JP3240039B2 - 磁気ヘッド、磁気記録再生装置及び磁気ヘッド製造方法 - Google Patents

磁気ヘッド、磁気記録再生装置及び磁気ヘッド製造方法

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JP3240039B2
JP3240039B2 JP27603595A JP27603595A JP3240039B2 JP 3240039 B2 JP3240039 B2 JP 3240039B2 JP 27603595 A JP27603595 A JP 27603595A JP 27603595 A JP27603595 A JP 27603595A JP 3240039 B2 JP3240039 B2 JP 3240039B2
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    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B5/00Recording by magnetisation or demagnetisation of a record carrier; Reproducing by magnetic means; Record carriers therefor
    • G11B5/48Disposition or mounting of heads or head supports relative to record carriers ; arrangements of heads, e.g. for scanning the record carrier to increase the relative speed
    • G11B5/58Disposition or mounting of heads or head supports relative to record carriers ; arrangements of heads, e.g. for scanning the record carrier to increase the relative speed with provision for moving the head for the purpose of maintaining alignment of the head relative to the record carrier during transducing operation, e.g. to compensate for surface irregularities of the latter or for track following
    • G11B5/60Fluid-dynamic spacing of heads from record-carriers
    • G11B5/6005Specially adapted for spacing from a rotating disc using a fluid cushion
    • G11B5/6082Design of the air bearing surface

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  • Adjustment Of The Magnetic Head Position Track Following On Tapes (AREA)
  • Magnetic Heads (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気ヘッド、この磁気
ヘッドを組み込んだ磁気記録再生装置及び磁気ヘッド製
造方法に関し、更に詳しくは、空気ベアリング面がある
形状を有するように加工された磁気ヘッドに係る。
【0002】
【従来の技術】ロータリ・アクチュエータ方式磁気記録
再生装置において、磁気ヘッドのスキュー角依存性を小
さくし、磁気ディスクの内周から外周にかけて、浮上量
を一定化する技術は、浮上量を低下させてスペーシング
ロスを減少させる必要のある高密度記録において、信頼
性を高める上に極めて重要である。微小浮上量では、磁
気記録の読み出しまたは書き込み時に磁気ヘッドの浮上
量がごく僅か変動しただけで、磁気ヘッドが磁気ディス
クに容易に衝突し、磁気ディスク上のデータを破壊する
等の問題を引き起こすからである。
【0003】また、磁気ディスクの内周から外周にかけ
て、浮上量を一定化するとともに、浮上姿勢を安定化す
る技術は、ゾーンビット記録技術を使用し、それによっ
て高容量磁気ディスク.ドライブを実現するために必須
の技術でもある。ゾーンビット記録技術は、例えば、特
開平4ー30328号公報、米国特許第4,894,734号明細書及
び、米国特許第5,087,992号明細書に記載されている。
【0004】上述のような要求に応える一つの手段とし
て、空気ベアリング面に特有の形状を付与した磁気ヘッ
ドが種々提案されている。例えば、特開昭60ー101781号
公報はスライダーレールの長手方向中央部のレール幅
を、その両端のレール幅よりも狭くすることにより、ス
キュー角依存性を少なくした磁気ヘッド用スライダを開
示している。
【0005】特開平4ー356765号公報は、レール部の面に
内側エッジ及び外側エッジを備えた空気ベアリング面を
形成し、内側エッジ及び外側エッジをスライダの先端エ
ッジから変曲点に向かって収斂させ、変曲点からスライ
ダの後端エッジに向かって発散させることにより、スキ
ュー角に対する浮上特性の変動を抑えるようにした磁気
ヘッドを開示している。
【0006】特開平2ー246067号公報は、空気流入端か
ら、空気流出端側に向かってレール幅が狭くなるように
形成した磁気ディスク装置用スライダを開示している。
【0007】また、上述した先行技術とは別の技術とし
