JP3240114U - 素振り用バット - Google Patents

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Abstract

【課題】スイングの速さ(強さ、鋭さ)の違いに応じて発生する音の大小、長短及び高低の変化を楽しみながら練習に取り組むことができる素振り用バットを提供する。【解決手段】野球又はソフトボールの練習で使用される素振り用バット10であって、中空部11を有するバット本体12のヘッド側及びグリップ側に、中空部11を外気と連通させるヘッド側連通孔13及びグリップ側連通孔14が形成され、中空部11に、バット本体12の長手方向に沿って摺動可能な摺動部材16が収容され、グリップ側連通孔14に、摺動部材16が中空部11の中をグリップ側からヘッド側に向かって移動することにより音を発する発音部17が設けられている。【選択図】図2

Description

本考案は、野球又はソフトボールの練習で使用される素振り用バットに関する。
従来、野球又はソフトボールの練習において、正しい打撃フォームを身に付けること、筋力アップを図ること、スイングスピードを速くすること等を目的として、バットによる素振りが行われている。その際に、試合で使用する通常のバットの代わりに、長尺のバットや重量の重たいバットが使われることがある。また、その他にも素振り用バットとして、特許文献1のように、バットの内部に空間室を設け、その中に上下動可能な物体を入れた、バット内部から音の出る練習用バットが提案されている。
この特許文献1によれば、スイング(素振り)をした時に、遠心力によって物体が空間室を移動して天井に当たり、音が出ると同時に、使用者の手に衝撃が伝わるため、使用者は、実際にボールを打っているような感覚を味わうことができ、その音及び衝撃の大小によって、スイングの強さ及び速さ(鋭さ)を確認することができるとされている。
実開昭56-106770号公報
しかしながら、特許文献1では、基本的に物体が収容される空間室が密閉されているため、外部に音が伝わり難く、音の大小によってスイングの強さを判別することが困難であるという課題があった。また、空間室の天井に物体を当てることにより音を発生させているため、衝突時の衝撃により、天井及び物体の変形及び破損が発生し易く、耐久性に欠けるという課題もあった。なお、特許文献1には、底側が狭く、天井側が広いラッパ状の空間室を形成し、天井側にバットの外部に通じる孔を設けることにより、スイングに応じて不規則な音を発生させることが記載されているが、空間室の容積に対して物体の体積が小さく、スイング時に空間室の中で物体を移動させるだけで音を発生させることは困難であると思われる。
本考案は、かかる事情に鑑みてなされたもので、スイングの速さ(強さ、鋭さ)の違いに応じて発生する音の大小、長短及び高低の変化を楽しみながら練習に取り組むことができる素振り用バットを提供することを目的とする。
前記目的に沿う本考案に係る素振り用バットは、野球又はソフトボールの練習で使用される素振り用バットであって、
中空部を有するバット本体のヘッド側及びグリップ側に、前記中空部を外気と連通させるヘッド側連通孔及びグリップ側連通孔がそれぞれ形成され、前記中空部に、前記バット本体の長手方向に沿って摺動可能な摺動部材(中子)が収容され、前記グリップ側連通孔に、前記摺動部材が前記中空部の中をグリップ側からヘッド側に向かって移動することにより音を発する発音部が設けられている。
本考案に係る素振り用バットにおいて、前記摺動部材の前記移動により前記中空部のグリップ側に負圧を発生させ、該負圧によって前記グリップ側連通孔に取り込まれ該グリップ側連通孔を通過する外気により前記発音部が音を発することができる。
本考案に係る素振り用バットにおいて、前記発音部は、前記グリップ側連通孔に取付けられ、該グリップ側連通孔に取り込まれ該グリップ側連通孔を通過する外気により振動する振動部材を備えていることが好ましい。
本考案に係る素振り用バットにおいて、前記摺動部材は、該摺動部材の中央部を前記バット本体の長手方向に沿って貫通する空気抜き孔と、該摺動部材のヘッド側に揺動可能に取付けられて前記空気抜き孔を開閉する蓋部とを有することもできる。
本考案に係る素振り用バットにおいて、前記摺動部材のヘッド側及びグリップ側の端部にそれぞれ緩衝部材が取付けられてもよい。
本考案に係る素振り用バットによれば、スイングの速さ(強さ、鋭さ)の違いに応じて発生する音の大きさ、長さ及び高さ等の変化を楽しみながら、効率的に練習を行うことができる。
本考案の一実施の形態に係る素振り用バットを示す正面図である。 (A)は図1のA-A線矢視断面拡大図であり、(B)は同素振り用バットの発音部の断面拡大図である。 (A)は図1のB-B線矢視断面拡大図であり、(B)は図1のC-C線矢視断面拡大図である。 (A)、(B)は同素振り用バットにおける変形例の摺動部材の動作を示す説明図である。
続いて、添付した図面を参照しつつ、本考案を具体化した実施の形態につき説明し、本考案の理解に供する。
図1、図2(A)、(B)及び図3(A)、(B)に示す本考案の一実施の形態に係る素振り用バット10は、野球又はソフトボールの練習で使用される。
素振り用バット10は、中空部11を有する木製のバット本体12のヘッド側及びグリップ側に、中空部11を外気と連通させるヘッド側連通孔13及びグリップ側連通孔14がそれぞれ形成されたものである。そして、中空部11に、バット本体12の長手方向に沿って摺動可能な摺動部材16が収容され、グリップ側連通孔14に、摺動部材16が中空部11の中をグリップ側からヘッド側に向かって移動することにより音を発する発音部17が設けられている。
