JP3238503B2 - 車両のグローブボックス - Google Patents

車両のグローブボックス

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鈴木  誠
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カルソニックカンセイ株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両のインストルメン
トパネル本体に形成した収容空間に物品収容函を傾動可
能に取付けてなる車両のグローブボックスであって、特
にインストルメントパネル本体に対して物品収容函をワ
ンタッチで取付けし得る車両のグローブボックスに関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の車両のグローブボックス
としては、例えば図1に図示するものがある。これは、
インストルメントパネル本体1に取付けられる収容空間
2の開口縁に蝶番3を介して蓋体4を開閉自在に取付
け、さらにはその蓋体4の開放度合を規制せしめるため
の規制部材5,6を取付けている。また上記蝶番3にか
え、収容空間の開口縁に水平支軸を保持させ、この水平
支軸を介して蓋体4を開閉可能に軸支せしめる構造のも
のもある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来のものにあっては、いずれも蓋体4は、蝶番3
等を介してインストルメントパネル本体1に対して開閉
可能に取付けられるものであって、その本体1と蓋体4
との結合構造が複雑であり、本体1に蓋体4を取付ける
取付作業に手間がかかるという不便があった。
【0004】また本体1に蓋体4を結合するための手段
として蝶番3、規制部材5,6、あるいはそれら部材等
を取付けるための取付ねじ等の部品が必要となって、部
品点数の増大による経済性、生産性の低下を招くという
欠点もあった。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明はかかる従来の不
具合及び欠点に着目してなされたもので、インストルメ
ントパネル本体に収容空間を形成し、さらにこの収容空
間に対してワンタッチで物品収容函を開閉可能に止着で
きる車両のグローブボックスであって、グローブボック
ス構成のための部品点数を従来例のものと比して大幅に
削減するとともに物品収容函の取付作業性を大幅に改善
して、経済性を向上せしめることができる車両のグロー
ブボックスを提供することにある。
【0006】
【実施例】以下に本発明を図面に示す実施例に基いて詳
細に説明する。
【0007】図2乃至図10において、11は車両の助
手席側前方に設けられるインストルメントパネル本体で
あって、この本体11の一部には、収容空間12が形成
されている。この収容空間12を区画する両側壁13の
ほぼ中央には、切欠30が設けられており、この切欠
30の下部の開口縁に沿ってほぼ前後方向に伸びる支
持レール14が設けられ、この支持レール14の前部
はS字状規制部14’が形成されている。
【0008】前記支持レール14の下方には、両側壁1
3から、収容空間12内に張出す張出部31が設けら
れ、この張出部31の前部にほぼ上下方向に伸びる案内
レール32が形成されている。
【0009】前記案内レール32の下方に位置させて前
記収容空間12内に略U字状をした軸受15が突設され
ている。この軸受15は、案内レール32に向って開口
している。
【0010】16は前記収容空間12内に傾動可能に取
付けられる物品収容函であって、その両側壁18の下端
部には、支軸22がそれぞれ突設され、この支軸22は
軸受15に嵌着するようになっている。また両側壁18
の上端部近くにはストッパ21が突設されており、この
ストッパ21は、切欠30に貫入するようになってい
る。17は物品収容函16の一部を形成している化粧板
である。
【0011】また前記化粧板17中央部には樹脂の可撓
弾性によって変位し得るフック部23が一体形成されて
いて、そのフック部23は、フック枠24に取り囲まれ
ている。また前記グローブボックス嵌合凹部12の上部
中央部には前記フック部23が係止される係止孔25
と、その係止孔25の左右両側方に形成される位置決め
