり、官能基として−CH2
PO3 H2 基を有するホスホン酸型キレート樹脂が、極
めて高い反応速度及び高強度を有すること、そしてかか
る性能を具備した樹脂と3価金属イオン及び他価金属イ
オンを含有した強酸性溶液を接触させる事により、実用
上、優れた選択性をもって、3価金属イオンのみを吸着
除去する方法に存する。
により処理される対象となる金属イオンは特に限定され
るものではなく、どの様な金属イオンの組み合わせに対
しても適用する事が出来る。また、吸着除去される対象
である3価金属イオンの中で、特に選択性の高い金属イ
オンとしては、クロム、インジウム、第2鉄、セリウ
ム、アルミニウム、ランタン、ガリウムイオンが挙げら
れる。また、これらの3価金属イオンに対し、他価金属
イオンで選択性の低い1及び2価の金属イオンとして
は、リチウム、ナトリウム、カリウム、第2銅、鉛、ニ
ッケル、カドミウム、亜鉛、コバルト、第2鉄、マンガ
ン、ベリリウム、カルシウム、マグネシウム、ストロン
チウム等の金属イオンが挙げられる。また、1,2価金
属イオンと3価イオンの濃度比は、本樹脂の場合任意の
割合でかまわない。
以下の水溶液、もしくは、水−有機溶媒混合溶媒を意味
し、その酸性を与える酸としては、塩酸、硝酸、硫酸、
燐酸等があげられるが、これに限定されるものではな
い。また、その酸濃度も任意にかえうるが、樹脂吸着の
効率からは、1N以下の濃度が好ましい。
に結合した官能基として−CH2 PO3 H2 基または−
PO3 H2 基等を有するホスホン酸型キレート樹脂であ
る。この母体樹脂は化学的及び物理的安定性から、多孔
質のスチレン−ジビニルベンゼン共重合体が望ましい。
またこの樹脂は、その物性として、比表面積10〜10
0m2 /g、細孔容積0.1〜1.0ml/g、陽イオン
交換容量8.0 meq/g以上、酸−アルカリによるサイ
クル強度が95%以上を有する事を特徴とする。比表面
積及び細孔容積がこれらの値以下であると、金属イオン
選択吸着の反応速度が遅く、実用面で不十分である。ま
た、これらの値以上であると、樹脂の機械的強度が低
く、かつ、単位容積当たりの吸着性能も低下するので、
実用的でない。また、陽イオン交換容量がこの値以下で
あると単位体積当たりの吸着性能が低く、サイクル強度
がこれ以下であると、樹脂の強度が低いために、繰り返
しの吸脱着使用に対する耐久性が低く、何れの面に於い
ても実用的で無い。
で、はじめて、極めて高い3価金属イオンに対する選択
性を発現すると同時に、高い反応速度及び高強度を合わ
せ持つ事が出来る。また、キレート樹脂の形状として
は、粒状、球状の何れでも良いが、優れた金属吸着能、
操作上の利便性及び大きな機械的強度を付与する為に
は、球状体が好ましい。
芳香核にクロロメチル基のようなハロアルキル基を有す
る多孔性のスチレン系架橋共重合体粒子をリン酸化後加
水分解することにより製造される。ハロアルキル基を有
する多孔性のスチレン系架橋共重合体粒子は、それ自体
公知の方法で製造することが出来る。例えばスチレン、
メチルスチレン、クロロスチレン等の芳香族モノビニル
単量体と、ジビニルベンゼン、トリビニルベンゼン、エ
チレングリコールジアクリレート、エチレングリコール
ジメタアクリレート等のポリビニル架橋単量体とを懸濁
重合させるが、その際、重合系にこれら単量体を溶解す
るが、生成共重合体を溶解しない相分離剤或は、芳香族
モノビニル単量体の線状重合体を共存させることによ
り、生成共重合体に多孔性を付与する。得られた多孔性
架橋共重合体粒子を、ルイス酸触媒の存在下、クロロメ
チルメチルエーテル等のハロメチル化剤と反応させ、ハ
ロメチル基を有する多孔性架橋共重合体粒子を得ること
が出来る。重合条件、単量体割合等を適宜選定すること
により、比表面積10〜100m2/g、細孔容積0.
