JP3240376U - 充電式電動工具用テーパーソケットアダプター - Google Patents

Abstract

【課題】充電式電動ハンマー工具等の充電式電動工具にテーパーシャンクを備えた切削・削孔工具を使用できる、充電式電動工具用テーパーソケットアダプターを提供する。【解決手段】充電式ハンマードリル１で、切削・削孔加工を行うとき、テーパーシャンクを有する切削・削孔工具により、切削・削孔加工に用いるテーパーソケットアダプター４である。テーパーソケットアダプター４は、一端にテーパーシャンク６を挿入するテーパー穴７を有し、他端にはテーパー穴７と同一軸線に配置された四角形の角穴５からなる。テーパーシャンクを有する切削・削孔工具を着脱自在に取り付けて、高トルクが必要な切削・削孔加工に使用できる。【選択図】図１

Description

本考案は、充電式電動工具用テーパーソケットアダプターに関する。更に詳しくは、鉄道軌道等の補修用に用いる充電式電動工具に使用するものであり、これにテーパーシャンクを有するドリル等の切削・削孔工具を取り付け可能な充電式電動工具用テーパーソケットアダプターに関する。

近年、建築、土木等の現場で、コードレスの充電式ハンマードリル等の充電式ハンド工具が用いられている。充電式ハンド工具は、コードレスのために使い易く作業効率も高い。他方、鉄道における軌道は、コンクリート枕木にレールが締結装置で固定されている。この締結装置は、種々のものが提案され使用されているが、この中でコンクリート枕木に埋め込まれた埋込栓（ポリアミド製等）に形成された雌ネジに、ボルトをねじ込んでレールを固定するものがある。この埋込栓のネジ山が経年劣化により欠落することがあり、欠落するとレールを固定機能がなくるなるのでコンクリート枕木を交換する必要がある。そこで産業廃棄物を減量するために、コンクリート枕木毎交換して廃棄することなく、埋込栓の欠落したネジ山を再生して、再度、ねじ締結ができる工法で補修されている。このとき、ドリル、リーマ等の穿孔工具を装着したハンマー工具で、欠落した埋込栓のネジ穴のねじ山を削る必要がある。通常、頑強なねじ山を削るために、充電式ハンマードリルが用いられている。

一方、エレベータの据付工具において、ネジ穴内の塗装を清掃するために電動インパクトレンチのチャックに、タップを直接的に把持できないので、アダプターを取り付けて、このアダプターにタップを挿入して取付け、このタップで塗装穴を清掃するものが提案されている（特許文献１及び２）。同様に、電動インパクトレンチにおいて、アダプタを介して、切削工具を取り付けるものが提案されている。他方、切削工具とアダプタを一体にしたものも提案されている（特許文献３）。

特開２０１１－５１７０１号 特開２０２２－３４５１０号 特開２０１５－２２３６５９号

鉄道の締結装置の補修作業に用いる切削・削孔工具は、比較的大径であり、かつ硬いSMC（Sheet Molding Compound）材、熱硬化性樹脂等を削る、削孔する必要があることから、切削・削孔加工能力が高いテーパーシャンクドリル（モールステーパシャンクドリル）等が用いられている。前述した特許文献１～３に記載されたドリル等の切削工具は、アダプターのネジ穴にねじ込んで挿入して固定するものであり、テーパーシャンクドリル等のようにテーパーシャンクを備えた工具には使えないし、テーパーシャンクドリル等の使用は想定されていない。
本考案の目的は、充電式電動ハンマー工具等の充電式電動工具にテーパーシャンクを備えた切削・削孔工具を使用できる、充電式電動工具用テーパーソケットアダプターを提供することにある。

本考案１の充電式電動工具用テーパーソケットアダプターは、
テーパーシャンクを有する切削・削孔工具により、切削・削孔加工する充電式電動工具用テーパーソケットアダプターにおいて、
一端に前記テーパーシャンクを挿入するテーパー穴、及び
前記テーパー穴と同一軸線に配置された四角形の穴
からなるテーパーソケットアダプターと、
一端が前記四角形の穴に挿入され、他端が前記充電式ハンマー工具の回転出力軸に固定されたチャックに把持される棒状のシャンクとからなる。

