JP3240593B2 - 可溶性コラーゲンパウダーを担体とする医薬徐放剤 - Google Patents
可溶性コラーゲンパウダーを担体とする医薬徐放剤Info
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生体内で薬物を徐
々に放出する医薬徐放剤に関し、特に、可溶性コラーゲ
ン及び/又は可溶性コラーゲン誘導体を担体とした平均
粒径が0.1μm以上で10μm未満の粒状医薬徐放剤
に関する。
々に放出する医薬徐放剤に関し、特に、可溶性コラーゲ
ン及び/又は可溶性コラーゲン誘導体を担体とした平均
粒径が0.1μm以上で10μm未満の粒状医薬徐放剤
に関する。
【0002】
【従来技術】コラーゲン又はコラーゲン誘導体は、生体
内において溶解・吸収されるために従来より生体内で薬
物を徐々に放出する医薬徐放剤の担体(運搬体)として
使用されることは良く知られている。これらの医薬徐放
剤は、薄膜状或いは三層構造もしくは医薬品を含有させ
た中心部と、その外周囲にコラーゲンを配した球状を呈
し、又、コラーゲンとしては、例えば、分子末端部分の
テロペプタイドを除去し、抗原性のないアテロコラーゲ
ンを用いたり(特開昭56−122317号及び特開昭
57−55146号公報)、或いはコラーゲンをサクシ
ニル化、アセチル化又はメチル化或いはエチル化などの
アルキル化を行なったコラーゲン誘導体が用いられてい
る。
内において溶解・吸収されるために従来より生体内で薬
物を徐々に放出する医薬徐放剤の担体(運搬体)として
使用されることは良く知られている。これらの医薬徐放
剤は、薄膜状或いは三層構造もしくは医薬品を含有させ
た中心部と、その外周囲にコラーゲンを配した球状を呈
し、又、コラーゲンとしては、例えば、分子末端部分の
テロペプタイドを除去し、抗原性のないアテロコラーゲ
ンを用いたり(特開昭56−122317号及び特開昭
57−55146号公報)、或いはコラーゲンをサクシ
ニル化、アセチル化又はメチル化或いはエチル化などの
アルキル化を行なったコラーゲン誘導体が用いられてい
る。
【0003】しかし、この医薬徐放剤に要求される特性
としては、薬物を一定の割合で放出すると共に生体内に
埋入した際、安全性は勿論、異物感を与えるようなこと
があってはならない。殊に、眼科用医薬徐放剤の場合に
は、眼に適用した場合に異物感を与えやすく、又、適用
する場所が限られているために埋入しにくく、使用部位
も限定されるという難しさを有する。更に、症状による
薬剤量を任意に選択できないという点もある。
としては、薬物を一定の割合で放出すると共に生体内に
埋入した際、安全性は勿論、異物感を与えるようなこと
があってはならない。殊に、眼科用医薬徐放剤の場合に
は、眼に適用した場合に異物感を与えやすく、又、適用
する場所が限られているために埋入しにくく、使用部位
も限定されるという難しさを有する。更に、症状による
薬剤量を任意に選択できないという点もある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで、これらの要求
を満足すべき医薬徐放剤について種々検討した結果、微
細な粉末状の可溶性コラーゲンパウダーを担体とし、平
均粒径0.1μm以上で10μm未満の粒状の医薬徐放
剤とすることが極めて有効であることを見出し、本発明
を完成するに至ったもので、本発明の目的は、微細な可
溶性コラーゲンパウダーを担体とした平均粒径0.1μ
m以上で10μm未満の粒状の医薬徐放剤を提供するこ
とにある。
を満足すべき医薬徐放剤について種々検討した結果、微
細な粉末状の可溶性コラーゲンパウダーを担体とし、平
均粒径0.1μm以上で10μm未満の粒状の医薬徐放
剤とすることが極めて有効であることを見出し、本発明
を完成するに至ったもので、本発明の目的は、微細な可
溶性コラーゲンパウダーを担体とした平均粒径0.1μ
m以上で10μm未満の粒状の医薬徐放剤を提供するこ
とにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、可溶性
