JP3239115U - 下衣及び衣服 - Google Patents

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寿子 野村
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Abstract

Figure 0003239115000001
【課題】本考案は、着用者に圧迫による負担を軽減し、着用者が、立った場合でも座った場合でも正しい姿勢を容易に維持することができ、動作も容易に行うことができる下衣を提供することを課題とする。
【解決手段】本考案の一態様における下衣は、腰部と、この腰部から下方に延出し、着用者の下半身を被覆するように形成されている下部と、上記腰部から上方に延出し、着用者の少なくとも第七胸椎までの範囲に延在するように形成されている上部とを備え、上記上部が、伸縮可能な素材で着用者の肋骨を下方から支持するように形成されている。
【選択図】図1

Description

本考案は、下衣及び衣服に関する。
人が立っている姿勢、及び人が椅子や床に座っている姿勢で、その人の体への負担が少ない状態のことを、正しい姿勢ということがある。また、人が運動する場合でも、その運動に適した姿勢が求められることがある。体への負担が比較的大きい姿勢、すなわち正しくない姿勢で立ち続ける、座り続ける又は運動をし続けると、筋肉の特定の箇所や特定の内蔵に負荷がかかることによる疲労、疾患、或いは怪我をすることがある。
腰部から腹部を包み込むことできれいな姿勢を保つことができるパンツが知られている(実用新案登録第3159344号公報)。このパンツは、前身頃及び後見頃の股上の上縁が、鳩尾の近傍まで形成された延長部分を有している。
実用新案登録第3159344号公報
上記公報所載のパンツは、デニム地などで形成された上記延長部分が、着用者の腰を広い面でしっかりと支えるため、腰が正しい状態に保たれ、きれいな姿勢を維持して腰痛になりにくいとされている。このパンツは、比較的固い生地で形成されているため、着用者が座った際にきれいな姿勢を維持することや着用者が前屈み等の動きをすること等が困難になるおそれがある。また、上記パンツを着用することによる腰部や腹部への長時間の圧迫は、着用者に無用な負担をかけるおそれがある。
上述のような事情に鑑みて、本考案は、着用者への圧迫による負担を軽減し、着用者が立った場合でも座った場合でも正しい姿勢を維持することができ、着用者の動作を妨げることが抑制できる下衣及び衣服を提供することを課題とする。
上記課題を解決するためになされた本考案の一態様における下衣は、腰部と、この腰部から下方に延出し、着用者の下半身を被覆するように形成されている下部と、上記腰部から上方に延出し、着用者の少なくとも第七胸椎までの範囲に延在するように形成されている上部とを備え、上記上部が、伸縮可能な素材で着用者の肋骨を下方から支持するように形成されている。
上記上部が、着用者の第四腰椎から上方を被覆するように形成されているとよい。
上記腰部、上記下部及び上記上部のそれぞれが、異なる素材で形成されているとよい。
上記課題を解決するためになされた本考案の一態様における衣服は、着用者の腰から第七胸椎までの範囲を被覆して肋骨を下方から支持するように伸縮可能な素材で筒状に形成されている。
本考案の下衣及び衣服は、着用者への圧迫による負担を軽減し、着用者が、立った場合でも座った場合でも正しい姿勢を容易に維持することができ、着用者の動作の妨げになることを抑制できる。
図1は、本考案の一態様である下衣を示す模式的正面図である。 図2は、図1の下衣を着用者が着用した状態を示す模式的正面図である。 図3は、図1とは別の下衣を示す模式的正面図である。
本考案の一態様における下衣は、腰部と、この腰部から下方に延出し、着用者の下半身を被覆するように形成されている下部と、上記腰部から上方に延出し、着用者の少なくとも第七胸椎までの範囲に延在するように形成されている上部とを備え、上記上部が、伸縮可能な素材で着用者の肋骨を下方から支持するように形成されている。
当該下衣は、腰部と、この腰部から下方に延出する下部と、上記腰部から上方に延出する上部とを有する。上記上部は、上記着用者の第七胸椎までの範囲に延在し、上記着用者の肋骨を支持するように形成されているため、上記肋骨が下がることを抑制し、上記着用者の正しい姿勢を維持することができる。上記上部は、伸縮可能な素材で形成されているため、上記着用者が立っている場合でも座っている場合でも上記肋骨が下がることを抑制できる。また、上記上部は、伸縮可能な素材で形成されているため、上記着用者に対する圧迫を軽減して快適な着心地を付与することができ、さらに上記着用者の動作の妨げになることも抑制できる。