本考案２の充電式電動工具用テーパーソケットアダプターは、本考案１において、前記シャンクは、前記他端に連結用のピンを挿入するためのシャンク貫通孔が形成され、
前記テーパーソケットアダプターは、前記四角形の穴の位置で、前記軸線と直交する方向に形成され、前記シャンク貫通孔と連通する貫通孔である連結用ピン孔を有することを特徴とする。

本考案３の充電式電動工具用テーパーソケットアダプターは、本考案２において、前記充電式工具は、打撃と回転を与える充電式ハンマードリルであり、前記切削・削孔工具は、ドリルであることを特徴とする。

本考案の充電式電動工具用テーパーソケットアダプターは、充電式電動工具ハンマー等にテーパーシャンクを備えた切削・削孔工具を使用できるので、高トルクが必要なドリル加工等に使用できる。

図１は、ドリルを取り付けた充電式ハンマードリルの外観を示す正面図である。 図２は、テーパーソケットアダプターの拡大正面図であり、図２（ａ）は左側面図、図２（ｂ）は右側面図である。 図３は、図２のＡ－Ａ線断面図である。 図４は、シャンクの 拡大正面図であり、図２（ａ）は左側面図、図２（ｂ）は右側面図である。

以下、本考案の充電式電動工具用テーパーソケットアダプターの実施の形態を図面に基づいて説明する。図１は、ドリルを取り付けた充電式ハンマードリルの外観を示す正面図である。充電式ハンマードリル１は、本体と一体にバッテリーを有しており、商用電源等に接続することなく、使用できるものである。電動機の回転出力軸は、工具等を固定するチャック２を有している。チャック２は、ＳＤＳプラスシャンク（商標名、以下、「シャンク」という。）３の後端を把持し、このシャンク３の先端はテーパーソケットアダプター４の後端の角穴５に挿入され、互いに連結されている。更に、テーパーソケットアダプター４の先端の規格化されたテーパー穴７には、テーパーシャンクドリル８のテーパーシャンク６の部分が挿入されて固定されている。従って、充電式ハンマードリル１の電動機の回転、打撃出力は、チャック２、シャンク３、テーパーソケットアダプター４、及びテーパーシャンクドリル８の順に伝達される。なお、充電式ハンマードリル１は、回転と打撃力でドリル加工するものであり、この構造、機能は周知技術であり、本考案の要旨でもないのでその説明は省略する。

［テーパーソケットアダプター４］
図２は、テーパーソケットアダプター４の拡大正面図であり、図２（ａ）は左側面図、図２（ｂ）は右側面図である。図３は、図２のＡ－Ａ線断面図である。図３は、図２（ｂ）のＡ－Ａ線で切断した断面図である。テーパーソケットアダプター４は、シャンク３とテーパーシャンクドリル５とを接続するためのものであり、回転と打撃を伝達する一種の継手である。テーパーソケットアダプター４の後端の中心には、断面形状が四角形の角穴５が形成されている。四角形の角穴５は、シャンク３の先端の断面が四角形の連結角部３３（図４参照）を挿入して、シャンク３とテーパーソケットアダプター４を相互に連結するために形成されている。テーパーソケットアダプター４は、断面の外形が円形であり、角穴５の位置にはこの角穴５の軸線に直交する方向に、直径方向の貫通孔である連結用ピン孔４１が形成されている。

連結用ピン孔４１は、これに連結ピン（図示せず）を挿入して、シャンク３とテーパーソケットアダプター４を外れないように連結するための貫通孔である。連結用ピン孔４１の外周には、Ｏリング（図示せず）装着用の断面が半円孤状のＯリング溝４２が形成されている。Ｏリング溝４２は、これにＯリングを装着してピンを固定するものである。テーパーソケットアダプター４の先端には、テーパー穴４５が形成されている。テーパー穴４５は、テーパーシャンクドリル５のテーパーシャンク６の部分を挿入して、固定するためのものである。従って、テーパー穴４５とテーパーシャンク６とは、テーパー角度が一致する必要がある。充電式ハンマードリル１の電動機の回転出力を円滑に伝達するために、チャック２、シャンク３、角穴５、及びテーパー穴４５の軸線は、一致している。

テーパーソケットアダプター４の略中央部には、その軸線と直交する方向に、貫通孔であるコッタ孔４６が形成されている。コッタ孔４６は、断面形状が長方形状の貫通孔である。コッタ孔４６は、テーパー穴４５とテーパーシャンク６とが密着して外れないとき、これにコッタ（図示せず。）を挿入して、テーパーシャンクドリル５の頭部をコッタの傾斜面で押して、テーパーシャンクドリル５をテーパーソケットアダプター４から取り外すためのものである。