中空部11は断面円形で、摺動部材16は円柱状に形成されており、摺動部材16の外径は中空部11の内径よりもやや小さく、素振り用バット10で素振り(スイング)をした時に、摺動部材16が中空部11の中をグリップ側からヘッド側に向かってスムーズに摺動できるようになっている。そして、摺動部材16の移動により中空部11のグリップ側に負圧を発生させ、負圧によってグリップ側連通孔14に取り込まれグリップ側連通孔14を通過する外気により発音部17が音を発する。
摺動部材16は、木、合成樹脂又は金属のいずれか1種の材料で形成されてもよいし、これらの中から選択される2種以上の材料が組合されて形成されてもよい。複数の材料が組合されることにより同じ体積(大きさ)でも質量が容易に調整される。
また、本実施の形態では、摺動部材16のヘッド側及びグリップ側の端部にそれぞれ緩衝部材18a、18bが取付けられている。これにより、中空部11の中を摺動(移動)する摺動部材16がバット本体12と直接衝突することが防止され、摺動部材16及びバット本体12の変形及び破損が発生し難く、耐久性が向上する。緩衝部材18a、18bとしては合成ゴム又は発泡樹脂(スポンジ)等の弾性体が好適に用いられるが、これらに限定されない。なお、緩衝部材18a、18bの材質は同一でも異なっていてもよく、特に大きな衝撃が加わらないグリップ側の緩衝部材18bは省略されてもよい。
上述のように、中空部11がヘッド側連通孔13を介して外気と連通していることにより、スイング時に摺動部材16で押される中空部11内の空気は、ヘッド側連通孔13を通ってバット本体12の外部に抜けるので、摺動部材16をスムーズに摺動させることができる。ヘッド側連通孔13の内径は、摺動部材16が中空部11の外部に飛び出さないように中空部11の内径よりも小さく形成されていればよい。なお、バット本体のヘッド側の端面に、ヘッド側連通孔を覆うように網目(メッシュ)状のカバーが取付けられてもよい。また、ヘッド側連通孔の数は1つに限らず、小径のヘッド側連通孔が複数形成されてもよい。
グリップ側連通孔14の内径は中空部11の内径よりも小さければよく、その大きさは適宜、選択される。そして、発音部17は、グリップ側連通孔14に取付けられ、グリップ側連通孔14に取り込まれグリップ側連通孔14を通過する外気により振動する振動部材20を備えている。本実施の形態では、グリップ側連通孔14に固定される円筒部材21のヘッド側に2つの片状(板状)の振動部材20を隙間を空けて対向配置した。これにより、2つの振動部材20を人間の声帯のように振動させて音を発することができる。なお、振動部材は、振動によってグリップ側連通孔を開閉させて(グリップ側連通孔の開口面積を変化させて)音を発することができればよく、その形状(寸法)、数、配置及びグリップ側連通孔への取付方法は適宜、選択される。例えば、振動部材は1つだけでもよいし、円筒部材が省略され、振動部材の根元側(グリップ側)が直接、グリップ側連通孔に取付けられてもよい。
振動部材20としては合成樹脂が好適に用いられるが、これに限定されない。
次に、図4(A)、(B)に示す素振り用バット10における変形例の摺動部材22について説明する。
変形例の摺動部材22が摺動部材16と異なる点は、摺動部材22の中央部をバット本体12の長手方向に沿って貫通する空気抜き孔23と、摺動部材22のヘッド側に揺動可能に取付けられて空気抜き孔23を開閉する蓋部24とを有する点である。また、摺動部材22のグリップ側に取付けられる緩衝部材26には、中央部に空気抜き孔23の位置に対応して(空気抜き孔23と連通する)貫通孔27が形成されているが、その材質は、緩衝部材18a、18bと同様である。
蓋部24は、摺動部材22のヘッド側の端面に蝶番28を介して揺動可能に取付けられることにより、空気抜き孔23を開閉する構造となっている。なお、蓋部の取付方法(空気抜き孔を開閉する構造)はこれに限定されるものではなく、適宜、選択される。
以上の構成により、素振り用バット10でスイングが行われ、図4(A)に示すように摺動部材22が中空部11の中をグリップ側からヘッド側(矢印aの方向)に向かって移動する際には、外気(大気圧)により蓋部24が摺動部材22に押し付けられ、空気抜き孔23は閉じられた状態となる。その結果、先に説明したように、中空部11のグリップ側に負圧を発生させることができる。
そして、素振り用バット10の使用開始時に、ヘッド側が上向きとなるようにバット本体12が立てられて、図4(B)に示すように、摺動部材22が中空部11の中をヘッド側からグリップ側(矢印bの方向)に向かって移動する際には、中空部11の中の空気が貫通孔27及び空気抜き孔23を通過して蓋部24がバット本体12のヘッド側に揺動し、空気抜き孔23は開かれた状態となる。その結果、摺動部材22が、中空部11の中の空気から受ける抵抗が大幅に削減されるので、摺動部材22をスムーズに中空部11のグリップ側に移動させ、素早く初期状態に復帰させることができる。
以上、本考案の実施の形態を説明したが、本考案は、上記した形態に限定されるものでなく、要旨を逸脱しない条件の変更等は全て本考案の適用範囲である。
例えば、グリップ側連通孔に振動部材を取付けて発音部として機能させる代わりに、既存の笛(ホイッスル)をグリップ側連通孔に取付けて発音部として用いてもよい。
10:素振り用バット、11:中空部、12:バット本体、13:ヘッド側連通孔、14:グリップ側連通孔、16:摺動部材、17:発音部、18a、18b:緩衝部材、20:振動部材、21:円筒部材、22:摺動部材、23:空気抜き孔、24:蓋部、26:緩衝部材、27:貫通孔、28:蝶番

