JP6704481B1 - スーツケース - Google Patents
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Abstract
Description
航空機などに積み込む場合、荷物の寸法が制限されていることがある。この場合、スーツケースの寸法は、車輪を含めて計測される。寸法が制限されて場合、車輪が突き出ている分だけ、スーツケースを小さくする必要があり、スーツケースの容量が小さくなる。
車輪をスーツケースに収納する構造が、提案されている(例えば、特許文献1(図14)参照)。車輪を収納することで、スーツケースの大型化が可能になる。
図11は従来の収納式車輪の概要を説明する図であり、スーツケース100の底に、上に凸となる車輪収納部101が設けられている。また、スーツケース100の底に、支持ピン102を介して揺動レバー103が取付けられ、この揺動レバー103の先端に車輪104が取付けられている。
まず、ボタン105は、床106の近傍にあるため、ボタン操作の度に、姿勢を低くする必要がある。利用者によっては姿勢を低くすることを負担に感じる。
そのため、楽な姿勢で車輪を収納位置から使用位置に戻すことができる構造が求められる。
前記凹部に取付けられ前記車輪を支える車輪ホルダーと、前記スーツケースの底から前記床に向かって出ている1個のボタンと、前記スーツケースに内蔵され前記ボタンの動作方向を変換する変換機構と、この変換機構から前記車輪ホルダーまで延びる少なくとも2本のワイヤとを備え、
前記車輪ホルダーは、前記車輪を支える車輪支持片と、この車輪支持片を昇降自在に支える支持筒と、前記車輪支持片を下方へ付勢するホッピングばねと、前記支持筒に水平移動可能に取付けられ前記車輪が前記凹部に収納される収納位置と前記車輪が前記凹部から突出する突出位置とを各々位置決めする位置決め片と、前記ワイヤの下端に連結され前記位置決め片を水平移動させる位置決め片移動機構とからなり、
前記ボタンは、前記床で押されると前記位置決め片移動機構を介して前記位置決め片を移動して前記車輪支持片を昇降自在にすることを特徴とする。
前記凹部に取付けられ前記車輪を支える車輪ホルダーと、前記スーツケースの底から前記床に向かって出ている少なくとも2個のボタンと、前記スーツケースに内蔵され前記ボタンの動作方向を伝達するロッドとを備え、
前記車輪ホルダーは、前記車輪を支える車輪支持片と、この車輪支持片を昇降自在に支える支持筒と、前記車輪支持片を下方へ付勢するホッピングばねと、前記支持筒に水平移動可能に取付けられ前記車輪が前記凹部に収納される収納位置と前記車輪が前記凹部から突出する突出位置とを各々位置決めする位置決め片と、前記ロッドの上端に接続され前記位置決め片を水平移動させる位置決め片移動機構とからなり、
前記ボタンは、前記床で押されると前記位置決め片移動機構を介して前記位置決め片を移動して前記車輪支持片を昇降自在にすることを特徴とする。
前記突出位置では前記車輪支持片が一定量上下動可能となるように、前記車輪支持片に前記位置決め片の先端の高さより長い切欠きが設けられていることを特徴とする。
前記車輪は、クッションばねを介して前記車輪支持片に上下動可能に取付けられていることを特徴とする。
前記クッションばねは、前記ホッピングばねより、ばね常数が小さいことを特徴とする。
利用者はスーツケースの上面を押すだけであるから、姿勢は楽である。
すなわち、本発明によれば、収納可能な車輪を備えるスーツケースにおいて、楽な姿勢で車輪を収納位置から使用位置に戻すことができる構造が提供される。
請求項1と同様に、利用者は、スーツケースを押し下げることで、車輪を収納させることができる。次に、スーツケースを押し下げると、ボタンの作用で、車輪は突出位置に戻る。
利用者はスーツケースの上面を押すだけであるから、姿勢は楽である。
すなわち、本発明によれば、収納可能な車輪を備えるスーツケースにおいて、楽な姿勢で車輪を収納位置から使用位置に戻すことができる構造が提供される。
特に、車輪が凹凸に衝突するときに衝突音が発生するが、本発明により、衝突音を軽減することができ、車輪の静音化を強化することができる。
本発明では、便宜上、図1の状態で上下を定める。すなわち、車輪14側を「下」、ハンドル16側を「上」とする。
図2(a)に示すように、ボタン20は、蓋21に取付けられている。この蓋21は、変換機構30を収納するケース22を塞ぐ部材である。
ボタン20は、ボタン戻しばね23で押し下げられる。ボタン20は、鍔24を備え、この鍔24が蓋21の上面に当たることで、下限位置が規定される。
すなわち、1個のボタン20で4本のワイヤ26を操作することができる。