コラーゲン及び/又は可溶性コラーゲン誘導体を担体と
し、1種又は2種以上の薬剤を含有したことからなる噴
霧乾燥によって得られた平均粒径が0.1μm以上で1
0μm未満の粒状医薬徐放剤である。
コラーゲン及び/又は可溶性コラーゲン誘導体を担体と
し、1種又は2種以上の薬剤を含有したことからなる噴
霧乾燥によって得られた平均粒径が0.1μm以上で1
0μm未満の粒状医薬徐放剤である。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明について詳細に説明する。
本願発明において担体として使用する一般に可溶性コラ
ーゲンは、動物の真皮から得られるものである。この真
皮部分に、タンパク質分解酵素を作用させ、テロペプタ
イド部分を選択的に消化除去することによって、抗原性
の少ないアテロコラーゲンを得ることができる。本発明
で使用する可溶性コラーゲンには、上述のアテロコラー
ゲン、その他、酸可溶性コラーゲン、アルカリ抽出コラ
ーゲンなどが挙げられ、コラーゲン誘導体にはアシル
化、サクシニル化、または、メチル化、エチル化などの
アルキル化等の化学修飾を行ったものがあげられるが、
用途にあわせて選択する。一般に抗原性のないアテロコ
ラーゲンが好ましく、また、眼科用医薬徐放剤の担体と
しては中性で可溶性コラーゲンが好ましい。
本願発明において担体として使用する一般に可溶性コラ
ーゲンは、動物の真皮から得られるものである。この真
皮部分に、タンパク質分解酵素を作用させ、テロペプタ
イド部分を選択的に消化除去することによって、抗原性
の少ないアテロコラーゲンを得ることができる。本発明
で使用する可溶性コラーゲンには、上述のアテロコラー
ゲン、その他、酸可溶性コラーゲン、アルカリ抽出コラ
ーゲンなどが挙げられ、コラーゲン誘導体にはアシル
化、サクシニル化、または、メチル化、エチル化などの
アルキル化等の化学修飾を行ったものがあげられるが、
用途にあわせて選択する。一般に抗原性のないアテロコ
ラーゲンが好ましく、また、眼科用医薬徐放剤の担体と
しては中性で可溶性コラーゲンが好ましい。
【0007】また、医薬徐放剤に用いられる薬剤として
は、特に、制限はないが、例えば、5−フルオロウラシ
ル、ペプレオマイシン等の制癌剤やプレドニゾロン、エ
ストラジール等のステロイド系ホルモン、或は、ゲンタ
マイシン等がある。そして、医薬徐放剤中に含有される
薬剤の量としては、通常の医薬徐放剤の場合と異なら
ず、徐放剤全重量の50%以下の量である。本発明にか
かる医薬徐放剤は、噴霧乾燥によって得られた平均粒径
が0.1μm以上で10μm未満の粒状である。噴霧乾
燥によって得られた粒状であるので、きれいな球形を呈
する。そして、大きな粒状の医薬徐放剤は、使用時に異
物感を与えるので好ましくなく、また、小さすぎると操
作しにくく、また徐放効果も期待できないのである。そ
のため、平均粒径が0.1μm以上で10μm未満の範
囲の粒状物でなければならず、特に、眼科用医薬徐放剤
は約5μm程度の物が、使用者に異物感を与えないので
好ましい。本発明にかかる医薬徐放剤は、微細なコラー
ゲン担体と薬剤とが混合した状態で粒状を形成している
ものと考えられる。
は、特に、制限はないが、例えば、5−フルオロウラシ
ル、ペプレオマイシン等の制癌剤やプレドニゾロン、エ
ストラジール等のステロイド系ホルモン、或は、ゲンタ
マイシン等がある。そして、医薬徐放剤中に含有される
薬剤の量としては、通常の医薬徐放剤の場合と異なら
ず、徐放剤全重量の50%以下の量である。本発明にか
かる医薬徐放剤は、噴霧乾燥によって得られた平均粒径
が0.1μm以上で10μm未満の粒状である。噴霧乾
燥によって得られた粒状であるので、きれいな球形を呈
する。そして、大きな粒状の医薬徐放剤は、使用時に異
物感を与えるので好ましくなく、また、小さすぎると操
作しにくく、また徐放効果も期待できないのである。そ
のため、平均粒径が0.1μm以上で10μm未満の範
囲の粒状物でなければならず、特に、眼科用医薬徐放剤
は約5μm程度の物が、使用者に異物感を与えないので