て、TPC(Transverse Pressurization Contour 横方
向加圧形状)型スライダが知られている。TPC型スラ
イダは特開昭61ー278087号公報、実開昭57ー122063号(実
願昭56ー5818号)、米国特許第4,673,996号明細書、米国
特許第4、870、519号明細書等に開示されている。TPC
型スライダは、レール部の側部に、その全長にわたっ
て、微小な凹部を設けたもので、ロータリ・アクチュエ
ータ方式磁気記録再生装置に組み込んだ場合、スキュー
角の大きい位置において、横方向から流入する空気流に
より、凹部に揚力動圧を発生させ、これによってスキュ
ー角の大きい位置での浮上量低下を防ぎ、磁気ディスク
の内周から外周にかけて一定の浮上量を確保するように
したものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来技術のう
ち、TPC型スライダは浮上量の一定化に有効である。
しかし、浮上量のより一層の一定化に限界がある。例え
ば、浮上量変動を20nm以内に押えることは容易では
ない。
【0009】また、上述した従来の技術は、一般に、レ
ール部の全長にわたって加工を施して空気ベアリング面
に所望の形状を付与する。この場合の形状付与は、微細
加工によって行なう必要があり、例えばイオンミリング
等のドライエッチング等が採用される。このため、レー
ル部の全長にわたって加工を施す必要のある従来技術に
おいて、ドライエッチングに必要なマスクの開口部は、
レール部の全長より長くせざるを得ず、必然的に、ドラ
イエッチングによってスライダから生じた微粒子が、ス
ライダの両側面に再付着する。スライダに対する再付着
物の付着力は低い。このため、磁気記録再生装置におい
て磁気ヘッドを使用している時に、磁気ヘッドの側面に
付着している付着物が磁気ディスクと磁気ヘッドとの間
の微小浮上隙間に介在し、磁気ディスクに回復不可能な
ダメージを与えることがある。
【0010】しかも、スライダの長さ方向の一端側に
は、磁気変換素子のための取り出し電極(バンプ)が設
けられている。取り出し電極は、硬質のセラミック構造
体でなるスライダと異なって、軟質の金属材料、例え
ば、金によって構成されている。このため、取り出し電
極がスライダよりも過分にドライエッチングされてしま
い、取り出し電極の面がスライダの面から落ち込む結果
となる。これは、取り出し電極に対するリード線接続作
業を困難にする。
【0011】本発明の課題は、新規な形状の空気ベアリ
ング面を有する磁気ヘッド及びこれを用いた磁気記録再
生装置を提供することである。本発明のもう一つの課題
は、浮上量を高精度で一定化し得る磁気ヘッド及び磁気
記録再生装置を提供することである。
【0012】本発明のもう一つの課題は、最大スキュー
角が大きくとも、浮上量を高精度で一定化し得る磁気ヘ
ッド及び磁気記録再生装置を提供することである。
【0013】本発明のもう一つの課題は、浮上量を低下
させてスペーシングロスを減少させる必要のある高密度
記録において、信頼性を高める上に極めて有効な磁気ヘ
ッド及び磁気記録再生装置を提供することである。
【0014】本発明のもう一つの課題は、磁気ディスク
または磁気ヘッドに対し磁気ヘッド付着物によるダメー
ジを与えることのない磁気ヘッド及びそれを用いた磁気
記録再生装置を提供することである。
【0015】本発明のもう一つの課題は、磁気変換素子
のための取り出し電極の面がスライダの面から落ち込む
ことのない磁気ヘッド及びそれを用いた磁気記録再生装
置を提供することである。
【0016】本発明のもう一つの課題は、上述した磁気
ヘッドを製造するのに好適な製造方法を提供することで
ある。
【0017】
【課題を解決するための手段】上述した課題解決のた
め、本発明に係る磁気ヘッドは、スライダと、磁気変換
素子とを含んでいる。前記スライダは、長さ方向の両端
が空気流出端及び空気流入端を構成し、一面側に、長さ
方向に延びる少なくとも一つのレール部を有する。前記
磁気変換素子は、前記スライダの空気流出端側であっ
て、前記レール部の延長上に設けられている。
【0018】前記レール部は、幅方向の両側に沿って設
けられたステップ状の凹部を有している。前記凹部は、
前記レール部よりも短く形成され、それによって、前記
スライダの前記空気流出端側に後部レール面が生じ、前
記スライダの前記空気流入端側に前部レール面が生じ、
前記後部レール面及び前記前部レール面の間に中間レー
ル面が生じている。
【0019】前記中間レール面は、面幅がほぼ一定に保
たれている。前記後部レール面及び前記前部レール面
は、面幅が前記レール部の全幅によって定まる第1の面
と、面幅が前記第1の面の前記面幅から前記中間レール
面の面幅に向かって次第に縮小される第2の面とを含ん
でいる。
【0020】ここで、前記第1の面の長さをL1とし、
前記第1の面及び前記第2の面とを含む長さをL2と
し、前記レール部の全長をL0としたとき、 L1≦L0の 2.5% L1<L2≦L0の15% を満たす。
【0021】本発明に係る磁気記録再生装置は、磁気デ
ィスクと、磁気ヘッドと、ヘッド支持装置と、位置決め
装置とを含んでいる。前記磁気ディスクは回転駆動され
る。前記磁気ヘッドは上述した本発明に係る磁気ヘッド
である。前記ヘッド支持装置は、一端側で前記磁気ヘッ
ドを支持しており、前記位置決め装置は、前記ヘッド支
持装置の他端側を支持し前記磁気ヘッドを前記磁気ディ
スクの面上で所定角度で面回転させる。
【0022】本発明に係る製造方法は、上記した磁気ヘ
ッドの製造に当たり、 次の複数の工程を含む。第1の
工程は、磁気ヘッド集合体を支持体上に配置する工程で
あって、前記磁気ヘッド集合体は、複数の磁気ヘッド要
素を一方向に配列して構成されると共に、前記磁気ヘッ
ド要素の媒体対向面となるべき面を表にして支持体上に
配置されており、前記磁気ヘッド要素のそれぞれは、前