上記上部が、着用者の第四腰椎から上方を被覆するように形成されているとよい。このようにすることで、上記肋骨が下がることの抑制効果を向上できる。
上記腰部、上記下部及び上記上部のそれぞれが、異なる素材で形成されているとよい。このようにすることで、着心地の良い下衣とすることができる。
上記課題を解決するためになされた本考案の一態様における衣服は、着用者の腰から第七胸椎までの範囲を被覆して肋骨を下方から支持するように伸縮可能な素材で筒状に形成されている。
当該衣服は、着用者の第七胸椎までの範囲に延在し、上記着用者の肋骨を支持するように形成されているため、上記肋骨が下がることを抑制し、上記着用者の正しい姿勢を維持することができる。当該衣服は、伸縮可能な素材で形成されているため、上記着用者が立っている場合でも座っている場合でも上記肋骨が下がることを抑制できる。また、当該衣服は、伸縮可能な素材で形成されているため、上記着用者に対する圧迫を軽減して快適な着心地を付与することができ、さらに上記着用者の動作の妨げになることも抑制できる。
[本考案の実施形態の詳細]
以下、適宜図面を参照しつつ、本考案の実施の形態を詳説する。なお、各図面は、本考案の参照用の図であり、各構成(各部材)の形状、縮尺などは、実際のものと異なることがある。
<下衣>
図1及び図2に示すように、本考案の一実施形態の下衣1は、腰部2と、この腰部2から下方に延出し、着用者Pの下半身を被覆するように形成されている下部3と、上記腰部2から上方に延出し、着用者Pの第七胸椎までの範囲に延在するように形成されている上部4とを備え、上記上部4が、伸縮可能な素材で上記着用者Pの肋骨を下方から支持するように形成されている。当該下衣1としては、特に限定されるものではないが、例えば、日常的に着用する普段着である。本実施形態の下衣1は、パンツである。
腰部2、下部3及び上部4のそれぞれは、異なる素材で形成されている。本実施形態では、腰部2は、上部4より伸縮性の低い素材で形成され、下部3は、上部4より伸縮性の高い素材で形成されている。
〔腰部〕
腰部2は、下部3及び上部4の間に配される。腰部2は、略筒状の部材に形成されている。着用時における腰部2は、着用者Pの骨盤、又は骨盤の上に位置し、第四腰椎には至っていない。腰部2は、伸縮素材で形成されている。腰部2の伸縮素材としては、特に限定されるものではない。腰部2を伸縮素材で形成することで、着用者Pは当該下衣1を容易に着脱できる。腰部2の伸縮素材は、比較的低い伸縮性を有する。すなわち、腰部2の伸縮素材の伸縮率は比較的小さい。このようにすることで、着用した当該下衣1が下がることを抑制できる。
〔下部〕
下部3は、腰部2から下方に延出し、着用者Pの下半身を被覆する。下部3は、腰部2から下方に延出する一つの筒状体31(上側筒状体)と、この上側筒状体31から下方に延出する二つの筒状体32(下側筒状体)とを含む。具体的には、下部3は、少なくとも着用者Pの臀部を被覆する。下部3が着用者Pの下半身を被覆する範囲の下限としては、特に限定されるものではなく、膝上、膝、膝下、踝とすることができ、足を被覆する(すなわち、踵から指先までを被覆する)ようにしてもよい。
下部3は、伸縮素材で形成されている。下部3の伸縮素材としては、特に限定されるものではない。下部3を伸縮素材で形成することで、着用者Pは当該下衣1を容易に着脱できる。下部3の伸縮素材は、比較的高い伸縮性を有する。すなわち、下部3の伸縮素材の伸縮率は比較的大きい。このようにすることで、着用者Pは下半身を容易に動かすことができる。
〔上部〕
上部4は、腰部2から上方に延出し、着用者Pの第七胸椎までの範囲に延在する。上部4は、伸縮可能な素材で着用者Pの肋骨を下方から支持するように形成されている。
