JP3240277U - 手押し車のロック装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】シンプルな構造で停止時の車輪による不慮の移動を確実に防止する手押し車のロック装置を提供する。【解決手段】停止時に設置台11の各車輪12による移動を規制するロック装置2として、進退移動部材22の進退移動により設置台11の移動を規制する圧接位置と設置台11の移動を許容する離間位置とに変換する変換機構3をノックカム機構4により構成する。ノックカム機構4は、筒部材21に固定したカム本体35の各溝31でノック棒39及び回転子43の各リブ37,41を下方へ進出動させると、各溝31から離脱した回転子43の各リブ41が回転して先端を連結片34に係合させ、進退移動部材22を圧接位置に変換する。一方、ノック棒39を再度進出動させると、回転子43の各リブ41が、回転して上端を連結片34から離脱させ、カム本体35の各溝31に下方から挿通されて上方へ後退動し、進退移動部材22を離間位置に変換する。【選択図】図3
Description
本考案は、手押し車の停止時に車輪による移動を不能とするようにロックするロック装置に関する。
従来より、この種の手押し車としては、ハンドルの下側に制動レバーが設けられたものが知られている(特許文献1参照)。この制動レバーは、ハンドルに接近する方向へ操作すると、車輪にブレーキシューが押し付けられて当該車輪が制動する。一方、操作レバーをハンドルから離反する方向へ操作すると、車輪にブレーキシューが押し付けられた状態に保持され、車輪による移動を不能とするようにロックされる。
ところで、手荷物などを搬送するカートなどの手押し車は、高齢者の歩行を補助するためのものではなく、通常歩行の可能な人が荷物を好適に運搬する際に用いられるものである。このため、カートなどの手押し車は、通常歩行に則した荷物の運搬時に操作者が動きを掌握できるものであることから、敢えて車輪を制動するための制動機構が必要ではないものの、停止時に車輪による不慮の移動を防止したいという要求がある。
その場合、カートなどの手押し車においても、停止時に車輪による移動をブレーキシューの押し付けによってロック状態にすることが考えられるが、ブレーキシューやこれを車輪に押し付ける制動機構、及び制動機構を操作する制動レバーなどの制動装置が新たに必要となり、構造が非常に大掛かりなものとなる。
しかも、カートなどの手押し車では、車輪を制動する必要がないことから、大掛かりな構造となる制動装置を採用するデメリットが高く、その対策が切望されていた。
本考案は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、シンプルな構造で停止時に車輪による不慮の移動を確実に防止することができる手押し車のロック装置を提供することにある。
前記目的を達成するため、本考案では、設置台の下面に当該設置台の移動を可能とする複数の車輪が設けられ、停止時に前記各車輪による移動を不能とするようにロックする手押し車のロック装置を前提とする。更に、前記設置台に、前記各車輪の接地面に対し下端面が圧接した状態で前記各車輪による前記設置台の移動を規制する圧接位置と、前記接地面に対し前記下端面が非接触状態に離間した状態で前記各車輪による前記設置台の移動を許容する離間位置との間で進退移動する進退移動部材を設けるとともに、前記進退移動部材を前記圧接位置と前記離間位置とに変換させる変換機構を設ける。そして、前記変換機構を、前記設置台を上下方向へ貫通する筒部材の内側に設けられている一方内周面の周方向等間隔置きに軸線方向へ延びる複数の凸部及びその凸部同士の間に溝を有し、かつ前記各凸部の下端部に第1カム面と当該各第1カム面のうちの互いに相隣なる少なくとも1組の第1カム面同士の間の溝を下端位置において塞ぐように連結する連結片とを有するカム本体と、前記カム本体の各溝にそれぞれ挿通される複数のリブを外周面に有するとともに、その各リブの下端面に第2カム面を有し、付勢手段により前記離間位置に付勢された前記進退移動部材を前記付勢手段の付勢力に抗して進出させる進退動可能なノック棒と、前記進退移動部材の進退動と連動して進退動し、前記カム本体の各溝にそれぞれ挿通される複数のリブを外周面に有しかつ当該各リブの上端を前記各第1カム面と前記各第2カム面とに噛み合わせつつ回転する一方前記各リブの上端を前記連結片に係合させた際に回転が停止する回転子と、を備えたノックカム機構により構成することを特徴としている。