好ましい。本発明にかかる医薬徐放剤は、微細なコラー
ゲン担体と薬剤とが混合した状態で粒状を形成している
ものと考えられる。
【0008】このような本発明にかかる医薬徐放剤の製
造方法について述べる。本発明に係る医薬徐放剤の製造
方法は、特に限定されないが、通常、次の方法が考えら
れる。 (1)コラーゲン溶液を等電点で沈澱させて得たコラー
ゲン沈澱物と薬剤とを混合後、凍結乾燥し、得られた複
合体を粉砕する。 (2)コラーゲン溶液中に薬剤を添加、混合後凍結乾燥
し、その後粉砕する。 (3)上記の(1)又は(2)の方法における凍結乾燥
の代りにアルコール脱水を行ない、しかる後、粉砕す
る。 以上の(1)〜(3)の何れの方法のよって行っても良
いが、これらの方法において、粉砕工程として、機械的
な粉砕方法を採用すると、発熱のためにコラーゲンが変
性する危険性があり、また、得られた徐放剤の形状が、
いびつであったり、或は繊維状できれいな粒状とはなり
にくい。更に、(3)の方法は、上記の外にコラーゲン
と薬剤との混合が困難であるという問題があるので、最
も好ましい製造方法としては、最終の工程として噴霧乾
燥手段を採用することであって、これによって、上記の
平均粒径を有するきれいな粒状の医薬徐放剤が得られ
る。
造方法について述べる。本発明に係る医薬徐放剤の製造
方法は、特に限定されないが、通常、次の方法が考えら
れる。 (1)コラーゲン溶液を等電点で沈澱させて得たコラー
ゲン沈澱物と薬剤とを混合後、凍結乾燥し、得られた複
合体を粉砕する。 (2)コラーゲン溶液中に薬剤を添加、混合後凍結乾燥
し、その後粉砕する。 (3)上記の(1)又は(2)の方法における凍結乾燥
の代りにアルコール脱水を行ない、しかる後、粉砕す
る。 以上の(1)〜(3)の何れの方法のよって行っても良
いが、これらの方法において、粉砕工程として、機械的
な粉砕方法を採用すると、発熱のためにコラーゲンが変
性する危険性があり、また、得られた徐放剤の形状が、
いびつであったり、或は繊維状できれいな粒状とはなり
にくい。更に、(3)の方法は、上記の外にコラーゲン
と薬剤との混合が困難であるという問題があるので、最
も好ましい製造方法としては、最終の工程として噴霧乾
燥手段を採用することであって、これによって、上記の
平均粒径を有するきれいな粒状の医薬徐放剤が得られ
る。
【0009】使用する可溶性コラーゲンの溶液は、pH
などを調整してコラーゲンを溶解し、その濃度を0.0
1〜10%、好ましくは0.1〜2%になるように調整
する。このコラーゲン溶液又は分散液に添加する薬剤の
濃度としては、得ようとする徐放剤の用途により、その
割合は異なる。通常、可溶性コラーゲン及び/又は可溶
性コラーゲン誘導体と薬剤との混合割合は、薬剤が50
%以下である。噴霧乾燥の条件としては、可溶性コラー
ゲンが変性又は分解しないような低温で行うことが好ま
しく、通常、出口温度が80℃以下の温度範囲で行うの
がよい。そして、噴霧乾燥の結果、得られる医薬徐放剤
の粒径は、その条件によって任意に作ることができる
が、平均粒径が、0.1μm以上で10μm未満の範囲
の粒状物になるようにする。又、酸性溶液より得られた
パウダーをアンモニアガス等により中和しても良い。更
に、目的に応じて、可溶性コラーゲン、特に、アテロコ
ラーゲンをサクシニル化、アシル化等の化学修飾を行な
ったコラーゲン誘導体を噴霧乾燥して同様のパウダーを
得ることができる。本発明にかかる担体である微細なコ
ラーゲン担体の形状を示すと図1の通りであり、医薬徐
放剤の場合も同様な形状を示している。
などを調整してコラーゲンを溶解し、その濃度を0.0
1〜10%、好ましくは0.1〜2%になるように調整
する。このコラーゲン溶液又は分散液に添加する薬剤の
濃度としては、得ようとする徐放剤の用途により、その
割合は異なる。通常、可溶性コラーゲン及び/又は可溶
性コラーゲン誘導体と薬剤との混合割合は、薬剤が50
%以下である。噴霧乾燥の条件としては、可溶性コラー
ゲンが変性又は分解しないような低温で行うことが好ま