記配列方向を長さ方向としたとき、幅方向の一端側に磁
気変換素子が位置するように配列されている。
【0023】第2の工程は、第1の工程によって配置さ
れた前記磁気ヘッド集合体の面上にマスクを配置する工
程であって、前記マスクは開口部を有し、前記開口部が
前記磁気ヘッド集合体の前記面の面内でのみ開口する大
きさ及び位置決めがなされている。
【0024】第3の工程は、第2の工程後、前記開口部
を通して、前記磁気ヘッド集合体の面に、ドライエッチ
ングを施し、凹部を形成する工程である。第4の工程
は、第3の工程後、前記ドライエッチングによって得ら
れた前記凹部を残し、磁気ヘッドに必要な加工を施す工
程を含む。
【0025】好ましくは、前記第1の工程は、複数の磁
気ヘッド集合体を、平行に配置する工程を含み、前記第
2の工程は、前記複数の磁気ヘッド集合体に対し、共通
のマスクを配置する工程を含む。
【0026】本発明は、空気ベアリング面の微細加工技
術として既に述べた先行技術に広く適用できる。
【0027】
【作用】スライダは、一面側に、長さ方向に延びる少な
くとも一つのレール部を有しており、磁気変換素子は、
前記スライダの空気流出端側であって、レール部の延長
上に設けられているから、磁気記録再生装置として用い
た場合に、レール部により浮上特性を安定化すると共
に、磁気ディスクと、レール面によって構成される空気
ベアリング面との間に揚力動圧を発生させ、磁気変換素
子と磁気ディスクとの間で磁気記録の書き込みまたは読
み出しを行う磁気ヘッドが実現できる。
【0028】レール部は、幅方向の両側に沿って設けら
れたステップ状の凹部を有しているから、凹部による浮
上特性の制御が可能である。
【0029】凹部は、レール部よりも短く形成され、そ
れによって、スライダの空気流出端側に後部レール面が
生じ、スライダの空気流入端側に前部レール面が生じ、
後部レール面及び前部レール面の間に中間レール面が生
じている。この構造は、本発明における一つの重要な特
徴である。この新規な構造を持つ磁気ヘッドは、長さ方
向の両端に残った後部レール面及び前部レール面の長さ
をコントロールすることにより、浮上量を一定化するこ
とができる。
【0030】しかも、凹部は、レール部よりも短く形成
され、それによって、スライダの空気流出端側に後部レ
ール面が生じ、スライダの空気流入端側に前部レール面
が生じているから、スライダの媒体対向面に、凹部形成
に必要な開口部を有するマスクを配置し、開口部を通し
て、ミリング等によるドライエッチングを施すことによ
って凹部を形成する場合、ドライエッチングに必要なマ
スクの開口部を、レール部の全長より少し短くできる。
このため、ドライエッチングによってスライダから生じ
た微粒子が、スライダの両側面に再付着することがなく
なる。従って、磁気ディスクまたは磁気ヘッドに対し磁
気ヘッド付着物によるダメージを与えることのない磁気
ヘッド及び磁気記録再生装置を実現できる。
【0031】更に、取り出し電極がスライダよりも過分
にドライエッチングされてしまうことがないので、取り
出し電極の面がスライダの面から落ち込むこともなくな
り、取り出し電極に対するリード線接続作業の困難性を
招くこともない。
【0032】本発明のもう一つの重要な特徴は、浮上量
の一定化に適した後部レール面及び前部レール面の長さ
を、具体的に開示することである。即ち、本発明におい
て、中間レール面は、面幅がほぼ一定に保たれている。
後部レール面及び前部レール面は、面幅がレール部の全
幅によって定まる第1の面と、面幅が第1の面の面幅か
ら中間レール面の面幅に向かって次第に縮小される第2
の面とを含んでいる。そして、第1の面の長さをL1と
し、第1の面及び第2の面とを含む長さをL2とし、レ
ール部の全長をL0としたとき、 L1≦L0の 2.5% L1<L2≦L0の15% を満たす。
【0033】第1の面の長さL1を、レール部の全長L
0の2.5%以下に設定するとともに、第1の面及び第2
の面とを含む長さL2を、レール部の全長L0の15%
以下に設定することにより、浮上量の変動量を、実用上
要求される値、例えば20nm以内に一定化できる。
【0034】また、第1の面の長さL1を、第1の面及
び第2の面とを含む長さL2よりも小さくすること、即
ち、面幅が、第1の面の面幅から中間レール面の面幅に
向かって次第に縮小される第2の面を設けることによ
り、磁気記録再生装置において、磁気ヘッドを使用して
いる時に、中間レール面を画定している凹部と、後部レ
ール面及び前部レール面を画定している凹部との接続点
に、ごみが溜ることがなくなる。従って、磁気ディスク
または磁気ヘッドに対し、ごみによるダメージを与える
ことのない磁気ヘッド及び磁気記録再生装置を実現でき
る。
【0035】本発明に係る磁気ヘッド及び磁気記録再生
装置は、ロータリ・アクチュエータ方式位置決め装置に
よって駆動する。本発明によれば、スキュー角を大きく
しても、ほぼ一定した浮上量が得られるので、スキュー
角度範囲を大きくできる。このため、最大スキュー角が
大きくなる傾向にある小型の磁気記録再生装置に対応し
得るようになる。
【0036】本発明に係る製造方法によれば、ドライエ
ッチングによってスライダから生じた微粒子が、スライ
ダの両側面に再付着するのを回避できる。従って、磁気
ディスクまたは磁気ヘッドに対し磁気ヘッド付着物によ
るダメージを与えることのない磁気ヘッドを製造でき
る。
【0037】また、本発明に係る製造方法によれば、取
り出し電極がスライダよりも過分にドライエッチングさ
れてしまうことがないので、取り出し電極の面がスライ
ダの面から落ち込むこともなくなり、取り出し電極に対
するリード線接続作業の困難性を招くこともない。
【0038】
【実施例】図1は本発明に係る磁気ヘッドの斜視図、図
2は図1に示した磁気ヘッドの側面図である。各図にお
いて、寸法は誇張されている。図を参照すると、本発明
