JP3238017B2 - 溶銑予備処理用浸漬フリーボード - Google Patents

溶銑予備処理用浸漬フリーボード

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JP3238017B2
JP3238017B2 JP21325494A JP21325494A JP3238017B2 JP 3238017 B2 JP3238017 B2 JP 3238017B2 JP 21325494 A JP21325494 A JP 21325494A JP 21325494 A JP21325494 A JP 21325494A JP 3238017 B2 JP3238017 B2 JP 3238017B2
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純市 黒木
政宣 熊倉
孝道 赤星
慎二 松尾
精造 寺西
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  • Refinement Of Pig-Iron, Manufacture Of Cast Iron, And Steel Manufacture Other Than In Revolving Furnaces (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、下部が開放されており
上部から排気される容器である浸漬フリーボードの下部
溶銑鍋中の溶銑に浸漬し、該浸漬フリーボードの中央
部よりランスを溶銑中に浸漬させ、溶銑の脱P処理を行
うに際し、浸漬フリーボードの中間槽と下部槽の脱着部
への、溶銑浸入による溶損を防止した溶銑予備処理用浸
漬フリーボードに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、溶銑の予備処理において、溶銑鍋
内の溶銑中へフリーボードを浸漬し、フリーボードの中
央部よりランスを溶銑浴中に挿入し、酸素及び処理材を
投入して、溶銑中のP等の不純物を取除く作業が行われ
ている。この際用いられる浸漬フリーボードは、槽内部
耐火物の損耗部分に差異が生ずることから上部、中間、
下部と槽を分離可能な構造をとり、損耗の激しい下部槽
を損耗状況に応じて交換している。すなわち図2は従来
からの浸漬フリーボードを溶銑鍋15に浸漬させた溶銑
処理を説明する図である。図中1は浸漬フリーボードの
下部槽、4は浸漬フリーボードの中間槽、12は浸漬フ
リーボードの上部槽、13はランス、14は溶銑、15
は溶銑鍋、16は酸素および処理剤、17はノズル、1
8はスラグである。
【0003】このような構造において、中間槽と下部槽
の脱着部は槽内張り耐火物同志の面接触で保つため、こ
の部分はモルタル等の目地材によって接触面の気密を保
持している。この目地材は槽内耐火物に比べると、その
耐久力が劣るため、この部に溶銑の差し込み侵入が起こ
り、この部分の溶損のために下部槽のみならず中間槽の
使用寿命も短くしている。この溶銑侵入を防止するため
両槽の脱着部内張り耐火物内面に吹き付け材(耐火材)
を吹き付けている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記した従来技術は、
次の課題を有する。従来、浸漬フリーボードの中間槽と
下部槽の内張り耐火物内径を同一寸法としているため
に、脱着部に吹き付け材を吹き付けても、溶銑処理を行
うと槽内溶銑の激しい動きにより、吹き付け材表面が溶
銑によって舐められ、剥離する場合がある。剥離した場
合はその部分に即、溶銑が浸入し、中間槽と下部槽の脱
着部分が溶損され、浸漬フリーボードの寿命が著しく低
下し、その取換のため生産性が落ちていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するためになされたものであり、その手段は、上部
槽、中間槽、下部槽からなる浸漬フリーボードにおい
て、下部槽内張り耐火物内径を中間槽内張り耐火物内径
より小さくし、両者間の脱着部に段差を設けたことと、
また、下部槽フランジ下方に該フランジ径よりも大きな
径を有する熱遮蔽体を設けた溶銑予備処理用浸漬フリー
ボードにある。
【0006】
【実施例および作用】本発明は、浸漬フリーボードの中
間槽と下部槽の脱着部への溶銑浸入による溶損を防止
し、浸漬フリーボードの寿命を延長方法させることを目
的とし、浸漬フリーボードの中間槽と下部槽の脱着部に