しく、通常、出口温度が80℃以下の温度範囲で行うの
がよい。そして、噴霧乾燥の結果、得られる医薬徐放剤
の粒径は、その条件によって任意に作ることができる
が、平均粒径が、0.1μm以上で10μm未満の範囲
の粒状物になるようにする。又、酸性溶液より得られた
パウダーをアンモニアガス等により中和しても良い。更
に、目的に応じて、可溶性コラーゲン、特に、アテロコ
ラーゲンをサクシニル化、アシル化等の化学修飾を行な
ったコラーゲン誘導体を噴霧乾燥して同様のパウダーを
得ることができる。本発明にかかる担体である微細なコ
ラーゲン担体の形状を示すと図1の通りであり、医薬徐
放剤の場合も同様な形状を示している。
【0010】
【実施例】次に、実施例をもって、更に具体的に本発明
を説明するが、本発明は、これによって制限されるもの
ではない。 実施例1 牛真皮より得られたアテロコラーゲンの1%水溶液10
0mlに脱塩したα型インターフェロン(10MU/m
l)5.0mlを加え均一に撹拌混合した。得られたア
テロコラーゲンとα型インターフェロンとの混合溶液
を、噴霧乾燥機(ヤマト科学(株)製DL41)を使用
し、出口温度約45℃の温度のもとで、噴霧乾燥するこ
とにより、平均粒径5μmの粒状のアテロコラーゲンと
α型インターフェロンとの複合体パウダーの医薬徐放剤
を得た。
を説明するが、本発明は、これによって制限されるもの
ではない。 実施例1 牛真皮より得られたアテロコラーゲンの1%水溶液10
0mlに脱塩したα型インターフェロン(10MU/m
l)5.0mlを加え均一に撹拌混合した。得られたア
テロコラーゲンとα型インターフェロンとの混合溶液
を、噴霧乾燥機(ヤマト科学(株)製DL41)を使用
し、出口温度約45℃の温度のもとで、噴霧乾燥するこ
とにより、平均粒径5μmの粒状のアテロコラーゲンと
α型インターフェロンとの複合体パウダーの医薬徐放剤
を得た。
【0011】実施例2 牛真皮より得られたアテロコラーゲン2.5gをpH3
の精製水1lに溶解した後、pH9.0になるようにN
aOHで調整した。これに無水コハク酸1gを添加し、
コラーゲンをサクシニル化した。得られたサクシニル化
コラーゲンの1%水溶液1lに500μgのゲンタマイ
シンを加え、均一に撹拌混合した後、出口温度60℃の
条件のもとで、噴霧乾燥を行なうことによって平均粒径
2.5μmの粒状のサクシニル化コラーゲンとゲンタマ
イシンとの複合体パウダーよりなる医薬徐放剤を得た。
この方法と同様の方法で得られた8.0×105dpm
/mlの放射性ゲンタマイシンを含むサクシニル化コラ
ーゲンパウダー、放射性ゲンタマイシンを含むサクシニ
ル化コラーゲンフィルム及び放射性ゲンタマイシン注射
剤を用いて、涙液中の放射性ゲンタマイシンの量を測定
した。即ち、上記のパウダー、フイルム及び注射剤を兎
の眼の下瞼に挿入し、経時的に涙液のサンプルを取っ
た。サンプリングの時間は5,10,20,30分及び
1,2,4,6時間で行ない、それぞれ涙液に溶出して
くるゲンタマイシンの量を測定した。ゲンタマイシンは
14Cゲンタマイシンを用いた。その結果を図2に示す。
図2より徐放速度は、パウダーの場合がフイルムの場合
よりはやく、また、薬剤濃度は、注射剤の場合より長時
間維持することができる。
の精製水1lに溶解した後、pH9.0になるようにN
aOHで調整した。これに無水コハク酸1gを添加し、
コラーゲンをサクシニル化した。得られたサクシニル化
コラーゲンの1%水溶液1lに500μgのゲンタマイ
シンを加え、均一に撹拌混合した後、出口温度60℃の
条件のもとで、噴霧乾燥を行なうことによって平均粒径
2.5μmの粒状のサクシニル化コラーゲンとゲンタマ
イシンとの複合体パウダーよりなる医薬徐放剤を得た。
この方法と同様の方法で得られた8.0×105dpm
/mlの放射性ゲンタマイシンを含むサクシニル化コラ
ーゲンパウダー、放射性ゲンタマイシンを含むサクシニ
ル化コラーゲンフィルム及び放射性ゲンタマイシン注射
剤を用いて、涙液中の放射性ゲンタマイシンの量を測定
した。即ち、上記のパウダー、フイルム及び注射剤を兎