なお、左コ字部材32L及び右コ字部材32Rに各々軸33が備えられ、これらの軸33がケース(図2(a)、符号22)に回転自在に支持される。
図2(b)に示すように、左手前のワイヤ26Lf及び左奥のワイヤ26Lrが、距離L1だけ引かれる。右手前のワイヤ26Rf及び右奥のワイヤ26Rrも同様に引かれる。ボタン20が床から離れると、ボタン戻しばね23の付勢力でボタン20は図2(a)の位置へ戻る。
そこで、変換機構30は、ボタン20の上昇動作を、ワイヤ26の引き動作に変換する役割を果たす。
なお、変換機構30は、ボタン20の上昇動作を、ワイヤ26の引き動作に変換する機能を発揮する機構であればよく、図2(a)、(b)に示す構造に限定されるものではない。
図4(a)に示すように、スーツケース10の下部に車輪ホルダー40を収納する凹部19が設けられている。
車輪ホルダー40は、車輪14を支える車輪支持片41と、この車輪支持片41を昇降自在に支える支持筒42と、車輪支持片41を下方へ付勢するホッピングばね43と、支持筒42に水平移動可能に取付けられ車輪14が凹部19に収納される収納位置と車輪14が凹部19から突出する突出位置とを各々位置決めする位置決め片44と、ワイヤ26の下端に連結され位置決め片44を水平移動させる位置決め片移動機構50とからなる。
自在車輪は、キャスターとも呼ばれ、車輪支持片41に上から下へ鉛直に差し込まれたキャスター軸45と、このキャスター軸45周りに旋回する旋回片46と、この旋回片46に水平に取付けた車軸47と、この車軸47に取付けた車輪14からなる。
キャスター軸45は、回転軸、固定軸の何れであってもよく、要は、旋回片46が旋回すればよい。
上部切欠き51は、位置決め片44の先端の高さhの1.5倍〜2.5倍程度の長さの底面51aと、この底面51aの下端から延びる斜面51bとを有する。
下部切欠き52も同様に縦長とされる。
クッションばね48とホッピングばね43との協同作用により、車輪14に加わる小さな外力から大きな外力までに、対応させることができる。
ばね特性が異なる2つのばね43、48により、大きな衝撃吸収作用又は緩和作用が発揮される。特に、車輪14が凹凸に衝突するときに衝突音が発生するが、衝突音を軽減することができ、車輪の静音化を強化することができる。
図4(b)に示すように、車輪支持片41に、横に延びるピン63を貫通させる。このピン63の一端は、下部切欠き52に、出没させるようにする。ピン63は途中に鍔状のフランジ64を備えている。このようなピン63をリテーナ49側から車輪支持片41へ挿入し、フランジ64に当たるように第3圧縮ばね65を取付け、ナット66を車輪支持片41にねじ込む。図4(b)では、ピン63がリテーナ49に嵌っていないため、リテーナ49の上下動は自在である。
よって、図4(a)の構造であれば、下部切欠き52に位置決め片44が嵌った時点で、ばね43、48の伸びが制限される。
カム溝55は、横に延びる横溝56と、この横溝56の一端(車輪支持片(図4(a)、符号41)側の一端)から下へ延びる湾曲溝57とからなる。この湾曲溝57の下部は、横溝56の他端のほぼ真下に位置する。
すると、車輪支持片41に対して、支持筒42及び位置決め片44が下がる。位置決め片44は、上部切欠き51の斜面51bを通過するときに、第2圧縮ばね58が縮む方向へ移動する。
すなわち、図5(b)に示すように、横溝56をピン44aが進むため、位置決め片44の後退移動が可能となる。ワイヤ26が引かれていなく、吊り籠53が下位位置にある場合には、位置決め片44は横溝56に沿って前進/後退が可能となる。
図6に示すように、下部切欠き52に位置決め片44が移ったことにより、車輪14が収納位置に保たれる。このとき、位置決め片44はピン63を前進させる。前進したピン63はリテーナ49に嵌る。結果、リテーナ49と共に車輪14の下への移動が阻止される。
仮に、床18が傾斜していると、車輪14が回転してスーツケース10が横に移動することが懸念される。しかし、ボタン20と床18との間に摩擦力が発生すれば、この摩擦力でスーツケース10の横移動が阻止される。
そこで、スーツケース10を若干押し下げると、支持筒42、蓋21及びケース22が下がる。
ワイヤ26が引かれると、吊り籠53が上昇し、図7(b)に示すように、ピン44aが湾曲溝57で案内されることにより、位置決め片44が後退する。後退により、位置決め片44が下部切欠き52から外れる。
位置決め片44が下部切欠き52から外れると、ホッピングばね43の付勢力で車輪支持片41が下がり、図4(a)に戻る。