また、前記ノック棒を、足の踏み込み操作により前記回転子を介して前記進退移動部材を前記圧接位置と前記離間位置とに変換させるようにしていてもよい。
また、前記進退移動部材を、前記設置台の移動時に操作者の近傍となる当該設置台の操作者近傍位置に設けていてもよい。
また、前記設置台に、当該設置台を移動させる操作者の一側方において上方へ立設された支柱を設けるとともに、この支柱の上端に連結された操作レバーを設ける。そして、前記設置台を、前記操作レバーによって前記操作者の一側方で横向きに移動するように操作してもよい。
また、前記設置台に、上方に開口する開口部を有する平面視で略矩形状の容器を搭載し、前記容器の周囲を、前記支柱の上端部に固設された平面視で略矩形枠状のフレーム材により囲んでいてもよい。
更に、前記支柱と対向する前記フレーム材の対向位置に、店舗内での購入予定品を入れる買い物カゴを前記フレーム材上において外方から安定した状態で支持する支持フレームを回動自在に設ける。そして、前記支持フレームを、前記フレーム材の内方へ倒伏する内方倒伏位置と前記フレーム材の外方へ起立する外方起立位置とに変換し、前記外方起立位置に変換した際に前記買い物カゴを前記支柱の対向位置側から支持するようにしてもよい。
以上、要するに、進退移動部材の進退移動により設置台の移動を規制する圧接位置と設置台の移動を許容する離間位置とに変換する変換機構を、ノックカム機構により構成している。つまり、ノックカム機構は、筒部材の内側のカム本体の各溝に挿通されたノック棒及び回転子の各リブを、ノック棒の第2カム面に対し回転子の各リブの上端を噛み合わせた状態で付勢手段の付勢力に抗して進出動させ、カム本体の各溝から離脱した際に第1カム面と噛み合って回転し、連結片との係合により付勢手段の付勢力に抗して進退移動部材を圧接位置に変換する。この状態から、ノック棒を再度進出動させると、回転子の各リブの上端が、連結片から離脱し、回転方向隣の各第1カム面と噛み合って回転しながらカム本体の各溝に下方から挿通され、ノック棒の各第2カム面に噛み合った状態で各溝を後退動し、進退移動部材を離間位置に変換する。
これにより、制動装置のような大掛かりな構造を採用する必要がなく、ノックカム機構といったシンプルな構造のロック装置によって停止状態での手押し車の車輪による不慮の移動を確実に防止することができる。
また、ノック棒を足の踏み込み操作して、進退移動部材を回転子を介して圧接位置と離間位置とに変換させることで、操作者が身体を屈めたり座り込むなどしてノック棒を操作する必要がなく、足の踏み込み操作によって進退移動部材を圧接位置と離間位置とに簡単に変換させることができる。
また、設置台の移動時に操作者の一側方において設置台よりの操作者近傍位置に進退移動部材を設けることで、進退移動部材の変換状態を目視により確認することも可能となり、進退移動部材の圧接位置と離間位置との判別を速やかに行うことができる。
また、操作者の一側方において設置台より上方へ立設した支柱の上端の操作レバーによって操作者の一側方を横向きに移動するように設置台を操作することで、手押し車を若々しくスマートに利用することが可能となり、手押し車を利用するユーザ層の拡大にも貢献することができる。
また、設置台に搭載した上方に開口する開口部を有する略矩形状の容器の周囲を、支柱の上端部に固設した略矩形枠状のフレーム材により囲むことで、容器を安定した状態で設置台に搭載することができる。
更に、買い物カゴを安定した状態で載置可能とする支持フレームをフレーム材の対向位置に回動自在に設け、支持フレームを内方倒伏位置と外方起立位置とに変換させることで、支持フレームを内方倒伏位置に変換した際にフレーム材の内方へ倒伏して不使用時に見栄えよく隠しておくことができる。一方、支持フレームを外方起立位置に変換した際にフレーム材の外方へ起立して買い物カゴを支柱の対向位置側から安定した状態で支持することができる。