本考案の考案者は、人が正しい姿勢を維持できない理由の一つは、肋骨が下がることで背骨が理想的な湾曲を維持できないためであることを突き止めた。すなわち、肋骨を持ち上げるようにすることで正しい姿勢になりやすくなることを発見した。人の肋骨は、第一肋骨から第五肋骨まではそれぞれ略平行に胸椎から胸骨にかけて内臓を囲うように架け渡されているが、第六肋骨から第十肋骨までは、腹側で肋骨弓と接続して胸骨に向かって上方に傾斜するように構成され、第十一肋骨及び第十二肋骨は胸骨に接続されていない。すなわち、人の腹部には、肋骨で背側では覆われているが腹側では覆われていない部分(以下、「肋骨不在部分」という)がある。上部4は、着用者Pの第七胸椎までの範囲に延在しているため、胸骨の下端(剣状突起)より上まで被覆する。つまり、上部4は、上記肋骨不在部分の全部を被覆する。このため、上部4は、下方の肋骨及び第六肋骨から第十肋骨が接続している肋骨弓を支持することができ、その結果、肋骨を持ち上げるようにして着用者Pに正しい姿勢を付与することができる。また、上部4は伸縮素材で形成されているため、着用者Pは、圧迫感が比較的少なく、当該下衣1を長時間着用することができる。このため、着用者Pは正しい姿勢を容易に維持することができる。上部4は、伸縮素材で形成されているため、着用者Pの体位の変化に容易に追従することができ、着用者Pが立っている場合でも、座っている場合でも着用者Pの肋骨を持ち上げて正しい姿勢を付与することができる。
上部4が肋骨を持ち上げるように支持することで横隔膜の動きが好適になり、着用者Pは容易に呼吸をすることができる。肋骨は人の呼吸に伴い僅かに拡縮する。上部4は伸縮素材で形成されているため、肋骨の拡縮を抑制し難く、着用者Pはより容易に呼吸をすることができる。肋骨には、腹筋、肋間筋、小胸筋、前鋸筋、腰方形筋など、体(体幹)の動きに関わる多数の筋肉が付着している。上部4が肋骨を持ち上げることで上記多数の筋肉への局所的な負荷が抑制されるため、着用者Pは、疲労、肩こりや腰痛などの筋肉痛、内臓への負荷などを抑制することができる。
上部4は、着用者Pの第四腰椎から上方を被覆する。すなわち、腰部2が着用者Pの第四腰椎より下に位置する。上部4の下端を着用者Pの第四腰椎より下方にすることで、上部4の下端は第十二肋骨より下方に確実に位置することになる。このため、上部4が肋骨を支持することの確実性が向上する。
<利点>
当該下衣1は、着用者Pの第七胸椎までの範囲に延在する上部4を備えるため、着用者Pの肋骨が下がることを抑制できる。このため、着用者Pは、正しい姿勢を容易に維持することができる。上部4は、伸縮素材で形成されているため、着用者Pは、快適に長時間の着用をすることができ、正しい姿勢をより容易に維持することができる。
[その他の実施形態]
前記実施形態は、本考案の構成を限定するものではない。従って、前記実施形態は、本明細書の記載及び技術常識に基づいて前記実施形態各部の構成要素の省略、置換又は追加が可能であり、それらは全て本考案の範囲に属するものと解釈されるべきである。
上部は、腰部から延出するものではなく、独立した衣服としてもよい。
当該下衣は、普段着に限定されるものでなく、スポーツウェア、作業着、肌着などとしてもよい。
当該下衣は、パンツに限定されるものでなく、図3で示すような、腰部2から下方に延出する一つの筒状体で形成された下部6を備えるスカート5であってもよい。
上記実施形態は、腰部、上部及び下部のそれぞれが異なる素材で形成されているもので説明したが、同一の素材で形成されていてもよく、腰部、上部及び下部のうちの二つが同一の素材で形成され、他の一つが異なる素材で形成されてもよい。
腰部は、伸縮素材で形成されていなくてもよい。例えば、腰部がベルト通しを有し、ベルトを装着することで当該下衣が着用されてもよい。
本考案の下衣は、着用者に好適な着心地を付与しつつ姿勢を正すことができるため、普段着、スポーツウェア等とすることができる。
1 下衣
2 腰部
3,6 下部
31 上側筒状体
32 下側筒状体
4 上部
5 スカート

Claims (4)

  1. 腰部と、
    この腰部から下方に延出し、着用者の下半身を被覆するように形成されている下部と、
    上記腰部から上方に延出し、着用者の少なくとも第七胸椎までの範囲に延在するように形成されている上部と
    を備え、
    上記上部が、伸縮可能な素材で着用者の肋骨を下方から支持するように形成されている下衣。
  2. 上記上部が、着用者の第四腰椎から上方を被覆するように形成されている請求項1に記載の下衣。
  3. 上記腰部、上記下部及び上記上部のそれぞれが、異なる素材で形成されている請求項1又は請求項2記載の下衣。
  4. 着用者の腰から第七胸椎までの範囲を被覆して肋骨を下方から支持するように伸縮可能な素材で筒状に形成されている衣服。

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