利用者がスーツケース10を再度押し下げると、図7を経て、図4(a)に戻すことができる。図4(a)では車輪14は突出位置(使用位置)にあるため、車輪14を転がすことにより、スーツケース10を楽に横移動することができる。
利用者は、スーツケース10の上面(又は側面上部)を押し下げるだけであるから、楽な姿勢で車輪を収納位置から使用位置に戻すことができる。
2個の車輪14を備えるスーツケース10においては、図3において奥のワイヤ26Lr、26Rrが省かれ、1個のボタン20で、2本のワイヤ26Lf、26Rfを引くようにする。
したがって、本発明は、少なくとも2個の車輪14を備えるスーツケース10に適用される。
この変更例では、図4(a)のワイヤ26を廃止すると共に図6に示す蓋21、ケース22などを廃止した。
代わりに、図8に示すように、吊り籠53の真下に、下へ延びるロッド67を設け、このロッド67の下端をボタン20に当てるようにした。このロッド67を囲うようにしてボタン戻しばね23を配置し、このボタン戻しばね23でボタン20を下方へ付勢する。その他の構成は、図4(a)の符号を流用し、詳細な説明は省略する。
すると、図9に示すように、車輪支持片41に対して、支持筒42が下がり、下部切欠き52に位置決め片44が嵌り、ボタン20の下面が床18に接する。
図9から更に、スーツケース10が押し上げられると、図10に示すように、ボタン20及びロッド67により、吊り籠53が相対的押し上げられる。すると、カム溝55により、位置決め片44が後退し、下部切欠き52から外れる。
なお、この変更例では、ワイヤ26を省くことができるものの、1個の車輪14に1個のボタン20を備えるため、1個のスーツケース10に複数個(4個又は2個)のボタン20を備える必要がある。
また、ボタン20の形状は任意であり、要は、床18に当たって上下する部材であればよく、円柱(楕円柱、長円柱を含む。)や角柱(三角柱、四角柱、五角柱以上の多角柱を含む。)であってもよい。
Claims (5)
- 床上を転がる少なくとも2個の車輪を備えると共に前記車輪を各々収納する凹部を備えているスーツケースにおいて、
前記凹部に取付けられ前記車輪を支える車輪ホルダーと、前記スーツケースの底から前記床に向かって出ている1個のボタンと、前記スーツケースに内蔵され前記ボタンの動作方向を変換する変換機構と、この変換機構から前記車輪ホルダーまで延びる少なくとも2本のワイヤとを備え、
前記車輪ホルダーは、前記車輪を支える車輪支持片と、この車輪支持片を昇降自在に支える支持筒と、前記車輪支持片を下方へ付勢するホッピングばねと、前記支持筒に水平移動可能に取付けられ前記車輪が前記凹部に収納される収納位置と前記車輪が前記凹部から突出する突出位置とを各々位置決めする位置決め片と、前記ワイヤの下端に連結され前記位置決め片を水平移動させる位置決め片移動機構とからなり、
前記ボタンは、前記床で押されると前記位置決め片移動機構を介して前記位置決め片を移動して前記車輪支持片を昇降自在にすることを特徴とするスーツケース。 - 床上を転がる少なくとも2個の車輪を備えると共に前記車輪を各々収納する凹部を備えているスーツケースにおいて、
前記凹部に取付けられ前記車輪を支える車輪ホルダーと、前記スーツケースの底から前記床に向かって出ている少なくとも2個のボタンと、前記スーツケースに内蔵され前記ボタンの動作方向を伝達するロッドとを備え、
前記車輪ホルダーは、前記車輪を支える車輪支持片と、この車輪支持片を昇降自在に支える支持筒と、前記車輪支持片を下方へ付勢するホッピングばねと、前記支持筒に水平移動可能に取付けられ前記車輪が前記凹部に収納される収納位置と前記車輪が前記凹部から突出する突出位置とを各々位置決めする位置決め片と、前記ロッドの上端に接続され前記位置決め片を水平移動させる位置決め片移動機構とからなり、
前記ボタンは、前記床で押されると前記位置決め片移動機構を介して前記位置決め片を移動して前記車輪支持片を昇降自在にすることを特徴とするスーツケース。 - 請求項1又は請求項2記載のスーツケースであって、
前記突出位置では前記車輪支持片が一定量上下動可能となるように、前記車輪支持片に前記位置決め片の先端の高さより長い切欠きが設けられていることを特徴とするスーツケース。 - 請求項1〜3のいずれか1項記載のスーツケースであって、
前記車輪は、クッションばねを介して前記車輪支持片に上下動可能に取付けられていることを特徴とするスーツケース。 - 請求項4記載のスーツケースであって、
前記クッションばねは、前記ホッピングばねより、ばね常数が小さいことを特徴とするスーツケース。
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