に係る磁気ヘッドは、スライダ1と、磁気変換素子2と
を含んでいる。スライダ1は、長さ方向Lの両端が空気
流出端TE及び空気流入端LEを構成し、一面側に、長
さ方向Lに延びる少なくとも一つのレール部101、102を
有する。磁気変換素子2は、スライダ1の空気流出端T
Eの側であって、レール部101、102の延長上に設けられ
ている。
【0039】レール部101、102は、幅方向Wの両側に沿
って設けられたステップ状の凹部104、105を有してい
る。凹部104、105は、レール部101、102よりも短く形成さ
れている。それによって、スライダ1の空気流出端TE
の側に後部レール面113が生じ、スライダ1の空気流入
端LEの側に前部レール面112が生じ、後部レール面113
及び前部レール面112の間に中間レール面111が生じてい
る。中間レール面111、前部レール面112及び後部レール
面113は空気ベアリング面103を構成している。レール部
101において、凹部104は幅W21、深さd(図2参照)
を有してステップ状に形成され、凹部105は幅W31、
深さd(図2参照)を有してステップ状に形成されてい
る。また、レール部102において、凹部104は幅W22、
深さd(図2参照)を有してステップ状に形成され、凹
部105は幅W32、深さd(図2参照)を有してステッ
プ状に形成されている。幅W21と幅W22は異なって
いてもよいし、等しくともよい。幅W31と幅W32
も、互いに異なっていてもよいし、等しくともよい。
【0040】レール部101において、中間レール面111
は、面幅W11がほぼ一定に保たれている。後部レール
面113及び前部レール面112は、面幅がレール部101、102
の全幅W01によって定まる第1の面(L1)と、面幅
が第1の面(L1)の面幅W01から中間レール面111
の面幅W11に向かって次第に縮小される第2の面(L
3)とを含んでいる。
【0041】レール部102においても、同様に、中間レ
ール面111は、面幅W12がほぼ一定に保たれている。
後部レール面113及び前部レール面112は、面幅がレール
部101、102の全幅W02によって定まる第1の面(L
1)と、面幅が第1の面(L1)の面幅W02から中間
レール面111の面幅W12に向かって次第に縮小される
第2の面(L3)とを含んでいる。幅W01と幅W02
は等しくても、等しくなくてもよい。面幅W11及び面
幅W12も、互いに等しくても、等しくなくてもよい。
【0042】本実施例では、磁気ヘッドの一般的構成と
して、レール部101、102は、2本備えられ、それぞれが
間隔を隔てて平行に設けられていることが多い。このよ
うな場合、レール部101ー102間の間隔は、空気ベアリン
グ面103及び凹部104、105から落ち込む凹部106を構成す
る。また、スライダ1は、幅方向Wの両側に、空気ベア
リング面103、凹部104、105から落ち込む凹部107を有す
る。更に、空気ベアリング面103は、磁気変換素子2の
位置する側面とは反対側の他端側にテーパ面108を有す
る。レール部101、102は1本または3本以上設けられる
こともある。参照符号21、22は取り出し電極であ
る。
【0043】上述したように、スライダ1は、一面側
に、長さ方向Lに延びる少なくとも一つのレール部101、
102を有しており、磁気変換素子2は、スライダ1の空
気流出端TEの側であって、レール部101、102の延長上
に設けられているから、磁気記録再生装置として用いた
場合に、レール部101、102により浮上特性を安定化する
と共に、磁気ディスクと空気ベアリング面103との間に
揚力動圧を発生させ、磁気変換素子2と磁気ディスクと
の間で磁気記録の書き込みまたは読み出しを行う磁気ヘ
ッドが実現できる。
【0044】レール部101、102は、幅方向Wの両側に沿
って設けられたステップ状の凹部104、105を有している
から、凹部104、105による浮上特性の制御が可能であ
る。凹部による浮上特性の制御技術は、特開昭60ー10178
1号公報、特開平4ー356765号公報、特開平2ー246067号公
報、特開昭61ー278087号公報、実開昭57ー122063号(実願
昭56ー5818号)、米国特許第4,673,996号明細書、米国特
許第4、870、519号明細書等に開示されている。
【0045】これらの先行技術と差別する本願発明の重
要な特徴は、凹部104、105が、レール部101、102よりも短
く形成され、それによって、スライダ1の空気流出端T
Eの側に後部レール面113が生じ、スライダ1の空気流
入端LEの側に前部レール面112が生じ、後部レール面1
13及び前部レール面112の間に中間レール面111が生じて
いることである。この新規な構造を持つ磁気ヘッドは、
長さ方向Lの両端に残った後部レール面113及び前部レ
ール面112の長さをコントロールすることにより、浮上
量を一定化することができる。
【0046】しかも、スライダ1の媒体対向面に、凹部
104、105形成に必要な開口部を有するマスクを配置し、
開口部を通して、ミリング等によるドライエッチングを
施すことによって凹部104、105を形成する場合、ドライ
エッチングに必要なマスクの開口部を、レール部101、10
2の全長より少し短くできる。このため、ドライエッチ
ングによってスライダ1から生じた微粒子が、スライダ
1の両側面に再付着することがなくなる。従って、磁気
ディスクまたは磁気ヘッドに対し磁気ヘッド付着物によ
るダメージを与えることのない磁気ヘッド及び磁気記録
再生装置を実現できる。
【0047】更に、取り出し電極がスライダ1よりも過
分にドライエッチングされてしまうことがないので、取
り出し電極の面がスライダ1の面から落ち込むこともな
くなり、取り出し電極に対するリード線接続作業の困難
性を招くこともない。
【0048】本発明の更に重要な特徴は、浮上量の一定