以下、本考案の実施の形態に係るロック装置を備えた手押し車を図面に基づいて説明する。
図1は本考案の実施の形態に係るロック装置の進退移動部材を離間位置に変換しかつ支持フレームを内方倒伏位置に変換した状態を示す手押し車としてのサイドカーの斜視図を示している。また、図2は図1のサイドカーを反支柱側となる正面側から見た正面図、図3は図2のA-A線で切断した断面図をそれぞれ示している。
図1~図3に示すように、1は下端部に矩形平板状の設置台11を有する手押し車としてのサイドカーである。設置台11には、その周囲より上下方向へ延びる縁10が設けられている。設置台11の下面四隅には、転動自在な車輪12,12,…が上下方向に延びる軸回りに回転自在に支持されている。
サイドカー1は、設置台11に載せた荷物を移動させる操作者の一側方(図3では左側方)となる設置台11の一側において上方へ立設された一対の一側支柱13,13(支柱)を備えている。この両一側支柱13,13の上端には、それぞれ両側部が挿通された操作レバー14を備えている。
操作レバー14は、下方に開口する略コの字状に形成され、各一側支柱13に対しそれぞれ下端から挿通された両側部の長さが変更可能となっている。また、操作者から離れた設置台11の他側端(図3では右端)には、一対の他側支柱15,15が設けられている。この場合、各車輪12が上下方向に延びる軸回りに回転自在に支持されているので、設置台11は、操作レバー14によって操作者の一側方を横向きつまり短手側の辺が進行方向前後に位置した状態で移動するように操作することも可能である。
図4は図1のサイドカー1の設置台11の斜視図を示している。また、図5は図4の設置台11を反支柱側としての他側支柱15側から見た正面図、図6は図5のB-B線で切断した断面図をそれぞれ示している。
図4~図6にも示すように、両一側支柱13,13は、断面楕円筒状に形成され、設置台11の一側端において互いに間隔を隔てて上方へ突出する略楕円筒状の支持具16,16にそれぞれ下端が挿通された状態で固定されている。一方、両他側支柱15,15も、断面楕円筒状に形成され、設置台11の他側端において互いに間隔を隔てて縁10と共に上方へ突出する略楕円筒状の支持具17,17にそれぞれ下端が挿通された状態で固定されている。各一側支柱13及び各他側支柱15は、ほぼ同じ高さに設定されている。
そして、各一側支柱13及び各他側支柱15の上端部には、フレーム材としての略矩形枠状の上側矩形フレーム材18の一側及び他側がそれぞれ連結されている。また、各一側支柱13及び各他側支柱15の上下方向略中間位置にも、略矩形枠状の下側矩形フレーム材19の一側及び他側がそれぞれ連結されている。下側矩形フレーム材19は、設置台11の縁10の短手側辺の略中間位置よりそれぞれ上方へ突出する支持柱191,191の上端に連結されている。
図7は図3のロック装置付近を拡大した拡大断面図、図8は図7のロック装置の筒部材のみを断面で示す拡大断面図をそれぞれ示している。また、図9は図7のロック装置付近の斜視図、図10は図9のロック装置のカム本体を筒部材の下方から見た底面図をそれぞれ示している。更に、図11は図10のC-C線で切断した断面図をそれぞれ示している。
また、図12は図1のロック装置の進退移動部材を圧接位置に変換した状態を示すサイドカー1の斜視図を示している。更に、図13は図12のサイドカー1を正面側から見た正面図、図14は図12のサイドカー1を背面側から見た背面図、図15は図12のサイドカー1を右側方から見た右側面図をそれぞれ示している。
図7~図15にも示すように、設置台11の一側端略中央位置には、サイドカー1の停止時に各車輪12による移動を不能とするようにロックするロック装置2が設けられている。このロック装置2は、設置台11の一側端略中央位置を上下に貫通する円筒状の筒部材21の内部より下方へ突出し、各車輪12の接地面Lに対し下端面が圧接する圧接位置と、接地面Lに対し下端面が非接触状態に離間する離間位置との間で進退移動する進退移動部材22を備えている。このとき、進退移動部材22は、圧接位置に進出した状態で各車輪12による設置台11の移動を規制する一方、離間位置に後退した状態で各車輪12による設置台11の移動を許容している。