の眼の下瞼に挿入し、経時的に涙液のサンプルを取っ
た。サンプリングの時間は5,10,20,30分及び
1,2,4,6時間で行ない、それぞれ涙液に溶出して
くるゲンタマイシンの量を測定した。ゲンタマイシンは
14Cゲンタマイシンを用いた。その結果を図2に示す。
図2より徐放速度は、パウダーの場合がフイルムの場合
よりはやく、また、薬剤濃度は、注射剤の場合より長時
間維持することができる。
【0012】実施例3 実施例2と同様の方法によって、牛真皮より得られたサ
クシニル化コラーゲンを得た。得られたサクシニル化コ
ラーゲンの2%水溶液を噴霧乾燥することにより平均粒
径3.0μmの粒状のサクシニル化コラーゲンパウダー
を得た。次に、サクシニル化コラーゲンパウダーによる
異物感の有無を調べた。得られたサクシニル化コラーゲ
ンパウダーを生理用食塩水に0.01w/v%になるよ
うに添加した場合をA、生理用食塩水の場合をBとし、
サクシニル化コラーゲンフィルムをCとして、パネラー
10人にそれぞれ使用してもらい、パウダーによる異物
感の有無を調べた。サクシニル化コラーゲンフィルムの
場合は、5〜20mgの楕円型のものを下瞼に挿入し
た。その結果を次の表に示す。
クシニル化コラーゲンを得た。得られたサクシニル化コ
ラーゲンの2%水溶液を噴霧乾燥することにより平均粒
径3.0μmの粒状のサクシニル化コラーゲンパウダー
を得た。次に、サクシニル化コラーゲンパウダーによる
異物感の有無を調べた。得られたサクシニル化コラーゲ
ンパウダーを生理用食塩水に0.01w/v%になるよ
うに添加した場合をA、生理用食塩水の場合をBとし、
サクシニル化コラーゲンフィルムをCとして、パネラー
10人にそれぞれ使用してもらい、パウダーによる異物
感の有無を調べた。サクシニル化コラーゲンフィルムの
場合は、5〜20mgの楕円型のものを下瞼に挿入し
た。その結果を次の表に示す。
【0013】
【表1】 この結果より、サクシニル化コラーゲンフィルムは、異
物感を感じる人が多かったが、パウダーについては、異
物感を感じる人は少なく、生理食塩水の場合と有意な差
はなかった。
物感を感じる人が多かったが、パウダーについては、異
物感を感じる人は少なく、生理食塩水の場合と有意な差
はなかった。
【0014】
【発明の効果】以上述べたように、本発明は、噴霧乾燥
によって得られた平均粒径が0.1μm以上で10μm
未満の粒状の医薬徐放剤であるので、使用者に異物感を
与えることなく使用でき、また、従来の医薬徐放剤のよ
うな適応部位を選択する必要はなく、油に懸濁するなど
して患部に直接注入することができるばかりでなく、コ
ラーゲンパウダーの量を変えることによって、患者の病
状にあった投薬量を調整することが出来る。更に、医薬
徐放剤は、乾燥状態で保存でき、従って、薬剤を安定に
保つことができる。特に眼科用の薬剤と混合し、平均粒
径5μm以下になるように造粒したものは、先の実施例
で示すように、眼に適用した場合、殆ど異物感はない等
の効果を奏する。
によって得られた平均粒径が0.1μm以上で10μm
未満の粒状の医薬徐放剤であるので、使用者に異物感を
与えることなく使用でき、また、従来の医薬徐放剤のよ
うな適応部位を選択する必要はなく、油に懸濁するなど
して患部に直接注入することができるばかりでなく、コ
ラーゲンパウダーの量を変えることによって、患者の病
状にあった投薬量を調整することが出来る。更に、医薬
徐放剤は、乾燥状態で保存でき、従って、薬剤を安定に
保つことができる。特に眼科用の薬剤と混合し、平均粒
径5μm以下になるように造粒したものは、先の実施例
で示すように、眼に適用した場合、殆ど異物感はない等
の効果を奏する。
【図1】 本発明で使用する担体であるコラーゲンパウ
ダーの電子顕微鏡写真
ダーの電子顕微鏡写真
【図2】 実施例2によって得られたパウダーの徐放性
を示す図面
を示す図面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61K 47/42,9/19
Claims (1)
- 【請求項1】 可溶性コラーゲン及び/又は可溶性コラ