片26が突設されているものである。
【0012】以上が本実施例の構造であるが、次にその
作用について述べる。
【0013】インストルメントパネル本体11に対して
物品収容函16を組付けるには、物品収容函16の両端
を把持してその上部を図6に示すようにインストルメン
トパネル本体11に向けて傾けて収容空間12に挿入
し、両ストッパ21を両切欠30内に貫入させる。
【0014】前記両ストッパ21が両切欠30内に貫
入し終えたところで、両ストッパ21が、両切欠30
の上部に位置するようになるまで図7に示すように物品
収容函16を持ち上げてこれを収容空間12内に挿入
し、物品収容函16の化粧板17の両側端19を図7に
示すように案内レール32に当接させる。
【0015】次いで、化粧板17の両側端19が案内レ
ール32に当接させたままの状態で図7の矢印Aで示す
ように案内レール32に沿って物品収容函16を押し下
げる。この押し下げによって物品収容函16に設けられ
た支軸22が、図2の実線で示すように軸受15に嵌着
される。これによってストッパ21が支持レール14に
よって支持されて切欠30から抜け出ることがないの
で、物品収容箱16のインストルメントパネル本体11
への組付けが完了する。物品収容箱16はフック部23
に設けられるロック装着を解除することによって、図2
の点線で示すようにストッパ21がレール14の規制部
14’に当接する開放限位置迄開放する。この開放限位
置においてはストッパ21がレール14の規制部14’
に規制させて上方に変位することができないので、支軸
22が軸受15から抜け出ることはなく、従って物品収
容函16がインストルメントパネル本体11から外れる
ことはない。
【0016】かくしてインストルメントパネル本体11
に軸支された物品収容函16は、図7に示すように物品
収容函16に設けた取付にロック部材20を設け、こ
のロック部材20を本体11の係止孔25に係止せしめ
ることにより、物品収容函16は収容空間12内に収容
される。このとき、収容空間16に設けられているフッ
ク枠24の左右両側外面が、インストルメントパネル本
体11に設けられている位置決め片26に当接し、収容
空間12内に嵌入されている物品収容函16の横方向の
揺動が阻止される。これによって物品収容函16はイン
ストルパネル本体11に対してガタなく保持されるもの
である。
【0017】このように本実施例にあっては、収容空間
12を有するインストルメントパネル本体11と、その
収容空間12に嵌合される物品収容函16との2部材で
構成されることから、グローブボックスを構成するに当
って部品が少なくてすむ。
【0018】また、収容空間12内に物品収容函16を
軸止めせしめる取付作業は、図6、図7及び図2に示す
手順により極く簡単なワンタッチ操作により行なうこと
ができ、グローブボックスの組立作業性が大幅に向上す
る。さらに物品収容函16は、図6、図7及び図2に示
す手順と逆の手順により物品収容函16をワンタッチで
取外しも可能であることから、物品収容函16自体のメ
ンテナンス及びインストルメントパネル本体11の内部
及びその奥部のメンテナンス等がきわめて容易に行なえ
る。
【0019】前記実施例においては、収容空間12を区
画する両側壁13に切欠30を設けたものが説明され
ているが、一方の側壁13にのみ切欠30を設け、ま
たこの切欠30に貫入するストッパ21を一個、側壁
18に設けるようにしてもよく、また支持レール14
は、ストッパ21を支持するものである限り、収容空間
12に張出す他、その反対側に張出すようにしてもよ
く、その他、その機能を同じくする限り前記のも限定
されるものではないことはいうまでもない。
【0020】
【発明の効果】この発明は、前記のようであって、車両
のインストルメントパネル本体に形成した収容空間に、
物品収容函を傾動可能に取付けてなる車両のグローブボ
ックスにおいて、前記物品収容函の両側壁の下端部に支
軸を、また少なくとも一側壁の上部にストッパをそれぞ
れ突設し、前記収容空間を区画する側壁に前記ストッパ
が貫入する切欠、及び前記収容空間内に突出し、かつ
前記インストルメントパネル本体の表面側に略上下方向
に延びる案内レールをそれぞれ設け、さらに、この案内
レールの下方に位置させ、この案内レールに向かって開
口し、前記支軸が上方からのみ嵌入する略U字状をした