化するのに適した後部レール面113及び前部レール面112
の長さを、具体的に開示することである。即ち、本発明
において、中間レール面111は、面幅W11、W12が
ほぼ一定に保たれている。後部レール面113及び前部レ
ール面112は、面幅W01、W02がレール部101、10
2の全幅によって定まる第1の面(L1)と、面幅が第
1の面(L1)の面幅W01、W02から中間レール面
111の面幅W11、W12に向かって次第に縮小される
第2の面(L3)とを含んでいる。そして、第1の面
(L1)の長さをL1とし、第1の面(L1)及び第2
の面(L3)とを含む長さをL2とし、レール部101、10
2の全長をL0としたとき、 L1≦L0の 2.5% L1<L2≦L0の15% を満たす。
【0049】第1の面(L1)の長さL1を、レール部
101、102の全長L0の2.5%以下に設定するとともに、第
1の面(L1)及び第2の面(L3)とを含む長さL2
を、レール部101、102の全長L0の15%以下に設定す
ることにより、浮上量を、実用上要求される値、例えば
20nm以内に一定化できる。
【0050】更に、第1の面(L1)の長さL1を、第
1の面(L1)及び第2の面(L3)とを含む長さL2
よりも小さくすること、即ち、面幅が第1の面(L1)
の面幅から中間レール面111の面幅に向かって次第に縮
小される第2の面(L3)を設けることにより、磁気記
録再生装置において、磁気ヘッドを使用している時に、
中間レール面111を画定している凹部104、105と、後部レ
ール面113及び前部レール面112を画定している凹部104、
105との接続点の付近に、ごみが溜ることがなくなる。
従って、磁気ディスクまたは磁気ヘッドに対し、ごみに
よるダメージを与えることのない磁気ヘッド及び磁気記
録再生装置を実現できる。
【0051】第1の面(L1)の長さL1は、好ましく
は、10μm以上に設定する。こうすることにより、レ
ール部101、102の空気流出端TE及び空気流入端LE
を、10μm以上の長さで覆うマスクを用いてドライエ
ッチングを施すことができる。レール部101、102の空気
流出端TE及び空気流入端LEにおいて、ドライエッチ
ングによってスライダ1から生じた微粒子が、スライダ
1の両側面に再付着するのを確実に阻止できるマスクカ
バーの最小値、及び、取り出し電極21、22のあるス
ライダ1の側面のドライエッチングを確実に回避できる
マスクカバーの最小値は、公差を考慮に入れて、10μ
m前後である。従って、レール部101、102の空気流出端
TE及び空気流入端LEを、10μm以上の長さで覆う
マスクを用いてドライエッチングを施すことができると
いうことは、ドライエッチングによってスライダ1から
生じた微粒子が、スライダ1の両側面に再付着するのを
確実に阻止するとともに、取り出し電極21、22のあ
るスライダ1の側面のドライエッチングを確実に回避で
きることを意味する。
【0052】また、後で説明するデータが示すように、
第1の面(L1)の長さL1が大きくなると、浮上量が
増え、その変動量も大きくなる。本発明において、第1
の面(L1)の長さL1を10μm以上に設定するとい
う趣旨は、再付着を防止しつつ、浮上量及びその変動量
を最小にし得る限界を教示するということにある。
【0053】図1及び図2に示した磁気ヘッドは、TP
C型磁気ヘッドの例を示している。TPC型スライダを
有する磁気ヘッドによれば、ロータリ・アクチュエータ
方式磁気記録再生装置に組み込んだ場合、スキュー角の
大きい位置において、横方向から流入する空気流によ
り、凹部104、105に揚力動圧を発生させ、これによって
スキュー角の大きい位置での浮上量低下を防ぎ、磁気デ
ィスクの内周から外周にかけて一定の浮上量を確保する
ことができる。
【0054】TPC型スライダにおいては、空気ベアリ
ング面103を上にして磁気変換素子2を設けたスライダ
1の側面を正面としたとき、凹部104が空気ベアリング
面103の左側に現れ、凹部105が右側に現れる。この構造
において、凹部104、105は深さdが 0.7μm前後が好ま
しい。これにより、TPC型スライダの有する作用を十
分に確保することができる。
【0055】磁気変換素子2は、誘導型、MR(磁気抵
抗効果)型もしくはそれらの組み合わせ等が用いられ
る。これらの素子は、IC製造テクノロジと同様のプロ
セスによって形成された薄膜素子によって構成できる。
また、面内記録方式に限らず、垂直記録方式のものであ
ってもよい。
【0056】図3は本発明に係る磁気ヘッドの別の実施
例を示す斜視図、図4は図3に示した磁気ヘッドの側面
図である。図において、図1及び図2で用いられている
参照符号と同一の参照符号は、同一の構成部分を示して
いる。この実施例では、凹部104、105は底面が同一の平
面を構成している。
【0057】図5は本発明に係る磁気記録再生装置を示
す図である。本発明に係る磁気記録再生装置は位置決め
装置3、磁気ディスク4、周知のヘッド支持装置5及び
本発明に係る磁気ヘッド6を含んでいる。磁気ディスク
4は、図示しない回転駆動機構により、矢印aの方向に
回転駆動される。位置決め装置3は、ロータリ・アクチ
ュエータ方式であり、ヘッド支持装置5の一端側を支持
し磁気ディスク4の面上で所定角度(スキュー角)で、
矢印b1またはb2の方向に駆動する。それによって、
所定のトラックにおいて、磁気ディスク4への書き込み
及び読み出しが行なわれる。
【0058】図6は図5に示した磁気記録再生装置の動
作を説明する図である。読み書き動作において、磁気ヘ
ッド6を支持するヘッド支持装置5がロータリ・アクチ
ュエータ方式位置決め装置3によりピポット中心O1を
中心にして、矢印b1、b2の方向にスイングするごと
く駆動される。磁気ディスク4上の磁気ヘッド6の位置
は、通常、スキュー角によって表現される。
【0059】図7は磁気ヘッド装置の側面図、図8は同