ーゲン誘導体を担体とし、1種又は2種以上の薬剤を含
有したことからなる噴霧乾燥によって得られた平均粒径
が0.1μm以上で10μm未満の粒状医薬徐放剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04855998A JP3240593B2 (ja) | 1998-02-16 | 1998-02-16 | 可溶性コラーゲンパウダーを担体とする医薬徐放剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04855998A JP3240593B2 (ja) | 1998-02-16 | 1998-02-16 | 可溶性コラーゲンパウダーを担体とする医薬徐放剤 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1230421A Division JP2789115B2 (ja) | 1989-09-07 | 1989-09-07 | 可溶性コラーゲンパウダーを担体とする粒状医薬徐放剤の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10182499A JPH10182499A (ja) | 1998-07-07 |
JP3240593B2 true JP3240593B2 (ja) | 2001-12-17 |
Family
ID=12806754
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP04855998A Expired - Fee Related JP3240593B2 (ja) | 1998-02-16 | 1998-02-16 | 可溶性コラーゲンパウダーを担体とする医薬徐放剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3240593B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6375972B1 (en) | 2000-04-26 | 2002-04-23 | Control Delivery Systems, Inc. | Sustained release drug delivery devices, methods of use, and methods of manufacturing thereof |
CA2447618A1 (en) | 2001-05-23 | 2002-11-28 | Tanabe Seiyaku Co., Ltd. | A composition for regenerative treatment of cartilage disease |
MXPA03010679A (es) | 2001-05-23 | 2004-03-02 | Tanabe Seiyaku Co | Una composicion para acelerar la cicatrizacion de fractura osea. |
US8871241B2 (en) | 2002-05-07 | 2014-10-28 | Psivida Us, Inc. | Injectable sustained release delivery devices |
WO2003094888A1 (en) * | 2002-05-07 | 2003-11-20 | Control Delivery Systems, Inc. | Processes for forming a drug delivery device |
-
1998
- 1998-02-16 JP JP04855998A patent/JP3240593B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH10182499A (ja) | 1998-07-07 |
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