Claims (5)

  1. 野球又はソフトボールの練習で使用される素振り用バットであって、
    中空部を有するバット本体のヘッド側及びグリップ側に、前記中空部を外気と連通させるヘッド側連通孔及びグリップ側連通孔がそれぞれ形成され、前記中空部に、前記バット本体の長手方向に沿って摺動可能な摺動部材が収容され、前記グリップ側連通孔に、前記摺動部材が前記中空部の中をグリップ側からヘッド側に向かって移動することにより音を発する発音部が設けられていることを特徴とする素振り用バット。
  2. 請求項1記載の素振り用バットにおいて、前記摺動部材の前記移動により前記中空部のグリップ側に負圧を発生させ、該負圧によって前記グリップ側連通孔に取り込まれ該グリップ側連通孔を通過する外気により前記発音部が音を発することを特徴とする素振り用バット。
  3. 請求項2記載の素振り用バットにおいて、前記発音部は、前記グリップ側連通孔に取付けられ、該グリップ側連通孔に取り込まれ該グリップ側連通孔を通過する外気により振動する振動部材を備えていることを特徴とする素振り用バット。
  4. 請求項1記載の素振り用バットにおいて、前記摺動部材は、該摺動部材の中央部を前記バット本体の長手方向に沿って貫通する空気抜き孔と、該摺動部材のヘッド側に揺動可能に取付けられて前記空気抜き孔を開閉する蓋部とを有することを特徴とする素振り用バット。
  5. 請求項1~4のいずれか1記載の素振り用バットにおいて、前記摺動部材のヘッド側及びグリップ側の端部にそれぞれ緩衝部材が取付けられていることを特徴とする素振り用バット。
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