じく底面図である。ヘッド支持装置5は、金属薄板でな
る支持体51の長手方向の一端にある自由端に、同じく
金属薄板でなる可撓体52を取付け、この可撓体52の
下面に磁気ヘッド6を取付けた構造となっている。ヘッ
ド支持装置5は、磁気ディスク4に磁気ヘッド6を押付
ける荷重力を与える。図示の可撓体52は、支持体51
の長手方向軸線と略平行して伸びる2つの外側枠部521、
522と、支持体51から離れた端において外側枠部521、5
22を連結する横枠523と、横枠523の略中央部から外側枠
部521、522に略平行するように延びていて先端を自由端
とした舌状片524とを有する。横枠523のある方向とは反
対側の一端は、支持体51の自由端付近に溶接等の手段
によって取付けられている。
【0060】可撓体52の舌状片524の上面には、例え
ば半球状の荷重用突起525が設けられている。この荷重
用突起525により、支持体51の自由端から舌状片524へ
荷重力が伝えられる。
【0061】舌状片524の下面に磁気ヘッド6を接着等
の手段によって取付けてある。磁気ヘッド6は、長さ方
向がヘッド支持装置5の長手方向に一致するように、磁
気ヘッド支持装置5に取付けられている。本発明に適用
可能なヘッド支持装置5は、上記実施例に限らない。こ
れまで提案され、またはこれから提案されることのある
ヘッド支持装置を、広く適用できる。
【0062】次に、実測データを参照して、本発明に係
る磁気ヘッド及び磁気記録再生装置によって得られる効
果を説明する。図9、図10及び図13の実測データ
は、図1及び図2に示された磁気ヘッドを用い、図5〜
図8に示した磁気記録再生装置を構成して得られたもの
である。図11は図12に示した本発明の範囲外の磁気
ヘッドを用い、図5〜図8に示した磁気記録再生装置を
構成して得られたものである。
【0063】磁気ディスクとして3.5インチのものを
用い、これを4090rpmの回転数で回転させた。図
9、10、11及び13において、横軸には磁気ディス
ク上の測定半径(RADIUS)をとり、縦軸に浮上量(Flying
Height)をとってある。測定半径(RADIUS)とスキュー角
との関係は次の通りである。 測定半径(mm) 22.1 30.6 40.0 45.5 スキュー角(度) 1.2 -7.3 -15.1 -19.3 スライダの諸元は次の通りである。 (a)外形寸法: 2.00×1.60×0.43 (mm) (b)レール部101の各部の幅 W11=174μm W21=136μm W31=46μm (c)レール部102の各部の幅 W12=165μm W22=144μm W32=38μm (d)凹部104、105の深さd=0.76μm 図9は第1の面(L1)の長さL1と、第1の面(L
1)及び第2の面(L3)を含む長さL2を、前部レー
ル面112及び後部レール面113で、互いに等しく設定した
上で、長さL1を50μmに設定し、長さL2を変えた
ときの浮上量の変化を示している。3.5インチ磁気ディ
スクを用いた磁気記録再生装置では、実用上、浮上量変
動が20nm以内に保たれていればよい。図9を見る
と、L1=50μmである場合、長さL2が300μm
以下の領域では、浮上量変動が15nm以内に保たれて
いる。スライダの全長L0は前述したように2.00mmで
あるので、L1=50μmはL1≦(L0の2.5%)を
満たし、L2=300μmは、L2≦(L0の15%)
を満たす。この範囲であれば、3.5インチ磁気ディス
クを用いた磁気記録再生装置において、浮上量変動が1
5nm以内に保たれており、実用上要求される浮上量変
動20nm以内を充分に満たす。
【0064】図10は第1の面(L1)の長さL1と、
第1の面(L1)及び第2の面(L3)を含む長さL2
を、前部レール面112及び後部レール面113で、互いに等
しく設定した上で、長さL2を250μmに設定し、長
さL1を変えたときの浮上量の変化を示している。図1
0に示すように、第1の面(L1)の長さL1を小さく
するほど、浮上量変動が小さくなる。従って、浮上量を
一定化するには、第1の面(L1)の長さL1を小さく
すればよいことになる。
【0065】図11は図12に示す磁気ヘッドにおい
て、長さL1を変えた場合の浮上量の変動を示す図であ
る。図12においては、前部レール面112及び後部レー
ル面113の何れにおいても、第2の面(L3)を持た
ず、L3=0となっている。図11は、図12に示す磁
気ヘッドの場合、第1のレール面(L1)の長さL1が
増大するにつれて、浮上量が増大することを示してい
る。また、浮上量の変動量が大きく、浮上量の一定化が
できないことを示している。図11に示したデータを得
る際、磁気ディスクと磁気ヘッドとの間で、高い確率で
磁気ヘッドクラッシュが発生した。ヘッドクラッシュを
発生した磁気ヘッドを観察したところ、凹部104、105の
後部レール面113側の凹部104、105の隅部にゴミの付着が
見られた。従って、第1のレール面(L1)の他に、第
2のレール面(L3)を設け、L2>L1を満たすこと
が必要である。
【0066】図13は図14に示した磁気ヘッドを用い
て図5〜図8に示した磁気記録再生装置を構成した場合
の浮上特性を示している。図14において、第1の面
(L1)の長さL1、及び、第1の面(L1)と第2の
面(L3)とによって定まる長さL2を、本発明に定義
する範囲内において、レール部101、102の空気流出端T
E及び流入端LEで種々異ならせてある。このような磁
気ヘッドであっても、図13に示すように、一定化され
た浮上量を確保することができる。
【0067】次に、本発明に係る磁気ヘッド製造方法に
ついて、図15〜図25を参照して説明する。本発明に
係る磁気ヘッド製造方法は、上記した磁気ヘッドの製造
に当たり、次の工程を含む。まず、第1の工程では、図
15及び図16に図示されるように、磁気ヘッド集合体