段差を設けることで、脱着部へ吹き付け材の吹き付けを
行った際の吹き付け材の剥離を防止することにより、浸
漬フリーボードの中間槽と下部槽の脱着部への溶銑浸入
による溶損を防止することが可能であり、また、浸漬フ
リーボードコスト削減が可能となる。
【0007】図1に本発明になる実施例である浸漬フリ
ーボードの下部槽と中間槽の脱着部を示した。下部槽1
は耐火物3を芯金10で保持した筒状体からなり、上部
に脱着のためのフランジ2(金物)を有している。中間
槽4の外側は鉄皮からなり、その内側を耐火物6で内張
りされている。また、その下部には脱着のためのフラン
ジ5を有し、下部槽1との脱着を行う、7は両槽の脱着
部であり、槽外側はフランジ2,5同志の接触、内側は
内張り耐火物3,6同志の接触となる。8は両槽内張り
耐火物によって形成された段差部であって、下部槽の内
張り耐火物になる内径が、中間槽内張り耐火物内径より
小径になるよう構成する。9は該段差部に吹き付けた吹
き付け材である。
【0008】さらに下部槽1には同槽芯金10をフラン
ジ2下方において外側方向に延長し、その延長部に耐火
物3を張り付けて構成された熱遮蔽体11を有する。か
く構成されたフリーボードにおいては、下部槽と中間槽
の槽内面脱着部は段差が形成されているため、吹き付け
材を吹き付けたとき、下部槽段差部に吹き付け材が積載
された状態となり、吹き付け材の耐火物への付着が良好
に保たれ、溶銑処理による溶銑の動きによっても剥離脱
落することなく、溶銑浸入による脱着部の溶損を防止す
ることが可能となった。
【0009】下部槽と中間槽間に設ける段差部は、吹き
付け材の剥離防止を目的とするものであるから、その段
差部寸法、即ち中間槽内張り耐火物内径に対する下部槽
内張り耐火物内径の差を必要とする。また下部槽の外側
に設けた熱遮蔽板11によって、上部フランジ(下部槽
フランジ2と中間槽フランジ5)への溶銑、溶滓からの
輻射熱を遮蔽するため、フランジが熱変形を起こすこと
が避けられ、フランジ変形によるフランジ同志の不完全
装着、強いては脱着部の間隙の発生による溶銑浸入の危
険性の増大が防止できる。
【0010】
【発明の効果】本発明により、中間槽と下部槽の脱着部
へ吹き付けを行った際の吹き付け材の剥離が防止でき、
該脱着部への溶銑浸入による溶損を防ぐことが可能とな
った。また、下部槽フランジ部への熱輻射を防ぐことに
より、フランジの熱変形を防止でき、フランジ装着障害
の発生を未然に防ぐことができ、浸漬フリーボードの寿
命が延長し、浸漬フリーボード耐火物のコスト削減が可
能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明になる浸漬フリーボードの下部槽と中間
槽の脱着部を示した図
【図2】従来からの浸漬フリーボードによる溶銑処理を
説明する図
【符号の説明】
1 下部槽 2 下部槽フランジ 3 下部槽内張り耐火物 4 中間槽 5 中間槽フランジ 6 中間槽内張り耐火物 7 脱着部 8 段差部 9 吹き付け材 10 芯金 11 熱遮蔽体12 上部槽 13 ランス 14 溶銑 15 溶銑鍋 16 酸素および処理剤 17 ノズル 18 スラグ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松尾 慎二 大分県大分市大字西ノ洲1番地 新日本 製鐵株式会社 大分製鐵所内 (72)発明者 寺西 精造 大分県大分市大字西ノ洲1番地 新日本 製鐵株式会社 大分製鐵所内 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C21C 1/02

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上部槽、中間槽、下部槽からなる浸漬フ
    リーボードにおいて、下部槽内張り耐火物内径を中間槽
    内張り耐火物内径より小さくし、両者間の脱着部に段差
    を設けたことを特徴とする溶銑予備処理用浸漬フリーボ
    ード。
  2. 【請求項2】 下部槽フランジ下方に該フランジ径より
    も大きな径を有する熱遮蔽体を設けたことを特徴とする
    請求項1記載の溶銑予備処理用浸漬フリーボード。
JP21325494A 1994-08-16 1994-08-16 溶銑予備処理用浸漬フリーボード Expired - Fee Related JP3238017B2 (ja)

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