また、ロック装置2は、進退移動部材22を圧接位置と離間位置とに変換させる変換機構3を備えている。変換機構3は、筒部材21の内側に設けられた略円筒状のカム本体35を備えている。このカム本体35は、内周面を周方向等間隔置きに軸線m方向へ延びる6つの凸部32,32,…と、その各凸部32,32同士の間をそれぞれ軸線m方向へ延びる溝31とを備えている。
各凸部32の下端面には、当該各凸部32の下端面を周方向一側(後述する回転子43の回転方向)に向かってそれぞれ斜め下向きに傾斜させた第1カム面331~336が周方向に順に形成されている。更に、各第1カム面331~336のうち、互いに相隣なる2組の第1カム面332,333、及び334,335(図10に表れる)同士の間には、当該2組の第1カム面332,333、及び334,335同士の間の各溝31を下端位置において塞ぐように連結する連結片34が設けられている。この場合、カム本体35の各溝31の上部には、後述するノック棒39とのがたつきを抑制する短冊状のスペーサ20(図10及び図11に表れる)が設けられている。
図16は図13のD-D線で切断した断面図、図17は図12のサイドカー1を上方から見た平面図、図18は図12のサイドカー1を下方から見た底面図をそれぞれ示している。また、図19は図16のロック装置2付近を拡大した拡大断面図、図20は図19のロック装置2の筒部材21のみを断面で示す拡大断面図、図21は図19のロック装置2付近の斜視図をそれぞれ示している。更に、図22は図20のロック装置2のノック棒により下方に押された回転子がカム本体35の各溝31から離脱する直前の状態を示す説明図、図23は図22のロック装置2の回転子がカム本体35の連結片に係合したロック状態を説明する説明図をそれぞれ示している。
図16~図23にも示すように、変換機構3は、筒部材21に上方から挿通されるノック棒39の下端部に上端部が嵌合により固定された有底筒状の筒状部材40を備えている。この筒状部材40の外周面には、カム本体35の各溝31にそれぞれ上下方向に摺動自在となるように挿通される6つのリブ37,37,…が設けられているとともに、下端面に周方向へ連続して逆V字状に切り欠かれた6つの第2カム面38,38,…が設けられている。このノック棒39の上端は、足踏み可能なペダル状に形成され、足による踏み込みに連動して進退移動部材22を進退移動させるようにしている。
更に、変換機構3は、カム本体35の各溝31にそれぞれ摺動自在に下方から挿通される周方向等間隔置きの3つのリブ41,41,41を外周面に有する回転子43を備えている。この回転子43は、進退移動部材22の進退移動と連動してカム本体35の各溝31に各リブ41を沿わせて上下方向へ進退動する。なお、進退移動部材22の下面には、当該進退移動部材22が圧接位置に変換された際の接地面Lに対する圧接をより強固にするゴムパッド30が取り付けられている。
また、回転子43は、足によるノック棒39の踏み込みによってカム本体35の各溝31から各リブ41が離脱した際に所定回りに回転する。この各リブ41は、回転子43の回転方向後側へ斜め下向きに傾斜し、先端(上端)がカム本体35の第1カム面331~336及び筒状部材40の各第2カム面38に対し噛み合い易い形状となっている。そして、回転子43の各リブ41は、カム本体35の各溝31から離脱した際に回転する一方、カム本体35の連結片34に係合した際に回転が停止し、ノック棒39が再度踏み込まれた際に連結片34から離脱して係合解除されると回転する。この場合、変換機構3は、カム本体35とノック棒39下端部の筒状部材40と回転子43とを備えたノックカム機構4を構成している。
ここで、ノックカム機構4について説明する。
先ず、図7~図9に示すように、進退移動部材22が離間位置に後退した状態にあるときに、ノック棒39の各リブ37と回転子43の各リブ41とはそれぞれカム本体35の各溝31内で上下方向に摺動自在に支持されている。このとき、進退移動部材22及びノック棒39は、進退移動部材22と筒部材21との間に縮装された付勢スプリング44(付勢手段)によって互いに上方へ付勢されている。