1〜1.0ml/g、クロロ含有率18%以上の要件を
満足するクロロメチル基含有多孔性架橋共重合体を得、
これを3塩化リンと反応させ、次いで加水分解すること
により、所望のキレート樹脂を得ることが出来る。
2,3価金属イオンを含有した強酸性溶液との接触方法
は、特に制限されるものでは無く、種々の方法にて使用
が可能であり、例えば、キレート樹脂を充填したカラム
または塔内に、目的とする溶液を通液する方法、また
は、該溶液中へ本樹脂を浸漬し、次いで濾過分別する方
法などを採用する事が出来る。また、キレート樹脂と該
溶液との接触温度は特に制限されるものでは無いが、通
常0℃〜100℃の範囲内で実施される。また、接触時
間に付いても同様に、特に制限されるものでは無い。
去を目的とする3価の金属イオンは、適宜な溶離剤を用
いて容易に樹脂から分離除去する事が出来る。
に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以
下の実施例によって限定されるものでは無い。また、樹
脂のサイクル強度に関しては、以下の方法に従って測定
した。
3.0ml(試験前体積)をメスシリンダーで正確に採取
してガラスカラムに充填する。カラムに2N水酸化ナト
リウムを流速6.5ml/min で20分間通液し、次い
で、脱塩水、2N塩酸、脱塩水を同じ流速で各々20分
間通液する。かかる通液を1サイクルとして50サイク
ル行った後、425μmの篩いで篩い分けし、篩いに残
留したキレート樹脂の体積(試験後樹脂体積)をメスシ
リンダーで測定する。一方、キレート樹脂粒子中の割れ
の無い樹脂の百分率を外観指数とし、試験前後について
求める。
り、サイクル強度(%)を算出する。
陽イオン交換容量8.7 meq/g、酸−アルカリによる
サイクル強度が99.2%である−CH2 PO 3 H2 基
を有するスチレン系ホスホン酸型キレート樹脂(以降キ
レート樹脂Aと称す)5mlを、以下に示す様な高濃度の
1或いは2価金属イオン中に、非常に低濃度の3価金属
イオンを含有する硫酸酸性溶液200mlに、30℃で1
2時間浸漬し、溶液中の各金属イオン残存量を分析する
事で、該樹脂への各金属イオンの吸着率を求め、結果を
第1表に示した。 Fe(III) 5 ppm Ni(II) 1000 ppm pH 1.30
例に示した金属イオンを含有する硫酸酸性溶液を用い
て、キレート樹脂Aへの、各金属イオンの吸着率を求
め、結果を第1表にまとめて示した。
を結合したスチレン系ホスホン酸型キレート樹脂を用い
る事で、1,2,3価金属イオンを含有した強酸性溶液
から、低濃度で存在する3価金属イオンのみを、極めて
高効率で選択的に吸着除去する事が出来る。さらに、本
樹脂の3価金属イオン吸着速度は高く、なおかつサイク
ル強度で示す様に、繰り返し使用時の強度も優れている
事から、大きな工業的価値を有するものである。
Claims (2)
- 【請求項1】 比表面積10〜100m 2 /g、細孔容
積0.1〜1.0ml/g、陽イオン交換容量8.0m
eq/g以上、酸−アルカリによるサイクル強度が95
%以上である−CH 2 PO 3 H 2 基を有するスチレン系
ホスホン酸型キレート樹脂を、3価金属イオンと他価金
属イオンを含有する強酸性溶液と接触させて溶液中の3
価金属イオンを選択的に吸着させることを特徴とする溶
液中の3価金属イオンの除去方法。 - 【請求項2】 スチレン系ホスホン酸型キレート樹脂の
粒径が850〜425μmであることを特徴とする請求
項1記載の溶液中の3価金属イオンの除去方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30359791A JP3240646B2 (ja) | 1991-11-19 | 1991-11-19 | 3価金属イオンを除去する方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30359791A JP3240646B2 (ja) | 1991-11-19 | 1991-11-19 | 3価金属イオンを除去する方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05138163A JPH05138163A (ja) | 1993-06-01 |
JP3240646B2 true JP3240646B2 (ja) | 2001-12-17 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP30359791A Expired - Fee Related JP3240646B2 (ja) | 1991-11-19 | 1991-11-19 | 3価金属イオンを除去する方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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---|---|---|---|---|
KR101600184B1 (ko) * | 2014-07-18 | 2016-03-07 | 오씨아이 주식회사 | 인산 용액 내 금속이온의 제거방법 |
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1991
- 1991-11-19 JP JP30359791A patent/JP3240646B2/ja not_active Expired - Fee Related
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---|---|
JPH05138163A (ja) | 1993-06-01 |
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