軸受を前記収容空間内に設け、前記ストッパを前記イン
ストルメントパネル本体の表面側から前記切欠に貫入
させた上で、前記物品収容函を前記案内レールに沿って
下方に移動させて前記軸受前記支軸を嵌着したので、
グローブボックス全体の構成部品が少なく経済的な製品
を提供できる。
【0021】またその前記収容空間内に前記物品収容函
を軸止めせしめる取付作業は、前記切欠部に物品収容函
に突設したストッパを前記インストルメントパネル本体
の表面側から貫入させた上で、物品収容函を案内レール
に沿って下方に押圧させるだけで行なうことができ、組
立作業性が大幅に向上するという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来例のグローブボックスの構造説明図。
【図2】本発明実施例の断面図。
【図3】本発明実施例の分解斜視図。
【図4】本発明実施例のグローブボックス本体の裏側よ
り見た斜視図。
【図5】本発明実施例のインストルメントパネル本体の
要部の斜視図。
【図6】本発明実施例の取付け説明図。
【図7】本実施例の取付け説明図。
【図8】本発明実施例の要部の断面図。
【図9】物品収容函のロック構造を示した要部断面図。
【図10】図9におけるロック部材の斜視図。
【符号の説明】
11…インストルメントパネル本体 12…収容空間 13…側壁 14…支持レール 15…軸受 16…物品収容函 17…化粧板 18…側壁 19…側端 20…ロック部材 21…ストッパ 22…支軸 23…フック部 24…フック枠 25…係止孔 26…位置決め片 30…切欠 32…案内レール

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両のインストルメントパネル本体に形
    成した収容空間に、物品収容函を傾動可能に取付けてな
    る車両のグローブボックスにおいて、前記物品収容函の
    両側壁の下端部に支軸を、また少なくとも一側壁の上部
    にストッパをそれぞれ突設し、前記収容空間を区画する
    側壁に前記ストッパが貫入する切欠、及び前記収容空
    間内に突出し、かつ前記インストルメントパネル本体の
    表面側に略上下方向に延びる案内レールをそれぞれ設
    け、さらに、この案内レールの下方に位置させ、この案
    内レールに向かって開口し、前記支軸が上方からのみ嵌
    入する略U字状をした軸受を前記収容空間内に設け、前
    記ストッパを前記インストルメントパネル本体の表面側
    から前記切欠に貫入させた上で、前記物品収容函を前
    記案内レールに沿って前記軸受前記支軸を嵌着したこ
    とを特徴とする車両のグローブボックス。
  2. 【請求項2】 車両のインストルメントパネル本体に形
    成した収容空間に、蓋体を有する物品収容函を傾動可能
    に取付けてなる車両のグローブボックスにおいて、前記
    蓋体の下端部の両端に支軸を、また前記物品収容函の少
    なくとも一側壁の上部にストッパをそれぞれ突設し
    記収容空間を区画する側壁に前記ストッパが貫入する切
    、及び前記収容空間内に突出し、かつ前記インスト
    ルメントパネル本体の表面側に略上下方向に延びる案内
    レールをそれぞれ設け、さらに、この案内レールの下方
    に位置させ、この案内レールに向かって開口し、前記支
    軸が上方からのみ嵌入する略U字状をした軸受を前記収
    容空間内に設け、前記ストッパを前記インストルメント
    パネル本体の表面側から前記切欠に貫入した上で、前
    記蓋体を前記案内レールに沿って下方に移動させて前記
    軸受に前記支軸を嵌着したことを特徴とする車両のグロ
    ーブボックス。
  3. 【請求項3】 前記切欠の下部の開口縁に沿って前記
    ストッパを支持する支持レールを設けたことを特徴とす
    る請求項1、又は2記載の車両のグローブボックス。
  4. 【請求項4】 前記物品収容函の両側壁の上部にストッ
    パを突設し、前記収容空間を区画する両側壁に前記スト
    ッパが貫入する切欠孔を設けたことを特徴とする請求項
    1、又は2記載の車両のグローブボックス。
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