このため、ノック棒39下端部の筒状部材40の第2カム面38に対し、進退移動部材22と共に進退動する回転子43の各リブ41の先端(上端)が噛み合っている。このとき、ノック棒39(筒状部材40)の第2カム面38に対し回転子43の各リブ41の先端は噛み合い始めた状態である。
この状態から、図20及び図21に示すように、ノック棒39の上端を足で踏み込むと、図22に示すように、筒状部材40の第2カム面38に対し回転子43のリブ41の先端が噛み合い始めた状態のままで、進退移動部材22が下方へ進出動する。その後、回転子43の各リブ41がカム本体35の各溝31内から下方へ離脱すると、回転子43が所定回り(図23に示す矢印方向)に回転し、筒状部材40の第2カム面38に対する回転子43の各リブ41の先端の噛み合いが進行する。
それから、図23に示すように、回転子43の各リブ41の先端がカム本体35の第1カム面332,334と噛み合った後、回転子43の各リブ41が付勢スプリング44の付勢力によって回転しながらカム本体35の連結片34に係合する。これにより、回転子43の所定回りの回転を停止させるとともに、進退移動部材22の離間位置への後退動を規制して圧接位置に変換する。このとき、回転子43の残るリブ41は、カム本体35の第1カム面336,331との間の溝31の下方に位置している。この場合、設置台11の一側(一側支柱13側)の車輪12は接地面Lに対し離間している一方、設置台11の他側(他側支柱15側)の車輪12は接地面Lに対し接地している。
その後、ノック棒39を再度踏み込むと、付勢スプリング44の付勢力に抗して回転子43が押し下げられて各リブ41がカム本体35の連結片34から離脱し、回転子43の2つのリブ41,41の先端がカム本体35の第1カム面333,335と噛み合って、回転子43を所定回りに回転させる。このとき、回転子43の残るリブ41は、カム本体35の第1カム面331と噛み合う。
しかる後、回転する回転子43の各リブ41が、付勢スプリング44の付勢力により、カム本体35の第1カム面331,333,335から隣の第1カム面332,334,336との間の各溝31に下方から挿通される。すると、回転子43の所定回りの回転が停止し、付勢スプリング44の付勢力による進退移動部材22の後退動によって、回転子43をカム本体35の各溝31に沿って上方へ移動させることで、進退移動部材22を離間位置へ変換する。
図24は図1の支持フレームを外方起立位置に変換した状態を示すサイドカー1の斜視図、図25は図24のサイドカー1を正面から見た正面図をそれぞれ示している。また、図26は図24のサイドカー1を右側方から見た右側面図、図27は図24のサイドカー1を上方から見た平面図をそれぞれ示している。
図24~図27に示すように、各一側支柱13に対向する上側矩形フレーム材18の他側の対向位置には、買い物カゴK(後述する)を上側矩形フレーム材18上において安定した状態で支持する支持フレーム51が回動自在に設けられている。
図28は図24のサイドカー1にも蓋により開口部を閉塞した容器を搭載している状態を示す斜視図を示している。また、図29は図28のサイドカー1を右側方から見た右側面図、図30は図28のサイドカー1を上方から見た平面図をそれぞれ示している。
図28~図30に示すように、設置台11には、上方に開口する開口部(図示せず)を有する容器52が搭載されている。この容器52は、平面視で上側矩形フレーム材18及び下側矩形フレーム材19よりも若干小さい略矩形状に形成され、上側及び下側矩形フレーム材18,19によって周囲が囲まれている。このとき、支持フレーム51は、内方倒伏位置に変換した際に容器52の内方へ倒伏している。
また、容器52は、開口部を開閉する平板状の蓋53を備えている。この蓋53は、容器52の開口縁の一側(図29では右側)に回転自在に支持され、閉塞時に周囲が上側矩形フレーム材18の一側を除く部位に接地した状態で保持される。開放時は容器52の開口縁の一側を支点にして持ち上げられる。