［シャンク３］
図４は、シャンク３の正面図であり、図４（ａ）は左側面図、図５（ｂ）は右側面図である。シャンク３は、充電式ハンマードリル１の電動機のチャック２とテーパーソケットアダプター４を相互に連結するものである。充電式ハンマードリル１のチャック２の回転、及び打撃出力は、シャンク３からテーパーソケットアダプター４に伝達される。シャンク３の断面形状は、中実の円形であり、その後端の外周面には軸線方向に凹溝３１が形成されている。シャンク３の凹溝３１は、等角度に３つ形成されている。凹溝３１は、チャック２の爪（図示せず）が挿入されて把持されるので、滑りが発生しにくい。シャンク３の先端に近い位置には、円形の鍔３２が形成されている。

鍔３２の先端には、連結角部３３が一体に設けられおり、連結角部３３は断面形状が四角形である。連結角部３３には、シャンク３の軸線と直交する方向に貫通孔３４が形成されている。テーパーソケットアダプター４の角穴５にシャンク３の連結角部３３が挿入されると、テーパーソケットアダプター４の連結用ピン孔４１、連結角部３３の貫通孔３４とが軸線が一致し、両貫通孔にピン（図示せず）が貫通して挿入できる。なお、テーパーソケットアダプター４の後端面４３とシャンク３の鍔３２の先端面３５との間に、打撃を緩衝する銅リング（図示せず）等を介在させても良い。
［その他の実施乃形態］
前述した充電式ハンマードリル１は、回転と打撃を与えて切削・削孔するものであったが、充電式ハンマードリル１ではなく、振動式ドリルであっても良い。

１…充電式ハンマードリル
２…チャック
３…シャンク
４…テーパーソケットアダプター
５…角穴
６…テーパーシャンク
７…テーパー穴
８…テーパーシャンクドリル
３２…鍔
３３…連結角部
３４…貫通孔
３５…先端面
４１…連結用ピン孔
４２…Ｏリング溝
４３…後端面
４５…テーパー穴
４６…コッタ孔

本考案１の充電式電動工具用テーパーソケットアダプターは、
テーパーシャンクを有する切削・削孔工具により、切削・削孔加工する充電式電動工具において、
一端に前記テーパーシャンクを挿入するテーパー穴、及び
前記テーパー穴と同一軸線に配置された四角形の穴
からなるテーパーソケットアダプターと、
一端が前記四角形の穴に挿入され、他端が前記充電式電動工具の回転出力軸に固定されたチャックに把持される棒状のシャンクとからなる。

本考案３の充電式電動工具用テーパーソケットアダプターは、本考案２において、前記充電式電動工具は、打撃と回転を与える充電式ハンマードリルであり、前記切削・削孔工具は、ドリルであることを特徴とする。

Claims (3)

1. テーパーシャンクを有する切削・削孔工具により、切削・削孔加工する充電式電動工具用テーパーソケットアダプターにおいて、
   一端に前記テーパーシャンクを挿入するテーパー穴、及び
   前記テーパー穴と同一軸線に配置された四角形の穴
   からなるテーパーソケットアダプターと、
   一端が前記四角形の穴に挿入され、他端が前記充電式ハンマー工具の回転出力軸に固定されたチャックに把持される棒状のシャンクと
   からなる充電式電動工具用テーパーソケットアダプター。
2. 請求項１に記載の充電式電動工具用テーパーソケットアダプターにおいて、
   前記シャンクは、前記他端に連結用のピンを挿入するためのシャンク貫通孔が形成され、
   前記テーパーソケットアダプターは、前記四角形の穴の位置で、前記軸線と直交する方向に形成され、前記シャンク貫通孔と連通する貫通孔である連結用ピン孔を有する
   ことを特徴とする充電式電動工具用テーパーソケットアダプター。
3. 請求項２に記載の充電式電動工具用テーパーソケットアダプターにおいて、
   前記充電式工具は、打撃と回転を与える充電式ハンマードリルであり、
   前記切削・削孔工具は、ドリルである
   ことを特徴とする充電式電動工具用テーパーソケットアダプター。

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