71、72を支持体82上に配置する。磁気ヘッド集合
体71、72は、複数の磁気ヘッド要素(M11〜M1
n)、(M21〜M2n)を一方向に配列して構成され
ると共に、磁気ヘッド要素(M11〜M1n)、(M2
1〜M2n)の媒体対向面となるべき面を表にして支持
体82上に配置されている。磁気ヘッド要素(M11〜
M1n)、(M21〜M2n)のそれぞれは、配列方向
を長さ方向としたとき、幅方向の一端側に磁気変換素子
2が位置するように配列されている。図示とは異なっ
て、平な支持体82上に磁気ヘッド集合体71、72を
接触するように並べててもよい。また、第1の工程の前
に、空気ベアリング面の研磨工程及び空気ベアリング面
に対するテーパ面(図1参照)の付与工程を実行するこ
とが望ましい。
【0068】第1の工程に続く第2の工程では、図17
及び図18に図示されているように、第1の工程によっ
て配置された磁気ヘッド集合体71、72の面上にマス
ク9を配置する。マスク9は少なくとも凹部に対応する
部分に開口部91、92を有する。開口部91、92は
磁気ヘッド集合体71、72の面の面内でのみ開口する
大きさ及び位置決めがなされている。
【0069】第3の工程では、図19に図示するよう
に、第2の工程後、開口部91、92を通して、磁気ヘ
ッド集合体71、72の面にドライエッチングを施し、
凹部を形成する。ドライエッチングはミリングがその代
表例である。ここで、マスク9は凹部に対応する部分に
開口部91、92を有し、開口部91、92が磁気ヘッ
ド集合体71、72の面の面内でのみ開口する大きさ及
び位置決めがなされているから、第3の工程におけるド
ライエッチングによってスライダから生じた微粒子が、
スライダとなる磁気ヘッド集合体71、72の両側面に
再付着するのを回避できる。前述したように、ドライエ
ッチングによって磁気ヘッド集合体71、72から生じ
た微粒子が、磁気ヘッド集合体71、72の両側面に再
付着するのを確実に阻止できるマスクカバーの最小値、
及び、磁気ヘッド集合体71、72の側面のドライエッ
チングを確実に回避できるマスクカバーの最小値は、公
差を考慮に入れても、10μm前後である。従って、マ
スクカバーを10μm以上に選定することにより、磁気
ディスクまたは磁気ヘッドに対し、磁気ヘッド付着物に
よるダメージを与えることのない磁気ヘッドを製造でき
る。また、取り出し電極がスライダよりも過分にドライ
エッチングされてしまうことがないので、取り出し電極
の面がスライダを構成する磁気ヘッド集合体71、72
の面から落ち込むこともなくなり、取り出し電極に対す
るリード線接続作業の困難性を招くこともない。
【0070】第3の工程を経ることにより、図20及び
図21に図示するように、凹部110及び120が形成され
る。
【0071】第4の工程では、第3の工程後、凹部110、
120を部分的に残し、磁気ヘッドに必要な加工を施す。
第4の工程に含まれる主な工程は、第3のステップ及び
第4の凹部(図1参照)を機械加工によって形成する工
程、磁気ヘッド要素のそれぞれを個別的に取り出す切断
加工工程等である。図22及び図23は第4の工程に含
まれる工程の内、ステップ106、107を機械加工によって
形成する工程を示している。この機械加工により、凹部
104、105も形成される。
【0072】図23〜25は磁気ヘッド要素のそれぞれ
を個別的に取り出す切断加工工程を示している。各磁気
ヘッド要素は図23の切断線X1の位置で磁気ヘッド集
合体71、72を切断することによって得られる。
【0073】好ましくは、第1の工程は、複数の磁気ヘ
ッド集合体71、72を、平行に配置する工程を含む。
これにより、作業効率を向上させることができる。この
場合、第2の工程は、複数の磁気ヘッド集合体71、7
2に対し、共通のマスク9を配置する工程を含むことが
望ましい。マスク9はフィルム、レジスト等によって構
成される。マスク9の開口部91、92はフォトリソグ
ラフィ等の高精度パターン形成技術によって形成するこ
とができる。
【0074】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、次
のような効果が得られる。 (a)新規な形状の空気ベアリング面を有する磁気ヘッ
ド及びこれを用いた磁気記録再生装置を提供することが
できる。 (b)浮上量を高精度で一定化し得る磁気ヘッド及び磁
気記録再生装置を提供することができる。 (c)最大スキュー角が大きくとも、浮上量を高精度で
一定化し得る磁気ヘッド及び磁気記録再生装置を提供す
ることができる。 (d)浮上量を低下させてスペーシングロスを減少させ
る必要のある高密度記録において、信頼性を高める上に
極めて有効な磁気ヘッド及び磁気記録再生装置を提供す
ることができる。 (e)磁気ディスクまたは磁気ヘッドに対し磁気ヘッド
付着物によるダメージを与えることのない磁気ヘッド及
びこれを用いた磁気記録再生装置を提供することができ
る。 (f)磁気変換素子のための取り出し電極の面がスライ
ダの面から落ち込むことのない磁気ヘッド及びこれを用
いた磁気記録再生装置を提供することができる。 (g)上述した磁気ヘッドを製造するのに好適な製造方
法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る磁気ヘッドの斜視図である。
【図2】図1に示した磁気ヘッドの側面図である。
【図3】本発明に係る磁気ヘッドの別の実施例を示す斜
視図である。
【図4】図3に示した磁気ヘッドの側面図である。
【図5】本発明に係る磁気記録再生装置を示す平面図で
ある。
【図6】図5に示した磁気記録再生装置の動作を説明す
る図である。
【図7】本発明に係る磁気記録再生装置を構成する磁気
ヘッド装置の側面図である。
【図8】本発明に係る磁気記録再生装置を構成する磁気
ヘッド装置の底面図である。
【図9】本発明に係る磁気ヘッドにおいて、第1の面