図31は図28のサイドカー1の蓋53の上に買い物カゴを載せた状態を示す斜視図を示している。また、図32は図31のサイドカー1を正面側から見た正面図、図33は図31のサイドカー1を右側方から見た右側面図、図34は図31のサイドカー1を下方から見た底面図をそれぞれ示している。
図31~図34に示すように、上側矩形フレーム材18上となる蓋53の上には、店舗内での購入予定品を入れる買い物カゴKが載置されている。また、支持フレーム51は、略コの字状に形成され、上側矩形フレーム材18の他側の左右両位置つまり各他側支柱15との連結部位の外側に当該上側矩形フレーム材18の他側の軸回りに回転自在に支持された回転支持部50,50に両端が連結されている。そして、支持フレーム51は、上側矩形フレーム材18の内方(容器52の内方)へ倒伏する内方倒伏位置(図1~3、12~図17に示す位置)と上側矩形フレーム材18の外方へ起立する外方起立位置(図24~図34に示す位置)とに変換される。また、支持フレーム51は、外方起立位置に変換した際に底部が衝立状に立ち上がり、買い物カゴKを各一側支柱13の対向位置側となる各他側支柱15側から支持することで、上側矩形フレーム材18上から買い物カゴKを落ち難く安定した状態で保持している。
したがって、本実施の形態では、進退移動部材22の進退移動により設置台11の各車輪12による移動を規制する圧接位置と設置台11の各車輪12による移動を許容する離間位置とに変換する変換機構3を、ノックカム機構4により構成している。
つまり、ノックカム機構4としては、筒部材21の内側に設けたカム本体35の各溝31に挿通されたノック棒39及び回転子43の各リブ37,41が、ノック棒39下端部の筒状部材40の第2カム面38に対し回転子43の各リブ41の上端を噛み合わせた状態で付勢スプリング44の付勢力に抗して下方へ進出動する。その後、回転子43の各リブ41が、カム本体35の各溝31から離脱すると、第1カム面332,334と噛み合って回転し、付勢スプリング44の付勢力により連結片34と係合して進退移動部材22を圧接位置に変換する。この状態から、ノック棒39を付勢スプリング44の付勢力に抗して再度進出動させると、回転子43の各リブ41の上端が、連結片34から離脱し、回転方向隣の各第1カム面333,335と噛み合って回転しながらカム本体35の各溝31に下方から挿通され、ノック棒39の各第2カム面38に噛み合った状態で各溝31を後退動し、進退移動部材22を離間位置に変換する。
これにより、制動装置のような大掛かりな構造を採用する必要がなく、ノックカム機構4といったシンプルな構造のロック装置2によってノック棒39を踏み込み操作するだけで、停止状態でのサイドカー1の各車輪12による不慮の移動を確実に防止することができる。
しかも、足によるノック棒39の踏み込み操作によって進退移動部材22が回転子43を介して圧接位置と離間位置とに変換されることにより、操作者が身体を屈めたり座り込むなどしてノック棒39を操作する必要がなく、足の踏み込み操作によって進退移動部材22を圧接位置と離間位置とに簡単に変換させることができる。
また、設置台11の移動時に操作者の一側方となる当該設置台11の一側に進退移動部材22が設けられているので、進退移動部材22の変換状態を目視により確認することも可能となり、進退移動部材22の圧接位置と離間位置との判別を速やかに行うことができる。
また、各車輪12が上下方向に延びる軸回りに回転自在に支持され、操作者の一側方において設置台11より上方へ立設した一側支柱13,13の上端の操作レバー14によって操作者の一側方を横向きに移動するように設置台11が操作されるので、サイドカー1を若々しくスマートに利用することが可能となり、サイドカー1を利用するユーザ層の拡大にも貢献することができる。
また、設置台11に搭載した上方に開口する開口部を有する略矩形状の容器52の周囲が、各一側支柱13及び各他側支柱15の上端部及び上下方向略中間位置に連結した略矩形枠状の上側及び下側矩形フレーム材18,19により囲まれているので、容器52を安定した状態で設置台11に搭載することができる。
更に、買い物カゴKを安定した状態で載置可能とする支持フレーム51が各一側支柱13に対向する対向位置側となる上側矩形フレーム材18の他側に回動自在に設けられ、支持フレーム51が内方倒伏位置と外方起立位置とに変換されている。これにより、支持フレーム51を内方倒伏位置に変換した際に上側矩形フレーム材18の内方つまり容器52の内方へ倒伏して不使用時に見栄えよく隠しておくことができる。一方、支持フレーム51を外方起立位置に変換した際に上側矩形フレーム材18の外方へ起立し、買い物カゴKを一側支柱13とその対向位置側つまり他側支柱15側からの支持フレーム51とによって安定した状態で支持することができる。
また、容器52の開口部を上方から遮蔽する蓋53が上側矩形フレーム材18の一側に支持されているので、蓋53の閉塞時に容器52の中身を目隠しすることができる一方、蓋53の開放時には容器52内に収納物を簡単に収納することができる。
なお、本考案は前記実施の形態に限定されるものではなく、その他種々の変形例を包含している。たとえば、前記実施の形態では、容器52の開口部を開閉する蓋を平板状に形成さたが、図35及び図36に示すように、上側矩形フレーム材18の他側に接地する蓋61の先端側に容器52の外側(他側)へ回り込むように下方に折れ曲がる折曲片62が設けられていてもよい。
この場合には、上側矩形フレーム材18の他側での他側支柱15の上端部との連結部位が蓋61の折曲片62によって目隠しされ、蓋61の閉塞時のサイドカー1の見栄えを向上させることが可能となる。一方、蓋61の開放時に折曲片62が把持し易いものとなり、蓋61の開閉動作を円滑に行うことが可能となる。
また、図37に示すように、蓋61が先端側片63及び基部側片64に中折れ可能に分割され、先端側片63が折曲片62と共に基部側片64の上側に折り畳まれるように構成されていてもよい。この場合には、蓋61を全開にしなくても、比較的小さな収納物であれば、先端側片63のみを開放した半開き状態にして利用することも可能となり、蓋61の多様性を図ることが可能となる。
更に、本実施の形態では、買い物カゴKを蓋53,61の上に支持したが、支持フレーム51上に支持されていてもよい。
また、本実施の形態では、回転子43の各第1カム面331~336のうちの互いに相隣なる2組の第1カム面332,333、及び334,335同士の間に連結片34を設けたが、回転子の各第1カム面のうちの互いに相隣なる1組の第1カム面同士の間に連結片が設けられていてもよい。
1 サイドカー(手押し車)
11 設置台
12 車輪
13 一側支柱(支柱)
14 操作レバー
18 上側矩形フレーム材(フレーム材)
2 ロック装置
21 筒部材
22 進退移動部材
3 変換機構
31 溝
32 凸部
33 第1カム面
34 連結片
35 カム本体
37 ノック棒のリブ
38 第2カム面
39 ノック棒
4 ノックカム機構
40 筒状部材(ノック棒のリブの下端部)
41 回転子のリブ
43 回転子
44 付勢スプリング(付勢手段)
51 支持フレーム
52 容器
53,61 蓋
K 買い物カゴ
L 接地面
m 軸線
11 設置台
12 車輪
13 一側支柱(支柱)
14 操作レバー
18 上側矩形フレーム材(フレーム材)
2 ロック装置
21 筒部材
22 進退移動部材
3 変換機構
31 溝
32 凸部
33 第1カム面
34 連結片
35 カム本体
37 ノック棒のリブ
38 第2カム面
39 ノック棒
4 ノックカム機構
40 筒状部材(ノック棒のリブの下端部)
41 回転子のリブ
43 回転子
44 付勢スプリング(付勢手段)
51 支持フレーム
52 容器
53,61 蓋
K 買い物カゴ
L 接地面
m 軸線
Claims (6)
- 設置台の下面に当該設置台の移動を可能とする複数の車輪が設けられ、停止時に前記各車輪による移動を不能とするようにした手押し車のロック装置であって、
前記設置台には、
前記各車輪の接地面に対し下端面が圧接した状態で前記各車輪による前記設置台の移動を規制する圧接位置と、前記接地面に対し前記下端面が非接触状態に離間した状態で前記各車輪による前記設置台の移動を許容する離間位置との間で進退移動する進退移動部材が設けられているとともに、