(L1)の長さL1を50μmに設定し、長さL2を変
えたときの浮上量の変化を示すグラフである。
【図10】本発明に係る磁気ヘッドにおいて、長さL2
を250μmに設定し、長さL1を変えた時の浮上量の
変化を示すグラフである。
【図11】図12に示す磁気ヘッドにおいて、長さL1
を変えた場合の浮上量の変動を示すグラフである。
【図12】図11のデータを得るために供された磁気ヘ
ッドの斜視図である。
【図13】図14に示した磁気ヘッドを用いて図5〜図
8に示した磁気記録再生装置を構成した場合の浮上特性
を示すグラフである。
【図14】図13のデータを得るために供された磁気ヘ
ッドの底面図である。
【図15】本発明に係る磁気ヘッド製造方法に含まれる
第1の工程を示す平面図である。
【図16】図15のA16ーA16線上における断面図
である。
【図17】本発明に係る磁気ヘッド製造方法に含まれる
第2の工程を示す平面図である。
【図18】図17の部分拡大図である。
【図19】本発明に係る磁気ヘッド製造方法に含まれる
第3の工程を示す図17のA19ーA19線上断面図で
ある。
【図20】第2の工程及び第3の工程を経て得られた磁
気ヘッド集合体の断面図である。
【図21】図20に示した磁気ヘッド集合体の部分拡大
断面図である。
【図22】本発明に係る磁気ヘッド製造方法に含まれる
第4の工程を示す平面図である。
【図23】図22のA23ーA23線上における断面図
である。
【図24】本発明に係る磁気ヘッド製造方法に含まれる
第4の工程を示す平面図である。
【図25】図24のA25ーA25線上における断面図
である。
【符号の説明】
1 スライダ 101、102 レール部 104 凹部 105 凹部 111 中間レール面 112 前部レール面 113 後部レール面 2 磁気変換素子 3 位置決め装置 4 磁気ディスク 5 ヘッド支持装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 5/60 G11B 21/21

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スライダと、磁気変換素子とを含む磁気
    ヘッドであって、 前記スライダは、長さ方向の両端が空気流入端及び空気
    流出端を構成し、一面側に、長さ方向に延びる少なくと
    も一つのレール部を有しており、 前記磁気変換素子は、前記スライダの空気流出端側であ
    って、前記レール部の延長上に設けられており、 前記レール部は、幅方向の両側に沿って設けられたステ
    ップ状の凹部を有しており、 前記凹部は、前記レール部よりも短く形成され、それに
    よって、前記スライダの前記空気流出端側に後部レール
    面が生じ、前記スライダの前記空気流入端側に前部レー
    ル面が生じ、前記後部レール面及び前記前部レール面の
    間に中間レール面が生じており、 前記中間レール面は、面幅がほぼ一定に保たれており、 前記後部レール面及び前記前部レール面は、面幅が前記
    レール部の全幅によって定まる第1の面と、面幅が前記
    第1の面の前記面幅から前記中間レール面の面幅に向か
    って次第に縮小される第2の面とを含んでおり、 前記第1の面の長さをL1とし、前記第1の面と前記第
    2の面とを含む長さをL2としたとき、 300μm≧L2>L1≧10μm を満たす磁気ヘッド。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載された磁気ヘッドであっ
    て、前記レール部の全長をL0としたとき、 L1≦L0の2.5% L2≦L0の15% を満たす磁気ヘッド。
  3. 【請求項3】 磁気ディスクと、ヘッド支持装置と、位
    置決め装置と、磁気ヘッドと、を含む磁気記録再生装置
    であって、 前記磁気ディスクは、回転駆動されるものであり、 前記ヘッド支持装置は、一端側で前記磁気ヘッドを支持
    しており、 前記位置決め装置は、前記ヘッド支持装置の他端側を支
    持し前記磁気ヘッドを前記磁気ディスクの面上で所定角
    度で面回転させるものであり、 前記磁気ヘッドは、スライダと、磁気変換素子とを含ん
    でおり、 前記スライダは、長さ方向の両端が空気流出端及び空気
    流入端を構成し、一面側に、長さ方向に延びる少なくと
    も一つのレール部を有しており、 前記磁気変換素子は、前記スライダの空気流出端側であ
    って、前記レール部の延長上に設けられており、 前記レール部は、幅方向の両側に沿って設けられたステ
    ップ状の凹部を有しており、 前記凹部は、前記レール部よりも短く形成され、それに
    よって、前記スライダの前記空気流出端側に後部レール
    面が生じ、前記スライダの前記空気流入端側に前部レー
    ル面が生じ、前記後部レール面及び前記前部レール面の
    間に中間レール面が生じており、 前記中間レール面は、面幅がほぼ一定に保たれており、 前記後部レール面及び前記前部レール面は、面幅が前記
    レール部の全幅によって定まる第1の面と、面幅が前記
    第1の面の前記面幅から前記中間レール面の面幅に向か
    って次第に縮小される第2の面とを含んでおり、 前記第1の面の長さをL1とし、前記第1の面と前記第
    2の面とを含む長さをL2とししたとき、 300μm≧L2>L1≧10μm を満たす磁気記録再生装置。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載された磁気記録再生装置
    であって、 前記磁気ヘッドは、前記レール部の全長をL0としたと
    き、 L1≦L0の2.5% L2≦L0の15% を満たす磁気記録再生装置。
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