前記進退移動部材を前記圧接位置と前記離間位置とに変換させる変換機構が設けられており、
前記変換機構は、
前記設置台を上下方向へ貫通する筒部材の内側に設けられている一方内周面の周方向等間隔置きに軸線方向へ延びる複数の凸部及びその凸部同士の間に溝を有し、かつ前記各凸部の下端部に第1カム面と当該各第1カム面のうちの互いに相隣なる少なくとも1組の第1カム面同士の間の溝を下端位置において塞ぐように連結する連結片とを有するカム本体と、
前記カム本体の各溝にそれぞれ挿通される複数のリブを外周面に有するとともに、その各リブの下端面に第2カム面を有し、付勢手段により前記離間位置に付勢された前記進退移動部材を前記付勢手段の付勢力に抗して進出させる進退動可能なノック棒と、
前記進退移動部材の進退動と連動して進退動し、前記カム本体の各溝にそれぞれ挿通される複数のリブを外周面に有しかつ当該各リブの上端を前記各第1カム面及び前記各第2カム面に噛み合わせつつ回転する一方前記各リブの上端を前記連結片に係合させた際に回転が停止する回転子と、
を備えたノックカム機構により構成されていることを特徴とする手押し車のロック装置。 - 前記ノック棒は、足の踏み込み操作により前記回転子を介して前記進退移動部材を前記圧接位置と前記離間位置とに変換させるようにしている請求項1に記載の手押し車のロック装置。
- 前記進退移動部材は、前記設置台の移動時に操作者の近傍となる当該設置台の操作者近傍位置に設けられている請求項1又は請求項2に記載の手押し車のロック装置。
- 前記設置台は、当該設置台を移動させる操作者の一側方において上方へ立設された支柱を備えているとともに、この支柱の上端に連結された操作レバーを備え、前記操作レバーによって前記操作者の一側方で横向きに移動するように操作される請求項1~請求項3のいずれか1つに記載の手押し車のロック装置。
- 前記設置台には、上方に開口する開口部を有する平面視で略矩形状の容器が搭載され、
前記容器は、前記支柱の上端部に固設された平面視で略矩形枠状のフレーム材により周囲が囲まれている請求項1~請求項4のいずれか1つに記載の手押し車のロック装置。 - 前記支柱と対向する前記フレーム材の対向位置には、店舗内での購入予定品を入れる買い物カゴを前記フレーム材上で外方から安定した状態で支持する支持フレームが回動自在に設けられ、
前記支持フレームは、前記フレーム材の内方へ倒伏する内方倒伏位置と前記フレーム材の外方へ起立する外方起立位置とに変換され、前記外方起立位置に変換された際に前記買い物カゴを前記支柱の対向位置側から支持するようにしている請求項5に記載の手押し車のロック装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022002853U JP3240277U (ja) | 2022-08-30 | 2022-08-30 | 手押し車のロック装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022002853U JP3240277U (ja) | 2022-08-30 | 2022-08-30 | 手押し車のロック装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP3240277U true JP3240277U (ja) | 2022-12-21 |
Family
ID=84533345
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2022002853U Active JP3240277U (ja) | 2022-08-30 | 2022-08-30 | 手押し車のロック装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3240277U (ja) |
-
2022
- 2022-08-30 JP JP2022002853U patent/JP3240277U/ja active Active
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